JP5550396B2 - バッチ式熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを熱処理するバッチ式熱処理装置に関する。
例えば、金属製品等のワークを熱処理(例えば焼入)するバッチ式熱処理装置として、ヒータを有している加熱炉を備えたものがあり、この加熱炉内でワークは雰囲気ガス中で加熱される。
このようなバッチ式熱処理装置では、加熱処理中、加熱炉内の温度のばらつきが小さいほど、ワークの熱処理の品質を向上させることができる。そこで、炉内温度のばらつきを小さくするために、加熱炉内の雰囲気ガスを撹拌し循環させる機構が設けられている。例えば、雰囲気ガスを循環させる機構として、撹拌用のファンが加熱炉内に設けられている熱処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−120439号公報(図1参照)
熱処理するワークが大型化する場合、加熱炉も大型化させればよいが、加熱炉が大型化すると炉内温度のばらつきが生じやすくなる。しかし、ワークの熱処理の品質はワークの大小に関わらず維持すべきであり、このため、炉内の温度のばらつきを小さくするために、様々な改良案が提案されている。例えば、ファンを大型化したり、ファンの回転数を高めたりして、加熱炉内の雰囲気ガスを全体として撹拌するようにしている。
しかし、ファンを大型化する場合、加熱炉の大きさに合わせた新たなファンを特別に製作する必要があり、また、このようなファンを回転させるためには、大きな容量のモータが必要となる他、ファンを支持するための周辺の部材もより強固な構造が必要となる。また、ファンの回転数を高める場合、やはり、モータの大容量化が必要となる。
このように、炉内の雰囲気ガスを全体として撹拌させるために、ファンを大型化したりファンの回転数を高めたりすると、装置の製作コストが高くなるおそれがある。
そこで、本発明は、例えばワークの大型化に伴って加熱炉を大型化したとしても、装置のコストが高くなるのを抑制しつつ、加熱炉内の雰囲気ガスを効率よく循環させることができるバッチ式熱処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明のバッチ式熱処理装置は、ヒータによってワークを加熱する加熱炉と、前記加熱炉内で前記ワークを加熱する際に当該ワークを載せて支持する支持手段と、前記加熱炉内の雰囲気ガスを撹拌するために当該加熱炉内に設けられた複数のファンとを備え、前記支持手段は、一定間隔毎に設けられた複数のローラからなり、前記複数のファンはいずれも上壁に設けられており、それぞれのファン回転軸が並列に配置され、かつ、隣り合うファン同士で回転方向が異なることを特徴とする。
本発明によれば、例えばワークが大型化しこれに伴って加熱炉を大型化しても、加熱炉内の雰囲気ガスを撹拌するファンは、複数が加熱炉内に設けられていることから、加熱炉内の雰囲気ガスを広い範囲で撹拌することができる。このため、大型のファンを特別に製作する必要がなく、装置のコストが高くなるのを抑制することができる。
また、複数のファンをいずれも上壁に設置したので、隣り合うファンの間において、一方のファンによって生じた雰囲気ガスの流れが、その隣りにある他方のファンによって生じた雰囲気ガスの流れと干渉し、雰囲気ガスの循環が悪くなるおそれがあるが、本発明によれば、複数のファンそれぞれのファン回転軸が並列に配置され、かつ、隣り合うファン同士で回転方向が異なることから、一方のファンによって生じた雰囲気ガスの流れが、その隣りにある他方のファンによって生じた雰囲気ガスの流れと干渉するのを防ぐことができ、ファンを複数並べて設置した場合でも、効率良く雰囲気ガスを撹拌することができる。
また、前記複数のファンによって、雰囲気ガスを広い範囲で撹拌する構成を備えていても、実際にワークを炉床に載せて熱処理する場合に、当該ワークを載せて支持する支持部材によって雰囲気ガスの循環が妨げられ、例えば、ワークの下部側において雰囲気ガスが滞留し炉内温度にばらつきが生じることが考えられる。しかし、本発明によれば、支持部材は、一定間隔毎に設けられた複数のローラからなるため、前記ファンによって撹拌された雰囲気ガスは、ローラ間を通過することができ、炉内全体において雰囲気ガスを効率良く循環させることが可能となる。
また、前記バッチ式熱処理装置は、前記ワークを熱処理している間に前記ローラを回転駆動することによって当該ワークを前記加熱炉内で移動させる回転駆動装置を備えているのが好ましい。
この場合、熱処理している間にワークの位置を変更することができ、炉内の雰囲気ガスの流れとワークとの相対的な関係に変化を与え、かつ、部分的に雰囲気ガスが偏流することを防ぐことが可能となる。また、重量が大きなワークであっても、その重量が大きく作用するローラが変更されるため、ローラへの偏荷重を軽減することができ、ローラの寿命を伸ばすことが可能となる。
また、隣り合う前記ファンの間には、雰囲気ガスの流れを阻害しないで雰囲気ガスが自由に流れることができる空間部が形成されているのが好ましい。
仮に、隣り合うファンの間に、加熱炉内を区画するような突状部分隔壁が存在していると、両ファンによる雰囲気ガスの流れは、それぞれ独立した流れとなるが、隣り合うファンの間に、突状部分隔壁が存在することなく前記空間部が形成されていることにより、隣り合うファン間において、両ファンによる雰囲気ガスの流れを相乗的に大きくすることが可能となり、雰囲気ガスを効率良く撹拌することができる。
また、前記バッチ式熱処理装置は、前記加熱炉内に雰囲気ガスを導入するガス導入部を備え、当該ガス導入部は、前記ファンの中心部に雰囲気ガスを導入するのが好ましい。この場合、ガス導入部によって加熱炉内に導入された雰囲気ガスは、ファンの回転によって均一に撹拌される。
本発明によれば、例えばワークが大型化しこれに伴って加熱炉を大型化しても、加熱炉内に複数のファンが設けられており、また、ファン回転軸が並列となるようにして配置され、かつ、隣り合うファン同士で回転方向が異なることから、加熱炉内の雰囲気ガスを広い範囲でしかも効率良く撹拌することができる。このため、大型のファンを特別に製作する必要がなく、装置のコストが高くなるのを抑制することができる。また、ファンによって撹拌された雰囲気ガスはローラ間を通過することができ、炉内全体において雰囲気ガスを効率良く循環させることができる。この結果、加熱炉内の温度のばらつきを低減し、ワークの熱処理の品質を高めることが可能となる。
本発明のバッチ式熱処理装置を側面から見た断面図である。 本発明のバッチ式熱処理装置を正面から見た断面図であり、 本発明のバッチ式熱処理装置を上から見た断面図である。 比較例を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のバッチ式熱処理装置を側面から見た断面図であり、図2は、正面から見た断面図であり、図3は、上から見た断面図である。
バッチ式熱処理装置(以下、熱処理装置という)は、ワークWを収容して加熱する加熱炉1と、このワークWを載せて支持する支持手段2と、加熱炉1内の雰囲気ガスを撹拌するファン3とを備えている。また、本実施形態の熱処理装置は大型のバッチ式焼入装置であり、熱処理するワークWは、例えば金属製品であり、直径が2000ミリ、高さが1000ミリ程度のものである
前記加熱炉1は、前後及び上下左右に、断熱性を備えた壁部材6を有しており、これら壁部材6によって囲まれた加熱室5が加熱炉1内に形成されている。図1において、前方の前壁6Fには開口9が形成されており、この開口9を閉じる扉7が設けられている。扉7を開閉することで、ワークWの出し入れが可能となる。
加熱炉1は、複数のヒータ4を有している。本実施形態では、ヒータ4は、ラジアントチューブヒータであり、図2と図3に示しているように、左側の側壁6Lに沿って複数本が並べて設けられており、また、右側の側壁6Rに沿って複数本が並べて設けられている。これらヒータ4は、天井を構成する上壁6Uに取り付けられ、下方へ向かって長い形状であり、支持手段2上に載るワークWの側面に対向するように設けられている。
各ヒータ4は、熱処理装置が備えている制御装置8(図2参照)によって制御される。つまり、制御装置8からの制御信号によってヒータ4は発熱し、加熱炉1内の雰囲気ガスを高温とし、ワークWを加熱することができる。加熱炉1内には雰囲気ガスの温度を検出する温度センサ(図示せず)が設けられており、制御装置8はこの温度センサによる検出結果に応じてヒータ4を制御する。
また、図2に示しているように、上壁6Uには、雰囲気ガスを加熱炉1内に導入するガス導入部27が設けられている。ガス導入部27は、加熱炉1の外部から内部へとガスを導く流路からなり、ファン3の中心部に向かってガスを導入する構成である。具体的に説明すると、ガス導入部27は、加熱炉1の外部から上壁6U内を通ってファン3の回転軸34の外周側へとガスを導く導入管27aと、当該回転軸34と上壁6Uに形成された孔との間に形成された環状の流路27bとにより構成されている。そして、上壁6Uにおける前記流路27bの下方開口部から、ガスはファン3の中心部へと供給され、この供給された雰囲気ガスは、ファン3の回転によって均一に撹拌される。
なお、後に説明するが本実施形態では、二つのファン31,32が設けられており、このうちの一方側にのみガス導入部27を設け、当該一方側のファン(31又は32)の中心部にガスを導入する構成であってもよいが、双方にガス導入部27を設け、双方のファン31,32それぞれの中心部にガスを導入する構成が好ましい。
導入されるガスは、例えば吸熱型の変成ガスである。そして、加熱炉1内に供給されたガス(雰囲気ガス)がヒータ4によって高温となり、加熱炉1内でワークWは、雰囲気ガス中で加熱処理される。
前記支持手段2は、加熱炉1内の下部において水平面に沿って並べて設けられた複数のローラ21からなる。これらローラ21は、一定間隔毎に配置されている。本実施形態では、ローラ21はハースローラであり、前記開口9から加熱炉1の奥部(後壁6E)へと向かう方向に並べて設けられている。つまり、ローラ21の軸線は、左右方向の直線となる。ローラ21は床壁6Bの上方に当該床壁6Bから離れて設けられており、ワークWを床壁6Bから離して支持している。
各ローラ21は軸線回りに回転可能であり、本実施形態では、ローラ21を回転駆動する回転駆動装置22(図2参照)を備えている。回転駆動装置22は、モータ23、減速部24を有し、モータ23の回転力をローラ21に伝える。また、単一のモータ23が全てのローラ21を回転駆動するように、回転駆動装置22は、例えば各ローラ21と一体回転するスプロケットと、これらスプロケットを繋ぐチェーンとを有する動力伝達部25を有している。この回転駆動装置22(モータ23)は、前記制御装置8によって制御される。
そして、ローラ21を回転駆動することにより、ワークWを加熱炉1から取り出したり、加熱炉1へ投入したりでき、また、加熱炉1内で、ワークWは、これらローラ21の上に載置された状態で加熱される。
ワークWは、トレイに載った状態で加熱炉1内へと投入してもよいが、本実施形態では、ワークWは単体で加熱炉1内に投入されている。つまり、ワークWの下面が、複数本のローラ21に直接的に載った状態にある。そして、ワークWの下面は各ローラ21と線接触した状態となる。
前記ファン3は、加熱炉1内に設けられており、回転することにより加熱炉1中の雰囲気ガスを撹拌する。加熱炉1内には、複数のファンが設けられており、それぞれのファン回転軸が並列となるようにして配置されている。本実施形態では、二つのファン回転軸34,34が並列となるようにして、二つのファン31,32が、上壁6Uに前後方向に並んで設けられている。二つのファン31,32の回転軸34,34は平行となる配置にある。
ファン31,32は同じ構成であり、代表してファン31について説明する。ファン31は遠心ファンであり、上下方向に長い回転軸34の下部に取り付けられた複数枚の羽部材35を有し、各羽部材35は、回転軸34から径方向外側へと延びている。
回転軸34の上部には、ファン31を回転させるファン駆動部36が設けられている。ファン駆動部36は、モータ37及び減速部38を有し、モータ37が回転軸34を回転させることで、ファン31を、上下方向の中心線(回転軸34の中心線)回りに回転させることができる。このファン駆動部36(モータ37)は、前記制御装置8によって制御される。
そして、ワークWを加熱する際、これらファン31,32が回転することにより、加熱炉1内の雰囲気ガスを撹拌することができ、これら隣り合うファン31,32は、回転方向が異なるように構成されている。つまり、図3の場合、第一のファン31は反時計回りに回転するが、第二のファン32は、第一のファン31とは反対に時計回りに回転する。これにより、ファン31の周りのガスの旋回方向(矢印R1)と、ファン32の周りのガスの旋回方向(矢印R2)が反対となる。
このように、ファン31とファン32とで回転方向が異なることから、ファン31,32の間において、一方のファン31によって生じたガスの流れ(ファン31の回転方向に沿った流れ:矢印R1)が、その隣りにある他方のファン32によって生じたガスの流れ(ファン32の回転方向に沿った流れ:矢印R2)と干渉するのを防ぐことができる。このため、二つのファン31,32を並べて設置しても、効率良く雰囲気ガスを撹拌することができ、雰囲気ガスの循環が促進される。
さらに、図1に示しているように、隣り合うファン31,32の間には、雰囲気ガスの流れを阻害しないで雰囲気ガスが自由に流れることができる空間部Sが形成されている。つまり、第一のファン31の羽部材35と、第二のファン32の羽部材35との間には、突状部分隔壁が存在しておらず、上壁6Uの下面は、ほぼ平坦な形状である。
加熱炉1は、加熱室5を第一のファン31側と、第二のファン32側とに区画されているのではなく、単一の加熱室5を形成しており、この加熱室5はほぼ直方体形状の空間となっている。
このように、隣り合うファン31,32の間に、突状部分隔壁が存在していない空間部Sが形成されていることにより、隣り合うファン31,32間において、両ファン31,32による雰囲気ガスの流れを相乗的に大きくすることが可能となり、加熱室5の上部において、雰囲気ガスを効率良く撹拌することが可能となる。
なお、仮に、隣り合うファンの間に、炉内を区画するような突状部分隔壁が存在していると、当該突状部分隔壁によって、両ファンによる雰囲気ガスの流れはそれぞれ独立した流れとなり、加熱室内全体で雰囲気ガスを撹拌する能力が低下する。
本実施形態において、ファン31,32によって撹拌され付勢された加熱室5上部の雰囲気ガスは、その後、ワークWと、前壁6F、後壁6E及び側壁6L,6Rとの間を通って、加熱室5下部へと流れる。
前記のとおり、隣り合うローラ21間は、隙間が形成されている。このため、ワークWと各壁との間を流れた雰囲気ガスは、ローラ21の上部へと達した後、当該ローラ21間を下に通過することができ、ローラ21と下壁6Bとの間に形成されている下空間Kを流れることができる。この際、雰囲気ガスは、加熱室5の周囲におけるローラ21間を通過する。
そして、下空間Kを流れている雰囲気ガスは、再びローラ21の間を上に通過する。この際、雰囲気ガスは、加熱室5の中央部におけるローラ21間を通過する。ローラ21間を通過した雰囲気ガスは、ワークWの隙間を通過し及びワークWの外周に沿って流れ、加熱室5の上部へと達し、再びファン31,32によって撹拌される。
このように、本実施形態の熱処理装置によれば、ワークWが大型化し、これに伴って加熱炉1が大型化し加熱室5が広くなっても、二つのファン31,32が、上壁6Uに並べて設けられているため、加熱炉1内の雰囲気ガスを広い範囲で撹拌することができる。
なお、図4の比較例に示しているように、二つのファン51,52を上壁に並べて設置し、両者を同方向(反時計回り)に回転させた場合、これらファン51,52の間において、一方のファン51によって生じた雰囲気ガスの流れが、その隣りにある他方のファン52によって生じた雰囲気ガスの流れと干渉し、雰囲気ガスの循環が悪くなるおそれがある。つまり、ファン51,52の間において(図4の領域M)、一方のファン51によって流れる雰囲気ガスと、他方のファン52によって流れる雰囲気ガスとが衝突し、雰囲気ガスの流速が低下してしまう。
しかし、本実施形態の熱処理装置によれば、図3に示しているように、ファン回転軸34,34が並列となるようにして配置され、かつ、隣り合うファン31,32同士で回転方向が異なることから、比較例(図4)のような雰囲気ガスの流れの干渉はなく、一方のファン31による雰囲気ガスの流れに、他方のファン32による雰囲気ガスの流れを乗せることができ、ファン31,32を複数並べて設置した場合に、効率良く雰囲気ガスを撹拌することができる。
そして、前記のとおり、本実施形態の熱処理装置では、雰囲気ガスに取り囲まれて熱処理されるワークWは、一定間隔毎に設けられた複数のローラ21の上に載った状態にある。このため、ファンによって撹拌された雰囲気ガスは、ローラ21間(前記隙間)を通過することができ、加熱室5の下部側において雰囲気ガスが滞留するのを防ぐことができ、加熱炉1内全体において雰囲気ガスを効率良く循環させることができる。このように、雰囲気ガスを全体にわたって効率良く循環させることができるため、加熱炉1内の温度のばらつきを小さくすることができる。
また、本実施形態の熱処理装置では、ワークWを加熱炉1内で熱処理している間に、前記回転駆動装置22が、ローラ21を回転駆動することによってワークWを加熱炉1内で移動させる。
つまり、ワークWを熱処理している間に、前記制御装置8は回転駆動装置22(モータ23)に指令信号を送信し、ローラ21を所定時間だけ回転させる。ローラ21の回転量は、ワークWを加熱炉1内において、前後方向に所定のストロークだけ移動させる程度であり、加熱室5の広さに対するワークWの大きさにもよるが、例えば前後方向の一方(及び他方)へ450mm程度である。
また、制御装置8は回転駆動装置22を制御して、ローラ21を一定時間、正方向に回転させた後、一定時間、逆方向に回転させ、ワークWを往復移動させることができる。また、この往復移動は、連続して行っても良いが、間欠的に行ってもよい。例えば、5分に1回往復移動させることができる。
このように、熱処理中のワークWを移動させることで、ワークWの位置を変更することができ、加熱炉1内の雰囲気ガスの流れに変化を与え、かつ、部分的に雰囲気ガスが偏流することを防ぐことが可能となる。また、重量が大きなワークWであっても、当該ワークWの重量が大きく作用するローラ21が変更されるため、ローラ21の偏荷重を軽減することができ、ローラ21の寿命を伸ばすことも可能となる。
以上より、本実施形態の熱処理装置によれば、例えばワークWが大型化しこれに伴って加熱炉1を大型化しても、加熱炉1内に二つファン31,32が設けられており、また、ファン回転軸34,34が並列となるようにして配置され、かつ、ファン31,32は回転方向が異なることから、加熱炉1内の雰囲気ガスを全体的に効率良く撹拌することができる。
なお、大型化した加熱炉内にファンを複数設置するために、採用するファンを、加熱炉が小さい熱処理装置で使用していた比較的小さいファンとすることもでき、大型の新しいファンを特別に製作する必要がなく、装置のコストが高くなるのを抑制することができる。
そして、ファン31,32によって撹拌された雰囲気ガスは、ローラ21間を通過することができ、加熱炉1内全体において雰囲気ガスを効率良く循環させることができる。この結果、加熱炉1内の温度のばらつきを低減し、ワークWの熱処理の品質を高めることが可能となる。
本実施形態の熱処理装置による、炉内温度のばらつきの測定結果について説明する。図示した本実施形態では、加熱炉1内の代表点における炉内温度が600℃から1000℃までのすべての温度領域において、加熱炉1内での複数の温度測定点(24点)における温度のばらつきは、±5℃以内に収めることができた。
これに対して、比較例として、単一のファンを備え、ワークを載せて支持する支持手段がローラではなく(レール式であり)、しかも、加熱室の容積が、本実施形態の1/3から1/4程度の小型の熱処理装置の場合では、前記温度領域において、複数の温度測定点(9点)における温度のばらつきは、±7.5℃程度発生していた。
このように、本実施形態の熱処理装置によれば、加熱炉1を大型化したにも関わらず、炉内温度のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明は、上記で例示した形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、前記実施形態では、ファンの数を二つとして説明したが、ファンの数は三つ以上であってもよく、加熱炉の大きさに応じてファンの数を増加させればよい。この場合であっても、それぞれのファン回転軸が並列に配置され、かつ、隣り合うファン同士では回転方向が逆となるようにして、ファンが配置される。また、ローラの数も、図示した実施形態よりも少なくしたり、ローラの直径を小さくしたりしてもよい。
また、ガス導入部27を、導入管27aと、回転軸34と上壁6Uの孔との間に形成された流路27bとにより構成した場合を説明したが、これ以外であってもよく、例えば、前記流路27bの代わりに、回転軸34を中空として当該回転軸34からガスを導入してもよい。
1:加熱炉、 2:支持手段、 3:ファン、 4:ヒータ、 21:ローラ、 22:回転駆動装置、 27:ガス導入部、 31:ファン、 32:ファン、 34:ファン回転軸、 S:空間部、 W:ワーク

Claims (4)

  1. ヒータによってワークを加熱する加熱炉と、前記加熱炉内で前記ワークを加熱する際に当該ワークを載せて支持する支持手段と、前記加熱炉内の雰囲気ガスを撹拌するために当該加熱炉内に設けられた複数のファンと、を備え、
    前記支持手段は、一定間隔毎に設けられた複数のローラからなり、
    前記複数のファンはいずれも上壁に設けられており、それぞれのファン回転軸が並列に配置され、かつ、隣り合うファン同士で回転方向が異なることを特徴とするバッチ式熱処理装置。
  2. 前記ワークを熱処理している間に前記ローラを回転駆動することによって当該ワークを前記加熱炉内で移動させる回転駆動装置を備えている請求項1に記載のバッチ式熱処理装置。
  3. 隣り合う前記ファンの間には、雰囲気ガスの流れを阻害しないで雰囲気ガスが自由に流れることができる空間部が形成されている請求項1又は2に記載のバッチ式熱処理装置。
  4. 前記加熱炉内に雰囲気ガスを導入するガス導入部を備え、当該ガス導入部は、前記ファンの中心部に雰囲気ガスを導入する請求項1から3のいずれか一項に記載のバッチ式熱処理装置。
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