以下、保険情報管理装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
なお、以下の説明において用いる用語は、以下のように定義される。なお、これらの用語の語義はこれに限定されるものではない。
登録者とは、登録者とは、保険情報管理装置において情報の登録を行っており、保険に関する情報を管理させる者をいう。換言すると、保険情報管理装置を用いて提供される情報管理サービス(保険情報管理サービスなど)について登録者としてのユーザアカウントを有しているユーザをいう。登録者は、例えば、保険の契約者や被保険者であることが多い。
代理者とは、保険情報管理装置を用いて提供される情報管理サービスに、登録者を代理する者として登録されているユーザをいう。代理者は、例えば、登録者の法定代理人であったり、登録者により保険の管理等について委任された任意の代理人であったりしてもよい。例えば、登録者の配偶者、その他の法定相続人、後見人、及び弁護士などを代理人として指定することができる。
保険情報管理装置のユーザには、登録者と代理者とが含まれる。これらのほか、保険情報管理装置の管理作業者がユーザに含まれてもよい。
付保情報とは、登録者を被保険者として契約されている保険に関する情報である。詳細な具体例については、後述する。
生活情報とは、登録者の特性、連絡先、生活や暮らし振りに関する情報である。詳細な具体例については、後述する。
代理者情報とは、代理者の連絡先を含む情報である。
事象発生情報とは、登録者に関して発生した事象(以下において、イベントということがある。)に関する情報である。例えば、登録者が運転する自動車について発生した交通事故に関する情報や、登録者が死亡したこと及びその状況、日時などに関する情報などが事象発生情報に該当するものとすることができる。事象発生情報は、登録者について付保されている保険について保険事故となるような事象や、保険の支払い条件に関連する事象などを含むのが好適であるが、これに限られるものではない。事象発生情報は、生活情報に含まれるものであると定義することができるが、これに限られるものではない。
助言情報とは、保険情報管理装置において後述のようにして生成される、登録者に対する保険に関する助言を含む情報である。助言情報の詳細な具体例については、後述する。
ユーザ情報とは、各登録者に対応する情報であってその登録者に関する情報を総称するものである。ユーザ情報は、付保情報や生活情報を含んでいてもよい。登録者に対するものとして生成された助言情報を含んでいてもよい。また、代理者情報や事象発生情報を含んでいてもよい。
登録者のライフイベントとは、例えば、登録者やその家族(配偶者、子供、親など)についての就職、退職、成人、進学、卒業などのイベントをいう。
提供保険情報とは、世の中において提供されている保険に関する情報を含むものである。提供保険情報は、過去において提供されていた保険や将来において提供される予定の保険の情報をさらに含んでいてもよい。提供保険情報には、特定の会社や組織が保険者となっている保険のみに限られない、複数の保険者による保険の情報が含まれる。また、以下の実施の形態において、提供保険情報には、その保険の保険料に関するコスト情報が含まれていてもよい。
ニュース情報とは、世の中の状態や発生した事象に関する情報である。例えば、天候、気温、台風、地震などの気象状況に関する情報や、事故、事件、火災発生に関する情報、公開された死亡者名の情報(いわゆる「おくやみ」欄の情報など)などがニュース情報に含まれていてもよい。また、例えば、各国の政治の動向、経済指標、企業の経営状態、破産に関する情報などもニュース情報に含まれていてもよい。
支援制度情報とは、世の中において提供されている支援制度に関する情報である。支援制度とは、例えば、特定の要件を満たす者に対して税金や負担金等について認められる減免制度であったり、補助金、支援金、又は見舞金等の交付制度であったり、物資や人的支援を受けることができる制度であったりする。支援制度は、例えば、国の機関や地方公共団体の機関などにより設けられているものに限られず、様々な団体により設けられているものであってもよい。
アクセス権とは、保険情報管理装置に格納されている情報について、アクセス(例えば、閲覧したり参照したりすることをいうが、これに限られない)を行うために必要な権限をいう。アクセス権には、例えば、情報を受信したり取得したりする権限が含まれていてもよい。アクセス権には、例えば、保険情報管理装置に格納されている情報を変更する権限や、新たな情報を追加する権限や、格納されている情報を消去する権限を含んでいてもよい。
性質識別子とは、保険の対象となる事象やイベントの性質について、それを一意に特定可能な識別子をいう。保険の対象となる事象やイベントとしては、大まかに、死亡、入院、手術、自動車運転による事故、自転車運転による事故、所定の年齢になることなど、種々のものが挙げられるが、より細かな具体例については後述する。性質識別子は、予め定められている識別子であってもよいし、保険情報管理装置内で独自に設定される識別子であってもよい。
保険識別子とは、世の中において提供されている保険について、それを一意に特定可能な識別子をいう。保険識別子は、予め定められている識別子であってもよいし、保険情報管理装置内で独自に設定される識別子であってもよい。
リスクとは、事象の発生可能性と、その事象が発生したときの重大性(損害の大きさ等)とに基づいて決定されるものである。特定の事象についてのリスクの大きさは、例えば、その事象の発生可能性に、その事象が発生したときの損害の大きさを乗じたものにより与えられるものと定義することができる。
リスクを回避する行動とは、例えば、地震や津波などの被災リスクの存在に対して居住地を変更することや、自動車運転時に交通事故を起こすリスクの存在に対して自動車を運転しないようにすることや、特定のスポーツを行っているときに怪我等を負うリスクの存在に対して当該スポーツを行わないようにすることなど、特定の事象についてのリスクがあるときにその事象が発生しないようにすることをいう。
取得とは、登録者により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、他の装置に記憶されている情報を取得することを含んでいてもよい。他の装置に記憶されている情報を取得するとは、他の装置に記憶されている情報をAPI経由などで取得することを含んでいてもよいし、他の装置により提供されている文書ファイルの内容(ウェブページの内容なども含む)についてスクレイピング等を行うことにより取得することを含んでいてもよい。また、画像ファイルについて光学式文字読み取りを行うことにより情報を取得することなど、元の情報に基づいてそれとは異なるフォーマットの情報を取得することを含んでいてもよい。
情報を出力するとは、情報のウェブページへの表示を可能とすることや、電子メール等として送信することや、印刷するための情報を出力することなどを含む。
情報の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
保険情報管理装置に格納されている各種の情報について、更新とは、格納されている情報の変更のほか、格納されている情報に新たな情報が追加されることや、格納されている情報の一部又は全部が消去されることなどを含む概念である。
(実施の形態)
本実施の形態において、保険情報管理装置100は、登録者毎に保険に関する助言を行うために用いられる。保険情報管理装置100においては、登録者に付保されている保険に関する付保情報と、世の中において提供されている保険に関する提供保険情報と、登録者の暮らしに関する生活情報とが取得され、記憶される。そして、保険情報管理装置100により、登録者にある特定の事象についてのリスクについて生活情報に基づいて判定が行われるとともに、そのリスクに対応する保険が登録者に付保されているか否かなどが、付保情報に基づいて判断される。そして、保険の付保状況に関する判断結果と提供保険情報とに基づいて助言情報が生成される。
なお、例えば、以下のようにしてもよい。すなわち、付保状況は、特定の事象に対応する性質識別子に対応する付保情報に基づいて判定されればよい。提供保険情報はコスト情報を含み、保険を付保するためのコストを算出して助言情報を生成するようにしてもよい。算出したコストが登録者の生活情報に基づいて算出されたコスト閾値より大きい場合に、助言情報に、登録者がリスクを回避する行動を行うことを勧める情報が含まれるようにしてもよい。付保情報、提供保健情報、及び生活情報の少なくとも1つの更新情報を取得し、更新情報に基づいて記憶されている情報を更新するようにしてもよい。更新された情報に基づいて付保状況に関する判断と助言情報の出力とを行うようにしてもよい。登録者に関して発生した事象に関する事象発生情報を取得するようにしてもよく、この場合、取得された事象発生情報に基づいて、助言情報を出力するようにしてもよいし、具体的には、記憶された事象発生情報と付保情報とに基づいて保険金の給付が行われるか否かに関する判断を行い、判断結果に基づいて、登録者に関する給付情報を助言情報として出力するようにしてもよい。世の中において提供されている支援制度に関する支援制度情報を取得したうえで登録者が利用可能な支援制度があるか否かを生活情報に基づいて判断し、判断結果に基づいて、登録者に対する支援制度に関する情報を含む助言情報を出力してもよい。登録者に対して、記憶されている付保情報及び生活情報の少なくとも1つの情報の確認を求める通知を所定の通知タイミングが到来した時に送信するようにしてもよい。通知タイミングは、登録者の生活情報に基づいて設定してもよく、具体的には、登録者の生活情報に基づいて登録者に将来発生するライフイベントのタイミングを予測し、予測したタイミングに基づいて、通知タイミングを設定してもよいし、ニュース情報を取得し、取得したニュース情報と登録者の生活情報とに基づいて、通知タイミングを設定するようにしてもよい。
また、例えば、以下のように、保険情報管理装置100により、登録者を代理する代理者に関する情報が取得され、記憶されるようにしてもよい。すなわち、記憶している情報に対応する情報を、登録者及び代理者に送信可能としてもよく、この場合、代理者に送信可能とする情報を、登録者に送信可能とする情報よりも限定するようにしてもよい。登録者に所定の事象が生じたことを生活情報として取得した場合に、代理者に送信可能とする情報に関する限定を緩和するようにしてもよい。代理者に対して、登録者についての付保情報及び生活情報の少なくとも1つの情報の確認を求める通知を所定の代理者通知タイミングが到来した時に送信するようにしてもよく、代理者通知タイミングを、登録者の生活情報に基づいて設定してもよい。
本実施の形態において、登録者毎に保険に関する情報を管理する保険情報管理装置100を含む情報システム900について説明する。
図1は、本実施の形態における情報システム900の概要図である。
図1に示されるように、情報システム900は、保険情報管理装置100と、利用者端末装置910、外部情報処理装置300、を備える。保険情報管理装置100と、利用者端末装置910と、外部情報処理装置300とは、例えばインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能である。
なお、図1においては、例えばいわゆるスマートフォンなどの携帯情報端末装置や、タブレット型の情報端末装置、及びラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ(PC)などが利用者端末装置910として示されているが、利用者端末装置910として用いられるのはこれらのうちいずれであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。情報システム900のユーザ(利用者)は、利用者端末装置910を利用して、情報システム900を利用することができる。以下の例においては、利用者端末装置910としていわゆるスマートフォンが用いられることを想定して説明されているが、これに限られるものではない。
利用者端末装置910は、例えば一般的なスマートフォンであり、タッチパネルを備えたディスプレイデバイスを有している。利用者端末装置910は、種々の情報やプログラム等が記憶されている格納部、MPUやメモリ等から実現されており、プログラムを実行することで種々の処理を行う処理部、利用者端末装置910をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する通信部などを有している。
利用者端末装置910においては、処理部がプログラムを実行することにより、例えばウェブブラウザ機能を機能させたり、電子メールの送受信機能を機能させたりすることができる。このような機能により、利用者端末装置910のユーザは、ネットワークに接続されている他の装置から受信した情報を閲覧したり、利用者端末装置910に他の装置に向けて情報を送信させたりすることができる。
図2は、同情報システム900のブロック図である。
図2に示されるように、外部情報処理装置300は、格納部310、処理部350、通信部370を備える。外部情報処理装置300は、いわゆるウェブサーバ機能又は情報配信機能を有するサーバ装置である。
格納部310は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。格納部310には、種々の情報やプログラム等が記憶されている。これらの情報等が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部310で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部310で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部310で記憶されるようになってもよい。
処理部350は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。処理部350の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
通信部350は、外部情報処理装置300をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。通信部350は、例えば無線LANや携帯電話のデータ通信などを利用して無線通信を行うように構成されていてもよいし、各種の有線による通信を行うように構成されていてもよい。
外部情報処理装置300は、格納部310に格納されている情報を、ネットワークを介して他の装置に送信することができる。このような外部情報処理装置300の動作は、例えば、処理部350が他の各部の動作を制御することにより実現されうる。
本実施の形態において、外部情報処理装置300は、例えば、保険者である保険会社により用いられうる。この場合、その保険会社により提供される保険に関する情報(保険の契約者の付保情報などを含んでいてもよい)などを格納部310に格納している。外部情報処理装置300は、例えば、保険の契約者がログイン可能な当該保険に関するウェブサービスを動作させており、ログインした契約者に、その契約者の付保情報等を閲覧させることができるように構成されていてもよい。また、例えば、予め通信可能に設定されている外部の装置に対して、例えばAPIを介して保険に関する情報を送信可能であってもよい。
また、本実施の形態において、外部情報処理装置300は、例えば、国や地方自治体などの団体、企業、個人等により用いられているウェブサーバであってもよい。この場合、外部情報処理装置300は、格納部310に格納されておりウェブサイトにおいて閲覧可能となる情報を、外部からアクセスした装置に対して送信することができる。なお、外部情報処理装置300は種々のニュース情報やその他の情報の情報配信サーバとして機能することにより、これらの情報を外部の装置に対して送信することができるようにしてもよい。
図2に示されるように、保険情報管理装置100は、格納部110、取得部130、情報処理部150、情報出力部170、及び通信部190などを備える。
取得部130は、提供保険情報取得部131、支援制度情報取得部132、ニュース情報取得部133、付保情報取得部135、生活情報取得部136、事象発生情報取得部137、代理者情報取得部139を備える。
取得部130は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。取得部130の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
提供保険情報取得部131は、提供保険情報を取得する。提供保険情報取得部131は、例えば、様々な保険者の外部情報処理装置300にアクセスし、外部情報処理装置300から送信された提供保険情報を受信する。この場合、提供保険情報取得部131は、予め設定された、様々な保険者の外部情報処理装置300のアクセス先に関する情報(例えば、その外部情報処理装置300により公開されているウェブサイトのURLなど)に基づいて外部情報処理装置300にアクセスすればよいが、これに限られるものではない。なお、提供保険情報の取得態様はこれに限られず、例えば複数の保険者の提供保険情報を集約して保有する外部情報処理装置300にアクセスしてその提供保険情報を取得したり、保険情報管理装置100のユーザ(例えば、管理作業者など)により入力された情報を提供保険情報として取得するようにしてもよい。
支援制度情報取得部132は、支援制度に関する支援制度情報を取得する。支援制度情報取得部132は、例えば、国の機関や地方公共団体の機関などの様々な団体の外部情報処理装置300にアクセスし、外部情報処理装置300から送信された支援制度情報を受信する。この場合、支援制度情報取得部132は、予め設定された、様々な団体の外部情報処理装置300のアクセス先に関する情報(例えば、その外部情報処理装置300により公開されているウェブサイトのURLなど)に基づいて外部情報処理装置300にアクセスすればよいが、これに限られるものではない。なお、支援制度情報の取得態様はこれに限られず、例えば様々な支援制度の情報を集約して保有する外部情報処理装置300から支援制度情報を取得したり、保険情報管理装置100のユーザ(例えば、管理作業者など)により入力された情報を支援制度情報として取得するようにしてもよい。
ニュース情報取得部133は、ニュース情報を取得する。ニュース情報取得部133は、例えば、様々な情報配信ソースの外部情報処理装置300にアクセスし、外部情報処理装置300から送信されたニュース情報を受信する。この場合、ニュース情報取得部133は、予め設定された、様々な情報配信ソースの外部情報処理装置300のアクセス先に関する情報(例えば、その外部情報処理装置300により公開されているウェブサイトのURLなど)に基づいて外部情報処理装置300にアクセスすればよいが、これに限られるものではない。なお、ニュース情報の取得態様はこれに限られず、例えば様々なニュース情報を集約して保有する外部情報処理装置300からニュース情報を取得したり、保険情報管理装置100のユーザ(例えば、管理作業者など)により入力された情報をニュース情報として取得するようにしてもよい。
付保情報取得部135は、登録者に付保されている保険に関する付保情報を取得する。付保情報取得部135は、例えば、登録者やその代理者によって入力された保険に関する情報を付保情報として取得してもよい。また、付保情報取得部135は、例えば、登録者やその代理者によって入力された情報に基づいてそれぞれの保険の保険者の外部情報処理装置300から付保情報を取得してもよい。具体的には、例えば、登録者から保険の名称と保険の加入者番号等の入力を受け付けて、付保情報取得部135が、入力された情報に基づいて外部情報処理装置300にアクセスして、当該保険に関する情報を外部情報処理装置300から受信するようにしてもよい。外部情報処理装置300において、保険に関する情報を取得するためのAPIが用意されている場合、当該APIを利用して付保情報を取得するようにしてもよい。このようにして付保情報を取得することにより、登録者の作業負担を軽減することができる、また、付保情報の正確性を担保することができる。
生活情報取得部136は、登録者の暮らしに関する生活情報を取得する。生活情報取得部136は、例えば、登録者やその代理者によって入力された生活情報を取得してもよい。また、生活情報取得部136は、例えば、登録者やその代理者によって入力された情報に基づいて、外部情報処理装置300から付保情報を取得してもよい。具体的には、例えば、登録者から、登録者が加入する他のウェブサービスのアカウント情報(アカウント名やログインパスワードなど)の入力を受け付けて、生活情報取得部136が、入力された情報に基づいて外部情報処理装置300にアクセスして、当該ウェブサービスで保有されている登録者の暮らしに関する情報を外部情報処理装置300から受信するようにしてもよい。例えば、金融機関が運営するウェブサービスで保有されている銀行口座の残高情報や請求情報などを生活情報として取得するようにしてもよい。外部情報処理装置300において、生活情報に関する情報を取得するためのAPIが用意されている場合、当該APIを利用して付保情報を取得するようにしてもよい。
事象発生情報取得部137は、登録者に関して発生した事象に関する事象発生情報を取得する。事象発生情報取得部137は、登録者やその代理者によって入力された事象発生情報を取得してもよい。また、事象発生情報取得部137は、上述のようにして取得されたり格納部110において格納されたりしている各種情報に基づいて、登録者に関して事象が発生したことを判定し、その事象に関する情報を事象発生情報として取得するようにしてもよい。また、例えば保険者などにより管理されている外部情報処理装置300で取得された情報に基づいて、事象発生情報取得部137が事象発生情報を取得するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、登録者が加入する医療保険の保険者に登録者が後遺障害を負ったことが報告され、その情報が当該保険者の外部情報処理装置300に登録されたとき、事象発生情報取得部137がその情報を当該外部情報処理装置300から事象発生情報として取得するようにしてもよい。
代理者情報取得部139は、登録者毎に、その登録者を代理する代理者に関する代理者情報を取得する。代理者情報取得部139は、登録者やその代理者によって入力された代理者情報を取得してもよい。また、特定の保険について登録者がその代理者の情報を指定している場合などにおいて、代理者情報取得部139は、例えば、登録者やその代理者によって入力された情報に基づいて、当該特定の保険の保険者の外部情報処理装置300から代理者情報を取得してもよい。外部情報処理装置300において、保険に関する情報を取得するためのAPIが用意されている場合、当該APIを利用して代理者情報を取得するようにしてもよい。
格納部110は、提供保険情報格納部111、支援制度情報格納部112、ニュース情報格納部113、ユーザ情報格納部114を備える。格納部110は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。格納部110の各部には、例えば上述のような取得部130の各部によって取得された情報などがそれぞれ格納されるが、格納部110の各部に情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が格納部110で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が格納部110で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が格納部110で記憶されるようになってもよい。
提供保険情報格納部111には、提供保険情報取得部131により取得された提供保険情報が、各保険を特定可能な保険識別子に対応付けて格納される。
支援制度情報格納部112には、支援制度情報取得部132により取得された支援制度情報が格納される。
ニュース情報格納部113には、ニュース情報取得部133により取得されたニュース情報が格納される。
ユーザ情報格納部114は、付保情報格納部115、生活情報格納部116、事象発生情報格納部117、助言情報格納部118、代理者情報格納部119を有している。ユーザ情報格納部114の各部には、以下のように、ユーザ情報が、それぞれの登録者毎に格納される。例えば、ユーザ情報は、登録者に対応する登録者識別子に対応付けて格納される。これにより、登録者識別子が特定されていれば、それに対応する登録者に関するユーザ情報を特定することができるようになっている。
付保情報格納部115は、付保情報取得部135により取得された付保情報が、登録者に対応する登録者識別子及び保険識別子に対応付けて格納される。本実施の形態において、付保情報は、各保険が対応する事象の性質に対応する性質識別子に対応づけられて格納されている。
生活情報格納部116は、生活情報取得部136により取得された生活情報が、登録者に対応する登録者識別子に対応付けて格納される。本実施の形態において、生活情報格納部116は、事象発生情報格納部117を有している。
事象発生情報格納部117には、事象発生情報取得部137により取得された事象発生情報が、生活情報として格納される。
助言情報格納部118は、後述のようにして助言情報生成部155により生成された登録者に対する助言情報が、その登録者に対応する登録者識別子に対応付けて格納される。
代理者情報格納部119は、代理者情報取得部139により取得された代理者情報が登録者識別子に対応付けて格納される。代理者情報格納部119は、例えば、生活情報格納部116に設けられていてもよい。この場合、代理者情報は、登録者の生活情報として格納されていてもよい。
なお、本実施の形態において、提供保険情報は、各保険が対応する事象の性質に対応する性質識別子に対応付けて提供保険情報格納部111に格納されている。付保情報にある保険が特定されたとき、その保険識別子に基づいて、提供保険情報格納部111に格納されている保険を特定できるので、特定した保険に対応付けられている性質識別子を特定することができる。
情報処理部150は、アクセス権設定部151、リスク判定部152、付保状況判定部154、助言情報生成部155、支払判断部156、制度利用判定部157、登録者確認要求部158、代理者確認要求部159を有する。情報処理部150は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。情報処理部150の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
情報処理部150は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、上記のような情報処理部150の各部が、以下のように行う処理である。一例として、情報処理部150は、提供保険情報格納部111に格納されている情報と、付保情報格納部115に格納されている情報と、生活情報格納部116に格納されている情報とに基づいて、登録者の保険に関する情報処理を実行する。
本実施の形態において、情報処理部150は、提供保険情報、付保情報、及び生活情報のうち少なくとも1つの情報が更新されたとき、更新された情報に基づいて、登録者の保険に関する情報処理を実行する。
アクセス権設定部151は、保険情報管理装置100において格納されている、ユーザ情報についてのアクセス権を設定する。アクセス権は、登録者毎、代理者毎に設定されうる。例えば、一の登録者のユーザ情報については、当該一の登録者又はその代理者のみがアクセスすることができる権利を有するように設定されうる。
本実施の形態において、アクセス権設定部151は、一の登録者に関する情報について一の登録者の代理者が有するアクセス権を、一の登録者に関する情報について一の登録者自身が有するアクセス権よりも制限するようにしてもよい。例えば、一の登録者のユーザ情報については、当該一の登録者のみがアクセスすることができる権利を有するように設定されるようにしてもよい。また、例えば、特定の生活情報(例えば、よりセンシティブな問題に関する情報)については登録者のみがアクセスする権限を有し、代理者は他の情報にのみアクセスできるようにしてもよい。一の情報について、登録者が有する権限よりも代理者が有する権限が制限されていてもよい(登録者は変更等も可能であるが代理者は閲覧のみ可能であるなど)。このような代理者に対するアクセス権の制限は、代理者情報格納部119に格納されている情報に基づいて、登録者について代理者が設定されているか否かを判断し、代理者が設定されている場合にこのような処理を行うように設定されていることにより行われうる。
本実施の形態において、アクセス権設定部151は、生活情報格納部116に格納されている情報に基づいて一の登録者に所定の事象が生じたか否かを判断し、一の登録者に所定の事象が生じたと判断したとき、一の登録者の代理者が有するアクセス権についての制限を緩和する。ここで、所定の事象とは、重大事象ということがある。重大事象としては、登録者の死亡、高次脳機能障害の発症、認知症の発症などが挙げられるが、これに限られるものではない。このようなアクセス権設定部151による動作により、例えば一の登録者が死亡するまでは、特定のユーザ情報についてのアクセス権を当該登録者のみが有しており、当該登録者が死亡した後には、その登録者の代理者がアクセス権を有するようにすることができる。
リスク判定部152は、生活情報格納部に格納されている生活情報と、予め設定されたリスク判定条件とに基づいて、登録者について特定の事象が発生する可能性に関する判定を行う。特定の事象は、性質識別子に対応付けられる。すなわち、性質識別子とリスクとは対応付けられる。リスク判定条件とは、例えば、以下のようなものである。すなわち、例えば、統計情報などにおいて、生活情報に含まれる特定の情報(例えば、健診結果の値、特定の習慣の有無や頻度、その他暮らしに関連した性質の有無)と特定の事象の発生との因果関係が明らかにされている場合において、その特定の情報と特定の事象の発生確率とを関数として予め定めたものであったり特定の情報に基づいて特定の事象が発生するかどうかを判定する判断ロジックであってもよい。
本実施の形態においては、リスク判定条件として、予め定められた、個人の生活実態をパターン化した複数のリスクモデルが用いられる。リスクモデルとは、生活情報に含まれる特定の情報に基づいて定められる暮らしに関する傾向(例えば、健康状態に関する傾向、生活習慣に関する傾向など)と、その傾向を有する典型的な個人が有するリスクとを対応付けてモデル化したものである。
なお、リスク判定条件として、機械学習のアルゴリズムを利用したものを用いてもよい。これにより、的確に、撮影画像からオブジェクト識別子を取得することができる。また、機械学習のアルゴリズムを利用して上記のリスクモデルを定めてもよい。
機械学習のアルゴリズムの利用については、例えば次のようにすることができる。すなわち、生活情報に含まれる特定の情報を入力とし、特定の事象の発生可能性を出力とする学習器を、機械学習のアルゴリズムにより構成する。例えば、生活情報に含まれる特定の情報と、特定の事象が発生したかどうかに関する情報との組の情報を2以上、取得し、当該取得した2組以上の情報を、機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与え、学習器を構成し、格納部110に蓄積する。なお、機械学習のアルゴリズムは、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、SVR等、問わない。また、機械学習のモジュールは、例えば、TensorFlowのモジュール、fasttext、tiny_svm、各種のrandomForest関数等、種々のものを用いることができる。なお、学習器は分類器ということもできる。
付保状況判定部154は、リスク判定部152の判定結果と、付保情報格納部115に格納されている情報とに基づいて、登録者について、特定の事象に対応する保険の付保状況に関する判定を行う。付保状況判定部154は、付保情報格納部115に格納されている、特定の事象に対応する性質識別子に対応付けられている付保情報に基づいて、判定を行う。付保状況判定部154は、例えば、付保情報の有無、付保情報の内容に基づいて、判定を行う。すなわち、付保状況判定部154は、例えば、リスクが大きいと判定された特定の事象について保険による手当が行われていない(保険に加入していないとか、保険による補償が十分でないとか)ことを判定したり、リスクが小さいと判定された特定の事象について保険による手当が過剰であることを判定したりしてもよい。また、例えば、付保状況判定部154は、複数の保険による手当が重複していることを判定するようにしてもよい。
助言情報生成部155は、付保状況判定部154の判定結果と、提供保険情報格納部111に格納されている情報とに基づいて、登録者に対する保険に関する助言を含む助言情報を生成する。助言情報として、種々の態様のものを生成することができる。例えば、リスクが大きい特定の事象について付保が行われていないことが判定されたとき、その旨を含む助言情報を生成したり、提供保険情報に基づいて保険に加入することを勧める助言情報を生成したり、提供保険情報に基づいて具体的に加入することを勧める保険の銘柄やプランについての情報を含む助言情報を生成したりしてもよい。また、リスクが小さいと判定された特定の事象について保険による手当が過剰であることが判定されたとき、その旨を含む助言情報を生成したり、付保されている保険を解約することを勧める助言情報を生成したり、提供保険情報に基づいて付保されている保険のプランを変更することについての情報を含む助言情報を生成したりしてもよい。助言情報はこれに限られず、他の情報を含むものであってもよい。
本実施の形態において、助言情報生成部155は、保険に関するコスト情報に基づいて、登録者について付保されていない保険を付保するためのコストを算出し、算出したコストに基づいて助言情報を生成してもよい。より具体的には、例えば、助言情報生成部155は、登録者について付保されていない保険について算出した付保コストが、生活情報格納部116に格納されている生活情報に基づいて設定したコスト閾値よりも大きい場合に、保険が対応する特定の事象が登録者に発生する可能性を低下させるための行動(リスクを回避するための行動)を行うことを勧める情報を助言情報に含めるなどしてもよい。例えば、所定の期間において保険を付保するための保険料の積算額を算出して付保コストとすることができる。また、例えば、生活情報の入力時に登録者から受け付けた値をコスト閾値として設定してもよいし、登録者の所得額や家族構成等に基づいて所定の関数等を用いて算出した値をコスト閾値として設定してもよい。
また、本実施の形態において、助言情報生成部155は、事象発生情報取得部137により取得された事象発生情報に基づいて助言情報を生成してもよい。例えば、助言情報生成部155は、登録者に所定の事象が発生したとき、それに対応する助言情報を生成することができる。具体的には、例えば、助言情報生成部155は、後述の支払判断部156による判断結果に基づいて、発生した事象に関する保険金の支払いに関する情報を助言情報として生成してもよい。また、例えば、助言情報生成部155は、制度利用判定部157の判定結果に基づいて、利用者に対する支援制度に関する助言を含む助言情報を生成してもよい。この場合、登録者に対する支援制度に関する助言に限られず、その代理者に対する支援制度に関する助言を助言情報が含んでいてもよい。
支払判断部156は、事象発生情報取得部137により事象発生情報が取得されたとき、事象発生情報と付保情報格納部115に格納されている情報とに基づいて、登録者に付保されている保険により、登録者に関して発生した事象を保険事故とした保険金の支払が行われうるか否かに関する判断を行う。例えば、登録者の所定の条件下における入院を保険事故とする保険が付保されている場合において、当該所定の条件を満たす登録者の入院事象が発生したとき、支払判断部156は、保険金の支払いが行われうると判断するようにしてもよい。この場合、支払判断部156は、保険金の支払いが行われうるか否かの判断に限られず、支払われる保険金の金額に関する判断等を付保情報に基づいて行うようにしてもよい。このような支払判断部156による判断結果に基づいて、助言情報生成部155は、発生した事象に関する保険金の支払いに関する情報を助言情報として生成することができる。
制度利用判定部157は、登録者について生活情報格納部116に格納されている情報と、支援制度情報格納部112に格納されている情報とに基づいて、登録者が利用可能な支援制度があるか否かを判定する。このような制度利用判定部157の判定結果に基づいて、助言情報生成部155は、登録者に対する支援制度に関する助言を含む助言情報を生成することができる。
登録者確認要求部158は、所定の登録者通知タイミングが到来したときに、登録者に対して、登録者について格納されている付保情報及び生活情報のうち少なくとも一方の確認を求める通知を行う。通知は、例えば、登録者の利用者端末装置910に対して行われるようにすればよいが、これに限られない。通知は、利用者端末装置910において動作するオペレーションシステム又はアプリケーションにより機能するプッシュ通知として行われたり、電子メールとして送信されたりしてもよいし、登録者がアクセスしたウェブサイト上において表示されたりするようにしてもよい。通知を受けた登録者は、確認を求められた情報について確認を行い、必要に応じて情報の更新(変更、追加、削除等)を行うことができる。登録者確認要求部158は、登録者に対して情報の確認を求めた上で、当該情報の更新を求めてもよい。
本実施の形態において、登録者確認要求部158は、所定の登録者通知タイミングを、登録者について生活情報格納部116に格納されている生活情報に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、登録者が生活情報の入力時に指定したタイミングや通知の頻度に関する情報に基づいて登録者通知タイミングを設定してもよいし、生活情報に基づいて自動的に設定してもよい(例えば、登録者の生年月日に基づいて決定されるタイミングなど)。登録者確認要求部158は、登録者について生活情報格納部116に格納されている生活情報に基づいて登録者に将来発生する所定のライフイベントのタイミングを予測し、予測したタイミングに基づいて所定の登録者通知タイミングを設定するようにしてもよい。例えば、ライフタイミングとして、登録者の成人、定年退職、年金受給のタイミングを予測したり、家族の一般的な就学や就職のタイミングを予測したりし、そのタイミングに基づいて登録者通知タイミングを設定するようにしてもよい。例えば、生活情報に基づいて、登録者に高いリスクがあると判断される場合に、登録者通知タイミングを高頻度に設定するようにしてもよい。保険の付保状況の見直しが行われるべきタイミングに登録者通知タイミングを設定することが好ましく、登録者にしかるべきタイミングで通知が行われる場合、登録者による効果的な付保状況の見直しや登録者が失念していた保険金の支払い請求のリマインドに有用である。
また、登録者確認要求部158は、所定の登録者通知タイミングを、登録者の付保情報に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、保険の契約期間等に基づいて設定するようにしてもよい。
また、登録者確認要求部158は、ニュース情報取得部により取得されたニュース情報と登録者について生活情報格納部116に格納されている生活情報とに基づいて、所定の登録者通知タイミングを設定するようにしてもよい。例えば、事故の発生記事、天災が発生したエリアを特定する記事等(ニュース情報)と、生活情報とに基づいて、登録者が関連している可能性があれば(氏名が一致したりエリアが一致したりした場合など)、登録者確認要求部158による通知が行われるようにすることができる。登録者に保険事故が発生した可能性がある場合(登録者の居住エリアで所定値以上の震度の地震災害があった場合など)に通知が行われるように登録者通知タイミングを設定することが好ましい。この場合、保険事故が発生したことを事象発生情報として報告させるように、登録者に促すことができる。
代理者確認要求部159は、所定の代理者通知タイミングが到来したときに、代理者に対して、代理者が代理する登録者について格納されている付保情報及び生活情報のうち少なくとも一方の確認を求める通知を行う。本実施の形態において、代理者確認要求部159は、所定の代理者通知タイミングを、代理者が代理する登録者について生活情報格納部116に格納されている生活情報に基づいて設定するようにしてもよい。例えば、登録者確認要求部158による登録者通知タイミングの設定について上述したような方法と同様にして代理者通知タイミングを設定することができる。
情報出力部170は、例えば、外部の装置に対して格納部110に格納されている情報を送信するなどして、情報を出力する。本実施の形態において、情報出力部170は、後述のように、助言情報格納部118に格納されている助言情報を、例えば利用者端末装置910に送信することができる。
通信部190は、保険情報管理装置100をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。これにより、保険情報管理装置100は、例えば利用者端末装置910や外部情報処理装置300との間で情報の送受信を行うことができる。
(保険情報管理装置100により提供される保険情報管理サービスの説明)
以下に、本実施の形態において保険情報管理装置100により提供される保険情報管理サービス(以下、管理サービスということがある)の一例について、説明を行う。管理サービスは、例えば、情報処理部150が所定の情報処理を行い、上述のように構成された保険情報管理装置100の各部がそれぞれ連携して動作することにより行われる。
まず、管理サービスの概要について説明する。この管理サービスは、一般的な生活者である登録者の個人の家計経営や生涯設計に関する情報に基づいて、保険を中心としたリスク管理施策につき「見える化」を行い、その計画、実行、維持、管理に資する事項、情報提供、注意喚起等を助言情報として出力することで、実務的な支援を「ワンストップサービス」の形で提供するものである。
また、本実施の形態において、管理サービスでは、登録者は、登録者の代理者として代理者を指定することができる。代理者を活用することにより、登録者に万が一の際の「コンティンジェントプラン」を確保することができる。
管理サービスにより提供される事項として、その概要は以下の通りである。これらの全てが必ず提供される必要はなく、一部のみの事項が管理サービスにより提供されるようにしてもよい。
例えば、登録者の日常生活に関連して、リスクと保険に関する固有の一覧資料を提供し(見える化)、家計経営に資するべきリスク保険契約管理に係る統合的認識の形成を促進することができる。リスクと保険に関する固有の一覧資料は、例えば、助言情報として生成されるようにしてもよい。
例えば、登録者の保険プログラムや代替的リスクヘッジの施策、契約等について、適切に維持、管理するための助言や関連情報を提供し、必要に応じて注意喚起を行うことができる。
例えば、登録者に生活上の保険事故(リスクイベント)が生じた場合、この事象に関連する総ての保険契約に係る保険金やその他給付金の請求に関して、適正かつ効率的な請求活動や書類の徴求を可能とするための助言、支援を行うことができる。また、かかる登録者の状況に関連して、保険以外にも適応されるべき公的制度や支援に関する申請の手順や申し込みの方法に関して助言を行うことができる。
例えば、登録者の固有のアカウントに係る日常業務を支援するため、また登録者自身の死亡や高度な障害、認知力の減少、滅失等の重大事態の発生に際して確実な保険プログラムの維持や円滑な保険金の請求行為が継続されることを期して、登録者の代理者を通じた支援サービスを提供することができる(コンティンジェントプラン)。
なお、管理サービスの運用に際し、管理サービスの提供者は、真にユーザサイドに立ったサービスの提供を担保するため、そのサービスプラットフォームにおいて、代理店手数料の収得を期した一切の保険勧誘行為、募集媒介行為、特定商品の推奨行為等、保険の営業活動を行わないようにすればよいが、これに限られるものではない。
図3は、同保険情報管理装置100により提供される保険情報管理サービスの全体の流れを示すフローチャートである。
図3に示されるように、管理サービスは、大まかに、3段階の流れで提供される。
(ステップS11)まず、提供保険情報取得部131は、提供保険情報を取得する。
(ステップS12)提供保険情報取得部131は、取得した提供保険情報を、保険識別子に関連付けて、提供保険情報格納部111に格納する。
(ステップS13)情報処理部150は、新規の登録者のアカウントを生成したか否かを判断する。例えば、新規の登録者に関するアカウント登録処理(例えば、保険情報管理装置100が公開するウェブサイトに設けられたアカウント登録フォームに入力された所定の情報を受信する処理など)が行われたとき、情報処理部150は、新規の登録者のアカウントを生成したと判断する。アカウントを生成したと判断された場合はステップS14に進み、そうではない場合はステップS16に進む。
(ステップS14)情報処理部150は、初期段階処理を行う。初期段階処理では、登録者からのユーザ情報(付保情報、生活情報など)の入力が受け付けられる。初期段階処理の詳細については、後述する。
(ステップS15)情報処理部150は、初期段階処理で受け付けた情報に基づいて、分析処理を行う。分析処理では、初期段階処理で受け付けた情報に基づく登録者への助言情報の生成が行われるが、これに限られるものではない。分析処理の詳細については、後述する。ステップS16に進む。
(ステップS16)情報処理部150は、中間処理タイミングが到来したか否かを判断する。中間処理タイミングは、後述する中間段階処理における各処理のいずれかが行われるトリガとなるいずれかのタイミングである。中間処理タイミングが到来したと判断された場合はステップS17に進み、そうでない場合はステップS18に進む。
(ステップS17)情報処理部150は、中間段階処理を行う。中間段階処理として、それぞれ所定のタイミングが到来したときなどに、登録者又は代理者への情報の確認を求める通知が行われたり、情報の更新処理が行われる。また、中間段階処理として、登録者又は代理者からの変更操作が行われた場合に、それに伴う処理が行われる。中間段階処理の詳細については、後述する。ステップS18に進む。
(ステップS18)情報処理部150は、イベントが発生したか否かを判断する。例えば、情報処理部150は、内部において設けられているイベント発生フラグが立っている(例えば、「1」である)とき、イベントが発生したと判断する。イベントが発生したと判断したと場合はステップS19に進み、そうでない場合はステップS13に戻る。
(ステップS19)情報処理部150は、イベント発生段階処理を行う。イベント発生段階処理では、発生した事象に応じて、助言情報の生成処理などが行われる。イベント発生段階処理の詳細については後述する。ステップS13に戻る。
なお、図3に示される処理は、保険情報管理装置100の電源オフや処理終了の割り込みにより終了する。
(初期段階処理及び分析処理の説明)
以下に、管理サービスにおける初期段階処理及び分析処理について説明する。
図4は、同保険情報管理サービスの初期段階処理及びそれに伴い行われる分析処理の概要を説明する図である。
まず、提供保険情報取得部131により、提供保険情報の取得が行われる。すなわち、保険情報管理装置100から、各保険者や公共団体の外部情報処理装置300に対して提供保険情報の問合せ(外部情報処理装置300により公開されているウェブサイトのファイルの取得要求などであってもよい)が送信される(ステップS21)。そして、外部情報処理装置300から保険情報管理装置100に、提供保険情報が送信される(ステップS22)。提供保険情報取得部131により、提供保険情報の取得が行われ、保険情報管理装置100において提供保険情報が保有された状態となる。なお、このとき、支援制度情報の取得も行われるようにしてもよい。
管理サービスの提供を求めるユーザは、保険情報管理装置100にアクセスする。例えば、保険情報管理装置100により公開されている管理サービスのウェブサイトにアクセスする。管理サービスセキュリティで隔離されたユーザ固有のアカウントを開設する(ステップS31)。
アカウントが開設されると、例えば、保険情報管理装置100から登録者の利用者端末装置910に対して、情報を入力するための要求が行われる。具体的には、例えば、保険情報管理装置100から利用者端末装置910に対して、情報を入力するための入力フォームが送信される(ステップS32)。そうすると、登録者は、付保情報や生活情報等の情報をフォームに入力し、保険情報管理装置100に送信する(ステップS33)。
このとき、登録者は、代理者を指定し、その代理者情報も保険情報管理装置100に送信するようにしてもよい。管理サービスにおいて、代理者の指定は必須とされていてもよいし、任意とされていてもよい。また、代理者は、2名以上が指定されていてもよく、その場合、各代理者のアクセス権限が異なるように設定されていてもよい。
なお、情報の入力方法としては、種々の方法を採りうるが、例えば以下のようにしてもよい。すなわち、生活情報の入力に際しては、個人の属性に関する項目別のドロップダウンから、登録者に当てはまるデータを選択することにより入力する方法を採ることができる。
ここで、例えば、付保情報の入力については、登録者自らが、保有している保険証券などに記載されている事項を適宜入力することにより行われてもよいが、これに限られない。例えば、管理サービスによる入力支援が行われてもよい。例えば、先に入力された生活情報に基づいて、初期プロファイルを構成し、かかる初期プロファイルを、登録者個人の生活実態に即したリスクモデルにあてはめ、そこから得られたリスクに対応する種類の保険に加入しているか否かに関する情報や、加入している保険の情報について、登録者と管理サービスとの間で双方向的なやりとりを行うことにより、入力を求めてもよい。
このようにして、ユーザ情報が保険情報管理装置100に送信されると、保険情報管理装置100では、分析処理が行われる。そして、その結果として登録者に対する助言情報が生成され、生成された助言情報が利用者端末装置910に送信される(ステップS34)。例えば、登録者のユーザ情報、リスク判定条件、及び提供保険情報などに基づいて、リスクとそれに対応する保険契約に関する情報や、リスクマネジメントの観点から登録者について発券された課題や、加入を検討すべき保険の種目や、保険加入の代替となり得るリスク対応方法、登録者への注意喚起等が、助言情報として保険情報管理装置100に送信される。
図5は、同初期段階処理を示すフローチャートである。
初期段階処理では、例えば、以下のような動作が保険情報管理装置100において行われる。
(ステップS101)まず、管理サービスの提供において用いられる各種のフラグがリセットされる。すなわち、例えば、登録者が健在であるか否かを示す登録者健在フラグと、代理者が指定されているか否かを示す代理者存在フラグと、事象が発生したか否かを示す事象発生フラグとを、それぞれ「0」にセットする。なお、このようなフラグを用いた処理方法は必ずしも用いられる必要はなく、他の方法によって同様の処理が実現されていてもよい。
(ステップS102)生活情報取得部136は、生活情報を取得し、登録者識別子に関連付けて生活情報格納部116に格納する。登録者が代理者を指定するときには、代理者情報取得部139が登録者により入力された情報に基づいて代理者情報を取得し、代理者情報格納部119に格納する。
(ステップS103)付保情報取得部135は、付保情報を取得し、登録者識別子及び保険識別子に関連付けて付保情報格納部115に格納する。
(ステップS104)登録者確認要求部158は、生活情報格納部116に格納されている登録者の生活情報に基づいて、登録者通知タイミングを設定する。
(ステップS105)情報処理部150は、登録者について、生活情報として代理者情報が含まれているか否か(代理者が指定されているか否か)を判断する。代理者情報が含まれている場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS108に進む。
(ステップS106)情報処理部150は、代理者存在フラグを立てる(例えば、「1」にセットする)。
(ステップS107)代理者確認要求部159は、代理者通知タイミングを設定する。代理者確認要求部159は、生活情報格納部116に格納されている登録者の生活情報に基づいて、代理者通知タイミングを設定する。ステップS108に進む。
(ステップS108)アクセス権設定部151は、生活情報格納部116に格納されている生活情報及び付保情報格納部115に格納されている付保情報について、アクセス権を設定する。
ステップS108の処理が終了すると、初期段階処理が終了する。
図6は、同初期段階処理において取得される生活情報の一例について説明する図である。
図6に示されるように、本実施の形態において、生活情報には、例えば、入力することが必須とされている必須登録項目に属する情報と、任意に入力されることが求められる任意登録項目に属する情報とが含まれる。なお、図6に示される項目はあくまで例示に過ぎないことはいうまでもない。
必須登録項目としては、例えば、以下のような情報が含まれればよい。すなわち、主たる住居の住所、年齢及び予定定年退職年齢、職業及び職位(法人役員、被用者、個人事業主、自由業他)、年収及び住宅ローン残高(払い済み期限)、生計維持状況(生計を共にする就労者の有無など)、家族構成(登録者及び構成員の年齢、扶養義務の有無とその期限など)、住居構造の明細(所有、賃貸の区別など)、自家用車(二輪含む)の保有状況(非保有の場合、カーシェアリングを含む他車運転機会の有無に関する情報を含んでいることが好ましい)、自転車及び類似乗用具の保有台数及び使用者、及び法定相続人の状況などが挙げられる。
また、任意登録事項としては、例えば、以下のような情報が含まれればよい。すなわち、健康保険の状況、介護保険の状況、雇用保険の状況、公的年金の状況、要介護者(老齢、障がい、長期療養)の有無、ペット保有の有無、別荘や小型舟艇などの保有の有無、任意団体役員などの活動の有無、コミュニティ活動やボランティア活動の有無、趣味の有無、余暇の過ごし方、及び取り組んでいるスポーツに関する情報などが挙げられる。
図7は、同初期段階処理において取得される付保情報の一例について説明する図である。
図7に示されるように、本実施の形態において、付保情報としては、各種の保険のうち、登録者が加入する保険について、登録者の加入情報が入力される。例えば、付保情報として入力されうる保険の種類や銘柄は、提供保険情報に基づいて設定されるようにしてもよい。なお、図7に示される項目はあくまで例示に過ぎないことはいうまでもない。
すなわち、付保情報として登録されうる保険の種類として代表的に挙げられるものは、以下のものである。すなわち、いわゆる生命保険、少額短期保険又は生命保険共済について、例えば、定期保険、養老保険、終身保険、信用生命保険、ガン・医療保険(定額補償・定期、終身)、学資保険、介護保険、年金保険(定額、変額、外貨建て)、長期所得補償保険、経営者保険などが挙げられる。また、いわゆる損害保険、少額短期保険又は損害保険共済について、例えば、建物火災保険(地震保険、風水災保険含む)、家財火災保険(地震保険、風水災保険、賃貸入居者保険含む)、自動車保険(自動車損害賠償責任保険、ドライバー保険含む)、賠償責任保険、傷害保険、所得補償保険、子供保険、がん・医療保険(実費補償型)、動産総合保険(盗難保険、含む)などが挙げられる。また、いわゆる団体保険又は職域加入保険として、団体定期・医療・年金保険(Aグループ、Bグループ)、労災任意上乗せ保険、団体傷害保険・学校団体保険、団体長期所得補償保険、公共団体活動保険等が挙げられる。また、いわゆるイベントトリガー保険として、海外旅行保険(駐在員・留学生保険含む)、ペット保険(損害保険、少額短期保険)、スポーツ保険(ゴルフ、テニス、ヨット、モーターボート、ダイビング、釣り等)、費用保険(弁護士費用、遭難救助費用、キャンセル費用等)などが挙げられる。
各保険について登録される加入情報(登録項目)としては、例えば以下のような情報が含まれればよい。すなわち、保険種類・商品名、引受保険会社・共済組合名、扱い代理店と連絡先、保険契約者、保険期間と満期更改日、保険金額、保険料払い込み方法と払い込み期間、付帯特約、被保険者名、保険金受取人などが挙げられる。
図8は、同保険情報管理装置100において行われる分析処理を示すフローチャートである。
分析処理では、大まかに、登録者が有するリスクの見積りと、付保状況とのすりあわせ、及び付保すべき保険の推薦(リコメンド)等が行われる。
(ステップS131)図8に示されるように、リスク判定部152が、生活情報に基づいて、登録者が有するリスクについての判定を行う。本実施の形態において、登録者が保有するリスクについての判定は、例えば、登録者の生活情報と、所定のリスクモデルであるリスク判定条件とに基づいて行われる。
図9は、同分析処理において用いられるリスクモデルの一例について説明する図である。
リスクモデルは、例えば、複数の家族構成パターンと、それぞれの家族構成パターンについて設定された想定リスク値(保有していると考えられるリスクの大きさ)とを対応付けたものである。
家族構成パターンとしては、例えば以下のように設定されていればよい。すなわち、現役世代核家族(生計を共にする子供あり)、現役世代夫婦(DINKS、エンプティネスターを含む)、複数世代家族(基本的に登録者が主たる生計者である前提とする)、引退夫婦(年金生活又は非正規就労)、現役単身生計者(就労者、非正規就労、無職)、高齢単身生計者(年金生活、非正規就労、無職)などが家族構成パターンとして挙げられる。
そして、それぞれの家族パターンについて、以下のようなリスク要素について、リスクとなる事象の発生率(発生可能性)と当該事象が発生した場合の損害額とが対応付けられて定められている。なお、各リスクは、その事象の性質に対応する性質識別子に対応づけられていればよい。すなわち、リスク要素として、疾病死亡リスク、傷害死亡リスク、疾病、傷害による後遺障害リスク、ユーザの介護・長期療養リスク、疾病・傷害治療費用リスク、家族の介護・長期療養・治療費用リスク、所得・収入減少リスク、財物リスク、自然災害リスク、賠償責任リスク、製品保証リスク(PL、瑕疵担保保証、延長保証)、金融リスク(保険を介した資産運用のみ対象)、信用リスク(金融機関信用格付け、保険金詐欺、特殊詐欺)、保証リスク(入居者保証、身元保証、連帯債務保証)などが挙げられる。
リスク判定部152は、例えば、生活情報に基づいて、リスクモデルにある複数の家族構成パターンのうち登録者が該当するものを特定する。そして、特定した家族構成パターンに対応付けて設定されている各リスク要素の内容を、その登録者が有するリスクであるものとして判定を行うことができる。
なお、リスク判定部152は、上述のようにしてリスクモデルとして設定されているリスクを登録者のリスクとして特定した上で、生活情報から認定できる各登録者の個別の特性に応じて、各リスク要素の内容を増減するなどして、各登録者の有するリスクを補正してもよい。例えば、登録者が喫煙者であるか否かの情報や、喫煙量の情報などに基づいて、疾病による死亡についての発生率を増減するようにしてもよい。また、例えば、所有する資産や家族の年齢などに応じて、特定の事象が発生したときの損害額を増減するようにしてもよい。
(ステップS132)図8に戻って、付保状況判定部154は、リスク判定部152の判定結果と付保情報とに基づいて、登録者の付保状況についての判定を行う。付保状況についての判定は、例えば、上述のようにして行われる。
(ステップS133)助言情報生成部155は、付保状況判定部154の判定結果に基づいて、助言情報を生成する。
(ステップS134)助言情報生成部155は、生成した助言情報を登録者識別子に対応付けて助言情報格納部118に格納する。
(ステップS135)情報出力部170は、生成・格納された助言情報について、出力するか否かを判断する。情報出力部170は、例えば、助言情報が生成された場合には、常に、出力すると判断してもよい。また、情報出力部170は、所定の場合(例えば、前回助言情報を出力してから所定期間が経過していない場合や、登録者により明示的に出力をしない旨が設定されている場合などであるが、これに限られるものではない)に該当する場合以外に、出力すると判断してもよい。このような判断が行われず、常にステップS136の処理が行われるようにしてもよいし、常にステップS136の処理が行われないようにしてもよい。助言情報を出力すると判断された場合にはステップS136に進み、そうでない場合は分析処理を終了する。
(ステップS136)情報出力部170は、助言情報格納部118に格納された助言情報を出力する。その後、分析処理を終了する。
助言情報が、例えば登録者の利用者端末装置910に送信されることにより、登録者は、保険に関する助言を得ることができる。登録者は、得られた助言の内容に応じて、保険の契約やその他の事項について、検討することが可能となる。
なお、付保状況の判定と、それに応じた助言情報の生成及び出力は、例えば以下のようにして行われればよい。
図10は、同分析処理において行われる付保状況の判定について説明する図である。
図10において、上段の表は、提供保険情報に含まれる情報の一例を示し、中段の表は、登録者についてリスク判定部152により判定されたリスク判定結果の一例を示し、下段の表は、登録者の付保情報に含まれる情報の一例を示す。なお、図において、各情報の内容例は簡略化、概念化されて示されている。
提供保険情報においては、例えば、保険名(例えば、保険の商品名であってもよい)、保険識別子、当該保険により手当てされる事象に対応する性質識別子、及び当該保険を付保するためのコスト情報などが含まれる。保険識別子は、各保険を一意に特定できるように各保険に対応付けられている。性質識別子は、各保険において手当てされる事象(保険事故として認められる事象)に対応付けて示されており、各保険の内容によって、複数の性質識別子が対応付けられていることがある。なお、同一の商品名の保険であっても、保険金の支払い条件やその他の内容が異なる場合には別々の保険識別子や性質識別子が対応付けられて情報が格納されていてもよいし、提供保険情報の内容や形式等は、これに限られるものではない。
リスク判定結果については、例えば、リスクとなる事象毎に、その事象を特定可能な性質識別子、発生率、及び発生した場合に想定される損害額等の情報が対応付けられている。例えば、図に示されている例においては、「傷害死亡」のリスクは「疾病死亡」のリスクよりも比較的小さいことが示されている。また、家族治療費用が必要となること(「家族治療費用」)については、発生率と損害額とが共に比較的小さいために、比較的リスクが小さいといえるが、本人の治療費用が必要となること(「治療費用」)については、発生率と損害額とが比較的高く、家族治療費用が必要となるリスクよりもリスクが大きいということが示されている。
付保情報においては、例えば、登録者に付保されている保険の名称(例えば、保険の商品名であってもよい)、当該保険を特定する保険識別子、保険金額、及び保険期間などの情報が含まれる。保険識別子は、付保情報と提供保険情報とで同一の保険を指すものとして共通するものが用いられる。
付保状況判定部154は、これらの情報に基づいて、登録者の付保状況についての判定を行うことができる。具体的には、リスク判定結果において、各事象の発生に備えた保険が付保されているかどうかを判定することができる。このような判定は、例えば、リスクとなる事象に対応する性質識別子が、付保されている保険に対応する性質識別子と一致するか否かを判定することにより、行うことができる。付保情報に含まれる保険に対応する性質識別子は、例えば提供保険情報において特定することができるが、予め付保情報に性質識別子が含まれるようにしてもよい。
そして、付保状況判定部154は、例えば、登録者が大きなリスクを有しているが当該リスクについて手当を行う保険が付保されていない場合や、リスクが小さい割に過度の保険が付保されている場合などに、その旨を判定する。これらの判定は、例えば、予め、各リスクについて、発生率に関する所定の閾値を定めておいたり、発生率に損害額を乗じた値(リスクの大きさ)に関する所定の閾値を定めておいたりしたうえで、リスク判定結果に基づく値と当該閾値を比較することなどにより行うことができるが、これに限られるものではない。
図に示される例では、例えば、子供の行為により生じる賠償責任のリスク(「賠償責任(子供)」)について、当該事象を対象とする付保中の保険(性質識別子「A210」に対応する保険)として、自動車保険(保険識別子「1007」)と、子供保険(保険識別子「1008」)の2つが付保されていること、すなわち保険の重複があることが見て取れる。また、例えば、本人の治療費用が必要になるリスクの発生率が、所定の閾値(例えば「0.20」に設定されていると想定する)よりも高い「0.40」であるにもかかわらず、当該リスク(性質識別子「0.205」)に対応する保険が付保されていないことが見て取れる。
助言情報生成部155は、例えば、このような付保状況判定部154の判定結果を登録者に認知させるような助言情報を生成する。また、判定結果に基づいて、登録者が今後とりうる方策についての助言を含む助言情報を生成するようにしてもよい。
図11は、同分析処理において生成される助言情報の内容の一例について説明する図である。
図11においては、保険情報管理装置100において生成されたた助言情報が登録者の利用者端末装置910に送信され、利用者端末装置910の表示部に表示された状態が示されている。助言情報は、例えば、保険情報管理装置100が公開するウェブサイトにおいて、ログインしている登録者のみが閲覧可能なウェブページとして表示されるが、これに限られるものではない。
図11に示される例では、例えば、上記の例において説明した、自動車保険と子供保険とが子供の賠償責任に関して重複して付保されていること、及び本人の治療費用が必要となるリスクに備える保険が付保されていないこと、という付保状況の判定結果に応じて、その旨を表す助言を含む画面の表示例が示されている。このような画面を見ることにより、登録者は、管理サービスにより生成された助言情報の内容を的確に把握することができ、必要に応じて対応する行動をとることができる。
なお、図11に示される例では、助言情報として、登録者が加入することを勧める保険に関する情報(リコメンド表示)が含まれている。ここでは、例えば、本人の治療費用が必要となるリスクに備える保険が付保されていないことに関して、提供保険情報に含まれる保険の中から登録者に適合するものとして選ばれた保険が示されている。登録者は、このようなリコメンド表示を見ることで、付保状況に対応する行動を容易に取ることができる。なお、登録者に勧める保険の選定については、付保状況判定部154の判定結果と、生活情報と、提供保険情報とに基づいて、適宜行うようにすればよい。例えば、手当てすべき事象を対象とする保険をランダムに選定するようにしてもよいし、コストが所定値未満であると判断される保険プランを選定するようにしてもよい。
なお、登録者に付保されていない保険がある場合においても、このような具体的なリコメンド表示は行わないようにしてもよい。
なお、より具体的には、付保状況の判定及び助言情報の生成は、以下のようにして行ってもよい。
すなわち、例えば、付保されている保険の各付保項目の適切性(保険金額、補償範囲、保険期間、重複契約、被保険者、保険金受取人等)について判定し、判定結果に基づいて保険の条件の変更を推奨する助言を行うようにしてもよい。具体例としては、生命保険における合計保険金額(死亡、定額医療保険)や、死亡保険金受取人と法定相続人との関係や、火災保険における保険金額や、自動車を含む賠償責任保険における支払限度額などについて、助言を行うと有用である。また、生命保険料の所得対比の長期シミュレーションを行い、その結果に基づいて生命保険料の増減などについて助言を行うようにしたり、生保と損保との重複分野(がん保険、医療保険、傷害保険等)について、重複の実情について留意点の指摘を行うようにしてもよい。
助言情報の出力時には、例えば、登録者が管理サービスのウェブサイトにログインした場合にのみ表示されるウェブページに分析結果を表示するとともに、登録されている情報の正確性や包括性の見直しを求めるようにしてもよい。また、重複保険に関する助言として、具体的には、例えば、一方契約の解除、重複契約の統合、及び特約の調整等を提示してもよい。また、助言情報を、想定されるリスクと、それらについての付保状況とを対応付けて示す一覧表として生成して登録者に提示可能にしてもよい。このような助言情報の出力態様を採用することにより、登録者が、自身の付保状況について理解することが容易となる。
なお、重複している保険があるとき、解約の勧請はしないようにしてもよい。
同種の保険が重複している例としては、定期生命保険と、医療保険/がん保険を複数契約している場合や、損害保険個人賠償責任保険と自転車保険を重複契約している場合が挙げられる。また、生命保険の災害補償特約と損害保険の傷害保険とが同種の特約が重複している例として挙げられる。保険の重複は、保険加入の認知が低いものがある場合に発生することがある。例えば、クレジットカード付帯海外旅行保険と空港等で加入する海外旅行保険とが重複していたり、住宅ローンに付帯する団体信用生命保険と定期保険とが重複していたりする例が挙げられる。
付保されていないリスクがある事例、特に、重大なリスクを含む場合が多いにもかかわらず、登録者の対応が漏れがちである事案としては、例えば以下のようなものが挙げられる。すなわち、住宅ローン付帯火災保険における家財火災保険、単身生計となった子供に係る自動車保険、単身生計者の傷害保険などがある。また、一般に未付保が発生しやすい事案としては、原動機付バイクの自賠責及び任意保険、子供や単身生計者の自転車保険などが挙げられる。
なお、助言情報生成部155は、上記のような分析に基づいて注意喚起し、未付保リスクに対する助言を行う一方で、付保するためのコストと付保により得られる利益とに基づいて、当該リスクを回避することについての助言を助言情報に含めるようにしてもよい。例えば、地域におけるスポーツ指導など、重大な賠償責任のリスクを伴うボランティア活動に参加するケースにおいて、指導者の賠償責任保険が未付保であった場合には、イベント主催者に保険の付保を求めることか、登録者の当該ボランティア活動への不参加を検討することのいずれかの方策をとるように助言するようにしてもよい。また、例えば、火災保険における自然災害リスク(地震、水災、風災、高潮等)について、外部情報処理装置300などから取得した防災ハザードマップなどの情報に基づいて、登録者が潜在的に被る損害の蓋然性を推定し、これに対応するための保険への加入に関する助言と共に、当該自然災害リスクを回避するための手段をとること(例えば、防災、減災、避難行動を行うことなど)の助言を含む助言情報を生成するようにしてもよい。
また、助言情報として、フィナンシャルプランニングの観点からの登録者への助言を含むものを生成するようにしてもよい。例えば、生活情報に含まれる年齢、家族構成、年収、ローン残高等の情報に基づいて、フィナンシャルプランニングの観点から適正保険金額の算出を行ったり、今後のライフイベントの予測結果(住宅ローンの完済、子供の独立、定年退職等)を踏まえた保険の付保状況の調整の必要性を判定し、それらの結果に基づいて助言情報を生成してもよい。
より具体的には、例えば、適正保険金額と現行保険金額の合計をすり合わせ、現行保険プログラムの適合性を評価し、評価結果を助言情報として提示するようにしてもよい。また、予測した各ライフイベントを勘案し、ライフステージの各段階における保険プログラムが適正な内容になるように、保険金額の増減、保険種目の転換、及び追加契約の検討等を行うことについて助言を行ってもよい。例えば、子供の成長や独立が予測される場合、大型死亡補償の定期保険から保険金額を削減し、医療保険や認知症保険等の生存給付型保険への加入の検討を促して、保険の資産構成を変更することを提案するようにしてもよい。
また、自動車、二輪車、小型舟艇、自転車、住宅、幼児、ペット等に関連して発生する賠償責任のリスクがある場合、付保している保険における被保険者の範囲について適正な内容になっているかを注意するように助言を行うことが有用である。
また、登録者やその家族等の年齢に応じてリスクの変化(加齢、成人、独立等)を予測したり、例えばシェアリングエコノミーの発展状況など、社会的情勢の変化を踏まえて、付保状況の適正性や、今後の付保の必要性などについての助言情報を生成するようにしてもよい。
また、登録者が、固有の属性を有していることが生活情報に照らして認められる場合、例えば以下のようにして助言情報を生成するようにしてもよい。例えば、住居の構造と所在地、自動車、二輪車、自転車等の有無、登録者のライフステージ、参加しているボランティア活動の有無等の情報に基づいて、登録者固有のリスク判定を行うようにしてもよい。登録者固有のリスク判定を行うにあたっては、登録者の生活情報に含まれる付加的な属性データ(例えば、アクティブスポーツ(スキー、ゴルフ、登山、ダイビング、ヨット、モーターボート等)に取り組んでいること、海外旅行に頻繁に行くこと、ペットを飼育していること、別荘を保有していることなど)も加味して、リスク判定を行うことが好適である。
(中間段階処理の説明)
以下に、管理サービスにおける中間段階処理について説明する。
中間段階処理において、管理サービスは、登録者毎の保険に関する情報について、登録者に対して、健全な維持管理を行うための助言を行い、必要に応じて注意喚起を実施する。初期段階処理において登録者が入力した情報は、時間の経過などに伴い、現在の登録者の状況から乖離した内容になっている可能性がある。中間段階処理を行うことにより、新たなデータの登録や必要となる既存の情報の変更など、ユーザ情報の更新が適切に行われるようにし、登録者の現状に即応した管理サービスを提供できるようにすることができる。
図12は、同保険情報管理サービスの中間段階処理の概要を説明する図である。
図12に示されるように、中間段階処理では、例えば、ユーザ情報や、提供保険情報や、支援制度情報などの取得・更新を図る処理が、保険情報管理装置100により行われる。
すなわち、ユーザ情報の更新については、例えば、後述するように、登録者や代理者に対して、ユーザ情報の確認要求が行われる(ステップS41)。例えば、確認要求は、保険情報管理装置100から登録者の利用者端末装置910に対して、情報の更新を行うための入力フォームを送信することにより行われる。確認要求に対して、登録者や代理者は、ユーザ情報を確認した上で、必要に応じて生活情報や付保情報の更新操作を行う。これにより、利用者端末装置910から保険情報管理装置100に対して生活情報や付保情報が送信される(ステップS42)。本実施の形態においては、このようにユーザ情報の更新が行われたとき、保険情報管理装置100において分析処理が実行され、助言情報が生成される。生成された助言情報は、保険情報管理装置100から利用者端末装置910に送信されればよい(ステップS43)。
また、提供保険情報の更新や、支援制度情報の取得・更新については、保険情報管理装置100から、保険者や所定の団体などの外部情報処理装置300に確認を行い(ステップS44、ステップS46)、外部情報処理装置300から保険情報管理装置100に送信される提供保険情報や支援制度情報を取得するようにすればよい(ステップS45、ステップS47)。
中間段階処理の具体例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
すなわち、登録者からの報告や情報入力等がなくても、保険情報管理装置100が保有している情報に基づいて、注意喚起を目的とした所定の通知を自動的に行うようにしてもよい。例えば、契約終期と継続更改に関する注意喚起や、更新契約の登録勧請(特に自動継続やオプトアウトの場合)を行うようにしてもよい。また、例えば、中間配当金や満期返戻金の払い戻しの到来時期の通知が行われるようにしてもよい。また、例えば、被保険者の年齢や追加被保険者の経済的独立などのライフイベントに応じたタイミングでその旨を通知するようにしてもよい。なお、助言情報の出力という概念がこの種の通知を行うことを含むというように理解してもよいし、含まないように理解してもよい。
このような通知としては、ほかにも以下のような場合に行うようにしてもよい。
例えば、既存の保険の契約に対し、新規に契約された同種の保険が重複契約と推定される場合にその旨を通知するようにしてもよい。また、登録されている保険契約の解除(契約者解除、保険者解除)が行われた場合に、その旨を通知するようにしてもよい。また、例えば火災や自然災害で住居が滅失した場合など、特定の事象(リスクイベント)があったとき、それに関連する事項(例えば、保険金の請求に関する情報など)について通知が行われるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態において、保険情報管理装置100は、所定の登録者通知タイミングが到来したとき、登録者の利用者端末装置910に対して、登録されているユーザ情報に関する内容の確認を要求してもよい。例えば、定期的(6ヵ月目途)に、登録者に対して問い合わせメールを発信して、登録者本人から、管理サービスに登録されているユーザ情報が現状に即したものとなっているか否かの確認を求め、変動がある場合には情報のアップデートを求めるようにしてもよい。
また、保険情報管理装置100は、所定の代理者通知タイミングが到来したとき、代理者の利用者端末装置910に対して、登録されているユーザ情報に関する内容の確認を要求してもよい。このとき、登録者本人の健康状態や認知能力の状態について、代理者に確認と報告とを要求してもよい。例えば、定期的(6ヵ月目途)に、代理者に対してこのような目的の問い合わせメールを発信するようにしてもよい。
登録者は、通知を受けたタイミングや、自発的に気がついたタイミングで、管理サービスに登録されているユーザ情報の更新を行うことができる。
例えば、登録者は、自身に生じたライフイベントの情報について、管理サービスにログインした状態で当該登録者が入力可能となる入力フォームに入力することなどを介して、保険情報管理装置100に送信することができる。このような情報が送信されると、保険情報管理装置100において、ユーザ情報格納部114に格納されているユーザ情報が更新される。ユーザ情報の更新は、取得部130の各部などにより行われる。
このようにユーザ情報の更新が行われると、保険情報管理装置100において、分析処理が行われるようにしてもよい。また、提供保険情報や支援制度情報の更新が行われた後においても、分析処理が行われるようにしてもよい。このような各種情報の更新後に分析処理を行うようにすることにより、更新後の情報に基づいて生成された助言情報を登録者に提供することができる。
例えば、子供が誕生したとき、それに伴い将来必要となる施策とこれにかかわる各種保険についての情報を助言情報に含めることができる。また、例えば、登録者等の退職があったとき、それに伴い必要となる、保険料を中心とした長期的支出構造と保険プログラムの調整についての助言を助言情報に含めることができる。また、例えば、更新後のリスク判定結果に基づいて、新たなリスクへの注意喚起や対策等についての助言を助言情報に含めることができる。
なお、以下の事案を登録者が発生の都度登録することを前提に、係るライフイベントに関する適切な保険契約やリスクマネジメントの方策に関するリコメンデーションを含む助言情報が生成されるようにしてもよい。ライフイベント情報に基づく保険以外のリコメンデーションを行うようにしてもよい。例えば、結婚、出産、進学、留学、子供の独立、就職、転職、退職、住居の新築、購入、転居(海外赴任を含む)、単身赴任、日常生活におけるイベント、自動車、二輪車、自転車、小型舟艇等の購入、旅行、ペットの購入、新たなスポーツ、趣味への取り組みなどがライフイベントの一例として挙げられる。
このような中間段階処理の動作については、例えば次のような流れで行われればよいが、これに限られるものではない。
図13は、同中間段階処理を示す第1のフローチャートである。図14は、同中間段階処理を示す第2のフローチャートである。
(ステップS141)図13に示されるように、登録者確認要求部158は、登録者通知タイミングが到来したか否かを判断する。登録者通知タイミングが到来したと判断した場合はステップS142に進み、そうでない場合はステップS143に進む。
(ステップS142)登録者確認要求部158は、登録者に対して、登録者について格納されている付保情報及び生活情報のうち少なくとも一方の確認を求める通知を行う。ステップS143に進む。
(ステップS143)代理者確認要求部159は、代理者通知タイミングが到来したか否かを判断する。代理者通知タイミングが到来したと判断した場合はステップS144に進み、そうでない場合はステップS145に進む。
(ステップS144)代理者確認要求部159は、代理者に対して、代理者が代理する登録者について格納されている付保情報及び生活情報のうち少なくとも一方の確認を求める通知を行う。ステップS145に進む。
(ステップS145)提供保険情報取得部131は、提供保険情報取得タイミングが到来したか否かを判断する。提供保険情報取得タイミングは、例えば、所定の期間毎に到来するように、予め設定されている。提供保険情報取得タイミングが到来したと判断した場合はステップS146に進み、そうでない場合はステップS148に進む。
(ステップS146)提供保険情報取得部131は、外部情報処理装置300から提供保険情報を取得し、提供保険情報格納部111に格納する。すなわち、提供保険情報格納部111に格納されている提供保険情報を更新する。
(ステップS147)情報処理部150は、分析処理を行う。これにより、最新の提供保険情報に基づいて、助言情報が生成される。なお、分析処理は、全ての登録者についてそれぞれ行われるようにしてもよいし、所定の登録者についてのみ行われるようにしてもよい。ステップS148に進む。
(ステップS148)支援制度情報取得部132は、支援制度取得タイミングが到来したか否かを判断する。支援制度取得タイミングは、例えば、所定の期間毎に到来するように、予め設定されている。支援制度取得タイミングが到来したと判断した場合はステップS149に進み、そうでない場合は図14のステップS151に進む。
(ステップS149)支援制度情報取得部132は、外部情報処理装置300から支援制度情報を取得し、支援制度情報格納部112に格納する。すなわち、支援制度情報格納部112に格納されている支援制度情報を更新する。
(ステップS150)情報処理部150は、分析処理を行う。これにより、最新の支援制度情報に基づいた助言情報を生成することができる。なお、分析処理は、全ての登録者についてそれぞれ行われるようにしてもよいし、所定の登録者についてのみ行われるようにしてもよい。ステップS151に進む。
(ステップS151)図14に示されるように、取得部130は、登録者又は代理者による、ユーザ情報を変更するための操作が受け付けたか否かを判断する。当該操作が受け付けられたと判断した場合はステップS152に進み、そうでない場合はステップS154に進む。
(ステップS152)取得部130は、登録者又は代理者による操作に応じて、ユーザ情報格納部114に格納されているユーザ情報を更新する。例えば、登録者に関して発生した事象について事象発生情報を入力する操作が行われたとき(イベント発生報告がなされたとき)、事象発生情報取得部137がその事情発生情報を取得し、事象発生情報格納部117に格納されている情報を更新する(これについて、生活情報取得部136が生活情報を更新すると表現することもできる)。
(ステップS153)情報処理部150は、分析処理を行う。これにより、更新後のユーザ情報対応する助言情報を生成することができる。なお、分析処理は、情報が更新された登録者についてのみ行われるようにすればよいが、これに限られるものではない。ステップS154に進む。
(ステップS154)情報処理部150は、ユーザ情報に基づいて、各登録者についてイベント(特定の事象)が発生したか否かを判断する。例えば、上述のようなイベント発生報告が行われ、事象発生情報が更新されたり、その他の所定のユーザ情報の変化があった場合には、情報処理部150は、当該登録者についてイベントが発生したと判断する。ある登録者についてイベントが発生したと判断した場合にはステップS155に進み、そうでない場合にはステップS156に進む。
(ステップS155)情報処理部150は、イベント発生フラグを立てる(「1」にセットする)。ステップS156に進む。
(ステップS156)ニュース情報取得部133は、ニュース情報取得タイミングが到来したか否かを判断する。ニュース情報取得タイミングは、例えば、所定の期間毎に到来するように、予め設定されている。ニュース情報取得タイミングが到来したと判断した場合はステップS157に進み、そうでない場合はステップS158に進む。
(ステップS157)ニュース情報取得部133は、外部情報処理装置300からニュース情報を取得し、ニュース情報格納部113に格納する。すなわち、ニュース情報格納部113に格納されているニュース情報を更新する。
(ステップS158)情報処理部150は、ユーザ情報に基づいて、各登録者についてイベントが発生したか否かを判断する。例えば、一の登録者について、生活情報とニュース情報とに基づいて、当該登録者についてイベントが発生したとみなされるような場合には、情報処理部150は、当該登録者についてイベントが発生したと判断する。例えば、特定の地域において大規模の地震が発生したことがニュース情報として取得された場合において、生活情報に基づいて当該地域に在住していると判断される登録者について、地震に被災するイベントが発生した旨の判断が行われる。ある登録者についてイベントが発生したと判断した場合にはステップS159に進み、そうでない場合には中間段階処理を終了する。
(ステップS159)情報処理部150は、イベント発生フラグを立てる(「1」にセットする)。中間段階処理を終了する。
(イベント発生段階処理の説明)
以下に、管理サービスにおけるイベント発生段階処理について説明する。
中間段階処理においてイベント発生フラグが立てられることにより、その後にイベント発生段階処理が行われる。イベント発生段階処理においては、登録者に発生したイベントが保険事故と判断される場合には、登録者が、当該イベントについて、適切に、簡便に、かつ円滑に、保険金請求を実行できるように助言情報を生成する。また、このイベントに関連して、公的支援策等、民間保険以外における補完的な補償手段があれば、支援制度情報に基づいて助言情報を生成し、登録者に当該支援制度の利用を促すことができる。
イベント発生段階処理における動作の具体例は、発生したイベントの性質により異なる場合があるが、例えば以下のようなものが挙げられる。
例えば、登録者や代理者(以下、登録者等ということがある)から以下のような保険事故の報告があったとき、イベント発生段階処理において、付保情報に基づいて有責と判断される保険契約を検索し、登録者等が初期に取るべき行動に関する助言を含む助言情報が生成される。
すなわち、イベントしては、登録者又は家族の死亡、重大な後遺障害の発生、自動車事故(人身、物損)、第三者行為による登録者の身体被害、住居の火災、落雷、爆発、破損、盗難、水漏れ、地震、津波、地震後火災、水災、風災、雪害、地滑り等の自然災害(財物及び身体傷害)、登録者又は家族の重大疾病の診断、介護認定、登録者又は家族の疾病による入院、通院及びその結果としての休業、登録者又は家族の傷害による入院、通院及びその結果としての休業、第三者へ身体傷害や財物損壊の損害を与えたこと、等が挙げられる。
また、上記のようなイベントの発生に関し、登録者が保持する保険契約以外においても適用されるべき各種支援制度があるときは、その利用に関する助言などの情報を助言情報に含めてもよい。支援制度として、具体的には、例えば、自然災害給付金制度、各種見舞金制度、公的介護保険、労働災害保険、損害保険への被害者請求(人身事故)、製造物責任保険、航空機乗客賠償責任保険、船舶搭乗者賠償責任保険、高額医療費還付制度、学校安全会共済、公共団体活動保険等が挙げられる。また、弁護士への相談の勧請に関する助言が助言情報に含まれるようにしてもよい。
イベントの発生に伴う保険金を請求する際には、例えば以下のようにして管理サービスが利用される。
図15は、同保険情報管理サービスのイベント発生段階処理の概要を説明する第1の図である。
図15に示されるように、イベントが登録者に発生したとき、登録者は、管理サービスにその旨を報告する。すなわち、登録者の利用者端末装置910から保険情報管理装置100に対して、イベント発生報告(事象発生情報の送信)が行われる(ステップS51)。これに伴い、上述の中間段階処理においてイベント発生フラグが立てられることにより、保険情報管理装置100においてイベント発生段階処理が行われ、イベントに対応する際の助言を含む助言情報が、保険情報管理装置100から登録者の利用者端末装置910に送信される(ステップS52)。
図16は、同保険情報管理サービスのイベント発生段階処理の概要を説明する第2の図である。
図16に示されるように、中間段階処理において、保険情報管理装置100がニュース情報を取得し(ステップS61)、ニュース情報と登録者の生活情報とに基づいて、登録者にイベントが発生したとみなされるとき、イベント発生フラグが立てられる。そうすると、保険情報管理装置100においてイベント発生段階処理が行われ、イベントに対応する際の助言を含む助言情報が、保険情報管理装置100から登録者の利用者端末装置910に送信される(ステップS62)。
例えば、登録者等は、生存給付金やその他の保険金の支払い対象となる可能性を認める事象(例えば、ユーザの入院、ガンの診断、不慮の事故への遭遇、家族の罹患や傷害、各種自然災害等)が生じた場合、その旨を事象発生情報として保険情報管理装置100に送信することで、助言情報を得ることができる。
保険情報管理装置100は、このような事象発生情報が取得された場合、付保情報に基づいて、支払いの対象となりうる保険契約を特定し、その情報を助言情報に含めて登録者に提供する。なお、特定した保険契約についての情報を一覧表として助言情報にふくめるようにしてもよい。なお、例えば、飲酒運転時の事故における物損免責等、対象となる保険契約が存在するものの、当該事象が保険契約上免責と判断される場合は、その契約について支払の対象となる契約から除外してもよいが、当該契約を除外せずに免責されざるを得ないと考えられる根拠とともに提示するようにしてもよい。
登録者等は、このようにして特定された保険契約の情報に基づいて、有責保険契約を認識し保険金請求手続きを開始することができる。なお、このとき登録者等に提供される助言情報には、保険金請求の手順や、必要書類に係る情報や、請求先となる保険会社や取扱代理店の連絡先等の情報が含まれるようにすればよい。これにより、登録者等が、簡便かつ効率的な手続きを取ることができるようになる。
なお、損害保険については保険種類や担保危険の種類が多く、一般の登録者等にとっては適用保険の選定や有無責の判断が困難である場合が多い。そのため、登録者等は、登録者に関して発生した事象が保険事故であるかどうかに予断を持たず、イベント発生報告を行うことにより、保険情報管理装置100からの適切な助言情報を得ることができる。保険情報管理装置100は、イベント発生報告があったとき、その事象発生情報と登録者の付保情報との擦り合わせを行い、有責と判断しうる損害保険契約を特定し、その情報を助言情報に含めて登録者等に提供する。
なお、特定した保険契約についての情報を一覧表として助言情報に含めるようにしてもよい。このとき、また適用可能でありながら免責となることも考えられると判断される保険契約については、その旨を提示したうえで、免責事由の該当について明示するようにしてもよい。ただし、かかる免責事由に異なる見解を登録者等が想起する場合は、その見解に基づくイベント発生報告を再度保険情報管理装置100に行い、新たな分析処理が行われるようにしてもよい。免責事由に該当するか否かの判断は、所定の決定木を用いて行うように構成することもできるし、イベントに関する情報を入力として免責と判断されるか否かを出力とする、機械学習により生成した分類器を用いて行うようにしてもよい。分類器の生成には、過去の有責、免責と判断された事例を学習用データセットとして用いることができる。
なお、登録者の死亡や失踪、住居の罹災や交通事故等の明らかな保険事故ばかりでなく、それ以外の事故、異動の情報に関するイベント発生報告があった場合においても、これに伴って副次的な保険請求ができる可能性があるとき、それについての助言を含む助言情報を生成するようにしてもよい。このような場合としては、例えば、登録者本人が認知症を発症した場合において症状は軽度であるが有責である場合や、家族の構成員が疾病にり患したり事故に遭遇したりした場合や、登録者側が過失による加害者となったり第三者の行為による被害者となったりした場合や、失念していた保険契約に係る保険金請求の可能性に気がついた場合や、特約等の付加的な保険により支払い対象となる保険金の請求を行える場合などが挙げられる。
一般的な登録者等にとって、保険の請求手続きは馴染みのない行為である。そのため、このようなイベント発生時に提供される助言情報は、登録者等にとって極めて有用なものとなる。また、近年においては、保険契約に健康増進支援機能や各種の相談窓口機能、契約者特典等の保険外の付加価値機能(例えば、健康増進プログラム、医療相談、介護施設紹介、各種割引クーポン、契約者クラブ組織等の利用)を付帯させることが行われているが、このような機能についての利用について登録者等に適切に助言を行うようにしてもよく、利用率を上昇させることができる。
本実施の形態において、イベント発生段階処理においては、代理者による保険に関する手続の助言を行うようにしてもよい。例えば、登録者本人について、その身上に急激かつ重大な変化が起った場合、保険契約の維持、管理等それまでのリスク管理に関する施策、行為を維持することが困難となる状況が発生しうる。このように、登録者が保険契約上の各種要項を維持、執行することが困難であると判断される状態と陥ったときには、代理者に保険者に関する情報の閲覧等を許可したり、保険金請求などの手続の執行に関する助言等を行ったりする。
例えば、登録者が死亡したり高度の意識障害を発症したりした場合において、登録者が加入していたであろう各種の保険について、相続者等の代理者が、相続申告期間内に、情報を集約したり保険金の請求を円滑に行ったりすることは容易ではない。このような場合においても、管理サービスでは登録者の保険契約を一覧化、可視化することができるので、種々の保険金の請求等に関する的確な助言を含む助言情報を生成することができる。代理者は、当該助言情報を参考にすることにより、余裕をもって相続手続きを行うことができる。また、保険金の請求漏れや相続財産分割協議の遅延といったトラブルが発生することを回避することができる。
図17は、同保険情報管理サービスのイベント発生段階処理の概要を説明する第3の図である。
図17においては、例えば登録者が死亡した場合の動作例が示されている。すなわち、登録者が死亡した場合においては、登録者確認要求部158による通知が登録者の利用者端末装置910に送信されても応答がない(ステップS71)。他方、代理者確認要求部159による通知が代理者の利用者端末装置910に送信されると(ステップS72)、代理者は、それに伴い、登録者が死亡した旨のイベント発生報告を行うことができる(ステップS73)。そうすると、保険情報管理装置100において、イベント発生段階処理が行われ、イベントに対応する際の助言を含む助言情報が、保険情報管理装置100から代理者の利用者端末装置910に送信される(ステップS74)。例えば、助言情報には、登録者の死亡に伴う保険金請求に関する助言や、相続手続に関する助言が含まれてもよい。なお、登録者や代理者への通知(ステップS71、ステップS72)は行われなくてもよく、代理者が自発的にイベント発生報告を行ってもよい。
例えば、登録者の死亡や長期の失踪が発生した場合には、例えば以下のようにすることができる。すなわち、代理者からその旨のイベント発生報告があると、アクセス権設定部151が、代理者が登録者に代わって登録者のユーザ情報を閲覧等できるように、権限の設定を行う。なお、保険情報管理装置100は、登録者の死亡を確認するため、代理者に対し、死亡診断書や除籍謄本等、登録者の死亡を確認しうる書類を示す画像データの送信を求めるようにしてもよい。この場合、保険情報管理装置100が当該画像データを受信すると、情報処理部150は、OCR技術やパターン認識技術などを利用して、自動的に当該書類の適法性と登録者本人の死亡等を確認するようにしてもよい。そして、情報処理部150は、登録者の付保情報に基づいて、死亡保険金の対象となりうるすべての保険契約を特定し、その情報を助言情報に含めて代理者に提供する。なお、特定した保険契約についての情報を一覧表として助言情報に含めるようにしてもよい。このとき、助言情報には、上述のように死亡保険金に係る相続に関連した情報も提供するようにしてもよく、この場合、保険金請求から相続手続きに至る一連の作業が円滑に進むように、代理者に対して助言情報を提供することができる。
なお、ユーザ情報の閲覧は、相続手続きに関連するプライバシー等の保護の要請から、事前に登録された代理者のみに対して閲覧用のアカウント情報を提供することにより可能となるようにしてもよい。
登録者等に、保険を中心とした包括的なリスクマネジメント意識と効率的な保険金請求の利便性を提供することは、金融老齢学的な見地からも重要である。この観点からは、登録者の死亡時のみならず、登録者自身の判断能力、記憶力、認知能力の減少や滅失が生じた場合に備えることが、円滑な保険の利用や相続の執行において重要である。本実施の形態においては、登録者がこのような状態に陥っても、事前に適切に指定された代理者に登録者の保険に関する事務を適切に引き継ぐことができる。代理者に引き継がれる範囲は、アクセス権設定部151による権限の設定範囲等により調整することができる。例えば、保険契約管理のみならず、保険金の請求、保険契約の承継、保険金に関連した相続の手順、保険に隣接する公的補償の申請等、登録者と同等のサービスを代理者に引き継ぐことができる。
このようなイベント発生段階処理の動作については、例えば次のような流れで行われればよいが、これに限られるものではない。
図18は、同イベント発生段階処理を示す第1のフローチャートである。図19は、同イベント発生段階処理を示す第2のフローチャートである。
(ステップS181)図18に示されるように、情報処理部150は、発生したイベントに関する情報を取得する。例えば、情報処理部150は、事象発生情報格納部117に格納された事象発生情報を取得する。
(ステップS182)情報処理部150は、登録者は健在であるか否かを判断する。ここで健在であるとは、例えば、死亡したり、重大な後遺障害を負ったり、認知症が発症したりしておらず、適正に保険に関する事務を行うことができる状態にあることをいう。登録者が健在であると判断した場合にはステップS184に進み、そうでない場合にはステップS183に進む。
(ステップS183)情報処理部150は、登録者健在フラグを立てる(「1」に設定する)。ステップS184に進む。
(ステップS184)情報処理部150は、登録者健在フラグが「1」であり、かつ、代理者存在フラグが「1」であるか否かを判断する。YESである場合には、ステップS185に進む。NOである場合には、ステップS187に進む、すなわち、代理者が設定されている場合において登録者が健在ではないと判断されたとき、ステップS185に進み、そうではないと判断された場合にはステップS187に進む。
(ステップS185)アクセス権設定部151は、代理者のアクセス権について、制限を解除する。例えば、代理者のアクセス権が、登録者のアクセス件と同じ範囲になるが、これに限られるものではない。
(ステップS186)情報処理部150は、以下の処理を、代理者介入モードに設定する。代理者介入モードとは、登録者に代わって代理者が登録者の保険に関する事務を行うことを許容する動作モードである。代理者介入モードであるかどうかは、登録者毎に設定されればよい。具体的には、例えば、情報処理部150は、情報出力部170による助言情報の出力先を代理者に設定したり、助言情報生成部155により生成する助言情報を代理者向けのものとしたりするが、このような処理を行わないようにしてもよい。
(ステップS187)支払判断部156は、発生したイベントが保険事故であるかどうか、すなわち登録者に付保されている保険により、登録者に関して発生したイベントを保険事故とした保険金の支払が行われうるか否かを判断する。保険事故であると判断した場合にはステップS188に進み、そうではない場合には、図19のステップS191に進む。
(ステップS188)助言情報生成部155は、発生した事象に関する保険金の支払いに関する情報を助言情報として生成し、助言情報格納部118に格納する。このとき、助言情報として、保険金の請求に関する情報等、保険を利用するための情報を含むものを生成することが好適である。
(ステップS189)情報出力部170は、助言情報格納部118に格納された助言情報を、登録者等に送信する。ステップS191に進む。なお、後述のように支援制度や相続に関する助言情報が生成される場合、それらとまとめて助言情報の出力が行われるようにしてもよい。
(ステップS191)図19に示されるように、制度利用判定部157は、登録者について生活情報格納部116に格納されている情報と、支援制度情報格納部112に格納されている情報とに基づいて、登録者が利用可能な支援制度があるか否かを判断する。利用可能な支援制度がある場合にはステップS192に進み、そうではない場合にはステップS194に進む。
(ステップS192)助言情報生成部155は、支援制度の利用に関する助言を含む助言情報を生成し、助言情報格納部118に格納する。
(ステップS193)情報出力部170は、助言情報格納部118に格納された助言情報を、登録者等に送信する。ステップS194に進む。なお、後述の相続に関する助言情報など、他の助言を含む助言情報が生成される場合、それらとまとめて助言情報の出力が行われるようにしてもよい。
(ステップS194)情報処理部150は、事象発生情報などに基づいて、登録者が死亡しているか否かを判断する。死亡している場合は、ステップS195に進み、そうではない場合には、イベント発生段階処理を終了する。
(ステップS195)情報処理部150は、当該登録者に係る処理について代理者介入モードで実行中であるか否かを判断する。代理者介入モードであればステップS196に進み、そうではない場合(すなわち、代理者が設定されていない場合)には、イベント発生段階処理を終了する。
(ステップS196)助言情報生成部155は、相続の手続を行うための情報を含む助言情報を生成し、助言情報格納部118に格納する。
(ステップS197)情報出力部170は、助言情報格納部118に格納された助言情報を、登録者等に送信する。その後、イベント発生段階処理を終了する。なお、上述のような他の助言を含む助言情報が生成される場合、それらをまとめて助言情報の出力が行われるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態においては、登録者が様々な保険に加入しており、付保状況を的確に把握することが困難である場合においても、管理サービスを利用することにより、付保状況を容易にかつ的確に把握することができる。登録者の生活情報に基づくリスクの判定結果と付保状況とに応じて、的確な保険に関する助言を含む助言情報が生成されるので、登録者は、生成された助言情報を参考にして、適切な付保を行うことができる。また、保険に関する助言に留まらず、登録者が利用可能な支援制度の利用に関する助言を含む助言情報を生成することにより、容易に支援制度を利用することができるようになる。
また、保険事故のような特定の事象が生じた場合には、その事象発生情報と付保情報とに基づいて、保険金の支払いとなる保険契約がもれなく抽出され、当該保険契約や保険金請求に関する助言を含む助言情報が生成される。したがって、登録者等は、保険金の請求を容易にかつ確実に行うことができる。
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、本実施の形態における保険情報管理装置100を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、登録者毎に保険に関する情報を管理する保険情報管理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、保険情報管理装置のコンピュータを、生活情報格納部に格納されている情報と、予め設定されたリスク判定条件とに基づいて、登録者について特定の事象が発生する可能性に関する判定を行うリスク判定部と、リスク判定部の判定結果と、付保情報格納部に格納されている情報とに基づいて、登録者について、特定の事象に対応する保険の付保状況に関する判定を行う付保状況判定部と、付保状況判定部の判定結果と、提供保険情報格納部に格納されている情報とに基づいて、登録者に対する保険に関する助言を含む助言情報を生成する助言情報生成部として機能させるための、プログラムである。
(その他)
満期を過ぎた保険契約の更改情報の上書き等、通常実行されるべき作業がなされない場合、管理サービス側から登録者本人と代理者に連絡し、登録者の状況確認を依頼するようにしてもよい。上記の確認の結果、登録者本人が通常業務を行うことができない状況であることが代理者によって確認された場合、情報処理部150が代理者介入モードに設定するようにしてもよい。
ニュース情報に基づいて、大規模な地震、津波、水災等の自然災害が発生したと判断される場合において、情報処理部150は、当該災害が登録者に及んでいると推測される場合、その被害地域に居住する登録者本人とその代理者に対し、登録者の生活状況を確認するようにしてもよい。このような確認行為の結果、登録者に重大な困難が生じていることが判明した場合は、情報処理部150が代理者介入モードに設定するようにしてもよい。
登録者と、保険者等(保険会社、少額短期保険会社、共済その他の補償の主体など)と、管理サービスの提供者との間で、事前の合意のある場合であって、管理サービスと登録者及び代理者の全員との間で一定期間連絡が取れなくなったときには、登録者に重大な事態が生じていると推定してもよい。この場合、登録者及びその代理者に代わり、当該管理サービスの提供者が、保険者等に対して当該状況の報告を行うようにしてもよい。このようにすることで、保険者等は、該状況に対して速やかに対応することができる。
なお、管理サービスが保有する情報に基づいて登録者が保険の検討を進める場合において、保険加入のために管理サービスを通じて保険会社や保険商品、扱い代理店の紹介を行うようにしてもよい。この場合、これを「リーズ」として外販することで、この情報受け渡しプロセスを拡張し、管理サービスの収益を強化することができる。管理サービスを提供することにより、付随的に登録者の保険ニーズを掘り起こすことができるので、登録者の意向を踏まえた成約の可能性の高いリーズを得ることができる。
登録者側に立った客観的な情報提供を行うことを重視するため、管理サービスの提供者が保険の加入勧請や契約募集行為に従事することは控えることが好ましいところ、リーズについては、登録者の許諾が得られることを前提に、管理サービスの提供者と保険会社の提携によって、事前に登録して、保険会社営業部や保険代理店に販売することができる。このようなリーズの販売は、保険の募集媒介行為を行わない立場をとる管理サービス業者に対しては、保険事業以外の分野への業務制限を受けない。そのため、保険関連業界である介護事業者、介護用品会社、弁護士、税理士、葬儀社、不動産会社、証券会社等、隣接業界へのリーズ提供のスコープを広げ、収益事業を拡大することができる。
管理サービスが保有する登録者の生活情報と、それに関連付けられている付保情報とについて、データマイニング等の手法を用いて解析を行うことで、その結果を、市場データ分析や新たな保険のセールスキャンペーンに活用するようにしてもよい。保険会社やその隣接業界などの供給者側から、ユーザ情報の利用を許諾した登録者に対して多様なキャンペーンアプローチを行うことができる。また、蓄積され生活情報と付保情報との関連性分析結果は、地域、年齢、職業、資産状況を切り口とする事実に依拠した信頼性のあるマーケットアナリシスに用いることができる。このような分析情報を外販することで、サービス事業者の収益事業を強化することが可能である。
また、保険情報管理装置100により公開されるウェブサイトは多数の一般保険契約者たる登録者等が閲覧する。そのため、保険関連産業、介護関連産業、資産運用、フィナンシャルコンサルティング等から、係るウェブサイトへのバナー広告の出稿が期待できる。
また、図20は、上記実施の形態におけるコンピュータシステム800の概観図である。図21は、同コンピュータシステム800のブロック図である。
これらの図においては、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の保険情報管理装置100等を実現するコンピュータの構成が示されている。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現されうる。
コンピュータシステム800は、CD−ROMドライブを含むコンピュータ801と、キーボード802と、マウス803と、モニタ804とを含む。
コンピュータ801は、CD−ROMドライブ8012に加えて、MPU8013と、CD−ROMドライブ8012等に接続されたバス8014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM8015と、MPU8013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM8016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク8017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ801は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでもよい。
コンピュータシステム800に、上述した実施の形態の保険情報管理装置100等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM8101に記憶されて、CD−ROMドライブ8012に挿入され、さらにハードディスク8017に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ801に送信され、ハードディスク8017に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM8016にロードされる。プログラムは、CD−ROM8101又はネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ801に、上述した実施の形態の保険情報管理装置100等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、又はサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム800がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
上述の実施の形態の構成要素について、適宜、他の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。