JP5549340B2 - 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器 - Google Patents

振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5549340B2
JP5549340B2 JP2010092030A JP2010092030A JP5549340B2 JP 5549340 B2 JP5549340 B2 JP 5549340B2 JP 2010092030 A JP2010092030 A JP 2010092030A JP 2010092030 A JP2010092030 A JP 2010092030A JP 5549340 B2 JP5549340 B2 JP 5549340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
piezoelectric
vibrating
electrode layer
vibrating arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010092030A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011223435A5 (ja
JP2011223435A (ja
Inventor
剛夫 舟川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010092030A priority Critical patent/JP5549340B2/ja
Publication of JP2011223435A publication Critical patent/JP2011223435A/ja
Publication of JP2011223435A5 publication Critical patent/JP2011223435A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5549340B2 publication Critical patent/JP5549340B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器に関するものである。
水晶発振器等の振動デバイスとしては、複数の振動腕を備える音叉型の振動片を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の振動片は、基部と、この基部から互いに平行となるように延出する3つの振動腕と、各振動腕上に下部電極膜、圧電体膜および上部電極膜がこの順で成膜されて構成された圧電体素子とを有する。このような振動片において、各圧電体素子は、下部電極膜と上部電極膜との間に電界が印加されることにより、圧電層を伸縮させ、振動腕を基部の厚さ方向に屈曲振動させる。
このような振動片では、一般に、水晶基板やシリコン基板を加工することにより基部および振動腕が形成されるとともに、下部電極膜がAu(金)で構成される。
Auは、水晶やシリコンに対する密着性が低いことから、従来においては、水晶で構成された振動腕と下部電極膜との間には、Cr(クロム)で構成された下地層が設けられていた。
しかし、このような従来の振動片においては、圧電体素子の圧電体膜の配向性が低く、その結果、CI(crystal impedance)値が大きくなってしまう。そのため、前述したような従来の振動片においては、振動損失を十分に小さくすることができないという問題があった。
特開2009−5022号公報
本発明の目的は、信頼性を優れたものとしつつ、振動損失を低減することができる振動片、振動片の製造方法、および、この振動片を備える振動デバイスおよび電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本発明の振動片は、基部と、
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
これにより、振動腕上に下地層、第1の電極層および圧電体層をこの順で積層したときに、第1の電極層の膜質(粒径、表面粗さ等)が下地層の影響を受けて最適化され、圧電体層の配向性を高めることができる。その結果、振動片のCI値を低減し、振動片の振動損失を低減することができる。また、第1の電極層が下地層とは別途設けられているので、第1の電極層の電気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1の電極層の電気抵抗増加によるCI値の上昇を招くこともない。
また、下地層と振動腕との密着性、および、下地層と第1の電極層との密着性をそれぞれ優れたものとすることができる。その結果、第1の電極層が振動腕から剥離するのを防止し、振動片の信頼性を優れたものとすることができる。
また、Auは、導電性に優れ(電気抵抗が小さく)、酸化に対する耐性に優れているため、電極材料として好適である。一方、Auは、振動腕を構成する材料との密着性が低い。しかし、振動腕と第1の電極層との間に、Tiを主材料とする金属で構成された下地層を介在させることにより、Auで構成された第1の電極層を振動腕に対して強固に固定することができる。また、ZnO(酸化亜鉛)は、c軸配向性に優れている。そのため、圧電体層をZnOを主材料として構成することにより、振動片のCI値を低減することができる。
特に、関係式(1)、(2)、(3)を満足することで、圧電体層の配向性を高めるとともに、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
発明の振動片では、前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]であることが好ましい。
これにより、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動片では、前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動することが好ましい。
これにより、振動漏れの少ない振動片を実現することができる。
本発明の振動片では、前記振動腕は、水晶で構成されていることが好ましい。
これにより、振動腕の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動腕を形成することができる。
本発明の振動片の製造方法は、基部と、
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片を製造する方法であって、
前記振動腕上に前記下地層を形成する工程と、
前記下地層上に前記第1の電極層を形成する工程と、
前記第1の電極層上に前記圧電体層を形成する工程と、
前記圧電体層上に前記第2の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
これにより、得られる振動片は、信頼性を優れたものとしつつ、CI値を低減することができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]であることが好ましい。
これにより、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動することが好ましい。
これにより、振動漏れの少ない振動片を実現することができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記振動腕は、水晶で構成されていることが好ましい。
これにより、振動腕の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動腕を形成することができる。
本発明の振動デバイスは、本発明の振動片と、
前記振動片を収納するパッケージとを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有するとともに振動損失の少ない振動デバイスを提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の振動デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図である。 図1に示す振動デバイスを示す上面図である。 図1に示す振動デバイスに備えられた振動片を示す下面図である。 図2中のA−A線断面図である。 図2に示す振動片の動作を説明するための斜視図である。 図2に示す振動片の圧電体層をZnOで構成した場合において、圧電体層の厚さ(膜厚)と、圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフである。 図2に示す振動片の製造方法を説明するための図である。 図2に示す振動片の製造方法を説明するための図である。 本発明の振動デバイスを備える電子機器(ノート型パーソナルコンピュータ)である。 本発明の振動デバイスを備える電子機器(携帯電話機)である。 本発明の振動デバイスを備える電子機器(ディジタルスチルカメラ)である。
以下、本発明の振動片および振動デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図、図2は、図1に示す振動デバイスを示す上面図、図3は、図1に示す振動デバイスに備えられた振動片を示す下面図、図4は、図2中のA−A線断面図、図5は、図2に示す振動片の動作を説明するための斜視図、図6は、図2に示す振動片の圧電体層をZnOで構成した場合において、圧電体層の厚さ(膜厚)と、圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフ、図7および図8は、それぞれ、図2に示す振動片の製造方法を説明するための図である。なお、各図では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、以下では、Y軸に平行な方向(第1の方向)をY軸方向、X軸に平行な方向(第2の方向)を「X軸方向」、Z軸に平行な方向(第3の方向)をZ軸方向と言う。また、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す振動デバイス1は、振動片2と、この振動片2を収納するパッケージ3とを有する。
以下、振動デバイス1を構成する各部を順次詳細に説明する。
(振動片)
まず、振動片2について説明する。
振動片2は、図2に示すような3脚音叉型の振動片である。この振動片2は、振動基板21と、この振動基板21上に設けられた圧電体素子22、23、24および接続電極41、42とを有している。
振動基板21は、基部27と、3つの振動腕28、29、30とを有している。
振動基板21の構成材料としては、所望の振動特性を発揮することができるものであれば、特に限定されず、各種圧電体材料および各種非圧電体材料を用いることができる。
例えば、かかる圧電体材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。特に、振動基板21を構成する圧電体材料としては水晶が好ましい。水晶で振動基板21を構成すると、振動基板21の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動基板21を形成することができる。
また、かかる非圧電体材料としては、例えば、シリコン、石英等が挙げられる。特に、振動基板21を構成する非圧電体材料としてはシリコンが好ましい。シリコンで振動基板21を構成すると、振動基板21の振動特性を優れたものを比較的安価に実現することができる。また、基部27に集積回路を形成するなどして、振動片2と他の回路素子との一体化も容易である。また、エッチングにより高い寸法精度で振動基板21を形成することができる。
このような振動基板21において、基部27は、Z軸方向を厚さ方向とする略板状をなしている。また、図1および図3に示すように、基部27は、薄肉に形成された薄肉部271と、この薄肉部271よりも厚肉に形成された厚肉部272とを有し、これらがY軸方向に並んで設けられている。
また、薄肉部271は、後述する各振動腕28、29、30と等しい厚さとなるように形成されている。したがって、厚肉部272は、そのZ軸方向での厚さが各振動腕28、29、30のZ軸方向での厚さよりも大きい部分である。
このような薄肉部271および厚肉部272を形成することにより、振動腕28、29、30の厚さを薄くして振動腕28、29、30の振動特性を向上させるとともに、振動片2を製造する際のハンドリング性を優れたものとすることができる。
そして、基部27の薄肉部271の厚肉部272とは反対側には、3つの振動腕28、29、30が接続されている。
振動腕28、29は、基部27(薄肉部271)のX軸方向での両端部に接続され、振動腕30は、基部27(薄肉部271)のX軸方向での中央部に接続されている。
3つの振動腕28、29、30は、互いに平行となるように基部27からそれぞれ延出して設けられている。より具体的には、3つの振動腕28、29、30は、基部27からそれぞれY軸方向(Y軸の矢印方向)に延出するとともに、X軸方向に並んで設けられている。
この振動腕28、29、30は、それぞれ、長手形状をなし、その基部27側の端部(基端部)が固定端となり、基部27と反対側の端部(先端部)が自由端となる。
また、振動腕28、29は、互いに同じ幅となるように形成され、振動腕30は、振動腕28、29の幅の2倍の幅となるように形成されている。これにより、振動腕28、29をZ軸方向に屈曲振動させるとともに、振動腕30を振動腕28、29と反対方向に(逆相で)Z軸方向に屈曲振動させたとき、振動漏れを少なくすることができる。なお、振動腕28、29、30の幅は、前述したものに限定されず、例えば、互いに同じであってもよい。
また、各振動腕28、29、30は、長手方向での全域に亘って幅が一定となっている。なお、必要に応じて、振動腕28、29、30の各先端部には、基端部よりも横断面積が大きい質量部(ハンマーヘッド)を設けてもよい。この場合、振動片2をより小型なものとしたり、振動腕28、29、30の屈曲振動の周波数をより低めたりすることができる。
図4に示すように、このような振動腕28上には、圧電体素子22が設けられ、また、振動腕29上には、圧電体素子23が設けられ、さらに、振動腕30上には、圧電体素子24が設けられている。これにより、比較的簡単に、各振動腕28、29、30をZ軸方向に屈曲振動させることができる。また、各振動腕28、29、30が圧電性を有していなくてもよいので、各振動腕28、29、30の材料の選択の幅が広がる。そのため、所望の振動特性を有する振動片2を比較的簡単に実現することができる。
圧電体素子22は、通電により伸縮して振動腕28をZ軸方向に屈曲振動させる機能を有する。また、圧電体素子23は、通電により伸縮して振動腕29をZ軸方向に屈曲振動させる機能を有する。また、圧電体素子24は、通電により伸縮して振動腕30をZ軸方向に屈曲振動させる機能を有する。
このような圧電体素子22は、図4に示すように、振動腕28上に、下地層221、第1の電極層222、圧電体層(圧電薄膜)223、絶縁体層224、第2の電極層225がこの順で積層されて構成されている。
以下、圧電体素子22を構成する各層を順次詳細に説明する。
[下地層]
下地層221は、Tiを主材料とする金属で構成されている。
これにより、振動腕28上に下地層221、第1の電極層222および圧電体層223をこの順で積層(成膜)したときに、第1の電極層222の膜質(粒径、表面粗さ等)が下地層221の影響を受けて最適化され(例えば、第1の電極層222と圧電体層223との格子不整合を緩和し)、圧電体層223の配向性を高めることができる。その結果、振動片2のCI値を低減し、振動片2の振動損失を低減することができる。また、第1の電極層222が下地層221とは別途設けられているので、第1の電極層222の電気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1の電極層222の電気抵抗増加によるCI値の上昇を招くこともない。
また、下地層221と振動腕28との密着性、および、下地層221と第1の電極層222との密着性をそれぞれ優れたものとすることができる。その結果、第1の電極層222が振動腕から剥離するのを防止し、振動片の信頼性を優れたものとすることができる。
また、チタン(純チタン)は、耐食性にも優れる。そのため、Tiを主材料とする金属で構成された下地層221を用いることにより、この点でも、振動片2の信頼性を向上させることができる。
このような下地層221の構成材料(Ti(チタン)を主材料とする金属)は、チタンのみ(純チタン)であってもよいし、チタン合金であってもよいが、純チタンを用いるのが好ましい。これにより、簡単かつ確実に、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができる。なお、下地層221には、金属以外の元素が微量添加されていてもよい。
下地層221の構成材料としてチタン合金を用いる場合、かかるチタン合金中のチタンの含有量は、チタン合金中に含まれるチタン以外の金属の種類や含有量等によっても異なるが、70wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。これにより、比較的簡単かつ確実に、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができる。
下地層221の構成材料としてチタン合金を用いる場合、そのチタン合金中に含まれるチタン以外の金属としては、その含有量によっても異なるが、格子定数がチタンに近いものを用いるのが好ましい。
また、下地層221の平均厚さは、下地層221が圧電体素子22の駆動特性や振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができれば、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましい。
[第1の電極層]
第1の電極層222は、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデンン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料により形成することができる。
中でも、第1の電極層222の構成材料としては、金を主材料とする金属(金、金合金)、白金を用いるのが好ましく、金を主材料とする金属(特に金)を用いるのがより好ましい。
Auは、導電性に優れ(電気抵抗が小さく)、酸化に対する耐性に優れているため、電極材料として好適である。また、第1の電極層222、232、242をそれぞれ金または金合金で構成することにより、圧電体層223、233、243の配向性を高めることができる。一方、Auは、振動腕28、29、30を構成する材料(特に水晶)との密着性が低い。
第1の電極層222の構成材料として金合金を用いる場合、かかる金合金中の金の含有量は、金合金中に含まれる金以外の金属の種類や含有量等によっても異なるが、70wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。これにより、比較的簡単かつ確実に、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができる。
また、第1の電極層222の構成材料として金合金を用いる場合、その金合金中に含まれる金以外の金属としては、その含有量によっても異なるが、格子定数が金に近いものを用いるのが好ましい。
また、第1の電極層222の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましく、10〜200nmであるのがより好ましい。これにより、第1の電極層222が圧電体素子22の駆動特性や振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができる。これに対し、かかる厚さが前記下限値未満であると、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果が低下する傾向を示すとともに、第1の電極層222の導電性を良好なものとすることが難しい。一方、かかる厚さが前記上限値を超えると、第1の電極層222が圧電体素子22の駆動特性や振動腕28の振動特性に悪影響を与えるおそれがある。
[圧電体層]
圧電体層223の構成材料(圧電体材料)としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、4ホウ酸リチウム(Li)、チタン酸バリウム(BaTiO)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられるが、AIN、ZnOを用いるのが好ましい。
特に、圧電体層223は、ZnOを主材料として構成されているのが好ましい。
ZnO(酸化亜鉛)は、c軸配向性に優れている。そのため、圧電体層223をZnOを主材料として構成することにより、振動片2のCI値を低減することができる。
圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合、圧電体層223のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅(FWHM)は、4°以下であるのが好ましく、2°以下であるのがより好ましい。これにより、低CI値の振動片2を実現することができる。
また、下地層221をTiで構成し、第1の電極層222をAuで構成し、圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合、図6に示すように、圧電体層223のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅(以下、単に「FWHM」とも言う)をy[°]とし、圧電体層223の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たす。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10−7−0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10−7−0.0008x+2.7332・・・・・(3)
図6からわかるように、下地層221をTiで構成し、第1の電極層222をAuで構成し、圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合、圧電体層223の厚さを抑えても、前述したように圧電体層223の配向性を優れたものとすることができる。特に、FWHMを4°以下に抑えることができる。また、圧電体層223の厚さを2000Å(200nm)以上とすることにより、FWHMを2°以下に抑えることができる。このようなことから、上記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことにより、圧電体層223の配向性を高めるとともに、圧電体層223が振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子22の駆動特性を優れたものとすることができる。
なお、図6に示すグラフでは、下地層221をTiで構成し、第1の電極層222をAuで構成し、圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合のFWHM(各条件につき2つのサンプルをそれぞれ測定)の最大値(2つのサンプルのうち大きい方)を「AuTi上max」、最小値(2つのサンプルのうち小さい方)を「AuTi上min」、平均値を「AuTi上ave」で示している。また、下地層221をCrで構成し、第1の電極層222をAuで構成し、圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合のFWHM(2つのサンプルを測定)を「AuCr上1」、「AuCr上2」で示している。また、上記関係式(2)を「多項式(AuTi上max)」、上記関係式(3)を「多項式(AuTi上min)」で示している。
また、図6に示すように、圧電体層223の平均厚さは、20〜500[nm]であればよいが、20〜300[nm]であるのが好ましく、50〜300[nm]であるのがより好ましい。これにより、圧電体層223が振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子22の駆動特性を優れたものとすることができる。
[絶縁体層]
絶縁体層224は、圧電体層223を保護するとともに、第1の電極層222と第2の電極層225との間の短絡を防止する機能を有する。
本実施形態では、絶縁体層224は、圧電体層223の上面のみを覆うように形成されている。なお、絶縁体層224は、圧電体層223の側面(第1の電極層222に接する面以外の面)も覆うように形成されていてもよい。
このような絶縁体層224の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、SiO(酸化ケイ素)あるいはSiO、Al、CuO、Ta、TiOのような酸化物、Si、AlNのような窒化物、TiC、SiCのような炭化物等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、絶縁体層224の平均厚さは、特に限定されないが、10〜80nmであるのが好ましい。かかる厚さが前記下限値未満であると、前述したような短絡を防止する効果が小さくなる傾向となり、一方、かかる厚さが前記上限値を超えると、圧電体素子22の特性に悪影響を与えるおそれがある。
なお、絶縁体層224は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
[第2の電極層]
第2の電極層225は、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデンン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料により形成することができる。
また、第2の電極層225の平均厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましく、10〜200nmであるのがより好ましい。これにより、第2の電極層225が圧電体素子22の駆動特性や振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、第2の電極層225の導電性を優れたものとすることができる。
このような圧電体素子22においては、第1の電極層222と第2の電極層225との間に電圧が印加されると、圧電体層223にZ軸方向の電界が生じる。この電界により、圧電体層223は、Y軸方向に伸張または収縮し、振動腕28をZ軸方向に屈曲振動させる。
以上説明した圧電体素子22と同様に、圧電体素子23は、振動腕29上に、下地層231、第1の電極層232、圧電体層(圧電薄膜)233、絶縁体層234、第2の電極層235がこの順で積層されて構成されている。また、圧電体素子24は、振動腕30上に、下地層241、第1の電極層242、圧電体層(圧電薄膜)243、絶縁体層244、第2の電極層245がこの順で積層されて構成されている。
そして、圧電体素子23においては、第1の電極層232と第2の電極層235との間に電圧が印加されると、圧電体層233は、Y軸方向に伸張または収縮し、振動腕29をZ軸方向に屈曲振動させる。また、圧電体素子24においては、第1の電極層242と第2の電極層245との間に電圧が印加されると、圧電体層243は、Y軸方向に伸張または収縮し、振動腕30をZ軸方向に屈曲振動させる。
このような圧電体素子22、23、24において、前述した第1の電極層222、232は、図示しない貫通電極および配線からなる導通部を介して、第2の電極層245に電気的に接続されている。そして、第2の電極層245は、図2に示すように、基部27の上面に設けられた接続電極41に電気的に接続されている。これにより、第1の電極層222、232および第2の電極層245は、それぞれ、接続電極41に電気的に接続されている。
また、第1の電極層242は、図示しない貫通電極および配線からなる導通部を介して、第2の電極層225、235に電気的に接続されている。そして、第2の電極層225、235は、図2に示すように、配線43を介して、基部27の下面に設けられた接続電極42に電気的に接続されている。これにより、第1の電極層242および第2の電極層225、235は、接続電極42に電気的に接続されている。
また、接続電極41、42および配線43等は、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデンン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料により形成することができる。また、これらは、第1の電極層222、232、242または第2の電極層225、235、245と同時に一括形成することができる。
このような構成の振動片2においては、接続電極41と接続電極42との間に電圧(各振動腕28、29、30を振動させるための電圧)が印加されると、第1の電極層222、231および第2の電極層245と、第1の電極層242および第2の電極層225、233とが逆極性となるようにして、前述した圧電体層223、232、242にそれぞれZ軸方向の電圧が印加される。これにより、圧電体材料の逆圧電効果により、ある一定の周波数(共鳴周波数)で各振動腕28、29、30を屈曲振動させることができる。このとき、図5に示すように、振動腕28、29は、互いに同方向に屈曲振動し、振動腕30は、振動腕28、29とは反対方向に屈曲振動する。
このように、隣り合う2つの振動腕を互いに反対方向に屈曲振動させることにより、隣り合う2つの振動腕28、30および29、30により生じる漏れ振動を互いに相殺することができる。その結果、振動漏れを防止することができる。
また、各振動腕28、29、30が屈曲振動すると、接続電極41、42間には、圧電体材料の圧電効果により、ある一定の周波数で電圧が発生する。これらの性質を利用して、振動片2は、共鳴周波数で振動する電気信号を発生させることができる。
(振動片の製造方法)
ここで、図7、8に基づき、前述した振動片2の製造方法について説明する。
前述した振動片2の製造方法は、[A]振動腕28、29、30上に下地層221、231、241を形成する工程と、[B]下地層221、231、241上に第1の電極層222、232、242を形成する工程と、[C]第1の電極層222、232、242上に圧電体層223、233、243を形成する工程と、[D]圧電体層223、233、243上に第2の電極層225、235、345を形成する工程とを有する。
これにより、得られる振動片2は、前述したように、信頼性を優れたものとしつつ、CI値を低減することができる。
以下、各工程を簡単に説明する。
[A]
まず、図7(a)に示すように、基板121を用意する。
この基板121は、振動基板21となるものであり、前述した振動基板21と同様の構成材料で構成されている。
そして、基板121をエッチングすることにより、図7(b)に示すように、振動腕28、29、30を形成する。
より具体的に説明すると、例えば、基板121が水晶基板である場合、水晶基板の薄肉部271となる部分を、BHF(buffer hydrogen fluoride)をエッチング液として用いた異方性エッチングにより除去して薄肉化する。その後、その薄肉化された部分を、上記と同様の異方性エッチングにより部分的に除去して、振動腕28、29、30を形成する。これにより、振動基板21が形成される。
その後、図7(c)に示すように、振動腕28、29、30上に下地層221、231、242を形成する。
この下地層221、231、242の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられるが、気相成膜法(特にスパッタリング法)を用いるのが好ましい。また、下地層221、231、242の形成に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。
なお、下地層221、231、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
[B]
次に、図7(d)に示すように、下地層221、231、241上に第1の電極層222、232、242を形成する。その際、必要に応じて、配線等も同時に形成する。
この第1の電極層222、232、242の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられるが、気相成膜法(特にスパッタリング法)を用いるのが好ましい。また、第1の電極層222、232、242の形成に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。
なお、第1の電極層222、232、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
[C]
次に、図8(a)に示すように、第1の電極層222、232、242上に圧電体層223、233、243を形成する。
この圧電体層223、233、243の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられるが、気相成膜法(特に反応性スパッタリング法)を用いるのが好ましい。また、圧電体層223、233、243の形成(パターニング)に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。また、圧電体層223、233、243をパターニングする際に、不要部分の除去にはウエットエッチングを用いるのが好ましい。
なお、圧電体層223、232、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
その後、図8(b)に示すように、圧電体層223、233、243上に絶縁体層224、234、244を形成する。
この絶縁体層224、234、244の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられる。また、絶縁体層224、234、244の形成に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。
なお、絶縁体層224、234、244は、同一の成膜工程で一括形成することができる。また、絶縁体層224、234、244の形成は、必要に応じて行えばよく、省略することができる。
[D]
次に、図8(c)に示すように、絶縁体層224、234、244上に第2の電極層225、235、345を形成する。その際、接続電極41、42等も同時に形成する。
この第2の電極層225、235、345の形成は、前述した第1の電極層222、232、242と同様にして行うことができる。
以上説明したようにして振動片2を製造することができる。
(パッケージ)
次に、振動片2を収容・固定するパッケージ3について説明する。
パッケージ3は、図1に示すように、板状のベース基板31と、枠状の枠部材32と、板状の蓋部材33とを有している。ベース基板31、枠部材32および蓋部材33は、下側から上側へこの順で積層されている。ベース基板31と枠部材32とは、後述のセラミック材料等で形成されており、互いに一体に焼成されることで接合されている。そして、枠部材32と蓋部材33は、接着剤あるいはろう材等により接合されている。そして、パッケージ3は、ベース基板31、枠部材32および蓋部材33で画成された内部空間Sに、振動片2を収納している。なお、パッケージ3内には、振動片2の他、振動片2を駆動する電子部品等を収納することもできる。
ベース基板31の構成材料としては、絶縁性(非導電性)を有しているものが好ましく、例えば、各種ガラス、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種セラミックス材料、ポリイミド等の各種樹脂材料などを用いることができる。
また、枠部材32および蓋部材33の構成材料としては、例えば、ベース基板31と同様の構成材料、Al、Cuのような各種金属材料、各種ガラス材料等を用いることができる。特に、蓋部材33の構成材料として、ガラス材料等の光透過性を有するものを用いた場合、振動片2に予め金属被覆部(図示せず)を形成しておくと、振動片2をパッケージ3内に収容した後であっても、蓋部材33を介して前記金属被覆部にレーザーを照射し、前記金属被覆部を除去して振動片2の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、振動片2の周波数調整を行うことができる。
このベース基板31の上面には、固定材5を介して、前述した振動片2が固定されている。この固定材5は、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系等の接着剤で構成されている。このような固定材5は、未硬化(未固化)の接着剤をベース基板31上に塗布し、さらに、この接着剤上に振動片2を載置した後、その接着剤を硬化または固化させることにより形成される。これにより、振動片2(基部27)がベース基板31に確実に固定される。
なお、この固定は、導電性粒子を含有するエポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系等の導電性接着剤を用いて行ってもよい。
また、ベース基板31の上面には、一対の電極35a、35bが内部空間Sに露出するように形成されている。
この電極35aは、例えばワイヤーボンディング技術により形成された金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)38を介して、前述した接続電極42に電気的に接続されている。また、電極35bは、例えばワイヤーボンディング技術により形成された金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)37を介して、前述した接続電極41に電気的に接続されている。
なお、一対の電極35a、35bと接続電極41、42との接続方法は、これに限定されず、例えば、導電性接着剤により行ってもよい。この場合、例えば、振動片2の図示とは表裏反転するか、振動片2の下面に接続電極41、42を形成すればよい。
また、ベース基板31の下面には、4つの外部端子34a、34b、34c、34dが設けられている。
これら4つの外部端子34a〜34dのうち、外部端子34a、34bは、それぞれ、ベース基板31に形成されたビアホールに設けられた導体ポスト(図示せず)を介して電極35a、35bに電気的に接続されたホット端子である。また、他の2つの外部端子34c、34dは、それぞれ、パッケージ3を実装用基板に実装するときに、接合強度を高めたり、パッケージ3と実装用基板との間の距離を均一化するためのダミー端子である。
このような電極35a、35bおよび外部端子34a〜34dは、それぞれ、例えば、タングステンおよびニッケルメッキの下地層に、金メッキを施すことで形成することができる。
なお、パッケージ3内部に電子部品を収納した場合、ベース基板31の下面には、必要に応じて、電子部品の特性検査や、電子部品内の各種情報(例えば、振動デバイスの温度補償情報)の書き換え(調整)を行うための書込端子が形成されていてもよい。
以上説明したような第1実施形態によれば、下地層221、231、241がTiを主材料とする金属で構成されているので、振動腕28、29、30上に下地層221、231、241、第1の電極層222、232、242および圧電体層223、233、243をこの順で積層したときに、第1の電極層222、232、242と圧電体層223、233、243との格子不整合を緩和等し、圧電体層223、233、243の配向性を高めることができる。その結果、振動片2のCI値を低減することができる。また、第1の電極層222、232、242が下地層221、231、241とは別途設けられているので、第1の電極層222、232、242の電気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1の電極層222、232、242の電気抵抗増加によるCI値の上昇を招くこともない。
また、下地層221、231、241と振動腕28、29、30との密着性、および、下地層221、231、241と第1の電極層222、232、242との密着性をそれぞれ優れたものとすることができる。その結果、振動片2の信頼性を優れたものとすることができる。
また、このような振動片2をパッケージ3に収納した振動デバイス1は、優れた信頼性を有するとともに振動損失の少ないものとなる。
以上説明したような各実施形態の振動デバイスは、各種の電子機器に適用することができ、得られる電子機器は、信頼性の高いものとなる。
ここで、本発明の振動デバイスを備える電子機器について、図9〜図11に基づき、詳細に説明する。
図9は、本発明の振動デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、フィルタ、共振器、基準クロック等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
図10は、本発明の振動デバイスを備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、フィルタ、共振器等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
図11は、本発明の振動デバイスを備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルタ、共振器等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
なお、本発明の振動デバイスを備える電子機器は、図9のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図10の携帯電話機、図11のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
以上、本発明の振動片および振動デバイスを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
例えば、前述した実施形態では、振動片が3つの振動腕を有する場合を例に説明したが、振動腕の数は、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、本発明の振動デバイスは、水晶発振器(SPXO)、電圧制御水晶発振器(VCXO)、温度補償水晶発振器(TCXO)、恒温槽付水晶発振器(OCXO)等の圧電発振器の他、ジャイロセンサー等に適用される。
1‥‥振動デバイス 2‥‥振動片 3‥‥パッケージ 5‥‥固定材 21‥‥振動基板 22‥‥圧電体素子 23‥‥圧電体素子 24‥‥圧電体素子 27‥‥基部 28‥‥振動腕 29‥‥振動腕 30‥‥振動腕 31‥‥ベース基板 32‥‥枠部材 33‥‥蓋部材 34a‥‥外部端子 34b‥‥外部端子 34c‥‥外部端子 34d‥‥外部端子 35a‥‥電極 35b‥‥電極 37‥‥金属ワイヤー 38‥‥金属ワイヤー 41‥‥接続電極 42‥‥接続電極 43‥‥配線 121‥‥基板 221‥‥下地層 222‥‥第1の電極層 223‥‥圧電体層 224‥‥絶縁体層 225‥‥第2の電極層 231‥‥下地層 232‥‥第1の電極層 233‥‥圧電体層 234‥‥絶縁体層 235‥‥第2の電極層 241‥‥下地層 242‥‥第1の電極層 243‥‥圧電体層 244‥‥絶縁体層 245‥‥第2の電極層 271‥‥薄肉部 272‥‥厚肉部 100‥‥表示部 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリ 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥デ−タ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ S‥‥内部空間

Claims (10)

  1. 基部と、
    前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
    前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
    前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
    前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
    前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
    前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片。
    200≦x≦5000・・・・・(1)
    y≦10 −7 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
    y≧10 −7 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
  2. 前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]である請求項に記載の振動片。
  3. 前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動する請求項1または2に記載の振動片。
  4. 前記振動腕は、水晶で構成されている請求項1ないしのいずれか一項に記載の振動片。
  5. 基部と、
    前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
    前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
    前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
    前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
    前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
    前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片を製造する方法であって、
    前記振動腕上に前記下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に前記第1の電極層を形成する工程と、
    前記第1の電極層上に前記圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層上に前記第2の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする振動片の製造方法。
    200≦x≦5000・・・・・(1)
    y≦10 −7 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
    y≧10 −7 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
  6. 前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]である請求項に記載の振動片の製造方法。
  7. 前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動する請求項5または6に記載の振動片の製造方法。
  8. 前記振動腕は、水晶で構成されている請求項5ないし7のいずれか一項に記載の振動片の製造方法。
  9. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の振動片と、
    前記振動片を収納するパッケージとを備えることを特徴とする振動デバイス。
  10. 請求項に記載の振動デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
JP2010092030A 2010-04-13 2010-04-13 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器 Expired - Fee Related JP5549340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010092030A JP5549340B2 (ja) 2010-04-13 2010-04-13 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010092030A JP5549340B2 (ja) 2010-04-13 2010-04-13 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011223435A JP2011223435A (ja) 2011-11-04
JP2011223435A5 JP2011223435A5 (ja) 2013-04-18
JP5549340B2 true JP5549340B2 (ja) 2014-07-16

Family

ID=45039782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010092030A Expired - Fee Related JP5549340B2 (ja) 2010-04-13 2010-04-13 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5549340B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8581669B2 (en) 2011-02-02 2013-11-12 Seiko Epson Corporation Vibrator element, vibrator, oscillator, and electronic apparatus
JP5685962B2 (ja) 2011-02-02 2015-03-18 セイコーエプソン株式会社 振動片、振動子、発振器及び電子機器
JP2014170998A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Seiko Epson Corp Mems素子、電子デバイス、電子機器および移動体
JP6482169B2 (ja) 2013-07-19 2019-03-13 セイコーエプソン株式会社 振動片、振動子、発振器、電子機器及び移動体

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3954395B2 (ja) * 2001-10-26 2007-08-08 富士通株式会社 圧電薄膜共振子、フィルタ、および圧電薄膜共振子の製造方法
JP2005136115A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Tdk Corp 電子デバイス及びその製造方法
JP4693406B2 (ja) * 2004-12-28 2011-06-01 京セラキンセキ株式会社 圧電薄膜デバイス及びその製造方法
JP4404218B2 (ja) * 2006-03-29 2010-01-27 セイコーエプソン株式会社 音叉振動子およびその製造方法
JP4533934B2 (ja) * 2008-01-15 2010-09-01 エプソントヨコム株式会社 振動片及び振動子の製造方法
JP5444662B2 (ja) * 2008-08-25 2014-03-19 ソニー株式会社 圧電デバイスの製造方法
JP2010081156A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Seiko Epson Corp 圧電薄膜振動片、圧電薄膜振動片の製造方法、圧電薄膜振動子及び発振回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011223435A (ja) 2011-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5581931B2 (ja) 振動片、振動片の製造方法、振動子、振動デバイスおよび電子機器
US8390389B2 (en) Vibrator element, vibrator, vibration device, electronic apparatus, and frequency adjustment method
JP5552878B2 (ja) 振動片、振動デバイスおよび電子機器
US20130038171A1 (en) Vibrating member, vibrating device, and electronic apparatus
JP6331702B2 (ja) 電子デバイス、電子機器および移動体
US10659006B2 (en) Resonator element, resonator, electronic device, electronic apparatus, and moving object
KR20140118840A (ko) 진동 소자, 진동자, 발진기, 전자 기기 및 이동체
US20130221804A1 (en) Sensor Element, Sensor Device, And Electronic Apparatus
TWI649964B (zh) 振動元件、振動子、振盪器、電子機器及移動體
JP2013192013A (ja) 振動素子、振動デバイスおよび電子機器
JP5549340B2 (ja) 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器
JP2011223371A (ja) 振動片、振動デバイスおよび電子機器
US10305426B2 (en) Method for manufacturing resonator element, wafer, resonator element, resonator, oscillator, real-time clock, electronic apparatus, and moving object
JP6528878B2 (ja) 電子デバイス、電子機器および移動体
JP2014200050A (ja) 振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体
US20120056686A1 (en) Vibrator element, vibrator, vibration device, and electronic device
JP2012060264A (ja) 振動片、振動子、振動デバイスおよび電子機器
JP2015149592A (ja) 振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体
US20130264913A1 (en) Vibrator element, vibration device and electronic apparatus
JP2012044578A (ja) 振動片、周波数調整方法、振動子、振動デバイス、および電子機器
JP6465152B2 (ja) 振動片、振動子、電子デバイス、電子機器及び移動体
JP2013219252A (ja) 振動片、振動デバイスおよび電子機器
JP2013195239A (ja) センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器
JP2013170851A (ja) センサー素子、センサー素子の製造方法、センサーデバイスおよび電子機器
JP2018061286A (ja) 振動素子、振動子、発振器、電子機器および移動体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130306

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140203

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140505

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5549340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees