JP5548985B2 - ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。 Download PDF

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本発明は、結晶化速度が速く安定した溶融粘度を有し衝撃強度にも優れたポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂(以下、PETと略す)は、機械的性質、化学的性質、光学的性質に優れ、繊維、フイルム、ボトル用材料として延伸プロセスが適応できる分野では広く利用されている。しかしながら、射出成形等延伸プロセスの適応が難しい分野ではその緩慢な結晶化速度のため、ポリブチレンテレフタレート樹脂に比べ高融点(耐熱性)・低コストにもかかわらず市場は伸び悩んでいる。
PETの結晶化速度を改良して良好な射出成形品を得るための結晶核剤に関する検討が現在まで長期間に亘り実施されている。特公昭48−4097号、特公昭48−4098号、特開昭54−158452号に記載の有機カルボン酸の金属塩(リチウム、ナトリウム、カリウム塩等)は古くから知られ、結晶化速度に限れば最も安価で効果的な技術である。例えば、ステアリン酸ナトリウムや安息香酸ナトリウムをPET100質量部に対して凡そ1〜3質量部を配合、十分に溶融混錬した材料は、300℃から直ちに急冷してもその示差走査熱量計(以下、DSCと略す)による昇温(20℃/分)時の再結晶化ピーク(以下、Tccと略す)は殆ど観察されない。これは結晶化するべき分子鎖は略全て結晶化したことを意味する。しかしながら、該組成物の溶融粘度(分子量)は著しく低下し、製品の機械的強度(衝撃強度等)は全く実用性がない。
PETの溶融粘度(分子量)、機械的強度(衝撃強度等)を改良する技術として、ポリカルボン酸無水物、ポリエポキシド、ポリイソシシアネート等、PETの末端水酸基、カルボン酸基と反応する基を有する化合物を配合する技術(特公昭47−13860号)が知られている。
かかる先行技術に基づき、PETに有機カルボン酸金属塩とポリカルボン酸無水物、ポリエポキシド、ポリイソシシアネート等を有する化合物を配合し、PETの結晶化を促進すると同時にその溶融粘度(分子量)、衝撃強度を改良しようと多く技術が提案されている(特開昭63−128059号、特表平11−504371号、特開平9−296096号、特開2007−84778号、特開2008−31482号)。
しかしながら、それらポリカルボン酸無水物、ポリエポキシド、ポリイソシシアネート等を有する化合物をPETに配合すると結晶化は再び低下すると共に溶融粘度が著しくアップして、場合によるとゲル化し、良好な射出成形品を得ることができない。
特公昭48−4097号 特公昭48−4098号 特開昭54−158452号 特公昭47−13860号 特開昭63−128059号 特表平11−504371号 特開平9−296096号 特開2007−84778号 特開2008−31482号
本発明は、100℃以下の低温金型でポリブチレンテレフタレート樹脂並みの速度で射出成形が可能で、溶融粘度が安定し且優れた衝撃強度を有する高結晶性PET組成物を提供することである。
本発明者は、公知の技術である有機カルボン酸の金属塩を詳細に再検討したところ驚くべきことに、特定の脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩が、溶融粘度(分子量)を低下させることなく、かえって向上させ、結晶化速度も速めることを見出した。また、アイオノマー樹脂を更に配合することにより、結晶化速度は更に速められ、安定した溶融粘度を保ち、衝撃強度も優れることを見出し本発明に至った。
PET100質量部に対して、昇温速度20℃/分におけるDSCによる融点が、330℃以下の特定の脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩を0.1〜3質量部を配合したPET組成物は、結晶化速度が改良されると同時に溶融粘度(MFR)は低下せず、略一定を維持する。更に、かかるPET組成物にアイオノマー樹脂を2〜20質量部を配合したものは結晶化速度が更に改良された上に溶融粘度、衝撃強度が著しく改良される。
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明のPETは、テレフタル酸とエチレングリコールを無触媒又は触媒の存在下で直接エステル化させる方法や、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを触媒の存在下にエステル交換させる方法などにより低重合度の重合体を調製し、次いでこの低重合度の重合体と触媒(例えば、ゲルマニウム系化合物やアンチモン系化合物など)を適当な温度(例えば240〜310℃程度)、減圧下(例えば、0.9Torr以下の真空下)に保ち溶融重縮合するか、しかる後に固相重縮合することによって得られる。
このようなPETは、ホモポリマーであってもよく、又前記ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を共重合成分で置換したコポリマーであってもよい。前記共重合成分のうちジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸である[イソフタル酸、フタル酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸などのアルキル置換フタル酸;ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸など);4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸などのジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸などのジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸などのジフェニルジカルボン酸];脂環族ジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などの炭素数8〜12程度の脂環式ジカルボン酸など)又はその誘導体;脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの炭素数4〜20程度の脂肪族ジカルボン酸)又はその誘導体などが例示できる。なお、ジカルボン酸の誘導体には、エステル形成可能な誘導体、例えば、ジメチルエステルなどの低級アルキルエステル、酸無水物、酸クロライドなどの酸ハライドなどが含まれる。これらの共重合性ジカルボン酸又はその誘導体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合成分の割合は、通常、全ジカルボン酸成分の30モル%以下、好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。好ましいジカルボン酸共重合成分としては、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸など)、C6―12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)等である。
共重合成分としてのジオール成分としては、脂肪族ジオール[トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状のC3−12アルキレンジオールなど]、ポリオキシC2−4アルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)、脂環族ジオール[例えば、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど]、芳香族ジオール[ハイドロキノン、レゾルシンなどのジヒドロキシベンゼン、ナフタレンジオール、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノール類、ビスフェノール類に対してアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのC2−4アルキレンオキサイド)が付加した付加体(ジエトキシ化ビスフェノールAなど)など]などが例示できる。これらの共重合成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合成分の割合は、通常、全ジオール成分の30モル%以下、好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。好ましいジオール共重合成分としては、C3−6アルキレングリコール(プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキレングリコールなど)、繰り返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシC2−4アルキレングリコール(ジエチレングリコールなど)等である。
PETの極限粘度(又は固有粘度)は適当に選択でき、例えば、溶媒ヘキサフロロイソプロパノール、30℃で0.4〜1.5dl/g程度である。なお、極限粘度が小さいと樹脂の特性が有効に得られず、大きすぎると溶融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわれる。
尚、PETとして、使用済みPETボトルなどを粉砕又は溶融ペレット化した再生PETを用いることは社会環境面で極めて有意義なことである。
次に、本発明で言う脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩とは、DSCによる20℃/分の昇温速度における融点(ピーク温度)が330℃以下のものである。
具体的には、アゼライン酸二ナトリウム、ブラシル酸二ナトリウム、テトラデカン二酸二ナトリウム、ペンタデカン二酸二ナトリウム、ヘキサデカン二酸二ナトリウム、ヘプタデカン二酸二ナトリウム、オクタデカン二酸二ナトリウム、ノナデカン二酸二ナトリウム、エイコサン二酸二ナトリウム等である。好ましくは、アゼライン酸二ナトリウム、ブラシル酸二ナトリウム、エイコサン二酸二ナトリウムである。中でも、特に好ましのは、アゼライン酸二ナトリウムである。
脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩の配合量は、PET100質量部に対して0.1〜3質量部、好ましくか0.15〜2.5質量部、更に好ましくは0.2〜2質量部である。配合量が0.1質量部未満では結晶化への効果が少なく、また3質量部を超えると効果が飽和すると共に溶融粘度が著しく低下して好ましくない。
更に、本発明で言うアイオノマー樹脂とは、高分子鎖中に金属塩を有する側鎖を有し、高分子分子間でイオン結合を形成する分子構造を有するポリマーである。一般には、各種ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸、スチレンスルホン酸のような酸性ビニルモノマーとのランダム、ブロック、グラフト共重合体の部分中和金属塩のほかに、カルボン酸基、スルホン酸基を分子中に含むジカルボン酸、ジオール、ジアミン化合物からなる縮合重合体の部分金属中和物等がある。具体的には、エチレンと(メタ)アクリル酸とからなるポリエチレン系アイオノマー樹脂、プロピレンと(メタ)アクリル酸とからなるポリプロピレン系アイオノマー樹脂、スチレンとスチレンスルホン酸とからなるポリスチレン系アイオノマー、アクリルニトリル、スチレン、ブタジエンと(メタ)アクリル酸やスチレンスルホン酸とからなるアクリルニトリル・スチレン・ブタジエン(ABS)系アイマノマー等がある。これらのアイオノマー樹脂の中でも好ましいものは、エチレンと(メタ)アクリル酸とからなるポリエチレン系アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂中の金属塩を含有するモノマーの割合は、0.01〜10モル%が好ましい。また、金属の種類はアルカリ金属またはアルカリ土類金属であるが、中でもナトリウムが最も好ましい。アイモノマー樹脂の配合量は、PET100質量部に対して2〜20質量部、好ましくは2〜15質量部である。質量部未満では組成物の結晶化速度や衝撃強度の改良効果は少なく、30質量部以上では溶融粘度や曲げ弾性率が低下するので好ましくない。
本発明のPET組成物は、構成成分であるPET樹脂、脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩及びアイオノマー樹脂をドライブレンド後、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等の一般的な樹脂用混練装置を用いて溶融混練することにより製造される。中でも2軸押出機、4軸押出機、単軸遊星押出機を使用して製造することが好ましい。
本発明のPET組成物には、必要に応じて、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等の他のポリエステル樹脂の外にも、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンオキシト樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンプロピレン共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)等々を配合しても良い。これら樹脂の配合量は、PET100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下である。
更に本発明のPET組成物には、他の公知の各種結晶核剤、結晶化促進剤(ポリオキシエチレン誘導体など)、酸化防止剤、耐候・光安定剤、難燃剤、充填剤(タルク、マイカなど)、強化剤(ガラス繊維、カーボン繊維、ウイスカーなど)、衝撃改良剤(衝撃改良用ポリマー、エラストマー、ゴムなど)等を配合することができる。
本発明のPET組成物は、射出成型、押出成形、圧縮成形等の成形法を用いて各種自動車・電子・電気用部材、器具、容器(ブローボトル等)、フイルム、シート、繊維等に成形される。
次に、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらによって何等制限されるものではない。
(融点(Tm)、結晶化開始温度(Tc)、再結晶化温度(Tcc)の測定)サンプル凡そ10mgをDSC測定用アルミパンに精秤して310℃で1分溶融後、85℃の熱水上に直ちに移し急冷してDSC測定用サンプルを調整する。セイコーインスツルメント社製示差熱量計(DSC 6200)を用い、該サンプルを50℃から320℃まで20℃/分の速度で昇温して、再結晶化温度(Tcc)と融点(Tm)を測定した。次に、320℃で3分間保持した後、20℃/分で降温し、結晶化開始温度(Tc)を測定する。いずれもピーク位置をその温度とした。
(溶融粘度(MFR)の測定)130℃で5時間熱風乾燥したサンプルを用い、テクノセブン社製高温メルトインデクサを使用して、280℃、2.16Kg荷重、JIS K7210に準拠して測定した。
(落球衝撃強度の測定)130℃で5時間熱風乾燥したサンプルを、280℃、0.3MPaで2分間熱プレス後、80℃に設定した冷却用プレス機に直ちに移し、0.5MPa下で1mm厚のシートを作成した。該シートの落球衝撃強度を、13.6gのステンレス製球体を1mの高さから落とし破壊の有無を観察した。
(曲げ弾性率の測定)上記落球衝撃試験と同様に作成した1mm厚のシートを1cmの幅に切りだし、JIS K7171法に準拠して測定した。
(アゼライン酸二ナトリウム(AZE−2Na)の調整)水酸化ナトリウム(和光純薬工業社、試薬特級)12.8gを水100gに溶解後、アゼライン酸(和光純薬工業社、試薬特級)30gを投入、中和する。該中和液を100℃で蒸発乾燥後、窒素気流下、330℃、10分間熱処理を行った。得られた白色固体を乳鉢で粉砕して、36gの白色粉末を得た。Tm=298.2℃であった。
(アゼライン酸二リチウム(Aze−2Li)の調整)水酸化リチウム(和光純薬工業社、試薬特級)7.6g、水200g、アゼライン酸30gを用いて、前記AZE−2Naと同様の実験を行った。DSCによる融点は400℃迄認められなかった。
(アゼライン酸二カリウム(Aze−2K)の調整)水酸化カリウム(和光純薬工業社、試薬特級)17.9g、水100g、アゼライン酸30gを用いて、前記AZE−2Naと同様の実験を行った。DSCによる融点は400℃迄認められなかった。
(アゼライン酸一ナトリウム(Aze−Na)の調整)水酸化ナトリウム6.4g(片末端中和)を用いて、前記Aze−2Naと同様の方法で調整した。Tm=220.5℃であった。
(ブラシル酸二ナトリウム(Bra−2Na)の調整)水酸化ナトリウム20g、水100g、ブラシル酸(和光純薬工業社、試薬特級)6.6gを用いて、前記Aze−2Naと同様の実験を行った。Tm=305.2℃であった。
(ドデカン二酸二ナトリウム(Dod−2Na)の調整)水酸化ナトリウム26.1gを水500gに溶解、ドデカン二酸(和光純薬工業社、試薬特級)75gを徐々に添加して中和した。100℃で水を蒸発乾固後、前記Aze−2Naと同様の実験を行い、白色粉末を得た。Tm=344.5℃であった。
(エイコサン二酸二ナトリウム(Eik−2Na)の調整)エイコサン二酸(和光純薬工業社、試薬特級)10gをN−メチルー2−ピロリドン(和光純薬工業社、試薬特級)100gに溶解した溶液と、水10gに水酸化ナトリウム2.3gを溶解した水溶液を混合する。直ちに中和され沈澱が発生する。沈殿物を濾過後、100℃で乾燥、その後、前記Aze−2Naと同様の熱処理を行い、白色粉末を得た。Tm=302.2℃であった。
[実施例1〜5、比較例1〜10]
130℃、10時間、熱風乾燥機で乾燥したPET(三菱化学社製、ノバペックス GS400)100質量部に対して前記方法で調整した各種脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩(Aze−2Na、Aze−2K、Aze−2Li、Aze−Na、Bra−2Na、Dod−2Na、Eik−2Na)と市販コハク酸二ナトリウム(和光純薬工業社、試薬特級、Suc−2Na)、ステアリン酸ナトリウム(和光純薬工業社、試薬特級、Ste−Na)、アゼライン酸(和光純薬工業社、試薬特級、Aze)及びフェノール系酸化防止剤(アデカ社製, AO−60)、リン系酸化防止剤(アデカ社製、PEP−36)、硫黄系酸化防止剤(アデカ社製,412S)を表1に示す割合で配合、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15−30)を用いて、設定温度300℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量1kg/時間の条件で混練した。得られたペレットを用いて、DSC、MFR、落球衝撃強度を測定した。結果を表2に纏めた。
[実施例6、7、比較例11、12]
実施例2の配合に、(メタ)アクリス酸変性ポリエチレン系アイオノマー樹脂としてハイミラン1707(H1707,三井・デユポン社製、ナトリウム塩)を配合した。該ポリエチレン系アイオノマー樹脂の配合により結晶性の更なる改良と著しい落球衝撃強度の改良が為された。
表1、2の結果から、本発明のアゼライン酸二ナトリウム塩、ブラシル酸二ナトリウム塩、エイコサン二酸二ナトリウム塩は、公知の他の結晶核剤である脂肪族(モノ、ジ)カルボン酸金属塩に比べ優れた結晶化速度と安定した溶融粘度(MFR)を有することが理解される。又、実施例2、6、7比較例11、12の結果から、アイオノマー樹脂を更に配合したものは優れた結晶化速度と安定した溶融粘度(MFR)を有すると同時に落球衝撃強度が飛躍的に向上することが観察される。かかる事実は、従来の公知特許の記載内容からは全く窺い知ることができない新規な発見である。

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート系樹脂100質量部に対して、DSCにおける20℃/分の昇温速度における融点(ピーク温度)が330℃以下である脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩0.1〜3質量部を配合したポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  2. ポリエチレンテレフタレート系樹脂100質量部に対して、DSCにおける20℃/分の昇温速度における融点(ピーク温度)が330℃以下である脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩0.1〜3質量部、アイオノマー樹脂2〜20質量部を配合したポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  3. 請求項1記載の脂肪族ジカルボン酸二ナトリウム塩が、アゼライン酸二ナトリウム塩であるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
  4. 請求項記載のアイオノマー樹脂が(メタ)アクリル酸変性ポリエチレン系アイオノマー樹脂であるポリエチレンテレフタレート系樹脂組成物。
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