JP5547423B2 - 低硫黄ガソリン基材の製造装置及び低硫黄ガソリン基材の製造方法 - Google Patents

低硫黄ガソリン基材の製造装置及び低硫黄ガソリン基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低硫黄ガソリン基材の製造装置及び低硫黄ガソリン基材の製造方法に関する。
ナフサの熱分解や重質軽油、減圧軽油、常圧残油等の重質油の流動接触分解などの技術開発の発展に伴って、主としてn−ブテン、イソブテン、n−ブタン、イソブタン等の炭素数が4の成分を含有するC4留分(以下、「C4留分」という)は容易に製造でき、市場でも入手できるような状況となっている。C4留分に含まれるジエン成分は水素化することによって除去することができるため、ジエン成分を除去したC4オレフィン成分を有効に使用する方法が検討されていた。
このような背景から、近年、ナフサを熱分解したり重質軽油、減圧軽油、常圧蒸留残油等の重質油を流動接触分解したりするなどして得られるC4オレフィン成分を重合して、ガソリン基材を製造する方法が各種提供されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。これらの特許文献1乃至特許文献3に開示されたガソリン基材の製造方法においては、重合により得られたC4オレフィン成分の二量体や三量体から未反応のC4成分等を分離した後、蒸留処理を施すことによって、ガソリン基材として有用な留分を回収している。
また、蒸留処理と水素化処理を併用して、ガソリン基材を製造する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
さらには、水素化処理後の留分中の軽質分を効率よく除去してガソリン基材を製造する方法も知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開昭54−133502号公報 特開昭56−40618号公報 特開昭57−96087号公報 特開平7−82573号公報 特開2006−241352号公報
近年、大気汚染対策としての排出ガス規制の強化に伴い、ガソリン中の硫黄濃度も、従来の50質量ppm以下という規制値から、10質量ppm以下という規制値にまで強化されている。
C4留分には硫黄成分としてメルカプタン類等も含まれているが、従来は、ジエン成分を水素化した後のC4留分からメルカプタン類等を抽出や吸着によって除去すれば、規制強化前の硫黄濃度規制値を満たすことができた。
しかし、ジエン成分とメルカプタン類との共存下でジエン成分を水素化すると、メルカプタン類の約50%がジエン成分と反応(重質化)してスルフィド類が生成される。このスルフィド類は、沸点の近いガソリン基材中に混入し易い。
そのため、近年強化された規制値の下ではメルカプタン類を除去するだけでは規制値を上回ってしまうおそれがあるため、スルフィド類も除去する必要がある。
スルフィド類を除去する方法としてX型ゼオライト等で吸着除去する方法があるが、再生操作によってX型ゼオライト等を繰り返し使用し続けると、吸着性能が低下し易くなる。したがって、スルフィド類がガソリン基材中に混入しないようにX型ゼオライト等を頻繁に交換して吸着性能を維持しなければならず、C4留分を重合して得られるガソリン基材の低硫黄濃度化を効率的に図ることが出来ないという問題がある。
本発明は、ナフサの熱分解や重質軽油、減圧軽油、常圧蒸留残油等の重質油の流動接触分解によって得られるC4留分を重合して得られるガソリン基材の低硫黄濃度化を効率的に図ることのできる低硫黄ガソリン基材の製造装置及び低硫黄ガソリン基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の低硫黄ガソリン基材の製造装置は、原油の常圧蒸留留分であるナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油留分、常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して得られるC4留分を原料として低硫黄濃度のガソリン基材を製造するための低硫黄ガソリン基材の製造装置であって、前記C4留分と吸着剤とを接触させて、前記C4留分中からメルカプタン類を吸着除去し、前記C4留分中の前記メルカプタン類の濃度を10質量ppm以下にするための硫黄成分除去装置と、この硫黄成分除去装置において前記メルカプタン類が吸着除去されたC4留分中からジエン成分の濃度0.1質量%よりも少なく水素化除去するためのジエン成分除去装置と、このジエン成分除去装置において前記ジエン成分が除去されたC4留分を重合させるための重合装置と、を有することを特徴とする。
また、本発明の低硫黄ガソリン基材の製造方法は、原油の常圧蒸留留分であるナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油留分、常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して得られるC4留分を原料として低硫黄濃度のガソリン基材を製造するための低硫黄ガソリン基材の製造方法であって、前記C4留分と吸着剤とを接触させて、前記C4留分中からメルカプタン類を吸着除去し、前記C4留分中の前記メルカプタン類濃度を10質量ppm以下にするための硫黄成分除去工程と、この硫黄成分除去工程において前記メルカプタン類が吸着除去されたC4留分中からジエン成分の濃度0.1質量%よりも少なく水素化除去するためのジエン成分除去工程と、このジエン成分除去工程において前記ジエン成分が除去されたC4留分を重合させるための重合工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油や常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して得られるC4留分を重合して得られるガソリン基材の低硫黄濃度化を効率的に図ることができる。
本発明に係る低硫黄ガソリン基材の製造装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[低硫黄ガソリン基材製造装置]
図1は、本発明に係る低硫黄ガソリン基材の製造装置の概略図である。
図1に示すように低硫黄ガソリン基材製造装置100は、原油の常圧蒸留留分であるナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油や常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して生産されるC4留分に含まれる硫黄成分を除去するための硫黄成分除去装置200と、硫黄成分除去装置200において硫黄成分が除去されたC4留分に含まれるジエン成分を除去するためのジエン成分除去装置300と、ジエン成分除去装置300において前記ジエン成分が除去されたC4留分を重合させるための重合装置400と、を備えて構成される。
〔硫黄成分除去装置〕
硫黄成分除去装置200は、原油を常圧蒸留して得られる留分であるナフサ留分を熱分解する図示しない熱分解装置や原油の常圧蒸留留分である重質軽油や常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分の接触分解を実施する図示しない流動接触分解装置に接続されている。熱分解や接触分解によって生産されるC4留分は、硫黄成分除去装置200へと供給される。なお、本実施形態においては、図1に示すように硫黄成分除去装置200が2つ並列接続されている。硫黄成分除去装置を2基並列に接続することにより、硫黄成分の除去能力が低下した方の装置を再生しながら切り替えて運転する方法を採用することが可能になる。したがって、低硫黄ガソリン基材製造装置を停止することなく連続して運転することができ、また硫黄成分除去装置を最小化することができる。
この硫黄成分除去装置200へと供給されるC4留分中には、主としてn−ブテン、イソブテン、n−ブタン、イソブタン、ブタジエン等の炭素数が4の炭化水素成分の他、硫黄成分としてメルカプタン類が含まれている。メルカプタン類は、メルカプト基(−SH)を有する硫黄化合物RSH(Rはアルキル基やアリール基など炭化水素基)であり、チオールまたはチオアルコールとも呼ばれる。C4留分中に含まれるメルカプタン類としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンなどが挙げられる。
硫黄成分除去装置200は、苛性ソーダ水溶液と触媒からなる液体とC4留分とを接触させてメルカプタン類を抽出する方法(Merox法やMericat法と呼ばれる。)、硫黄化合物の吸着機能を持った吸着剤とC4留分とを接触させて吸着除去する方法、その他の公知の方法を実施することができる。
これらの中では、Merox法における苛性ソーダ水溶液の廃液処理設備等の付帯設備を設置する必要がないなどの点からX型ゼオライト等をメルカプタン類の吸着除去剤として使用する吸着除去法が好ましい。
〔ジエン成分除去装置〕
ジエン成分除去装置300は、上流側で硫黄成分除去装置200に接続されている。硫黄成分除去装置200から送り出されたC4留分はジエン成分除去装置300へと供給される。前記したようにジエン成分除去装置300は、C4留分に含まれるブタジエン等のジエン成分を除去するための装置である。
ジエン成分除去装置300は、C4留分中からジエン成分を溶剤で抽出除去する抽出法、ジエン成分を水素化して除く水素化除去法(水添除去法という場合もある。)、その他の公知の方法を実施することができる。本実施形態では、水素化除去法が用いられる。
抽出法は、高濃度にジエン成分を含む原料からジエン成分を回収して、例えば合成ゴムの原料とするような場合には適しているが、流動接触分解装置から生産されるC4留分のようにジエン濃度が1質量%以下程度の低濃度のジエン原料から抽出回収する場合には抽出塔や溶剤回収設備等の設備費が高額となり経済的ではない。また、エネルギー的にもコスト高となる。そのため、水素化除去法が好適である。
本発明では水素化除去法が用いられるため、水素がC4留分とは別の経路からジエン成分除去装置300へと供給される。
水素化除去法は、通常パラジウム/アルミナを触媒として、処理条件として、反応温度を30℃以上150℃以下、圧力を0.1MPa以上3MPa以下、SV(Space Velocity:空間速度)を0.1hr−1以上10hr−1以下として、公知の固定床反応器等で行うようにすればよい。また、処理条件は、反応温度を50℃以上100℃以下、圧力を0.3MPa以上1.5MPa以下、SVを1hr−1以上5hr−1以下とすることが特に好ましい。
〔重合装置〕
重合装置400は、上流側でジエン成分除去装置300に接続されている。ジエン成分除去装置300から送り出されたC4留分は重合装置400へと供給される。
前記したように重合装置400は、C4留分を重合反応(二量化)させるための装置である。重合反応は、公知の方法を用いて実施することができる。例えば、触媒として、シリカアルミナ、ゼオライト、塩化アルミニウムなどを用い、重合条件として、反応温度を20℃以上180℃以下、圧力を1MPa以上10MPa以下、SVは0.01hr−1以上50hr−1以下として実施すればよい。また、処理条件は、反応温度を50℃以上150℃以下、反応圧力を2MPa以上6MPa以下、SVを0.1hr−1以上10hr−1以下とすることが特に好ましい。
重合装置400の下流側に分留装置(図示せず)が接続されている。この分留装置は重合装置400で重合反応させた重合反応生成物から、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材に含まれる成分の炭素数よりも少ない炭素数を有する留分(未反応留分)と、当該ガソリン基材に含まれる成分よりも炭素数が多い重合副生成物と、に分留する。すなわち、オクタン価の高いイソオクテン等を主成分とするガソリン基材を分留して回収することができる。
未反応留分は、例えばエチレン製造装置へと供給され、エチレン製造原料として利用される。また、重合副生成物は、例えば流動接触分解装置などに供給され、別途分解ガソリン基材や石油化学の原料として利用される。
[低硫黄ガソリン基材の製造方法]
まず、ナフサ留分の熱分解や重質軽油、常圧蒸留残油、あるいは減圧軽油の接触分解によって生産されるC4留分を硫黄成分除去装置200へ供給する。
〔硫黄成分除去工程〕
硫黄成分除去装置200は、硫黄成分としてのメルカプタン類をC4留分中から除去する。メルカプタン類を除去する方法としては、前記した吸着除去方法を用いる。
メルカプタン類を除去した後のC4留分をジエン成分除去装置300へ供給する。
硫黄成分除去処理後のC4留分中のメルカプタン類の濃度は、10質量ppmよりも少ないことが好ましい。硫黄成分除去工程において、C4留分中のメルカプタン類濃度が10質量ppmよりも少なくなっていれば、最終的にガソリン基材中に含まれる硫黄分濃度も10質量ppmより少なくなるからである。
また、当該メルカプタン類の濃度は、1質量ppmよりも少なければ、より好ましい。硫黄成分除去工程において、C4留分中のメルカプタン類濃度が1質量ppmよりも少なくなっていれば、ガソリン基材中に含まれる硫黄分濃度も1質量ppmより少なくなる。したがって、硫黄成分濃度がさらに低い高付加価値なガソリン基材を得ることができる。
なお、硫黄成分濃度は、JIS K2240の硫黄分試験方法(微量電量滴定式酸化法)で測定する。
〔ジエン成分除去工程〕
次に、ジエン成分除去装置300は、硫黄成分除去装置200から送り出されたC4留分中に含まれるジエン成分を除去する。除去する方法としては、前記した水素化除去方法を用いる。
ここで、水素化除去処理後のC4留分中のジエン成分の濃度は、0.1質量%よりも少ないことが好ましい。C4オレフィン成分の重合反応(二量化反応)の触媒毒となるジエン成分が少なく、効率よくガソリン基材を製造することができるからである。
なお、C4留分の組成分析は、JIS K2240の組成分析方法(ガスクロマトグラフ法)で分析する。
〔重合工程〕
次に、重合装置400は、ジエン成分除去装置300ら供給されたC4留分を重合反応(二量化)させる。重合反応は、前記した条件で行うことができる。
重合反応後、分留装置(図示せず)は、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、このガソリン基材に含まれる成分の炭素数よりも少ない炭素数を有する留分(未反応留分)と、当該ガソリン基材に含まれる成分よりも炭素数が多い重合副生成物と、に分留する。
〔実施形態の作用効果〕
上記した本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
ナフサ留分の熱分解や重質軽油、常圧蒸留残油、減圧軽油等の重質油の接触分解などによって生産されるC4留分中のジエン成分を除去する前に、当該C4留分中にジエン成分と共存している硫黄成分(メルカプタン類)を予め硫黄成分除去装置200にて除去するため、ジエン成分除去工程に供給される硫黄成分としてのメルカプタン類濃度は小さくなる。したがって、ジエン成分除去工程で生成されるスルフィド類濃度も小さくなり、重合反応後に得られるガソリン基材中へのスルフィド類の混入を抑えることができるとともに、スルフィド類の分離・除去工程を省くことができる。
よって、C4留分中のC4オレフィン成分を重合して得られるガソリン基材の低硫黄濃度化を効率的に図ることができる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。
例えば、ジエン成分除去装置300の下流側と重合装置400の上流側との間に、C4留分中の各成分を分留する分留装置(図示せず)が接続されていても良い。例えば、この分留装置にて分留されたイソブテンが重合装置400へ供給されれば、イソオクテンが効率よく製造される。イソブテン以外の留分は、エチレン製造原料等として利用され得る。
以下、実施例及び参考例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
減圧軽油を流動接触分解装置で分解して得られる分解生成物を蒸留分離し、その中に含まれるC4留分を硫黄成分除去装置へと供給した。供給したC4留分中の炭化水素成分濃度および硫黄成分濃度を表1に示す。
なお、C4留分中の炭化水素成分組成は前記したJIS K2240の組成分析方法(ガスクロマトグラフ法)によって分析し、硫黄成分濃度は前記したJIS K2240の硫黄分試験方法(微量電量滴定式酸化法)によって測定した(以下同様)。
Figure 0005547423
硫黄成分除去装置では、硫黄化合物の吸着能を有する吸着剤(X型ゼオライト)とC4留分とを接触させ、メルカプタン類を抽出及び除去し、硫黄分を低減させた。処理条件は、温度38℃、圧力1.5MPaGとした。
次に、硫黄成分除去処理を行った後のC4留分を、ジエン成分除去装置へと供給するとともに、別経路から水素をジエン成分除去装置へと供給した。
ジエン成分除去装置では、ジエン成分としてのブタジエンをn−ブテンへと水素化した。処理条件は、温度65℃、圧力1.2MPaGとした。なお、ジエン成分除去処理後のジエン成分濃度は、0.05質量%であった。
次に、ジエン成分除去処理を行った後のC4留分を、蒸留により各成分に分離し、主にイソブテンからなる留分を重合装置へと供給した。重合装置では、イソブテンを二量化してイソオクテンを生成した。重合反応条件は、温度90℃、圧力2.8MPaGとした。
その後、重合生成物を、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、未反応のC4留分と、ガソリン基材に含まれる成分よりも炭素数が多い重合副生成物と、に分留した。
硫黄成分濃度の推移についての結果を表2に示す。
Figure 0005547423
(比較例1)
減圧軽油を流動接触分解装置で分解して得られる分解生成物を蒸留分離し、その中に含まれるC4留分を、ジエン成分除去装置へと供給するとともに、水素もジエン成分除去装置へと供給した。供給したC4留分中の炭素数が4の炭化水素成分濃度および硫黄成分濃度を、前記した表1にまとめた。
ジエン成分除去処理は、実施例1と同様の条件で行った。なお、除去処理後のジエン成分濃度は、0.05質量%であった。
次に、ジエン成分除去処理を行った後のC4留分を硫黄成分除去装置へと供給した。
硫黄成分除去処理は、実施例1と同様の条件で行った。
次に、硫黄成分除去処理を行った後のC4留分を、蒸留により各成分に分離し、主にイソブテンからなる留分を重合装置へと供給した。重合装置では、イソブテンを二量化してイソオクテンを生成した。実施例1と同様の条件で行った。
その後、重合生成物を、イソオクテンを主成分とするガソリン基材と、未反応のC4留分と、ガソリン基材に含まれる成分よりも炭素数が多い重合副生成物と、に分留した。
硫黄成分濃度の推移についての結果を表3に示す。
Figure 0005547423
実施例1で得られたガソリン基材中の硫黄成分全体の濃度は1質量ppm以下であった。そのため、スルフィド類の除去工程を行うことなく、低硫黄ガソリン基材として使用することができた。
一方で、比較例1で得られたガソリン基材中の硫黄成分全体の濃度は13.2質量ppmであった。そのため、低硫黄ガソリン基材として使用するために、さらにスルフィド類の除去工程が必要となった。
本発明は、低硫黄ガソリン基材の製造方法及び製造装置として利用することができる。
100…低硫黄ガソリン基材製造装置
200…硫黄成分除去装置
300…ジエン成分除去装置
400…重合装置

Claims (2)

  1. 原油の常圧蒸留留分であるナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油留分、常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して得られるC4留分を原料として低硫黄濃度のガソリン基材を製造するための低硫黄ガソリン基材の製造装置であって、
    前記C4留分と吸着剤とを接触させて、前記C4留分中からメルカプタン類を吸着除去し、前記C4留分中の前記メルカプタン類の濃度を10質量ppm以下にするための硫黄成分除去装置と、
    この硫黄成分除去装置において前記メルカプタン類が吸着除去されたC4留分中からジエン成分の濃度0.1質量%よりも少なく水素化除去するためのジエン成分除去装置と、
    このジエン成分除去装置において前記ジエン成分が除去されたC4留分を重合させるための重合装置と、
    を有することを特徴とする低硫黄ガソリン基材の製造装置。
  2. 原油の常圧蒸留留分であるナフサ留分を熱分解又は原油の常圧蒸留留分である重質軽油留分、常圧蒸留残油、あるいは常圧蒸留残油をさらに減圧蒸留して得られる減圧軽油留分を接触分解して得られるC4留分を原料として低硫黄濃度のガソリン基材を製造するための低硫黄ガソリン基材の製造方法であって、
    前記C4留分と吸着剤とを接触させて、前記C4留分中からメルカプタン類を吸着除去し、前記C4留分中の前記メルカプタン類濃度を10質量ppm以下にするための硫黄成分除去工程と、
    この硫黄成分除去工程において前記メルカプタン類が吸着除去されたC4留分中からジエン成分の濃度0.1質量%よりも少なく水素化除去するためのジエン成分除去工程と、
    このジエン成分除去工程において前記ジエン成分が除去されたC4留分を重合させるための重合工程と、
    を有することを特徴とする低硫黄ガソリン基材の製造方法。
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