JPH05214222A - 長繊維入り有核ポリアルキレンテレフタレート組成物 - Google Patents

長繊維入り有核ポリアルキレンテレフタレート組成物

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JPH05214222A
JPH05214222A JP29447992A JP29447992A JPH05214222A JP H05214222 A JPH05214222 A JP H05214222A JP 29447992 A JP29447992 A JP 29447992A JP 29447992 A JP29447992 A JP 29447992A JP H05214222 A JPH05214222 A JP H05214222A
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thermoplastic
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sodium
acid
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JP29447992A
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John Welcker Marvin
マーヴィン・ジョン・ヴェルカー
D Bohland Craig
クレイグ・ディー・ボーランド
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Polymer Composites Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 約240°Fを下回る成形温度で射出成形す
ることができる長繊維強化有核熱可塑性ポリエステル組
成物が提供される。 【効果】 上記温度で本発明の組成物を用いて成形した
物品は良好な物理的性質、表面状態および結晶化度を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は種々の物品に成形できる繊維強
化熱可塑性ポリエステル組成物に関する。より詳細に
は、本発明は、射出成形して、種々の物品を作ることが
できる長繊維入り有核ポリアルキレンテレフタレート組
成物に関する。
【0002】
【発明の背景】ポリエチレンテレフタレート(PET)
のような熱可塑性ポリエステルは成形物、フィルムおよ
び繊維製造用の重要な原料となっている。ポリエチレン
テレフタレートは紡織繊維(ダクロン)およびフィルム
(マイラー)として市販されており、ジメチルテレフタ
レートとエチレングリコールとの縮合重合によって調製
される。PETは高モジュラス、高強度、高融点、良好
な電気的性質ならびに耐湿性および耐溶剤性を示す結晶
性ポリマーである。
【0003】PETを利用する種々の熱可塑性組成物が
公知である。たとえば、Semenらの米国特許第4,
483,949号は、ポリエチレンテレフタレート、ビ
ニル芳香族化合物とα,β−不飽和環状無水物とのコポ
リマーまたはゴム変性グラフトコポリマー、繊維改良
剤、および核剤を含有する熱可塑性組成物を開示してい
る。Hawleyの米国特許第4,312,917号は
繊維を押出熱可塑性樹脂中に埋め込んだ複合強化構造物
の製造方法を開示している。Changの米国特許第
4,670,203号は、成形機のシリンダーの温度が
樹脂の溶融温度±35℃の温度範囲内にあるように成形
条件を特に制御する射出成形法を用いて、ポリエチレン
テレフタレートの成形物製造方法を開示している。
【0004】種々の熱可塑性物質中に使用できる強化要
素として繊維状物質は周知である。繊維は、熱可塑性物
質中に用いる場合には、その長さによって、通常、
「短」または「長(繊維)」と類別される。短繊維は、
当業者によって、プラスチックペレット中では長さが約
2.5ミリメートル(mm)未満の繊維と定義され、成
形物品中では概して長さが約0.75ないし1.5mm
である。長繊維は一般にプラスチックペレット中では長
さが少なくとも約6mmの繊維と定義され、成形物品中
では概して、長さが約2.5ないし10mmである。ペ
レット中に用いる場合には、長繊維は長さが約9.5な
いし19mmが好ましい。熱可塑性物質中に用いる場合
には、短繊維が無作為に分散しているのに対し、長繊維
は通常、一方向に配向している。
【0005】種々の短繊維を含む熱可塑性組成物が公知
である。しかしながら、短繊維入り熱可塑性組成物の使
用は射出成形機のスクリューの著しい摩耗をもたらす
が、長繊維入り組成物の使用は射出成形機のスクリュー
の比較的少ない摩耗を与える。すぐれた強度、表面状態
および結晶化度のような望ましい性質を有する長繊維含
有熱可塑性PET組成物はこれまでのところ得られてい
ない。
【0006】従って、種々の物品に成形できる長繊維含
有熱可塑性PET組成物は技術的に喜ばしい貢献となる
であろう。本発明は該組成物を提供する。
【0007】
【発明の要約】本発明は、熱可塑性性質を有する有効な
量のポリアルキレンテレフタレート;ペレット中に縦に
一定方向に配列し、長さが少なくとも約6ミリメートル
の有効な量の長繊維成分;および液状または半固体状態
から結晶状態にポリアルキレンテレフタレートを結晶化
させるのに有効な量の核剤を含む繊維強化熱可塑性ペレ
ット組成物である。本発明の熱可塑性ペレット組成物
は、一定長さの繊維とポリアルキレンテレフタレートの
ような熱可塑性ポリエステル組成物とを高温で接触させ
て、均密混合物を作り、次に混合物を連続引抜成形操作
で吐出ダイから引抜くことによって成形する。組成物
は、さらに切断または細断して、ペレットにする。
【0008】本発明の熱可塑性ペレットは、約240°
Fを下回る成形温度で他の類似のペレットとともに射出
成形することができる。本発明の熱可塑性ペレット組成
物を用いて成形した物品は良好な物理的性質、表面状態
および結晶化度を有している。本発明のペレットはま
た、湯で温めた型を用いると成形サイクルがさらに早く
なると考えられる。
【0009】本発明の一つの態様は長繊維入り有核ポリ
アルキレンテレフタレートの熱可塑性ペレット組成物で
ある。本発明の他の態様は熱可塑性ペレット組成物の製
造方法である。本発明の別の態様は本発明の熱可塑性ペ
レット組成物から成形した物品に関する。本発明の他の
態様は、熱可塑性ペレットを用いてすぐれた成形物品を
作る方法に関する。
【0010】
【発明の詳細な記載】本発明は、熱可塑性性質を有する
ポリアルキレンテレフタレート化合物、ペレット中に縦
に一定方向に配列した有効な量の長繊維成分、およびポ
リアルキレンテレフタレートを結晶化させるのに有効な
量の核剤を含む熱可塑性ポリエステル組成物に関する。
熱可塑性ペレット組成物は約240°Fを下回る成形温
度で他の類似のペレットとともに物品に成形することが
できる。
【0011】
【ポリアルキレンテレフタレート】本発明の組成物中に
用いられるポリアルキレンテレフタレートは熱可塑性ポ
リエステルであって、本質的に結晶性である。熱可塑性
ポリエステルはポリマー主鎖に沿って分布している多く
のエステル結合が特徴である。本発明の組成物に使用す
るための好ましいポリアルキレンテレフタレートにはポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、またはそれらの混合物がある。ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)は1,4−ブタンジオールおよびジ
メチルテレフタレートから誘導されるエンジニアリング
プラスチックである。ポリエチレンテレフタレート(P
ET)は本発明にとくに好ましい。
【0012】ハロゲン化結晶性PETを使用することも
できるけれども、本発明では、ホモポリマーのPETを
用いるのが好ましい。ポリエチレンテレフタレートはエ
チレングリコールおよびテレフタル酸またはそのジメチ
ルエステルから連続操作で製造される。原料は加熱反応
帯に投入され、そこで非常に高い真空が縮合水の迅速な
除去をもたらし、従って反応を促進させる。弾性物質が
繊維またはフィルムとして押出され、また延伸されて分
子を配向させる。ハロゲン化PETは通常、ハロゲン
化、好ましくは臭素化テレフタル酸(たとえば、2,5
−ジブロモテレフタル酸および2,3,5,6−テトラ
ブロモテレフタル酸)ならびにテレフタル酸の混合物と
エチレングリコールとの縮合によって生成する。
【0013】さらに、生成コポリマーが結晶性であるな
らば、本明細書で使用するPETはたとえば、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸等のみならず
それらのハロゲン化相当品のような他の芳香族ジカルボ
ン酸基を含むこともできる。もしもコポリマーが結晶性
のままであるならば、コポリマーは、たとえばプロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ジブロモネオメン
チルグリコール、テトラブロモビスフェノールAのビス
(2−ヒドロキシエチル)エーテルおよびテトラブロモ
−p−キシレングリコールのような他のグリコール類の
基を含むこともできる。PETのようなポリエステル樹
脂の広範な解説については、Kirk−Othmerの
Encyclopedia of Chemical
Technology、第2版、第16巻、161−1
82頁(1968年)を参照されたい。
【0014】本明細書で用いるポリエチレンテレフタレ
ートはバージンまたはリサイクルのPETであることが
でき、成形可能(すなわち、射出成形可能かまたは押出
成形可能)でなければならず、従って通常、60重量%
フェノールおよび40重量%テトラクロロエタンより成
る溶剤を用い、25℃で測定して、固有粘度(I.
V.)が約0.25ないし1.5、より一般的には約
0.5ないし1.2の間に入る。最良の結果を得るに
は、ポリエチレンテレフタレートはI.V.(前記の方
法で測定して)が0.4ないし1.2、より好ましくは
0.5ないし1.1の範囲になければならず、またほと
んどの射出成形用としては、I.V.が0.5ないし
0.9の範囲にあるポリエチレンテレフタレートがもっ
とも好ましい。
【0015】好適なPET樹脂はEastman Ch
emical Companyから市販されており、K
odapak 7352と呼ばれている。Hoechs
tCelaneseから市販されているImpet 3
30と呼ぶ短繊維入りPET組成物も、長繊維を含浸さ
せる原料として使用することができる。本発明の熱可塑
性組成物は、全組成物に対して約20ないし80重量
%、好ましくは約25ないし75重量%、もっとも好ま
しくは約40ないし70重量%のポリアルキレンテレフ
タレートを含んでいる。
【0016】
【長繊維】本発明の組成物中に、ポリアルキレンテレフ
タレート組成物に高い強度を与える種々の強化長繊維が
用いられる。繊維はガラス繊維、加工鉱物繊維(極めて
少量使用されるのみ)であることができるか、または両
者の混合物であることができる。強化繊維は、また硼
素、炭素、炭化珪素または黒鉛繊維のみならず鋼鉄また
はアルミニウム繊維のような金属繊維であることもでき
る。アラミド繊維のような高分子繊維のみならず金属化
ガラス繊維または黒鉛被覆ガラス繊維のような被覆繊維
を使用することができる。本発明の組成物にはガラス繊
維を用いるのが好ましい。ガラス繊維は連続ストランド
であり、連続ストランドに少量のミルドファイバー(m
illed fiber)の添加が好ましい。
【0017】とくに好ましいのは、「E」ガラスと呼ぶ
比較的ソーダ分の少ない石灰−アルミニウム硼珪酸ガラ
スのガラス繊維フィラメントである。たとえば、本発明
の組成物に利用できるガラス繊維にはOwens Co
rning Fiberglass,Corp.から供
給されているOCF 437と呼ばれるものがある。
【0018】本発明の組成物は、組成物に対して、約2
0ないし80重量%、好ましくは約25ないし75重量
%、もっとも好ましくは約30ないし60重量%の長繊
維成分を含んでいる。
【0019】
【核剤】ポリアルキレンテレフタレート熱可塑性組成物
の結晶化を促進させるために本発明の組成物中に種々の
核剤を使用することができる。一般に、核形成プロセス
は均一系か不均一系であることができる。第一の場合に
は、局所秩序(local order)の熱変動の結
果として融成物中に不規則に核形成が生じる。第二の方
法では、融成物中に存在する不規則に配列した極めて微
細な不溶解粒子の表面で核形成が起こる。実際には、異
質の粒子がなくなる程度まで物質を精製することは不可
能であって、少量の不純物でさえも不均一核形成のもと
になることができる。
【0020】いろいろな物質がポリマーの核形成に有効
である。そのほとんどは、ポリマー融成物中に不溶性
で、極性および非極性の交互のサンドイッチ層を構成す
る結晶性物質であり、さらに通常、ポリマー融成物と接
触する極性面を有するというような共通したいくつかの
特徴をもっている。不均一核形成は概して瞬間的であっ
て、活性種の数は温度依存性が強い。
【0021】PETまたはPBTのような化学反応性ポ
リマーの場合には、有機核剤は不均一基質として挙動せ
ず、むしろポリマーに溶解し、溶融高分子に対して真の
化学試薬として反応して、核種を形成する。化学的核形
成は、極めて迅速に結晶化して、容易に射出成形するこ
とができるPETの生成を可能にする。PETのような
重縮合物の場合には、ポリマーと核酸との間に化学反応
が起こって、連鎖分裂ならびに結合してクラスターとな
って、極めて活性な不均一核を形成するイオン性末端基
を生じる。核形成プロセスに関する広範囲の解説につい
ては、Polymer Eng. and Scie
n. 第30巻、 第5号、 270−278頁(19
90年)所載MercierのNucleation
in Polymer Crystallizatio
n: A Physical ora Chemica
l Mechanismを参照されたい。
【0022】種々の核剤を本発明の組成物中に使用する
ことができる。モノカルボン酸のアルカリ金属塩たとえ
ば脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩および芳香族
カルボン酸のアルカリ金属塩は本発明の組成物中の核剤
として有用である。例としては、これに限定されるもの
ではないが以下のものがある:酢酸ナトリウム、プロピ
オン酸ナトリウム、n−酪酸ナトリウム、カプリル酸ナ
トリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸カリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム等。他の有用なカルボン酸アル
カリ金属塩は、たとえば、酢酸、プロピオン酸、酪酸お
よびカプリル酸、ミリスチン酸、モンタン酸、安息香酸
等のような、たとえば脂肪族モノカルボン酸のカリウム
塩;たとえば蟻酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、
ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン
酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、、
マルガリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコ
サン酸、ベヘン酸、トリコナン酸、テトラコサン酸、ペ
ンタコサン酸、セロチン酸等のような脂肪族モノカルボ
ン酸のナトリウムまたはカリウム塩;たとえば、メタク
リル酸、アクリル酸等のような不飽和脂肪族モノカルボ
ン酸のナトリウムまたはカリウム塩;たとえば、トルイ
ル酸、p−第三級ブチル安息香酸、サリチル酸、バニリ
ン酸、プロトカテク酸、ベラトルム酸、没食子酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸等の
ような芳香族カルボン酸のナトリウムまたはカリウム
塩;たとえば、オレイン酸、リシノール酸、リノレン
酸、パルミトオレイン酸、バクセン酸、エルシン酸等の
脂肪酸のような中程度の不飽和脂肪族モノカルボン酸の
ナトリウムまたはカリウム塩;たとえば、蓚酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸等
のような脂肪族ジカルボン酸のナトリウムまたはカリウ
ム塩;たとえばマレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等
のような不飽和脂肪族ジカルボン酸のナトリウムまたは
カリウム塩;たとえば、トリカルバリル酸、クエン酸等
のような脂肪族トリカルボン酸のナトリウムまたはカリ
ウム塩;たとえば、オレイン酸およびリノレン酸のよう
な、たとえばC16脂肪酸のダイマーおよびトリマーのよ
うな飽和または不飽和カルボン酸のダイマーまたはトリ
マーのナトリウムまたはカリウム塩を含むことができ
る。
【0023】たとえば、2−クロロ−4−ニトロ安息香
酸ナトリウムのようなハロゲンおよび/またはニトロ基
で置換された芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩は核剤
として有用である。他の置換芳香族モノカルボン酸も有
効であることができる。例にはこれに限定されるもので
はないが次のものがある:2−,3−,または4−クロ
ロ安息香酸、2−または4−クロロ−3,5−ジニトロ
安息香酸、2−クロロ−6−フルオロ安息香酸、2−ク
ロロ−3−ニトロ安息香酸、2−クロロ−5−ニトロ安
息香酸、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸、4−クロロ
−2−ニトロ安息香酸、4−クロロ−3−ニトロ安息香
酸、5−クロロ−2−ニトロ安息香酸等のナトリウムお
よびカリウム塩。
【0024】さらに他の有用な核剤には、これに限定さ
れるものではないが以下のものがある:たとえば窒化硼
素等のような無機化合物;たとえば、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム等のような炭酸のアルカリ金属塩;た
とえば、タルク(Pfizer Inc.からMICR
OFLEX 1200という名称で市販)、マイカ等の
ような鉱物;たとえばIVORY SNOW(オハイオ
州 CincinnatiのProctor and
Gamble Company製で、牛脂脂肪酸ナトリ
ウム塩および椰子油脂肪酸ナトリウム塩を含むと思われ
る)等のような市販の石けん;Allied Sign
al Corp.製ACIyn 285Aおよび他のイ
オノマー樹脂のようなイオノマー樹脂(塩類が好まし
い)で、ASTMの方法 D 1236により測定し
て、たとえばメルトフローインデックスが2.5g/1
0分のSURLYN 8940、メルトフローインデッ
クスが1.0g/10分のSURLYN 8020、メ
ルトフローインデックスが1.0g/10分のSURL
YN 8528、およびメルトフローインデックスが
2.8g/10分のSURLYN 1605(E.I.
duPont de Nemours and Com
pany製)等のように約1.0から約2.8g/10
分のメルトフローインデックスを有するものが好まし
い。
【0025】本発明に用いられる他の効果的な核剤に
は、カルボン酸の金属塩、たとえばラウリン酸およびス
テアリン酸亜鉛、鉛、カルシウム、バリウムおよび第二
銅塩ならびに安息香酸カリウム;無機酸の金属塩、たと
えば硝酸銀および塩化第二錫;高極性有機化合物、たと
えばm−ヒドロキシ安息香酸、テトラクロロ無水フタル
酸、イノシトールおよびフタルイミド;オレフィンとア
クリル酸またはメタクリル酸とのコポリマー、および芳
香族オレフィンと無水マレイン酸とのコポリマー等のよ
うなカルボキシル側基を含有する有機ポリマーのナトリ
ウムおよびカリウム塩がある。
【0026】好ましい核剤はステアリン酸ナトリウム、
2−クロロ−4−ニトロ安息香酸ナトリウム、モンタン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、プロピオン酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、n−酪酸ナトリウム、カプ
リル酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、窒化硼
素、牛脂脂肪酸ナトリウム塩および椰子油脂肪酸ナトリ
ウム塩を含む混合物(たとえば、IVORY SNO
W)、タルク、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよ
びイオノマー樹脂塩類である。
【0027】本発明の組成物に用いられる核剤は前記化
合物を単独で、または種々の混合物として含むことがで
きる。本発明の組成物に用いられる核剤は組成物に対し
て、約0.1ないし3重量%、好ましくは約0.25な
いし2重量%、もっとも好ましくは約0.5ないし1.
5重量%の熱可塑性ペレット組成物であることができ
る。
【0028】
【他の成分】本発明の組成物は、また、耐衝撃性改良
剤、増量剤、加工助剤、顔料、安定剤、難燃剤、可塑剤
等のような任意の成分を通常の使用目的に包含させるこ
とができる。長繊維成分のほかに、組成物に補強を与え
るだけの量の強化充填剤、たとえば短繊維、フレークま
た粒子を本発明の組成物中に使用することができる。適
当な例には短繊維の炭素フィラメント、シリケート、ア
スベスト、二酸化チタン、チタンカリウム、チタナイト
ホイスカー、およびガラスフレークならびにガラス短繊
維がある。本発明の組成物中に短繊維または他の充填剤
を用いる場合には、組成物中に約3ないし30重量%、
好ましくは約3ないし10重量%含ませる。
【0029】本発明の組成物は、たとえば、ポリカプロ
ラクトン末端ブロックを有するスチレン−ブタジエン−
スチレンブロックコポリマー、ビスフェノールAポリカ
ーボネート、およびポリエーテルエステルのセグメント
を有するブロックコポリマーのような耐衝撃性改良剤を
含むことができる。耐衝撃性改良剤の量は通常、全配合
物の重量に対して約3ないし約15重量%の範囲にあ
る。ある特定の場合に得られる結果は、いうまでもな
く、選んだ耐衝撃性改良剤、それを組成混合物中に混和
させる方法、使用濃度のような種々の因子および生成混
合物の剛性を測定または判断するのに用いられる規準に
よって異なる。
【0030】熱酸化劣化に対する防護のために、通常
量、好ましくは約0.1ないし2重量%の安定剤を本発
明による組成物に添加することができる。適当な安定剤
の例はフェノールおよびフェノール誘導体、好ましくは
フェノール性水酸基に対して2つのオルト位に1−6個
の炭素原子を有するアルキル置換基を有する立体ヒンダ
ードフェノール(sterically hinder
ed phenols)、アミン類、好ましくは第二級
アリールアミン類およびその誘導体、フェスフェート類
およびホスフィット類、好ましくはそれらのアリール誘
導体ならびにキノン類である。非限定の例には4,4′
−ビス(2,6−ジ−第三級ブチルフェノール);1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−第三級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;
4,4′−ブチリデン−ビス(6−第三級ブチル−m−
クレゾール);3,5−ジ−第三級ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸ジエチルエステル;N,N′−
ビス(β−ナフチル)−p−フェニレンジアミン;N,
N′−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレン
ジアミン;フェニル−β−ナフチルアミン;4,4′−
ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン;
ヒドロキノン;p−べンゾキノン;トルヒドロキノン;
p−第三級ブチルピロカテコール;クロラニル;および
ナフトキノンがある。
【0031】本発明による組成物中に用いることができ
る難燃添加剤は当業者には周知の多数の化学化合物を含
んでいる。概して、難燃添加剤は、その難燃能力のため
に用いられる化学元素たとえば臭素、塩素、アンチモ
ン、リンおよび窒素を含有する。難燃添加剤は、場合に
より、三酸化アンチモン、硼酸亜鉛等のような相乗剤と
呼ばれることがある補助化合物とともに用いられるハロ
ゲン化有機化合物(臭素化または塩素化)が好ましい。
元素のリンまたはポリリン酸アンモニウムのようなリン
化合物も好ましい難燃剤である。他の例には臭素または
塩素含有有機ホスフェートエステル、ヘキサフェノキシ
ホスファセン等がある。
【0032】ミキサーで諸成分を混合し、さらに押出機
で混合物を混和することによって本発明の組成物を調製
することができる。好ましい熱可塑性ペレット組成物
は、約40ないし70重量%の熱可塑性性質を有するポ
リエチレンテレフタレート;約20ないし70重量%の
ペレット中に縦に一定方向に配列し、長さが少なくとも
約6mm、好ましくは約9.5ないし19mmの長繊維
成分;および約0.25ないし3重量%のポリエチレン
テレフタレートを結晶化させるための核剤を含む。
【0033】熱可塑性ペレット組成物の製造方法は、高
温(たとえば、約285ないし350℃)で一定の長さ
の繊維およびPETのような熱可塑性ポリエステル組成
物を接触させて均密混合物とし、さらに連続操作によっ
て混合物を引抜成形工程を含む。次に、熱可塑性組成物
を切断して、少なくとも約1/4インチ、好ましくは約
1/4ないし3/4インチの長さのペレットをつくる。
ペレットはさらに、約240°F未満の成形温度で成形
して熱可塑性物品とすることができる。射出成形の場合
には、本発明の組成物は良好な表面状態、すぐれた物理
的性質および結晶化度を有する物品を生成する。
【0034】表面状態とは成形物品の表面光沢ならびに
使用するガラス繊維または他の繊維改良剤の結果として
表れるなんらかの表面斑点の程度を示す用語である。し
まの程度は該成形物品を、PETまたはPBTのような
ポリアルキレンテレフタレートのみから成形した物品と
比較することによって決定される。良好な表面状態を有
する物品は良好な表面光沢を有し、使用する繊維改良剤
による表面斑点はほとんどないしは全くない。
【0035】本発明の組成物から射出成形した場合に、
良好な表面状態、すぐれた物理的性質および結晶化度を
有する射出成形物品の製造方法も、また提供される。本
発明の熱可塑性ペレット組成物を用いて物品を製造する
方法は約240°F未満、好ましくは約200ないし2
40°Fの成形温度、および約500ないし1500p
siの保持圧力、好ましくは約500ないし800ps
iの保持圧力で組成物を射出成形することを含む。
【0036】本発明は、また、本発明の熱可塑性組成物
から射出成形した物品も提供する。当業者には周知のよ
うに、射出成形法によって種々の物品を作ることができ
る。当業者は、厳密な混和および成形条件が使用設備
(たとえば、押出機のサイズ、スクリュー形状またはそ
れらの物理的または機械的性状)によって異なることが
あることを理解されよう。
【0037】以下の実施例は本発明をさらに説明するも
のであって、本発明の組成物の調製および最良の態様が
含まれている。
【0038】(実施例1−6)表Iに挙げた表示量(重
量%)の諸成分を混合し、さらに諸成分の混合物を押出
混和して、有核PETペレットを生成させることによっ
て実施例1−6を調製した。
【0039】
【表1】 上記実施例1−6の有核PET組成物は、PET樹脂お
よびガラス繊維を核剤、可塑剤等のような種々の添加剤
とともに押出混和するか、またはガラス長繊維とガラス
短繊維入り有核PETペレットとの物理的混合(実施例
5および6)によって調製した。実施例4は標準PET
組成物である。
【0040】実施例5の混成組成物では、Eガラス(O
CF 473)を含浸させる原料としてImpet 3
30有核ガラス短繊維入りPETを使用した。ガラス短
繊維入りPETを使用する理論的根拠は、混成引抜成形
混和物質の結晶化速度が、220°Fほどの低い成形温
度で該物質を成形できるほど急速であろうということで
ある。実施例5の組成物は、標準含浸ダイを有するRD
−1押出機で、ダイを通して引っ張った一本(a si
ngle end)のOCF 473ガラス繊維を用い
て処理した。Impet 330(30重量%押出混和
有核PET)が繊維を含浸させるのに用いられた。実施
例の混成物質は分析して繊維含量を調べた。繊維含量は
実施例5の混成組成物の50.4重量%と計算された。
【0041】次に、実施例5(引抜成形混和物)、標準
PET組成物(実施例4)、およびImpet 340
(押出混和45%ガラス短繊維入りPET)の物理的性
質の比較試験を行った。結果を次の表IIに示す。Imp
et 340および実施例5の組成物は、結晶性を有す
る物品が低い成形温度で得られるかどうか立証するため
に2つの異なる成形温度で成形した。
【0042】
【表2】 表IIで明らかなように、連続長のEガラスを、押出混和
ガラス短繊維入りPETで含浸させて調製した有核PE
Tを含有する実施例5の組成物は、実施例4の標準PE
T組成物と同等か、またはそれよりも優れる性質を有し
ている。さらに、220°Fほどの低い成形温度におけ
る結晶性は、実験室で成形した実施例5の混成物質の試
料の場合に認められた。
【0043】前記説明および実施例は本発明の例示的な
ものである。しかしながら、本発明の精神および範囲を
逸脱せずに本発明の多くの態様を行うことができるの
で、本発明は完全に後記添付のクレーム中にある。
フロントページの続き (72)発明者 クレイグ・ディー・ボーランド アメリカ合衆国ミネソタ州55987,ウィノ ナ,ウエスト・キング・ストリート 462

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化熱可塑性ペレット組成物であっ
    て、 (a) 熱可塑性性状を有する有効な量のポリアルキレ
    ンテレフタレート; (b) 前記ペレット中に縦に一定方向に配列し、かつ
    長さが少なくとも約6ミリメートルの有効な量の長繊維
    成分;および (c) 前記ポリアルキレンテレフタレートを液状また
    は半固体状態から結晶状態に結晶化させるのに有効な量
    の核剤を含み、約240°Fを下回る成形温度で、他の
    類似のペレットとともに成形して、高強度物品とするこ
    とができることを特徴とする上記ペレット組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリアルキレンテレフタレートがポ
    リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、またはそれらの混合物を含む請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】 約20ないし80重量%のポリエチレン
    テレフタレートを含む請求項2の組成物。
  4. 【請求項4】 約20ないし80重量%の前記長繊維成
    分を含む請求項1の組成物。
  5. 【請求項5】 前記長繊維成分がガラス繊維、鉱物繊
    維、高分子繊維、炭素繊維、またはそれらの混合物を含
    む請求項4の組成物。
  6. 【請求項6】 約0.1ないし3重量%の前記核剤を含
    む請求項1の組成物。
  7. 【請求項7】 前記核剤が脂肪族または芳香族モノカル
    ボン酸のアルカリ金属塩、イオノマー樹脂、タルク、炭
    酸塩、またはそれらの混合物である請求項6の組成物。
  8. 【請求項8】 前記核剤がイオノマー樹脂塩、タルク、
    重炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物である請求項
    6の組成物。
  9. 【請求項9】 さらに、約0.25ないし5重量%の可
    塑剤を含む請求項1の組成物。
  10. 【請求項10】 さらに、約3ないし30重量%の短繊
    維成分を含む請求項1の組成物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性ペレット組成物であって、 (a) 熱可塑性性状を有する約40ないし70重量%
    のポリエチレンテレフタレート; (b) 前記ペレット中に縦に一定方向に配列し、約
    9.5ないし19ミリメートルの長さを有する約20な
    いし70重量%の長繊維成分;および (c) 前記ポリエチレンテレフタレートを液状または
    半固体状態から結晶状態に結晶化させるための約0.2
    5ないし3重量%の核剤を含み、約240°Fを下回る
    成形温度で他の類似ペレットとともに成形して、高強度
    の物品とすることができることを特徴とする上記ペレッ
    ト組成物。
  12. 【請求項12】 前記長繊維成分がガラス繊維、鉱物繊
    維、高分子繊維、炭素繊維、またはそれらの混合物を含
    む請求項11の組成物。
  13. 【請求項13】 前記核剤が脂肪族または芳香族モノカ
    ルボン酸のアルカリ金属塩、イオノマー樹脂塩、タル
    ク、重炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物である請
    求項11の組成物。
  14. 【請求項14】 前記アルカリ金属塩がステアリン酸ナ
    トリウム、2−クロロ−4−ニトロ安息香酸ナトリウ
    ム、モンタン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、
    酢酸ナトリウム、n−酪酸ナトリウム、カプリル酸ナト
    リウム、またはミリスチン酸ナトリウムである請求項1
    3の組成物。
  15. 【請求項15】 さらに、約0.25ないし5重量%の
    可塑剤を含む請求項11の組成物。
  16. 【請求項16】 さらに、約3ないし30重量%の短繊
    維成分を含む請求項11の組成物。
  17. 【請求項17】 前記ポリエチレンテレフタレートが6
    0重量%フェノールおよび40重量%テトラクロロエタ
    ンより成る溶剤を用い、25℃で測定して約0.5ない
    し1.2の固有粘度を有する請求項11の組成物。
  18. 【請求項18】 熱可塑性ペレット組成物の製造方法に
    おいて、 (a) 一定長さの繊維および熱可塑性ポリエステル組
    成物を高温で接触させて、均密混合物とし、 (b) 該混合物を連続操作によって押出成形し、さら
    に (c) 押出した熱可塑性組成物を切断してペレットを
    つくり、該ペレットを約240°F未満の成形温度でと
    もに成形して、熱可塑性物品とする工程を含む方法。
  19. 【請求項19】 前記組成物が約40ないし70重量%
    のポリアルキレンテレフタレートを含む請求項18の方
    法。
  20. 【請求項20】 前記ポリアルキレンテレフタレート
    が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
    タレート、またはそれらの混合物を含む請求項19の方
    法。
  21. 【請求項21】 前記組成物が約20ないし70重量%
    の長繊維成分を含む請求項18の方法。
  22. 【請求項22】 前記長繊維成分がガラス繊維、鉱物繊
    維、高分子繊維、炭素繊維、またはそれらの混合物を含
    む請求項21の方法。
  23. 【請求項23】 前記組成物が、さらに、約0.25な
    いし3重量%の核剤を含む請求項18の方法。
  24. 【請求項24】 前記核剤が、脂肪族、または芳香族モ
    ノカルボン酸のアルカリ金属塩、イオノマー樹脂、タル
    ク、炭酸塩、またはそれらの混合物である請求項23の
    方法。
  25. 【請求項25】 前記組成物が、さらに、約3ないし3
    0重量%の短繊維成分を含む請求項18の方法。
  26. 【請求項26】 請求項1の熱可塑性組成物を射出成形
    して製造した物品。
  27. 【請求項27】 請求項11の熱可塑性組成物を射出成
    形して製造した物品。
  28. 【請求項28】 請求項1の熱可塑性ペレット組成物
    を、約240°Fを下回る成形温度、および約500な
    いし1,500psiの保持圧力で射出成形して、良好
    な表面状態、すぐれた物理的性質、および結晶化度を有
    する物品の製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項11の熱可塑性ペレット組成物
    を、約200ないし240℃の成形温度、および約50
    0ないし800psiの保持圧力で射出成形して、良好
    な表面状態、すぐれた物理的性質および結晶化度を有す
    る物品の製造方法。
JP29447992A 1991-10-31 1992-11-02 長繊維入り有核ポリアルキレンテレフタレート組成物 Pending JPH05214222A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018163601A1 (ja) * 2017-03-09 2018-09-13 株式会社Adeka 核剤及びこれを含有する樹脂組成物

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