JP2015021061A - 樹脂シート、電子部品用基板およびその評価方法 - Google Patents

樹脂シート、電子部品用基板およびその評価方法 Download PDF

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靖幸 首籐
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Abstract

【課題】透明性、耐熱性および耐久性を有するとともに、特定の波長で構造発色性を有する樹脂シートおよびその評価方法を提供する。【解決手段】樹脂(A)と粒子(B)とを含む樹脂シートであって、すれすれ入射小角X線散乱法(GISAXS)の二次元パターンにより算出される前記粒子(B)の最近接粒子間距離の平均値が、100nm以上300nm以下であることを特徴とする樹脂シートことを特徴とする樹脂シートを得た。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂シート、それを用いた電子部品用基板及びその評価方法に関する。
従来、樹脂シートを着色させるために、顔料、色素、染料などの着色材を含有させることが行われてきた。
前記顔料の粒子径が大きい場合、前記顔料が大きいため、樹脂シートの透明性が損なわれることがあった。前記顔料の粒子径がナノスケールなどのように小さい場合、前記顔料の粒子が凝集するため、樹脂シートの透明性が損なわれることがあった。
また、色素や染料等は、耐熱性が低い場合や、色の経時変化が大きい場合があり、耐熱性や長期間の使用が要求される用途において、十分な特性を有するものではなかった。
近年では、顔料、色素、染料等のような一部の光を吸収することで着色する以外の方法として、球状ナノ微粒子のコロイド微結晶の構造発色を利用した光学発色体が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、電解質を添加してコロイド結晶を形成させ、構造発色を生じさせる樹脂シートの製造方法では、絶縁性や耐水性などの特性が損なわれる場合があった(例えば、特許文献1参照。)。
また、超音波処理装置を使用してコロイド結晶を形成させ、構造発色を生じさせる樹脂シートの製造方法では、特殊な設備を導入する必要があるため、コストがかかる場合があった(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−319539号公報 特開2008−303261号公報
本発明の目的は、透明性、耐熱性および耐久性を有するとともに、特定の波長で構造発色性を有する樹脂シートおよびその評価方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(4)に記載の本発明により達成される。
(1)樹脂(A)と粒子(B)とを含む樹脂シートであって、すれすれ入射小角X線散乱法(GISAXS)により得られる二次元パターンから算出される前記粒子(B)の最近接粒子間距離の平均値が、100nm以上300nm以下であることを特徴とする樹脂シート。
(2)前記粒子(B)の一次粒子の平均粒径が10nm以上300nm以下である(1)記載の樹脂シート。
(3)(1)または(2)記載の樹脂シートを用いて製造されたことを特徴とする電子部品用基板。
(4)樹脂(A)と粒子(B)とを含む樹脂シートにおいてすれすれ入射小角X線散乱法(GISAXS)の二次元パターンを得る得られた二次元パターンから、前記樹脂シート中の前記粒子の最近接粒子の平均粒子間距離を算出する工程を含むことを特徴とする樹脂シートの方面粒子配列の評価方法。
特定の波長で構造発色性を有する樹脂シートを得ることができた。また、樹脂シート中の粒子の三次元配置を評価できた。
実施例におけるすれすれ入射小角X線散乱測定プロファイル
以下、本発明の樹脂シートの製造方法および樹脂シートについて好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<樹脂シート>
まず、本発明の樹脂シートは、後述する樹脂に、後述する粒子を分散させたものである。
<樹脂(A)>
前記樹脂(A)は、特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂や種々の熱硬化性樹脂を用いることができる。前記樹脂(A)は、後述する粒子(B)を分散させ、構造発色性を向上させる観点から、熱硬化性樹脂が好ましく、2つ以上の官能基を有する化合物を含有する組成物を、熱や光等によって、硬化や架橋して得られるものがさらに好ましい。前記2つ以上の官能基を有する化合物としては、エポキシ化合物、グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキセタン化合物、オキセタニル基を有する化合物、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの中でも、グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート化合物は、透明性および構造発色性が特に優れる観点から、樹脂シートに好適に用いることができる。
なお、本発明における透明とは、光透過性を有し、透かして見ることができる状態をいうが、透過率の低い半透明の状態も含む。
前記グリシジル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂またはこれらの水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
また、前記脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの、水添ビフェニル骨格、および水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、前記(メタ)アクリレート化合物としては、透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく種々の(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。前記(メタ)アクリレート化合物としては、透明性を更に高める観点から、脂環式構造を有し、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。このような脂環式構造を有し、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(1)〜(3)からなる群から選ばれる少なくとも一種を好ましく用いることができる。

(R1およびR2は、互いに異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を示す。aは、
1又は2を示し、bは0または1を示す。)


(一般式(2)中、Xは、H、CH、CHOH、NH
または

R3及びR4は、HまたはCH、pは0または1である。)


(一般式(3)中、nは、1〜20の整数である。)
式(1)、式(2)および式(3)で示される(メタ)アクリレートの中でも、透明性および耐熱性の観点から、式(1)および式(2)より選ばれた少なくとも1種の(メタ)アクリレートが好ましく、一般式(1)において、R1、R2が水素で、aが1、bが0である構造を持つジシクロペンタジエニルジアクリレート、一般式(2)において、Xが−CH2OCOCH=CH2、R3、R4が水素で、pが1である構造を持つパーヒドロ−1,4;5,8−ジメタノナフタレン−2,3,7−(オキシメチル)トリアクリレート、
X、R3、R4がすべて水素で、pが0または1である構造を持つアクリレートより選ば
れた少なくとも1種以上のアクリレートがさらに好ましい。作業性の観点を加味すると、一般式(1)および一般式(2)において、X、R1、R2、R3、R4がすべて水素で、pが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレートが最も好ましい。
なお、式(2)で示される(メタ)アクリレートは、特開平5−70523で示される公知の方法で得ることができる。
本発明で用いられる官能基を有する化合物中には、柔軟性を付与する等の目的で、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、単官能の化合物を含有させることができる
<粒子(B)>
前記粒子(B)は、前記樹脂(A)に分散させることによって、前記樹脂シートの構造発色性を向上させることができる。前記粒子(B)は、耐熱性を向上させる観点から、アルミニウムなどの金属の粒子、シリカやアルミナなどの金属酸化物の粒子、半導体の粒子などが好ましく用いられる。
前記粒子(B)の一次粒子の平均粒径は、10nm以上300nm以下が好ましく、好ましくは70〜200nmであり、最も好ましくは120〜200nmである。平均粒子径が前記範囲内であると、特に透明性と発色性とのバランスに優れる。
前記粒子(B)がシリカ粒子の場合は、前記シリカ粒子は、乾燥させた粉末状のシリカ粒子、溶媒に分散させたコロイダルシリカやシリカゾルを使用することができ、分散性を高める観点から、溶媒に分散させたコロイダルシリカやシリカゾルを用いることが好ましい。
前記溶媒に分散されたコロイダルシリカやシリカゾルを用いる場合の溶媒としては、樹脂組成物中に使用する成分が溶解するものを用いることが好ましく、例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類や水が挙げられる。脱溶媒のしやすさから、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の有機溶媒およびに水分散されたコロイダルシリカ、シリカゾル、シリカ粒子を用いることが好ましく、さらに好ましくは、イソプロピルアルコールおよび水に分散されたコロイダルシリカである。特に、イソプロピルアルコールに分散されたコロイダルシリカを用いた場合は、脱溶媒後の粘度が他の溶剤系に比べて低く、粘度が低い複合体組成物を安定して作製するのに適している。
これらの溶媒に分散させたコロイダルシリカやシリカゾル、シリカ粒子は、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理されたものであっても良く、有機溶媒に分散させるために、界面活性剤等の分散剤を使用しているものであっても良い。
前記半導体の粒子としては、光や電子線のようなエネルギーを吸収することにより、2つのエネルギー順位の差に反比例する波長の光を発する性質を有するものであれば、特に制限されないが、カルコゲン化物を含有する微粒子が好適に用いられる。
前記カルコゲン化物としては、カルコゲン(周期律表のVI族元素のうち、酸素(O)、
硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)の5元素の総称)を含む化
合物を称し、特に、周期律表のII族元素とVI族元素との化合物であるII−VI族化合物が好ましい。さらに好ましくは、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、ZnTe、CdTe、ZnOから選択される少
なくとも1種である。
前記半導体の粒子は、構造発色効率を増加させるため、ボーア半径の2倍よりも小さな粒子径の半導体超微粒子をマトリックス中に凝集なく均一に分散してなる粒子であることが好ましい。マトリックスには、種々の無機物、有機物を用いることができる。無機物としては、ケイ素系の化合物などが挙げられる。有機物としては、耐熱性の面から、ポリイミドや脂環式構造を有する樹脂などが挙げられる。マトリックス中にケイ素やチタンを含有するカップリング剤を使用することもできる。
前記粒子(B)の平均粒子径は、100nm以上300nm以下であり、前記樹脂シートの透明性と構造発色性のバランスをさらに向上させる観点から、120nm以上250nm以下がさらに好ましく、150nm以上200nm以下が最も好ましい。前記粒子(
B)の平均粒子径が前記範囲内の場合、透明性を損なうことなく、平均粒子間距離の制御を容易にすることができる。前記粒子(B)の平均粒子径が前記下限値未満の場合、粒子添加量が少なくなる傾向にあるため、前記樹脂シートの均一性が損なわれる場合がある。また、前記粒子(B)の平均粒子径が前記上限値を超える場合、前記樹脂シート作製前の組成物の分散性が下がり、前記樹脂シートの製造の作業性が損なわれるおそれがある。
前記樹脂シート中の粒子(B)の含有量は、樹脂シートの透明性を損なわない範囲であれば適用することができる。前記粒子(B)の含有量は、樹脂シート全体の体積に対して、15〜50体積%が好ましく、20〜45体積%がより好ましい。前記粒子(B)の含有量が前記範囲の場合、樹脂シート作製前の組成物の流動性、分散性が良好であるため、樹脂シートの製造を容易にすることができ、透明性を維持したまま発色を示す樹脂シートを製造することができる。
前記粒子径、および含有量を満足することにより、樹脂シート中の粒子(B)において、最近接粒子の平均粒子間距離(a)が、100nm以上300nm以下であることが可能となる。構造発色を示す樹脂シートとして機能を発揮するには前記最近接粒子の平均粒子間距離を前記範囲内にすることが好適である。
最近接粒子の平均粒子間距離の測定方法は後述する。
<樹脂シートの製造方法>
上述したような樹脂シートを製造する方法について、透明性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物を用い、球状粒子としてシリカ(シリカゾル)を用いる場合を例に挙げて説明する。
(1)有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、必要に応じて、撹拌しながら減圧することにより有機溶媒を除去する方法、
(2)有機溶媒に分散されたコロイダルシリカ(シリカゾル)と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、必要に応じて、脱溶媒した後、キャストし、さらに脱溶媒させる方法、
(3)粉末状のシリカ微粒子と樹脂組成物およびその他の配合物を混合し、分散能力の高い混合装置を用いて乾燥した分散させる方法、等が挙げられる。
これらの方法のなかにおいて球状粒子を分散させる方法が重要となるが、分散能力が高い装置としては、例えば、特殊機化工業(株)製のフィルミックスや種々のビーズミル等が挙げられる。分散能力が高い装置を使用するときは、混合又は混練中に、反応が急速に進まないように、温度が上昇しすぎないよう注意する必要がある。
樹脂シートを製造する際における有機溶媒を除去するための温度は、30〜100℃に保つことが好ましく、脱溶媒スピードとのバランスでさらに好ましくは30〜70℃であり、最も好ましくは、35〜60℃である。温度を上げすぎると、流動性が極端に低下したり、ゲル状になってしまったりして、シート化するのが困難となる場合がある。
有機溶媒に分散したコロイダルシリカを用いる場合、この有機溶媒を樹脂組成物中に残存させても良い。有機溶媒を含有させる場合、熱処理等の後処理工程を設け、最終的に樹脂組成物から有機溶媒を脱離させればよい。有機溶媒の樹脂組成物中における含有量は、架橋工程や熱処理等によって揮発成分を除去する工程で、発泡する、シートにうねりが発生する、着色するなどの問題を回避するためには、樹脂組成物全体の10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは、5重量%以下であり、最も好ましくは、3重量%以下である。
そして、上述した樹脂組成物を、熱、光等により硬化・架橋して樹脂シートが得られる。
シート化する方法としては、複合体組成物をキャストし、必要に応じ乾燥させる方法、表面平滑性を持つガラス板、プラスチック板、金属板等の間に所望のシート厚さが得られるようにスペーサーを挟み、樹脂組成物を挟み込む方法等がある。後者を用いて、活性エネルギー線等で硬化させる場合は、少なくとも1方は、透明なガラス板、プラスチック板を使用する必要がある。
樹脂組成物を架橋させる方法としては、活性エネルギー線により硬化させる方法、熱をかけて熱重合させる方法等があり、これらを併用することもできる。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線による硬化及び/又は熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下又は真空状態で、200℃〜300℃、1〜24時間の熱処理工程を含ませることが好ましい。
前記樹脂組成物中には、樹脂組成物作製時に重合反応が進行し、粘度が上昇することを防ぐ目的で、重合禁止剤を含有させても良い。硬化反応の完結、揮発分の除去をする等の目的で、さらに高温での熱処理工程を併用することが好ましい。
本発明における前記樹脂シートにおいて、透明性を維持したまま構造発色を示すために、前記樹脂シート中における粒子は、規則性を有していることが好ましい。
本発明おける樹脂シートにおいて、規則性とは、例えば、前記粒子の一次粒子もしくは高次粒子の一部または全部が、孤立に分散しており、周期的な配列状態を有していることを意味し、前記規則性が高いほど、構造発色性を向上させることができる。なお、前記粒子が規則性を有していることは、不均一な状態や凝集状態が全く無いことを意味するものではない。
前記樹脂シート中における粒子が規則性を有するかどうかの判別は、定量的に、以下のように実施できる。前記樹脂シートの小角X線散乱測定により得られる小角X線散乱プロファイルにおいて、前記粒子の粒子間相関に相当するピークが少なくともひとつ以上存在し、好ましくは高次のピークまで一定間隔でピークトップが観察された場合、前記粒子(B)の1次粒子は規則性を有すると判別する。
本発明における樹脂シートにおいて、構造発色とは、構造色とも呼ばれる現象であって、規則性を有する立体構造に起因して光が散乱する現象のことである。構造発色は、樹脂シートの波長分散の反射率を測定し、波長領域400〜800nmにピーク波長が観察された場合、構造発色を有すると判別することができる。
本発明で作製される樹脂シート中には、シート状樹脂組成物の予備組成物作製時に重合反応が進行し、粘度が上昇することを防ぐ目的で、重合禁止剤を含有させることができる。
前記シート状樹脂組成物は、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、熱可塑性又は熱硬化性のオリゴマーやポリマーを併用させることができる。また、前記組成物は、必要に応じて、透明性、耐溶剤性、耐液晶性、耐熱性等の特性を損なわない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料、他の無機フィラー等の充填剤等を含有させることができる。
前記粒子として、溶媒に分散した粒子を用いる場合、この溶媒の一部は、前記樹脂シート組成物中に一部が残存していてもよい。前記溶媒を含有させている場合、熱処理等の後処理工程を設けることで、前記樹脂シートから溶媒を脱離させ、含有量を低下させることができる。前記樹脂シート中の溶媒の含有量は、架橋工程や熱処理等によって揮発成分を除去する工程で、発泡やシートにうねりが発生することを抑える観点から、組成物の10重量%以下が好ましく、5重量%以下がさらに好ましく、3重量%以下が最も好ましくい。
前記樹脂シートは、前記シート状樹脂組成物の予備組成物をシート化させることで得ることができる。前記シート化させる方法の一例としては、前記シート状樹脂組成物の予備組成物をキャストし、必要に応じ乾燥させる方法、表面平滑性を持つガラス板、プラスチック板、金属板等の間に所望のシート厚さが得られるようにスペーサーを挟み、組成物を挟み込む方法等が挙げられる。なお、後者の方法によって、活性エネルギー線等で硬化させる場合は、少なくとも一方は、活性エネルギー線等を透過するガラス板、活性エネルギー線等を透過するプラスチック板などを使用することが好ましい。
前記樹脂シートの平均厚さは、透明性を損なわない範囲であれば種々の平均厚さを適用することができるが、10μm以上2000μm以下であることが好ましい。前記平均厚さが前記範囲の場合、前記樹脂シートの透明性と構造発色性をより高度に両立させることができる。前記平均厚さが前記下限値未満の場合、前記粒子の平均直径に近づくために前記樹脂シート表面から、前記粒子の一部がはみ出すことがあり、外観が損なわれる可能性がある。前記平均厚さが前記上限値を超える場合、前記樹脂シートの柔軟性が損なわれて、曲面などの用途に用いることが難しくなるおそれがある。
前記樹脂シートは、前記加熱工程以外に、追加で硬化させることができる。
前記樹脂が熱硬化性樹脂の場合、熱や光等によって、硬化や架橋させることができる。このように前記樹脂シートを硬化させることによって、前記樹脂シートを取り扱い性に優れるものとすることができる。
前記樹脂シートを架橋させる方法としては、活性エネルギー線により硬化させる方法、熱をかけて熱重合させる方法等があり、これらを併用することもできる。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
硬化反応の完結、揮発分の除去をする等の目的で、さらに高温での熱処理工程を併用することが好ましい。
前記樹脂シートを紫外線等の活性エネルギー線により硬化させる場合は、前記組成物中にラジカル、カチオン等を発生する光重合開始剤を含有させることが好ましい。その際に用いる光重合開始剤としては、例えばラジカル発生剤としてはベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが挙げられ、カチオン発生剤としては芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記樹脂シート中における前記重合開始剤の含有量は、適度に硬化させる量であればよく、前記組成物中の官能基を含有する有機成分100重量部に対し、0.01〜2重量部が好ましく、0.02〜1重量部がさらに好ましく、0.1〜0.5重量部が最も好ましい。前記光重合開始剤の添加量が前記上限値を超える場合は、重合が急激に進行するため
、架橋密度が不均一になり、前記樹脂シートの外観が損なわれるおそれがある。また、前記光重合開始剤の添加量が前記下限値を下回る場合は、組成物の硬化を十分に進行させるために時間がかかる場合がある。
前記樹脂シートを熱によって重合させる場合は、必要に応じて、前記樹脂シート中に前記熱重合開始剤を含有させることができる。その際に用いる前記熱重合開始剤としては、ラジカル発生剤としてはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等が挙げられ、カチオン発生剤としては芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。使用量は、前記樹脂シート中の官能基を含有する有機成分100重量部に対し、3重量部以下が好ましい。
活性エネルギー線による硬化および/または熱重合による架橋後に高温で熱処理する場合は、その熱処理工程の中に、線膨張係数を低減する等の目的で、窒素雰囲気下又は真空状態で、200℃以上300℃以下の温度で、1時間以上24時間以下の熱処理工程を含ませることが好ましい。
前記の様に作製された樹脂シートは、着色材を使用せずに発色するので透明性、耐熱性、耐久性に優れ、具体的に電子用基板として透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路等に利用できる。
本発明の樹脂シートを、特に液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル等として用いる場合は、シートの厚みが50〜2000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜400μmである。
本発明の特徴としては、フィルム面内方向のおよび面外方向の粒子配列情報が確認されたことにある。
<X線測定>
前記のように作成した複合体樹脂薄膜の膜厚測定には、具体的にはn&k analyzer1500(n&k Tecknology,Inco.)を用いた。フィッティン
グ結果が99.5%以上の値を採用し、異なる箇所5点の平均値とした。
その他の厚み測定手法としては、例えばX線反射率測定、エリプソメータ、断面の電子顕微鏡画像観察などを使用することができる。
本発明のもう一つの重要な特長として、X線散乱像が、点状、線状、または円弧上に出現することにある。このことは、本発明の複合体樹脂組成物の粒子配置が配向していることを示している。
特に、本発明においては、すれすれ入射小角X線散乱法(斜入射小角X線散乱法、微小角入射X線散乱法、薄膜小角X線散乱法と表現する場合もある)を用いた。すれすれ入射X線散乱法とは、試料表面に対して臨界角付近の低角度でX線を入射し、試料からの散漫散乱を検出する手法である。ここで言う臨界角とは、入射X線が全反射を生じる角度であって、具体的には0度近傍の角度である。
本発明に用いたすれすれ入射小角X線散乱法の特徴は、X線の透過した部位全体の平均構造が散乱像として得られる透過X線と異なり、試料表面(数百nm〜数μm)の面内方向、垂直方向 の構造を反映する散乱像が得られることにある。このことにより、フィルム
表面のみの構造を特定することが出来ることにある。
以下に測定条件を示す。
測定は小角X線散乱装置を用いた。用いる小角X線散乱装置としては、特に限定するものではないが、例えば、NANO Viewer(株式会社リガク)やSPring−8(財団法人 高輝度光科学研究センター) BL03XUおよびBL19B2が挙げられる。SPring−8での測定条件は波長1および1.24Å、入射角0.15°、カメラ長12mとした。検出器にはイメージングプレート、IICCD、PILATUSを使用する。
本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.複合体組成物の製造
前記化学式(1)において、R1、R2がともに水素で、aが1、bが0である構造を持つノルボルナンジメチロールジアクリレート(ダイセルサイテック製、IRR214−K)5重量部、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン1重量部、メチルエチルケトン分散型コロイダルシリカ15重量部(シリカ含量40重量%、平均粒子径200nm、日産化学製)を配合し、40℃で撹拌しながら減圧下揮発分を除去した。その後、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製、イルガキュア184)を0.03重量部添加して溶解させた後、さらに減圧下揮発分を除去し、複合体組成物を得た。複合体組成物中の溶剤含有量は溶剤揮発分の重量減少により算出され、10%未満であった。複合体組成物の硬化アニール後の400℃、1時間加熱後の重量残さからシリカ体積分率は33vol%であった。また、使用した透明樹脂と、球状粒子との屈折率差は、カタログ値から0.1以下であった。
2.フィルム化
得られた複合体組成物をシリコンウエハ基材上でスピンコート後(スピンコート装置、ミカサ製)、ガラス容器内に静置し、容器内に窒素ガスを流し込み不活性環境下とした。この条件下で積算光量約700mJ/cm2のUV光を照射して硬化させ、光学フィルム
を得た。
3.すれすれ入射小角X線散乱測定
すれすれ入射小角X線散乱測定は、SPring−8・BL03XU(財団法人 高輝度光科学研究センター)にて実施した。カメラ長は12m、X線エネルギーは12.4keV、入射角は0.15度の条件で測定を行った。得られた二次元パターンについて、面内方向のスキャンをおこない、図1に示すプロファイルが得られ、面間隔d=195nmに相当する位置に第一ピークが認められた。面心立方格子のパラクリスタルモデルでフィッティングをおこなうことによって、表面近傍では粒子が最近接粒子間距離239nmで配列を形成していることが推算された。
本発明によれば、着色材を使用せずに発色するので透明性、耐熱性、耐久性に優れ、具体的に電子用基板としては透明板、光学レンズ、光ディスク基板、液晶表示素子用プラスチック基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用プラスチック基板、太陽電池基板、タッチパネル、光学素子、光導波路等に利用できる。


Claims (4)

  1. 樹脂(A)と粒子(B)とを含む樹脂シートであって、
    すれすれ入射小角X線散乱法(GISAXS)により得られる二次元パターンから算出される
    前記粒子(B)の最近接粒子間距離の平均値が、
    100nm以上300nm以下であることを特徴とする
    樹脂シート。
  2. 前記粒子(B)の一次粒子の平均粒径が10nm以上300nm以下である請求項1記載の樹脂シート。
  3. 請求項1または2記載の樹脂シートを用いて製造されたことを特徴とする電子部品用基板。
  4. 樹脂(A)と粒子(B)とを含む樹脂シートにおいて
    すれすれ入射小角X線散乱法(GISAXS)の二次元パターンを得る
    得られた二次元パターンから、前記樹脂シート中の前記粒子の最近接粒子の平均粒子間距離を算出する工程を含むこと
    を特徴とする樹脂シートの方面粒子配列の評価方法。




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