JP5543158B2 - シートパッド用発泡成形体及びシートパッド製造方法 - Google Patents

シートパッド用発泡成形体及びシートパッド製造方法 Download PDF

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本発明は、シートパッド本体と、該シートパッド本体を貫通する孔とを有するシートパッドを構成するためのシートパッド用発泡成形体に係り、特にシートパッド本体と一体的に該孔を塞ぐバリ部が形成されており、このバリ部を除去することにより該孔がシートパッド本体を貫通したものとなるシートパッド用発泡成形体に関する。また、本発明は、このシートパッド用発泡成形体からシートパッドを製造するためのシートパッド製造方法に関する。
車両用シートや家屋内に設置されるソファー等のシートは、軟質ポリウレタンフォーム又は半硬質ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなるシートパッドと、このシートパッドの表面に装着された表皮材とから成る。
このシートパッドに、該シートパッドの着座者対峙面からこれと反対側面まで該シートパッドを貫通する孔を設けることが広く行われている。この孔を介して空気が流通することにより、着座者とシートとの間の通気性が確保される。
このような貫通孔を有するシートパッドを成形するには、このシートパッド成形用の金型の上型又は下型あるいは中子に貫通孔形状の凸部を設けておく。第6図(a)は、従来の一般的な貫通孔付きシートパッド成形用金型の概略的な縦断面図であり、第6図(b)は、この金型により成形されたシートパッドの縦断面図である。第6図(a)の通り、金型110は、上型111及び下型112(さらに必要に応じ中子)を有しており、該下型112内にウレタン等の発泡原料を供給し、型締めして発泡させることにより、シートパッド100が成形される。シートパッド100は、一般的に、金型110内において、その着座者対峙面を下向きにした姿勢にて成形される。この従来例では、シートパッド100の着座者対峙面と反対側の面(以下、裏面ということがある。)にサポート材(101)が一体成形されている。
この従来例では、下型112のキャビティの底面から孔形成用の凸部113が突設されている。この凸部113により、シートパッド100にはその着座者対峙面から裏面側に向って孔102が形成される。即ち、発泡成形時にこの凸部113が存在していた部分が孔102となる。
上型111及び下型112を型締めした状態においては、凸部113の先端面(上端面)は、上型111のキャビティの天井面から若干離隔している。これは、上型111と下型112との接合面の密着性を確保すると共に、発泡成形時に、孔102の周囲にエア溜まりが生じることを防止するためである。即ち、このように凸部113の先端面が上型111のキャビティの天井面から離隔していることにより、発泡成形時に凸部113の外周面と上型111のキャビティの天井面とが交わるコーナー部にエアが取り残されても、このエアが発泡樹脂と共に凸部113と上型111との間の隙間に入り込む。従って、この金型110により発泡成形されたシートパッド100には、発泡成形時にこの凸部113と上型111との間の隙間に発泡樹脂が入り込むことにより、第6図(b)の通り、孔102を塞ぐ薄皮状のバリ部103が生じる。そのため、脱型後、このバリ部103を除去する必要がある。
実開昭55−166622には、このバリ部103の除去作業を容易化することができるように構成されたシートパッド成形用金型が記載されている。第7図(a)は同号の金型の縦断面図であり、第7図(b)はこの金型により成形されたシートパッドの縦断面図である。この金型110’にあっては、第7図(a)の通り、上型111のキャビティ天井面のうち凸部113の先端面と対峙する領域に、金型外方へ向って凹陥する凹所114が設けられている。発泡成形時には、凸部113の先端面と上型111のキャビティ天井面との間の隙間を通って該凹所114に発泡樹脂が入り込む。従って、この金型110’により成形されたシートパッド100’には、この凹所114に入り込んだ発泡樹脂により、第7図(b)の通り、該シートパッド100’の外面から突出するバリ塊104が形成される。そのため、脱型後に孔102を塞いでいるバリ部103を除去する際には、このバリ塊104を摘んで容易に除去することができる。
実開昭55−166622
上記実開昭55−166622において、バリ部103を除去するに際し、作業者がバリ塊104を指で摘んで該バリ部103をむしり取った場合、孔102の周縁部にバリ部103の一部が残ったり、孔102の周縁部が欠けることがある。同号では、該バリ部103はシートパッド100’の外面に沿って形成されているため、このように孔102の周縁部にバリ部103が残ったり、該孔102の周縁部が欠けると、該孔102の周囲のシートパッド100’の外面形状にバラ付きが生じる。
本発明は、シートパッド本体と一体的に、該シートパッド本体を貫通する孔を塞ぐバリ部が形成されており、このバリ部を除去することにより該孔がシートパッド本体を貫通したものとなるシートパッド用発泡成形体において、バリ部除去後のシートパッドの外面形状にバラ付きが生じにくいシートパッド用発泡成形体と、このシートパッド用発泡成形体からシートパッドを製造する方法とを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のシートパッド用発泡成形体は、着着座者対峙面を有するシートパッド本体と、該シートパッド本体を該着座者対峙面からこれと反対側面まで貫通する孔とを有するシートパッドを構成するための発泡成形体であって、該シートパッド本体と一体的に、該孔を塞ぐバリ部が形成されており、該バリ部を除去することにより、該孔が該シートパッド本体を貫通したものとなるシートパッド用発泡成形体において、該バリ部は、該着座者対峙面又は該反対側面から前記孔内に5〜10mm後退した位置に形成され、前記バリ部の周縁部に、比較的厚みの小さい薄肉部が形成されており、該薄肉部よりも該バリ部中央側は、該薄肉部より厚みの大きい厚肉部となっており、前記バリ部の前記着座者対峙面側の面は、前記薄肉部から前記厚肉部まで面一状の略平坦面となっていることを特徴とするものである。
請求項のシートパッド用発泡成形体は、請求項において、前記薄肉部は、前記バリ部の全周にわたって形成されていることを特徴とするものである。
請求項のシートパッド用発泡成形体は、請求項又はにおいて、前記薄肉部の厚さTは1.0〜1.5mmであり、前記厚肉部の厚さTは2.0〜6.0mmであることを特徴とするものである。
請求項のシートパッド用発泡成形体は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記孔の径方向における前記薄肉部の幅Wは2.0〜3.0mmであることを特徴とするものである。
請求項のシートパッド用発泡成形体は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記孔の開口形状は円形状又は楕円形状であることを特徴とするものである。
本発明(請求項)のシートパッド製造方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートパッド用発泡成形体から前記バリ部を除去することによりシートパッドを製造するための方法である。
請求項のシートパッド製造方法は、請求項において、前記バリ部を前記孔を介して押すことにより該バリ部を除去することを特徴とするものである。
本発明のシートパッド用発泡成形体にあっては、バリ部は、シートパッド本体の着座者対峙面及びこれと反対面から孔内に後退した位置に形成されているので、仮にバリ部を除去した際に、該バリ部の周縁部がわずかに孔の内周面に残ったり、該孔の内周面が若干欠けたりしても、シートパッド本体の着座者対峙面及びこれと反対面の形状には実質的に全く影響がない。これにより、バリ部を除去した後のシートパッド本体の外面形状にバラ付きが生じることが防止される。
発泡成形体のバリ部及びこれに連なる部分は、他の部分に比べて発泡材料が硬くなる。そのため、バリ部は、シートパッド本体の着座者対峙面又はこれと反対面から孔内に5〜10mm後退していることが好ましい。このバリ部の後退量が5mmよりも小さいと、このバリ部の周囲の発泡材料が硬くなった部分が着座者に感取され易くなる。また、このバリ部の後退量が10mmよりも大きいと、孔に指等を挿入してバリ部を押す際に、バリ部を押しにくくなる。
さらに、バリ部の周縁部に薄肉部が形成されているため、バリ部の中央の厚肉部を押したときには、この薄肉部に応力が集中し、バリ部は、この薄肉部から容易に破断する。また、前述の通り、一般的に、シートパッドは、金型内においてその着座者対峙面が下向きとなる姿勢にて成形される。バリ部の該着座者対峙面の面は、薄肉部から厚肉部まで面一状の略平坦面となっている。このように構成することにより、金型を型開きして発泡成形体を下型から取り出す際に、バリ部が容易に下型のキャビティ内面から離反するので、バリ部を下型内に残留させることなく、発泡成形体を下型内から取り出すことができる。
請求項の態様では、この薄肉部がバリ部の全周にわたって形成されているので、この薄肉部に沿ってバリ部を破断させることにより、バリ部の略全体を容易に除去することができる。
請求項の通り、この薄肉部の厚さTは1.0〜1.5mmであり、厚肉部の厚さTは2.0〜6.0mmであることが好ましい。このように構成することにより、厚肉部が押されたときに、該厚肉部が破断することなく、薄肉部が破断するようになる。
請求項の通り、孔の径方向における薄肉部の幅Wは2.0〜3.0mmであることが好ましい。薄肉部の幅Wが2.0〜3.0mmの範囲内であれば、薄肉部がシートパッド本体に残ることなく、薄肉部を容易に破断させることができる。この薄肉部の幅Wが3.0mmよりも大きいと、厚肉部が押されたときに薄肉部がその幅方向の途中部で破断し、シートパッド本体にこの薄肉部が部分的に残ってしまうおそれがある。
孔の開口形状が多角形などの角のある形状である場合には、バリ部を除去する際に、この角の部分に薄肉部が残留し易いため、請求項の通り、この孔の開口形状は円形状又は楕円形状であることが好ましい。
本発明のシートパッド製造方法は、かかる本発明のシートパッド用発泡成形体からバリ部を除去することによりシートパッドを製造する方法である。この際、請求項のように、孔を介してバリ部を押すことにより、容易にバリ部をシートパッド本体から分離させることができる。

実施の形態に係るシートパッド用発泡成形体の正面図である。 図1のII部分の拡大図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 通気孔内のバリ部の除去作業を示す、図3と同様部分の断面図である。 図1のシートパッド用発泡成形体を成形するための金型の概略的な縦断面図である。 従来例に係るシートパッド用発泡成形体及びその成形用金型の縦断面図である。 従来例に係るシートパッド用発泡成形体及びその成形用金型の縦断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では、車両用シートのシートバック(背もたれ部)を構成するためのシートパッド用発泡成形体を例示しているが、本発明は、シートの他の部分を構成するシートパッド用発泡成形体にも適用可能であり、また、車両用シート以外のシートのシートパッドを構成するためのシートパッド用発泡成形体にも適用可能である。
第1図は実施の形態に係るシートパッド用発泡成形体の正面図である。第2図はこの発泡成形体の通気孔部分の拡大図(第1図のII部分)の拡大図である。第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図である。第4図はこの通気孔内のバリ部の除去作業を示す、第3図と同様部分の断面図である。第5図(a)は、この発泡成形体を成形するための金型の概略的な縦断面図であり、第5図(b)はこの金型の通気孔形成用凸部付近の拡大図である。
この実施の形態のシートパッド用発泡成形体(以下、単に発泡成形体と略すことがある。)1は、車両用シートのシートバックを構成するためのものである。この発泡成形体1は、軟質ポリウレタンフォーム又は半硬質ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂により成形されている。以下、発泡成形体1の前後、左右及び上下方向とは、車両用シートの着座者にとっての前後、左右及び上下方向と略合致する。シートバックは、この発泡成形体1により形成されるシートバック本体と、該シートバック本体を略前後方向(該シートバック本体の厚さ方向)に貫通する通気孔Tとを有する。第2,3図の通り、発泡成形体1の成形段階では、該シートバック本体と一体的に、この通気孔Tを塞ぐようにバリ部2が形成されている。このバリ部2を除去することにより、通気孔Tがシートバック本体を貫通したものとなる。なお、この実施の形態では、第1図の通り、発泡成形体1は、その前面の中央付近に上下左右に配置位置を異ならせて計6個の通気孔Tが形成されるように構成されているが、通気孔Tの個数及び配置はこれに限定されない。
第3図の通り、各通気孔Tは、発泡成形体1の前面3から後面4側へ凹陥した第1の凹部5と、該後面4から前面3側へ凹陥した第2の凹部6とから形成される。これらの凹部5,6の底面同士の間が前記バリ部2となっている。この実施の形態では、該凹部5,6は、それぞれ平面視形状(又は各々の軸心線方向と直交方向の断面形状)が略円形となっており、且つ互いに略同軸状に配置されている。該凹部5は、前面3側ほど直径が大きくなるテーパ形状となっており、凹部6は、後面4側ほど直径が大きくなるテーパ形状となっている。該凹部5,6同士は、底面が略同一直径となっている。また、該凹部5の前面3と同一平面内における直径と、凹部6の後面4と同一平面内における直径も、略同一直径となっている。この実施の形態では、該凹部5の内周面と前面3とが交わる角部の外面、並びに凹部6の内周面と後面4とが交わる角部の外面は、それぞれ、所定の曲率半径R(第3図)にて略円弧状に湾曲している。ただし、凹部5,6の形状はこれに限定されない。
本発明においては、凹部5,6の平面視形状は、略円形状又は略楕円形状であることが好ましい。通気孔Tの平面視形状を多角形などの角のある形状とした場合には、バリ部2を除去する際に、この角の部分に後述の薄肉部2aが残留し易い。
第3図の通り、この実施の形態では、凹部5の深さよりも凹部6の深さの方が大きなものとなっている。この凹部5の深さ、即ち発泡成形体1の前面3からのバリ部2の後退量Dは、5〜10mmであることが好ましい。この実施の形態では、凹部5の深さは、この凹部5の内周面と前面3とが交わる角部外面の曲率半径Rと略同等となっている。なお、これとは逆に、凹部5の深さを凹部6の深さよりも大きくしてもよい。この場合、凹部6の深さ、即ち発泡成形体1の後面4からのバリ部2の後退量が5〜10mmであることが好ましい。あるいは、凹部5の深さと凹部6の深さとを略同等としてもよい。
なお、発泡成形体1のバリ部2及びこれに連なる部分は、他の部分に比べてフォームが硬くなる。そのため、発泡成形体1の前面3又は後面4からのバリ部2の後退量Dが5mmよりも小さいと、この硬くなった部分が着座者に感取され易くなり、座り心地が低下する。また、発泡成形体1の前面3又は後面4からのバリ部2の後退量Dが10mmよりも大きいと、後述の金型10により発泡成形を行う際に、各凹部5,6を形成するための凸部13,14同士の間にウレタン原料が入り込み難くなり、バリ部2の成形性が悪くなる。
第2,3図の通り、この実施の形態では、バリ部2は、盤面が凹部5,6の軸心線方向と略直交方向に延在した略円盤形状となっており、その周縁部が該凹部5,6の内周面に連なっている。このバリ部2の周縁部に沿って比較的厚さの小さい薄肉部2aが形成されており、それよりも該バリ部2の中央側は、比較的厚さの大きい厚肉部2bとなっている。該薄肉部2aは、バリ部2の全周にわたって形成されている。この薄肉部2aにより、バリ部2(厚肉部2b)が前面3側又は後面4側から押されたときに破断して該バリ部2を発泡成形体1から分離させる脆弱部が構成されている。該薄肉部2aの厚さTは、1.0〜1.5mmであることが好ましく、厚肉部2bの厚さTは、2.0〜6.0mm特に3.0〜5.0mmであることが好ましい。バリ部2の直径方向(即ち凹部5,6の直径方向)における薄肉部2aの幅Wは、2.0〜3.0mmであることが好ましい。
なお、薄肉部2aの厚さTが1.0mmよりも小さいと、バリ部2を形成することによるエア抜き作用が十分に発揮されず、凹部5,6の周囲にエア溜まりが生じたり、発泡成形体1の脱型時にバリ部2が千切れて金型内に残ったりするおそれがある。なお、脱型時にバリ部2が金型内に残ると、メンテナンスが面倒なものとなる。また、発泡成形を繰り返して行う際に、一々、金型内からバリ部2を取り除く作業を行う必要があるので、作業効率が低下する。薄肉部2aの厚さTが1.5mmよりも大きいと、バリ部2を除去する際に作業者が指で厚肉部2bを押しても薄肉部2aが破断しにくくなったり、該薄肉部2a以外の部分でバリ部2又は発泡成形体1が破断するおそれがある。薄肉部2aの幅Wが3.0mmよりも大きいと、厚肉部2bが押されたときに薄肉部2aがその幅方向の途中部で破断し、発泡成形体1にこの薄肉部2aが部分的に残ってしまうおそれがある。厚肉部2bの厚さTが2.0mmよりも小さいと、厚肉部2bを作業者が指で押したときにこの厚肉部2bが破断するおそれがある。また、厚肉部2bの厚さTが6.0mmよりも大きいと、脱型時に金型の厚肉部2b形成用の凹所から該厚肉部2bを抜き出しにくくなる。
この実施の形態では、第3図の通り、厚肉部2bは、前面が薄肉部2aの前面と略面一状に連なっており、後面が該薄肉部2aよりも後方へ張り出した形状となっている。この理由については後で詳しく述べる。なお、バリ部2の形状はこれに限定されない。
次に、この発泡成形体1を成形するための金型10の構成について説明する。
この実施の形態では、金型10は、上型11と下型12とを備えている。この金型10のキャビティ内において、発泡成形体1は、前面を下向きにした姿勢で成形される。即ち、下型12のキャビティ内面(底面)により発泡成形体1の前面が成形され、上型11のキャビティ内面(天井面)により発泡成形体1の後面が成形される。下型12のキャビティ内面からは、発泡成形体1の前面の凹部5を形成するための第1の凸部13が突設されており、上型11のキャビティ内面からは、発泡成形体1の後面の凸部14を形成するための第2の凸部14が突設されている。なお、第5図(a),(b)では、凸部13,14が1個ずつ図示されているが、これらは、シートバックに設けられる通気孔Tと同数個ずつ設けられている。この実施の形態では、該凸部13,14はそれぞれ略円柱形状となっている。なお、各凸部13,14は、それぞれ、脱型時における凹部5,6からの抜き易さを考慮して、先端側ほど直径が小さくなるテーパ形状となっている。上型11を下型12に被せて型締めした状態にあっては、凸部13,14は、略同軸状に配置され、各々の先端面同士が対面する。凸部13,14は、この型締め状態において、各々の先端面同士の間に間隙Sが生じるように構成されている。
この実施の形態では、第1の凸部13の先端面(上端面)は、略水平な平坦面となっている。第2の凸部14の先端面には、上方へ凹んだ凹所14aが設けられている。この凹所14aは、第2の凸部14の先端面の周縁部から該先端面の中央側に離隔して配置されている。この実施の形態では、該凹所14aは、第2の凸部14の先端面よりも小径の略円形の平面視形状を有しており、該第2の凸部14の先端面と略同心状に配置されている。型締め状態においては、この凹所14aの天井面と、第2の凸部14の先端面の該凹所14aよりも外周側とは、それぞれ、第1の凸部13の先端面と所定の間隔をおいて略平行に対面する。なお、この凹所14aの天井面と第1の凸部13の先端面との間隔はバリ部2の厚肉部2bの厚さTと同一であり、第2の凸部14の先端面の該凹所14aよりも外周側と第1の凸部13の先端面との間隔は薄肉部2aの厚さTと同一である。なお、金型10の構成はこれに限定されない。例えば、金型10は、必要に応じて中子を備えてもよく、この場合、中子に通気孔T形成用凸部が設けられてもよい。
発泡成形時には、この第1の凸部13と第2の凸部14との先端面同士の間の間隙Sにウレタン等の発泡材料が入り込むことにより、バリ部2が形成される。この際、下型12のキャビティ内面と第1の凸部13の外周面とが交わるコーナー部に取り残されたエアも、これらの先端面同士の間に入り込む。これにより、発泡成形体1の凹部5,6の周囲にエア溜まりが生じることが防止される。凹所14aの天井面と第1の凸部13の先端面との間には、比較的厚みの大きい厚肉部2bが形成され、第2の凸部14の先端面の該凹所14aよりも外周側と第1の凸部13の先端面との間には、比較的厚みの小さい薄肉部2aが形成される。
発泡成形後、上型11を開き、下型12内から発泡成形体1を取り出す。前述の通り、この実施の形態では、第1の凸部13の先端面には、厚肉部2bを形成するための凹所が設けられていないので、この第1の凸部13の先端面により、バリ部2の前面は、薄肉部2aから厚肉部2bまで連続した略平坦面となっている。即ち、この第1の凸部13の先端面には、バリ部2の厚肉部2bは係合していない。これにより、脱型時には、バリ部2が容易に第1の凸部13の先端面から離反するため、発泡成形体1をスムーズに下型12内から取り出すことができる。なお、仮に第1の凸部13の先端面にも厚肉部2b形成用の凹所を設けた場合には、脱型時に厚肉部2bを該凹所から抜き出す際に、薄肉部2aが破断するか又は該厚肉部2b自体が部分的に破断して該凹所内に厚肉部2bが残留しないように注意する必要がある。
この発泡成形体1からシートバックを製造するに当っては、第4図のように、作業者が指を凹部5又は凹部6に差し入れ、バリ部2の厚肉部2bを押す。これにより、バリ部2の薄肉部2aに応力が集中して該薄肉部2aが破断し、バリ部2が発泡成形体1から分離する。この結果、通気孔Tは、シートバック本体(発泡成形体1)を厚み方向に貫通したものとなる。その後、必要に応じ、凹部5,6内の破断面の仕上げ処理等を行うことにより、通気孔Tを有したシートバックが完成する。
この発泡成形体1にあっては、バリ部2の周縁部に、薄肉部2aからなる脆弱部が設けられているので、このバリ部2の中央の厚肉部を押すことにより、容易にこの薄肉部2aを破断させてバリ部2を除去することができる。また、この発泡成形体1にあっては、バリ部2は、該発泡成形体1の前面3及び後面4からそれぞれ通気孔T内に後退した位置に形成されている。従って、仮にバリ部2を除去した際に、薄肉部2aがわずかに通気孔Tの内周面に残ったり、該通気孔Tの内周面が若干欠けたとしても、発泡成形体1の前面3及び後面4の形状には実質的に全く影響がない。これにより、バリ部2を除去した後のシートバックの外面形状にバラ付きが生じることが防止される。
この実施の形態では、バリ部2の周縁部に薄肉部2aが形成されているため、バリ部2の中央の厚肉部2bを押したときには、この薄肉部2aに応力が集中し、バリ部2は、この薄肉部2aから容易に破断する。この薄肉部2aは、バリ部2の全周にわたって形成されているので、この薄肉部2aに沿ってバリ部2を破断させることにより、バリ部2の略全体を容易に除去することができる。
この薄肉部2aの厚さTを1.0〜1.5mmとし、厚肉部2bの厚さTを2.0〜6.0mmとすることにより、厚肉部2bが押されたときには、該厚肉部2bが破断することなく、薄肉部2aが破断するようになる。そのため、バリ部2を発泡成形体1から除去する際の作業性が良好である。
[実施例及び比較例]
上記の実施の形態において、バリ部2の薄肉部2aの厚さT及び厚肉部2bの厚さTを表1の寸法として、該バリ部2の下型12からの脱型性及び発泡成形体1からの除去時の作業性を評価した。実施例1〜3及び比較例1,2のいずれにおいても、薄肉部2aの幅Wは2mmとし、バリ部2の除去は、作業者が厚肉部2bを指で押すことにより行った。表1の評価の欄の○は、バリ部2の下型12からの脱型性及び発泡成形体1からの除去時の作業性がいずれも良好であったことを示し、×は、これらの少なくとも一方が不良であったことを示している。
Figure 0005543158
表1の通り、実施例1〜3では、脱型時にバリ部2が下型12内に残らず、発泡成形体1と一体的に脱型することができた。また、バリ部2を除去するに当り、作業者が厚肉部2bを指で押したときに、薄肉部2aのみが破断し、この押圧作業だけでバリ部2の略全体が通気孔T内から除去された。そのため、バリ部2を除去した後の発泡成形体1の破断面の処理作業は不要であった。これに対し、比較例1では、薄肉部2aが薄すぎるため、脱型時には、バリ部2が下型12から剥がれる前に薄肉部2aが破断し、バリ部2が下型12内に残った。そのため、発泡成形を行うたびに下型12のメンテナンスを行う必要があった。比較例2では、下型12からの脱型性は良好であった。しかしながら、薄肉部2aが厚すぎるため、バリ部2を除去するに当り、作業者が厚肉部2bを指で押したときに、該薄肉部2aを容易に破断させることができなかった。このとき、強く力を加えたところ、厚肉部2aが破断した。そのため、カッター等を用いてバリ部2を除去する必要があった。
以上の通り、バリ部2の薄肉部2aの厚さTを1.0〜1.5mmとし、厚肉部2bの厚さTを2.0〜6.0mm特に3.0〜5.0mmとすることにより、バリ部2の下型12からの脱型性及び発泡成形体1からの除去時の作業性が良好なものとなる。
上記の構成は、いずれも本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成をもとりうる。
例えば、上記の実施の形態では、バリ部2の前面が薄肉部2aから厚肉部2bまで連続した平坦面となっているが、仮に金型10内において発泡成形体1が後面4を下向きにした姿勢にて成形される(即ち下型12のキャビティ内面により発泡成形体1の後面4が成形される)場合には、バリ部2の後面を、薄肉部2aから厚肉部2bまで連続した平坦面としてもよい。厚肉部2bは、バリ部2の前後両面から張り出すように形成されてもよい。
上記の実施の形態では、発泡成形体1は、車両用シートのシートバックを構成するためのものであるが、本発明は、シートの他の部分、例えばシートクッション(座部)やヘッドレスト、アームレスト等を構成するためのシートパッド用発泡成形体にも適用可能である。また、本発明は、車両用シート以外のシートのシートパッドを構成するためのシートパッド用発泡成形体にも適用可能である。
1 発泡成形体
2 バリ部
2a 薄肉部
2b 厚肉部
3 発泡成形体の前面
4 発泡成形体の後面
5 第1の凹部
6 第2の凹部
10 金型
11 上型
12 下型
13 第1の凸部
14 第2の凸部
14a 厚肉部形成用凹所

Claims (7)

  1. 着座者対峙面を有するシートパッド本体と、該シートパッド本体を該着座者対峙面からこれと反対側面まで貫通する孔とを有するシートパッドを構成するための発泡成形体であって、
    該シートパッド本体と一体的に、該孔を塞ぐバリ部が形成されており、該バリ部を除去することにより、該孔が該シートパッド本体を貫通したものとなるシートパッド用発泡成形体において、
    該バリ部は、該着座者対峙面又は該反対側面から前記孔内に5〜10mm後退した位置に形成され
    前記バリ部の周縁部に、比較的厚みの小さい薄肉部が形成されており、該薄肉部よりも該バリ部中央側は、該薄肉部より厚みの大きい厚肉部となっており、
    前記バリ部の前記着座者対峙面側の面は、前記薄肉部から前記厚肉部まで面一状の略平坦面となっていることを特徴とするシートパッド用発泡成形体。
  2. 請求項において、前記薄肉部は、前記バリ部の全周にわたって形成されていることを特徴とするシートパッド用発泡成形体。
  3. 請求項1又は2において、前記薄肉部の厚さTは1.0〜1.5mmであり、前記厚肉部の厚さTは2.0〜6.0mmであることを特徴とするシートパッド用発泡成形体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、前記孔の径方向における前記薄肉部の幅Wは2.0〜3.0mmであることを特徴とするシートパッド用発泡成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、前記孔の開口形状は円形状又は楕円形状であることを特徴とするシートパッド用発泡成形体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートパッド用発泡成形体から前記バリ部を除去することによりシートパッドを製造するシートパッドの製造方法。
  7. 請求項において、前記バリ部を前記孔を介して押すことにより該バリ部を除去することを特徴とするシートパッド製造方法。
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