JP5542640B2 - 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ - Google Patents

封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP5542640B2
JP5542640B2 JP2010271578A JP2010271578A JP5542640B2 JP 5542640 B2 JP5542640 B2 JP 5542640B2 JP 2010271578 A JP2010271578 A JP 2010271578A JP 2010271578 A JP2010271578 A JP 2010271578A JP 5542640 B2 JP5542640 B2 JP 5542640B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottomed cylindrical
cylindrical body
molded body
mold
clay
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010271578A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012121158A (ja
Inventor
治 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2010271578A priority Critical patent/JP5542640B2/ja
Publication of JP2012121158A publication Critical patent/JP2012121158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5542640B2 publication Critical patent/JP5542640B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Press-Shaping Or Shaping Using Conveyers (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

本発明は、押出成形法によって有底筒状体を形成するために用いられる封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタに関する。
従来、底部および筒状部を有する部材の成形には、プレス成形法が用いられていたが、筒状部の長いものはプレス成形法では成形できないため、押出成形法によって得られた筒状部とプレス成形法によって得られた底部とを接着する必要があった。しかしながら、この方法では、筒状部と底部とを別々に成形して接着するために工程が増えるという問題や接着部の強度が不足するという問題があった。
これに対し、押出成形法により底部および筒状部を有する部材を得る方法として、例えば特許文献1には、外側口金の内部にセットされた空気連通孔付きの内側口金の先端に封孔体を吸着保持させ、外側口金の先端を閉鎖したうえ外側口金と内側口金との間に形成される環状空間に流動性のセラミック原料を供給して有底セラミックパイプの底部付近の部分を成形し、次に閉鎖口金を取外し内側口金の空気連通孔を大気圧に開放したうえ流動性のセラミック原料をさらに供給して押出成形を行い、所望長さの有底セラミックパイプを成形する有底セラミックパイプの成形方法が提案されている。
また、特許文献2には、底部を有する袋筒管を製造する方法であって、空気連通孔を透設した底部の内部形状を形成するピストン部を先端に挿脱自在に設けた芯金を口金の内部の所定位置に設置するとともに、底部の外部形状を形成する外型を口金の先端に設置して、口金、芯金、外型により環状空間を形成する工程と、この環状空間に成形素地を供給し、供給した成形素地を押し出して底部を形成する工程と、外型を口金より離型する工程と、芯金からピストン部をスライドさせると同時に底部内部へピストン部の空気連通孔からエアーを吹込むとともに、成形素地を供給して供給した成形素地を押し出す工程とからなる袋筒管の製造方法が提案されている。
特公平4−37762号公報 特公平5−44887号公報
しかしながら、特許文献1に記載の有底セラミックパイプの成形方法を用いれば、長尺の有底セラミックパイプを成形することができるものの、外側口金と内側口金との間に形成される環状空間に、セラミック原料を供給して底部を成形した後、成形を一端停止して外側口金を取り外して筒状部を成形する必要があり、続けて新たな成形に入るには、外側口金を取り付けなければならず、外側口金の着脱に時間が掛かり、成形効率が悪いため量産に適していなかった。
また、特許文献2に記載の袋筒管の製造方法であれば、底部の内面形状が変形することなく常に所定形状の袋筒管を得ることができるものの、底部の作製には、外型の設置または中実体の形成を必要とするため、底部および筒状部を有する部材となる成形体を連続して得ることはできなかった。
また、このような袋筒管を製造するには、ピストン部,ピストン部のスライド機構,エアーの供給源およびその経路等を形成しなければならず、既存の金型を用いることはできないため多大な費用を要するという問題があった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、既存金型の出口側に備えることによって、底部および筒状部を有する部材となる成形体を連続して成形することができる封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにこの製造方法により製造された多孔質の有底筒状体に分離膜を備えたセラミックフィルタを提供することを目的とする。
本発明の封止治具は、坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより中空成形体が得られる押出成形機の前記金型の出口側に備えられてなり、前記中空成形体の外周表面へ離接可能な接触部を有していることを特徴とするものである。
また、本発明の有底筒状体の製造方法は、原料と溶媒とを攪拌混合して坏土を得る工程と、該坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより得られる中空成形体の外周表面に、前記金型の出口側に備えた上記構成の封止治具の接触部を離接させて中空部と中実部とを有する成形体を得る工程と、該成形体を一端が前記中実部で他端が前記中空部となる位置で切断して有底筒状体となる成形体を得る工程と、該有底筒状体となる成形体を乾燥し焼成して有底筒状体を得る工程とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックフィルタは、セラミック粉末からなる原料を用いて上記有底筒状体の製造方法により製造された有底筒状体に分離膜を備えたことを特徴とするものである。
本発明の封止治具によれば、坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより中空成形体が得られる押出成形機の前記金型の出口側に備えられてなり、前記中空成形体の外周表面へ離接可能な接触部を有していることにより、押出成形機や金型等を改造したり新たに形成したりすることなく、既存の金型の出口側に備えることで、有底筒状体を得ることができるため、掛かる費用を抑えることができる。また、押出成形を停止することなく、有底筒状体となる成形体を連続して得ることができる。
また、本発明の有底筒状体の製造方法によれば、原料と溶媒とを攪拌混合して坏土を得る工程と、該坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより得られる中空成形体の外周表面に、前記金型の出口側に備えた上記構成の封止治具の接触部を離接させて中空部と中実部とを有する成形体を得る工程と、該成形体を一端が前記中実部で他端が前記中空部となる位置で切断して有底筒状体となる成形体を得る工程と、該有底筒状体となる成形体を乾燥し焼成して有底筒状体を得る工程とを含むことにより、有底筒状体となる成形体を連続して得ることができるので、成形効率を高めることができる。
また、本発明のセラミックフィルタによれば、セラミック粉末からなる原料を用いて上記有底筒状体の製造方法により製造された有底筒状体に分離膜を備えたことにより、分離膜の支持体となるセラミックスからなる有底筒状体は、機械的強度や耐食性に優れているので、長期間にわたって液体の分離を良好に行なうことができる。
本実施形態の封止治具を備えた押出成形機の断面図である。 本実施形態の封止治具の一例を示す、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での断面図であり、(c)は(a)におけるB−B’線での断面図である。 本実施形態における封止治具の接触部の離接による坏土の流れを示す概略図である。 本実施形態の封止治具の他の例を示す、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるC−C’線での断面図である。 本実施形態の封止治具を用いて製造された有底筒状体の一例を示す、(a)は断面図であり、(b)は(a)におけるD部の拡大断面図である。
以下、本実施形態の封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにこの製造方法により製造された多孔質の有底筒状体に分離膜を備えたセラミックフィルタについて説明する。
図1は、本実施形態の封止治具を備えた押出成形機の断面図である。
図1に示す例のスクリュー式の押出成形機20は、上段バレル部3内に並列に2本設置されたシャフト4aおよび羽根4bからなる上段スクリュー4(図1においては、紙面に垂直な方向に2本が重なっている。)と、下段バレル部7内に設置されたシャフト8aおよび羽根8bからなる下段スクリュー8とを有している、なお、上段スクリュー4は上段軸受け10に両側で接続固定され、下段スクリュー8は下段軸受け11に片側支持で接続固定され、上段スクリュー4および下段スクリュー8は図示しない動力源に接続されている。また、上段スクリュー4と下段スクリュー8との間には真空室6を備え、押出成形機20の内部を真空引きするための図示しない真空ポンプが接続されている。
また、上段バレル部3の一部に坏土の投入口2が開口しており、下段バレル部7の出口側に、金型9,整流板12とこれに接続された中子13が接続された構成としてあり、さらに、金型9の出口側に本実施形態の封止治具1が備えられている。なお、金型9の形状を変えることによって、押し出された成形体の断面の外形を円形や多角形とすることができる。
次に、図1に示す例の押出成形機20を用いた長尺の成形体の成形手順を説明する。まず、原料とバインダと水とを攪拌混合し、混練して粘土状の坏土とする。そして、この坏土を押出成形機20の投入口2より投入し、上段バレル部3内に並列に2本設置された上段スクリュー4同士の間に坏土を巻き込むように2本の上段スクリュー4を互いに逆回転させることによって、投入した坏土が羽根4bと上段バレル部3の内壁との間隙を通り、真空室6へと押し出す。
そして、真空室6へと押し出された坏土は、真空室6に接続された真空ポンプ(不図示)によって減圧されて脱気され、真空室6内を通過した坏土は下段バレル部7内の下段スクリュー8上に落下し、下段スクリュー8の回転により、羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通り、整流板12に設けられた貫通孔を通ることにより、坏土が分割された形で金型9へと押し進められる。そして、金型9と中子13との間を坏土が通過することにより、特定の断面形状を有する中空成形体が成形される。
そして、金型9の出口に備えられる封止部材1の接触部を中空成形体の外周表面へ接触させたり離したりすること(以降、これを離接ともいう。)によって、いずれも外形状および外径は金型9出口の断面形状および内径と同じでありながら、中空部と中実部とを有する成形体を得ることができる。
次に、金型9の出口に備えられる封止部材1の構成について説明する。
図2は、本実施形態の封止治具の一例を示す、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での断面図であり、(c)は(a)におけるB−B’線での断面図である。
図2に示す封止治具1は、断面形状が円状である金型9の出口側に備えられるものであり、主な構成としては、基台21に、窪みを有する一対の接触部22を備えてなり、窪みを有する一対の接触部22を合わせることによってできる空間29は、金型9出口の断面形状と同じになるものである。なお、本実施形態においては、一対の接触部22からなる例を示すが、接触部22を合わせることによって、空間29が金型9出口の断面形状と同じになるものであれば、3つや4つの接触部22を合わせて空間29が形成されるものであってもよい。
そして、基台21には、金型9への取り付け、また接触部22等の固定のため、複数のネジ孔26が開けられているとともに、接触部22の可動溝28が形成されている。
また、それぞれの接触部22は、接触部22を可動溝28上で可動させるための可動バー25を備えている。そして、図2(a)におけるA−A’線での断面図である図2(b)に示すように、可動バー25は、ストッパー23に形成された貫通孔内を通して接触部22に取り付けられ、接触部22とストッパー23との間隔が可動領域となる。なお、また、基台21には、金型9から空間29に連通させるための貫通孔27が形成されている。
また、図2(a)におけるB−B’線での断面図である図2(c)に示すように、接続部22は、可動バー25の可動方向に形成された座繰り部に差し込まれた固定板24のネジ止めすることによって固定されている。
そして、これらの封止治具1を構成する基台21,接触部22,ストッパー23,固定板24および可動バー25は、ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等などの金属材料からなることが好ましい。
次に、図3を用いて本実施形態における封止治具1の接触部22の離接による坏土の流れを説明する。
図3は、本実施形態における封止治具の接触部の離接による坏土の流れを示す、(a)は接触部が中空成形体の外周表面に接しているときの概略図を、(b)はその後に接触部を離したときの概略図を示す。
図3(a)に示すように、封止治具1の接触部22を中空成形体の外周表面に接触させると、接触部22との摩擦の影響を受ける中空成形体の外周側と摩擦の影響を受けていない内周側とで成形速度に差が生じるため、中空部の内径が縮まる方向に坏土が塑性変形して、やがて、塑性変形した坏土によって中空部が埋め尽くされ、続けて押し出されてくる坏土によって、封止治具1の外へ押し出される。また、その後、接触部22を中実成形体の外周表面から離すと、摩擦の影響から解放されるため、図3(b)に示すように接触部22を接触させる前の内径と同じ中空成形体となる。
このように、接触部22を離接させることによって、中子13の外径と同じ内径の中空部と中空部の内径が縮まる方向に坏土が塑性変形して中空部が埋め尽くされた中実部とを交互に有する成形体を連続して得ることができる。そして、得られた成形体を、一端が中実部
,他端が中空部となる位置で切断することにより、底部および筒状部を有する部材(以降、有底筒状体という。)となる成形体を得た後に焼成する、もしくは得られた長尺の成形体を焼成した後に、一端が中実部,他端が中空部となる位置で切断することにより、有底筒状体を得ることができる。したがって、本実施形態の封止治具1を用いれば、押出成形機20や金型9等を改造したり新たに形成したりすることなく、既存の金型の出口側に備えることで、有底筒状体を得ることができるため、掛かる費用を抑えることができる。また、本実施形態の封止治具1を用いることにより、有底筒状体となる成形体を連続して得ることができ、成形効率を高めることができるので量産に適している。
なお、中空部の長い有底筒状体となる成形体を得るときには、接触部22を接触させず、所定の長さの中空部を形成した後に、接触部22を接触させて中実部を形成し、中実部が押し出されたところで切断してもよい。このとき、押出成形を止める必要はないので、接触部22を離せば、成形体の形状を中空部とすることができる。
また、接触部22を接触させていない、すなわち離した状態であれば、従来通り、中子13の外径と同じ内径の中空成形体を連続して成形することができ、接触部22を接触させたままであれば、筒内が埋め尽くされた中実成形体を連続して成形することができる。さらに、接触部22の接触させる時間の調整によっては、中子13の外径よりも小さい範囲で内径を異ならせた中空成形体を得ることも可能である。
また、筒状体の外周表面に接触させる本実施形態の封止治具1の接触部22の表面は、その粗さが算術平均粗さ(Ra)で0.1μm以上50μm以下とすることが好ましい。接触部22の表面の算術平均粗さ(Ra)がこの範囲内であるときには、接触部22の表面と中空成
形体の外周表面とにおいて、筒の内径が縮まる方向に坏土が塑性変形するのに良好な摩擦力を生じさせることができる。
なお、封止治具1の接触部22の表面の算術平均高さ(Ra)は、JIS B 0601−2001に準拠して、カットオフ値(基準長さ)を0.8mm,評価長さを4mmとし、接触式ま
たは非接触式の表面粗さ計を用いて測定する。
図4は、本実施形態の封止治具の他の例を示す、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるC−C’線での断面図である。
図4に示す封止治具1は、基台21内に金型9,中子13および整流板12を備えた以外の構成は図2に示す封止治具1と同じである。このような構成の封止治具1とすれば、他の形状や大きさの中空成形体を成形するために、金型9,中子13および整流板12が個別に接続されているときよりも、取り付けおよび取り外しにかかる時間を短縮することができるため、より生産効率を高めることができる。
図5は、本実施形態の封止治具を用いて製造された有底筒状体の一例を示す、(a)は断面図であり、(b)は(a)におけるD部の拡大断面図である。
本実施形態の封止治具1を用いて製造された有底筒状体30は、図5(a)に示すように、底部31および筒状部32を有するものであり、図5(b)の(a)におけるD部の断面図に示すように、底部31の内表面に段差を有するものとなる。この段差は、本実施形態の封止治具1を用いて坏土の塑性変形によって形成されたことによる。
このように、底部31の内表面が段差を有していれば、乾燥しにくい内表面積を増加させることができるので、有底筒状体30の乾燥工程や焼成工程において、底部31に亀裂や破損が生じるおそれを少なくすることができる。
そして、セラミック粉末からなる原料を用いて、上述した製造方法により多孔質の有底筒状体を形成し、これに特定の液体のみを透過して分離できる分離膜を被着形成することにより、複数の液体を含有する被処理溶液から特定の液体のみを分離することができるセラミックフィルタとすることができる。
なお、セラミック粉末としては、アルミナ,ジルコニアなどの酸化物セラミックスの粉末、窒化珪素,炭化珪素などの非酸化物セラミックスの粉末を用いることができる。本実施形態のセラミックフィルタの一例としては、平均細孔径が1.6μm、気孔率が35%のア
ルミナセラミックスからなる有底筒状体に、一般的に知られている液体を分離するための分離膜を被着形成してなるものである。このような構成の本実施形態のセラミックフィルタは、機械的強度や耐食性に優れたセラミックスからなることにより、長期間にわたって液体の分離を良好に行なうことができる。
なお、セラミック粉末を原料とする坏土の性状としては、その粘度がせん断応力1MPaのとき10000Pa・s以上20000Pa・s以下の範囲とすることが好ましい。坏土の粘度がこの範囲内であれば、接触部22を接触させることによって塑性変形が可能であるとともに、中実部が形成された後に続けて押し出されてくる坏土によって中実部を封止部材1外へ押し出すことができるものとなる。
あた、坏土の粘度は、市販の細管式レオメータでせん断応力τとせん断速度γを測定することで求めることができる。具体的には、試験時の試験圧力P(Pa)を1MPaとしたときのせん断応力τを下記式(1)により算出し、さらに下記式(2)によりせん断速度γを算出する。その後、式(1),(2)で算出したτとγとを乗算することにより、粘度を求めることができる。
τ=PD/4L×10−6{L:ダイ長さ(mm)}(MPa)…(1)
γ=32Q/πD×10{D:ダイ穴直径(mm)}(s−1)…(2)
図2に示す本実施形態の封止治具1を製造し、これを備えた押出成形機20を用いて有底筒状体を製造した。以下に詳細を示す。
まず、封止治具1の製作を行なった。ステンレス鋼板に所定の加工を施し、外径150m
m,厚み20mmの円板とし、さらに所定の加工を施して、中央にφ12mmの貫通孔27と、その周囲に幅50mm,深さ5mmの接触部22をスライドさせるための可動溝28と、金型9への取り付け、また接触部22等の固定のため、複数のネジ孔26とを設けた基台21を得た。
また、炭素工具鋼の塊に所定の加工を施し、合わせたときに半径6mmの円状の空間29となる窪みと、固定板24を嵌合可能な座繰り部と、可動バーを締結可能ネジ孔を設けた、縦50mm,横25mm,高さ30mmの接触部22を2つ得た。
さらに、炭素工具鋼の塊に所定の加工を施し、縦40mm,横10mm,厚さ25mmであり、可動バー25を挿通可能な貫通孔を設けたストッパー23と、縦17mm,横50mm,厚さ1mmである固定板24を2つ得た。なお、ストッパー23および固定板24には、基台21に固定するためのネジ孔も設けた。また、可動バー25として、頭の部分が直径25mm,厚さ5m
m,胴体の部分が直径14mm,長さ15mmであり、先端に接触部22と締結可能なM8のネジ加工を5mmの長さ施した。
そして、基台21の可動溝28上に接触部22を配置し、接触部22に設けた座繰り部に固定板24を差し込んでネジ止めして固定した。続いてストッパー23を基台21の所定位置にネジ止
めして固定し、ストッパー23の側面に設けた貫通孔内に可動バー25を通し、接触部22とネジ止めした。その後、組み立てた封止治具1を図1に示すように、押出成形機20の金型9の出口側にネジ止めして固定した。
次に、坏土を準備した。まず、坏土の原料として、純度が95%以上であり平均粒径が1μmと30μmの2種類のアルミナ1次原料を用意し、この2種類のアルミナ1次原料を20:80の割合で秤量して混合した。そして、この混合されたアルミナ原料100質量%に対し
、Ca,Si,Mgの酸化物からなる焼結助剤を1〜5質量%,バインダとしてPVAを3〜10質量%,水を100質量%,分散剤を0.5質量%となるようにそれぞれ秤量し、これらをニーダーに投入して混練し、粘土状の坏土を得た。なお、市販の細管式レオメータを用いて、坏土のせん断応力τとせん断速度γとを以下の(1),(2)式で求め、τとγを乗算してその粘度を求めたところ、この坏土の粘土は12,000Pa・sであった。
τ=PD/4L×10−6{L:ダイ長さ(mm)}(MPa)…(1)
γ=32Q/πD×10{D:ダイ穴直径(mm)}(s−1)…(2)
以降の成形手順については、図1の押出成形機20を構成する部材の符号を用いて説明する。まず、準備した坏土を押出成形機20の投入口2より投入した。投入された坏土は、上段バレル部3内に並列に2本設置された上段スクリュー4同士の間に坏土を巻き込むように互いに逆回転させることによって、羽根4b同士の間隙および羽根4bと上段バレル部3の内壁との間隙を通ってせん断力を与えられながら押し進められ、真空室6へと押し出された。
そして、真空室6へ押し出された坏土は、真空室6に接続された真空ポンプによって減圧されて脱気され、真空室6内を通過した坏土は下段バレル部7内の下段スクリュー8上に落下し、下段スクリュー8の回転によって羽根8b同士の間隙および羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通って、整流板12に設けられた貫通孔を通ることにより、坏土が分割された形で金型9へと押し進められる。
そして、金型9と中子13との間を坏土が通過することにより、外径12mm,内径9mm
の中空成形体が押し出された。なお、押出速度は1m/minであり、封止治具1の接触部22は、金型9を通過した中空成形体の外周表面には接触しない状態としてあり、中空成形体が、金型9の出口から1mの長さ押し出されたところで、本実施形態の封止治具1の可動バー25を動かして、中空成形体の外周表面に接触部22を15秒間接触させて、中実部を形成した。
その後、可動バー25を動かして接触部22を離し、封止治具1から中実部が押し出されたところで、封止治具1の接触部22の出口の表面に沿って成形体を切断した。このとき、押出成形は続けたままで、中実部の残部と中実部から中空部へと内径が変化している部分が封止治具1から押し出されたところで切断した。そして、この動作を繰り返して有底筒状体となる成形体を10本得た。
このように、本実施形態の封止治具1を用いれば、押出成形を停止することなく、また外型等の着脱を必要とせずに有底筒状体となる成形体を連続して得られることができたので、生産効率を高められることがわかった。
そして、得られた有底筒状体となる成形体を100℃で10時間乾燥させた後、乾燥体の内
表面について確認を行なったところ、亀裂等は生じていなかった。その後、乾燥体を焼成炉に入れて大気雰囲気中で1500〜1700℃の最高温度で焼成することにより、有底筒状体を10本得た。得られた有底筒状体については、いずれも底部31および筒状部32に亀裂や破損は見られなかった。
また、得られた有底筒状体に分離膜を備えたセラミックフィルタを作製し、複数の液体を含有する被処理溶液から特定の液体の分離を行なったところ、本実施形態のセラミックフィルタは、機械的強度や耐食性に優れたセラミックスからなることにより、長期間にわたって液体の分離を良好に行なうことができた。
1:封止治具
20:押出成形機
21:基台
22:接触部
23:ストッパー
24:固定板
25:可動バー
26:ネジ孔
27:貫通孔
28:可動溝
29:空間
30:有底筒状体
31:底部
32:筒状部

Claims (3)

  1. 坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより中空成形体が得られる押出成形機の前記金型の出口側に備えられてなり、前記中空成形体の外周表面へ離接可能な接触部を有していることを特徴とする封止治具。
  2. 原料と溶媒とを攪拌混合して坏土を得る工程と、
    該坏土を押し出して金型と中子との間を通過させることにより得られる中空成形体の外周表面に、前記金型の出口側に備えた請求項1に記載の封止治具の接触部を離接させて中空部と中実部とを有する成形体を得る工程と、
    該成形体を一端が前記中実部で他端が前記中空部となる位置で切断して有底筒状体となる成形体を得る工程と、
    該有底筒状体となる成形体を焼成して有底筒状体を得る工程とを含むことを特徴とする有底筒状体の製造方法。
  3. セラミック粉末からなる原料を用いて請求項2に記載の有底筒状体の製造方法により製造された多孔質の有底筒状体に分離膜を備えたことを特徴とするセラミックフィルタ。
JP2010271578A 2010-12-06 2010-12-06 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ Expired - Fee Related JP5542640B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010271578A JP5542640B2 (ja) 2010-12-06 2010-12-06 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010271578A JP5542640B2 (ja) 2010-12-06 2010-12-06 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012121158A JP2012121158A (ja) 2012-06-28
JP5542640B2 true JP5542640B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=46503166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010271578A Expired - Fee Related JP5542640B2 (ja) 2010-12-06 2010-12-06 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5542640B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5587535A (en) * 1978-12-26 1980-07-02 Showa Denko Kk Extruding-former for hollow member fitted with longitudinal and lateral rib
JPS6036204U (ja) * 1983-08-18 1985-03-13 株式会社クボタ 断続中空孔を有する無機質製品の押出成形装置
JP2759075B2 (ja) * 1988-10-19 1998-05-28 東芝セラミックス株式会社 管の押出成形方法
KR100731594B1 (ko) * 2005-12-09 2007-06-25 한국에너지기술연구원 일단 폐쇄형 세라믹 기체분리막 튜브용 몰드 및 이를이용한 기체분리막 튜브 제조방법
WO2007116634A1 (ja) * 2006-03-22 2007-10-18 Ngk Insulators, Ltd. 多孔質多層構造袋管形状体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012121158A (ja) 2012-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101755078B (zh) 喷嘴部件及其制造方法
Meng et al. Replication and characterization of 316L stainless steel micro-mixer by micro powder injection molding
US9962770B2 (en) Method for producing ceramic honeycomb body
CN103909266B (zh) 粉末烧结多孔过滤元件的制备方法、设备及产品
RU2009120387A (ru) Способ изготовления изделия из металлокерамических композиционных материалов
CN106268334B (zh) 一种陶瓷分离膜元件及其制备方法
JP5542640B2 (ja) 封止治具およびこれを用いた有底筒状体の製造方法ならびにセラミックフィルタ
JP5947884B2 (ja) 押出成形用金型の製造方法及びハニカム構造体の製造方法
KR20130092416A (ko) 압출 성형 장치 및 이것을 사용한 성형체의 제조 방법
CN104209013B (zh) 一种非对称内壁分离膜的制备方法
JP2015016632A (ja) 円筒形成形型、並びに、円筒形セラミックス成形体およびその製造方法
JP2007253149A (ja) 湿式混合機、湿式混合方法及びハニカム構造体の製造方法
JP2012106929A (ja) 多孔質体の製造方法
JP5092135B2 (ja) 多孔質体およびその製造方法
JP2008100892A (ja) 多孔質アルミナ質焼結体からなる真空チャック用部材およびその製造方法
JP4986606B2 (ja) 長尺中空状セラミック部材およびその製造方法
US20200238567A1 (en) Method and device for producing ceramic formed body
JP5063092B2 (ja) スクリュー式の押出成形機およびこれを用いた筒状セラミック部材の製造方法
Tang et al. Fabrication of ceramic cores via layered extrusion forming using graphite as pore-forming agent
JP5734108B2 (ja) ドリル用ブランクおよびドリル
CN112828280A (zh) 一种梯度孔径结构金属膜的制备方法
JP4223933B2 (ja) 炭化ケイ素多孔質体の製造方法
JP4986604B2 (ja) スクリュー式の押出成形機
CN109482652A (zh) 大直径中空钼合金顶头及其制造工艺
JP5947883B2 (ja) 押出成形用金型、押出成形用金型の製造方法、押出成形装置及びハニカム構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140320

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5542640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees