JP2008032967A - 光学シートとそれを用いたバックライト・ユニットおよびディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】片面に単位レンズが並列されてなるレンズ部を有するレンズシートの反レンズ部側の平坦面がバックライト光源側に面しており、前記平坦面から入射した光が前記レンズ部側から出射する方向,範囲,輝度分布の少なくとも何れかを制御するために用いられるディスプレイ用バックライト・ユニットにおける光学シートにおいて、前記単位レンズは、全体として半円柱状凸シリンドリカルレンズであり、その断面形状が、中心部と周辺部とで異なる2種類以上の曲率を有する構成とする。
【選択図】図10
Description
従って、所定の輝度を提供するのに必要な総電力を低減することで電池寿命が増大するが、これは電池式装置には特に望ましいことである。
このプリズム72は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。
BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
BEFに代表されるプリズム72の反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用する旨が開示されている特許文献としては、特許文献1乃至3に例示されるように多数のものが知られている。
しかしながら、同時に反射/屈折作用yによる光成分が、視聴者の視覚方向Fに進むことなく横方向に無駄に出射されてしまう。
図3のグラフは、プリズムシート1枚だけの場合の光強度分布であり、図中「垂直分布」で示される曲線は、プリズム72の並列される方向に相当し、「水平分布」で示される曲線は、プリズム72の長手方向に相当する。
一般には、プリズム72の並列される方向が略直交する様に、2枚のプリズムシートが併用される使用形態が普及している。
この様な光強度ピークを有する輝度分布は望ましくはなく、±90°近辺での光強度ピークのない滑らかな輝度分布の方が望ましい。
また、軸上輝度のみが過度に向上すると、グラフ中(特に、垂直分布の曲線で)の山の幅が著しく狭くなり、視域が極端に限定されるため、グラフ中の山の幅を適度に拡げるために、プリズムシートとは別部材の光拡散フィルムを新たに併用する必要があり、部材数の増加を伴っている。
さらに、他方の面には、該レンズ44の焦点面近傍に開口部46をもつストライプ状のパターンからなる反射材48が設けられている。
拡散フィルム32から出射した光のうち、開口部46を通過した光のみが、レンズ44に入射し、レンズ44によってある一定方向に集光された後に出射される。
そして、偏光板49に入射し、所定の偏光成分の光のみが液晶パネル42に導かれる。
主として単位レンズ部での屈折機能により、ある程度の軸上輝度を増大させる効果を奏することが要求される場合、光学フィルム38から反射性ストライプパターンを省略した構成としても良いが、単位レンズの断面形状が略円弧状の半円柱状シリンドリカルレンズでは、BEFなどのプリズムシートと同等な光学特性(軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる)を奏することは困難である。
片面に単位レンズが並列されてなるレンズ部を有するレンズシートの反レンズ部側の平坦面がバックライト光源側に面しており、前記平坦面から入射した光が前記レンズ部側から出射する方向,範囲,輝度分布の少なくとも何れかを制御するために用いられるディスプレイ用バックライト・ユニットにおける光学シートにおいて、
前記単位レンズは、全体として半円柱状凸シリンドリカルレンズであり、その断面形状が、中心部と周辺部とで異なる2種類以上の曲率を有することを特徴とする。
また、後述する様に、表示光の正面輝度を維持しながら、左右(単位レンズの並列方向)についてはなだらかに輝度が変化する様な分布を持たせることが可能であり、光拡散シートに類似した光学機能をレンズシート自身が併せ持つことになり、光拡散シートの省略も可能となり、部材数の低下およびそれに応じたバックライト・ユニットの低コスト化すら実現される。
さらには、単位レンズの周期性と液晶パネルにおける画素配列の周期性との関係に起因するモアレの解消にあたって、一層有効である。
中心部と周辺部とで異なる2種類以上の曲率を有する単位レンズの断面形状を設定するにあたって、まず、単位レンズの断面形状が1種類の曲率からなる場合について光学特性をシミュレーションした。
説明の便宜上、球面レンズ(断面形状の円弧が真円)の場合で説明する。
図7に示す様に、平坦面上(同図では、右側)に7種類の円弧による単位レンズの断面形状を想定する。
単位レンズのピッチ(同図で、上下の長さ)は140μmであり、円弧は曲率が140μmから70μmの範囲で段階的に8種類とした。
同図のグラフから、単位レンズの曲率が小さい(70μm;最も右側の円弧)ほど正面輝度は上昇することが分かる。
図9からは、曲率が小さい場合、グラフ曲線の山の幅が狭く、高さが大きいことが確認され、正面輝度は上昇している。
本シミュレーションの場合、単位レンズのピッチは140μmであるため、採用しうる最小の曲率半径は70μmである。
曲率半径の大きい部分(曲率;R)を単位レンズ同士の境界にあたる周辺部に配置し、曲率半径の小さい部分(曲率;r)を単位レンズの頂部に配置する。
図10(a)は、単位レンズのピッチ(同図で、上下の長さ)は140μmで一定とし、曲率R=140μmと72μmの2種類の周辺部を有し、曲率r=42μmの頂部を有する2種類の単位レンズ断面形状を示す説明図である。
図10(b)は、単位レンズのピッチ(同図で、上下の長さ)は140μmで一定とし、曲率R=140μmと72μmの2種類の周辺部を有し、曲率r=36μmの頂部を有する2種類の単位レンズ断面形状を示す説明図である。
それぞれ、曲率rの頂部のレンズ幅は、単位レンズ全体のピッチ(140μm)内における比は一定に設定されている。
本シミュレーションでは、曲率r部分の前記比は50%である。
rの小さい図11(b)でのグラフ曲線の方が、山の幅が狭く高さが大きいことが確認され、正面輝度は上昇していることになるが、±90°近辺の小さな光強度ピークが顕著である。
rなし(Rのみ)のシングル・レンズ7種類による正面輝度をプロットしたグラフに比較して、それぞれのシングル・レンズの頂部に各種rの部分を複合したダブル・レンズ形状についてシミュレーションした場合、r=42μm,38μm,36μmとrが小さくなるにつれて、正面輝度は上昇する傾向にあることが、図11から理解される。
rが小さくなるにつれて正面輝度が上昇する理由としては、図9(Rの比較)で確認された様に、曲率が小さい方がグラフ曲線の山の幅が狭く高さが大きいことと同様である。
ピッチ比の変更は、換言すると頂部のレンズ高さ(図13におけるH)の変更でもある。
図13(a)は、単位レンズのピッチは140μmで一定であり、曲率R=80μmの周辺部と曲率r=50μmの頂部からなるダブル・レンズ形状について、単位レンズ部全体の高さを50μm(同図左側のプロファイル)と70μm(同図右側のプロファイル)とした場合の2種類の単位レンズ断面形状を示す説明図である。
図13(b)は、単位レンズのピッチは140μmで一定であり、曲率R=80μmの周辺部と曲率r=30μmの頂部からなるダブル・レンズ形状について、単位レンズ部全体の高さを45μm(同図左側のプロファイル)と65μm(同図右側のプロファイル)とした場合の2種類の単位レンズ断面形状を示す説明図である。
図13(a)(b)何れの場合も、単位レンズ部全体の高さを上げた右側のプロファイルの方が、単位レンズ部における曲率rの頂部形状が占めるウェイトが大きくなる。
図14からは、高さHを大きくするにつれて、正面輝度が上昇するが、Hがある位置から更に上がると正面輝度が下がり始めることが確認される。
従って、正面輝度の向上の上では、Rとrに応じた最適な高さHがあることが伺える。
単位レンズピッチの約1/2の曲率半径を持つレンズをベースにして、周辺部の曲率を設定する。
従って、周辺部の曲率を真円として考慮する場合は、単位レンズピッチの1/2よりも大きめ(140μmピッチの場合、70+αの曲率半径とする)に設定したり、周辺部は真円でなく、楕円や放物線の一部からなる非球面形状として、レンズ端部の角度を大きくすることが、成形上の理由だけでなく、レンズ光学特性の向上(球面収差の排除)の上で好ましい。
成形上の理由からは、レンズ端部の角度は15°以上(隣り合う単位レンズ同士の境界でなす角度は、30°以上)が好適である。
スタンパは、金属シリンダの切削にあたって、曲率Rの先端形状を持つ切削バイトによる溝を形成した後、曲率rの先端形状を持つ切削バイトにより、先の溝の最深部を中心として重ね彫りすることで作製される。
図17(本実施形態形状)では、単位レンズを構成する周辺部(大きい曲率)と中心部(小さい曲率)の境界では、曲率が連続的に滑らかに変化しておらず、境界線によるストライプも観察され、ストライプのピッチが微細化(シングル・レンズ形状の約1/3)している。
従って、光路制御素子としてのレンズシート(あるいは、従来技術に係るプリズムシート)でも、液晶画素ピッチとの周期性との関係に起因するモアレを回避するため、単位レンズ(単位プリズム)の並列ピッチも微細化する必要があるが、本実施形態では、単位レンズのピッチは一定のまま、ストライプのピッチは1/3にすることが可能であるため、モアレの解消には有効である。
図18は、本発明の他実施形態を示す概略図であり、単位レンズは、その断面形状が、周辺部2/周辺部1/中心部/周辺部1/周辺部2からなり、3種類の曲率を有するレンズは、周辺部2,周辺部1,中心部の順に段階的に曲率が小さくなり、全体として左右対称な形状となっている。
同図の場合、単位レンズを構成する周辺部と中心部の境界,あるいは周辺部2と周辺部1の境界では、曲率が連続的に滑らかに変化せず、境界線が明確であるであることにより、ストライプ・パターンのピッチは1/5となる。
26 拡散板
27 反射板
38 光学シート
40 バックライトユニット
42 液晶パネル
44 レンズ部
46 開口部
48 ストライプ状のパターンからなる反射材
70 部材
72 単位プリズム
Claims (7)
- 片面に単位レンズが並列されてなるレンズ部を有するレンズシートの反レンズ部側の平坦面がバックライト光源側に面しており、前記平坦面から入射した光が前記レンズ部側から出射する方向,範囲,輝度分布の少なくとも何れかを制御するために用いられるディスプレイ用バックライト・ユニットにおける光学シートにおいて、
前記単位レンズは、全体として半円柱状凸シリンドリカルレンズであり、その断面形状が、中心部と周辺部とで異なる2種類以上の曲率を有することを特徴とする光学シート。 - 前記単位レンズの配列ピッチが0.3mm以下であり、且つ前記単位レンズを構成する中心部の曲率が小さく、その両側(周辺部)の曲率が大きい形状であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
- 前記単位レンズは、その断面形状が、曲率の大きい周辺部/曲率の小さい中心部/曲率の大きい周辺部からなり、左右対称な形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
- 前記単位レンズは、その断面形状が、周辺部2/周辺部1/中心部/周辺部1/周辺部2からなり、周辺部2,周辺部1,中心部の順に段階的に曲率が小さくなり、全体として左右対称な形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
- 前記単位レンズを構成する周辺部と中心部の境界,あるいは周辺部2と周辺部1の境界では、曲率が連続的に滑らかに変化せず、境界線が明確であるであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光学シート。
- 表示画像を規定する画像表示素子の背面に、
直下型光源と、請求項1〜5の何れかに記載の光学シートを少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニット。 - 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、
冷陰極線管あるいはLEDによる光源と、
請求項6記載のバックライト・ユニットを備えることを特徴とするディスプレイ。
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