以下、この発明による遺言管理装置、遺言管理システムおよび遺言管理方法の実施形態を、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明による遺言管理システムの実施形態の全体構成の概略を説明するための図である。この実施形態の遺言管理システムは、遺言登録サーバ1と、本人装置2と、相続人装置3と、参照者装置4とが、インターネットなどのネットワーク5を通じて接続されている。
遺言登録サーバ1は、遺言登録サイトに設置されているもので、大容量メモリを備えるコンピュータで構成されている。遺言登録サーバ1は、この発明による遺言管理装置の実施形態を構成する。
本人装置2は、遺言者2Aがネットワーク5を通じて遺言登録サーバ1にアクセスして、後述するような種々の情報を登録または更新するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。
相続人装置3は、相続人3Aがネットワーク5を通じて遺言登録サーバ1にアクセスして、遺言者2Aにより登録または更新された情報を遺言者の死後に閲覧参照するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。また、参照者装置4は、遺言内容を知りたい者である参照者4Aがネットワーク5を通じて遺言登録サーバ1にアクセスして、遺言者2Aにより登録または更新された情報を遺言者の生前に参照するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータで構成されている。
この実施形態では、遺言登録サーバ1にアクセスする際に使用するID(Identification)およびパスワードは、遺言者2A、相続人3Aおよび参照者4Aに対して、それぞれ独立に、遺言者2Aによって設定される。一般的には、遺言者2A、相続人3Aおよび参照者4Aに対して、それぞれ異なるIDおよびパスワードが設定される。しかし、同じIDおよびパスワードを遺言者2Aと、相続人3Aと、参照者4Aとで使用するように、遺言者2Aが設定するのを妨げるものではない。
相続人3Aおよび参照者4Aは、遺言登録サーバ1にアクセスしたときには、遺言者2Aにより登録または更新された情報を参照することができるだけで、情報を追加したり、変更したりすることはできない構成とされている。以上のようにすることにより、遺言登録サーバ1に登録されている情報に対するセキュリティを高めることができる。
なお、本人装置2、相続人装置3、参照者装置4は、図1では別々の装置として示したが、同一の装置であっても良い。例えば、相続人3Aと参照者4Aとは同一人である場合もあるが、その場合には、相続人装置3と参照者装置4とは、同一の装置である可能性が高い。
<遺言者による遺言および遺言に関連する情報の登録>
この実施形態では、図1に模式的に示すように、遺言者2Aは、書面として遺言書(遺言証書)6を作成し、当該作成した遺言書6を管理者7に渡して、秘密保持して管理してもらうように依頼する。遺言者2Aは、管理者7としては、自分の伴侶や親族または弁護士など、信頼の置ける者を選定するようにする。
そして、この実施形態では、遺言書6には、必要最低限の遺言内容のみを記載して、遺産相続される具体的内容には、遺言明細目録として遺言登録サイトの遺言登録サーバ1に登録するようにする。これにより、遺言者2Aが遺言の具体的内容を変更したい状況になっても、できるだけ遺言書6自体は変更せずに、明細目録のみを変更することで済ますことができる。
遺言書6の具体例を図2に示す。この図2の例の遺言書6は、遺言者「鈴木太郎」が、相続財産として所有する預貯金と、不動産と、ゴルフ会員権とを、息子「鈴木源太」を相続人として認めたものである。図2に示されるように、この遺言書6には、相続財産である預貯金と、不動産と、ゴルフ会員権とを、それぞれ息子「鈴木源太」に遺贈する旨が記載されているが、それら預貯金、不動産およびゴルフ会員権の具体的内容については記述されていない。その代わりに、この遺言書6には、それら預貯金、不動産およびゴルフ会員権の具体的内容については、遺言登録サイトの遺言登録サーバ1に預託されており、当該遺言登録サイトにアクセスしてその内容を参照すべしとの一文が記述されている。
さらに、この遺言書6には、遺言者「鈴木太郎」の死亡診断書、死亡届または埋葬証明書の写しを遺言登録サイトに送ることにより、当該遺言登録サイトにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を得るようにすることが記述されている。また、さらに、当該URLを用いて遺言登録サイトにアクセスする際には、当該遺言書6の管理者に遺言者から予め伝えられている相続人用のIDおよびパスワードを取得するように要求する記述も、当該遺言書6には含まれている。
そして、遺言者「鈴木太郎」は、管理者7に、相続人用のIDおよびパスワードを記述した書面を渡すなどして、相続人用のIDおよびパスワードを伝えておくようにするものである。
以上のような遺言書を作成する遺言者2Aは、遺言明細目録を含む情報を遺言登録サーバ1に登録するために、遺言登録サイトに会員登録する。そして、遺言者2Aは、遺言者本人が遺言登録サーバ1にアクセスする際に必要な遺言者本人用のIDおよびパスワードの設定をする。
遺言者2Aは、本人装置2を用いて遺言登録サーバ1に対してアクセスし、設定した遺言者本人用のIDおよびパスワードにより遺言登録サーバ1との間での認証確認をとることにより、遺言登録サーバ1との通信路を確立し、図1に示すような遺言および遺言に関連する種々の情報を登録して保持することができる。
この実施形態では、遺言者2Aは、遺言登録サーバ1に対して、遺言および遺言に関連する情報として複数個の登録可能項目を登録することが可能である。この例では、遺言者2Aは、遺言者登録情報と、遺言明細目録の情報と、遺言書等複製の情報と、死後代行登録情報と、ネット資産情報とを、登録可能項目として保持要求することができる。
この実施形態では、これら複数の登録可能項目のうち、遺言者登録情報と遺言明細目録の情報とは、必須登録項目とされ、その他は、遺言者が登録するかどうかを任意に選択することができるものとされている。
この実施形態では、遺言登録サイトに会員登録した遺言者のそれぞれには、各遺言者を区別して識別するための遺言者識別子が付与される。そして、後述するように、遺言者2Aのそれぞれによって遺言登録サーバ1に登録された遺言者登録情報と、遺言明細目録の情報と、遺言書等複製の情報と、死後代行登録情報と、ネット資産情報とは、それぞれの遺言者識別子に対応付けられて管理される。
遺言者登録情報としては、この例では、遺言者本人を特定するための情報と、遺言登録サーバ1にアクセスするためのIDおよびパスワードと、登録項目の情報とが、遺言者識別子に対応付けられて、遺言登録サーバ1の格納部に格納保持される。
この実施形態における遺言者登録情報の一例を図3に示す。この図3において、遺言者氏名、性別、生年月日、住所等は、遺言者識別子で識別される遺言者を特定するための情報として登録される。また、遺言者本人用のID(本人用IDという)およびパスワード、相続人用IDおよびパスワード、参照者用IDおよびパスワードが、遺言者2Aにより設定されて遺言者登録情報の一部として登録される。
さらに、この遺言者登録情報の登録項目の情報は、登録するか否かを任意に選択可能な登録可能項目のそれぞれについて、当該遺言登録サーバ1に遺言者2Aが実際に登録しているかどうかを示す情報である。この登録項目の情報は、当該遺言登録サーバ1自身が、前記登録可能項目について遺言者2Aによって登録されたか否かを判断して記録する。図3において、○印が付与されている登録項目は遺言登録サーバ1に登録されていることを示しており、また、×印が付与されている登録項目は遺言登録サーバ1に登録されていないことを示している。
遺言者登録情報は、遺言者2Aが本人装置2からネットワーク5を通じて遺言登録サーバ1にアクセスして登録するようにしても良いし、会員登録の際に電子メールや書面(FAXを含む)により遺言登録サイトの運営会社に送付するようにしても良い。後者の場合には、遺言登録情報は、遺言登録サイトの運営会社のオペレータにより入力されることにより、遺言登録サーバ1に遺言登録情報が登録保持される。
遺言登録サーバ1に遺言者登録情報のうち、少なくとも遺言者を特定するための情報と本人用IDおよびパスワードの登録を完了した遺言者2Aは、本人装置2から遺言登録サーバ1にアクセスして、遺言明細目録、遺言書等複製、死後代行登録、ネット資産の情報を登録して保持要求することができる。また、遺言者2Aは、これら遺言登録サーバ1に登録した情報内容を追加、変更して更新したいときにも、遺言登録サーバ1にアクセスして、それらの情報を更新要求することができる。この遺言者2Aによる遺言明細目録などの登録または更新の際には、遺言者2Aは、登録した本人用IDおよびパスワードを用いて遺言登録サーバ1にアクセスする。
遺言登録サーバ1は、遺言者2Aからのアクセスを受けたときに、前記本人用IDおよびパスワードと、遺言者登録情報に登録されている各遺言者の本人用IDおよびパスワードとを比較参照する。そして、遺言登録サーバ1は、アクセスしてきた遺言者の本人装置2から送られてきたIDおよびパスワードが、遺言者登録情報に登録されている本人用IDおよびパスワードのいずれかと一致したときに、認証が取れたとして認証確認する。認証確認ができると遺言登録サーバ1は、本人装置2との間に通信路を確立する。遺言登録サーバ1は、また、一致した本人用IDおよびパスワードに対応する遺言者識別子を遺言者登録情報から特定して、アクセスしてきた遺言者の遺言者識別子として認識する。
こうして本人装置2と、遺言登録サーバ1との間に通信路が確立された後、遺言者2Aは、遺言明細目録などの登録可能項目の情報を登録あるいは更新の処理を行うことができる。登録あるいは更新された登録可能項目の情報を受けると遺言登録サーバ1は、登録あるいは更新された登録可能項目の情報を、認識した遺言者識別子に対応付けて格納するようにする。
遺言登録サーバ1に格納される登録可能項目である遺言明細目録、遺言書等複製、死後代行登録、ネット資産の情報を、その具体例を用いてさらに説明する。
遺言明細目録の情報の例を、図4に示す。この図4の例においては、認証確認作業により認識された遺言者識別子と遺言者氏名に対応して、遺言者2Aにより登録された預貯金、不動産、ゴルフ会員権についての詳細内容が、遺言登録サーバ1に遺言明細目録情報として記憶保持されている。なお、図4では、図示を省略したが、遺言明細目録のそれぞれに対しては、それが何時、登録または更新されたかを示すための日時情報が対応付けられて併せて登録される。この日時情報の登録は、遺言登録サーバ1側で自動的になされる。
登録されている遺言明細目録情報に、情報を追加したり削除したりする更新要求が発生した場合には、その都度、遺言者2Aは、遺言登録サーバ1にアクセスして、遺言明細目録情報を更新するようにする。遺言登録サーバ1は、この遺言明細目録情報の更新要求を受け付けると、格納している遺言明細目録情報を更新し、その更新日時情報を記録するようにする。
なお、図4にも示したように、遺言者2Aは、登録した遺言明細目録情報のそれぞれについては、参照者4Aによる参照を許可するか否かの参照可否情報を登録することができる。遺言登録サーバ1は、この参照可否情報に基づいて、遺言明細目録情報のうちから参照可とされているもののみを参照者4Aに呈示するようにする。
次に、遺言者2Aは、遺言書、遺言明細目録に記載されている不動産の登記書、ゴルフ会員証などをスキャンした実イメージデータを、遺言書等複製の情報として、遺言登録サーバ1に登録することができる。この遺言書等複製の情報を遺言登録サーバ1に登録する方法としては、いつかの方法がある。
その第1の方法は、遺言者2Aが、遺言書、不動産の登記書、ゴルフ会員証などを自分でスキャンしてイメージデータを生成する。そして、遺言者2Aは、遺言登録サーバ1に、本人用IDおよびパスワードを用いてアクセスして通信路を確立し、そのイメージデータを遺言登録サーバ1に当該通信路を通じて送信して登録する方法である。
第2の方法は、遺言者2Aは、遺言書、不動産の登記書、ゴルフ会員証などの複製(コピー)を作成し、その複製物を、遺言登録サーバ1を運営する遺言登録サイトの管理業者に郵送やファクシミリ送信する方法である。また、遺言者2Aが自分でスキャンして生成した前記遺言書、不動産の登記書、ゴルフ会員証などのイメージデータを、メールに添付して遺言登録サーバ1に対して送信するようにしても良い。
遺言登録サーバ1は、遺言者2Aから前記遺言書、不動産の登記書、ゴルフ会員証などのイメージデータを受け取ったときには、そのイメージデータを暗号化するなど、改竄不可能な形態に変換した後、格納部に、遺言者2Aの遺言者識別子に対応付けて保存するようにする。また、遺言登録サーバ1は、遺言者2Aから前記遺言書、不動産の登記書、ゴルフ会員証などの複製物を取得したときには、その複製物をスキャンしてイメージデータに変換した後、そのイメージデータを暗号化するなど、改竄不可能な形態に変換した後、格納部に、遺言者2Aの遺言者識別子に対応付けて保存するようにする。
なお、遺言者2Aは、この登録した遺言書等複製の情報のそれぞれについても、参照者4Aによる参照を許可するか否かの参照可否情報を登録することができる。遺言登録サーバ1は、この参照可否情報に基づいて、遺言書等複製の情報のうちから参照可とされているもののみを参照者4Aに呈示するようにする。
次に、遺言登録サーバ1に格納される死後代行登録情報の例を図5に示す。この死後代行登録情報は、遺言者2Aが、自分の死後に遺族などにやってもらいたいこと、および自分の死後に遺族などに通知したいことなどからなる。そして、この実施形態では、遺言者2Aが自分の死後にやってもらいたいことは、遺族に代わって、遺言登録サーバ1を管理する遺言登録サイトに代行依頼することができるようにしている。
死後代行登録に当たっては、遺言者2Aは、図6に示すように、遺言登録サーバ1に、本人装置2を通じて、本人用IDおよびパスワードを用いたアクセスをする。遺言登録サーバ1は、遺言者2Aからのアクセスについて、前述したように、本人用IDおよびパスワードを用いて認証確認作業を行い、認証確認できたときには通信路を確立すると共に、遺言者識別子および遺言者氏名を、遺言者登録情報から認識する。
そして、遺言登録サーバ1は、遺言者2Aにより登録要求されて送られてきた死後代行登録情報を、図5の例に示すように、認証確認作業により認識した遺言者識別子と遺言者氏名に対応付けて記憶保持する。
図5の例では、登録情報毎に、遺族に通知するだけか遺言登録サイトに代行依頼するのかの代行種別を、遺言者2Aが登録可能とされている。また、登録情報毎に、遺言者の生存中に遺言者以外の者に参照させるのを許可するか否かを、参照可否の情報として、遺言者2Aが登録可能とされている。
図5の例においては、葬儀に関する情報、遺言者2Aが死亡したことの連絡先情報、各種保険証書番号および各証書の所在情報、預貯金口座番号および通帳所在情報、伝言メッセージが、死後代行登録情報として登録されて保持されている。そして、それら登録された情報のうち、葬儀に関する情報と、預貯金口座番号および通帳所在情報とは、遺族に通知のみが要求されている。
また、遺言者2Aが死亡したことの連絡先情報に関しては、遺族に通知すると共に、登録された連絡先に対しての死亡通知の送付を遺言登録サイトに代行依頼しているものとなっている。また、各種保険証書番号および各証書の所在情報に関しても、遺族に通知すると共に、保険会社への保険加入者の死亡通知を遺言登録サイトに代行依頼しているものとなっている。
さらに、伝言メッセージは、遺族や、生前に親交のあった知人に伝えたいメッセージを、その伝えたい相手の情報と共に登録しておくものである。図5の例では、この伝言メッセージは、遺族には通知せずに、伝言メッセージの登録相手への送付を遺言者2Aが代行依頼しているものとなっている。なお、伝言メッセージの内容は、メッセージデータを直接に登録するようにしてもよいが、図5の例は、当該伝言メッセージが格納されたファイル名とその保存先の情報が登録されている。その場合には、遺言登録サーバ1は、伝言メッセージをその保存先から読み出して、遺族や友人など、指定された相手に通知する。伝言メッセージのデータは、テキスト文字列のデータであっても良いし、音声メッセージのデータであってもよい。また、静止画像や動画を伴うものであっても良い。
さらに、図5の例では、登録情報のうち、各種保険証書番号および各証書の所在情報、預貯金口座番号および通帳所在情報、伝言メッセージは、遺言者2Aの生存中は、参照者4Aにより参照ができないものと指定されている。
なお、死後代行登録情報としては、上述の例のほか、
・遺言書の所在または受け取り方の情報、
・不動産登記書などの情報、
・加入サービス情報(死亡により停止したり、名義変更が必要となったりするもの)
・慈善事業などへ定期的に寄付していたりすれば、その情報
・廃棄処分して欲しいものの情報
・形見分け情報
・骨董品など自分だけが価値の分かるものの情報
・家宝として残してもらいたいもの情報
・知人に貸し出ししているもの、借りているもの、借金、貸し金情報
・ヘソクリの隠し場所情報
・年賀状を受け取っていた、送っていた先の情報
・信頼できる親族とそうでない人の情報
・常連だった店とキープボトルの情報
などを登録することができる。
また、上述の登録情報は、伝言メッセージに限らず、テキスト文字情報のみではなく、画像や音声、動画の登録も可能とする。
この実施形態では、このように死後代行登録情報を遺言登録サーバ1に登録しておくことにより、葬儀などについて、故人の意志を容易に反映されることができる。また、故人の遺品の整理などについても、故人の意志に応じた処分ができ、遺族が判断を迷うことを回避できる。
次に、遺言登録サーバ1に格納されるネット資産の情報の例を図7に示す。ここで、ネット資産とは、インターネットなどのネットワーク上のサイトに蓄積された家族の写真、動画、住所録データなどにアクセスするためのIDやパスワード、また、サイトのサービスを受けるあるいはサービスを提供するためのIDやパスワードである。また、シェアウエアなどもネット資産に該当する。
この実施形態では、ネット資産を登録することができるようにすることで、ネット銀行、ストレージ、ネット保険、カードポイント参照、各種利用明細参照、ネット通販ポイント、ネットゲームポイントなど、IDやパスワードが相続されなければ、ネット上のガベッジとなってしまうのを防止するようにしている。
ネット資産の登録に当たっては、遺言者2Aは、図8に示すように、遺言登録サーバ1に、本人装置2を通じて、本人用IDおよびパスワードを用いたアクセスをする。遺言登録サーバ1は、遺言者2Aからのアクセスについて、前述したように、本人用IDおよびパスワードを用いて認証確認作業を行い、認証確認できたときには通信路を確立すると共に、遺言者識別子および遺言者氏名を、遺言者登録情報から認識する。
そして、遺言登録サーバ1は、遺言者2Aにより登録要求されて送られてきたネット資産の登録情報を、図7の例に示すように、認証確認作業により認識した遺言者識別子と遺言者氏名に対応付けて記憶保持する。
図7の例では、ネット資産の情報は、そのサービス名またはサービスサイト名、URL、IDおよびパスワード、また、その資産内容が何であるかが登録されている。また、図7の例においては、それぞれのネット資産が相続可能であるか否かの相続可否の情報と、相続可能である場合には、その相続人の情報が登録可能とされている。
ネット資産が相続可能であるか否かの相続可否の情報は、遺言登録サーバ1が、登録要求されたネット資産が相続可能であるか否かを、当該ネット資産運用会社規約などから判断して判定し、その判定結果を登録するものである。このため、この実施形態では、遺言登録サーバ1は、図8に示すように、ネットワーク5上に存在しているネット資産が相続可能であるか否かの情報を格納しているネット資産相続可否データベース11を備えている。
すなわち、この実施形態の遺言登録サーバ1は、予め、ネットワーク5を通じて、ネット資産の運用に関わるネット資産運用会社8にアクセスして、そのネット資産が相続可能であるか否かを判定する。そして、遺言登録サーバ1は、その相続可否の判定結果を、それぞれのネット資産のサービス名やサービスサイト名と対応して、ネット資産相続可否データベース11に格納しておく。遺言登録サーバ1は、ネット資産相続可否データを、ネットワーク5を通じて適宜更新することで、ネット資産相続可否データベース11には、常に最新のネット資産についてのデータベースを構築しておくようにしている。
そして、遺言登録サーバ1は、図8に示すように、遺言者2Aから本人装置2を通じてネット資産の登録要求があると、ネット資産相続可否データベース11を参照することにより、そのネット資産が相続可能であるか否かを判断する。そして、遺言登録サーバ1は、その判断結果の相続可否を遺言者2Aに本人装置2を通じて通知する。
遺言登録サーバ1は、登録要求を受けたネット資産の相続が可能であると判断したときには、図7に示すように、相続可否の情報として、相続「可」を格納すると共に、当該ネット資産の相続可能通知と共に、相続人登録が可能であることを本人装置2を通じて遺言者2Aに知らせる。遺言者2Aが、この相続人登録を行うと、遺言登録サーバ1は、受け付けた相続人登録情報をネット資産登録情報の一つとして遺言者識別子に対応付けて格納する。
このネット資産の相続人登録情報には、相続人の氏名、遺言者2Aに対する続き柄などのほか、相続人の住所やメールアドレスなどの連絡先が含まれる。この連絡先情報は、後述するように、遺言者の死後に、指定された相続人が当該ネット資産を相続するか否かを問い合わせる際に用いられる。なお、ネット資産の相続人登録は必須ではなく、遺族が相続するか否かを遺言登録サーバからの問い合わせに応じて決めることもできる。
また、遺言登録サーバ1において、登録要求を受けたネット資産の相続が不可であると判断したときには、本人装置2を通じて遺言者2Aに対して、遺言登録サーバ1が自動退会手続を代行することに同意するかどうかを問い合わせる。遺言者2Aが、自動退会手続代行に同意する旨を、本人装置2を通じて回答したときには、遺言登録サーバ1は、当該登録要求されたネット資産の登録情報を、相続可否については不可として、遺言者識別子に対応して格納する。
また、遺言者2Aが自動退会手続に同意しない旨を、本人装置2を通じて回答したときには、遺言登録サーバ1は、当該登録要求されたネット資産の登録情報は、受け付けられない旨を遺言者2Aに、本人装置2を通じて通知し、当該ネット資産の登録を拒否するようにする。
この実施形態では、このようにネット資産を遺言登録サーバ1に登録しておくことにより、クラウドに置かれた家族の写真や住所録などのデータを遺族が相続することができる。また、遺族が知らないサイト利用料の自動引き落としが行われている際に、利用停止が可能となる。また、ネット上の各種ポイントを遺族が継続して利用もしくは換金することができる。さらに、故人の意志を継いでハンドル名を相続して、情報発信を継続することも可能となる。
<遺言者の死後における遺言登録項目へのアクセス>
遺言者2Aが死亡した場合、図2に示したような遺言書6が相続人3Aに管理者7から渡される。相続人3Aは、遺言書6の内容に基づき、遺言登録サーバ1を運営管理する運営会社に対して、遺言者2Aの死亡を証明する書面である死亡届、死亡診断書、埋葬証明書のうちのいずれかの写しを、例えば郵送で送る。
この遺言者2Aの死亡を証明する書面を受けた遺言登録サーバ1の運営会社のオペレータは、当該書面をイメージスキャナでスキャンして、イメージデータに変換して、遺言登録サーバ1に入力するようにする。すると、遺言登録サーバ1は、イメージデータから遺言者2Aを特定するための情報、すなわち、氏名、生年月日、住所などを画像認識して抽出し、遺言者登録情報に登録されている各遺言者のそれらの情報と比較対照する。そして、遺言登録サーバ1は、その比較対照により、死亡を証明する書面により死亡が証明される遺言者を、遺言者登録情報の中から判定する。そして、その死亡が証明された遺言者の遺言者登録情報に、死亡を登録する。
さらに、遺言登録サーバ1は、死亡と判定した遺言者の遺言者識別子に対応付けられて登録されている登録可能項目に対して相続人がアクセスするためのURLを判定し、その判定したURLを書面にプリントアウトする。そして、遺言登録サーバ1の運営会社の担当者は、この遺言者の登録可能項目に対して相続人がアクセスするためのURLの情報を、相続人3Aに対して、例えば郵送により通知する。
こうして、相続人3Aは、遺言者2Aが遺言登録サーバ1に登録した残した遺言および遺言に関連する情報に対してアクセスするためのURLを取得することができる。
以上は、遺言者の死亡を証明する書面を遺言登録サーバ1側に、郵送により送ると共に、死亡した遺言者が残した遺言および遺言に関連する情報に対してアクセスするためのURLを、郵送により受信するようにした場合である。しかし、遺言登録サーバ1側の電子メールアドレスが分かっている場合には、相続人3Aは、遺言者2Aの死亡を証明する書面をスキャナでスキャンして、イメージデータに変換し、その変換したイメージデータを、電子メールに添付して遺言登録サーバ1の運営会社に送ることもできる。そして、その場合には、遺言登録サーバ1側も、上述のようにして、判定して得たURLを、当該電子メールの返信として、相続人に通知することができる。
以上のようにして、遺言者2Aが遺言登録サーバ1に登録して残した遺言および遺言に関連する情報に対してアクセスするためのURLを取得した相続人3Aは、遺言者2Aによって設定された相続人用のIDおよびパスワードを、管理者7から取得し、その取得したIDおよびパスワードを用いて遺言登録サーバ1にアクセスする。
遺言登録サーバ1は、この相続人3Aからのアクセスを受けると、その相続人用IDおよびパスワードと、遺言者登録情報に予め登録されている相続人用IDおよびパスワードとの照合により認証を行う。そして、遺言者登録情報の中に、一致する相続人用IDおよびパスワードがあると判別したときには、遺言登録サーバ1は、当該一致した相続人用IDおよびパスワードに対応する遺言者識別子を判定する。
そして、遺言登録サーバ1は、判定した遺言者識別子に対応して登録されている遺言者登録情報を参照し、死亡が登録されているか否か判別する。死亡が登録されていなければ、当該相続人のアクセスは不正アクセスであるので、遺言登録サーバ1は、相続人装置3からのアクセスを拒絶する。また、死亡が登録されていれば、当該相続人のアクセスは正当なアクセスであるので、遺言登録サーバ1は、当該相続人に、遺言者により登録された情報を呈示するようにする。
この場合に、死後代行登録情報について、遺言者2Aにより「代行種別」として「通知および代行」が登録されている場合には、図6に示すように、遺言登録サーバ1の運営会社の側で、遺言者2Aにより指定された代行手続を実行する。そこで、遺言登録サーバ1は、遺言者2Aにより「代行種別」として「通知および代行」が登録されている情報については、相続人3Aには、登録されている死後代行登録情報を呈示すると共に、代行手続が実行されるか否かの代行手続情報を呈示する。また、遺言登録サーバ1は、代行手続が既に済んでいるときには、代行手続済を、相続人3Aに呈示するようにしても良い。
また、遺言登録サーバ1の運営会社は、遺言者2Aの死亡を判定すると、相続不可とされているネット資産については、図8に示すように、自動退会手続を実行する。そして、遺言登録サーバ1は、相続不可とされているネット資産については、自動退会手続を実行する、あるいは実行した旨の通知を伴って、相続人3Aに呈示する。
また、相続可能であって相続人が登録されているネット資産については、遺言登録サーバ1のオペレータは、当該登録されている相続人に対して、登録されているネット資産を相続するか否かの問い合わせをする。そして、相続を受けるという回答が得られたときには、遺言登録サーバ1は、代行手続を要求するか否かを問い合わせる。そして、代行手続を要求するとの回答が得られたときには、遺言登録サーバ1のオペレータは、当該ネット資産についてのIDおよびパスワードを、相続人に移転する手続を代行する。また、相続を受けないという回答が得られたときには、遺言登録サーバ1は、代行手続を要求するか否かを問い合わせる。そして、代行手続を要求するとの回答が得られたときには、遺言登録サーバ1のオペレータは、自動退会手続を代行するようにする。
また、相続可能であって相続人が登録されているネット資産については、遺言登録サーバ1のオペレータは、遺言者2Aの死亡を証明する書面を送ってきた相続人3Aに、登録されているネット資産が相続可能であることを通知する。そして、相続人が定められた場合には、遺言登録サーバ1側で、そのネット資産の相続手続の代行が可能であると共に、相続人が定められずに放棄される場合には、遺言登録サーバ1側で、自動退会手続を代行することが可能である旨を伝えるようにする。そして、その後は、遺言登録サーバ1側は、相続人の依頼通りの手続を行う。
<遺言者の生存中の参照者の参照のアクセス>
この実施形態では、遺言者2Aが設定登録した参照者用IDおよびパスワードを伴って遺言登録サーバ1にアクセスした参照者のみが、遺言者2Aが登録した遺言および遺言に関連する情報を参照することができる。したがって、遺言者2Aから直接的に参照者用IDおよびパスワードを知らされた者、また、遺言者2Aの依頼を受けて参照者用IDおよびパスワードを知らされた者のみが、参照者4Aとして、遺言登録サーバ1にアクセスして、登録情報を参照することができる。
ただし、この実施形態では、前述したように、遺言明細目録や死後代行登録情報などに参照不可とされている登録情報については、アクセスを認証された参照者4Aであっても参照することができない。
なお、遺言者2Aの生存中は、参照ができるものも含めて、遺言者2A以外の者による遺言明細目録や死後代行登録情報などへのアクセスがあったら、遺言者2Aに、参照があった旨のメールが届くように構成することで、勝手に身内が登録情報にアクセスしないようにすることができる。
また、例えば、参照者用IDおよびパスワードを遺言者2Aから通知された参照者4Aが遺言登録サーバ1にアクセスしたとき、当該遺言者2Aの親族などでなければ知らない事項を、秘密の質問にして参照者にリマインドし、当該質問に正答した者のみに参照を許可することにより、セキュリティのレベルを高めることもできる。
また、遺言者登録情報、遺言明細目録、遺言書等複製情報、死後代行登録情報、ネット資産などの登録可能項目毎に、セキュリティレベルを設定するようにすることもできる。すなわち、セキュリティレベルが高い遺言明細目録や遺言書等複製情報については、予め、遺言者がパスワードを定めて、それを登録情報に含めておくようにする。そして、遺言者は、セキュリティの高い登録可能項目についても参照を許可する参照者に対しては、その登録してあるパスワードをも、伝えるようにする。
これにより、参照者による参照要求に対して、登録可能項目毎に、セキュリティレベルを設定しておくことできる。なお、登録可能項目毎に限らず、一つの登録可能項目内の登録データについても、同様にして、セキュリティレベルを設定しておき、よりセキュリティレベルが高い登録データについては、予め定めたパスワードにより参照許可するように構成することもできる。
<遺言登録サーバ1のハードウエア構成例>
図9は、この実施形態における遺言登録サーバ1のハードウエア構成例を示すブロック図である。この例では、遺言登録サーバ1は、パソコンにより構成されており、システムバス100に対してCPU(Central Processing Unit)101と、プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)102と、ワークエリアとして働くRAM(Random Access Memory)103とが接続されている。
また、この例では、システムバス100には、遺言者登録情報格納部104、遺言明細目録格納部105、死後代行登録情報格納部106、ネット資産格納部107、が接続されている。さらに、システムバス100には、通信インターフェース108、受信信号処理部109、送信信号生成部110、認証処理部111、画像認識部112、スキャナ113、プリンタ114、が接続されている。さらに、また、システムバス100には、前述したネット資産相続可否データベース11が接続されている。
CPU101は、この遺言登録サーバ1の全体の動作を制御するものである。ROM102には、この遺言登録サーバ1における各種制御処理を実行するためのプログラムが記憶されている。CPU101は、RAM103をワークエリア用のメモリとして用いて、このROM102のプログラムにしたがった制御処理を実行する。
遺言者登録情報格納部104は、遺言者2Aのそれぞれにより登録される、前述の図2に例示した遺言者登録情報を記憶保持するメモリ部である。
遺言明細目録格納部105は、遺言者2Aのそれぞれにより登録される、前述の図4に例示した遺言明細目録情報を記憶保持するメモリ部である。この例では、この遺言明細目録情報格納部105には、遺言書や登記書などの複製データも記憶保持される。
死後代行登録情報格納部106は、遺言者2Aのそれぞれにより登録される、前述の図5に例示した死後代行登録情報を記憶保持するメモリ部である。
また、ネット資産格納部107は、遺言者2Aのそれぞれにより登録される、前述の図7に例示した死後代行登録情報を記憶保持するメモリ部である。
通信インターフェース108は、ネットワーク5と接続して、遺言登録サーバ1と、本人装置2、相続人装置3、参照者装置4との間で通信を行うためのものである。通信インターフェース108は、本人装置2や相続人装置3や参照者装置4から送られてくる受信信号は、受信信号処理部109に送る。また、通信インターフェース108は、後述するように送信信号生成部110で生成された情報信号を、通信相手に送信する。
受信信号処理部109は、通信インターフェース108から受けた受信信号を解析し、遺言者2A、相続人3A、または、参照者4Aのいずれからの受信信号であるかを判定すると共に、IDやパスワードなどの認証用の情報は認証処理部111に送る。また、受信信号処理部109は、通信インターフェース108から受けた受信信号が、遺言者登録情報、遺言明細目録、死後代行登録情報、ネット資産の登録情報であるときには、それの情報をそれぞれ対応する格納部104,105,106,107に送って、CPU101の制御に従って記憶保持させるようにする。
また、受信信号処理部109は、通信インターフェース108から受けた受信信号が、遺言明細目録、遺言書等複製情報、死後代行登録情報、ネット資産の登録情報に対する相続人または参照者の参照要求であるときには、システムバス100に、その参照要求を出力する。CPU101は、この参照要求に基づいて、遺言明細目録、遺言書等複製情報、死後代行登録情報、ネット資産の登録情報のうち、参照可能な情報を読み出して、参照要求側に提供するようにする。
認証処理部111は、受信信号処理部109から受けたアクセス時のIDおよびパスワードと、遺言者2A、相続人3A、または、参照者4Aについて遺言者登録情報格納部104に登録されて格納されているIDおよびパスワードとを比較参照して、認証確認処理を行う。そして、認証処理部111は、認証確認結果を、通信インターフェース108を通じてアクセス者に対して通知するようにする。
送信信号生成部110は、当該遺言登録サーバ1に対するアクセス者に送信する情報を、CPU101の制御にしたがって生成し、通信インターフェース108を通じてアクセス者に送信するようにする。
画像認識部112は、スキャナ113で取り込まれた死亡届などの遺言者の死亡を証明する書面のイメージデータを画像認識し、当該書面から遺言者の氏名、住所、生年月日を抽出する。そして、画像認識部112は、遺言者登録情報格納部104に登録されている各遺言者の氏名、住所、生年月日と、画像認識により抽出した氏名、住所、生年月日とを比較参照する。そして、遺言者登録情報格納部104に登録されている各遺言者の氏名、住所、生年月日の中に、画像認識により抽出した氏名、住所、生年月日と一致したものがあったときには、その遺言者が死亡したことを認定し、その遺言者識別子をシステムバス100に出力する。
CPU101は、この画像認識部112からの死亡した遺言者の遺言者識別子を受けると、遺言者登録情報格納部104のその遺言者識別子に対応する遺言者登録情報に、当該遺言者の死亡を登録すると共に、相続人に通知するURLを生成して、プリンタ114から出力するようにする。
なお、通信インターフェース108を通じて、電子メールの添付情報として、遺言者の死亡を証明する書面のイメージデータを受け取ったときには、そのイメージデータは画像認識部112に送られる。そして、画像認識部112は、この受け取ったイメージデータについても、スキャナ113からのイメージデータと同様に処理して、死亡した遺言者の遺言者識別子を出力する。
このときには、CPU101は、この画像認識部112からの死亡した遺言者の遺言者識別子を受けると、遺言者登録情報格納部104のその遺言者識別子に対応する遺言者登録情報に、当該遺言者の死亡を登録すると共に、相続人に通知するURLを生成して、電子メールの返信として、相続人宛に送る。
ネット資産相続可否データベース11は、前述した通り、それぞれのネット資産が相続可能であるかを蓄積したものである。ネット資産の登録情報がアクセス者側から送られてきたとき、CPU101は、ネット資産相続可否データベース11を参照して、その送られてきたネット資産が相続可能であるか否か判別する。そして、CPU101は、その判別結果に応じて、前述したようなネット資産について登録処理を実行する。
なお、図9の遺言登録サーバ1の構成において、受信信号処理部109、送信信号生成部110、認証処理部111、画像認識部112のそれぞれの処理機能は、CPU101が、ROM102のソフトウエアプログラムにしたがってRAM103をワークエリアとして用いて実行するソフトウエア機能として構成することもできる。
[遺言登録サーバ1の具体的処理動作例]
<遺言登録サーバ1におけるアクセス受信処理例>
図10〜図19は、遺言登録サーバ1が、本人装置2、相続人装置3または参照者装置4からのアクセスを受信した場合の処理動作例を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明においては、図9に示した遺言登録サーバ1の構成における受信信号処理部109、送信信号生成部110、認証処理部111、画像認識部112のそれぞれの処理機能は、CPU101が、ROM102のソフトウエアプログラムによりソフトウエア機能として実行する場合としている。
CPU101は、ネットワーク5を通じたアクセスの到来を待ち(ステップS101)、アクセスを受信したと判別したときには、アクセス者は、遺言者本人、相続人、参照者のいずれであるかの問い合わせページを、アクセス者装置に送信する(ステップS102)。
この問い合わせに対しては、アクセス者装置からは、アクセス者が、遺言者本人、相続人、参照者のいずれであるかの応答が送られてくる。CPU101は、このアクセス者装置からの応答を解析して、先ず、アクセス者は遺言者本人であるか否か判別し(ステップS103)、アクセス者が遺言者本人であれば、遺言者本人の認証用ページを、アクセス者装置(ここでは、本人装置2)に送信する(ステップS104)。
この遺言者本人の認証用ページを受け取ったアクセス者が遺言者本人である場合は、認証用として本人用IDおよびパスワードを送信してくる。また、アクセス者が遺言者本人ではなく、ステップS102での問い合わせに対する応答を誤った場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「戻る」アイコンを押下する。さらに、アクセス者が、認証用の本人用IDおよびパスワードを知らない、あるいは忘れたなどの理由で、アクセスを断念する場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「キャンセル」アイコンを押下する。アクセス者が、それらを押下操作すると、アクセス者装置は、それぞれ「戻る」要求、「キャンセル」要求を、遺言登録サーバ1に送信する。
なお、後述する相続人の認証用ページや参照者の認証用ページにも、同様の処理目的のために、「戻る」アイコンおよび「キャンセル」アイコンが表示されている。
そこで、CPU101は、先ず、認証用のIDおよびパスワードを受信したか否か判別し(ステップS105)、IDおよびパスワードを受信してはいないと判別したときには、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS106)。
このステップS106で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、アクセス者の問い合わせページをアクセス者装置に送信して、このステップS102以降の処理を繰り返す。また、ステップS106で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「キャンセル」要求を受信したか否か判別する(ステップS107)。
このステップS107で、「キャンセル」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS105に戻し、このステップS105以降の処理を繰り返す。また、ステップS107で、「キャンセル」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、アクセスをキャンセル処理して(ステップS108)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS105で、アクセス者からIDおよびパスワードを受信したと判別したときには、CPU101は、遺言者登録情報格納部104に格納されている遺言者登録情報を参照して、受信したIDおよびパスワードと一致する遺言者の本人用IDおよびパスワードがあるか否かにより、受信したIDおよびパスワードの認証確認をする(ステップS109)。
このステップS109で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する遺言者の本人用IDおよびパスワードがなく、認証確認が取れないと判別したときには、CPU101は、エラー表示をアクセス者装置に送信する(ステップS110)。
また、ステップS109で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する遺言者の本人用IDおよびパスワードがあり、認証確認が取れたと判別したときは、CPU101は、アクセス者装置との間に通信路を確立する(ステップS111)。このとき、CPU101は、受信したIDおよびパスワードと一致する遺言者の本人用IDおよびパスワードに対応する遺言者識別子をも認識する。
次に、CPU101は、遺言者本人が登録または更新することができるメニューの一覧ページ(遺言登録/更新一覧メニューページ)を、アクセス者装置に送信する(ステップS112)。
この遺言登録/更新一覧メニューページには、遺言者登録情報、遺言明細目録、死後代行登録情報、ネット資産の各登録可能項目が記述されており、アクセス者(遺言者)は、そのうちのいずれかを選択入力する。すると、アクセス者装置からは、当該アクセス者により、いずれの登録可能項目の登録または更新が選択されたかの選択指定情報が送られてくる。
そこで、CPU101は、先ず、アクセス者装置からの選択指定情報を解析して、アクセス者により、遺言者登録情報の登録/更新が選択されたか否か判別する(図11のステップS121)。このステップS121で、遺言者登録情報の登録/更新が選択されたと判別したときには、CPU101は、当該遺言者登録情報の登録/更新用ページをアクセス者装置に送信する(ステップS122)。
この遺言者登録情報の登録/更新用ページは、遺言者を特定するために必要な事項や、遺言登録サーバ1が登録要求する事項など、遺言者に登録してもらいたい事項欄が、例えば表形式で予め記述されたものである。遺言者が、それぞれの事項欄を埋めて、遺言登録サーバ1に返信することにより、必要登録情報が登録される。そして、更新時には、遺言者は、変更が必要な事項欄に、変更事項を上書きして入力する。
なお、この遺言者登録情報の登録/更新用ページには、「戻る」アイコンと、「終了」アイコンとが設けられており、遺言者がそれらを押下操作すると、アクセス者装置は、それぞれ「戻る」要求、「終了」要求を、遺言登録サーバ1に送信する。また、後述する遺言明細目録の登録/更新用ページ、死後代行登録情報の登録/更新用ページ、ネット資産の情報の登録/更新用ページなどにも、同様の「戻る」アイコンと、「終了」アイコンとが設けられている。
CPU101は、アクセス者装置からの必要な登録事項が遺言者により入力された遺言者登録情報の受信を監視する(ステップS123)。このステップS123で、遺言書登録情報を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS124)。
このステップS124で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。また、ステップS124で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別する(ステップS125)。
このステップS125で、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS123に戻し、このステップS123以降の処理を繰り返す。また、ステップS125で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で確立した通信路を切断して(ステップS126)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS123で、アクセス者から遺言者登録情報を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信した遺言者登録情報を、その登録/更新日時情報と共に、遺言者登録情報格納部104に格納する(ステップS127)。その後、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS121で、遺言者登録情報の登録/更新は選択されていないと判別したときには、CPU101は、アクセス者により、遺言明細目録の登録/更新が選択されたか否か判別する(図12のステップS131)。このステップS131で、遺言明細目録の登録/更新が選択されたと判別したときには、CPU101は、当該遺言明細目録の登録/更新用ページをアクセス者装置に送信する(ステップS132)。
この遺言明細目録の登録/更新用ページにおいては、遺言者は、登録したい遺言明細目録を、図4に示したように、項目毎に分けて記述することができる。遺言明細目録の幾つかが既に登録されている場合には、遺言明細目録の登録/更新用ページには、それが記述された状態で送られてくる。遺言明細目録の既述部分についての更新時には、遺言者は、変更が必要な項目に、変更事項を上書きして入力する。また、遺言者は、新たに追加登録したい遺言明細項目を追加記述することができる。そして、以上のような記述をした遺言明細目録の登録/更新用ページを遺言登録サーバ1に返信することで、登録したい遺言明細目録の登録/更新データを遺言登録サーバ1に送信することができる。
CPU101は、アクセス者装置からの必要な登録事項が遺言者により入力された遺言明細目録の登録/更新データの受信を監視する(ステップS133)。このステップS133で、遺言明細目録の登録/更新データを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS134)。
このステップS134で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。また、ステップS134で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別する(ステップS135)。
このステップS135で、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS133に戻し、このステップS133以降の処理を繰り返す。また、ステップS135で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で確立した通信路を切断して(ステップS136)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS133で、アクセス者から遺言明細目録の登録/更新データを受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信した遺言明細目録の登録/更新データを、その登録/更新日時情報と共に、遺言明細目録格納部105に格納する(ステップS137)。
この実施形態においては、遺言明細目録の登録/更新ページには、さらに、遺言書の複製、登記書や権利書の複製など、各種証書の複製をイメージデータとして登録するか否かの問い合わせメッセージが記述され、登録する場合の手順も記述されている。遺言者は、各種証書のイメージデータを登録/更新する場合には、例えばスキャナで読み取ったそれらの証書のイメージデータをアクセス者装置に入力する。すると、遺言明細目録の登録/更新ページが遺言登録サーバ1に送信されるときに、それらのイメージデータが、いずれの書面のイメージデータであるかの情報、また、新規登録であるか、更新であるかの情報と共に、遺言登録サーバ1に併せて送信される。
そこで、CPU101は、ステップS137の次には、各種証書のイメージデータの登録/更新があるか否かを、イメージデータの有無により判別する(ステップS138)。そして、ステップS138で、イメージデータが有ると判別したときには、CPU101は、新規登録であれば、そのイメージデータを、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、登録日時情報と共に、遺言明細目録格納部105の遺言書等複製格納エリアに格納する。また、イメージデータが更新データであるときには、CPU101は、以前のイメージデータに代えて、更新日時情報と共に、更新後のイメージデータに書き換える(ステップS139)。
このステップS139の次には、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。また、ステップS138で、イメージデータは無いと判別したときにも、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS131で、遺言明細目録の登録/更新は選択されていないと判別したときには、CPU101は、アクセス者により、死後代行登録情報の登録/更新が選択されたか否か判別する(図13のステップS141)。このステップS141で、死後代行登録情報の登録/更新が選択されたと判別したときには、CPU101は、当該死後代行登録情報の登録/更新用ページをアクセス者装置に送信する(ステップS142)。
この死後代行登録情報の登録/更新用ページは、遺言者が、予め用意された質問に答えてゆくと、死後代行登録情報の入力が完了するように作成されている。そして、前述したように、登録情報を遺族に伝えたいだけなのか、代行まで希望するかの選択入力が可能とされる。死後代行登録情報の更新時には、死後代行登録情報の登録/更新用ページには、既に登録されて項目については、それが記述された状態で送られてくる。死後代行登録情報の既登録項目についての更新時には、遺言者は、変更が必要な項目に、変更事項を上書きして入力する。また、遺言者は、新たに追加登録したい死後代行登録情報を追加することができる。そして、以上のような入力をした死後代行登録情報の登録/更新用ページを遺言登録サーバ1に返信することで、登録したい死後代行登録情報の登録/更新データを遺言登録サーバ1に送信することができる。
CPU101は、アクセス者装置からの必要な登録事項が遺言者により入力された死後代行登録情報の登録/更新データの受信を監視する(ステップS143)。このステップS143で、死後代行登録情報の登録/更新データを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS144)。
このステップS144で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。また、ステップS144で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別する(ステップS145)。
このステップS145で、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS143に戻し、このステップS143以降の処理を繰り返す。また、ステップS145で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で確立した通信路を切断して(ステップS146)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS143で、アクセス者から死後代行登録情報の登録/更新データを受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信した死後代行登録情報の登録/更新データを、その登録/更新日時情報と共に、死後代行登録情報格納部106に格納する(ステップS147)。
そして、この実施形態においては、CPU101は、登録/更新された死後代行登録情報について、代行依頼のある死後代行項目を仕分け処理して、その結果を死後代行登録情報格納部106に格納する(ステップS148)。これにより、遺言者の死後、代行すべき項目を容易に見つけ出して、代行手続を速やかに実行することができる。
このステップS148の次には、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS141で、死後代行登録情報の登録/更新は選択されていないと判別したときには、CPU101は、アクセス者により、ネット資産の登録/更新が選択されたか否か判別する(図14のステップS151)。このステップS151で、ネット資産の登録/更新が選択されていないと判別したときには、CPU101は、遺言登録/更新一覧メニューページに設けられている「戻る」アイコンの押下に対応した「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS152)。
このステップS152で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、アクセス者は、遺言者本人、相続人、参照者のいずれであるかの問い合わせページを、アクセス者装置に送信し、このステップS102以降の処理を繰り返す。
また、ステップS152で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別する(ステップS153)。
このステップS153で、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS121に戻し、このステップS121以降の処理を繰り返す。また、ステップS153で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で確立した通信路を切断して(ステップS154)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS151で、ネット資産の登録/更新が選択されたと判別したときには、CPU101は、当該ネット資産の登録/更新用ページをアクセス者装置に送信する(ステップS155)。
このネット資産の登録/更新用ページにおいては、遺言者は、登録したしたいネット資産の情報を入力することができる。また、ネット資産の登録/更新用ページには、ステップS111で認識された遺言者識別子に対応して既に登録されているネット資産の情報が掲載され、その中から削除するネット資産を指示入力することができる。アクセス者装置は、このネット資産の登録/更新用ページにおけるアクセス者である遺言者の入力に応じて、ネット資産の登録データまたは削除データを送信する。
CPU101は、アクセス者装置からネット資産の登録データまたは削除データを受信したか否か判別し(ステップS156)、受信してはいないと判別したときには、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS157)。
このステップS157で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。また、ステップS157で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別する(ステップS158)。
このステップS158で、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS156に戻し、このステップS156以降の処理を繰り返す。また、ステップS158で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS111で確立した通信路を切断して(ステップS154)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS156で、アクセス者装置からネット資産の登録データまたは削除データを受信したと判別したときには、CPU101は、受信したのはネット資産の削除データであるか否か判別する(ステップS159)。
このステップS159で、受信したのはネット資産の削除データであると判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けられて登録されているネット資産の中から受信した削除データに対応するネット資産の情報を削除する(ステップS160)。その後、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
ステップS159で受信したのはネット資産の削除データではなく、ネット資産の登録データであると判別したときには、CPU101は、ネット資産相続可否データベース11を参照して、登録データを受信したネット資産は譲渡可能であるか否かを判断する(図15のステップS171)。
このステップS171で、受信したネット資産は譲渡可能ではないと判別したときには、CPU101は、アクセス者装置に対して、ネット資産は遺贈不能である旨を通知すると共に、遺言者の死後は自動退会手続の代行を希望するか否かの問い合わせページを送信する(ステップS172)。
この問い合わせページに対しては、アクセス者装置からは遺言者の死後自動退会手続の代行を希望するか否かの回答が送られてくるので、CPU101は、その回答を受信して、アクセス者が自動退会代行手続を希望するか否かを判別する(ステップS173)。
このステップS173で、アクセス者が自動退会代行手続を希望すると判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信したネット資産の登録データを、登録日時情報および自動退会代行要求有りと共に、ネット資産格納部107に格納する(ステップS174)。その後、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
また、ステップS173で、アクセス者が自動退会代行手続を希望しないと判別したときには、CPU101は、登録要求されたネット資産は登録しない旨を、アクセス者装置に対して通知して、ネット資産の登録データの登録保存を拒否する(ステップS175)。その後、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
また、ステップS171で、受信したネット資産は譲渡可能であると判別したときには、CPU101は、アクセス者装置に対して、ネット資産は遺贈可能である旨を通知すると共に、相続人の指定の問い合わせページを送信する(ステップS176)。
アクセス者は、この問い合わせページに対しては、相続人を指定することもできるし、指定しないこともできる。アクセス者装置は、相続人が指定入力された場合には、その相続人の情報を、相続人が指定されなかった場合には、相続人未定の情報を、遺言登録サーバに返信する。なお、この問い合わせページにおいて、相続人が未定となっている登録済みネット資産について、再度の相続人指定を問い合わせるようにしても良い。
CPU101は、ステップS176の問い合わせページに対するアクセス者装置からの回答を受信して、相続人が指定されているか否か判別する(ステップS177)。このステップS177で、相続人が指定されていると判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信したネット資産の登録データを、登録日時情報と共に、ネット資産格納部107に格納する(ステップS178)。
また、ステップS177で、相続人が未定となっていると判別したときには、CPU101は、ステップS111で認識した遺言者識別子に対応付けて、受信したネット資産の登録データを、相続人未定を示す情報および登録日時情報と共に、ネット資産格納部107に格納する(ステップS179)。
ステップS178またはステップS179の次には、CPU101は、処理をステップS112に戻し、遺言登録/更新一覧メニューページをアクセス者装置に送信し、このステップS112以降の処理を繰り返す。
次に、図10のステップS103でアクセス者が遺言者本人ではないと判別したときには、CPU101は、アクセス者は相続人であるか否か判別する(図16のステップS181)。このステップS181でアクセス者は相続人であると判別したときには、CPU101は、相続人の認証用ページを、アクセス者装置(ここでは、相続人装置3)に送信する(ステップS182)。
この相続人の認証用ページを受け取ったアクセス者が相続人である場合は、認証用として相続人用IDおよびパスワードを送信してくる。また、アクセス者が相続人ではなく、ステップS102での問い合わせに対する応答を誤った場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「戻る」アイコンを押下する。さらに、アクセス者が、認証用の相続人用IDおよびパスワードを知らない、あるいは忘れたなどの理由で、アクセスを断念する場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「キャンセル」アイコンを押下する。
そこで、CPU101は、先ず、認証用のIDおよびパスワードを受信したか否か判別し(ステップS183)、IDおよびパスワードを受信してはいないと判別したときには、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS184)。
このステップS184で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、アクセス者の問い合わせページをアクセス者装置に送信して、このステップS102以降の処理を繰り返す。また、ステップS184で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「キャンセル」要求を受信したか否か判別する(ステップS185)。
このステップS185で、「キャンセル」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS183に戻し、このステップS183以降の処理を繰り返す。また、ステップS185で、「キャンセル」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、アクセスをキャンセル処理して(ステップS186)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS183で、アクセス者からIDおよびパスワードを受信したと判別したときには、CPU101は、遺言者登録情報格納部104に格納されている遺言者登録情報を参照して、受信したIDおよびパスワードと一致する相続人用IDおよびパスワードがあるか否かにより、受信したIDおよびパスワードの認証確認をする(ステップS187)。
このステップS187で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する相続人用IDおよびパスワードがなく、認証確認が取れないと判別したときには、CPU101は、エラー表示をアクセス者装置に送信する(ステップS188)。そして、CPU101は、処理をステップS183に戻し、IDおよびパスワードの再受信を待つ。
また、ステップS187で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する相続人用IDおよびパスワードがあり、認証確認が取れたと判別したときは、CPU101は、受信したIDおよびパスワードと一致する相続人用IDおよびパスワードに対応する遺言者識別子を認識する(ステップS189)。
そして、CPU101は、認識した遺言者識別子に対応する遺言者本人の死亡が登録されているか否か判別する(ステップS190)。このステップS190で、認識した遺言者識別子に対応する遺言者本人の死亡が登録されていなければ、CPU101は、当該アクセス者に対してアクセス拒否を通知する(ステップS191)。その後、CPU101は、処理をステップS102に戻し、このステップS102以降の処理を繰り返す。
また、ステップS190で、認識した遺言者識別子に対応する遺言者本人の死亡が登録されていると判別したときには、CPU101は、アクセス者装置(相続人装置3)との間に通信路を確立する(ステップS192)。そして、CPU101は、相続人用の閲覧メニューページを送信する(ステップS193)。この相続人用の閲覧メニューページには、閲覧項目として、遺言明細目録、死後代行登録情報、ネット資産が表示される。
次に、CPU101は、アクセス者装置からの閲覧項目の選択を伴う閲覧要求の受信を監視し(ステップS201)、当該閲覧要求を受信したと判別したときには、ステップS189で認識した遺言者識別子に対応付けられている登録情報のうち、選択された閲覧項目の登録データを、アクセス者装置に送信する(ステップS202)。
そして、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別し(ステップS203)、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。また、ステップS203で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS192で確立した通信路を切断して(ステップS204)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS201で、アクセス者装置からの閲覧項目の選択を伴う閲覧要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS205)。
このステップS205で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、このステップS102以降の処理を繰り返す。また、ステップS205で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、ステップS203に進み、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別し、このステップS203以降の処理を繰り返す。
次に、図16のステップS181で、アクセス者は相続人ではないと判別したときには、CPU101は、アクセス者は参照者であるか否か判別する(図18のステップS211)。
このステップS211でアクセス者が参照者であることを判別できなかったときには、CPU101は、アクセス者が遺言者本人、相続人、参照者のいずれであるかの問い合わせページにある「キャンセル」アイコンの押下による「キャンセル」要求を受信したか否か判別する(ステップS222)。
このステップS222で、「キャンセル」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS103に戻し、アクセス者の判別の処理を繰り返す。また、このステップS222で、「キャンセル」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、アクセスをキャンセル処理して(ステップS216)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS211でアクセス者は参照者であると判別したときには、CPU101は、参照者の認証用ページを、アクセス者装置(ここでは、参照者装置4)に送信する(ステップS212)。
この参照者の認証用ページを受け取ったアクセス者が参照者である場合は、認証用として参照者用IDおよびパスワードを送信してくる。また、アクセス者が参照者ではなく、ステップS102での問い合わせに対する応答を誤った場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「戻る」アイコンを押下する。さらに、アクセス者が、認証用の参照者用IDおよびパスワードを知らない、あるいは忘れたなどの理由で、アクセスを断念する場合には、アクセス者は、この認証用ページにある「キャンセル」アイコンを押下する。アクセス者が、それらを押下操作すると、アクセス者装置は、それぞれ「戻る」要求、「キャンセル」要求を、遺言登録サーバ1に送信する。
ステップS212の次には、CPU101は、先ず、認証用のIDおよびパスワードを受信したか否か判別し(ステップS213)、IDおよびパスワードを受信してはいないと判別したときには、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS214)。
このステップS214で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、アクセス者の問い合わせページをアクセス者装置に送信して、このステップS102以降の処理を繰り返す。また、ステップS214で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「キャンセル」要求を受信したか否か判別する(ステップS215)。
このステップS215で、「キャンセル」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS213に戻し、このステップS213以降の処理を繰り返す。また、ステップS215で、「キャンセル」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、アクセスをキャンセル処理して(ステップS216)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS213で、アクセス者からIDおよびパスワードを受信したと判別したときには、CPU101は、遺言者登録情報格納部104に格納されている遺言者登録情報を参照して、受信したIDおよびパスワードと一致する参照者用IDおよびパスワードがあるか否かにより、受信したIDおよびパスワードの認証確認をする(ステップS217)。
このステップS217で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する参照者用IDおよびパスワードがなく、認証確認が取れないと判別したときには、CPU101は、エラー表示をアクセス者装置に送信する(ステップS218)。そして、CPU101は、処理をステップS213に戻し、IDおよびパスワードの再受信を待つ。
また、ステップS217で、遺言者登録情報中に、受信したIDおよびパスワードと一致する相続人用IDおよびパスワードがあり、認証確認が取れたと判別したときは、CPU101は、受信したIDおよびパスワードと一致する参照者用IDおよびパスワードに対応する遺言者識別子を認識する(ステップS219)。
そして、CPU101は、アクセス者装置(参照者装置4)との間に通信路を確立する(ステップS220)。そして、CPU101は、参照者用の閲覧メニューページを送信する(ステップS221)。この参照者用の閲覧メニューページには、閲覧項目として、遺言明細目録、死後代行登録情報、ネット資産が表示される。
次に、CPU101は、アクセス者装置からの閲覧項目の選択を伴う閲覧要求の受信を監視し(ステップS231)、アクセス者装置からの閲覧項目の選択を伴う閲覧要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS232)。
このステップS232で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS102に戻し、このステップS102以降の処理を繰り返す。また、ステップS232で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別し(ステップS233)、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS231に戻し、このステップS231以降の処理を繰り返す。また、ステップS233で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS220で確立した通信路を切断して(ステップS239)、この処理ルーチンを終了する。
そして、ステップS231で、アクセス者装置から閲覧要求を受信したと判別したときには、CPU101は、要求された閲覧項目は遺言者によりセキュリティが、より高いものとして登録されているか否か判別する(ステップS234)。
このステップS234で、要求された閲覧項目は遺言者によりセキュリティが、より高いものとして登録されていると判別したときには、CPU101は、要求された閲覧項目についてのパスワードを要求するページをアクセス者装置に送信する(ステップS235)。そして、CPU101は、アクセス者装置から送られてくるパスワードの受信を監視し(ステップS236)、パスワードを受信してはいないと判別したときには、アクセス者から「戻る」要求を受信したか否か判別する(ステップS237)。
このステップS237で、「戻る」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、処理をステップS221に戻し、閲覧メニューページを表示し、このステップS221以降の処理を繰り返す。また、ステップS237で、「戻る」要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別し(ステップS238)、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS236に戻し、このステップS236以降の処理を繰り返す。また、ステップS238で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS220で確立した通信路を切断して(ステップS239)、この処理ルーチンを終了する。
そして、ステップS236で、アクセス者装置からパスワードを受信したと判別したときには、CPU101は、当該パスワードが、ステップS219で認識された遺言者識別子の遺言者により設定されたパスワードと一致しているか否かにより認証確認を行う(ステップS240)。
このステップS240で、受信したパスワードと登録されているパスワードが不一致であるため認証確認が取れないと判別したときには、CPU101は、エラー表示をアクセス者装置に送信する(ステップS241)。そして、CPU101は、処理をステップS236に戻し、パスワードの再受信を待つ。
ステップS240で、受信したパスワードと登録されているパスワードが一致したことにより認証確認が取れたと判別したときには、CPU101は、ステップS219で認識した遺言者識別子に対応付けられている登録情報のうち、選択された閲覧項目の登録データであって、遺言者により閲覧可能とされている登録データを、アクセス者装置に送信する(ステップS242)。
そして、CPU101は、アクセス者から「終了」要求を受信したか否か判別し(ステップS243)、「終了」要求を受信してはいないと判別したときには、処理をステップS231に戻し、このステップS231以降の処理を繰り返す。また、ステップS243で、「終了」要求を受信したと判別したときには、CPU101は、ステップS220で確立した通信路を切断して(ステップS239)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS234で、要求された閲覧項目は遺言者によりセキュリティが、より高いものとして登録されてはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS234からステップS242にジャンプさせ、ステップS219で認識した遺言者識別子に対応付けられている登録情報のうち、選択された閲覧項目の登録データであって、遺言者により閲覧可能とされている登録データを、アクセス者装置に送信する。そして、このステップS242以降の処理を繰り返す。
<遺言者の死亡を証明する書面を遺言登録サイトで受信したときの処理の流れ>
前述したように、この実施形態では、遺言者の死亡後、その相続人は、死亡届、死亡診断書、埋葬許可証や埋葬証明書等の遺言者の死亡を証明する書面の写しを、郵送や電子メールの添付情報として遺言登録サーバ1の運営会社宛に送付する。
遺言登録サーバ1の運営会社のオペレータは、郵送で受け取った当該書面はイメージスキャナでスキャンしてイメージデータに変換して、遺言登録サーバ1に入力する。また、電子メールに添付されてきた当該書面のイメージデータを、遺言登録サーバ1に入力するようにする。
図20は、この遺言者の死亡を証明する書面のイメージデータが入力されたときの遺言登録サーバ1における処理動作例の流れを示すフローチャートである。
CPU101は、遺言者の死亡を証明する書面のイメージデータの入力を待ち(ステップS251)、遺言者の死亡を証明する書面のイメージデータを取得したと判別したときには、取得したイメージデータを画像認識し、遺言者を特定する氏名、住所、生年月日などのデータを抽出する(ステップS252)。
次に、CPU101は、遺言者登録情報に登録されている各遺言者の氏名、住所、生年月日などの遺言者を特定するためのデータ(以下、登録遺言者特定データという)を読み出して、ステップS252で抽出したデータ(以下、抽出遺言者特定データという)と比較対照する(ステップS253)。
次に、CPU101は、抽出遺言者特定データと一致する登録遺言者特定データが、遺言者登録情報中に有るか否かにより、死亡した遺言者の確認ができたか否かの処理を行う(ステップS254)。このステップS254で、抽出遺言者特定データと一致する登録遺言者特定データが、遺言者登録情報中に有ったことにより、死亡した遺言者の確認ができたときには、CPU101は、一致した登録遺言者特定データに対応付けられた遺言者識別子を認識し、当該遺言者識別子に対応付けて、その遺言者登録情報中に死亡を登録する(ステップS255)。なお、遺言者登録情報中に、当該遺言者の死亡を登録するのではなく、遺言者識別子に対応付けて当該遺言者の死亡を別途登録するようにしても勿論良い。
ステップS255の次には、CPU101は、遺言者の死亡を知らせてきた相続人に、相続人3Aとして遺言登録サーバ1にアクセスするために必要なURLを送信するための処理を行う(ステップS256)。このステップS256の処理は、前記URLを郵送で送る場合には、当該URLを記述した書面をプリンタ114によりプリントアウトする処理であり、前記URLを電子メールにより送る場合には、当該電子メールによる送信処理である。
ステップS256の次には、CPU101は、死亡した遺言者について必要な死亡後処理を実行する(ステップS257)。
また、ステップS254で、抽出遺言者特定データと一致する登録遺言者特定データが、遺言者登録情報中に発見できなかったことにより、死亡した遺言者の確認ができなかったときには、CPU101は、遺言者の死亡を知らせてきた者に、遺言者を特定できなかった旨の通知を送信するための処理を行う(ステップS258)。このステップS258での処理も、ステップS256と同様で、通知書類をプリントアウトするか、電子メールで前記通知を行うかの処理となる。そして、死亡した遺言者を確認できなかったので、このステップS258の処理で終了となる。
図21および図22は、ステップS257における遺言者の死亡後処理の例を説明するためのフローチャートである。
CPU101は、死亡した遺言者の遺言者識別子に対応付けられた死後代行登録情報が登録されているか否か判別する(ステップS261)。そして、死後代行登録情報が登録されていると判別したときには、CPU101は、代行要求が記録されている登録情報のうち、当該遺言登録サーバ1で実行することができるものは、そのまま実行し、オペレータなどが実行すべきものについては、それを代行リストとして、例えばプリントアウトする(ステップS262)。ここで、遺言登録サーバ1で実行することができる代行サービスとしては、遺言者が死亡通知を送ってもらいたいとして登録した友人等であって、電子メールアドレスが登録されているものについて、電子メールによる死亡通知の送信や、保険会社への通知などがある。
次に、CPU101は、代行要求のあるものも含めて、遺族への通知が要求されている登録情報について、同様に実行することができものについては実行し、オペレータなどが実行すべきものについては、それを通知リストとして、例えばプリントアウトする(ステップS263)。
次に、CPU101は、死亡した遺言者の遺言者識別子に対応付けられたネット資産の登録情報が存在するか否か判別する(ステップS264)。このステップS264で、死亡した遺言者の遺言者識別子に対応付けられたネット資産の登録情報は無いと判別したときには、CPU101は、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS264で、死亡した遺言者の遺言者識別子に対応付けられたネット資産の登録情報が存在していると判別したときには、CPU101は、そのネット資産を提供しているサービス会社のサイトのサーバに、自動退会手続を代行で実行する(ステップS265)。
次に、CPU101は、死亡した遺言者の遺言者識別子に対応付けられて登録されているネット資産の中に、相続できるネット資産があるか否か判別する(ステップS271)。このステップS271で、相続できるネット資産がないと判別したときには、CPU101は、この処理ルーチンを終了する。また、ステップS271で、相続できるネット資産があると判別したときには、CPU101は、相続人の指定がなされているか否か判別する(ステップS272)。
このステップS272で、相続人の指定がなされていると判別したときには、CPU101は、その相続人の電子メールアドレスが登録されていれば、電子メールにより当該相続人にネット資産の遺贈があることを通知し、その遺贈を受けるか否かを問い合わせる(ステップS273)。そして、電子メールによる回答を待って、相続人が遺贈を受けるか否か判別し(ステップS275)、遺贈を受けると判別した場合には、CPU101は、ネット資産のサービス提供会社のサーバに対して、ネット資産のサービスを受ける者の変更手続を代行する(ステップS276)。
そして、相続人に対して、当該相続人がネット資産のサービスを受けるためのIDおよびパスワードを、電子メールにより通知する(ステップS237)。そして、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS272で、相続人の指定がなされていないと判別したときには、CPU101は、死亡を知らせてきた遺族の電子メールアドレスが登録されていれば、当該遺族に電子メールにより遺贈可能なネット資産があることを通知し、その遺贈を受けるか否かと、受ける場合には相続人は誰かを問い合わせる(ステップS274)。そして、ステップS275に進み、このステップS275以降の処理を実行する。
なお、相続人や遺族の電子メールアドレスが登録されていない場合には、ステップS273やステップS274においては、その相続人の氏名、住所および遺贈されるネット資産の情報を、例えばプリントアウトして、オペレータにより郵送などにより問い合わせ通知をさせるようにする。そして、ステップS277においても、相続人がネット資産のサービスを受けるためのIDおよびパスワードを、例えばプリントアウトして、オペレータにより郵送などにより、それを通知させるようにする。
[実施形態の効果]
上述の実施形態においては、遺言登録サーバ1は、遺言者の死亡を、公的機関が発行する死亡届、死亡診断書、埋葬許可証や埋葬証明書などの書面の記載内容により確認するようにするので、何者かが遺言者の死亡を偽装して、遺言登録サーバ1へ不正アクセスをすること防止することができる。
また、上述の実施形態では、相続人が遺言登録サーバ1にアクセスするためのURLと、相続人用IDおよびパスワードを別個のルートから取得するようにしてあるので、遺言者の遺言および遺言に関連する情報に対するセキュリティは向上する。
また、上述の実施形態では、遺言者本人、相続人、参照者のそれぞれに対して、IDおよびパスワードを設定するようにしており、遺言明細目録を登録および更新するには、遺言者本人用のIDおよびパスワードを認証情報として必要であるので、遺言明細目録が、遺言者本人以外の者によりアクセスされて改竄されることが無く、セキュリティが保たれる。
遺言者は、遺言書と遺言明細目録とを別々に作成し、遺言明細目録を遺言登録サーバ1に登録するようにしているので、遺言書に、明細目録の内容を記述する必要が無く、当該明細目録が変更する必要がある場合には、遺言者は、遺言登録サーバ1の遺言明細目録のみを変更すれば良い。
また、遺言者は、遺言登録サーバ1に、死後にして欲しいことを登録して、遺族に通知してもらうことができると共に、必要な死後手続を自動的に代行してもらうことができるので便利である。
さらに、ネット資産については、相続できないものは、自動的に退会手続やIDおよびパスワードの停止などを代行してもらうことができるので、これらのネット資産がネット上のガベッジとなってしまうのを防止することができる。
[その他の実施形態および変形例]
なお、上述の実施形態では、相続人用IDおよびパスワードは、遺言者2Aからその通知を受けた管理者7から相続人3Aが取得するようにしたが、遺言書6に、相続人用IDおよびパスワードが記述されていても良い。また、遺言者の死亡を証明する書面の提出に対する返信として、URLのみではなく、相続人用IDおよびパスワードを通知するようにしても良い。しかし、この実施形態のように、URLと、相続人用IDおよびパスワードを別個のルートから取得するようにしておけば、遺言者の遺言および遺言に関連する情報に対するセキュリティは、より高くなる。
また、上述の例では、遺言書に、遺言登録サイトに遺言者の死亡を証明する書面を送るように依頼する文面が記述されていたが、管理者7が、遺言者2Aの生前における依頼を受けて、その旨を相続人3Aに伝えるようにしても良い。
また、上述の実施形態では、死亡届や死亡診断書等の遺言者の死亡を証明するための書面は、郵送や電子メールで、遺言登録サーバ側に送信するようにしたが、遺言者を特定するための情報を読み取ることができる精度で送信することができれば、ファクシミリ送信するようにしても良い。また、遺族が直接に、遺言登録サーバ側のオペレータに手渡ししても良いことは言うまでもない。
なお、上述の実施形態では、遺言者の死亡が確認されたときに、遺言登録サイトは、遺言者の死亡を確認するための書面の記載内容を送ってきた者に、遺言登録サーバ1にアクセスするためのURLを送るようにした。しかし、これに限らず、遺言者が予めURLを通知する相続人を遺言登録サーバ1に登録しておくことができるように構成し、遺言登録サイトは、遺言登録サーバ1へアクセスするためのURLを、当該登録された相続人に送るように構成してもよい。