JP5049995B2 - 吸着剤の再生方法 - Google Patents

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本発明は、硫黄分を含む炭化水素油の脱硫に使用するゼオライトを含有する吸着剤の再生方法に関する。
石油精製の分野において炭化水素は、各種の燃料、溶剤、石油化学品の原料等に供されるため、環境への配慮の観点から硫黄分の低減が行われている。炭化水素油の脱硫方法は種々の方法が知られているが、長期の使用により、使用した触媒、吸着剤上に炭素分や硫黄分が堆積することによりその性能が低下、失活することも知られている。性能が低下、失活した触媒、吸着剤の再生方法も様々な方法が提案されている(特許文献1〜2)。
例えば特許文献1では、炭素分が約5〜30重量%及び硫黄分が約2〜10重量%堆積した触媒を酸素含有ガスを用いて1200°F(648.9℃)以下の温度で再生させる方法が提案されている。しかし、再生触媒の炭素分や硫黄分の除去レベルをみると、低いレベルでも炭素分が約0.3重量%、硫黄分が約0.5重量%残存しており、必ずしも満足できるものではなく、再生触媒の活性の回復も十分とは言い難い状況であった。また、脱硫と再生を繰り返すことにより、吸着剤に硫黄分が徐々に蓄積され、脱硫活性が徐々に低下していくという問題があった。
特許文献2では、重質油熱分解装置から得られた軽質炭化水素油中の脱硫用吸着剤を300〜600℃の熱処理をして再生し、脱硫と再生を繰り返し行う方法が提案されている。再生方法としては空気を用いたものであり、前述のように脱硫と再生を繰り返すことにより、吸着剤に硫黄分が徐々に蓄積され、脱硫活性が徐々に低下していくという問題があった。
特表平08−507468号公報 特開2006−335866号公報
本発明は、繰り返し使用することによる硫黄分の蓄積による活性の低下を回避するため、この脱硫活性の低下原因物質である残存硫黄化合物を効率良く除去し、脱硫活性を回復する吸着剤の再生方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、酸素を含まない気流下で加熱処理を施した後、酸素含有気流下で吸着剤の再生処理を行うことにより、吸着脱硫と再生を繰り返しても吸着剤に硫黄分の蓄積が見られず、初期の脱硫活性を維持できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
(1) 炭化水素油に含まれる硫黄分を除去するゼオライト吸着剤の再生方法であって、脱硫活性が低下した前記ゼオライト吸着剤を、実質的に酸素を含まない気流下に300〜800℃で加熱処理する第1工程、及び該第1工程のあとに酸素含有気流下に300〜800℃で加熱処理する第2工程を含むゼオライト吸着剤の再生方法。
(2) 第1工程の実質的に酸素を含まない気流における酸素含有量が0.01容量%以下又はゼロであり、また第2工程の酸素含有気流における酸素含有量が0.1%〜21%容量%である上記(1)に記載のゼオライト吸着剤の再生方法。
(3) 第1工程後の吸着剤に含まれる硫黄分が0.05重量%以下である上記(1)又は(2)に記載のゼオライト吸着剤の再生方法。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の吸着剤の再生方法により再生したゼオライト吸着剤を用いて、炭化水素油に含まれる硫黄分を除去する炭化水素油の脱硫方法。
本発明による再生方法によって、脱硫活性の低下原因である残存硫黄化合物を効率良く除去できるため、吸着剤の脱硫活性を回復させることができる。これにより、脱硫−再生のサイクルを繰り返し行なっても初期の脱硫活性の低下が見られないので、吸着剤を繰り返して再生し、長期間に渡って使用することができるという特別の効果を奏する。
本発明のゼオライト吸着剤の再生方法は、炭化水素油に含まれる硫黄分を除去するゼオライト吸着剤の再生方法であって、炭素分及び硫黄分等の不純物が堆積して脱硫活性が低下した吸着剤を、酸素含有量が0.01容量%以下の気流下、300〜800℃で加熱処理する第1工程と、その後、酸素含有気流下、300〜800℃で加熱処理する第2工程を有するゼオライト吸着剤の再生方法である。
本発明の再生方法が対象とするゼオライト吸着剤は、低分子量のジスルフィド類、メルカプタン類、スルフィド類、チオフェン類などに対し吸着能力を有する吸着剤であれば良い。このようなゼオライト吸着剤として、フォージャサイト型ゼオライトであるX型ゼオライト、Y型ゼオライトが挙げられる。フォージャサイト型ゼオライトの含有量が50重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは95重量%以上の吸着剤が好適である。ゼオライトの含有量が50重量%未満だと脱硫性能が低下するため好ましくない。ゼオライト以外の成分としてはゼオライトを結合させるために用いるバインダーが挙げられる。バインダーとしては、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、ボリア−アルミナなど、多孔質でかつ非晶質のものを好適に用いることができる。なかでも、ゼオライトを結合する力が強く、また比表面積が高いことから、アルミナ、シリカ−アルミナ及びボリア−アルミナが好ましい。これらは触媒の強度を向上させる役割がある。
また、X型又はY型ゼオライトはSi/Al(モル)比が0.6〜4.0のものが好ましく、より好ましくは1.2〜3.0である。さらにゼオライトに含まれるカチオンはナトリウムまたはプロトンが好ましい。
炭化水素油の脱硫は、公知の吸着操作で行なうことができる。例えば、固定層による吸着、移動層や流動層による吸着、擬似移動層による吸着など通常は連続処理の方式で行われるが、炭化水素油中に吸着剤を投入して撹拌する等のバッチ方式で行なうこともできる。炭化水素油量、吸着剤量、炭化水素油の通油速度、吸着剤との接触時間、温度などの吸着条件は適宜設定できる。通常、吸着温度は60℃以下、特に吸着剤の吸着容量が大きくできることから、より低温で処理することが好ましい。経済的な理由から、過度の低温は避けるべきであり、常温付近がより好ましい。また、吸着剤と炭化水素油の接触は、液層で行なうことが好ましいが、気相状態にて接触させても構わない。
また、前記ゼオライト吸着剤は、ジスルフィドを含む炭化水素油の脱硫に効果があるため、有機硫黄化合物としてジスルフィド類を好ましくは10%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上含む炭化水素油の処理に好適である。さらに、前記炭化水素油のオレフィン分は、好ましくは80%以下、より好ましくは50%未満であるものの処理にも効果的である。オレフィンを含む炭化水素油としては、熱分解油及び接触分解油が好ましい。
使用したゼオライト吸着剤上には、炭素分、硫黄分等が堆積して、脱硫性能が低下する。本発明の再生方法の対象となる吸着剤は、この脱硫性能が低下した吸着剤(以下、スペント吸着剤と呼ぶ)であって、炭素分が0.1重量%以上、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは6〜9重量%、及び、硫黄分が0.1重量%以上、好ましくは0.5〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%堆積したものである。
本発明の再生方法の第1工程は、炭素分及び硫黄分等が堆積して脱硫性能が低下したスペント吸着剤を、実質的に酸素を含まない気流下に300〜800℃で加熱処理する。実質的に酸素を含まない気流中の酸素含有量は0.01容量%以下が好ましく、より好ましくは0.005容量%以下、特に好ましくは1容量ppm以下の気流下で加熱処理を行う。酸素以外の成分としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが99.99容量%以上であることが好ましく、中でも窒素を好適に用いることができる。酸素含有量が0.01容量%以下で行うのは、この酸素不存在下における熱処理によって吸着剤に堆積した硫黄分の大半を除去することができ、さらに続く第2工程で堆積した硫黄分を徹底的に除去するために行うものである。
また、ゼオライトは、水分により結晶構造が破壊されやすいことから、気流中に水分は含まないことが望ましい。
第1工程の処理温度は300〜800℃である。この範囲を外れると硫黄分が十分に除去されなくなるため好ましくない。また、処理温度は吸着剤の種類に依存し、X型ゼオライトの場合は300〜600℃が好ましく、より好ましくは400〜500℃であり、Y型ゼオライトの場合は500〜800℃が好ましく、より好ましくは600〜700℃である。吸着剤の温度は、燃焼のような発熱反応は起こらないので、気流の温度を所定の温度に調整することによってコントロールすることができる。
第1工程及び後述する第2工程は、吸着剤槽(脱硫器)中に吸着剤を収容したままオンサイトで行なっても良いし、吸着剤槽(脱硫器)から吸着剤を取り出してオフサイトで行なってもどちらでも構わない。オンサイトで第1工程の加熱処理を行う場合、ガス空間速度(GHSV)は100〜2000h-1が好ましく、より好ましくは600〜1200h-1である。オフサイトで行う場合、管状炉やマッフル炉を用い、脱硫活性が低下したスペント吸着剤を連続的に移動させながらガス流量を0.5〜10L/分、より好ましくは3〜6L/分で加熱処理するのが好ましい。オフサイトの場合でも、オンサイトの場合と同様に容器に充填したまま、酸素含有量が0.01容量%以下の不活性ガスを吸着剤層を通して加熱処理してもかまわない。また、通常は常圧下で行なわれるが、加圧下または減圧下で行なこともできる。
加熱処理時間は、特に制限はない。加熱処理温度がより低温でかつ短時間であるほど熱履歴を抑制し、繰り返しのサイクル寿命を長くすることができ、より経済的である。
第1工程において、スペント吸着剤上の硫黄分の80%以上を除去することが好ましく、吸着剤の硫黄分含有量としては0.05重量%以下にすることが好ましい。第1工程で硫黄分の除去が不十分であると、第2工程の加熱処理を施しても硫黄分が残存してしまい、再生した吸着剤の脱硫性能が十分に回復しない。
本発明の再生方法において、第1工程の加熱処理に加えて、酸素含有気流下に300〜800℃で加熱処理する第2工程を行うことが好ましい。この第2工程で炭素分は酸素と接触して燃焼する。このため、酸素含有ガスは、炭素分の燃焼による過度の温度上昇を避けるために、第1工程の後に酸素(あるいは空気)を徐々に導入して、酸素濃度を徐々に増加させることが好ましい。第2工程の最終の酸素濃度は高濃度であっても構わないが、経済性の面から30容量%以下、好ましくは0.1〜21容量%である。21容量%までであれば空気が使えるのでより経済的である。
酸素以外の成分としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが好ましい。また、上記の理由で、水分は含まないことが望ましく、特に含酸素ガスとして空気を使用する場合、乾燥空気や脱水処理を施した空気を用いることが好ましい。
第2工程の処理温度は300〜800℃である。この範囲を外れると炭素分が十分に除去されなくなるため好ましくない。また、処理温度は吸着剤の種類に依存し、X型ゼオライトの場合は300〜600℃が好ましく、より好ましくは400〜500℃であり、Y型ゼオライトの場合は500〜800℃が好ましく、より好ましくは600〜700℃である。特に吸着剤の層(ベッド)に酸素含有気流を通過させて再生する場合、酸素濃度を増加している段階で炭素分が燃焼して吸着剤の温度上昇する。このような場合には、気流の温度、気流の流量、酸素濃度などを適宜調節して吸着剤の温度を制御する。酸素濃度を高くしても吸着剤の温度が導入する気流温度よりも高くならなくなったら、燃焼するもの(炭素、硫黄)が除去されたことを意味する。炭素分、さらには硫黄分が完全に除去されたか、否かは、好ましくは10容量%以上、より好ましくは20容量%以上の酸素濃度を保持して1〜2時間加熱処理しても、吸着剤の温度が上昇しないこと、あるいは排出気流中にCO2やSO2が認められないことを確認することによって判断できる。
第2工程終了後の再生された吸着剤は、炭素分が0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%、また、硫黄分は0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、特には0.02重量%以下にまで低下され、脱硫性能を回復する。
このようにして再生された吸着剤は、再び炭化水素油の脱硫に使用することができ、フレッシュな吸着剤と遜色のない脱硫活性を示す。脱硫を続けると炭素分及び硫黄分等の不純物が堆積して脱硫活性が低下するので、また、上記第1工程、第2工程の本発明の再生を行う。この一連の操作を繰り返して、実施例にも示したように5回再生後の吸着剤であっても、フレッシュな吸着剤と同等の脱硫活性を回復することができた。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
炭化水素油として、重質油熱分解装置由来のジスルフィド類を含有する軽質炭化水素油を模したモデル油を次の通り調製した。
炭化水素成分としてはn−デカン(和光純薬工業製試薬特級、純度99%)を54重量%、1−ヘキセン(東京化成工業製試薬1級、純度95%)を45重量%、1,3−ペンタジエン(東京化成工業製試薬、cis-+trans-=約40%)を1重量%混合した。次いで、この混合油にジメチルジスルフィド(DMDS)(和光純薬工業製試薬1級、純度99%)を硫黄分として1000重量ppm、n−ブチルメルカプタン(n−BuSH)(東京化成工業製試薬1級)を硫黄分として100重量ppm、ジメチルスルフィド(DMS)(純正化学製試薬特級、純度98%)を硫黄分として10重量ppm、プロピオニトリル(CH3CH2CN)(東京化成工業製試薬特級)を窒素分として5重量ppmとなるように混合し、モデル油を調整した。
スペント吸着剤の調製
フォージャサイト型ゼオライトであるナトリウム型のNaX(東ソー株式会社製、F-9球状)及びNaY(東ソー株式会社製、TSZ−320NAA粉体)、
またプロトン型のHUSY(東ソー株式会社製、HSZ−330HUD1C柱状)及び

HY(東ソー株式会社製、HSZ−330HSA粉体)の4種類の吸着剤それぞれ10
0gを、モデル油600gずつに25℃で3日間浸漬してモデル油の脱硫を行った。その後、それぞれの吸着剤をモデル油から濾過分離した。分離した吸着剤を30℃にて24時間乾燥して、NaX、HUSY、HY及びNaYの4種類のスペント吸着剤を調製した。
それぞれのフレッシュな吸着剤及びスペント吸着剤の炭素分と硫黄分を定量し、その結果を表1に示す。また、それぞれのフレッシュな吸着剤で、上記のように浸漬脱硫し、濾過回収したモデル油中の硫黄分の測定結果等も併せて表1に示す。
Figure 0005049995
本発明の再生方法を評価するために、上記のようにして得られた4種類のスペント吸着剤を用いて、以下のとおり実施例及び比較例の試験を実施した。
(比較例1)
第1工程のみの再生を行った。すなわち、NaXスペント吸着剤7gを磁性ボート上に載せ、環状炉を用いて4L/分の窒素気流中(窒素純度:99.99容量%、酸素含有量:0.005容量%以下、水分0.005容量%以下)で、室温から400℃まで5℃/分で昇温し、その後400℃にて3時間加熱処理を行った。第1工程後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量し、その結果を表2に示す。また、第1工程のみの再生後の吸着剤を用い、上記フレッシュな吸着剤の場合と全く同じ浸漬による脱硫性能の評価試験を行った。すなわち、再生後の吸着剤1.0gをモデル油10.0g中に25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。その結果も併せて表2に示す。
Figure 0005049995
(実施例1)
比較例1と同様にしてスペント吸着剤を第1工程の加熱処理を行った後、引き続き、第2工程として、窒素気流中に乾燥空気(酸素濃度21容量%、水分0.2容量%以下)を導入し、徐々に空気導入量の割合を増加して1時間をかけて酸素濃度を21%とし、酸素濃度が21%になった後、2時間400℃で加熱処理をした。
再生(第1工程と第2工程の加熱処理)後に得られた吸着剤の炭素分と硫黄分を実施例1と同様に定量し、さらに再生後の吸着剤1.0gをモデル油10.0g中に25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1で再生を行った吸着剤3gをモデル油30gに25℃で3日間浸漬させて劣化した吸着剤を実施例1と同様の第1工程、第2工程を行い2回目の再生を行なった。さらに、この浸漬劣化と再生を繰り返し実施例2の再生を含めて、5回の再生を行った。5回の再生後に得られた吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、5回の再生後の吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例2)
NaXスペント吸着剤7gを、4L/分の乾燥空気気流(酸素濃度21容量%、水分0.2容量%以下)中で、室温から400℃まで5℃/分で昇温し、その後400℃にて3時間加熱処理を行った。降温後吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例2の再生を行った吸着剤3gをモデル油30gに、25℃で3日間浸漬し脱硫試験を行った。比較例2と同様にして、この吸着剤を分離し、2回目の酸素含有気流下に加熱処理を行なった。さらに、この加熱処理と浸漬による脱硫試験を繰り返して、5回目の加熱処理後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この5回目の加熱処理後の吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例4)
NaXスペント吸着剤3gを、実施例1の工程順序を入れ替えて、すなわち、最初に乾燥空気(酸素含有気流)による加熱処理を行い、その後窒素気流による加熱処理を行った。この実施例1とは逆の工程の加熱処理後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例3)
HUSYスペント吸着剤を、室温から600℃まで5℃/分で昇温し、第1工程と第2工程のキープ温度をともに600℃とした以外は、実施例1と同様の方法で再生を行った。再生後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例5)
HUSYスペント吸着剤を、加熱処理温度を600℃とした以外は、比較例2と同様の方法で加熱処理を行なった。加熱処理後の吸着剤の窒素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例4)
HYスペント吸着剤を、実施例3と同様の方法で再生を行った。再生後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例6)
HYスペント吸着剤を、比較例5と同様の加熱処理を行なった。加熱後の吸着剤の窒素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(実施例5)
NaYスペント吸着剤を、実施例3と同様の方法で再生を行った。再生後の吸着剤の炭素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
(比較例7)
NaYスペント吸着剤を、比較例5と同様の加熱処理を行なった。加熱処理後の吸着剤の窒素分と硫黄分を定量した。また、この吸着剤1.0gをモデル油10.0gに25℃で3日間浸漬して脱硫し、脱硫後のモデル油の硫黄分を測定した。これらの結果を表2に示す。
上記の評価試験において、吸着剤に含まれる窒素分と硫黄分、モデル油に含まれる硫黄分は次のようにして測定した。
(1)吸着剤中の炭素分
1%以上は環状炉燃焼赤外線吸収法、1%以下は高周波燃焼赤外線吸収法にて測定。
(2)吸着剤中の硫黄分
1%以上は環状炉燃焼赤外線吸収法、1%以下は高周波燃焼赤外線吸収法にて測定。
(3)モデル油中の硫黄分
紫外蛍光法により測定。
また、回復率は、フレッシュな吸着剤の脱硫率を100%とした値に換算して脱硫回復率である。
表2の結果から、スペント吸着剤を第1工程の酸素を含まない気流下のみでの加熱処理では、コーキングにより脱硫活性の回復率が75%と著しく低下した。また、従来技術の酸素含有気流下のみの過熱再生処理では、活性回復率は98%止まりとなり、5回繰返すと92%まで低下した。一方、酸素を含まない気流下で加熱処理を施した後、酸素含有気流下で吸着剤の再生処理を行うことにより、脱硫活性の低下原因物質である残存硫黄化合物を効率良く除去することができ、活性回復率もフレッシュ品と同じ100%となった。同じく、5回繰返しても活性回復率は100%となった。
本発明により、脱硫剤の加熱再生を繰返し行なっても脱硫活性低下の回避が可能となった。産業上の利用においては、吸着剤コストおよび再生コストの低減を勧めた上でランニングコストを抑制し、適用箇所において経済性メリットがでるようであれば十分可能である。

Claims (3)

  1. 炭化水素油に含まれる硫黄分を除去するゼオライト吸着剤の再生方法であって、
    脱硫活性が低下した前記ゼオライト吸着剤を、酸素含有量が0.01容量%以下又はゼロである気流下に300〜800℃で加熱処理する第1工程、及び
    該第1工程のあとに気流下に300〜800℃で加熱処理する第2工程
    を含むゼオライト吸着剤の再生方法。
  2. 第1工程後の吸着剤に含まれる硫黄分が0.05重量%以下である請求項1に記載のゼオライト吸着剤の再生方法
  3. 請求項1又は2に記載の吸着剤の再生方法により再生したゼオライト吸着剤を用いて、炭化水素油に含まれる硫黄分を除去する炭化水素油の脱硫方法
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