JP5542308B2 - 水素吸蔵合金電極、水素吸蔵合金電極の製造方法及びアルカリ蓄電池 - Google Patents

水素吸蔵合金電極、水素吸蔵合金電極の製造方法及びアルカリ蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池及びこのアルカリ蓄電池の負極に使用する水素吸蔵合金電極及びその製造方法に係り、特に、上記の水素吸蔵合金電極に用いる水素吸蔵合金を改良し、アルカリ蓄電池における低温での放電特性を向上させた点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池としては、ニッケル・カドミウム蓄電池が広く使用されていたが、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
ここで、このようなニッケル・水素蓄電池からなるアルカリ蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、一般に、CaCu5型結晶を主相とする希土類−Ni系金属間化合物であるLaNi5系の水素吸蔵合金や、Ti,Zr,V及びNiを構成元素として含有するラーベス相を主相とする水素吸蔵合金等が一般に使用されている。
しかし、上記の各水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、アルカリ蓄電池をさらに高容量化させることが困難であった。
そこで、近年においては、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させるために、特許文献1,2に示されるように、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にMg等を含有させて、CaCu5型以外のCe2Ni7型やCeNi3型等の結晶構造を有する希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いることが提案されている。
また、近年においては、上記のようなアルカリ蓄電池が各種の電動工具やハイブリッド電気自動車等に使用されるようになり、このアルカリ蓄電池が低温条件下において使用される機会も多くなるため、低温条件での各種の特性を向上させる要求されるようになった。
しかし、上記のような希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いた場合においても、従来のニッケル・カドミウム蓄電池に比べて、十分な低温での放電特性が得られないという問題があった。
特開平11−323469号公報 特開2002−69554号公報
本発明は、水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極を負極に使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、水素吸蔵合金電極に用いる水素吸蔵合金を改良し、アルカリ蓄電池における低温での放電特性を向上させることを課題とするものである。
本発明の水素吸蔵合金電極においては、上記のような課題を解決するため、一般式Ln1-xMgxNiy Al z(式中、Lnは、Yを含む希土類元素,Ca,Zr,Tiから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦1.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金粒子を用いた水素吸蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金は酸素分圧0.001気圧以上の雰囲気条件で150℃以上の温度で加熱処理され、上記の水素吸蔵合金粒子の表面の少なくとも一部に酸化皮膜が形成され、上記の水素吸蔵合金中における酸素濃度が0.1質量%以上0.7質量%以下であり、かつ上記の水素吸蔵合金粒子に含まれる酸素濃度を上記の水素吸蔵合金粒子の比表面積で除した単位表面積当たりの酸素質量が0.69g/m2以上3.06g/m2以下になるようにした。
そして、本発明における第1の水素吸蔵合金電極の製造方法においては、上記のような水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子と結着剤とを含む合剤を導電性基材に付与した後、加熱処理する温度は250℃未満にするようにした。なお、上記の結着剤としては、水素吸蔵合金粒子を導電性基材に十分に付着させることができる熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いるようにする。
そして、本発明における第2の水素吸蔵合金電極の製造方法においては、上記のような水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子を加熱処理する温度は250℃未満にするようにした
また、本発明のアルカリ蓄電池においては、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、その負極の上記のような水素吸蔵合金電極を用いた。
本発明においては、上記のように一般式Ln1-xMgxNiy Al z(式中、Lnは、Yを含む希土類元素,Ca,Zr,Tiから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦1.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金粒子を用いた水素吸蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金粒子の表面の少なくとも一部に酸化皮膜を形成したため、水素吸蔵合金粒子表面における活性度にバラツキが生じ、このような水素吸蔵合金電極を負極に使用したアルカリ蓄電池において
は、初回の充電時に充電ムラが生じて、水素吸蔵合金粒子の膨張に差が生じ、水素吸蔵合金粒子が割れて、水素吸蔵合金粒子に活性な表面が多数形成され、低温での放電特性が大幅に向上されるようになる。
また、上記の水素吸蔵合金電極においては、水素吸蔵合金中における酸素濃度が0.1質量%以上0.7質量%以下になるようにしたため、水素吸蔵合金粒子における酸化皮膜が少なくて、上記のような効果が得られなくなったり、酸化皮膜が多くなりすぎて、水素吸蔵合金における容量が低下したりするということもない。
さらに、上記の水素吸蔵合金電極においては、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が0.69g/m2以上3.06g/m2以下になるようにしたため、水素吸蔵合金粒子の表面に適切な厚みの酸化皮膜が形成され、上記のような効果が十分に得られるようになる。
また、上記のような水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子と結着剤とを含む合剤を導電性基材に付与した後、酸素分圧0.001気圧以上の雰囲気条件で150℃以上250℃未満の温度で加熱処理し、また上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子を酸素分圧0.001気圧以上の雰囲気条件で150℃以上250℃未満の温度で加熱処理すると、上記の水素吸蔵合金を構成する希土類元素が主に酸化されて、ニッケルが分離した酸化皮膜が形成され、水素吸蔵合金粒子の表面に、上記のような酸化皮膜が適切に形成されるようになる。
ここで、加熱処理する温度が高くなりすぎると、水素吸蔵合金粒子の表面が過剰に酸化されて、ニッケルも酸化されるようになり、水素吸蔵合金中における酸素濃度や水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が上記の範囲を超えるため、加熱処理する温度を250℃未満にする。
また、上記のように150℃以上の温度で加熱処理する場合において、酸素分圧が低い条件であると、水素吸蔵合金粒子の表面における酸化皮膜の生成が遅くなるため、酸素分圧が0.001気圧以上の雰囲気条件で加熱処理する。

また、上記のような水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子と結着剤とを含む合剤を導電性基材に付与した後、150℃以上の温度で加熱処理するようにした場合、結着剤と接する水素吸蔵合金粒子の面は酸化されず、集電性が低下するのも抑制される。
但し、このように水素吸蔵合金粒子と結着剤とを含む合剤を導電性基材に付与した状態で加熱処理する場合において、酸素分圧が高くなると、結着剤が酸化されて劣化し、水素吸蔵合金粒子が導電性基材から脱落しやすくなるため、酸素分圧が上記の0.001気圧以上であって、かつ0.02気圧以下の雰囲気条件で加熱処理することが好ましい。また、結着剤が酸化されて劣化するのを抑制するため、上記の合剤中に導電剤としてカーボンを添加させることが好ましい。

以上
以下、本発明に係る水素吸蔵合金電極、水素吸蔵合金電極の製造方法及びアルカリ蓄電池について実施例を挙げて具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、本発明の実施例に係る水素吸蔵合金電極をアルカリ蓄電池の負極に用いた場合に、低温での放電特性に優れたアルカリ蓄電池が得られることを明らかにする。なお、本発明における水素吸蔵合金電極、水素吸蔵合金電極の製造方法及びアルカリ蓄電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例A1)
実施例A1においては、水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、ネオジムNdと、マグネシウムMgと、ニッケルNiと、アルミニウムAlとを所定の合金組成になるように混合し、これをアルゴンガス雰囲気中において高周波誘導溶解炉を用いて溶融させた後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを得た。
次いで、この水素吸蔵合金のインゴットを、アルゴン雰囲気中において1000℃で10時間熱処理して均質化させた後、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中において機械的に粉砕し、これを分級して、水素吸蔵合金粉末を得た。
ここで、このようにして得た水素吸蔵合金粉末の組成を高周波プラズマ分光分析法(ICP)によって分析した結果、組成はNd0.9Mg0.1Ni3.35Al0.15になっていた。また、上記の水素吸蔵合金粉末の粒動分布をレーザ回折・散乱式粒動分布測定装置により測定した結果、質量積分50%にあたる平均粒径が25μmになっていた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末を、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、150℃で60分間加熱処理した後、これを冷却させた。
ここで、このように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び比表面積を、酸素濃度測定装置(LECO社製:R0600)及び比表面積測定装置(QUANTACHROME社製:AUTOSORB−1)を用いて測定し、その酸素濃度と比表面積とから、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は0.16質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は0.69g/m2であった。
次いで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末を1質量部、導電剤のニッケル粉末を3質量部の割合で混合し、これをペレット状に加圧成形し、容量が約90mAhになった実施例A1の水素吸蔵合金電極を作製した。
(実施例A2)
実施例A2においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を加熱処理するにあたり、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、150℃で120分間加熱処理し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A2の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は0.24質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は1.11g/m2であった。
(実施例A3)
実施例A3においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を加熱処理するにあたり、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、200℃で60分間加熱処理し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A3の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は0.54質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は3.06g/m2であった。
(実施例A4)
実施例A4においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を加熱処理するにあたり、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、200℃で120分間加熱処理し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A4の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は0.70質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は2.98g/m2であった。
(比較例a1)
比較例a1においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を、加熱処理せずにそのまま用い、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、実施例A2の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理しなかった水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は0.11質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は0.48g/m2であった。
(比較例a2)
比較例a2においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を加熱処理するにあたり、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、250℃で120分間加熱処理し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、比較例a2の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は2.07質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は7.76g/m2であった。
(比較例a3)
比較例a3においては、実施例A1と同じ水素吸蔵合金粉末を加熱処理するにあたり、酸素分圧が0.209気圧の大気中において、300℃で120分間加熱処理し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして、比較例a3の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように加熱処理した水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表1に示すように、酸素濃度は4.82質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は24.33g/m2であった。
そして、上記のようにして作製した実施例A1〜A4及び比較例a1〜a3の各水素吸蔵合金電極を負極に用いる一方、正極には負極に対して過剰の容量を有する円筒状に形成した焼結式ニッケル極を用い、アルカリ電解液には7mol/lのKOH水溶液を用い、図1に示すような試験セルを作製した。
ここで、上記の試験セルにおいては、ポリプロピレン製の容器10内に上記のアルカリ電解液13を収容させ、上記の円筒状に形成した正極11内に、負極12と酸化水銀電極からなる参照極14とを収容させた状態で、上記の正極11と負極12と参照極14とを上記のアルカリ電解液13に浸漬させた。
そして、上記の各負極を用いた各試験セルを、それぞれ25℃の雰囲気条件において、45mAの電流で170分間充電させて、20分間休止した後、45mAの電流で参照極に対する負極の電位が−0.7Vになるまで放電させて、10分間休止し、これを1サイクルとして5サイクルの充放電を繰り返して行って、各試験セルを活性化させると共に、それぞれ最大の放電容量Qmaxを求めた。
次いで、上記のように活性化された各試験セルを、それぞれ25℃の雰囲気条件において、45mAの電流で170分間充電させた後、それぞれ−20℃の雰囲気条件において、45mAの電流で参照極に対する負極の電位が−0.7Vになるまで放電させて、それぞれ−20℃の雰囲気条件における放電容量Q-20を求めた。
そして、下記の式により、各試験セルにおける−20℃放電率を算出し、その結果を下記の表1及び図2に示した。
−20℃放電率(%)=(Q-20/Qmax)×100
Figure 0005542308
この結果、水素吸蔵合金中における酸素濃度が0.15〜1.5質量%の範囲であり、かつ水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が0.5〜7.0g/m2の範囲になった実施例A1〜A4の各水素吸蔵合金電極を用いたものにおいては、水素吸蔵合金中における酸素濃度や水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が上記の範囲外になった比較例a1〜a3の各水素吸蔵合金電極を用いたものに比べて、−20℃放電率が高くなっており、低温条件下における放電特性が向上していた。
(実施例B1)
実施例B1においては、水素吸蔵合金粉末として、上記の実施例A1と同じ、組成がNd0.9Mg0.1Ni3.35Al0.15で、質量積分50%にあたる平均粒径が25μmの水素吸蔵合金粉末を用いた。
そして、上記の水素吸蔵合金粉末100質量部に対して、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)を1質量部、ポリアクリル酸ナトリウムを0.2質量部、カルボキシメチルセルロースを0.2質量部、ケッチェンブラックを1質量部、水を50質量部の割合で添加し、これらを常温下において混練させて、合剤ペーストを調製し、この合剤ペーストをパンチングメタルからなる導電性基材の両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスして水素吸蔵合金電極を作製した後、この水素吸蔵合金電極を、酸素分圧が0.001気圧の減圧条件下において、240℃で60分間加熱処理し、その後、上記の減圧条件を保ったまま冷却させて、実施例B1の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように作製した水素吸蔵合金電極において、水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、前記の実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表2に示すように、酸素濃度は0.60質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は2.73g/m2であった。
(実施例B2)
実施例B2においては、上記の実施例B1における水素吸蔵合金電極の加熱処理を、酸素分圧が0.209気圧の大気中において200℃で60分間行い、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして、実施例B2の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように作製した水素吸蔵合金電極において、水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、前記の実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表2に示すように、酸素濃度は0.34質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は1.14g/m2であった。
(比較例b1)
比較例b1においては、上記の実施例B1における水素吸蔵合金電極の加熱処理を行わないようにし、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして、比較例b1の水素吸蔵合金電極を作製した。
ここで、上記のように作製した水素吸蔵合金電極において、水素吸蔵合金粉末における酸素濃度及び水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量を、前記の実施例A1と同様にして求めた結果、下記の表2に示すように、酸素濃度は0.12質量%、水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量は0.42g/m2であった。
そして、上記のように作製した実施例B1,B2及び比較例b1の各水素吸蔵合金電極について、それぞれ引張圧縮試験機(IMADA製作所製:DPS5−R)を用いて、導電性芯体から合剤層が剥離される引張強度(kg/cm2)を求め、その結果を下記の表2に示した。
Figure 0005542308
この結果、水素吸蔵合金電極の加熱処理を酸素分圧が0.209気圧の大気中において行った実施例B2の水素吸蔵合金電極は、水素吸蔵合金電極の加熱処理を0.001気圧の減圧条件下で行った実施例B1の水素吸蔵合金電極に比べて、導電性芯体から合剤層が剥離される引張強度が大幅に低下しており、水素吸蔵合金電極を加熱処理する場合には、酸素分圧が0.20気圧以下の雰囲気で行うことが望ましいということが分かった。
次に、上記のように作製した実施例B1及び比較例b1の各水素吸蔵合金電極を負極に用いる一方、正極に焼結式ニッケル極を用い、図3に示すように、セパレータ23を介して2枚の正極21と3枚の負極22とを交互に積層させた電極体20を作製した。なお、上記の正極の合計容量が約100mAh、負極の合計容量が約230mAhになるようにした。
そして、図4に示すように、電極体20における各正極21に正極タブ21aを、各負極21に負極タブ22aを取り付け、この電極体20をアクリル製の容器24内に入れると共に、この容器24内に7mol/lのKOH水溶液からなるアルカリ電解液25を収容させて、上記の電極体20をアルカリ電解液25内に浸漬させて、実施例B1及び比較例b1の水素吸蔵合金電極を負極に用いた各試験電池を作製した。
そして、上記の各試験電池を、それぞれ25℃の雰囲気条件において50mAの電流で132分間充電させて、20分間休止した後、50mAの電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電させて、10分間休止し、これを1サイクルとして8サイクルの充放電を繰り返して行って、各試験電池を活性化させた。
次いで、このように活性化させた各試験電池を、それぞれ充電深度50%の状態にして、−30℃の雰囲気条件下において放電時におけるIV抵抗(Ω)を測定し、その結果を下記の表3に示した。
Figure 0005542308
この結果、水素吸蔵合金中における酸素濃度が0.15〜1.5質量%の範囲であり、かつ水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が0.5〜7.0g/m2の範囲になった実施例B1の水素吸蔵合金電極を用いたものにおいては、水素吸蔵合金中における酸素濃度や水素吸蔵合金粒子の単位表面積当たりの酸素質量が上記の範囲外になった比較例b1の水素吸蔵合金電極を用いたものに比べて、−30℃の低温条件下における放電時のIV抵抗が大きく減少しており、低温条件下における放電特性が向上していた。
本発明の実施例A1〜A4及び比較例a1〜a3の各水素吸蔵合金電極を負極に用いた試験セルの概略説明図である。 本発明の実施例A1〜A4及び比較例a1〜a3の各水素吸蔵合金電極を負極に使用した各試験セルにより測定した水素吸蔵合金中の酸素濃度と−20℃放電率との関係を示した図である。 本発明の実施例B1及び比較例b1の各水素吸蔵合金電極を負極に用いて作製した電極体の概略説明図である。 本発明の実施例B1及び比較例b1の各水素吸蔵合金電極を負極を用いた電極体を使用して作製した試験電池の概略説明図である。
符号の説明
10 容器
11 正極
12 負極
13 アルカリ電解液
14 参照極
20 電極体
21 正極
21a 正極タブ
22 負極
22a 負極タブ
23 セパレータ
24 容器
25 アルカリ電解液

Claims (4)

  1. 一般式Ln1-xMgxNiy Al z(式中、Lnは、Yを含む希土類元素,Ca,Zr,Tiから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.25、0<z≦1.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金粒子を用いた水素吸蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合粒子は酸素分圧0.001気圧以上の雰囲気条件で150℃以上の温度で加熱処理され、上記の水素吸蔵合金粒子の表面の少なくとも一部に酸化皮膜が形成され、上記の水素吸蔵合金中における酸素濃度が0.1質量%以上0.7質量%以下であり、かつ上記の水素吸蔵合金粒子に含まれる酸素濃度を上記の水素吸蔵合金粒子の比表面積で除した単位表面積当たりの酸素質量が0.69g/m2以上3.06g/m2以下であることを特徴とする水素吸蔵合金電極。
  2. 請求項1に記載の水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子と結着剤とを含む合剤を導電性基材に付与した後、加熱処理する温度が250℃未満であることを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
  3. 請求項に記載の水素吸蔵合金電極を製造するにあたり、上記の一般式に示される水素吸蔵合金粒子を加熱処理する温度が250℃未満であることを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
  4. 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記の負極に請求項1に記載の水素吸蔵合金電極を用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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