JP2015151016A - 乗物用シートの製造方法及び乗物用シートの構成部材 - Google Patents

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奥田 眞司
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Abstract

【課題】よりシンプルな構成で、乗物用シートの構成部材に流路部を性能良く形成可能とすることにある。【解決手段】シートカバー4Sが、着座側に配置して気体の通過可能な第一部位10と、シートパッド4P側に配置して第一部位10よりも通気度の劣る第二部位20とを有し、流路部9が、シートパッド4P側の流路部部分(30)と、第二部位20をその厚み方向に貫通して第一部位10に通じる連通孔22とを有し、第二部位20の通気度以下の通気度を有する閉塞部40にて連通孔22を閉塞したのち、第二部位20と閉塞部40にてシートパッド4Pの成形材料の第一部位10側への侵入を規制しながら、シートパッド4Pを成形しつつシートカバー4Sに一体化する第一工程と、閉塞部40を除去することにより、第二部位20の連通孔22を流路部部分(30)に連通させて流路部9を形成する第二工程とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、気体の通過可能な流路部を備えた乗物用シートの製造方法及び乗物用シートの構成部材(シートカバーとシートパッドが一体化された部材)に関する。
この種の乗物用シートとして、シートクッションと、シートバックと、これらに内蔵の送風装置を備えた乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。
シートクッションとシートバックは、各々、シートパッドとシートカバーが一体化された部材(構成部材)と、シートパッドからシートカバーにかけて気体の通過可能な流路部とを有する。シートパッドは、シート外形をなす弾性部材(発泡樹脂製)であり、他部位に比して薄い薄肉部(流路部の一部)を有する。またシートカバーは、シートパッドを被覆可能な袋状の部材であり、着座側の第一部位(通気性を有する面材)と、シートパッド側の第二部位(非通気性の面材)を有する。
公知技術では、シートパッドを成形型で成形しつつ、シートカバーに一体化する。このとき成形型のキャビティ内にシートカバーを配設しつつ、第二部位側をキャビティ側に向ける。つぎにキャビティ内で成形材料を発泡硬化させてシートパッドを成形しつつ、シートカバーに一体化させる。このとき第二部位(非通気性)にて成形材料の侵入を極力防ぐことで、シートカバーの硬化を極力抑えることができる(性能良くシートカバーとシートパッドを一体化できる)。
そしてパンチ部材にて、シートパッドの薄肉部から第二部位に貫通孔(流路部の他部)を形成して第一部位に連通させる(流路部を完成させる)。こうしてシートの組立時において送風装置に流路部を連通することにより、送風装置の気体を、流路部を介して第一部位から送風することができる。
特開2013−216196号公報
ところで公知技術では、シートの作成作業にパンチ部材(流路部を形成する装置)を要するため、シートのコスト低減化の観点から、すんなり採用できる構成ではなかった。
またパンチ部材にて、シートパッド側から第二部位に貫通孔を精度良く形成する(例えば第一部位を極力破損させることなく孔部を形成する)作業がやや面倒であった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、よりシンプルな構成で、乗物用シートの構成部材に流路部を性能良く形成可能とすることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明にかかる乗物用シートの製造方法では、乗物用シートが、シート外形をなす発泡樹脂製のシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーと、シートパッドからシートカバーにかけて気体の通過可能な流路部とを有する。
そして本発明では、シートパッドを成形すると同時にシートカバーに一体化するのであるが、この種の構成では、よりシンプルな構成で、乗物用シートに流路部を性能良く形成できることが望ましい。
本発明では、シートカバーが、着座側に配置して気体の通過可能な第一部位と、シートパッド側に配置して第一部位よりも通気度の劣る第二部位とを有する。また流路部が、シートパッド側の流路部部分と、第二部位をその厚み方向に貫通して第一部位に通じる連通孔とを有する。
そこで本発明では、下記の第一工程と第二工程にて、乗物用シートに流路部を性能良く形成することとした。
第一工程:第二部位の通気度以下の通気度を有する閉塞部にて連通孔を閉塞したのち、第二部位と閉塞部にてシートパッドの成形材料の第一部位側への侵入を規制しながら、シートパッドを成形しつつシートカバーに一体化する。
第二工程:閉塞部を除去することにより、第二部位の連通孔をシートパッド側の流路部部分に連通させて流路部を形成する。
本発明では、第一工程において、第二部位の連通孔を閉塞部(通気性に劣る部材)にて閉塞することで第一部位への成形材料の侵入を極力防ぐことができる。そして第二工程において、閉塞部を除去することにより(シンプルな構成により)、乗物用シートに流路部を精度良く形成することができる。
第2発明の乗物用シートの製造方法は、第1発明の乗物用シートの製造方法であって、閉塞部が、連通孔を被覆する被覆部と、被覆部から突出する突出部を有する。
そこで本発明では、第一工程において、第二部位の連通孔を被覆部にて閉塞する。
そして第二部位と被覆部にてシートパッドの成形材料の第一部位側への侵入を規制しながら、シートパッドを成形しつつシートカバーに一体化するとともに、突出部を、シートパッドの流路部部分側に露出させることとした(閉塞部をより簡単に除去可能な構成とした)。
第3発明の乗物用シートの構成部材は、シート外形をなす発泡樹脂製のシートパッドと、シートパッドを被覆するシートカバーとを有する。そして本発明では、シートパッドを成形すると同時にシートカバーに一体化するとともに、シートパッドからシートカバーにかけて気体の通過可能な流路部を形成可能な構成である。
本発明では、シートカバーが、着座側をなして気体の通過可能な第一部位と、シートパッド側をなして第一部位よりも通気度の劣る第二部位とを有する。また流路部が、シートパッド側の流路部部分と、第二部位をその厚み方向に貫通して第一部位に通じる連通孔とを有する。
そこで本発明では、第二部位の通気度以下の通気度を有する閉塞部にて連通孔が閉塞されることで、第二部位と閉塞部にてシートパッドの成形材料の第一部位側への侵入が規制された状態とされる。そして閉塞部が、シートパッドの流路部部分側から除去可能に配置することで、流路部を精度良く形成可能な構成とすることができる。
本発明に係る第1発明によれば、よりシンプルな構成で、乗物用シートの構成部材に流路部を性能良く形成することができる。また第2発明によれば、さらにシンプルな構成で、乗物用シートの構成部材に流路部を性能良く形成することができる。そして第3発明によれば、よりシンプルな構成で流路部を性能良く形成可能な乗物用シートの構成部材を提供することができる。
乗物用シートの斜視図である。 (a)は、乗物用シートの構成部材一部の断面図であり、(b)は、閉塞部を除去した状態の構成部材一部の断面図である。 第二部位の斜視図である。 シートパッドの成形工程を示す成形型の断面図であり、(a)は、シートカバーを配置した際の図であり、(b)は、シートパッドの成形途中の図である。 (a)は、変形例1にかかる閉塞部と第二部位の概略図であり、(b)は、変形例2にかかる閉塞部と第二部位の概略図である。 変形例3にかかる閉塞部を示す図であり、(a)は、閉塞部の斜視図であり、(b)は、乗物用シートの構成部材一部の断面図である。 変形例4にかかる閉塞部を示す図であり、(a)は、閉塞部の斜視図であり、(b)は、乗物用シートの構成部材一部の断面図である。 変形例5にかかる閉塞部を示す図であり、(a)は、閉塞部の斜視図であり、(b)は、乗物用シートの構成部材一部の断面図である。 変形例6にかかるシートバックのシートカバーの概略裏面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図9を参照して説明する。各図には、適宜、乗物用シート前方に符号F、乗物用シート後方に符号B、乗物用シート上方に符号UP、乗物用シート下方に符号DWを付す。
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F、図示省略)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P)と、シートパッドに被覆されるシートカバー(4S,6S)を有する。
本実施例では、例えばシートクッション4内に送風装置8が配設される(図1を参照)。この送風装置8は、中空の箱体(円筒状)であり、送風機構を内蔵する。送風機構として、例えば遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を使用できる。この種の送風機構として、多翼ファン(シロッコファン)、プレートファン、ターボファン、翼形ファン、リミットロードファンを例示できる。
そして本実施例では、後述するようにシートパッド4Pの成形時にシートカバー4Sを一体化する(図2を参照)。この乗物用シート2の構成部材(シートパッド4Pとシートカバー4Sが一体化された部材)には、シートパッド4Pからシートカバー4Sにかけて気体の通過可能な流路部9が形成される。こうして送風装置8から吹出される気体(エアやガス)を、構成部材(シートパッド4P,シートカバー4S)の流路部9を通じて乗員に送風可能とする。
この種のシート構成では、よりシンプルな構成で、乗物用シート2の構成部材(4P,4S)に流路部9を性能良く形成できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述のシンプルな構成(閉塞部40及びそれを用いた製造方法)で、乗物用シート2の構成部材に流路部9を性能良く形成することとした。以下各構成について詳述する。
[シートパッド]
シートパッド4Pは、乗員を弾性的に支持可能な発泡樹脂製の部材(略長方形状)であり、薄肉部30(シートパッド側の流路部部分)を有する(図2を参照)。シートパッド4Pの材質(発泡樹脂の種類)は特に限定しないが、ポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)を例示できる。
そして薄肉部30は、シートカバー4Sに向かって凹状の部位(流路部9の一部)であり、シートパッド4Pの裏面に形成できる(図2を参照)。本実施例では、略円筒形状の薄肉部30をシートパッド4Pに適宜の間隔で複数形成する。そして薄肉部30の形成位置におけるシートパッド4Pの厚み寸法T2を、別位置(薄肉部30の非形成位置)の厚み寸法T1よりも小さく設定する(典型的に半分以下に設定する)ことができる。
[シートカバー]
シートカバー4Sは、着座側に配置する第一部位10(通気性を有する面材)と、シートパッド側に配置する第二部位20を有する。
本実施例では、後述するように第一部位10と第二部位20を積層状に一体化する。そして第二部位20(第一部位10よりも通気性に劣る部位)によって、成形時におけるシートパッド4Pの成形材料FMの侵入を極力阻止する構成とした(図4を参照)。
(第一部位)
第一部位10は、表材12aと通気材12bを有する面材からなり、シートカバー4Sの着座側に配設できる(図2を参照)。
第一部位10は、気体の通過可能な部位であり、200cc/cm2・sec〜400cc/cm2・secの通気度を有することが好ましい。この種の通気度は、例えばJIS L 1096に準拠して測定できる。
そして表材12aは、シートカバー4Sの着座側をなす部位であり、適度な通気性を有する。表材12aの材質は特に限定しないが、布帛(織物,編物,貫通孔を備えた不織布)、貫通孔を備えた皮革(天然皮革,合成皮革)を例示できる。
また通気材12bは、表材12a裏面に配置する部位であり、適度な通気性を有する。通気材12bの素材は特に限定しないが、高通気性のスラブウレタン(上記範囲の通気度を有する部材)、綿材、3Dネット体(繊維を三次元状に編製してなる部材)を例示できる。そして本実施例では、通気材12bに孔部12Hを設けることができる。孔部12Hは、通気材12bをその厚み方向に貫通する貫通孔であり、それぞれ薄肉部30に対面可能な位置に形成される。
(第二部位,連通孔)
第二部位20は、第一部位10よりも通気度の劣る部位であり、シートカバー4Sの裏面(シートパッド4Pを臨む側)に配設できる(図2を参照)。
第二部位20は、典型的に通気度0cc/cm2・sec〜10cc/cm2・secの部材からなり、シートパッド4Pの成形材料(溶融樹脂)の侵入を極力阻止可能である。この種の素材として、低通気性のスラブウレタン(上記範囲の通気度を有する部材)、皮革、樹脂層(フィルム状)を例示できる。
本実施例の第二部位20は、その中央に通電可能な通電部21を有して、静電容量式センサの電極やヒータとして機能する。通電部21には、典型的に導電糸や導線が配置しており、これらが電源(図示省略)に電気的につながる。
そして本実施例では、第二部位20(通電部21)に、同部位をその厚み方向に貫通する連通孔22(流路部9の他部をなす貫通孔)が複数形成される。複数の連通孔22は、通電部21の非通電箇所(導電糸等の配置箇所とは異なる箇所)に適宜の間隔で形成される。そして各連通孔22は、シートパッド4Pを臨む裏面側)の開口が略円形状(正面視)をなしており、それぞれ第一部位10(通気材12bの孔部12H)に通じる。
(シートカバーの形成)
本実施例では、表材12aと通気材12bを積層しつつ、接着や融着(ラミネート加工)にて一体化することで、第一部位10を形成する(図2を参照)。
つぎに第一部位10と第二部位20を重ね合わせたのち、これらの適宜の箇所で縫合などの手法で一体化する。このように第一部位10と第二部位20を積層状態で一体化したのち(シートカバーを形成したのち)、後述の手法でシートパッド4Pに一体化する。
なお本実施例では、シートクッション4の中央を覆うシートカバー部分(着座性を維持すべき部位)にのみ第一部位10と第二部位20を配設するとともに、その他のシートカバー部分は第一部位10のみで形成することができる。
(閉塞部)
閉塞部40は、連通孔22を閉塞可能な部材(第二部位とは別体)からなり、第二部位20の通気度以下の通気度を有する(図3を参照)。ここで閉塞部40の材質は特に限定しないが、例えば第二部位20で例示の素材で形成できる。
本実施例の閉塞部40は、連通孔22を被覆可能な被覆部42と、突出部44を有する。被覆部42は、連通孔22よりも大径の面材(正面視で略円形)であり、第二部位20に剥離可能に接着される。ここで被覆部42の接着強度は特に限定しないが、典型的には0.1N/cm〜1.0N/cm程度に設定できる。接着強度をこの範囲に設定することで第二部位20を極力傷めることなく、閉塞部40(被覆部42)を容易に剥離することができる。なお閉塞部40は、接着層を一体的に有していてもよく、接着剤を介して第二部位20に接着されていてもよい。
そして突出部44は、被覆部42の周縁一部から突出する略矩形の部位である。本実施例の突出部44は、自由状態時において被覆部42周縁から起立しつつシートパッド4P側に向けて湾曲する(曲がり癖が付けられる)。このような曲がり癖は、例えば突出部44を仮曲げした状態で熱プレスすることで付けることができる。
[構成部材の作製(第一工程)]
第一工程では、各連通孔22をそれぞれ閉塞部40にて閉塞したのち、成形型60にてシートパッド4Pを成形しつつシートカバー4Sに一体化する(図2及び図4を参照)。
ここで本実施例の成形型60は、第一型61と、第一型61に閉じ合せ可能な第二型62と、両型の間に形成されるキャビティ64(シートパッドの外形に倣った空間部)を有する(図4を参照)。第一型61の内面は、シートパッド4Pの着座面形状に倣った形状を有する。また第二型62の内面は、シートパッド4Pの後面形状に倣った形状を有するとともに、突出部位66(薄肉部30の外形に倣った円筒状の部位)が突設される。
そこで本実施例では、第一型61の内面にシートカバー4Sを配置しつつ、閉塞部40(連通孔22)を突出部位66の直下に配置する。
そして型閉じののちに、キャビティ64内に成形材料FM(液状樹脂等)を射出することで、シートカバー4Sが第一型61に押しつけられる。この状態で成形材料FMが発泡硬化することにより、シートパッド4Pを成形しつつ、シートカバー4Sを、シートパッド4Pの表面に一体的に取付けることができる。また本実施例では、シートパッド4Pの成形と同時に、突出部位66にて、シートパッド4Pに薄肉部30を形成できる。
そして本実施例では、第二部位20と閉塞部40(ともに通気性に劣る部材)にて、第一部位10側への成形材料FMの侵入を規制(極力阻止)できる。このためシートカバー4S本来の性質を極力維持しつつ、シートパッド4Pとシートカバー4Sを好適に一体化できる。さらに本実施例では、突出部44が、成形材料FMの圧力に抗してシートパッド側に湾曲した状態となり、成形後において薄肉部30の底面側から露出する。
[流路部の形成(第二工程)]
第二工程では、閉塞部40を除去することにより、第二部位20の連通孔22を薄肉部30(シートパッド側の流路部部分)に連通させて流路部9を形成する(図2を参照)。
このとき本実施例では、突出部44を持ち手(目印)として、閉塞部40を、薄肉部30の底面側の部分とともに第二部位20から剥離させて除去する。
こうして閉塞部40を、薄肉部30の底面側の部分とともに除去することで、連通孔22を薄肉部30にスムーズに連通させることができる(流路部9を手間取ることなく形成できる)。なお後加工として薄肉部30の底面側の形状を適宜整えることで、薄肉部30から連通孔22に気体をスムーズに流入させることができる。
[乗物用シートの組立作業]
図1を参照して、シートクッション4内(シートパッドの裏面側)に送風装置8を配置しつつ、シートフレーム4Fなどに固定する。
そしてシートフレーム4F上に、構成部材(シートパッド4P,シートカバー4S)を配設する。つぎにシートパッド4Pの流路部9に、パイプ部材等(図示省略)を介して送風装置8を連通する。
こうすることで送風装置8から吹出される気体を、流路部9を通じてシートカバー4S(第一部位10)から乗員側に送風することができる。
以上説明したとおり本実施例では、第一工程において、連通孔22を閉塞部40(通気性に劣る部材)にて閉塞することで第一部位10への成形材料FMの侵入を極力防ぐことができる。そして第二工程において、閉塞部40を除去することにより(シンプルな構成により)、構成部材(4P,4S)に流路部9を精度良く形成することができる。
また本実施例では、突出部44を、薄肉部30(シートパッドの流路部部分)側に露出させることで、閉塞部40をより簡単に除去することができる。
そして本実施例では、閉塞部40を除去しないままの構成部材(4P,4S)を提供することもできる。この構成部材(4P,4S)は、連通孔22が閉塞部40にて閉塞されることで、成形材料FMの第一部位10側への侵入が規制された状態とされる。そして閉塞部40が、薄肉部30から除去可能に配置することで、のちに流路部9を精度良く形成可能な構成である。
このため本実施例によれば、よりシンプルな構成で、乗物用シート2の構成部材(4P,4S)に流路部9を性能良く形成することができる。
[変形例1及び変形例2]
閉塞部は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。
例えば変形例1では、被覆部のみで構成される閉塞部40Aを薄肉部30の底面に配置する(図2及び図5(a)を参照)。この場合にも薄肉部30(比較的薄いシートパッド部分)から閉塞部40Aが透けて見えるため、閉塞部40Aを、第二部位20から比較的容易に除去できる。
また変形例2では、閉塞部40Bの裏面(被覆部42Bの中央)から突出部44Bが起立(自立)する(図5(b)を参照)。突出部44Bは、略円錐状の部位であって先端側が球状である。本変形例では、突出部44Bが自立するため、薄肉部30からより確実に露出することとなる(図2及び図5(b)を参照)。
[変形例3]
また変形例3の閉塞部40Cは、可撓性を備えた面材(正面視で略円形状)である(図6を参照)。閉塞部40Cの中央部分(中空)は段差状に突出しており、被覆部42Cよりも一段高い第一突出部43Cと、さらに一段高い第二突出部44Cを有する。第一突出部43Cは、例えばシートパッド4P(薄肉部)と同等の厚み寸法を有する。
そして型閉じ時において、第二突出部44Cが突出部位におされながら凹み変形する。この状態でシートパッド4Pを成形することにより、シートパッド4P側の流路部部分から第二突出部44Cを露出させることができる。
[変形例4]
また変形例4の閉塞部40Dは円筒部材であり、シートパッド4P(薄肉部)と同等の厚み寸法を有する(図7を参照)。
そして閉塞部40Dの中央部分(凹み部分)には、略矩形の突出部44Dが傾斜状に起立する。突出部44Dは、その一端側で閉塞部40Dに連結しており、上からの押圧により閉塞部40Dに向けて倒す(凹み部分に収まる)ことができる。
そして型閉じ時において、突出部44Dが突出部位におされながら倒れつつ凹み部分に収まる。この状態でシートパッド4Pを成形することにより、シートパッド4P側の流路部部分から第二突出部44Dを露出させることができる。
そして本変形例では、閉塞部40Dを取り除くことで、その外形形状に倣った孔部を薄肉部の底面などに形成できる(後加工の極力不要な構成である)。また閉塞部40Dは、シートパッド4Pから引き抜いたのちにもその形状が維持されることから再使用が可能な構成である。
[変形例5]
また変形例5の閉塞部40Eは円筒部材であり、シートパッド4P(薄肉部)と同等の厚み寸法を有する(図8を参照)。
そして閉塞部40Eの中央部分(凹み部位43E)には、弾縮可能な突出部44Eが突出する。突出部44Eは、側面視でダイヤ印状の平板部位であり、上からの押圧により閉塞部40Eに向けて弾縮する(凹み部位43Eに収まる)ことができる。
そして型閉じ時において、突出部44Eが、突出部位に押されて弾縮しつつ凹み部位43Eに収まる。この状態でシートパッド4Pを成形することにより、シートパッド4P側の流路部部分から突出部44Eを露出させることができる。
そして本変形例においても、閉塞部40Eを取り除くことで、その外形形状に倣った孔部を薄肉部の底面などに形成できる(後加工の極力不要な構成である)。また閉塞部40Eは、シートパッド4Pから引き抜いたのちにもその形状が維持されることから再使用が可能な構成である。
[変形例6]
また閉塞部の形状は、孔部の形状に合わせて適宜変更可能である。
例えばシートバック6では、シートカバー6S(第二部位)に、円形の連通孔22A〜22Dと、線状の連通孔23A,23Bと、楕円形の連通孔24A〜24Fが形成される(図9を参照)。
そこで本変形例では、円形の第一閉塞部51A〜51Dにて、対応する円形の連通孔22A〜22Dを閉塞できる。また同様に線状の第二閉塞部52A,52Bにて、対応する線状の連通孔23A,23Bを閉塞できる。また同様に楕円形の第三閉塞部53A〜53Fにて、対応する楕円形の連通孔24A〜24Fを閉塞できる。
このように本変形例に例示するとおり、閉塞部40の形状を変更するだけで(比較的シンプルな手法にて)、各種の形状の連通孔を閉塞することができる。
なお本変形例では、シートバック6において、各閉塞部を除去しないままの構成部材(6P,6S)が提供される。この構成部材(6P,6S)は、各連通孔が各閉塞部にて閉塞されることで、成形材料の第一部位側への侵入が規制された状態とされる。そして各閉塞部が、シートパッド6P側の流路部部分から除去可能に配置する。このためシートバック6に送風装置を配設する場合に流路部9を精度良く形成可能な構成である。
本実施形態の乗物用シートの製造方法及びその構成部材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、流路部9をなす連通孔22及び薄肉部30の構成(形状、寸法、形成数、形成位置など)を例示したが、これら各部の構成を限定する趣旨ではない。例えば連通孔と、薄肉部(シートパッド側の流路部部分)は、シート構成に応じて、その構成を適宜変更可能である。
(2)また本実施形態では、閉塞部(40等)の構成を例示したが、同部材の構成はシート構成に応じて適宜変更可能である。例えば本実施例等では、閉塞部の全部を除去する構成を例示したが、閉塞部の一部を除去可能な構成とすることができる。例えば円形の閉塞部材の場合、その中央に円形のミシン目(非貫通の溝部)等を入れるなどして、その中央部分のみ(比較的小径の部分のみ)を除去することで、流路部の径を適宜調節することができる。
(3)また本実施形態では、第二部位20と別体の閉塞部40を例示したが、閉塞部は、第二部位と一体とすることができる。例えば第二部位に、ミシン目(非貫通の溝部)で区分けされる閉塞部を形成し、そのミシン目に沿って閉塞部のみを切り離して除去することができる。
(4)また本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 送風装置
9 流路部
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
10 第一部位
12a 表材
12b 通気材
20 第二部位
21 通電部
22 連通孔
30 薄肉部
40 閉塞部
42 被覆部
44 突出部
60 成形型
61 第一型
62 第二型
64 キャビティ
66 突出部位
FM 成形材料

Claims (3)

  1. シート外形をなす発泡樹脂製のシートパッドと、前記シートパッドを被覆するシートカバーと、前記シートパッドから前記シートカバーにかけて気体の通過可能な流路部とを有し、前記シートパッドを成形すると同時に前記シートカバーに一体化する構成の乗物用シートの製造方法において、
    前記シートカバーが、着座側に配置して前記気体の通過可能な第一部位と、前記シートパッド側に配置して前記第一部位よりも通気度の劣る第二部位とを有し、
    前記流路部が、前記シートパッド側の流路部部分と、前記第二部位をその厚み方向に貫通して前記第一部位に通じる連通孔とを有し、
    前記第二部位の通気度以下の通気度を有する閉塞部にて前記連通孔を閉塞したのち、前記第二部位と前記閉塞部にて前記シートパッドの成形材料の前記第一部位側への侵入を規制しながら、前記シートパッドを成形しつつ前記シートカバーに一体化する第一工程と、
    前記閉塞部を除去することにより、前記第二部位の連通孔を前記シートパッド側の流路部部分に連通させて前記流路部を形成する第二工程とを有する乗物用シートの製造方法。
  2. 前記閉塞部が、前記連通孔を被覆する被覆部と、前記被覆部から突出する突出部を有し、
    前記第一工程において、前記第二部位の連通孔を前記被覆部にて閉塞したのち、前記第二部位と前記被覆部にて前記シートパッドの成形材料の前記第一部位側への侵入を規制しながら、前記シートパッドを成形しつつ前記シートカバーに一体化するとともに、前記突出部を、前記シートパッドの前記流路部部分側に露出させる請求項1に記載した乗物用シートの製造方法。
  3. シート外形をなす発泡樹脂製のシートパッドと、前記シートパッドを被覆するシートカバーとを有し、前記シートパッドを成形すると同時に前記シートカバーに一体化するとともに、前記シートパッドから前記シートカバーにかけて気体の通過可能な流路部を形成可能な乗物用シートの構成部材において、
    前記シートカバーが、着座側をなして前記気体の通過可能な第一部位と、前記シートパッド側をなして前記第一部位よりも通気度の劣る第二部位とを有し、
    前記流路部が、前記シートパッド側の流路部部分と、前記第二部位をその厚み方向に貫通して前記第一部位に通じる連通孔とを有し、
    前記第二部位の通気度以下の通気度を有する閉塞部にて前記連通孔が閉塞されることで、前記第二部位と前記閉塞部にて前記シートパッドの成形材料の前記第一部位側への侵入が規制された状態とされ、
    前記閉塞部が、前記シートパッドの前記流路部部分側から除去可能に配置する乗物用シートの構成部材。
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