JP6026795B2 - 回転式熱処理炉 - Google Patents

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本発明は、熱風を循環させてアルミニウム合金などの被加熱物に熱処理を施す回転式熱処理炉に関するものである。
従来、例えば、アルミニウム合金等の被加熱物に熱処理を施すために、熱風循環式や多段型炉床回転式といった熱処理炉が使用されている。前者は、炉内温度のバラツキを低減して品質の安定化を図ることができ、後者は、熱処理施設の省スペース化を図ることができるといった利点がある。
また、こうした熱風循環式と多段型炉床回転式を組み合わせた回転式熱処理炉も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の回転式熱処理炉は、図7に示すように、炉本体11において放射状かつ多段状に格納室12aを複数配置してなる格納回転体12の内部(格納室12a)に被加熱物Wを格納し、中心部12bに送り込んだ熱風を中心部12bからその周囲に位置する格納室12aに送る。そして、熱風を格納室12aの中央部12b側から外面側へ水平方向に移動させた後、環通路を通して循環させている。
この特許文献1に記載の回転式熱処理炉10によると、複数の格納室12aを放射状かつ多段状に形成して、その内部に被加熱物Wを格納し熱処理を行うので、一度に多数の被加熱物Wに対して熱処理を行うことができる。
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、熱風が複数の被加熱物Wに対して片側から一方向に送られるので、例えば図7に示すように格納室12aに複数個の被加熱物Wを格納している場合には、全ての被加熱物Wを均一に加熱することができない。
すなわち、最初に、被加熱物Wのうち最も中心部12b側の被加熱物Wに最も高温の熱風が作用してその被加熱物Wを昇温させ、一方、その熱風は被加熱物Wに吸熱された結果、温度が低下する。その後、温度が低下した熱風が外側の被加熱物Wに作用し被加熱物Wを昇温させる。このように、中心部12b側の被加熱物Wに作用する熱風の温度が高く、外側の被加熱物Wになるにつれ作用する熱風の温度が低くなるので、全ての被加熱物Wを均一に加熱することができず、それに伴い、被加熱物Wの品質にバラツキが発生してしまう。
そこで、本出願人は、品質のバラツキ対策を行った回転式熱処理炉についての特許出願を既に行っている(特許文献2参照)。
この回転式熱処理炉10は、図8に示すように、格納室12aに対応して中空のチャンバーCが設けられており、中心部12bからの熱風を中空のチャンバーCを介して、全ての被加熱物Wに対して上方から熱風を供給するものである。
特許文献2に記載の回転式熱処理炉10によると、被加熱物Wを加熱する熱風は、その被加熱物Wを加熱する前に他の被加熱物Wを加熱していないので、それぞれの被加熱物Wに作用する熱風の温度は略等しく、全ての被加熱物Wを均等に加熱することができる。
またこれとは別に、被加熱物Wに下方から熱風を当てる回転式熱処理炉も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
この回転式熱処理炉20は、図9に示すように、ファン24により一旦熱風を炉底まで送り、最も下方に位置する格納室22aに熱風を入れ、その熱風を最も上方に位置する格納室22aまで順に送るものである。
特開2008−138916号公報 特開2011−7471号公報 特開2004−257658号公報
しかしながら、特許文献2に記載の発明には、格納室12aにそれぞれチャンバーCを設けなくてはならないので、その分構造が複雑となり、コストが嵩むという問題がある。
また、一つの格納室12aに格納する被加熱物Wの数を変更した場合には、被加熱物Wに向かって熱風が吹き出す、チャンバーCの下面に形成された吹出口の数や位置を変更しなければならないという問題もある。
また、特許文献3に記載の発明は、一番下の格納室22aから一番上の格納室22aまで熱風が通過するので、熱風が一巡する間に熱風が作用する被加熱物Wの数が多い。したがって、最後に熱風が通過する一番上の格納室22aでは、熱風が被加熱物Wに既に吸熱されているので、被加熱物Wの品質にバラツキが発生してしまう。
そこで、本発明の目的とするところは、被加熱物の品質にバラツキが生じ難く、しかも構造が簡易な回転式熱処理炉を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の回転式熱処理炉(30)は、略円筒状の炉本体(31)と、前記炉本体(31)の内側において回転自在に支持され、被加熱物(W)を格納する格納室(32a)が放射状かつ多段状に複数配置されてなり中央部(32b)に空隙が形成された平面視略ドーナツ状の格納回転体(32)と、前記格納回転体(32)を回転させる回転駆動装置(33)と、前記炉本体(31)側に熱風を送るファン(34)と、前記ファン(34)と前記炉本体(31)との間を連通する第一流路(35)と、前記格納回転体(32)の外側に前記炉本体(31)の内壁から離間して設けられ、熱風取込口(36a)が複数貫通して形成された円筒状の円筒壁(36)と、前記格納回転体(32)の中央部(32b)の下端と前記ファン(34)との間を連通する第二流路(37)を備え、前記ファン(34)からの熱風を前記第一流路(35)を介して前記炉本体(31)内に送るとともに、その熱風を前記熱風取込口(36a)を介して前記格納回転体(32)の外側から中央部(32b)へ送り、さらにその熱風を前記第二流路(37)を介して前記格納回転体(32)の中央部(32b)から前記ファン(34)まで戻すように、熱風を循環させることを特徴とする。
また、請求項2に記載の回転式熱処理炉(30)は、前記炉本体(31)には被加熱物(W)を搬出入する開口部(31d)が形成されるとともに、前記開口部(31d)に対向する前記円筒壁(36)の部分には、前記熱風取込口(36a)よりも大きく開口した搬出入口(36b)が形成され、前記回転駆動装置(33)による回転において前記搬出入口(36b)の下流隣の位置を最上流としたときに、前記円筒壁(36)における個々の前記格納室(32a)に対応する面積あたりの、前記熱風取込口(36a)の合計開口面積を、下流側よりも上流側で大きくしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の回転式熱処理炉(30)は、前記炉本体(31)の内壁に、前記第一流路(35)からの熱風を前記熱風取込口(36a)に案内する整流板(38)を設けたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の回転式熱処理炉(30)は、前記回転駆動装置(33)を前記炉本体(31)の上方に配置したことを特徴とする。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載の回転式熱処理炉によれば、被加熱物を格納する格納室が複数配置されてなる格納回転体と、熱風取込口が複数貫通して形成された円筒状の円筒壁を備え、熱風を熱風取込口を介して格納回転体の外側から中央部へ送るので、格納された被加熱物の位置によらず均一に加熱可能である。
すなわち、炉本体の外側は常温であって、一方、炉本体の内部は例えば500〜600度に設定しており、炉本体の内外でこれだけの温度差があるため、炉本体に断熱処理を施しても炉本体から外部への放熱は完全に遮断することは困難であるところ、本発明では、その放熱し易く中央部側部分に比べて低温になってしまう格納回転体の外側部分に配置された被加熱物に、高温の熱風をまず作用させるので、格納された被加熱物の位置による温度差が生じ難く、その結果、被加熱物の品質にバラツキが生じ難い。
しかも、この回転式熱処理炉の構造は簡易であるので、回転式熱処理炉の製造コストやメンテナンスコストが低廉である。
さらに、格納回転体の中央部の下端とファンとの間を連通する第二流路を備え、熱風を第二流路を介して格納回転体の中央部からファンまで戻すように、熱風を循環させるので、被加熱物に付着している鋳物砂が格納回転体の中央部下方に落下し、舞い上がり難い。
また、格納回転体の上方には空間ができるので、例えば請求項4に記載の発明のように、回転駆動装置を炉本体の上方に配置することができる。
また、請求項2に記載の回転式熱処理炉によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、炉本体には被加熱物を搬出入する開口部が形成されるとともに、開口部に対向する円筒壁の部分には、熱風取込口よりも大きく開口した搬出入口が形成され、回転駆動装置による回転において搬出入口の下流隣の位置を最上流としたときに、円筒壁における個々の格納室に対応する面積あたりの、熱風取込口の合計開口面積を、下流側よりも上流側で大きくしたので、熱風取込口を介した熱風の送り込み量がそれぞれ異なるようになり、その結果、一つのファンのみで複数の被加熱物に供給する熱量をそれぞれ制御することができる。
すなわち、ファンが一つしかなく一定の温度の熱風しか供給できない環境であっても、回転の上流側では熱風取込口の開口量を多くして被加熱物に供給する熱量を増やすことで、被加熱物を急激に昇温可能であり、一方、回転の下流側では熱風取込口の開口量を少なくして被加熱物に供給する熱量を減らすことで、回転の上流側で昇温した被加熱物をその温度で保温可能である。
このように、ファンが一つしかなくても、ゾーン毎の温度制御が可能である。
また、請求項3に記載の回転式熱処理炉によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、炉本体の内壁に、第一流路からの熱風を熱風取込口に案内する整流板を設けたので、熱風取込口から格納室内に熱風が入り易くなり、効率よく格納室内を昇温可能である。
また、請求項4に記載の回転式熱処理炉によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加え、回転駆動装置を炉本体の上方に配置したので、回転駆動装置に関して被加熱物に付着した鋳物砂によるトラブルが生じ難い。つまり、回転駆動装置を炉本体の下方に配置した場合には回転駆動装置に鋳物砂が落下し内部に入り込んでしまうが、炉本体の上方に配置するとそのようなことは生じないので、回転駆動装置のメンテナンスの頻度を低減することができる。
また、回転駆動装置が炉本体の下方に配置されている場合のように、回転駆動装置のメンテナンス時に炉本体や格納回転体といった重量物の下に潜り込まなくてもよいので、メンテナンス作業を安全に行うことができる。
さらに、回転駆動装置が炉本体の上方に配置されている場合のほうが、回転駆動装置が炉本体の下方に配置されている場合に比べて構造が簡易である。
なお、本発明の回転式熱処理炉のように、格納回転体の外側から中央部に熱風を送る点は、上述した特許文献1乃至3には全く記載されていない。
本発明の第一実施形態に係る回転式熱処理炉を示す概略斜視図である。 図1に示す回転式熱処理炉の縦断面図である。 図1に示す回転式熱処理炉の横断面図である。 本発明の第二実施形態に係る回転式熱処理炉を示す縦断面図である。 図4に示す回転式熱処理炉の横断面図である。 本発明の第三実施形態に係る回転式熱処理炉を示す横断面図である。 従来例に係る回転式熱処理炉を示す縦断面図である。 他の従来例に係る回転式熱処理炉を示す縦断面図である。 さらに他の従来例に係る回転式熱処理炉を示す縦断面図である。
(第一実施形態)
図1乃至図3を参照して、本発明の第一実施形態に係る回転式熱処理炉30を説明する。
この回転式熱処理炉30は、アルミニウム合金等の被加熱物Wに熱処理を施すための熱処理炉であり、炉本体31と、格納回転体32と、回転駆動装置33と、ファン34と、第一流路35と、円筒壁36と、第二流路37を備える。
そして、本実施形態に係る回転式熱処理炉30は、特に被加熱物Wに作用させる熱風の循環の方向に特徴を有する。
炉本体31は、上下に延びる略円筒状の壁面31a及び、天井31bと炉底31cを有し、原則として炉本体31内の熱が外部に逃げ難くなるように断熱処理されている。
炉本体31における、後述するファン34とは反対側に開口部31dが形成され、その開口部31dには炉扉31eが設けられている。
そして、図1に示すように、この開口部31dから炉本体31内に被加熱物Wが搬入及び炉本体31から搬出される。開口部31dは少なくとも格納回転体32の高さと同じ高さだけ開口している。なお、開口部31dからの放熱を最小限にするために、後述する格納室32aの段数に合わせて炉扉31eを高さ方向について分割していてもよい。
格納回転体32は、被加熱物Wを内部に格納する格納室32aが放射状かつ多段状に複数配置されてなり、中央部32bに空隙が形成されている。言い換えれば、格納回転体32は平面視略ドーナツ状となっている。そして、炉本体31の内側において回転自在に支持されている。
また、格納室32aの中央側を構成する円筒状の中央壁32cよりも内側が空隙である。この空隙は格納回転体32の上端から下端まで延びる。
中央壁32cには貫通孔である熱風排出口が形成され、それにより各格納室32aと中央部32bの空隙とが連通されている。
格納室32aはそれぞれが平面視扇形であって、同一水平面内には八つ設けられている。格納室32a同士は中央壁32cから円筒壁36まで放射状に延びる仕切壁32dによって仕切られている。
そして、格納回転体32は円滑に回転可能なように回転駆動装置33からぶら下がった状態で支持されている。つまり、格納回転体32の上端や下端は炉本体31と接触していないか、接触していても摩擦抵抗が小さい。
一つの格納室32aに格納される被加熱物Wは複数個であって、それらは格納回転体32の径方向(熱風取込口36aから熱風排出口の方向)に並べられる。もちろん、被加熱物Wが大きい場合には一つの格納室32aに対して被加熱物Wが一つだけ格納される。
回転駆動装置33は、格納回転体32を回転させる動力源であり、炉本体31の天井31bに上載される。
本実施形態においては図3の破線矢印で示すように、回転駆動装置33は格納回転体32を平面視時計回りに回転させる。
また、格納回転体32の中央壁32cが回転駆動装置33まで延びており、回転駆動装置33が中央壁32cに動力を作用させることで格納回転体32全体を回転させる。但し、格納回転体32をどのような手段を用いて回転させるかは、これに限られるものではない。
一つの格納室32aが炉本体31の開口部31dの正面となる、被加熱物Wの搬出入が容易な図3に示す状態では、回転駆動装置33は停止している。そして、所定時間の経過後に回転駆動装置33は1/8回転だけ格納回転体32を回転させて、再び図3に示す状態となったら回転を停止する。その後、所定時間が経過するとまた格納回転体32を1/8回転させる。
このように、回転駆動装置33は作動と停止を繰り返して、格納回転体32を断続的に回転させる。
ファン34は、炉本体31の外部に設けられており、炉本体31側にバーナ39(ヒータ等の他の熱源であってもよい)からの熱風を送る。すなわち、ファン34の吐出口が炉本体31側に、またファン34の吸込口がバーナ39側にそれぞれ向いている。
このファン34としては、軸流ファンやシロッコラジカルファン等を用いることができる。
なお、このファン34及びバーナ39は回転式熱処理炉30一基につきそれぞれ一つずつ設けられている。
第一流路35は、炉本体31の壁面31aから設けられ、ファン34と炉本体31との間を連通する。
第一流路35も炉本体31と同様に、その外部は常温の雰囲気下にあるので、第一流路35から熱が外部に逃げ難くするように所定の断熱処理がされている。
円筒壁36は、格納回転体32の外側に炉本体31の内壁から離間して設けられた円筒状の壁である。格納回転体32が円筒壁36の内側で回転可能なように円筒壁36と格納回転体32の仕切壁32dの先端(放射状に延びた外方側の端部)との間には隙間があり、格納回転体32の仕切壁32dは円筒壁36とは干渉しない。
また、この円筒壁36は格納回転体32とは異なり、炉本体31に対して固定されており、格納回転体32が回転しても円筒壁32は回転しない。
また、炉本体31の内壁と円筒壁36との間の空間は、第一流路35と連続した環状流路41となっている。
格納回転体32は時間とともに回転するが、例えば図3に示すように、一つの格納室32aが炉本体31の開口部31dに面して被加熱物Wを搬出入し易い回転状態におけるそれぞれの格納室32aに対応するように、円筒壁36には熱風取込口36aが複数貫通して形成されている。
詳しくは、被加熱物Wを搬出入する格納室32aのすぐ下流側では、一つの格納室32aに対して熱風取込口36aが三つとなるように、かつ格納室32a三つ分(図3において上に位置する格納室32a三つ)だけ熱風取込口36aを形成した。また、その下流側には一つの格納室32aに対して熱風取込口36aが二つ、それを格納室32a二つ分だけ、熱風取込口36aを形成した。さらに、その下流側には一つの格納室32aに対して熱風取込口36aが一つ、それを格納室32a二つ分だけ、熱風取込口36aを形成した。
つまり、格納室32aに格納された直後の被加熱物Wには多くの熱風が作用するように、円筒壁36に熱風取込口36aを形成している。
なおここでは、各熱風取込口36aの大きさを全て等しくした。
このように、回転駆動装置33による回転の上流と下流で、熱風取込口36aの開口量をそれぞれ異なるようにしている。
なお、図1は格納室32aに熱風取込口36aが形成されたような図となっているが、本図は概略を説明するために便宜上このような表現となっているだけで、現実には図3を用いて先述したように円筒壁36に熱風取込口36aが形成されている。
ここで、炉本体31の開口部31bに対向する円筒壁36の部分には、被加熱物Wを格納室32aに搬入するために熱風取込口36aよりも大きく開口した搬出入口36bが形成されている。
第二流路37は、格納回転体32の中央部32bの下端から設けられ、格納回転体32の中央部32bの下端とファン34との間を連通する。
第二流路37の途中にはバーナ39が設けられ、被加熱物Wに吸熱され温度が低下した熱風を、バーナ39によって第二流路37内で再加熱する。
もちろん、第二流路37においても第一流路35と同様に所定の断熱処理を行っている。
次に、このように構成された回転式熱処理炉30における熱風の循環について説明する。
まず、ファン34からの熱風が第一流路35を介して炉本体31内(環状流路41)に送られる。
次にその熱風は第一流路35と環状流路41の合流点から二股に分かれ、環状流路41に流れ込む。
次に、その熱風は熱風取込口36aを介して格納回転体32(格納室32a)の外側から中央部32bへ送られる。このとき、格納室32a内に格納された被加熱物Wに作用し、それに伴い熱風は吸熱され温度が低下する。
格納回転体32の中央部32bに集められた熱風は、第二流路37を介して格納回転体32の中央部32bの下端から流れ出る。
そして、熱風はバーナ39で昇温された後、ファン34まで戻る。
このように、被加熱物Wは外側から中央部32b側に流れる熱風によって加熱される。
以上のように構成され熱風を循環させる回転式熱処理炉30によれば、被加熱物Wを格納する格納室32aが複数配置されてなる格納回転体32と、熱風取込口36aが複数貫通して形成された円筒状の円筒壁36を備え、熱風を熱風取込口36aを介して格納回転体32の外側から中央部32bへ送るので、格納された被加熱物Wの位置によらず均一に加熱可能である。
すなわち、炉本体31の外側は常温であって、一方、炉本体31の内部は例えば500〜600度に設定しており、炉本体31の内外でこれだけの温度差があるため、炉本体31に断熱処理を施しても炉本体31から外部への放熱は完全に遮断することは困難であるところ、本実施形態では、その放熱し易く中央部32b側部分に比べて低温になってしまう格納回転体32の外側部分に配置された被加熱物Wに、高温の熱風をまず作用させるので、格納された被加熱物Wの位置による温度差が生じ難く、その結果、被加熱物Wの品質にバラツキが生じ難い。
また、一つの格納室32aに格納する被加熱物Wの個数を変更しても、加熱のために回転式熱処理炉30の構成を変える必要がない。
しかも、この回転式熱処理炉30の構造は簡易であるので、回転式熱処理炉30の製造コストやメンテナンスコストが低廉である。
さらに、格納回転体32の中央部32bの下端とファン34との間を連通する第二流路37を備え、熱風を格納回転体32の中央部32bの下方に流し、第二流路37を介して格納回転体32の中央部32bからファン34まで戻すように、熱風を循環させるので、被加熱物Wに付着している鋳物砂が格納回転体32の中央部32b下方に落下し、舞い上がり難い。
また、格納回転体32の上方には空間ができるので、回転駆動装置33を炉本体31の上方に配置することができる。
また、回転駆動装置33による回転の上流と下流で、熱風取込口36aの開口量をそれぞれ異なるようにしたので、熱風取込口36aを介した熱風の送り込み量がそれぞれ異なるようになり、その結果、一つのファン34のみで複数の被加熱物Wに供給する熱量をそれぞれ制御することができる。
すなわち、ファン34が一つしかなく一定の温度の熱風しか供給できない環境であっても、回転の上流側では熱風取込口36aの開口量を多くして被加熱物Wに供給する熱量を増やすことで、被加熱物Wを急激に昇温可能であり、一方、回転の下流側では熱風取込口36aの開口量を少なくして被加熱物Wに供給する熱量を減らすことで、回転の上流側で昇温した被加熱物Wをその温度で保温可能である。
このように、ファン34及びバーナ39が一つずつしかなくても、ゾーン毎の温度制御が可能である。
さらに、回転駆動装置33を炉本体31の上方に配置したので、回転駆動装置33に関して被加熱物Wに付着した鋳物砂によるトラブルが生じ難い。つまり、回転駆動装置33を炉本体31の下方に配置した場合には回転駆動装置33に鋳物砂が落下し内部に入り込んでしまうが、炉本体31の上方に配置するとそのようなことは生じないので、回転駆動装置33のメンテナンスの頻度を低減することができる。
また、回転駆動装置33が炉本体31の下方に配置されている場合のように、回転駆動装置33のメンテナンス時に炉本体31や格納回転体32といった重量物の下に潜り込まなくてもよいので、メンテナンス作業を安全に行うことができる。
また、回転駆動装置33が炉本体31の上方に配置されている場合のほうが、回転駆動装置33が炉本体31の下方に配置されている場合に比べて構造が簡易である。
(第二実施形態)
次に図4と図5を参照して、本発明の第二実施形態に係る回転式熱処理炉30を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態では、炉本体31の内壁に、第一流路35からの熱風を熱風取込口36aに案内する整流板38を設けた。
この整流板38は、図4に示すように各熱風取込口36aの正面に設けられ、環状流路41において上方又は下方に流れる熱風の向きを略水平方向に変えるように傾いており、かつ図5に示すように環状流路41において円周方向に流れる熱風を格納回転体32の中央部32bに向かう向きに変えるように傾いている。
なお、炉本体31の開口部31dには、整流板38を取付ける炉本体31の内壁が存在していないので、この位置には整流板38は無い。ここで、第一流路35と炉本体31との合流点にも炉本体31の内壁が存在していないが、その合流点近傍の炉本体31の内壁にサポート部材(図示しない)を設け、このサポート部材を介して整流板38が取付けられる。
本実施形態の第一実施形態との違いは整流板38の有無のみであり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
以上のように構成された回転式熱処理炉30によれば、炉本体31の内壁に、第一流路35からの熱風を熱風取込口36aに案内する整流板38を設けたので、熱風取込口36aから格納室32a内に熱風が入り易くなり、効率よく格納室32a内を昇温可能である。
なお、このとき吹付けノズルを設けておけば、さらに熱風の流れをコントロール可能である。
(第三実施形態)
次に図6を参照して、本発明の第三実施形態に係る回転式熱処理炉30を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、熱風取込口36aであり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
本実施形態では、回転駆動装置33による回転の上流と下流で、熱風取込口36aの開口量をそれぞれ異なるようにするために、熱風取込口36aの大きさを異なるようにした。
つまり、各格納室32aに対応した熱風取込口36aの数は一つずつとした上で、上流側では熱風取込口36aの大きさを大きくし、一方、下流側では熱風取込口36aの大きさを小さくした。
このような構成であっても、一つのファン34及び一つのバーナ39で、ゾーン毎の温度制御が可能である。
なお、第一乃至第三実施形態において、回転の上流側では熱風取込口36aの開口量を多くし、回転の下流側では熱風取込口36aの開口量を少なくしたが、これに限られるものではなく、徐々に被加熱物Wを昇温させたほうが好ましい場合には、回転の上流側における熱風取込口36aの開口量を少なくすることもできる。もちろん、開口量を多くするとき、及び少なくするときの熱風取込口36aの数や大きさは適宜選択できる。
また、回転駆動装置33による回転の上流側と下流側で、熱風取込口36aの開口量を全て同じとしてもよい。
また、回転駆動装置33を炉本体31の上方に配置したが、従来のように炉本体31の下方に配置してもよい。
また、整流板38の位置は第二実施形態におけるものに限られるものではなく、適宜整流板38を配置可能である。
さらに、第一乃至第三実施形態において、格納回転体32は停止と回転を繰り返すとしたが、同じ回転速度でゆっくりと回り続けていてもよい。
また、第一流路35と第二流路37が連結され、その中にファン34が内蔵されていてもよい。
また、同一水平面内における格納室32aの数は八つとしたが、この数に限られるものではない。その個数がN個のとき、回転駆動装置33は格納回転体32を1/N回転ずつ回転させる。
10 回転式熱処理炉
11 炉本体
12 格納回転体
12a 格納室
12b 中央部
20 回転式熱処理炉
22a 格納室
24 ファン
30 回転式熱処理炉
31 炉本体
31a 壁面
31b 天井
31c 炉床
31d 開口部
31e 炉扉
32 格納回転体
32a 格納室
32b 中央部
32c 中央壁
32d 仕切壁
33 回転駆動装置
34 ファン
35 第一流路
36 円筒壁
36a 熱風取込口
36b 搬出入口
37 第二流路
38 整流板
39 バーナ
41 環状流路
C チャンバー
W 被加熱物

Claims (4)

  1. 略円筒状の炉本体と、
    前記炉本体の内側において回転自在に支持され、被加熱物を格納する格納室が放射状かつ多段状に複数配置されてなり中央部に空隙が形成された平面視略ドーナツ状の格納回転体と、
    前記格納回転体を回転させる回転駆動装置と、
    前記炉本体側に熱風を送るファンと、
    前記ファンと前記炉本体との間を連通する第一流路と、
    前記格納回転体の外側に前記炉本体の内壁から離間して設けられ、熱風取込口が複数貫通して形成された円筒状の円筒壁と、
    前記格納回転体の中央部の下端と前記ファンとの間を連通する第二流路を備え、
    前記ファンからの熱風を前記第一流路を介して前記炉本体内に送るとともに、
    その熱風を前記熱風取込口を介して前記格納回転体の外側から中央部へ送り、
    さらにその熱風を前記第二流路を介して前記格納回転体の中央部から前記ファンまで戻すように、熱風を循環させることを特徴とする回転式熱処理炉。
  2. 前記炉本体には被加熱物を搬出入する開口部が形成されるとともに、
    前記開口部に対向する前記円筒壁の部分には、前記熱風取込口よりも大きく開口した搬出入口が形成され、
    前記回転駆動装置による回転において前記搬出入口の下流隣の位置を最上流としたときに、前記円筒壁における個々の前記格納室に対応する面積あたりの、前記熱風取込口の合計開口面積を、下流側よりも上流側で大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の回転式熱処理炉。
  3. 前記炉本体の内壁に、前記第一流路からの熱風を前記熱風取込口に案内する整流板を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式熱処理炉。
  4. 前記回転駆動装置を前記炉本体の上方に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の回転式熱処理炉。
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