JP5549087B2 - 光学シートの製造方法 - Google Patents
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この種のバックライト方式に採用されているバックライト・ユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT:Cold Cathode Fluorescent Tube)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いずに冷陰極管(CCFT)等の光源ランプからの光で直接照明する「直下型方式」の2種類の方式とがある。
さらに、導光板7の背面に導光板6に導入された光を効率よく液晶パネル5に向けて均一となるように散乱して反射させるための散乱反射パターン部(図示せず)が印刷などによって設けられると共に、散乱反射パターン部の下方に反射フィルム(反射層)8が設けられている。
この液晶ディスプレイ装置12は、表裏両面を偏光板2、3で挟んだ液晶素子4からなる液晶パネル5が上部に位置して配設され、液晶パネル5の背面側に蛍光管等からなる光源13が配置される。さらに、光源13の光出射側に拡散フィルム14のような光学シートが設けられている。また、光源13の背面には、光源13から液晶パネル5と反対側の方向に向かう光を液晶パネル5側へ反射させるリフレター15が配置されている。よって光源13から射出される光は拡散フィルム14で拡散され、この拡散光を高効率で液晶パネル5の有効表示エリアに集光させる。
BEF18は、図10及び図11に示すように、透明基材20の上面である光出射面に、断面が三角形状の単位プリズム21が一方向に一定のピッチで配列されたフィルムである。この単位プリズム21は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEF18は“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
このようなBEF18を採用することにより、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。BEF18に代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイ装置に採用した技術は、特許文献1乃至3等において従来から知られている。
本発明による光学シートの製造方法では、圧力調整凹部に押圧される光学シート材料によって成形時の圧力ムラを受けて吸収することで圧力バランスを調整して、成形される光学シート材料の厚さ及び屈折率が均一な光学シートを製作できるから、光学シートのムラ、タワミが視認されない。しかも、圧力調整凹部内の面積割合が上記範囲内であれば、成形時の圧力ムラを圧力調整凹部内の光学シート材料で受けて吸収し、成形される光学シートの厚みムラを改善することができる。厚みムラが低減した光学シートをディスプレイ装置に用いたときには、表示画面に厚みムラから生じるムラや撓みが視認されない。
圧力調整凹部を略半球状とすることで成形時に成形される光学シートの面にかかる圧力バランスを周方向に均等に調整することができる。
これら凸部を付与することで、光学シートの更なる厚みムラの低減が可能となる。
本発明によるディスプレイ装置は、光源からの光が光学シートを透過する際、光学シートにムラ、タワミが視認されないから、光学シートを通して画像表示素子を透過する光の輝度と集光特性を高めて良好な画像が得られる光学特性を発揮できる。
しかも、圧力調整凹部内の面積割合が上記範囲内であれば、成形時の圧力ムラを圧力調整凹部内の光学シート材料で受けて吸収し、成形される光学シートの厚みムラを改善することができる。厚みムラが低減した光学シートをディスプレイ装置に用いたときには、表示画面に厚みムラから生じるムラや撓みが視認されない。
図1は第一実施形態による液晶ディスプレイ装置30の概略構成を示す断面図である。
図1に示す液晶ディスプレイ装置30は、バックライト・ユニット32と画像表示素子としての液晶パネル(液晶表示素子)33とを備えている。
バックライト・ユニット32において、例えば所定間隔で配列された冷陰極管(CCFT)からなる複数の光源34と、光源34の背面側に配設されていて背面側への出射光を反射させる反射板35とでランプハウス36を構成している。光源34は冷陰極管に限定されることなく、EL、LED,半導体レーザー等を採用できる。
なお、本実施形態によるディスプレイ装置は液晶ディスプレイ装置30を示すが、これに限らず、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置など、画像を光により表示する表示装置であればディスプレイ装置の種類は問わない。
光学シート42を後述の凹凸形状成形金型48を用いて押出し成形で製作した場合、押し出し時の圧力ムラをプリズムレンズ45群より高さと幅が大きい凸レンズ46が受けて吸収することで、光学シート42の厚みムラを改善することが出来る。厚みムラが低減した光学シート42を液晶テレビ等の液晶ディスプレイ装置30に用いたときには、表示画面に厚みムラから生じるムラや撓みが視認されない。
一方で、凸レンズ46の面積率が3%未満であると押し出し成形時に生じる圧力ムラや撓みを十分吸収できず、35%を超えた場合には圧力ムラや撓みは生じないが相対的にプリズムレンズ45の面積率が減少して集光効率や輝度の向上を十分達成できないという不具合が発生する。
光学シート42の主となる材質としては、例えばポリカーボネートもしくはアクリル−スチレン共重合体もしくはポリスチレンもしくはスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体もしくはシクロオレフィンポリマー等を樹脂シートとして使用しても良い。
光学シート42を製作する場合、製造コストを考慮すると押し出し方式で製造することが好ましい。押し出し方式で用いる凹凸形状成形用金型48は、図3に示すように、円筒形状または円柱形状をなす金属シリンダー49の外表面上に、プリズムレンズ45を形成するための凹凸パターン部としてプリズムレンズ用凹部50と凸レンズ46を形成するための圧力調整凹部51とが彫られてなる構成である。
プリズムレンズ用凹部50は断面略三角形で一方向に延びて構成され、プリズムレンズ用凹部50は同一方向に複数配列されて形成されている。圧力調整凹部51は例えば略半球状の凹部としてプリズムレンズ用凹部50に重ねて所定間隔で分散して形成されている。圧力調整凹部51はプリズムレンズ用凹部50よりも深く幅も大きい。
図3に示す凹凸形状成形用金型48において、六方格子状とはハニカム構造の各角部と中央部に相当する位置に圧力調整凹部51が配設された構成をいう。
凹凸形状成形用金型48の製作に際し、断面略半球形状の圧力調整凹部51と直線状のプリズムレンズ用凹部50との製作の順番に特に制限はないが、ウエットエッチングなどの工程を用いる場合には、圧力調整凹部51を先に製作する方が安定した形状を得ることが出来るため望ましい。
そして、凹凸形状成形用金型48と加熱した下型ロール52との間に樹脂シートからなる光学シート材料42aをはさみ、凹凸形状成形用金型48と下型ロール52とを加圧しながら回転させる。これによって、凹凸形状成形用金型48と下型ロール52との間に加圧された光学シート材料42aが挟み込まれ、光学シート42の凹凸形状成形用金型48側の基材44の表面にプリズムレンズ45と凸レンズ46が転写されて、押し出されていく。このようにして光学シート42が形成される。
なお、凹凸形状成形用金型48の製作方法はロール成形法に限定されず、ロールツウロール方法等でもよい。
図6に示す光学シート53は、基材44の一方の面に上述した実施形態と同様に略半球状の凸レンズ46とプリズムレンズ45を形成している。また、基材44の他方の面には凸部54が幅方向及びこれに直交する長手方向に所定間隔で分散して突出形成されている。これら凸部54を付与することで、光学シート53の更なる厚みムラの低減が可能となる。凸部54の形状は例えば円錐台形状とされているが、対向する一方の面の凸レンズ54及びプリズムレンズ45のパターンとのモアレの抑制を考慮するとドット状とすることが好ましい。
なお、凸部54の断面形状に関しては図6に示す円錐台形状に限定されるものではなく、適宜の断面形状を採用できる。また、凹部54は例えば図5に示すロール成形法では下型ロール52に形成すればよく、凹凸形状成形用金型48と挟持して加圧しつつ押し出せば光学シート53を製作できる。
<凹凸形状成形用金型48の製作)
表面を銅メッキ処理した金属シリンダー49の表面を切削により平滑化し、その表面上にブラックラッカーを膜厚5μm程度になるよう均一に塗布する。そのブラックラッカー上に円形状にレーザーアブレーション後、クロム酸、塩化第二鉄にてウエットエッチングを行なう。その後、余分なブラックラッカーをアセトンにて除去することで、金属シリンダー49の表面上に圧力調整凹部51を形成する。そして、ダイヤモンドバイトによって金属シリンダー49の表面を切削してプリズムレンズ用凹部50のパターンを形成し、図3に示すような凹凸形状成形用金型48を得た。
凹凸形状成形用金型48の面積に対する圧力調整凹部51の面積率の変更はレーザーアブレーションの際のレーザー照射間隔を広げることで調節した。エッチング処理後の圧力調整凹部51を断面半球状で幅100μm、最大深さ50μmに加工形成し、圧力調整凹部51の配設パターンは六方格子状に分散して製作した。プリズムレンズ用凹部50は幅30μm、深さ15μmの断面三角形のプリズムで製作した。
光学シート42の材料としてポリカーボネートを用い、図3に示す凹凸形状成形用金型48によって押出し方式で押し出し成形することにより、プリズムレンズ45が同一方向に配列されていてその上に半球状の凸レンズ46を分散配設してなる図2に示す光学シート42を製作した。この光学シート42は最大厚500μmの光学シートである。
次に試験例1〜4として凹凸形状成形用金型48及びこれを用いた光学シート42を製作した。試験例1、2は実施例であり、試験例3、4は比較例である。
試験例1として、光学シート42における凸レンズ46の面積率が3%となるよう圧力調整凹部51の数を調整した凹凸形状成形用金型48を製作し、この凹凸形状成形用金型48を用いて光学シート42を総厚500μmで押出し成形した。また、凸レンズ46の面積率が35%、40%、0%となるよう圧力調整凹部51の数を調整した凹凸形状成形用金型48をそれぞれ製作して、これらの凹凸形状成形用金型48を用いて、押し出し方式によってそれぞれ光学シート42を製作した。凸レンズ46の面積率35%のものを試験例2、面積率40%のものを試験例3、面積率0%のものを試験例4とした。
試験例4における凸レンズ46の面積率0%とした光学シート42を形成するための凹凸形状成形用金型48は、圧力調整凹部51を形成せずにプリズムレンズ用凹部50のパターンのみを付与して製作した。試験例4による光学シート42はベースとなるプリズムレンズ45のみで形成されている。
試験例1〜4の各光学シート42はそれぞれ幅650mm、長さ1200mmの寸法形状とした。
試験例1〜4の凹凸形状成形用金型48を用いて製作した光学シート42について、厚みムラ測定とムラ、タワミ評価と光学特性評価を実施した。試験に際して、各試験例1〜4の光学シート42を、図1に示す液晶ディスプレイ装置30として液晶TVにそれぞれ設置し、液晶ディスプレイ装置30を点灯して2時間経過時にムラ、タワミが発生したかどうかを目視評価した。試験例1〜4の各試験結果は図7に示すとおりである。
厚みムラ測定は、試験例1〜4における各光学シート42の押出し方向に直交する幅方向(650mm幅)を5分割し、押出し流れ方向(1200mm長さ)を5分割して厚み測定を実施した。厚みムラは光学シート42全体の総厚の平均値からの最大バラツキで算出した。
試験例4において、圧力調整凹部51の面積率0%の凹凸形状成形用金型48から得られた光学シート42は、厚みムラは±5%程度であり、60℃付近の高温に達する液晶ディスプレイ装置30の点灯試験では、光学シート42にタワミが発生してしまい、映像にムラが生じてしまった。
試験例1〜3において、凸レンズ46の面積率3%以上では厚みムラは±2%以下となった。液晶ディスプレイ装置30の点灯試験においても、試験例1〜3では光学シート42にタワミが発生しなかった。しかしながら、試験例3では、凸レンズ46の面積率40%と大きすぎてしまい、相対的にプリズムレンズ45の面積率が低下したため、試験例4による面積率0%の光学シート42の正面輝度よりも、10%以上正面輝度が低減してしまい光学特性が大きく損なわれたため不良(×)評価とした。
32 バックライト・ユニット
33 液晶パネル
34 光源
37 光拡散板
42 光学シート
44 基材
45 プリズムレンズ
46 凸レンズ
48 凹凸形状成形用金型
49 金型シリンダー
50 プリズムレンズ用凹部(凹凸パターン部)
51 圧力調整凹部
Claims (4)
- 凹凸形状成形用ロール金型と下型ロールとの間に樹脂シートからなる光学シート材料を挟み、凹凸形状成形用ロール金型と下型ロールとを加圧しながら回転させることによって加圧された光学シート材料が挟み込まれ、光学シートの凹凸形状成形用ロール金型側の光学シート材料の表面に凹凸形状を転写する光学シートの製造方法であって、
前記凹凸形状成形用ロール金型の表面には圧力調整凹部が形成されてなり、該圧力調整凹部の幅より小さく且つ前記圧力調整凹部の深さよりも深さの浅い凹凸パターン部が一次元方向または二次元方向に形成されていると共に、前記凹凸形状成形用ロール金型の表面積に対して前記圧力調整凹部の面積の占める割合が3%以上35%以下の範囲で設定されてなることを特徴とする光学シートの製造方法。 - 前記圧力調整凹部は、略半球形状であることを特徴とする請求項1に記載された光学シートの製造方法。
- 前記下型ロールに凹部を形成し、前記光学シートの凹凸形状とは反対側の面に凸部が形成されている請求項1または2に記載された光学シートの製造方法。
- 前記凸部は円錐台形状である請求項3に記載された光学シートの製造方法。
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