JP5551994B2 - アレルゲン低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アレルゲン低減剤に関する。
我が国では3人に1人がアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を患っていると言われている。アレルギー疾患の原因としては、ダニ、花粉、カビ、ペットの毛などが挙げられる。特に室内から検出されるダニの70%以上を占めるチリダニのアレルゲン(以下「ダニアレルゲン」という)が問題となっている。このチリダニは、虫体、死骸、抜け殻、フンなどすべてがアレルゲンになると言われている。なかでもフン由来のアレルゲンはアレルゲン活性が高く、しかも非常に小さく舞い上がりやすく人体へ接触することが多いことから、最も問題とされている。
アレルゲンは蛋白質であるので、熱や化学的処理(酸化剤、還元剤、強酸、強アルカリ)などで変性させることで、アレルゲン性を失活させることができる。しかしながら、家庭で安全に使用できる程度の熱や、酸化剤、還元剤、強酸、強アルカリなどでは容易にアレルゲンが変性されないという問題があった。
そこで、近年、アレルゲンの分子表面を比較的温和な条件で化学的に変性する方法が提案されている。例えば、タンニン酸(特許文献1)、茶抽出物(特許文献2)、ヒドロキシ安息香酸系化合物またはその塩(特許文献3)などを用いて変性する方法が提案され、アレルゲン抑制効果が確認されている。また、線状高分子の側鎖に芳香族ヒドロキシ化合物を有する化合物を有効成分とするアレルゲン低減剤(特許文献4)も提案されている。
特開昭61−44821号公報 特開平6−279273号公報 特開平11−292714号公報 特開2003−81727号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法で用いられる化合物のほとんどはポリフェノールの一種であることから褐色に着色しており、衣服や寝具、建材などの表面に固定化させると意匠性を損ねるという問題があった。また、水溶性であるため固定化させた場合、アレルゲン低減効果の耐久性と持続性に問題があった。
一方、特許文献4に記載のアレルゲン低減剤は、有効成分となる化合物の線状高分子として非水溶性ポリマーを用いるため、加工性と持続性の観点で非常に優れており、衣服や寝具、建材などの表面への固定化も容易である。しかしながら、線状高分子の側鎖の芳香族ヒドロキシ化合物が熱や光による酸化劣化や加水分解を受けやすく、建材など高い耐久性が求められる部材へ適用する際には、耐熱性(耐熱変色性)および耐薬品性が問題になることがあった。また、このアレルゲン低減剤は、有効成分の極性が高く、相溶化する樹脂の組合せが制限されるため、表面に有効成分を配向させることが難しく、安定したアレルゲン低減性能を容易に発現することができなかった。また、相溶化しても塗料が増粘し、加工性が悪いなどの問題点があった。さらに、線状高分子の側鎖に芳香族ヒドロキシ化合物を有する化合物を合成するには、出発原料として、少なくとも1つのビニル基を有するフェノール性化合物を用いる必要があった。しかしながら、少なくとも1つのビニル基を有するフェノール性化合物は、高価でしかも着色が非常に大きい。そのため、衣服や寝具および建材など意匠性が高く要求される部材へ適用する場合には、加工製品の風合いを損ねるという着色の問題があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、ダニや花粉などのアレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好であり、また、着色を抑えることができ、加工性を向上させることが可能なアレルゲン低減剤を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明のアレルゲン低減剤は、下記式(1)
Figure 0005551994
(式中、Aは、2価の有機基または直接結合を示し、Rは、水素またはアルキル基を示し、Arは、ヒドロキシ基を1以上有する2価の芳香族炭化水素基を示し、nは正の整数を示す。)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分とすることを特徴とする。
このアレルゲン低減剤において、前記式(1)中のAは、アラルキレン基であることが好ましい。
このアレルゲン低減剤において、前記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物が、下記式(2)
Figure 0005551994
(式中のnは整数を示す。)
で表される化合物であることが好ましい。
このアレルゲン低減剤において、前記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物が、下記式(3)
Figure 0005551994
(式中のnは整数を示す。)
で表される化合物であることが好ましい。
本発明のアレルゲン低減剤は、前記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分として含んでいるので、アレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好である。また、着色を抑えたり、加工性を向上させたりすることもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアレルゲン低減剤は、上記のとおり、式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分として含んでいる。このフェノール性化合物の重量平均分子量は、例えば200〜100000程度の範囲とすることができる。
上記式(1)中のAは、2価の有機基または直接結合を示す。2価の有機基は、例えば、アラルキレン基などが挙げられる。アラルキレン基は、下記式(4)
Figure 0005551994
で表される2価の有機基である。Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基を示し、炭素数1〜4が好ましい。Arは、フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基などのアリーレン基を示し、芳香環上にアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基など炭素数1〜5の置換基を1個以上有していてもよい。上記式(4)で表されるアラルキレン基の具体例としては、芳香環上にメチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基などの置換基を1個以上有していてもよい、ベンジレン基、フェネチレン基、ナフチルメチレン基、ビスベンジレン基、ビスフェネチレン基、ジフェニルジメチレン基、ナフチルジメチレン基などが挙げられる。
上記式(1)中のRは、水素またはアルキル基である。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよい。直鎖状のアルキル基の場合、炭素数が1〜5であることが好ましい。具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。分岐状のアルキル基の場合、炭素数が4〜10であることが好ましい。具体例として、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などが挙げられる。環状のアルキル基の場合、炭素数が3〜20であることが好ましい。具体例として、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンなどが挙げられる。
上記式(1)中のArは、2価の芳香族炭化水素基であり、芳香環上にヒドロキシ基を1個以上有する。また、芳香環上にはヒドロキシ基以外に、メチル基、エチル基、n−プロピル基など炭素数1〜5のアルキル基などの置換基を1個以上有していてもよい。2価の芳香族炭化水素基は、単環式もしくは多環式の芳香族化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから2個の水素原子を除いた基であり、フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。
上記式(1)で表される構造を骨格中にを有するフェノール性化合物は、例えば、フェノール・ノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、無置換フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニレン型フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂などのジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、パラキシリレンおよび/またはメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノールなどのフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られる。
アラルキル型フェノール樹脂は、例えば、上記したフェノール類および/または上記したナフトール類とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルなどから合成される。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、例えば、上記したフェノール類および/または上記したナフトール類とジシクロペンタジエンなどから共重合により合成される。
上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物の具体例としては、上記式(2)で表されるフェノール・ノボラック樹脂や、上記式(3)で表されるフェノール・アラルキル樹脂が挙げられる。なお、式(2)および式(3)中のnは整数である。
このようにして得られる上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物は、主鎖にフェノール構造を有し、安定な構造である。通常の条件では水との反応性がほとんど無いなど反応性、酸化性が低く安定性の高い化合物であり、非常に高い耐熱性(耐熱変色性)および耐薬品性を有する。また、室内塵中に多く存在するヒョウヒダニのアレルゲン(Der1、Der2)、主に春季に多量に空気中に浮遊するスギ花粉アレルゲン(Cryj1、CrIyj2)、ペット由来アレルゲンのイヌフケ(Canf1)、ネコフケ(Feld1)などのアレルゲンに対して、優れた低減効果を発現することができる。
本発明のアレルゲン低減剤は、上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物単独でもよいが、目的を害さない程度に必要に応じて他の公知のアレルゲン抑制剤や親水性高分子が含まれていてもよい。親水性高分子としては、上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物に対して相互作用を起こし得る反応場を形成し得るものであるものが好ましい。アレルゲン低減剤に親水性高分子を含有することによって、通常の湿度条件下、例えば、絶対湿度50g/m以下の雰囲気下において、アレルゲンをさらに効果的に低減できる。
本発明のアレルゲン低減剤は、樹脂への練り込み加工性やその他の物性を改善するために、必要に応じて種々の添加剤を混合することもできる。
添加剤の具体例としては、酸化亜鉛や酸化チタンなどの顔料、リン酸ジルコニウムやゼオライトなどの無機イオン交換体、染料、酸化防止剤、耐光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃強化剤、ガラス繊維、金属石鹸などの滑剤、防湿剤および増量剤、カップリング剤、核剤、流動性改良剤、消臭剤、木粉、防黴剤、防汚剤、防錆剤、金属粉、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤などが挙げられる。
アレルゲン低減剤を塗料や樹脂と配合することによりアレルゲン低減機能を有する樹脂組成物を容易に得ることができる。塗料や樹脂の種類は特に制限はなく、天然樹脂、合成樹脂、半合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを共重合させた樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレンを共重合させた樹脂)、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネイト、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマ−、ポリエステルエラストマ−、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四フッ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レ−ヨン、アセテ−ト、ポリビニルアルコ−ル、キュプラ、トリアセテ−ト、ビニリデンなどの成形用または繊維用樹脂、天然ゴム、シリコ−ンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどのゴム状樹脂がある。また、アレルゲン低減剤を天然繊維の繊維と複合化させて、アレルゲン低減機能を有する繊維を作製することもできる。
アレルゲン低減剤を含む樹脂組成物におけるアレルゲン低減剤の配合割合は、アレルゲン低減剤を含有する樹脂組成物100重量部中、2〜30重量部であることが好ましく、3〜10重量部がより好ましい。2重量部未満であるとアレルゲン低減機能が不十分な場合があり、一方、30重量部より多く配合してもアレルゲン低減効果の向上がほとんどなく非経済的な上、樹脂物性の低下が著しくなる場合がある。
例えばポリビニルフェノール樹脂等の側鎖にフェノール性水酸基を有するアレルゲン低減剤は極性を有するため、樹脂組成物を硬化させた硬化塗膜中では側鎖の部分は塗膜の内側の方に偏在しやすいと考えられる。そのため、このような側鎖にフェノール性水酸基を有する化合物を用いた塗膜は、有効に活用できないフェノール性水酸基が生じやすいと推定される。それに対し上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物は、主鎖にフェノール構造を有するため、主鎖骨格で固定されてフェノール性水酸基が塗膜の内側の方に偏在することが起こりにくくなり、側鎖にフェノール性水酸基を有する化合物と比較して、硬化塗膜表面に配向しやすくなって、安定したアレルゲン低減効果を発揮させることが可能になると推定される。
アレルゲン低減剤を含む樹脂組成物は、樹脂成形品に加工することもできる。その加工方法は、各種樹脂の特性に合わせて公知の加工技術と機械が使用可能である。それらの具体的操作は常法により行えば良く、塊状、スポンジ状、フィルム状、シート状、糸状あるいはパイプ状またはこれらの複合体など、種々の形態に成形加工できる。樹脂組成物は、適当な温度または圧力で、例えば加熱および加圧または減圧しながら混合、混入または混練りの方法によって容易に調製することができる。
また、アレルゲン低減剤の使用形態には特に制限はなく、樹脂成形品や高分子化合物に配合することに限定されることはない。例えば、粉末、粉末含有分散液、粉末含有粒子、粉末含有塗料、粉末含有繊維、粉末含有紙、粉末含有プラスチック、粉末含有フィルムなどの種々の形態で用いることができる。スプレー型、エアゾール型、燻煙型、加熱蒸散型などの汎用の使用方法を用いることもできる。具体的には、例えば、アレルゲン低減剤を溶媒に溶解あるいは分散させて溶液とし、この溶液に水溶剤、油剤、乳剤、懸濁剤などを配合することによって、アレルゲン低減剤をスプレー型とすることができる。なお、溶媒としては、例えば、水(好ましくは、イオン交換水)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル類(酢酸ブチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)が挙げられる。
アレルゲン低減剤を含有する樹脂組成物を建材などの材料の表面に固定化することで、耐久性を有するアレルゲン低減機能を有する加工製品を得ることができる。
アレルゲンが存在する対象物、すなわち、アレルゲンを抑制したい対象物表面に、アレルゲン低減剤を使用形態に応じて、噴霧、分散、塗布、練り込み、印刷、転写などにより固定化させることによって効率よくアレルゲンを低減することができる。
なお、「アレルゲンを低減する」とは、動物性アレルゲンや花粉などの植物性アレルゲンを低減することである。特に効果のある動物性アレルゲンとしては、ダニ類のアレルゲン(ダニ類、節足動物一蛛形綱−ダニ目の生物で、主に7つの亜目に分かれている。アシナガダニに代表される背気門、カタダニに代表される四気門、ヤマトマダニ、ツバメヒメダニに代表される後気門、イエダニ、スズメサシダニに代表される中気門、クワガタツメダニ、ナミホコリダニに代表される前気門、コナヒョウヒダニなどのヒョウヒダニ類、ケナガコナダニに代表される無気門、イエササラダニ、カザリヒワダニに代表される隠気門など)のいずれの種類でも対象となり得る。なかでも、室内塵中、特に寝具類に多く、アレルギー疾患の原因となるヒョウヒダニ類に特に効果がある。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3L(三井化学株式会社製、上記式(3)で表されるフェノール性化合物)10重量部をシンナー(メチルエチルケトン:メチルイソブチルケトン=1:1)60重量部に溶解させて、アレルゲン低減剤溶液を作製した。
(実施例2)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、フェノール・ノボラック樹脂H−1(明和化成株式会社、上記式(2)で表されるフェノール性化合物)を用いた以外は、実施例1と同様にして、アレルゲン低減剤溶液を作製した。
(比較例1)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、ポリビニルフェノール樹脂マルカリンカM(丸善石油化学株式会社製、下記式(5)
Figure 0005551994
で表される構造を骨格中に有する化合物(nは正の整数))を用いた以外は、実施例1と同様にして、アレルゲン低減剤溶液を作製した。
実施例1,2および比較例1で得られたアレルゲン低減剤溶液について、アレルゲン低減性能を測定した。結果を表1に示す。
<アレルゲン低減性能の測定>
1)アレルゲン溶液の調製
アレルゲンの冷結乾燥粉末(精製ダニ抗原;Der2、アサヒビール社製)をアレルゲンタンパク量100ng/mlになるようにリン酸バッファー(pH7.6)に溶解させてアレルゲン溶液を作製した。
2)サンプルの調製
実施例1,2および比較例1で得られたアレルゲン低減剤溶液をバーコーター#20でPETフィルムに塗布し、80℃で30分間乾燥した。
3)反応の実施
操作1)で調製したアレルゲン溶液を、操作2)で作製した各々のフィルムと未加工のPETフィルムに対し400μlづつ滴下し、反応6時間後のアレルゲンタンパク量をELISAキット(Indoor社)を用いて測定した。
なお、アレルゲン低減化率は、下記のとおり算出して求めた。
アレルゲン低減率(%)=100×(1−A/B)
A:操作2)で得られたフィルムの6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
B:未加工のPETフィルムの6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
Figure 0005551994
表1の結果から、上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分として含む実施例1,2は、従来のアレルゲン低減剤を用いた比較例1の場合と同様に優れたアレルゲン低減性能を有していることが確認できた。
(実施例3)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3L(三井化学株式会社製、上記式(3)で表されるフェノール性化合物)10重量部、ウレタンアクリレート(商品名:紫光7640B、日本合成化学社製)25重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名:L−9CA、第一工業製薬社製)75重量部、疎水性シリカ(商品名:サイロホッビク702、富士シリシア社製)5重量部、アクリルビーズ(商品名:GM0401S、ガンツ化成社製)5重量部を加え撹拌し、光硬化性塗料を得た。
(実施例4)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、フェノール・ノボラック樹脂H−1(明和化成株式会社、上記式(2)で表されるフェノール性化合物)を用いた以外は、実施例3と同様にして、光硬化性塗料を得た。
(比較例2)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、ポリビニルフェノール樹脂マルカリンカMを用いた以外は、実施例3と同様にして、光硬化性塗料を得た。
(比較例3)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lを配合しないこと以外は、実施例3と同様にして、光硬化性塗料を得た。
実施例3,4および比較例2,3で得られた光硬化性塗料を、バーコーター#10で予めプレコート処理を施した白色のオレフィンシートに塗布し、電子線照射(125eV、50kGy)により硬化させて、加工シートを得た。
各々の加工シートのアレルゲン低減性能、耐熱性、耐薬品性を測定した。結果を表2に示す。
<アレルゲン低減性能の測定>
1)アレルゲン溶液の調製
アレルゲンの冷結乾燥粉末(精製ダニ抗原;Der2、アサヒビール社製)をアレルゲンタンパク量20ng/mlになるようにリン酸バッファー(pH7.6)に溶解させてアレルゲン溶液を作製した。
2)反応の実施
操作1)で調製したアレルゲン溶液を、実施例3,4および比較例2で得られた光硬化性塗料を用いた加工シートに対し400μlづつ滴下し、反応6時間後のアレルゲンタンパク量をELISAキット(Indoor社)を用いて測定した。アレルゲン低減化率は、下記のとおり算出して求めた。
アレルゲン低減率(%)=100×(1−A/B)
A:実施例3,4および比較例2で得られた光硬化性塗料を用いた加工シートの6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
B:比較例3で得られた光硬化性塗料を用いた加工シートの6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
<耐熱性(耐熱変色性)の評価>
加工シートを80℃で96時間保持し、試験後、色差計で色差△Eを測定した。評価基準は下記の通りである。
△E≦1 :◎
1<△E<2:○
△E≧2 :×
<耐薬品性の評価>
加工シートに、アルカリ洗剤(商品名:ドメスト、ユニリーバ)を滴下し、24時間保持し、外観の異常の有無を確認した。
Figure 0005551994
表2の結果から、上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分として含む実施例3,4は、比較例2,3と比べて、優れたアレルゲン低減性能を有し、且つ耐熱性(耐熱変色性)、耐薬品性に優れていることが確認できた。また、上記式(1)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を塗料に適用でき、これをさらに樹脂シートに適用できるなど加工性が良好であることも確認できた。

Claims (2)

  1. 下記式(I)
    Figure 0005551994
    (式中、Aは、アラルキレン基を示し、Rは、水素またはアルキル基を示し、Arは、ヒドロキシ基を1以上有する2価の芳香族炭化水素基を示し、nは正の整数を示す。)
    で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物を有効成分とすることを特徴とするアレルゲン低減剤。
  2. 前記式(I)で表される構造を骨格中に有するフェノール性化合物が、下記式(II)
    Figure 0005551994
    (式中のnは正の整数を示す。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のアレルゲン低減剤。
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