以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、ユーザが所有する携帯用通信端末装置と、当該携帯用通信端末装置に所定の信号を発信する販売機とから構成されるサービス提供システムに対して本発明に係る特典提供システム、特典提供装置及びプログラムを適用した場合の実施形態である。
[A]第1実施形態
まず、図1を用いて本実施形態におけるサービス提供システム1の第1実施形態について説明する。なお、図1は、本実施形態のサービス提供システム1の構成を示すシステム構成図である。
本実施形態のサービス提供システム1は、例えば、スーパーマーケット等の店舗において、商品の清算その他の順番待ち(行列)が発生している際に、順番待ちをしているユーザに対して待ち時間に応じてクーポンなどの特典を提供するためのシステムである。
特に、本実施形態のサービス提供システム1は、店舗内で商品を購入及び清算するために精算待ちしている状況においてユーザ毎に算出された精算待ちの時間に応じた特典を提供するサービスを実現するためのシステムである。
具体的には、本実施形態のサービス提供システム1は、図1に示すように、ユーザが所有する携帯用通信端末装置10と、店舗に設置され、予め定められたタイミング毎に所定の信号を発信するビーコン300を有する販売機30と、によって構成され、ビーコン300が発信した信号を携帯用通信端末装置10が受信し、携帯用通信端末装置10によって、受信した信号に基づいて、クーポンの発行対象となるか否かが判定され、所定の動作によりクーポンが発行されるシステムである。
このときの方法としては、例えば受信回数をカウントし、受信回数が一定数を超えたユーザに対して一律のクーポンを発行したり、受信回数に応じてより価値の高いクーポンを発行するよう構成することも可能である。また、発行時間や受信間隔などにより異なるクーポンを発行するよう構成してもよい。なお、携帯用通信端末装置10は、常にビーコン300が発信する信号を受け付けるものであり、受信した時間情報と結び付けて記憶しておくことにより、後述するように販売機30にて携帯用通信端末装置10の受信結果からクーポンの発行処理を行うことも可能である。その際に、携帯用通信端末装置10とは、具体的には例えば携帯用電話機やスマートフォン、または指輪、腕輪、キーホルダー、眼鏡などの小物にNFCなどの通信チップを搭載することによって実現できる。
なお、以下の実施形態においては、携帯用通信端末装置10は、ユーザ毎に所有されるとともに、販売機30は、店舗内において複数台設置されている場合でも適用可能であるが、ここでは1台の場合で説明する。また、例えば、本発明の実施形態におけるビーコン300は、各種公知の発信器を用いて構成することが可能である。
本実施形態の携帯用通信端末装置10は、ユーザによって使用されるスマートフォン、タブレット型情報端末装置、又は、携帯用電話機等の携帯用情報通信端末装置であり、Bluetooth(IEEE:the Institute of Electrical and Electronics Engineers 802.15/登録商標)またはRFID(Radio Frequency IDentification)などの近距離無線通信を用いて販売機30と通信回線を確立し、データの授受などの通信を行う構成を有している。
また、携帯用通信端末装置10は、割引クーポン等のサービスを発行するアプリケーション(以下、「特典提供サービスアプリ」という。)が予めインストールされており、ビーコン300から受信確認信号を受信すると、特典情報を提供する処理(以下、「特典提供処理」という。)を実行する構成を有している。
そして、携帯用通信端末装置10は、特典提供処理として、同一のビーコン300から発信された受信確認信号の受信時間及び受信回数などの受信結果を記録し、連続的に所定の期間受信したか否かを判定し、当該受信確認信号を連続的に所定の期間受信した場合に、当該携帯用通信端末装置10のユーザに対して物理的な又は電子的なクーポンの提供を許可する構成を有している。クーポンの提供としては、携帯用通信端末装置10自身がクーポンとなる画像を表示し、それ自体をクーポンとして提供してもいいし、例えば携帯用通信端末装置10とは別の装置へ判定結果を送信し、その判定結果を基に別の装置からクーポンを発行させることも可能である。なお、受信結果を別の装置へと送信し、クーポンの提供対象となるか否かの判定自体を別の装置にて構成することも可能である。また、クーポンの提供条件としてここでは連続的な受信に対してクーポンを提供するよう構成して説明するが、これに限定されることなく、例えば受信確認信号の受信回数のみをもって、規定値を満たした際にクーポンを提供するよう構成することも可能である。
本実施形態の販売機30は、Bluetooth(登録商標)その他の近距離無線との通信手段を有して自機の識別IDとともに信号を発信するビーコン300を有し、図示しないネットワークを介して他の通信装置と通信しつつ、ユーザが購入する商品等の決済を行う決済処理端末装置である。
また、販売機30は、レジ精算機の他に、例えば、自動販売機、券売機、電子マネーやクレジットカードその他の決済端末装置を有する装置、又は、入退場ゲートやそのための改札機によって構成される。そして、販売機30は、例えば、商品に貼り付けたバーコードを読み取るためのバーコードリーダーによる値段入力とテンキー等を用いた手動による値段入力とが可能な構成を有し、POSシステムを実現するためのプログラム等を格納したROM(図示せず)及び清算過程の料金等を一時記憶するRAM(図示せず)等を有している。
なお、販売機30は、RFID等のリーダ・ライタと、紙媒体で形成されるクーポンを特典として発行する機能を有していてもよく、クーポン発行の条件(以下、「クーポン発行条件」という。)を具備した携帯用通信端末装置10をリーダ・ライタにかざすと、レシートとともに紙媒体のクーポンを発行するようになっていてもよい。なお、精算を行った店員がクーポン発行条件の具備を確認したことを前提に、当該クーポンを手渡ししてもよい。
また、販売機30は、無人決済可能な精算機であってもよいし、有人決済可能な精算機であってもよい。さらに、例えば、本実施形態のビーコン300は、本発明の発信手段を構成し、販売機30は、本発明の発信装置を構成する。
ビーコン300は、識別情報を有し、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を用いることによって、識別情報を含む受信確認信号を所定時間毎に発信する構成を有している。なお、ビーコン300は、販売機30に組み込まれていてもよいし、独立的に、販売機30の近傍に設けられていてもよい。また、ビーコン300は、本発明の発信手段を構成する。
このような構成により、本実施形態のサービス提供システム1は、精算待ちしてからの待ち時間の受信確認信号の受信を条件として、待ち時間に応じた特典を発行することができるので、精算待ち(順番待ち)をしている時間や施設の利用状況に応じて特典をユーザに提供することができるとともに、来訪意欲の向上や購入意欲の向上を図ることができるようになっている。
次に、図2を用いて本実施形態の携帯用通信端末装置10について説明する。なお、図2は、本実施形態の携帯用通信端末装置10の構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態の携帯用通信端末装置10において実行される特典提供処理を説明するための図である。
本実施形態の携帯用通信端末装置10は、図2に示すように、近距離無線通信インターフェース(以下、「近距離無線I/F」という。)120と、通信インターフェース130と、液晶パネル等により構成される表示部140と、表示部140を制御する表示制御部150と、各種の情報が記録される記録部160と、操作部170と、携帯用通信端末装置10の全体を統合制御する端末管理制御部180と、時間を計測するために用いるタイマ181と、アプリケーションを実行するアプリケーション実行部190と、を有し、上記の各部は、バス199によって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
近距離無線I/F120は、端末管理制御部180の制御の下、アンテナ(図示せず)を介してビーコン300から送信された受信確認信号を受信する。特に、近距離無線I/F120は、Bluetooth(登録商標)の通信形式を用いてアンテナ(図示せず)を用いて予め定められている距離的範囲(すなわち、Bluetooth(登録商標)上の通信範囲)に存在するビーコン300から送信された受信確認信号を受信する。
通信インターフェース130は、RFID用のインターフェースであり、RFID用のリーダ・ライタに接近すると、当該リーダ・ライタが発生させている磁界エネルギーを検出し、当該検出したエネルギーに基づいて所定のデータ通信を行う。特に、本実施形態においては、紙媒体などの物理的なクーポンを発行する場合には、通信インターフェース130は、販売機30のリーダ・ライタに接近させて、クーポン発行条件を満たしている場合には、当該クーポン発行条件を満たしている旨を示す信号を通知する。
表示部140は、所定のサイズ(例えば、5インチ、W480×H960ピクセル)の画像表示領域を有し、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部150において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。特に、本実施形態では、表示部140は、電子的なクーポンなどの特典情報を示す画像を表示する。
表示制御部150は、端末管理制御部180及びアプリケーション実行部190の制御の下、表示部140に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成し、生成した描画データを当該表示部140に出力する。
記録部160は、携帯用通信端末装置10の管理及び制御に関するプログラム及びインストールされた特典提供サービスアプリを含む各種のアプリケーションが記録されるアプリケーション記録部161と、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられるとともに、携帯用通信端末装置10で実行される各処理において用いられるデータが記録されるRAM163と、を有している。
特に、RAM163には、特典提供サービスアプリを介して、特典情報が記録される。なお、当該特典情報は、クーポン発行条件を満たした場合に、操作部170に入力された操作指示に基づいて読み出されて表示部140に表示される。
操作部170は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキー等の多数のキー、又は、表示部140上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。
端末管理制御部180は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、携帯用通信端末装置10の全般的な機能を総括的に制御する。
タイマ181は、アプリケーション実行部190において指示されたタイミングからカウントを開始し、計測した時間を当該アプリケーション実行部190に提供する。なお、実時間情報を基に計測を行うことも可能である。
アプリケーション実行部190は、独立的に設けられた中央演算処理装置(CPU)によって又は端末管理制御部180とともに共通の中央演算処理装置(CPU)によって構成される。また、アプリケーション実行部190は、アプリケーション記録部161に記録された各種のアプリケーションを実行することにより、各種の機能を実現する。
特に、アプリケーション実行部190は、特典提供サービスアプリを起動させることによって、特典提供処理を実現する。例えば、アプリケーション実行部190は、
(1)ビーコン300から送信された受信確認信号の待機中、当該受信確認信号を受信すると、特典提供処理を開始し、
(2)一定期間毎にビーコン300から送信された受信確認信号を受信し、当該受信確認信号を連続して受信しているか否かを判定し、
(3)最初に受信確認信号を受信してから計測された時間が所定の条件(例えば計測開始から5分経過したこと)を満たした場合に、クーポン発行条件を満たしたとして、例えば、「クーポン提供可」を示すフラグ情報を書き換えて、クーポンをユーザに提供可能な状態にする。
なお、アプリケーション実行部190は、最初に受信確認信号を受信してから一定時間受信確認信号がない場合には、精算終了又は精算を断念したとして特典提供処理を終了させる。
具体的には、アプリケーション実行部190は、上記の処理を実行するために、特典提供サービスアプリを実行し、ビーコン300からの受信確認信号を受信の有無を検出する信号検出処理部191と、受信確認信号の受信状況に基づいて精算待ちを判定する判定処理部192と、精算待ちの判定結果に基づいて特典情報を提供する特典情報提供部と193と、を実現する。
なお、例えば、本実施形態の信号検出処理部191は、近距離無線I/F120とともに、本発明の受信手段を構成し、判定処理部192は、本発明の判定手段を構成する。
信号検出処理部191は、ビーコン300から送信された受信確認信号の受信待機中に、当該受信確認信号を検出すると、特典提供サービスアプリを起動させ、判定処理部192を駆動させる。また、このとき、信号検出処理部191は、タイマ181を駆動し、カウントを開始させ、予め設定された時刻(5分経過後)となったときに出力信号を出力する設定を行う。
また、信号検出処理部191は、特典提供処理を開始した後には、受信確認信号を検出すると、判定処理部192にその旨を通知する。
判定処理部192は、信号検出処理部191から受信確認信号の受信をした旨の通知を受信すると、所定のタイミング毎に当該受信確認信号を、クーポン発行条件を具備するまで連続的に受信したか否かを判定する。
例えば、判定処理部192は、特典提供処理を開始して受信確認信号を最初に受信してからタイマ181の出力信号を受信するまで(すなわち、5分経過するまで)連続して受信確認信号を連続的に受信している場合に、クーポン発行条件を具備したと判定する。
そして、判定処理部192は、クーポン発行条件を具備したと判定した場合には、その旨を特典情報提供部193に通知し、特典提供処理を終了させる。このとき、判定処理部192は、タイマ181を停止し、カウンタをリセットさせるとともに、信号検出処理部191を受信確認信号の受信待機状態に移行させる。
また、判定処理部192は、クーポン発行条件を具備する前に受信確認信号の受信を検出しなくなった場合には、特典提供処理を終了させ、その旨を信号検出処理部191に通知する。このとき、判定処理部192は、タイマ181を停止し、そのカウンタをリセットさせるとともに、信号検出処理部191を受信確認信号の受信待機状態に移行させる。
なお、判定処理部192は、タイマ181の計測に代えて受信確認信号を所定の回数連続的に受信した場合に、例えば、15秒毎に受信確認信号が発信されている場合に、最初に受信確認信号を受信して(特典提供処理が開始されて)から20回連続して当該信号を受信した場合に、クーポン発行条件を具備したと判定してもよい。
また、判定処理部192は、物理的なクーポンを提供する場合には、クーポン発行条件の具備したときに代えて、当該物理的なクーポンを提供するため、販売機30に形成された図示しないリード・ライト端末装置に携帯用通信端末装置10をかざしたときに、特典提供サービスアプリの駆動を停止させてもよい。
特典情報提供部193は、判定処理部192によってクーポン発行条件を具備したことが判定された場合には、RAM163に記憶されている特典情報を読み出し、表示制御部150と連動して表示部140にクーポンを取得したとして表示する。
例えば、図3に示すように、ユーザが精算待ちしてから(すなわち、所定の領域(以下、「受信可能領域」という。)に入ってから)清算開始までの時間が5分間であった場合であって、クーポン発行条件を具備したと判定された場合には、特典情報提供部193は、10%割引などのサービスを受けることができる特典情報を電子的なクーポンとして表示部140に表示させる。
なお、特典情報提供部193は、所定の条件を具備した場合に、又は、精算時に、RFID用のリーダ・ライタ機能を用いて、又は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信回線を用いてユーザが特典情報を有するレシートその他の媒体を享受するために、販売機30に特典情報を送信してもよい。
また、表示された特典情報は、当該精算時に使用できるものであってもよいし、次回以降の精算時に使用できるものであってもよい。
さらに、同一の販売機30において、精算待ちの時間が異なる場合に、当該精算待ちの時間に応じて特典情報の内容を変化さてもよい。すなわち、発信された発信信号を連続的に受信した期間(期間の長さ及び時期)に応じて取得するクーポンを変更してもよい。例えば、クーポン発行条件が、段階的に設定されており、受信確認信号を最初に受信してから連続に受信して5分経過した場合に、第1のクーポン発行条件を具備し、10分経過した場合に、第2のクーポン発行条件を具備し、20分経過した場合に、第3のクーポン発行条件を具備すると判定してもよい。
この場合には、特典情報提供部193は、第1のクーポン発行条件を具備した場合に、5%の割引のサービスを受けることができる特典情報、第2のクーポン発行条件を具備した場合に、10%の割引のサービスを受けることができる特典情報、及び、第3のクーポン発行条件を具備した場合に、精算時に付与されるポイントが2倍となるサービスを受けることができる特典情報を電子的なクーポンとして表示部140に表示させてもよい。
次に、図4を参照しつつ本実施形態の携帯用通信端末装置10において実行される特典情報取得処理の動作について説明する。なお、図4は本実施形態の携帯用通信端末装置10において実行される特典情報取得処理を示すフローチャートである。
本動作においては、特典提供サービスアプリが既にインストールされており、RAM163に電子的なクーポンが提供されているものとする。また、本動作は、ビーコン300から送信された受信確認信号を受信待機状態であるものとする。
まず、信号検出処理部191は、ビーコン300から送信された受信確認信号の受信待機中に、当該受信確認信号を検出すると(ステップS101)、特典提供処理を開始し、判定処理部192を駆動させるとともに、タイマ181を駆動し、カウントを開始させる(ステップS102)。
次いで、判定処理部192は、ビーコン300の発信タイミングに合わせて所定の時間待機した後に(ステップS103)、ビーコン300から送信された受信確認信号を受信したか否かを判定する(ステップS104)。このとき、判定処理部192は、ビーコン300から送信された受信確認信号を受信していないと判定した場合には、ステップS105の処理に移行し、受信確認信号を受信したと判定した場合には、ステップS106の処理に移行する。
次いで、判定処理部192は、ビーコン300から送信された受信確認信号を受信していないと判定した場合には、タイマ181を停止し、カウンタをリセットさせるとともに、信号検出処理部191を受信確認信号の受信待機状態に移行させ(ステップS105)、本動作を終了させる。
一方、判定処理部192は、ビーコン300から送信された受信確認信号を受信したと判定した場合には、タイマ181のカウントが所定の時間であるか否かを判定し(ステップS106)、タイマ181のカウントが所定の時間でないと判定すると、ステップS103の処理に移行する。
他方、判定処理部192は、タイマ181のカウントが所定の時間であると判定すると、クーポン発行条件を具備したと判定し、特典情報提供部193は、RAM163に記憶されている特典情報を読み出すとともに、表示制御部150と連動して表示部140にクーポンを取得したとして表示して(ステップS107)本動作を終了させる。
なお、ステップS107の処理において、特典情報提供部193は、クーポンを獲得した旨を表示部140に表示するだけで、販売機30において電子的なクーポン又は物理的なクーポンを提供してもよい。
この場合には、クーポンを獲得した旨の表示が行われている状態で、携帯用通信端末装置10を販売機30のRFID等のリーダ・ライタにかざすと、当該販売機30からクーポンが発行され、又は、店員からクーポンが手渡されるようになっている。
以上本実施形態のサービス提供システム1は、精算待ちしてからの待ち時間の受信確認信号の受信を条件として、待ち時間に応じた特典を発行することができるので、精算待ち(順番待ち)をしている時間や施設の利用状況に応じて特典をユーザに提供することができるとともに、来訪意欲の向上や購入意欲の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、携帯用通信端末装置10において、特典提供処理を実行しているが、図5に示すようにサービス提供システム1に、管理サーバ装置40を備え、無線ネットワーク(図示しない)を介して携帯用通信端末装置10と通信を実行しつつ、当該管理サーバ装置40において特典提供処理を実行してもよい。
この場合には、携帯用通信端末装置10は、ビーコン300からの送信された受信確認信号の受信待機中に、当該受信確認信号を受信すると、無線ネットワーク(図示しない)を介して管理サーバ装置40と通信回線を接続し、特典提供処理が終了するまで、当該受信確認信号を受信する毎に、その旨を通知する。
また、管理サーバ装置40は、上述のアプリケーション実行部と同様の機能を有し、携帯用通信端末装置10毎に特典提供処理を実行するとともに、各携帯用通信端末装置10が受信した受信確認信号の時刻を随時登録する。そして、管理サーバ装置40は、連続して同一のビーコン300から受信確認信号を連続的に受信し、かつ、クーポン発行条件を具備したと判定した場合には、携帯用通信端末装置10のRAM163に記憶された特典情報、又は、当該管理サーバ装置40から通信回線を介して提供された特典情報を電子的なクーポンとして携帯用通信端末装置10の表示部140に表示させる。
ただし、管理サーバ装置40は、物理的なクーポンの場合には、販売機30のリーダ・ライタにかざした際に当該販売機30からクーポンが発行され、又は、店員からクーポンが手渡されるための情報を該当する携帯用通信端末装置10に配信してもよい。
また、この場合に、上述と同様に、管理サーバ装置40は、精算待ちの時間が異なる場合に、当該精算待ちの時間に応じて特典情報の内容を変化さてもよい。すなわち、例えば、クーポン発行条件が、段階的に設定されており、受信確認信号を最初に受信してから5分経過した場合に、第1のクーポン発行条件を具備し、10分経過した場合に、第2のクーポン発行条件を具備し、20分経過した場合に、第3のクーポン発行条件を具備すると判定してもよい。
さらに、無線ネットワークは、例えば、携帯電話網を含む公衆電話網と、IP(Internet Protocol)ネットワークが相互接続されて構成される。ただし、当該ネットワーク20の構成は、これに限られない。
[B]第2実施形態
本実施形態においては、第1実施形態において、販売機30又は当該販売機30の近傍に固定のビーコン300を設け、携帯用通信端末装置10によって特典提供処理を実行する構成を有している点に代えて、ビーコン300を有する携帯用通信端末装置10又はリング形状その他の端末装置(以下、単に「端末装置」又は「デバイス」ともいう。)を用いることによって、精算待ちを開始してからの待ち時間に応じて特典を提供する点に特徴がある。
なお、本実施形態の情報提供システム1は、上記の点を除き、第1実施形態のサービス提供システム1にと同様の構成を有しており、同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、図6を用いて本実施形態におけるサービス提供システム1の第2実施形態について説明する。なお、図6は、本実施形態のサービス提供システム1の構成を示すシステム構成図である。
本実施形態のサービス提供システム1は、図6に示すように、ビーコン300が搭載される携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びリング形状やカード形状のデバイス12と、ネットワーク20と、ビーコン300から発信された受信確認信号を受信する受信機を有する販売機30と、ユーザ毎の特典情報を管理する管理サーバ装置40と、によって構成されている。
なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様に、販売機30は店舗内において複数台設置されている場合でも適用可能であるが、ここでは1台の場合で説明する。また、携帯用通信端末装置10はユーザごとに所有しているものとする。さらに、ネットワーク20は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークが相互接続されて構成される。ただし、当該ネットワーク20の構成は、これに限られない。
各ビーコン300は、携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びリング形状やカード形状のデバイス12、に搭載されており、識別情報(ID)とともに受信確認信号を送信する。なお、例えば、本実施形態のビーコン300は、発信手段を構成し、携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びリング形状やカード形状のデバイス12は、本発明の発信装置を構成する。
販売機30は、各ビーコン300から送信された受信確認信号を受信し、当該受信確認信号を発信したビーコン300の識別情報とともに管理サーバ装置40にネットワーク20を介して提供する。なお、例えば、本実施形態の販売機30は、本発明の発信信号受信装置を構成する。
また、本実施形態の販売機30は、RFID等のリーダ・ライタと、紙媒体で形成されるクーポンを特典として発行する機能を有している。そして、本実施形態の販売機30は、各携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びデバイス12をリーダ・ライタにかざした際に、これらのビーコン300の識別情報を取得するとともに、当該取得した識別情報に基づいて管理サーバ装置40に問い合わせを実行し、クーポン発行条件を有する携帯用通信端末装置10などの場合には、精算時のレシートとともに紙媒体のクーポンを発行する。
なお、クーポン発行条件を有する端末装置が携帯用通信端末装置10の場合には、販売機30は、リーダ・ライタを介して電子的なクーポンを該当する携帯用通信端末装置10に提供してもよい。
管理サーバ装置40は、ビーコン300から受信管理信号とともに送信された識別情報を用いて、携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びリング形状やカード形状のデバイス12毎に第1実施形態と同様の特典提供処理を実行する。
特に、管理サーバ装置40は、第1実施形態のアプリケーション実行部と同等の機能を有しており、各携帯用通信端末装置10、ウェアラブル端末装置11及びデバイス12毎に、
(1)ビーコン300から送信された受信確認信号の待機中、当該受信確認信号を受信すると、特典提供処理を開始し、
(2)一定期間毎にビーコン300から送信された受信確認信号を受信し、受信した受信確認信号を連続して受信しているか否かを判定し、
(3)最初に受信確認信号を受信してから計測された時間が所定の条件(例えば計測開始から5分経過したこと)を満たした場合に、クーポン発行条件を満たしたとして、例えば、「クーポン提供可」を示すフラグ情報の書き換えを実行し、
(4)販売機30の問い合わせにより、精算をしているユーザの端末装置がクーポン発行条件を満たす端末装置の場合には、クーポンデータとその発行指示を当該販売機30に送信する、
構成を有している。
なお、本実施形態において、管理サーバ装置40は、販売機30が既にクーポンデータを有する場合には、クーポンの発行指示のみ販売機30に送信する。また、クーポンの内容としては、一律に一定の割引のサービスを受ける内容であってもよいし、第1実施形態と同様に、精算待ちの時間が異なる場合に、当該精算待ちの時間に応じて特典情報の内容を変化さてもよい。さらに、例えば、本実施形態の管理サーバ装置40は、本発明の特典提供装置を構成する。
次に、図7を用いて、本実施形態の管理サーバ装置40の構成について説明する。なお、図7は、本実施形態の管理サーバ装置40の構成を示すブロック図である。
本実施形態の管理サーバ装置40は、図7に示すように、販売機30に通信接続される通信制御部310と、各種のメモリとして機能するROM/RAM320と、識別情報に対応付けて各ビーコン300の受信状況が記録される記録部330と、装置全体を制御するサーバ管理制御部340と、特典提供処理を実行するデータ処理部350と、現在日時を特定するタイマ360と、を有し、上記の各部は、バス399によって相互に接続されている。
なお、例えば、本実施形態のデータ処理部350は、通信制御部310とともに、本発明の受信手段及び提供手段を構成し、データ処理部350は、本発明の判定手段及び登録手段を構成する。
記録部330は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)又はSSD(ソリッドステートドライブ)により構成され、その記録領域内に、識別情報に対応付けて各ビーコン300の受信状況が記録される。
通信制御部310は、所定のネットワークインターフェースであり、ネットワーク20を介して、販売機30とデータの授受を行う。
ROM/RAM320には、管理サーバ装置40の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。また、ROM/RAM320は、サーバ管理制御部340やデータ処理部350が各種の処理を実行する際のワークエリアとして用いられる。
サーバ管理制御部340は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、管理サーバ装置40の各部を統合制御する。
データ処理部350は、独立した中央演算処理装置(CPU)によって構成され、又は、サーバ管理制御部340の中央演算処理装置(CPU)を用いて構成される。そして、データ処理部350は、サーバ管理制御部340による制御の下、プログラムを実行することにより、特典提供処理を実行する。なお、データ処理部350は、複数のビーコン300における受信状況を管理する他は、単一のビーコン300の受信状況を管理する第1実施形態のアプリケーション実行部の処理と同様であるため、その説明を省略する。
なお、データ処理部350は、ユーザによる自身の動作間隔を基に、又は、受信確認信号の受信時間を基に、精算待ち(順番待ち)の妥当性を判定し、特典の提供を判定する。
以上、本実施形態のサービス提供システム1は、第1実施形態と同様に、精算待ちしてからの待ち時間の受信確認信号の受信を条件として、待ち時間に応じた特典を発行することができるので、精算待ち(順番待ち)をしている時間や施設の利用状況に応じて特典をユーザに提供することができるとともに、来訪意欲の向上や購入意欲の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、販売機30と、管理サーバ装置40と、を別々に設けているが、販売機30及び管理サーバ装置40を一体にして形成させてもよい。
また、精算待ち列の途中に割り込みを行ったユーザを認識することができるようになっており、当該ユーザがたとえ販売機30においてリーダ・ライタにかざしたとしても、クーポンが発行されないようになっている。
すなわち、管理サーバ装置40は、端末装置毎に、すなわち、ビーコン300毎に識別情報に基づいて、精算待ちの開始タイミング及び当該開始タイミングからの待ち時間を管理しているので、たとえ、あるユーザが割り込みをしたとしても、他の端末装置との精算待ち開始タイミング、及び、当該開始タイミングからの待ち時間を比較することによって割り込みの有無を判定することができるようになっている。
通常、割り込みせずに精算を待っている場合には、他の端末装置との精算待ち開始タイミングを比較すれば、順番に並んでいるとともに、当該開始タイミングからの待ち時間を比較しても、ほぼ同一の時間となっている。しかしながら、割り込みをした場合には、開始タイミングが割り込みしたユーザは前に並んでいるユーザより開始タイミングは遅く、当該開始タイミングからの待ち時間も短くなる。
また、この場合には、本実施形態の管理サーバ装置40は、このような状態を検出した端末装置については、クーポンを発行しないようになっている。ただし、管理サーバ装置40は、クーポンの未発行に代えて、または、当該クーポンの未発行に加えて、店舗側に警告などの通知を行ってもよい。
さらに、本実施形態のサービス提供システム1は、上記の割り込みと同様に、精算待ち状態となっていない場合や見かけ上で精算待ちをしているようなユーザも排除することができるようになっている。
すなわち、例えば、新たな受信確認信号を受信したときに、精算待ち状態になっていないような場合であれば先に受信確認信号の受信対象のユーザの清算はすでに終わっている状態であり、また、精算待ちがあれば先に受信した受信確認情報の受信結果(位置情報)は清算処理が済む度に変化するはずである。
そこで、管理サーバ装置40は、他の端末装置との精算待ち開始タイミングを比較及び当該開始タイミングからの待ち時間を比較するとともに、精算タイミングを管理することによって、精算待ち状態となっていない場合や見かけ上で精算待ちをしているようなユーザを、受信確認信号の受信の無効化、又は、クーポンの発行停止など、排除するようになっている。そして、このような場合に、精算待ちではないユーザに対して精算待ちのクーポンを発行してしまうことを抑制することができるようになっている。
なお、ユーザの識別情報を用いて順番待ちの妥当性を判断することに変えて、例えば販売機30の稼動状況によって順番待ちが行われていたか否かを判断し、クーポンの発行を制御するよう構成してもよい。この場合、例えば一定時間ユーザによる購入がなければ順番待ちが行われていないと判断し、一方、連続的に購入が行われている際には一定数連続して購入が行われたことをトリガーとして、順番待ちを行っていたとするユーザにクーポンを発行する。
また、管理サーバ装置40は、ビーコン300から送信された受信確認信号の電波強度に基づいて、各ビーコン300の位置を確認し、他のビーコン300の位置、精算待ち開始タイミングを比較及び当該開始タイミングからの待ち時間を比較することによって、上述のユーザの割り込み、精算待ち状態となっていない場合や見かけ上で精算待ちをしているようなユーザを、受信確認信号の受信の無効化、又は、クーポンの発行停止など、排除するようになっている。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもでき、これに限定されることなく、例えば、施設内での利用者に対して、ビーコンを用いて発信信号を発信し、受信回数に応じて次回の利用料金を割り引くなど種々の変形が可能である。