以下に添付図面を参照して、この発明にかかる混雑状況提供装置、混雑状況提供方法および混雑状況提供プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(混雑状況提供システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システムのシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100は、混雑状況提供装置110と、ユーザの端末装置120と、を含んで構成されている。混雑状況提供システム100において、混雑状況提供装置110およびユーザの端末装置120は、それぞれ、ネットワーク130を介して相互通信可能に接続されている。
混雑状況提供装置110は、公共施設の混雑状況を提供する。混雑状況提供装置110は、具体的には、たとえばパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置については、説明を後述する(図2を参照)。
公共施設は、たとえば、ショッピングモールやレジャー施設によって実現することができる。ショッピングモールは、複数の店舗施設が集まった商業施設とされている。レジャー施設は、複数のアトラクションを備えたアミューズメントパーク(娯楽施設、遊園地)によって実現することができる。
また、レジャー施設は、たとえば、特定のテーマに関連する複数のアトラクションを備えたテーマパークや観光施設によって実現されるものであってもよい。特定のテーマは、具体的には、たとえば、特定の国の文化、物語、映画、時代などが挙げられる。たとえば、テーマパークにおいては、複数のアトラクションによって、当該テーマパーク全体において特定のテーマに関連する演出がなされる。
ユーザの端末装置120は、混雑状況提供装置110から提供される公共施設の混雑状況をユーザに閲覧させる。ユーザの端末装置120は、たとえば、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯型の電子機器によって実現することができる。ユーザの端末装置120を実現するPDAについては、説明を後述する。図1において、符号121は、ユーザの端末装置120を実現するPDAに挿入(装着)されるクレジットカードなどのカードを示している。
混雑状況提供システム100の運用上、ユーザの端末装置120は、たとえば、ショッピングモールの入り口やアミューズメントパークの入場ゲートなどの公共施設への入り口において、当該公共施設へ来場したユーザに配布する。ユーザの端末装置120は、たとえば、携帯型電話機や個人所有のPDAによって実現するようにしてもよい。
ネットワーク130は、たとえば、インターネット、イントラネット、LANなどのコンピュータネットワークによって実現することができる。コンピュータネットワークにおいては、インターネットやイントラネットなどのように、公共施設の混雑状況の閲覧や混雑状況提供装置110に対する公共施設の混雑状況の閲覧要求の受け付けなどの、ユーザの端末装置120が実行する各種の処理を同一のブラウザによる画面操作によって実現するソフトウエアが動作可能とされている。あるいは、コンピュータネットワークにおいては、LANなどのように、ユーザの端末装置120が実行する各種の処理を、それぞれ専用のソフトウエアを起動して実行するようにしてもよい。
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207と、通信I/F(インターフェース)208と、を備えている。この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部201〜208は、バス209によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。FD207に代えてあるいはFD207に加えて、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などの各種の記録媒体を、着脱可能な記録媒体として用いてもよい。この場合、混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置は、各種の記録媒体に対するデータのリード/ライトを制御するドライブを備える。
通信I/F208は、ネットワーク130に接続され、ネットワーク130を介してユーザの端末装置120を実現するPDAなどの外部装置に接続される。通信I/F208は、ネットワーク130と内部とのインターフェースを司り、コンピュータ装置とユーザの端末装置120を実現するPDAなどの外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
(PDAのハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120を実現するPDAのハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120を実現するPDAのハードウエア構成を示すブロック図である。
図3において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120を実現するPDAは、CPU301と、ROM302と、RAM303と、カードリーダ304と、ディスプレイ305と、タッチパネル306と、スピーカ307と、通信I/F308と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120を実現するPDAが備える各構成部301〜308は、バス309によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU301は、PDA全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。また、RAM303は、混雑状況提供装置110によって提供された、公共施設の混雑状況を記憶する記憶部として使用される。公共施設の混雑状況を記憶する記憶部は、ROM302によって実現してもよい。
カードリーダ304は、ユーザが所有するカードのカード情報を読み取る。ユーザが所有するカードは、たとえば、クレジットカードによって実現することができる。カード情報は、当該カードを所有するユーザの識別情報(以下「ユーザ識別情報」という)を含んでいる。たとえば、クレジットカードによってカードを実現する場合、クレジットカード番号によってユーザ識別情報を実現することができる。
また、ユーザが所有するカードは、たとえば、混雑状況提供システム100の管理者が発行する専用のカードによって実現してもよい。この場合の専用のカードは、混雑状況提供システム100の管理者などによって各カードに割り当てられたカード識別情報を記憶する記憶媒体を備える。この専用のカードによってカードを実現する場合、カード識別情報によってユーザ識別情報を実現することができる。
カードリーダ304は、ユーザの端末装置120を実現するPDAとは別体とされていてもよい。具体的には、たとえば、携帯型電話機や個人所有のPDAによってユーザの端末装置120を実現する場合は、携帯型電話機や個人所有のPDAとは別体とされたカードリーダ304を、携帯型電話機や個人所有のPDAを混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120として利用する場合に、当該携帯型電話機や当該個人所有のPDAに接続するようにしてもよい。
ディスプレイ305は、混雑状況提供装置110によって提供された、公共施設の混雑状況を表示する(図7−1を参照)。公共施設の混雑状況は、所定のブラウザを介して表示される。具体的には、ディスプレイ305は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどによって実現することができる。
タッチパネル306は、文字、数値、各種指示などの各種の情報を入力するための操作部を実現し、ユーザによる入力操作に応じて各種の情報の入力を受け付ける。タッチパネル306は、たとえば、ユーザ識別情報を実現するカード番号などの入力を受け付けてもよい。スピーカ307は、たとえばイベントの開始を報知するアラーム音や誤操作がおこなわれたことを報知する警告音を出力する。
通信I/F308は、ネットワーク130に接続され、ネットワーク130を介して混雑状況提供装置110に接続される。通信I/F308は、ネットワーク130と内部とのインターフェースを司り、混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置とPDAとの間におけるデータの入出力を制御する。通信I/F308は、他のPDAとの間におけるデータの入出力を制御してもよい。
ユーザの端末装置120を実現するPDAは、カメラを備えていてもよい。カメラは、タッチパネル306に対する入力操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM303などに記憶される。この場合、撮影によって生成された画像データを、通信I/F308を介して混雑状況提供装置110に送信することができる。
(ユーザ識別テーブルの一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110が備えるユーザ識別テーブルの一例について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110が備えるユーザ識別テーブルの一例を示す説明図である。
図4において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110が備えるユーザ識別テーブル400は、ユーザ識別情報、ユーザ情報、ランク情報、ポイント数などの各種のユーザ別情報を記憶している。ユーザ識別テーブル400において、各種のユーザ別情報は、それぞれユーザ識別情報に関連付けて記憶されている。
ユーザ識別情報は、たとえば、クレジットカードのカード番号とすることができる。ユーザ情報は、たとえば、ユーザの氏名、性別、年齢、生年月日など、ユーザに関する情報とすることができる。また、ユーザ情報は、たとえば、ユーザの連絡先(電話番号、携帯電話やパーソナルコンピュータのアドレス、住所など)に関する情報を含んでいてもよい。
ランク情報は、ユーザのランクを示す。ランク情報が示すユーザのランクは、ユーザごとに、あらかじめ定められている。ランク情報が示すユーザのランクは、たとえば、カード種類およびカードの利用状況の少なくともいずれかに基づいて定めることができる。具体的には、カード種類は、たとえば、特別会員、通常会員などのようにカードの会員の種別を示す。
また、ランク情報が示すユーザのランクは、ポイント数に基づいて決定されるものであってもよい。この場合、ランク情報が示すユーザのランクは、ポイント数が多いユーザほど高くなるように決定される。ポイント数は、ポイントの付与を開始(混雑状況提供システム100の利用を開始)してから継続して累積したポイント数とすることができる。
あるいは、ポイント数は、所定期間内に記憶されたポイント数であってもよい。所定期間は、たとえば、「現在の日付から過去3ヶ月間」、「前月1ヶ月間」、「混雑状況提供システムの利用日10日間分」などのように、たとえば混雑状況提供システム100の運用者などが任意に設定することができる。
(混雑状況提供システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100の機能的構成について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100の機能的構成を示すブロック図である。
図5において、混雑状況提供システム100は、混雑状況提供装置110と、ユーザの端末装置120と、によって構成される。混雑状況提供システム100において、ユーザの端末装置120は、複数設けられている。ユーザの端末装置120は、読取部511と、入力部512と、送信部513と、受信部514と、表示部515と、を備えている。読取部511、入力部512、送信部513、受信部514および表示部515は、ユーザの端末装置120を実現するPDAが備える各部によって実現することができる。
読取部511は、ユーザが所有するカードのカード情報を読み取る。読取部511は、たとえば、ユーザの端末装置を実現するPDAが備えるカードリーダに挿入(装着)されたクレジットカードのカード番号などのユーザ識別情報を読み取る。ユーザの端末装置を実現するPDAが備えるカードリーダにクレジットカードが挿入(装着)された場合、読取部511は、当該カードの有効期限に関する情報をあわせて読み取ってもよい。
入力部512は、ユーザによる入力操作を受け付ける。ユーザは、たとえば、要求情報の送信を指示する入力操作を受け付ける。要求情報は、混雑状況提供装置110に対して、混雑状況に関する情報の提供要求を含んでいる。また、要求情報は、読取部511によって読み取られたユーザ識別情報を含んでいる。ユーザ識別情報は、読取部511によって読み取られることによって入力されるものに限らず、入力部512によって入力されてもよい。
また、入力部512は、混雑状況に関する提供情報の入力を受け付ける。混雑状況に関する提供情報は、ユーザの周辺の混雑状況を示し、混雑の程度に応じてレベル分けされた混雑レベルに関する情報を含んでいる。混雑レベルは、たとえば、0〜9までの10段階で示すことができる。ユーザは、ユーザ自身の主観によってユーザの周辺の混雑状況がいずれのレベルに該当するかを判断し、判断された混雑レベルに相当する数値を混雑レベルに関する提供情報として入力する。
また、入力部512は、混雑レベルの入力を受け付ける際に、公共施設のどの位置における混雑レベルであるかを示す位置情報の入力を受け付ける。位置情報は、たとえば、提供情報の入力を受け付ける表示画面(図7−2を参照)の表示中に入力することができる。
位置情報は、たとえば、提供情報の入力を受け付ける表示画面を表示した場合に、ユーザの端末装置120によって(ユーザの操作を介することなく)取得されるものであってもよい。この場合、位置情報は、たとえば、GPS(Global Positioning System(全地球的測位システム))における位置情報とすることができる。
GPSにおいては、地球上空にある複数(たとえば3個以上)個の衛星からのGPS信号をGPS受信機で受信し、GPS信号に含まれる原子時計によって計時された時刻(日時)データや軌道情報などを用いて現在位置を算出する(測位をおこなう)ことができる。GPSにおいては、原子時計によって計時されたGPS信号の発信時刻(日時)とGPS受信機に搭載されているクオーツ時計によって計時された受信時刻(日時)との時刻差に、GPS信号の伝播速度を乗算することによって各衛星からの距離を算出し、測位をおこなう。GPSおよびGPSにおける測位方法については、公知の技術であるため説明を省略する。
また、位置情報は、たとえば、公共施設内における所望の位置(たとえば天井など)に設置した通信機を用いて取得することができる。この場合、具体的には、たとえば、各通信機に対して、各通信機を特定するとともに各々の設置位置を特定する特定情報を割り当てる。そして、天井などに設置された各通信機が、ユーザの端末装置120との間で通信をおこない、当該通信機の直下を通過するユーザの端末装置120からユーザ識別情報を受信する。
各通信機の設置位置は、混雑状況提供装置110において管理されており、通信機がユーザ識別情報を受信することで、公共施設内を移動しているユーザおよび当該ユーザの現在位置を特定することができる。このように、各通信機と混雑状況提供装置110との間において特定情報を用いた通信をおこなうことによって、公共施設内を移動しているユーザおよび当該ユーザの現在位置を特定することができる。
送信部513は、入力部512において要求情報の送信を指示する入力操作を受け付けた場合に、混雑状況提供装置110に対して、要求情報を送信する。また、送信部513は、入力部512において混雑状況に関する提供情報の入力を受け付けた場合に、混雑状況提供装置110に対して、入力を受け付けた混雑状況に関する提供情報を送信する。
送信部513は、要求情報の送信や提供情報の送信に際して、読取部511によって読み取られたカード情報(たとえば、クレジットカードのカード番号などのユーザ識別情報)を、あわせて混雑状況提供装置110に対して送信する。また、送信部513は、提供情報の送信に際して、当該提供情報の送信時刻に関する情報、あわせて混雑状況提供装置110に対して送信する。提供情報の送信時刻は、たとえば、ユーザの端末装置120を実現するPDAによって計時される時刻とすることができる。
受信部514は、混雑状況提供装置110から送信された混雑状況に関する情報を受信する。混雑状況に関する情報は、たとえば、ユーザの端末装置120から混雑状況提供装置110に対して要求情報を送信した場合に、当該要求情報に応じて送信される。また、混雑状況に関する情報は、たとえば、所定の時刻が到来するごとに、混雑状況提供装置110から送信されるものであってもよい。
表示部515は、受信部514によって受信された、混雑状況に関する情報を表示する。表示部515は、入力部512に対する入力操作に応じて、混雑状況に関する情報の内容を切りかえて表示する。具体的には、たとえば、通常は混雑状況に関する最新の情報を表示し、入力部512に対する入力操作があった場合に、当該入力操作に応じて、最新の情報よりも過去の情報を表示する。また、表示部515は、入力部512に対する入力操作に応じた各種の画面を表示する(図7−1や図7−2を参照)。
混雑状況提供装置110は、混雑状況取得部521と、受付部522と、ランク情報取得部523と、混雑状況提供部524と、ポイント付与部525と、ポイント記憶部526を備えた記憶部526aと、ランク決定部527と、を備えている。混雑状況取得部521、受付部522、ランク情報取得部523、混雑状況提供部524、ポイント付与部525、ポイント記憶部526およびランク決定部527は、混雑状況提供装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
混雑状況取得部521は、公共施設の混雑状況に関する情報を所定の時刻ごとに取得する。公共施設の混雑状況に関する情報は、たとえば、当該情報の取得対象とする公共施設が「レジャー施設におけるアトラクション」、「ショッピングセンターにおけるレストラン」などのように、公共施設の利用に際して同時に利用できる人数に限度がある公共施設である場合、当該公共施設に入場(あるいは入店)するまでに要する時間を示す情報とすることができる。
また、公共施設の混雑状況に関する情報は、たとえば、当該情報の取得対象とする公共施設が「ショッピングセンターにおけるイベント会場」などのように、公共施設の利用に際して同時に利用できる人数に明確な限度がない公共施設である場合、当該公共施設の混雑の程度を示す情報とすることができる。
混雑状況取得部521は、たとえば、「10時00分、10時1分、10時2分、・・・・」などのように、あらかじめ設定された所定の時刻が到来するごとに、公共施設の混雑状況に関する情報を取得する。また、混雑状況取得部521は、たとえば、「混雑状況提供装置が起動されてから1分ごと」などのように、あらかじめ定められた所定の時間が経過した時刻を所定の時刻が到来したと判断し、あらかじめ定められた所定の時間が経過するごとに公共施設の混雑状況に関する情報を取得するようにしてもよい。
混雑状況取得部521は、公共施設の周辺にいるユーザの端末装置120から送信された混雑状況に関する提供情報および送信時刻を受信することによって取得してもよい。混雑状況に関する提供情報は、ユーザ自身の主観によって判断された混雑レベルであるため、おなじ施設についての提供情報であっても、混雑に関するユーザの感じ方などによってユーザごとに混雑レベルの判断にばらつきがあることが想定される。このため、混雑状況取得部521は、混雑状況に関する提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルを当該提供情報の受信数で除算することによって混雑レベルの平均値を算出し、算出された混雑レベルの平均値を各公共施設の混雑状況として取得してもよい。
また、混雑状況取得部521は、ユーザの端末装置120から送信された混雑状況に関する提供情報を取得するものに限らない。具体的には、たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、当該ショッピングモールにおける各店舗施設に、ユーザの端末装置120と同様の構成を備えたPDAを配置する。そして、このPDAに対して、各店舗施設の店員などに所定の入力操作をおこなわせることによって、各店舗施設の混雑状況を入力させる。各店舗施設に配置されたPDAは、所定の入力操作がおこなわれることによって入力された店舗施設の混雑状況に関する情報を、送信時刻とともに、混雑状況提供装置110に対して出力する。この場合、混雑状況取得部521は、各店舗施設に配置されたPDAから送信時刻とともに出力された公共施設の混雑状況に関する情報を受信することによって、公共施設の混雑状況に関する情報を取得することができる。
また、具体的には、たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、当該ショッピングモールにおける各店舗施設に加えて、休憩所、トイレ、階段、エスカレーターなどの共用施設に、公共施設の混雑状況を検出するセンサを設け、当該センサによる検出結果に基づいて、公共施設の混雑状況に関する情報を取得するようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、重量を検出するセンサ(重量センサ)を共用施設の床に設置するとともに、当該センサの出力値を混雑状況提供装置110に送信する通信機を設ける。また、混雑レベルごとに重量の閾値を関連づけて記憶しておく。この場合、混雑状況取得部521は、各共用施設に設置されたセンサからの出力値に基づいて、各共用施設における重量がいずれの閾値に該当するかを判断することによって、公共施設の混雑状況に関する情報を取得することができる。
また、より具体的には、たとえば、ユーザが通過したことを検出するセンサ(光電センサ)を共用施設の壁などに設置するとともに、当該センサの出力値を混雑状況提供装置110に送信する通信機を設ける。また、単位時間あたりにユーザが通過した回数の閾値を混雑レベルごとに関連づけて記憶しておく。この場合、混雑状況取得部521は、各共用施設に設置されたセンサからの出力値(単位時間あたりにユーザが通過した回数)に基づいて、所定時間ごとに、各共用施設における単位時間あたりにユーザが通過した回数がいずれの閾値に該当するかを判断することによって、公共施設の混雑状況に関する情報を取得することができる。
受付部522は、ネットワーク130を介して、ユーザの端末装置120からの混雑状況に関する情報の要求情報を受け付ける。受付部522は、ユーザの端末装置120から混雑状況に関する情報の要求情報が送信されるごとに、送信された要求情報を受け付ける。
ポイント付与部525は、提供情報に基づいて、当該提供情報を提供したユーザの端末装置120へ所定のポイントを付与する。ポイント付与部525は、たとえば、混雑状況取得部521によって取得されたユーザの端末装置120からの提供情報に基づいて、当該提供情報に含まれる混雑レベルの平均値を算出し、算出された平均値と各ユーザの端末装置120から送信された提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルとの乖離度に応じたポイントを付与する。
具体的には、ポイント付与部525は、たとえば、算出された平均と各ユーザの端末装置120から送信された提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルとの差が小さいほど、当該差が大きい場合よりも高いポイントを付与する。
また、ポイント付与部525は、たとえば、混雑状況取得部521によって取得されたユーザの端末装置120からの提供情報に基づいて、当該提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルの加重平均値を算出し、算出された加重平均値と各ユーザの端末装置120から送信された提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルとの乖離度に応じたポイントを付与するようにしてもよい。下記の数式(1)は、加重平均値の算出式の一例を示している。
加重平均は、ユーザの端末装置120からの提供情報のそれぞれに重み(加重)を付け、当該重み(加重)を加味した平均であり、単なる相加平均とは異なる。この実施の形態の混雑状況提供システム100においては、たとえば、提供情報を送信したユーザの信用度を重み(加重)として加重平均を算出する。そして、ポイント付与部525は、加重平均に対する乖離度に基づいてポイントを付与する。加重平均に対する乖離度に基づいてポイントを付与することにより、ユーザからの提供情報の信頼性の向上を期待することができ、算出される混雑状況の信頼度の向上を図ることができる。
提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報が示す混雑レベルは、ユーザの主観的な判断に基づいた値であるため、ユーザごとにばらつきがあることが想定される。たとえば0〜9までの10段階で混雑レベルを示す場合、公共施設が或る程度混雑した状況であれば混雑レベル「0」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報は考えにくい。一方で、このような場合、大多数のユーザの提供情報における混雑レベルが「6」であっても、一部には混雑レベル「5」や混雑レベル「7」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報が存在すると考えられる。
信用度は、ユーザの主観による混雑レベルの判断のばらつきを補正するために用いる。上記のような場合、混雑レベル「6」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザに対しては、混雑レベル「5」や混雑レベル「7」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザよりも高い信用度を設定することができる。
あるいは、このような場合、混雑レベル「5」、混雑レベル「6」、混雑レベル「7」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザに対しては、混雑レベル「4」や混雑レベル「8」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザよりも高い信用度を設定するようにしてもよい。
また、このような場合、混雑レベル「0」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザに対しては、混雑レベル「5」や混雑レベル「7」を示す混雑レベルに関する情報を含む提供情報を送信したユーザよりも低い信用度を設定することができる。
また、ポイント付与部525は、ユーザによる公共施設の利用内容に応じて、所定のポイントを付与する。ポイント付与部525は、たとえば、ユーザの端末装置120に挿入(装着)されたクレジットカードなどのカードの利用状況に基づいて、当該カードの利用状況に応じた数のポイントを付与する。
具体的には、たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、ポイント付与部525は、ショッピングモールを構成する店舗施設においてクレジットカードを利用した取引(カード決済)がおこなわれた場合に、取引金額に応じた数のポイントを付与する。この場合、ポイント付与部525は、カード決済に用いられたクレジットカードのカード番号に基づいてユーザを特定することができる。
ポイント付与部525は、カード決済1回あたりの取引金額に基づいて、カード決済がおこなわれるごとに、カード決済1回あたりの取引金額に応じた数のポイントを付与する。あるいは、ポイント付与部525は、当月の取引金額を累積し、累積された取引金額に応じた数のポイントを付与してもよい。取引金額を累積する期間は、当月に限るものではなく、たとえば、「当月を含む過去の所定期間(たとえば3ヶ月)」、「クレジットカード発行から現在日時までの期間」などであってもよい。
上記のように、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、ポイント付与部525が付与するポイントは、ショッピングモール全体で使用可能なポイント(共通ポイント)とすることができる。あるいは、この場合、ポイント付与部525が付与するポイントは、ショッピングモールにおける特定の店舗施設でのみ使用可能なポイント(店舗限定ポイント)であってもよい。
また、たとえば、アミューズメントパークによって公共施設を実現する場合、ポイント付与部525は、アミューズメントパークを構成するアトラクションの利用の有無や利用回数に応じた数のポイントを付与する。このように、ユーザによる公共施設の利用内容に応じてポイントを付与することにより、公共施設の利用促進を図ることができる。
記憶部526aが備えるポイント記憶部526は、ポイント付与部525によって付与されたポイントを累積して記憶する。ポイント記憶部526は、たとえば、ポイントの付与を開始してから継続して累積したポイントを記憶する。また、ポイント記憶部526は、たとえば、ポイント付与部525によって所定期間内に付与されたポイントを累積して記憶してもよい。この場合、ポイント記憶部526は、具体的には、たとえば、過去6ヶ月間に付与されたポイントを累積して記憶する。
ランク決定部527は、ポイント記憶部526によって記憶されたポイント数に基づいて、ランクを決定する。ランクは、たとえば、「1」、「2」、「3」、「4」および「5」の5段階に分類することができる。ランクの分類(段階)数は、5段階に限るものではなく、4段階以下であってもよいし、6段階以上であってもよい。
ランク決定部527は、たとえば、ポイント記憶部526によって記憶されたポイント数が多いユーザほど高くなるようにランクを設定する。また、ランク決定部527は、たとえば、ポイント記憶部526によって所定期間内に記憶されたポイント数が多いユーザほど高くなるようにランクを設定するようにしてもよい。
この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供装置110においては、ランク決定部527は、たとえば、「1」、「2」、「3」、「4」および「5」の5段階に分類したランクの中から、ポイント記憶部526によって記憶されたポイント数に応じたいずれか一つのランクを、ユーザのランクに決定する。具体的には、ランク決定部527は、たとえば、ポイント記憶部526によって記憶されたポイント数が高いユーザには「5」のランクを付け、以下ランクごとに設定された所定の閾値(ポイント数)ごとに、記憶されたポイント数が低いほど低くなるようにランクを決定する。
ランク決定部527によって決定されたランクを示すランク情報は、該当するユーザのユーザ識別情報に関連付けて、ユーザ識別テーブル400に記憶される。ユーザ識別テーブル400は、たとえば、記憶部526aに設けられている。ランク決定部527は、たとえば、ポイント記憶部526によって記憶されるポイント数が更新されるごとに、ポイント数が更新されたユーザのランクの決定をおこなう。
ランク情報取得部523は、ユーザのランクに関するランク情報を取得する。ランク情報取得部523は、ユーザ識別テーブル400400を参照して、各ユーザの端末装置120を携帯するユーザを特定し、特定されたユーザに関連付けられたランクを示すランク情報を取得する。具体的には、ランク情報取得部523は、たとえば、ユーザの端末装置120を実現するPDAが備えるカードリーダ304によって読み取られたカード番号などのユーザ識別情報に基づいて、各ユーザの端末装置120を携帯するユーザを特定することができる。
あるいは、混雑状況提供システム100の運用に際しては、ユーザに対して、ユーザの端末装置120の利用開始時にユーザ識別情報を入力させたり、要求情報の送信に先立ってあらかじめユーザ識別情報を入力させたりするようにしておいてもよい。このような運用をおこなう場合、ユーザの端末装置120は、ユーザ識別情報が入力されたことを条件として動作するようにしてもよい。
ランク情報取得部523は、たとえば、「10時00分、10時1分、10時2分、・・・・」などのように、あらかじめ設定された所定の時刻が到来するごとに、ランク情報を取得する。また、ランク情報取得部523は、たとえば、「混雑状況提供装置が起動されてから1分ごと」、「前回ランク情報を取得してから所定時間(たとえば10分)が経過するごと」などのように、あらかじめ定められた所定の時間が経過した時刻を所定の時刻が到来したと判断し、あらかじめ定められた所定の時間が経過するごとに、ランク情報を取得するようにしてもよい。
また、ランク情報取得部523は、たとえば、ユーザの端末装置120から送信された要求情報を受信するごとに、ランク情報を取得するようにしてもよい。要求情報には読取部511によって読み取られたユーザ識別情報が含まれているため、この場合のランク情報取得部523は、要求情報に含まれるユーザ識別情報に基づいてユーザを特定することができる。
ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報は、たとえば、ユーザの端末装置120に対して所定の入力操作がおこなわれた場合に、ユーザの端末装置120から消去される。あるいは、ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報は、ユーザの端末装置120を返却する際に、混雑状況の提供元が所定の入力操作をおこなうことによって消去するようにしてもよい。
あるいは、ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報は、公共施設の利用終了時刻が到来した場合に、ユーザの端末装置120から消去されるようにしてもよい。具体的には、たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合は、ショッピングモール全体の閉店時間が到来した場合に、ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報を、すべてのユーザの端末装置120から消去する。あるいは、具体的には、たとえば、アミューズメントパークによって公共施設を実現する場合は、アミューズメントパークの閉園時間が到来した場合に、ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報を、すべてのユーザの端末装置120から消去する。
このように、ユーザの端末装置120に入力されたユーザ識別情報を、所定のタイミングでユーザの端末装置120から消去することにより、ユーザの端末装置120を実現するPDAを公共施設の利用者で日々共用する場合に、クレジットカードのカード番号などが第三者に流出することを防止することができる。
混雑状況提供部524は、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報に基づいてどの時刻において取得した混雑状況を提供するか(遅延時刻)を決定し、決定された混雑状況に関する情報を当該ユーザの端末装置120に対してネットワーク130を介して提供(送信、配信)する。
混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクが、「1」、「2」、「3」、「4」および「5」の5段階に分類されているランクのうちの「5」である場合、現在時刻にもっとも近い(直近の)時刻において取得した混雑状況を提供する。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクが、5段階に分類されているランクのうちの「4」である場合、ランク「5」のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクが、5段階に分類されているランクのうちの「3」である場合、ランク「4」のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクが、5段階に分類されているランクのうちの「2」である場合、ランク「3」のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクが、5段階に分類されているランクのうちの「1」である場合、ランク「2」のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。
このように、混雑状況提供部524は、たとえば、ランク情報取得部523によってユーザのランク情報が取得されるごとに、すべてのユーザの端末装置120に対して混雑状況を提供する。ランク情報取得部523はあらかじめ設定された所定の時刻が到来するごとにランク情報を取得するため、混雑状況提供部524は、あらかじめ設定された所定の時刻が到来するごとに混雑状況を提供する。
この場合、所定の時刻どうしの間隔は、もっとも高いランク(たとえば、ランク「5」」)のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻と、もっとも低いランク(たとえば、ランク「1」」)のユーザに対して提供する混雑状況を取得した時刻との差分よりも長く設定することが好ましい。
混雑状況提供部524は、受付部522によって要求情報を受け付けた場合に、当該要求情報に基づいて決定された時刻において取得された混雑状況を提供するようにしてもよい。たとえば、受付部522によってランク「5」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた場合、当該要求情報を受け付けた時刻あるいは当該時刻にもっとも近い(直近の)時刻において取得した混雑状況を提供する。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、受付部522によってランク「4」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた場合、当該要求情報を受け付けた時刻がランク「5」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻とおなじであっても、ランク「5」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。ランク「5」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、ランク「4」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、の差分時間(遅延時刻)は、混雑状況提供システム100の運用者などによって任意に設定することができる。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、受付部522によってランク「3」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた場合、当該要求情報を受け付けた時刻がランク「5」およびランク「4」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻とおなじであっても、ランク「4」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。ランク「4」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、ランク「3」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、の差分時間(遅延時刻)は、混雑状況提供システム100の運用者などによって任意に設定することができる。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、受付部522によってランク「2」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた場合、当該要求情報を受け付けた時刻がランク「5」、ランク「4」およびランク「3」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻とおなじであっても、ランク「3」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。ランク「3」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、ランク「2」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、の差分時間(遅延時刻)は、混雑状況提供システム100の運用者などによって任意に設定することができる。
また、混雑状況提供部524は、たとえば、受付部522によってランク「1」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた場合、当該要求情報を受け付けた時刻がランク「5」、ランク「4」、ランク「3」およびランク「2」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻とおなじであっても、ランク「2」のユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻よりも前の時刻において取得した混雑状況を提供する。ランク「2」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、ランク「1」のユーザの端末装置120に提供する混雑状況を取得した時刻と、の差分時間(遅延時刻)は、混雑状況提供システム100の運用者などによって任意に設定することができる。
すなわち、ランク「1」のユーザが、たとえば1分間隔などのように、混雑状況提供装置110に対して高頻度で要求情報を送信した場合にも、当該ランク「1」のユーザに対しては、常に、要求情報を送信した時刻よりも所定時間前に取得された混雑状況(たとえば、7分前の混雑状況)が提供される。また、ランク「5」のユーザは、たとえば混雑状況が知りたいと思ったタイミングで要求情報を送信すれば、常に、当該要求情報を送信した時刻における最新の混雑状況を得ることができる。
このように、ユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けるごとに混雑状況を提供する場合も、混雑状況提供部524は、ユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻を基準として、その時刻よりもランクに基づいて決定される所定時間前の時刻において取得した混雑状況を、該当するユーザの端末装置120に対して提供する。
混雑状況提供部524は、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報が示すランクに応じて、他のランクのユーザに提供される混雑状況をあわせて提供してもよい。たとえば、上位のランクのユーザに対しては、下位のランクのユーザに提供される混雑状況を含む混雑状況を提供する。具体的には、たとえば、ランク「5」のユーザに対しては、ランク「1」、ランク「2」、ランク「3」およびランク「4」のユーザに提供する混雑状況をあわせて提供する。
この場合、複数ランク分の混雑状況が提供された場合、ユーザの端末装置120を実現するPDAのディスプレイ305においては、タッチパネル306に対する入力操作に応じて、各ランクの混雑状況を切りかえて表示することができる。また、この場合、ユーザの端末装置120を実現するPDAのディスプレイ305においては、表示中の混雑状況が、いずれのランクの混雑状況であるかをあわせて表示してもよい。
(混雑状況の提供タイミング)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110による、ユーザの端末装置120に対する混雑状況の提供タイミングについて説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110による、ユーザの端末装置120に対する混雑状況の提供タイミングを示す説明図である。
図6においては、混雑状況提供装置110が、混雑状況の更新を1分ごとにおこなう場合を例にして説明する。図6において、混雑状況提供装置110における混雑状況が更新された直後に、ランク「1」、「2」、「3」、「4」および「5」の各ランクのユーザが、混雑状況提供装置110に対してそれぞれ同時に要求情報を送信した場合、ランク「5」のユーザの端末装置120には、現在(要求情報を送信した時刻において最新)の混雑状況が提供される。
具体的には、たとえば、混雑状況提供装置110においてユーザの端末装置120からの要求情報を受け付けた時刻が「11時50分」であって、当該要求情報の送信元となるユーザの端末装置120のユーザがランク「5」である場合、当該ユーザの端末装置120に対しては、11時50分(あるいは11時50分にもっとも近い時刻)において取得した混雑状況を提供する。
また、具体的には、たとえば、ランク「4」のユーザの端末装置120から11時50分に要求情報を受け付けた場合、ランク「4」のユーザの端末装置120には、現在時刻(要求情報を送信した時刻)よりも1分前の時刻(たとえば、11時49分)における混雑状況が提供される(遅延時刻=1分)。すなわち、ランク「4」のユーザの端末装置120には、ランク「5」のユーザの端末装置120に対して「1分遅れ」の混雑状況が提供される。
また、具体的には、たとえば、ランク「3」のユーザの端末装置120から11時50分に要求情報を受け付けた場合、ランク「3」のユーザの端末装置120には、現在時刻(要求情報を送信した時刻)よりも3分前の時刻(たとえば、11時47分)における混雑状況が提供される(遅延時刻=3分)。すなわち、ランク「3」のユーザの端末装置120には、ランク「5」のユーザの端末装置120に対して「3分遅れ」の混雑状況が提供される。
また、具体的には、たとえば、ランク「2」のユーザの端末装置120から11時50分に要求情報を受け付けた場合、ランク「2」のユーザの端末装置120には、現在時刻(要求情報を送信した時刻)よりも5分前の時刻(たとえば、11時45分)における混雑状況が提供される(遅延時刻=5分)。すなわち、ランク「2」のユーザの端末装置120には、ランク「5」のユーザの端末装置120に対して「5分遅れ」の混雑状況が提供される。
また、具体的には、たとえば、ランク「1」のユーザの端末装置120から11時50分に要求情報を受け付けた場合、ランク「1」のユーザの端末装置120には、現在時刻(要求情報を送信した時刻)よりも7分前の時刻(たとえば、11時43分)における混雑状況が提供される(遅延時刻=7分)。すなわち、ランク「1」のユーザの端末装置120には、ランク「5」のユーザの端末装置120に対して「7分遅れ」の混雑状況が提供される。
(表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120の表示画面例について説明する。図7−1および図7−2は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120の表示画面例を示す説明図である。
図7−1において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120は、表示画面710を表示する。表示画面710は、混雑状況提供装置110から提供された混雑状況をユーザの端末装置120が受信した場合に、ユーザの端末装置120を実現するPDAが備えるディスプレイ305に表示される。
表示画面710は、要求情報の送信に際してユーザが指定した公共施設における任意の場所(図7−1においては、ショッピングモールのレストランフロア)の混雑状況を表示する。表示画面710は、レストランフロアにおけるレストランごとに混雑状況を表示する。混雑状況は、対象とする公共施設が利用可能となるまでの待ち時間と、当該待ち時間の長短を図示するマーク(図7−1においては○印)と、によって表示される。
具体的に、表示画面710において、レストランごとの待ち時間は、マークの中に重ねて描画された数値によって示されている。表示画面710においては、たとえば「ハンバーガー」店の待ち時間は「60分」、「回転寿司」店の待ち時間は「5」分であることが示されている。
具体的に、表示画面710において、待ち時間の長短は、マークの濃淡によって示されている。表示画面710においては、たとえば、待ち時間が「60分」であることを示している「ハンバーガー」店は、他店と比較して待ち時間が長い。表示画面710においては、「濃色」のマークは待ち時間が長いことを示し、「薄色」のマークは待ち時間が短いことを示している。もっとも濃色ともっとも薄色との間の濃度は、待ち時間が長いほど濃くなり、待ち時間が短いほど薄くなるように変化する。
待ち時間の長短は、たとえば、マークの大小によって示してもよい。具体的には、たとえば、待ち時間が長いことを示すマークを大きく、待ち時間が短いことを示すマークは小さく、待ち時間がないことはマークを表示しないことによって示すことができる。待ち時間の長短は、たとえば、マークの形状によって示してもよい。具体的には、たとえば、待ち時間が長いことを示すマークは「傘(雨)」のマーク、待ち時間が短いことを示すマークは「太陽(晴れ)」のマーク、中間の待ち時間を示すマークは「雲(曇)」のマークとすることができる。
表示画面710は、ユーザの端末装置120を実現するPDAに提供された混雑状況のうち、最新の混雑状況を表示する。また、表示画面710は、ユーザの端末装置120を実現するPDAに対して所定の入力操作がおこなわれた場合に、最新の混雑状況の前に提供された混雑状況の中から、入力操作の内容に応じた時刻における混雑状況を示す表示画面を、最新の混雑状況を表示する表示画面710に代えて表示することができる。これにより、ユーザは、過去から現在時刻までの混雑状況の変遷を把握することができる。
図7−2において、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100におけるユーザの端末装置120は、表示画面720を表示する。表示画面720は、混雑状況提供装置110に対する提供情報の送信に際して表示される。
表示画面720において、ユーザの現在位置情報は、表示画面720を表示する際に自動的に取得されて表示される。ユーザの現在位置情報を自動的に取得することにより、入力ミスによる誤った提供情報の送信や、提供情報の誤りによる信頼性の低下を抑制することができる。
(混雑状況提供装置110の処理手順/その1)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110の処理手順について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110の処理手順を示すフローチャートである。
図8のフローチャートにおいて、まず、所定の時刻が到来したか否かを判断する(ステップS801)。所定の時刻が到来していない場合(ステップS801:No)は、ユーザの端末装置120から送信された提供情報を受信したか否かを判断する(ステップS802)。ステップS802において、提供情報を受信していない場合(ステップS802:No)は、ステップS801へ戻る。
一方、ステップS802において、ユーザの端末装置120から送信された提供情報を受信した場合(ステップS802:Yes)は、受信された提供情報に含まれる混雑レベルに関する情報を取得する(ステップS803)。そして、ステップS803において取得された、混雑レベルに関する情報に基づいて、混雑状況を算出する(ステップS804)。ステップS804において算出された混雑状況は、当該混雑状況を算出した時刻に関する情報とともに、所定の記憶部に記憶してもよい。
ステップS801において、所定の時刻が到来した場合(ステップS801:Yes)は、通信機、重量センサなどからの出力信号に基づいて、混雑レベルに関する情報を取得する(ステップS803)。ステップS804においては、ステップS801:Yesを経由して取得された混雑レベルに関する情報、および、ステップS802:Yesを経由して取得された混雑レベルに関する情報、の双方の情報に基づいて、混雑状況を算出する。
(混雑状況提供装置110の処理手順/その2)
図9は、この発明にかかる実施の形態の混雑状況提供システム100における混雑状況提供装置110の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、ユーザの端末装置120から送信された要求情報を受信したか否かを判断する(ステップS901)。ユーザの端末装置120から送信された要求情報を受信していない場合(ステップS901:No)は、受信するまで待機する。
ステップS901において、ユーザの端末装置120から送信された要求情報を受信した場合(ステップS901:Yes)は、受信された要求情報に基づいて、当該要求情報の送信元となるユーザの端末装置120のユーザを特定する(ステップS902)。そして、ユーザ識別情報テーブルを参照して、ステップS902において特定されたユーザのユーザ識別情報に関連付けられているランクに関する情報を取得する(ステップS903)。
つぎに、ステップS903において取得されたランクに関する情報に基づいて、当該ランクに関する情報が示すランクのユーザに対して提供する混雑状況が取得された時刻を決定する(ステップS904)。ステップS904においては、たとえば、ランク「5」のユーザであれば要求情報の受信時刻(あるいは、要求情報の受信時刻にもっとも近い受信時刻)を、ユーザに対して提供する混雑状況が取得された時刻に決定する。また、ステップS904においては、たとえば、ランク「1」のユーザであれば要求情報の受信時刻(あるいは、要求情報の受信時刻にもっとも近い受信時刻)の7分前(あるいは7分以上前)を、ユーザに対して提供する混雑状況が取得された時刻に決定する。
その後、ステップS901:Yesにおいて受信された要求情報の送信元となるユーザの端末装置120に対して、ステップS904において決定された時刻に取得された混雑状況に関する情報を送信して(ステップS905)、一連の処理を終了する。
上述した実施の形態においては、ランク情報取得部523によってユーザのランクに関するランク情報を取得し、ランク情報取得部523によって取得されたユーザのランク情報に基づいて混雑状況提供部524によって決定された混雑状況に関する情報を、各ユーザの端末装置120に対して送信するように提供(送信、配信)するようにしたが、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報の決定方法はこれに限るものではない。
たとえば、ユーザにランクを付与せず、ユーザが保有するポイント数に基づいて、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報(遅延時間)を決定するようにしてもよい。具体的には、たとえば、下記の数式(2)に示すように、ユーザが現在保有しているポイント数と、あらかじめ設定されている最大ポイント数とに基づいて、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報を決定することができる。
図10は、遅延時間の算出例を示す説明図である。図10においては、上記の数式(2)にしたがって、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報を決定する際における、ユーザの所有ポイントと提供される混雑状況に関する情報が取得された時刻(遅延時刻)との関係を示している。
図10において、所有ポイント数が増加することにともなって遅延時間が比例して減少し、最大ポイント数(図10においては1000ポイント)以上のポイントを保有するユーザに対しては、すべて遅延時間0(ゼロ)、すなわち、リアルタイムの混雑状況を案内することができる。
また、具体的には、たとえば、下記の数式(3)に示すように、それぞれのユーザが現在保有しているポイント数の分布状況と、各ユーザが現在保有しているポイント数とに基づいて、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報(遅延時間)を決定することができる。下記の数式(3)におけるF(x)は、「客が保有しているポイントの分布」の累積分布関数を示している。
図11は、遅延時間の算出例を示す説明図である。図11においては、上記の数式(3)にしたがって、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報を決定する際における、ユーザの所有ポイントと提供される混雑状況に関する情報が取得された時刻(遅延時刻)との関係をしている。また、図11においては、ユーザが保有するポイントの分布が、平均1000ポイントかつ標準偏差150の正規分布にしたがう場合の遅延時間について示している。
図11において、上記の数式(3)にしたがって算出される遅延時刻は、所有ポイント数が増加することにともなって減少する。減少の程度は、それぞれのユーザが現在保有しているポイント数の分布状況における、各ユーザのポイント数に異なる。たとえば、所有ポイント数が或る程度(図11においては0〜500ポイントあたり)増加するまでの間は、遅延時間の減少の程度は少ない。
また、たとえば、所有ポイント数が或る程度(図11においては500ポイント〜1500ポイントあたり)増加するまでの間は、遅延時間の減少の程度は大きくなり、保有するポイント数が増えるごとに遅延時間も明確に減少する。また、たとえば、所有ポイント数が或る程度(図11においては1500ポイント以上)増加した場合は、遅延時間の減少の程度は少ない。
このように、上記の数式(3)にしたがって算出される遅延時刻は、ユーザが現在保有しているポイント数が、ユーザ全体において上位何%に含まれているかを考慮して算出される。具体的には、たとえば、上位3%に含まれるポイント数のポイントを保有するユーザの遅延時間は、「遅延時間=最大遅延時間×0.03」という演算によって求めることができる。
また、このように、それぞれのユーザが現在保有しているポイント数の分布状況と、各ユーザが現在保有しているポイント数とに基づいて、各ユーザの端末装置120に対して提供する混雑状況に関する情報(遅延時間)を決定することにより、最大ポイント数などの制限を設けることなく、ポイント数の多いユーザほど、より新鮮な混雑状況を把握することができるように遅延時間を決定することができる。これによって、公共施設の利用意識や公共施設における購買意欲の向上を図ることができる。
この発明にかかる混雑状況提供装置110は、ショッピングモールのレストランフロアにおける各レストランの混雑状況を提供する利用方法に限らない。たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、店舗施設ごとのタイムセールやショッピングモール内において開催されるイベントの混雑状況の提供に利用することができる。また、たとえば、ショッピングモールによって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、ショッピングモール内のトイレ使用の順番待ちにかかる混雑状況や、キャッシュレジスターが設置されている精算場所における混雑状況の提供に利用することができる。
また、たとえば、アミューズメントパークによって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、アミューズメントパークにおける各アトラクションの混雑状況の提供に利用することができる。また、たとえば、アミューズメントパークによって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、アミューズメントパークにおけるトイレや休憩所を使用するための順番待ちにかかる混雑状況の提供に利用することができる。また、たとえば、アミューズメントパークによって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、アミューズメントパーク内において開催されるイベントの混雑状況の提供に利用することができる。
さらに、たとえば、電車の駅によって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、ホームに到着した(到着して発車待ち中の)電車の混雑状況の提供に利用することができる。また、たとえば、電車の駅によって公共施設を実現する場合、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、つぎにホームに到着する電車の混雑状況(たとえば、何両目が混雑しているか、何両目に空席があるか、など)の提供に利用してもよい。この発明にかかる混雑状況提供装置110を、このように利用することによって、ユーザは乗客の少ない車両を選ぶことができ、座席に座りやすくなる。
その他、この発明にかかる混雑状況提供装置110は、新鮮さや早期に入手すること(入手するタイミングの早さ)に価値がある情報を取り扱うシステムにおいて応用することができる。
以上説明したように、この実施の形態の混雑状況提供装置110は、ユーザの端末装置120とネットワーク130で接続可能な、公共施設の混雑状況を提供する混雑状況提供装置110であって、公共施設の混雑状況に関する情報を所定の時刻ごとに取得し、ユーザのランクに関するランク情報を取得し、取得されたユーザのランク情報に基づいてどの時刻において取得した混雑状況を提供するかを決定し、決定された混雑状況に関する情報を当該ユーザの端末装置120に対してネットワーク130を介して提供するようにしたことを特徴としている。
この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、所定の時刻ごとに公共施設の混雑状況に関する情報を取得することによって、当該公共施設における混雑状況を高精度に把握することができる。また、この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、ユーザごとに付与されたポイント数に基づいてランクの高いユーザの端末装置120ほど有効な混雑情報を提供するなどのようにユーザごとに差別化を図ることができ、公共施設の利用状況に応じたサービスを提供することができる。
これによって、公共施設における混雑状況を高精度に把握するとともに、把握された公共施設の混雑状況や当該公共施設の利用状況に応じたサービスを公共施設の利用者に対して提供することができる。そして、このように、利用状況に応じて提供するサービスの差別化を図ることにより、ポイント数を増加させようとするなど、利用状況の改善効果を期待することができる。
また、この実施の形態の混雑状況提供装置110は、ユーザの端末装置120からの混雑状況に関する情報の要求情報をネットワーク130を介して受け付けた場合に、当該要求情報に基づいて決定された時刻において取得された混雑状況を提供するようにしたことを特徴としている。
この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、ユーザが混雑状況の把握を希望する任意のタイミングにおいて、当該ユーザのランクに応じたサービスを提供することができる。これによって、ユーザごとの要望に対応し、公共施設の利用率の向上を図ることができる。
また、この実施の形態の混雑状況提供装置110は、ユーザの端末装置120が、ユーザが所有するカードのカード情報を読み取るとともに読み取られたカード情報が含まれた要求情報を送信し、混雑状況取得装置110が、要求情報に含まれるカード情報に基づいて、あらかじめ定められているユーザのランクに関する情報を取得することを特徴としている。
この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、ユーザの特定および当該ユーザのランクの特定をカード情報に基づいておこなうことにより、ユーザ識別情報の入力にかかるユーザの負担軽減を図るとともに、ユーザ識別情報の誤入力を防止することができる。特に、クレジットカードなどのように現金に代わる決済手段として機能するカードを用いる場合、当該カードを用いておこなわれた取引金額の計算を容易かつ確実におこなうことができ、ランクの決定にかかわるポイント数を容易かつ高精度におこなうことができる。また、混雑状況提供システム100が導入された公共施設におけるカードの利用促進を図ることができる。
また、この実施の混雑状況提供ユーザのランクは、カード種類およびカードの利用状況の少なくともいずれかに基づいて定められることを特徴としている。この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、公共施設のユーザに対して、ユーザごとに差別化を図ったサービス提供することができる。
また、この実施の形態の混雑状況提供装置110は、公共施設の周辺にいるユーザの端末装置120から送信された混雑状況に関する提供情報および送信時刻を受信することによって取得することを特徴としている。この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、公共施設の周辺にいるユーザから提供された提供情報に基づいた混雑状況を提供することにより、公共施設における混雑状況を高精度に把握することができる。
また、この実施の形態の混雑状況提供装置110は、提供情報に基づいて、当該提供情報を提供したユーザへ所定のポイントを付与し、付与されたポイントを累積して記憶し、記憶されたポイント数に基づいて、ランクを決定することを特徴としている。この実施の形態の混雑状況提供装置110によれば、ユーザごとに付与されたポイント数に基づいてランクの高いユーザの端末装置120ほど有効な混雑情報を提供することができ、公共施設の利用状況に応じてユーザごとに差別化を図ったサービスを提供することができる。
なお、この実施の形態で説明した混雑状況提供方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。