JP5549340B2 - 振動片、振動片の製造方法、振動デバイスおよび電子機器 - Google Patents
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例えば、特許文献1に記載の振動片は、基部と、この基部から互いに平行となるように延出する3つの振動腕と、各振動腕上に下部電極膜、圧電体膜および上部電極膜がこの順で成膜されて構成された圧電体素子とを有する。このような振動片において、各圧電体素子は、下部電極膜と上部電極膜との間に電界が印加されることにより、圧電層を伸縮させ、振動腕を基部の厚さ方向に屈曲振動させる。
Auは、水晶やシリコンに対する密着性が低いことから、従来においては、水晶で構成された振動腕と下部電極膜との間には、Cr(クロム)で構成された下地層が設けられていた。
しかし、このような従来の振動片においては、圧電体素子の圧電体膜の配向性が低く、その結果、CI(crystal impedance)値が大きくなってしまう。そのため、前述したような従来の振動片においては、振動損失を十分に小さくすることができないという問題があった。
本発明の振動片は、基部と、
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 x 2 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 x 2 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
また、下地層と振動腕との密着性、および、下地層と第1の電極層との密着性をそれぞれ優れたものとすることができる。その結果、第1の電極層が振動腕から剥離するのを防止し、振動片の信頼性を優れたものとすることができる。
また、Auは、導電性に優れ(電気抵抗が小さく)、酸化に対する耐性に優れているため、電極材料として好適である。一方、Auは、振動腕を構成する材料との密着性が低い。しかし、振動腕と第1の電極層との間に、Tiを主材料とする金属で構成された下地層を介在させることにより、Auで構成された第1の電極層を振動腕に対して強固に固定することができる。また、ZnO(酸化亜鉛)は、c軸配向性に優れている。そのため、圧電体層をZnOを主材料として構成することにより、振動片のCI値を低減することができる。
特に、関係式(1)、(2)、(3)を満足することで、圧電体層の配向性を高めるとともに、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
これにより、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
これにより、振動漏れの少ない振動片を実現することができる。
本発明の振動片では、前記振動腕は、水晶で構成されていることが好ましい。
これにより、振動腕の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動腕を形成することができる。
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片を製造する方法であって、
前記振動腕上に前記下地層を形成する工程と、
前記下地層上に前記第1の電極層を形成する工程と、
前記第1の電極層上に前記圧電体層を形成する工程と、
前記圧電体層上に前記第2の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 x 2 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 x 2 −0.0008x+2.7332・・・・・(3)
これにより、得られる振動片は、信頼性を優れたものとしつつ、CI値を低減することができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]であることが好ましい。
これにより、圧電体層が振動腕の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子の駆動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動することが好ましい。
これにより、振動漏れの少ない振動片を実現することができる。
本発明の振動片の製造方法では、前記振動腕は、水晶で構成されていることが好ましい。
これにより、振動腕の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動腕を形成することができる。
前記振動片を収納するパッケージとを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有するとともに振動損失の少ない振動デバイスを提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の振動デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動デバイスを示す断面図、図2は、図1に示す振動デバイスを示す上面図、図3は、図1に示す振動デバイスに備えられた振動片を示す下面図、図4は、図2中のA−A線断面図、図5は、図2に示す振動片の動作を説明するための斜視図、図6は、図2に示す振動片の圧電体層をZnOで構成した場合において、圧電体層の厚さ(膜厚)と、圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフ、図7および図8は、それぞれ、図2に示す振動片の製造方法を説明するための図である。なお、各図では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、以下では、Y軸に平行な方向(第1の方向)をY軸方向、X軸に平行な方向(第2の方向)を「X軸方向」、Z軸に平行な方向(第3の方向)をZ軸方向と言う。また、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す振動デバイス1は、振動片2と、この振動片2を収納するパッケージ3とを有する。
(振動片)
まず、振動片2について説明する。
振動片2は、図2に示すような3脚音叉型の振動片である。この振動片2は、振動基板21と、この振動基板21上に設けられた圧電体素子22、23、24および接続電極41、42とを有している。
振動基板21は、基部27と、3つの振動腕28、29、30とを有している。
例えば、かかる圧電体材料としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ホウ酸リチウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。特に、振動基板21を構成する圧電体材料としては水晶が好ましい。水晶で振動基板21を構成すると、振動基板21の振動特性(特に周波数温度特性)を優れたものとすることができる。また、エッチングにより高い寸法精度で振動基板21を形成することができる。
また、薄肉部271は、後述する各振動腕28、29、30と等しい厚さとなるように形成されている。したがって、厚肉部272は、そのZ軸方向での厚さが各振動腕28、29、30のZ軸方向での厚さよりも大きい部分である。
このような薄肉部271および厚肉部272を形成することにより、振動腕28、29、30の厚さを薄くして振動腕28、29、30の振動特性を向上させるとともに、振動片2を製造する際のハンドリング性を優れたものとすることができる。
振動腕28、29は、基部27(薄肉部271)のX軸方向での両端部に接続され、振動腕30は、基部27(薄肉部271)のX軸方向での中央部に接続されている。
3つの振動腕28、29、30は、互いに平行となるように基部27からそれぞれ延出して設けられている。より具体的には、3つの振動腕28、29、30は、基部27からそれぞれY軸方向(Y軸の矢印方向)に延出するとともに、X軸方向に並んで設けられている。
また、振動腕28、29は、互いに同じ幅となるように形成され、振動腕30は、振動腕28、29の幅の2倍の幅となるように形成されている。これにより、振動腕28、29をZ軸方向に屈曲振動させるとともに、振動腕30を振動腕28、29と反対方向に(逆相で)Z軸方向に屈曲振動させたとき、振動漏れを少なくすることができる。なお、振動腕28、29、30の幅は、前述したものに限定されず、例えば、互いに同じであってもよい。
このような圧電体素子22は、図4に示すように、振動腕28上に、下地層221、第1の電極層222、圧電体層(圧電薄膜)223、絶縁体層224、第2の電極層225がこの順で積層されて構成されている。
[下地層]
下地層221は、Tiを主材料とする金属で構成されている。
これにより、振動腕28上に下地層221、第1の電極層222および圧電体層223をこの順で積層(成膜)したときに、第1の電極層222の膜質(粒径、表面粗さ等)が下地層221の影響を受けて最適化され(例えば、第1の電極層222と圧電体層223との格子不整合を緩和し)、圧電体層223の配向性を高めることができる。その結果、振動片2のCI値を低減し、振動片2の振動損失を低減することができる。また、第1の電極層222が下地層221とは別途設けられているので、第1の電極層222の電気抵抗を小さくすることができる。そのため、第1の電極層222の電気抵抗増加によるCI値の上昇を招くこともない。
また、チタン(純チタン)は、耐食性にも優れる。そのため、Tiを主材料とする金属で構成された下地層221を用いることにより、この点でも、振動片2の信頼性を向上させることができる。
また、下地層221の平均厚さは、下地層221が圧電体素子22の駆動特性や振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、前述したような圧電体層223の配向性を高める効果を発揮することができれば、特に限定されないが、例えば、1〜300nm程度であるのが好ましい。
第1の電極層222は、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデンン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料により形成することができる。
中でも、第1の電極層222の構成材料としては、金を主材料とする金属(金、金合金)、白金を用いるのが好ましく、金を主材料とする金属(特に金)を用いるのがより好ましい。
また、第1の電極層222の構成材料として金合金を用いる場合、その金合金中に含まれる金以外の金属としては、その含有量によっても異なるが、格子定数が金に近いものを用いるのが好ましい。
圧電体層223の構成材料(圧電体材料)としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、4ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられるが、AIN、ZnOを用いるのが好ましい。
ZnO(酸化亜鉛)は、c軸配向性に優れている。そのため、圧電体層223をZnOを主材料として構成することにより、振動片2のCI値を低減することができる。
圧電体層223をZnOを主材料として構成した場合、圧電体層223のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅(FWHM)は、4°以下であるのが好ましく、2°以下であるのがより好ましい。これにより、低CI値の振動片2を実現することができる。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10−7x2−0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10−7x2−0.0008x+2.7332・・・・・(3)
また、図6に示すように、圧電体層223の平均厚さは、20〜500[nm]であればよいが、20〜300[nm]であるのが好ましく、50〜300[nm]であるのがより好ましい。これにより、圧電体層223が振動腕28の振動特性に悪影響を与えるのを防止しつつ、圧電体素子22の駆動特性を優れたものとすることができる。
絶縁体層224は、圧電体層223を保護するとともに、第1の電極層222と第2の電極層225との間の短絡を防止する機能を有する。
本実施形態では、絶縁体層224は、圧電体層223の上面のみを覆うように形成されている。なお、絶縁体層224は、圧電体層223の側面(第1の電極層222に接する面以外の面)も覆うように形成されていてもよい。
なお、絶縁体層224は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
第2の電極層225は、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデンン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料により形成することができる。
このような圧電体素子22においては、第1の電極層222と第2の電極層225との間に電圧が印加されると、圧電体層223にZ軸方向の電界が生じる。この電界により、圧電体層223は、Y軸方向に伸張または収縮し、振動腕28をZ軸方向に屈曲振動させる。
また、各振動腕28、29、30が屈曲振動すると、接続電極41、42間には、圧電体材料の圧電効果により、ある一定の周波数で電圧が発生する。これらの性質を利用して、振動片2は、共鳴周波数で振動する電気信号を発生させることができる。
ここで、図7、8に基づき、前述した振動片2の製造方法について説明する。
前述した振動片2の製造方法は、[A]振動腕28、29、30上に下地層221、231、241を形成する工程と、[B]下地層221、231、241上に第1の電極層222、232、242を形成する工程と、[C]第1の電極層222、232、242上に圧電体層223、233、243を形成する工程と、[D]圧電体層223、233、243上に第2の電極層225、235、345を形成する工程とを有する。
これにより、得られる振動片2は、前述したように、信頼性を優れたものとしつつ、CI値を低減することができる。
[A]
まず、図7(a)に示すように、基板121を用意する。
この基板121は、振動基板21となるものであり、前述した振動基板21と同様の構成材料で構成されている。
そして、基板121をエッチングすることにより、図7(b)に示すように、振動腕28、29、30を形成する。
その後、図7(c)に示すように、振動腕28、29、30上に下地層221、231、242を形成する。
なお、下地層221、231、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
次に、図7(d)に示すように、下地層221、231、241上に第1の電極層222、232、242を形成する。その際、必要に応じて、配線等も同時に形成する。
この第1の電極層222、232、242の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられるが、気相成膜法(特にスパッタリング法)を用いるのが好ましい。また、第1の電極層222、232、242の形成に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。
なお、第1の電極層222、232、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
次に、図8(a)に示すように、第1の電極層222、232、242上に圧電体層223、233、243を形成する。
この圧電体層223、233、243の形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法等の物理成膜法、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の化学蒸着法等の気相成膜法、また、インクジェット法等の各種塗布法等が挙げられるが、気相成膜法(特に反応性スパッタリング法)を用いるのが好ましい。また、圧電体層223、233、243の形成(パターニング)に際しては、フォトリソグラフィ法を用いるのが好ましい。また、圧電体層223、233、243をパターニングする際に、不要部分の除去にはウエットエッチングを用いるのが好ましい。
なお、圧電体層223、232、242は、同一の成膜工程で一括形成することができる。
その後、図8(b)に示すように、圧電体層223、233、243上に絶縁体層224、234、244を形成する。
なお、絶縁体層224、234、244は、同一の成膜工程で一括形成することができる。また、絶縁体層224、234、244の形成は、必要に応じて行えばよく、省略することができる。
次に、図8(c)に示すように、絶縁体層224、234、244上に第2の電極層225、235、345を形成する。その際、接続電極41、42等も同時に形成する。
この第2の電極層225、235、345の形成は、前述した第1の電極層222、232、242と同様にして行うことができる。
以上説明したようにして振動片2を製造することができる。
次に、振動片2を収容・固定するパッケージ3について説明する。
パッケージ3は、図1に示すように、板状のベース基板31と、枠状の枠部材32と、板状の蓋部材33とを有している。ベース基板31、枠部材32および蓋部材33は、下側から上側へこの順で積層されている。ベース基板31と枠部材32とは、後述のセラミック材料等で形成されており、互いに一体に焼成されることで接合されている。そして、枠部材32と蓋部材33は、接着剤あるいはろう材等により接合されている。そして、パッケージ3は、ベース基板31、枠部材32および蓋部材33で画成された内部空間Sに、振動片2を収納している。なお、パッケージ3内には、振動片2の他、振動片2を駆動する電子部品等を収納することもできる。
また、枠部材32および蓋部材33の構成材料としては、例えば、ベース基板31と同様の構成材料、Al、Cuのような各種金属材料、各種ガラス材料等を用いることができる。特に、蓋部材33の構成材料として、ガラス材料等の光透過性を有するものを用いた場合、振動片2に予め金属被覆部(図示せず)を形成しておくと、振動片2をパッケージ3内に収容した後であっても、蓋部材33を介して前記金属被覆部にレーザーを照射し、前記金属被覆部を除去して振動片2の質量を減少させることにより(質量削減方式により)、振動片2の周波数調整を行うことができる。
なお、この固定は、導電性粒子を含有するエポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系等の導電性接着剤を用いて行ってもよい。
この電極35aは、例えばワイヤーボンディング技術により形成された金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)38を介して、前述した接続電極42に電気的に接続されている。また、電極35bは、例えばワイヤーボンディング技術により形成された金属ワイヤー(ボンディングワイヤー)37を介して、前述した接続電極41に電気的に接続されている。
なお、一対の電極35a、35bと接続電極41、42との接続方法は、これに限定されず、例えば、導電性接着剤により行ってもよい。この場合、例えば、振動片2の図示とは表裏反転するか、振動片2の下面に接続電極41、42を形成すればよい。
これら4つの外部端子34a〜34dのうち、外部端子34a、34bは、それぞれ、ベース基板31に形成されたビアホールに設けられた導体ポスト(図示せず)を介して電極35a、35bに電気的に接続されたホット端子である。また、他の2つの外部端子34c、34dは、それぞれ、パッケージ3を実装用基板に実装するときに、接合強度を高めたり、パッケージ3と実装用基板との間の距離を均一化するためのダミー端子である。
なお、パッケージ3内部に電子部品を収納した場合、ベース基板31の下面には、必要に応じて、電子部品の特性検査や、電子部品内の各種情報(例えば、振動デバイスの温度補償情報)の書き換え(調整)を行うための書込端子が形成されていてもよい。
また、このような振動片2をパッケージ3に収納した振動デバイス1は、優れた信頼性を有するとともに振動損失の少ないものとなる。
以上説明したような各実施形態の振動デバイスは、各種の電子機器に適用することができ、得られる電子機器は、信頼性の高いものとなる。
図9は、本発明の振動デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、フィルタ、共振器、基準クロック等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。
このような携帯電話機1200には、フィルタ、共振器等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルタ、共振器等として機能する振動デバイス1が内蔵されている。
また、本発明の振動デバイスは、水晶発振器(SPXO)、電圧制御水晶発振器(VCXO)、温度補償水晶発振器(TCXO)、恒温槽付水晶発振器(OCXO)等の圧電発振器の他、ジャイロセンサー等に適用される。
Claims (10)
- 基部と、
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 x 2 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 x 2 −0.0008x+2.7332・・・・・(3) - 前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]である請求項1に記載の振動片。
- 前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動する請求項1または2に記載の振動片。
- 前記振動腕は、水晶で構成されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の振動片。
- 基部と、
前記基部から延出する少なくとも1本の振動腕と、
前記振動腕上に下地層と第1の電極層と圧電体層と第2の電極層とがこの順で積層され、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に通電することにより、前記圧電体層を伸縮させて、前記振動腕を屈曲振動させる圧電体素子とを有し、
前記下地層は、Tiを主材料とする金属で構成され、
前記第1の電極層は、Auを主材料とする金属で構成され、
前記圧電体層は、ZnOを主材料として構成され、
前記圧電体層のZnO(002)面におけるX線回折により得られるロッキングカーブの半値幅をy[°]とし、前記圧電体層の平均厚さをx[Å]としたとき、下記関係式(1)、(2)および(3)をそれぞれ満たすことを特徴とする振動片を製造する方法であって、
前記振動腕上に前記下地層を形成する工程と、
前記下地層上に前記第1の電極層を形成する工程と、
前記第1の電極層上に前記圧電体層を形成する工程と、
前記圧電体層上に前記第2の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする振動片の製造方法。
200≦x≦5000・・・・・(1)
y≦10 −7 x 2 −0.0008x+3.1332・・・・・(2)
y≧10 −7 x 2 −0.0008x+2.7332・・・・・(3) - 前記圧電体層の平均厚さは、50〜300[nm]である請求項5に記載の振動片の製造方法。
- 前記振動腕は、前記振動腕の延出方向と前記圧電体素子による前記振動腕の屈曲振動の振動方向とにそれぞれ直交する方向に並んで複数設けられ、隣り合う2つの前記振動腕が互いに反対方向に屈曲振動する請求項5または6に記載の振動片の製造方法。
- 前記振動腕は、水晶で構成されている請求項5ないし7のいずれか一項に記載の振動片の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を収納するパッケージとを備えることを特徴とする振動デバイス。 - 請求項9に記載の振動デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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