JP5543001B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本実施の形態に係る固体電解コンデンサの製造方法によって製造される固体電解コンデンサの構成について説明する。当該製造方法は、焼結体からなる陽極体を有するチップ型の固体電解コンデンサ、金属箔からなる陽極体を有する巻回型の固体電解コンデンサおよび金属板からなる陽極体を有する積層型の固体電解コンデンサに適用可能であるが、ここでは、積層型の固体電解コンデンサを用いて説明する。
図2において、コンデンサ素子10は、アルミニウム、ニオブまたはタンタル等のバルブ金属箔からなる陽極体21を有し、陽極体21の表面には誘電体被膜22が形成されている。誘電体被膜22は、公知の技術によって形成することができ、例えば、バルブ金属箔をリン酸等の水溶液に浸し、所定電圧を印加して化成処理することによって形成することができる。また、誘電体被膜22上には、導電性高分子層23、カーボン層24、および銀ペースト層25が順次積層されている。導電性高分子層23、カーボン層24、および銀ペースト層25は陰極層を構成し、コンデンサ素子10のうち、陽極体21上に陰極
層が積層された部分が陰極部11となり、陰極層が積層されずに陽極体21または誘電体被膜22が露出している部分が陽極部12となる。
以下に、固体電解コンデンサ100の製造方法について説明する。
本実施の形態において、まず、導電性高分子層形成工程として、誘電体被膜22が形成された陽極体21に、導電性固体および第1溶媒を含有する分散体を接触させて、陽極体21上に導電性高分子層23を形成する。
次に、洗浄工程として、導電性高分子層23を陽極体21上に形成した後に、陽極体21を、導電性固体を分散でき、第1溶媒よりも高い沸点を有する第2溶媒で洗浄する。
図3(a)に示されるように、一般的に、誘電体被膜22が形成された陽極体21の表面には穴30が存在している。ここでの穴30とは、固体電解コンデンサ100の静電容量を大きくするために、陽極体21をエッチング処理することによって形成されるピットのことであり、穴30の表面にも誘電体被膜22が形成されている。
性高分子層23の変化を図3(c)に示す。第2溶媒34は、上述のように、導電性固体32aおよび32bを分散できる性質を有しているため、陽極体21に付着していない粗大な導電性固体32bが第2溶媒34中に分散されて、導電性高分子層23から除去される。あるいは、第2溶媒34は、粗大な導電性固体32bそのものを分散させることができ、導電性固体32bは第2溶媒34中で再分散して、小さな粒子または凝集体に再構成される。したがって、図3(c)において粗大な導電性固体32bを構成していた導電性固体は、除去されるか、あるいは小さな粒子または凝集体となって陽極体21上に再付着されると考えられる。
次に、乾燥工程として、上記洗浄工程の後に、陽極体21を第1溶媒の沸点以上第2溶媒の沸点未満の温度で乾燥する。
≪前準備≫
(1)分散体の調製
3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸とを、第1溶媒としてのイオン交換水に溶かした混合溶液を調製した。得られた混合溶液を攪拌しながら、イオン交換水に溶かした酸化剤としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄塩溶液を添加して反応液を得た。次に、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去して約5質量%のポリスチレンスルホン酸ドープのポリエチレンジオキシチオフェンを含む溶液を得た。そして、この溶液にイミダゾールを均一に分散させて分散体を得た。
厚さが0.1mmの大判のアルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、3Vの電圧を印加して化成処理を行い、アルミニウム箔の表面に誘電体被膜としての酸化アルミニウム被膜を形成させた。そして、このアルミニウム箔を縦×横が6mm×3.5mmの大きさになるように裁断し、該裁断面に対して上述の同様の化成処理を行うことによって陽極体を作製した。
次に、作製した陽極体および調製した分散体を用いて導電性高分子層を作製した。図4は、実施例1における導電性高分子層を作製する際の処理手順を示すフローチャートである。以下、図4を用いて、導電性高分子層の作製について説明する。
まず、図4のステップS40において、陽極体を分散体に5分間浸漬し、その後陽極体を1mm/sの速さで分散体から引き上げた。次に、引き上げた陽極体をオーブンに入れて、100℃で10分間乾燥させた。
次に、ステップS41において、乾燥後の陽極体を、第2溶媒である炭酸プロピレン(PC)に5分間浸漬し、その後陽極体を1mm/sの速さで炭酸プロピレンから引き上げた。
次に、ステップS42において、炭酸プロピレンから引き上げた陽極体をオーブンに入れて、150℃で10分間乾燥させた。
次に、ステップS43において、導電性高分子層形成工程(1回目)と同様の処理を3回繰り返した。したがって、最終的に分散体に陽極体を浸漬させる操作は4回行ったことになる。
上記工程によって作製された導電性高分子層上に、公知の方法により、カーボン層および銀ペースト層を積層させて、コンデンサ素子を作製した。このコンデンサ素子を3つ作製し、図1に示すように、各コンデンサ素子を積層し、各陰極部の間の1つに陰極端子を配置し、積層された3つのコンデンサ素子の陰極部および陰極端子の間に導電性ペーストを介在させて、それぞれ隣接する部材を接着固定した。また、各コンデンサ素子の陽極部の間の1つに陽極端子を配置し、積層された3つのコンデンサ素子の陽極部および陽極端子を圧着して成形した。
第2溶媒として、水を50wt%含有する炭酸プロピレンを用いた以外は、実施例1と同様の処理手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
1回目の導電性高分子層形成工程の後だけでなく、2回目の導電性高分子層形成工程の後にも洗浄工程を行った以外は、実施例1と同様の処理手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
第2溶媒として、実施例4ではγ−ブチロラクトン(γ−BL)、実施例5ではN−メチル−2−プロピレン(NMP)、実施例6ではエチレングリコール(EG)、実施例7ではプロピレングリコール(PG)を用いた以外は、それぞれ実施例1と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
第2溶媒としてエチレングリコールモノエチルエーテル(EGmEE)を用い、洗浄工程後の乾燥工程を100℃で行った以外は、実施例1と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
洗浄工程を行わずに、導電性高分子層形成工程を7回繰り返した以外は、実施例1と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
第2溶媒としてエタノールを用いた以外は、実施例1と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。
乾燥工程後の導電性高分子層形成工程を6回繰り返した以外は、比較例2と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。したがって、最終的に分散体に陽極体を浸漬させる操作は7回行ったことになる。
洗浄工程後の乾燥工程を100℃で行った以外は、比較例3と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。したがって、最終的に分散体に陽極体を浸漬させる操作は7回行ったことになる。
洗浄工程後の乾燥工程を150℃で行い、乾燥工程後の導電性高分子層形成工程を6回繰り返した以外は、実施例8と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。したがって、最終的に分散体に陽極体を浸漬させる操作は7回行ったことになる。
第2溶媒として、粘度の高い1,5−ペンタンジオール(1,5−PD)を用い、乾燥工程後の導電性高分子層形成工程を6回繰り返した以外は、実施例1と同様の手順に従って、固体電解コンデンサを作製した。したがって、最終的に分散体に陽極体を浸漬させる操作は7回行ったことになる。
≪静電容量≫
各実施例および各比較例の固体電解コンデンサ50個ずつの固体電解コンデンサを、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数120Hzにおける静電容量(μF)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値を算出した。
各実施例および各比較例における50個ずつの固体電解コンデンサについて、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR(mΩ)を測定した。測定された結果のそれぞれの平均値算出した。
各実施例および各比較例における50個ずつの固体電解コンデンサに対して、定格電圧を2分間印加し、その後の各固体電解コンデンサの漏れ電流量を測定した。なお、各固定電解コンデンサの定格電圧は2.0Vであった。
上の水との混和性が高いためと考えられる。
Claims (6)
- 表面に誘電体被膜が形成された陽極体と、前記誘電体被膜上に形成された導電性高分子層と、を備える電解コンデンサの製造方法において、
前記誘電体被膜が形成された前記陽極体に、導電性高分子の粒子または凝集体が第1溶媒に分散された分散体を接触させて、前記陽極体上に前記導電性高分子の粒子または凝集体を付着させる工程と、
前記陽極体に付着させた前記導電性高分子の粒子または凝集体に、前記第1溶媒の沸点よりも高い沸点を有する第2溶媒を接触させる工程と、
前記導電性高分子の粒子または凝集体に前記第2溶媒を接触させた後、前記陽極体を前記第1溶媒の沸点以上の温度で乾燥させる工程を有する電解コンデンサの製造方法。 - 前記導電性高分子の粒子または凝集体を付着させる工程では、
前記誘電体被膜が形成された前記陽極体に前記分散体を接触させた後、前記陽極体を乾燥させる請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。 - 前記導電性高分子粒子または凝集体を付着させる工程は複数回繰り返され、該繰り返しの間に、前記導電性高分子粒子または凝集体に前記第2溶媒を接触させる工程および前記第1溶媒の沸点以上の温度で乾燥させる工程を含む一連の工程が少なくとも1回行われる請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第1溶媒は水または水を主成分とする混合溶媒である請求項1から3のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第2溶媒は前記第1溶媒との混和性を有する請求項1から4のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記第2溶媒の粘度が100mPas以下である請求項1から5のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
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