JP2015218312A - オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィンを含む炭化水素混合物から、オレフィンを重合することなく、高い除去能で硫黄化合物を除去しうるオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法を提供する。【解決手段】 本発明は、オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法であって、フォージャサイト型ゼオライト中のカチオンをAgイオンにイオン交換してなる脱硫剤と、オレフィンを含む炭化水素混合物とを接触させて、前記炭化水素混合物中の硫黄化合物を前記脱硫剤に吸着させることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、Agゼオライトを用いたオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法に関するものである。
プロピレンやブテン等を石油化学製品の原料として使用する場合、触媒の被毒を防ぐためには、硫黄分を低減させることが要求される。石油精製の中間工程において、プロピレンやブテン等は炭化水素混合物として得られるが、この炭化水素混合物には、その原料や製造工程により、種々の硫黄化合物が含まれるため、該工程により得られるプロピレンやブテン等を石油化学製品の原料として使用するためには、硫黄分濃度を低減する必要がある。
石油精製工程において、石油留分等の脱硫には、水添脱硫法や、活性炭等による吸着脱硫等が行われているが、水添脱硫法では、水素の供給や加熱が必要となるほか、石油留分である炭化水素混合物がオレフィンを含有する場合、オレフィンも水素化されてしまうという問題を有する。また、活性炭は硫黄化合物の吸着剤としては満足できる性能ではない。
一方、都市ガスやLPG(Liquefied Petroleum Gas)に含まれる硫黄化合物や、付臭剤として添加されたジメチルサルファイド(DMS)、t−ブチルメルカプタン(TBM)、メチルエチルサルファイド(MES)などを除去する吸着材として、ゼオライト等に、Ag等の金属を担持させた硫黄化合物除去用吸着剤(例えば、特許文献1〜3参照)や硫黄化合物吸着剤の寿命判定方法(例えば、特許文献4参照)が開示されている。特許文献1〜4に開示される脱硫剤は、常温において、都市ガスやLPG等のパラフィンから硫黄化合物を効率的に除去しうるものの、オレフィンを含む炭化水素混合物からの硫黄化合物の除去については何ら記載されていない。
また、所定の細孔径および比表面積を有するシリカゲルを含むガス着臭剤用の吸着剤(例えば、特許文献5参照)、銅−亜鉛系脱硫剤(例えば、特許文献6参照)、アルミナなどの多孔質担体に胴を担持した吸着剤により硫黄化合物を脱硫する方法(例えば、特許文献7参照)、重質油等をガス化して得られる高温還元性ガス中の脱硫剤として、酸化鉄、酸化亜鉛およびシリカを所定の割合で含むとともに、酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムを含む脱硫剤(例えば、特許文献8参照)、炭化水素用の脱硫剤であって、ニッケルと銅を所定の割合で担体上に担持した炭化水素用脱硫剤(例えば、特許文献9参照)が開示されている。上記の特許文献で開示される技術は、硫黄化合物の除去の性能が低いか、または、脱硫工程に加熱が必要とされるものであった。
特開2001−286753号公報 特開2002−66313号公報 特開2003−64386号公報 特開2001−305123号公報 特開2003−24776号公報 特開平2−302496号公報 特開2001−123188号公報 特開平11−519号公報 特開2004−75778号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オレフィンを含む炭化水素混合物から、オレフィンを重合することなく、高い除去能で硫黄化合物を除去しうるオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、フォージャサイト型ゼオライトにAgをイオン交換した脱硫剤が、オレフィンを含む炭化水素混合物から、オレフィンを重合することなく硫黄化合物を除去できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
すなわち、本発明は、オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法であって、フォージャサイト型ゼオライト中のカチオンをAgイオンにイオン交換してなる脱硫剤と、オレフィンを含む炭化水素混合物とを接触させて、前記炭化水素混合物中の硫黄化合物を前記脱硫剤に吸着させることを特徴とする。
本発明にかかるオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法は、フォージャサイト型ゼオライト通のカチオンをAgイオンにイオン交換してなる脱硫剤と、オレフィンを含む炭化水素混合物とを常温で接触させることにより、オレフィンの重合を抑制しつつ、炭化水素混合物中の硫黄化合物量を低減できるという効果を奏する。
本発明に係るオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法の好適な実施形態について、更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(脱硫剤)
本発明において使用する脱硫剤は、フォージャサイト型ゼオライトにAgイオンをイオン交換した脱硫剤である。フォージャサイト型ゼオライトとしては、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、USY型ゼオライトがあげられる。フォージャサイト型ゼオライトであれば、ナトリウム型、アンモニウム型、プロトン型など様々な形態のカチオンをAgイオンにイオン交換して調整することができる。これらのうちX型ゼオライトが好ましく使用される。
フォージャサイト型ゼオライトのSi/Al比は、モル比で1.0〜2.6であることが好ましく、1.0〜1.25であることが特に好ましい。
フォージャサイト型ゼオライト中のカチオンのAgイオンへのイオン交換は、銀が通常カチオンとして水に溶解した溶液を準備する。銀イオンを含む溶液としては、硝酸銀や過塩素酸銀などの水溶液、銀のアンミン錯イオン水溶液、などを挙げることができるが、硝酸銀水溶液が最も好ましく使用される。銀イオンを含む水溶液の濃度は銀の濃度として、通常0.0001〜1モル%、好ましくは0.001〜0.5モル%の範囲である。
イオン交換の方法には特に制限はないが、上記のカチオン性の銀を含む溶液に、フォージャサイト型ゼオライトを浸漬させ、0〜90℃、好ましくは20〜70℃の温度範囲において1時間ないし数時間程度、好ましくは撹拌しながらイオン交換処理する。このイオン交換処理は繰り返し行うことができる。次に必要であれば、200〜600℃、好ましくは250〜400℃で数時間程度焼成処理しても良い。このような方法により、目的の銀イオン交換フォージャサイト型ゼオライトを得ることができる。
フォージャサイト型ゼオライト中のAgイオン量は、5〜20質量%であることが好ましい。5質量%より小さい場合には、硫黄化合物の吸着性能が十分でない場合があり、20質量%より多い場合には銀の添加量に見合った性能が発揮されない場合がある。
(オレフィンを含む炭化水素混合物)
オレフィンを含む炭化水素混合物は、石油精製工程の中間工程で得られるものであり、炭素数が20以下の炭化水素の混合物である。炭素数が20以下であれば、直鎖状、分枝状を問うものではなく、環状アルカンや芳香族化合物であってもよい。
炭化水素混合物中に含まれるオレフィンは、炭素数が20以下で、分子内に少なくとも1以上の二重結合を有する脂肪族炭化水素であれば、直鎖状、分枝状を問うものではないが、分枝状のオレフィン、特に3級炭素を有するオレフィン、例えば、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、2,4,4−トリメチル−2−ペンテン等があげられる。
炭化水素混合物中のオレフィンの割合については特に制限はないが、3級炭素を有するオレフィンの割合は、50%以下が好ましく、10%以下がさらに好ましい。炭化水素混合物中のオレフィンは2種以上であっても構わない。
本発明において、オレフィンを含む炭化水素混合物は、n−ブタンおよび/またはイソブタンを含むとともに、オレフィンとしてn−ブテンおよび/またはイソブテンを含むものであってよく、オレフィンのうちイソブテンは重合しやすいため、極力含有量が少ないことが好ましい。
炭化水素混合物中に含まれる硫黄化合物としては、ジメチルジスルフィド、メチルエチルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、メチルブチルジスルフィド、エチルプロピルジスルフィド等のジスルフィド類、チオフェン、メチルチオフェン、ジメチルチオフェン、ベンゾチオフェン、メチルベンゾチオフェン、エチルベンジルチオフェン等のチオフェン類、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、オクタンチオール等のチオール類があげられる。
(硫黄化合物の除去方法)
本発明において、Agイオンを担持したフォージャサイト型ゼオライトからなる脱硫剤と、オレフィンを含む炭化水素混合物とを密閉容器内に仕込み、脱硫剤と炭化水素混合物とが接触した状態、すなわち、炭化水素混合物中に脱硫剤を浸漬させることにより、炭化水素混合物中に含まれる硫黄化合物を脱硫剤により吸着除去できる。
脱硫剤と炭化水素混合物との接触は、オレフィンを含む炭化水素混合物が液相の状態で行うことが好ましい。また、脱硫剤と炭化水素混合物との接触は、40℃以下の温度で行うことが好ましい。所定の温度において、オレフィンを含む炭化水素混合物の少なくとも一部が気相である場合、オレフィンを含む炭化水素混合物を液相として脱硫剤と接触させるために、加圧することが好ましい。
また、脱硫剤と炭化水素混合物との接触は、炭化水素混合物中に脱硫剤を浸漬させるほか、脱硫剤を充填した吸着カラム内に、炭化水素混合物を導入して接触させてもよい。
本発明において、脱硫剤と炭化水素混合物との接触によるオリゴマーの生成量は、0.1質量%以下であることが好ましい。オリゴマーの生成量が0.01質量%以下であることにより、炭化水素混合物中のオレフィンを有効に活用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。
〈脱硫剤の調製〉
ゼオライトとして、市販のNa−X型ゼオライト(東ソー社製、商品名:F9−HA、Si/Al比(モル比、以下同じ)=1.25)、市販のNa−Y型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ320NAD、Si/Al比=2.6)、H−USY型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ360HUD、Si/Al比=7.5)を用いた。また、特許第4830185号の実施例1に記載の方法で試作したNa−X型ゼオライト(Na−LSX、Si/Al=1.0)も用いた。
AgおよびCuのイオン交換は、硝酸銀または酢酸銅(II)1水和物を、蒸留水にそれぞれ溶解した金属塩の水溶液を調製し、調整した水溶液内に前記したゼオライトをそれぞれ浸漬して、ゼオライト中の各陽イオン(Na+、H+)をAgイオン、Cuイオンと交換させた。イオン交換の後、ゼオライトを蒸留水で洗浄し、次いで乾燥、焼成した。なお、イオン交換した金属量は、金属塩の濃度を変更した水溶液にゼオライトを浸漬することにより変更した。Ag量が10質量%のAg−X型ゼオライト(実施例1)、Ag量が20質量%のAg−X型ゼオライト(実施例2)、Ag量が5質量%のAg−X型ゼオライト(実施例3)、Ag量が10質量%のAg−LSX型ゼオライト(実施例4)、Ag量が15質量%のAg−Y型ゼオライト(実施例5)、Ag量が10質量%のAg−USY型ゼオライト(実施例6)、およびNa−X型ゼオライト(比較例1)、Cu量が7質量%のCu−X型ゼオライト(比較例2)、Cu量が5.8質量%のCu−Y型ゼオライト(比較例3)、Cu量が7質量%のCu−USY型ゼオライト(比較例4)を用いて、以下の評価を行った。
〈オリゴマー生成量〉
実施例1〜6、および比較例1〜4の脱硫剤を用いて、炭化水素混合物と脱硫剤とが接触する際のオリゴマー生成量を評価した。オートクレーブのSUS製反応容器(容量500ml)にマッフル炉で15L/min窒素気流下270℃、30時間乾燥した脱硫剤10gとアルドリッチ社製脱水ノルマルヘキサン(水分 10ppm以下)10gを投入した。窒素を容器に導入し空気と置換した後、オレフィンを含む炭化水素流体(主な成分、イソブテン 2.4wt%、1−ブテン 2.5wt%、2−ブテン 60wt%、ノルマルブタン 26.4wt%)を50g反応容器内に導入した。反応容器内の圧力を窒素で1MPaに加圧した後、40℃で、5.5時間加熱した。液を回収した後、GC分析を実施した。本オリゴマー試験は、実施例および比較例を含めてすべて同一装置、同一条件で実施した。オリゴマー生成量(原料に含まれるノルマルヘキサンよりもガスクロマトグラフのリテンションタイムで遅く検出される成分をオリゴマーと定義する。)は下記(1)の式により算出したものである。
オリゴマー生成量(mass%)=A/A×M/Mhc×100・・・(1)
:オリゴマーのGC面積
:脱水ノルマルヘキサンのGC面積
:脱水ノルマルヘキサンの導入質量(g)
hc:オレフィンを含む炭化水素混合物の導入質量(g)
(ガスクロマトグラフィー)
ガスクロマトグラフによる生成物の分析は、下記の条件により行った。
ガスクロマトグラフ分析装置:アジレント・テクノロジー社製 HP6850
カラム: アジレント・テクノロジー社製 19091P−K15E 長さ50m、内径0.32mm、膜厚8μm
検出器:水素炎イオン検出器(FID)、
インジェクション温度:200℃、
カラム温度:110℃、15min → 50℃/minで200℃まで昇温し、10min保持
ディテクター温度:250℃
〈硫黄吸着能力試験1〉
実施例1、2、4〜6、および比較例1〜4の脱硫剤を用いて、ジメチルジスルフィド(DMDS)の吸着性能を評価した。
15L/minの窒素気流下の270℃のマッフル炉で、30時間乾燥した所定量の吸着剤と、東京化成工業社製ジメチルジスルフィド(以下、DMDS)を900ppm添加したアルドリッチ社製脱水ノルマルヘキサン(水分 10ppm以下)300gを1Lの金属製容器に投入した後、室温(25℃)で72時間浸漬した。液を回収した後、高感度で極低硫黄濃度分析が可能な化学発光検出器(Sulfur chemiluminescence detector 以下SCDという)を備えたガスクロマトグラフ分析装置にて液の残存硫黄量を測定し、下記(2)の式で吸着剤へのDMDSの吸着量を算出した。
吸着量(μmol/g)=(C―C)×M/MW/M・・・(2)
:試験前のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:試験後のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:ノルマルヘキサンの質量(g)
MW:DMDS分子量
:吸着剤質量(g)
(SCDガスクロマトグラフィー)
SCDガスクロマトグラフによる硫黄分の分析は、下記の条件により行った。
ガスクロマトグラフ分析装置:アジレント・テクノロジー社製 HP7890A
カラム:アジレント・テクノロジー社製 J&W123−1065 長さ60m、内径0.32mm、膜厚5μm
検出器:化学発光検出器(SCD)
インジェクション温度:250℃
〈硫黄吸着能力試験2〉
実施例1、2、5、6、および比較例1、3、4の脱硫剤を用いてチオフェンの吸着性能を評価した。
試験条件は、硫黄化合物をジメチルジスルフィドから東京化成工業社製チオフェンとした以外は、硫黄吸着能力試験1と同じ条件で試験した。分析は、硫黄吸着能力試験1と同様に、SCDを備えたガスクロマトグラフ分析装置にて液の残存硫黄量を測定し、下記(3)の式で吸着剤へのチオフェンの吸着量を算出した。
吸着量(μmol/g)=(C―C)×M/MW/M・・・(3)
:試験前のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:試験後のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:ノルマルヘキサンの質量(g)
MW:チオフェン分子量
:吸着剤質量(g)
〈硫黄吸着能力試験3〉
実施例1、3、4および比較例1の脱硫剤を用いてオクタンチオールの吸着性能を評価した。
試験条件は、硫黄化合物をジメチルジスルフィドから和光純薬工業社製オクタンチオールとした以外は、硫黄吸着能力試験1と同じ条件で試験した。分析は、硫黄吸着能力試験1と同様に、SCDを備えたガスクロマトグラフ分析装置にて液の残存硫黄量を測定し、下記(4)の式で吸着剤へのオクタンチオールの吸着量を算出した。
吸着量(μmol/g)=(C―C)×M/MW/M・・・(4)
:試験前のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:試験後のノルマルヘキサン中の硫黄濃度(ppm)
:ノルマルヘキサンの質量(g)
MW:オクタンチオール分子量
:吸着剤質量(g)
Figure 2015218312
ゼオライト中のカチオンをCuイオンにイオン交換した比較例2〜4の脱硫剤は、硫黄吸着能力試験1のDMDS吸着量が、比較例1のNa−X型ゼオライトに比べ1.5〜3倍程度向上した。また、硫黄吸着能力試験2のチオフェン吸着量は、比較例3および4の脱硫剤は、比較例1のNa−X型ゼオライトに比べ1.5〜2.5倍程度に硫黄吸着能力が向上した。しかしながら、Cuイオンを担持した比較例2〜4の脱硫剤は、比較例1のNa−X型ゼオライトと比べると、オリゴマー生成量がケタ違いに多くなっていることがわかる。また、ゼオライトのSi/Al比が高くなるに従い、オリゴマー生成量が多くなっている。
一方、ゼオライト中のカチオンをAgイオンにイオン交換した実施例1、2、4〜6の脱硫剤は、硫黄吸着能力試験1のDMDS吸着量が、比較例1の市販Na−X型ゼオライトに比べ1.5〜3倍程度高くなっている。また、硫黄吸着能力試験2のチオフェン吸着量は、実施例1、2、5および6の脱硫剤は、比較例1のNa−X型ゼオライトに比べ1.3〜3.2倍程度に硫黄吸着能力が向上した。
さらに、実施例1および2の脱硫剤は、オリゴマーがほとんど生成されず、比較例1のNa−X型ゼオライトと同程度であった。実施例4〜6の脱硫剤は、実施例1および2、比較例1よりはオリゴマー生成量が大きかったが、比較例2〜4の脱硫剤に比べてはるかにオリゴマー生成量は小さかった。
以上のことから本発明のオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法によれば、オレフィンの重合を抑制しつつ、炭化水素混合物中の硫黄含有量を低下できるという効果を奏する。

Claims (7)

  1. オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法であって、
    フォージャサイト型ゼオライト中のカチオンをAgイオンにイオン交換してなる脱硫剤と、オレフィンを含む炭化水素混合物とを接触させて、前記炭化水素混合物中の硫黄化合物を前記脱硫剤に吸着させることを特徴とするオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  2. 前記フォージャサイト型ゼオライトのSi/Al比が1.0〜2.6であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  3. 前記フォージャサイト型ゼオライトのSi/Al比が1.0〜1.25であることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  4. 前記脱硫剤中のAgイオンの含有量が5〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  5. オレフィンを含む炭化水素化合物は、n−ブタンおよび/またはイソブタンを含むとともに、オレフィンとしてイソブテンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のオレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  6. 前記脱硫剤と前記炭化水素混合物との接触は、前記オレフィンを含む炭化水素混合物が液相の状態で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の前記オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
  7. 前記脱硫剤と前記炭化水素混合物との接触による脱硫は、40℃以下で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の前記オレフィンを含む炭化水素混合物の脱硫方法。
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