JP5542076B2 - 遊星歯車式動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源からの動力伝達系に遊星歯車とスリップ締結される多板摩擦要素が配置された遊星歯車式動力伝達装置に関する。
従来、駆動源からの動力伝達系に遊星歯車と多板摩擦クラッチが配置され、遊星歯車のピニオンを支持するキャリアを、多板摩擦クラッチのクラッチドラムに向かって延長し、その延長端部をテーパースナップリングの取り付け位置に結合させたキャリアプレートとする。そして、キャリアプレートに、多板摩擦クラッチの締結荷重を受けるリテーニングプレートの役割を兼務させた遊星歯車式動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−63014号公報 特開平9−89015号公報
しかしながら、従来の遊星歯車式動力伝達装置は、多板摩擦クラッチの締結荷重を受けるリテーニングプレートの役割を兼務させたキャリアプレートが1部品あるいは一体部品である。このため、多板摩擦クラッチがスリップ締結の継続や高頻度のスリップ締結等により摩擦熱が発生して発熱すると、このスリップ発熱が、キャリアプレートを経由し、キャリアプレートが固定されるピニオン軸に伝達される。このピニオン軸への伝熱量が増すと、ピニオン軸にピニオンを支持するニードルベアリングの温度が高まり、遊星歯車の寿命や耐久信頼性の低下を招く、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、多板摩擦要素からキャリアプレートを経由して遊星歯車へ伝達されるスリップ発熱の伝熱量を減少させることで、遊星歯車の寿命や耐久信頼性の向上を図ることができる遊星歯車式動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の遊星歯車式動力伝達装置は、駆動源からの動力伝達系に遊星歯車とスリップ締結される多板摩擦要素が配置され、前記遊星歯車のピニオンを支持するキャリアを、前記多板摩擦要素の摩擦プレート支持部材に向かって延長し、その延長端部をスナップリングの取り付け位置に結合させたキャリアプレートとし、前記キャリアプレートに、前記多板摩擦要素の締結荷重を受ける受圧部が形成されている。
この遊星歯車式動力伝達装置において、前記キャリアプレートを、前記遊星歯車のピニオン軸と前記摩擦プレート支持部材への結合部との間の位置にて、前記受圧部が形成されたリテーニングプレート部と、前記ピニオン軸を支持するピニオンキャリア部とに分割すると共に、前記リテーニングプレート部と前記ピニオンキャリア部を、両者の分割部分にてスプライン歯の互いの歯面間で線接触に近い状態にて接触するスプライン結合部により動力伝達可能に結合した。
よって、多板摩擦要素がスリップ締結の継続等により摩擦熱が発生すると、このスリップ発熱が、キャリアプレートに伝熱される。しかし、キャリアプレートは、遊星歯車のピニオン軸と摩擦プレート支持部材への結合部との間の位置にてリテーニングプレート部とピニオンキャリア部に分割され、分割部分が動力伝達可能に結合されている。このため、分割部分の結合接触面積が限られることになり、複数の分割部品を経由する毎に、キャリアプレートを伝達する伝熱量が減少する。つまり、1部品あるいは一体部品によるキャリアプレートに比べ、キャリアプレートが固定されるピニオン軸に伝達される伝熱量が減少する。このように、ピニオン軸への伝熱量が減少すると、ピニオン軸にピニオンを支持するニードルベアリングの温度上昇が低く抑えられ、遊星歯車の寿命や耐久信頼性が向上する。
このように、多板摩擦要素からキャリアプレートを経由して遊星歯車へ伝達されるスリップ発熱の伝熱量を減少させることで、遊星歯車の寿命や耐久信頼性の向上を図ることができる。
また、キャリアプレートは、リテーニングプレート部とピニオンキャリア部を、両者の分割部分にてスプライン歯の互いの歯面間で線接触に近い状態にて接触するスプライン結合部により動力伝達可能に結合した。
このように、リテーニングプレート部とピニオンキャリア部の結合接触面積を限ることで、リテーニングプレート部からピニオンキャリア部へ経由する段階で、リテーニングプレート部からピニオンキャリア部への伝熱量を効果的に減少させることができる。
実施例1の遊星歯車式動力伝達装置が適用されたベルト式無段変速機を搭載したエンジン車の駆動系を示す駆動系全体構成図である。 実施例1の遊星歯車式動力伝達装置が適用されたベルト式無段変速機の前後進切替機構を示す断面図である。 実施例1の遊星歯車式動力伝達装置においてシングルピニオン式遊星歯車とスリップ締結する前進クラッチが配置された要部構成を示す拡大断面図である。 実施例1の遊星歯車式動力伝達装置のブレーキ/クラッチドラムとリテーニングプレート部の詳細を示す図3のA方向矢視図である。 実施例1の遊星歯車式動力伝達装置のブレーキ/クラッチドラムとリテーニングプレート部の詳細を示す図3のB方向矢視図である。 実施例2の遊星歯車式動力伝達装置においてシングルピニオン式遊星歯車とスリップ締結する前進クラッチが配置された要部構成を示す拡大断面図である。 遊星歯車式動力伝達装置においてシングルピニオン式遊星歯車とスリップ締結する前進クラッチが配置された実施例1,2以外の要部構成を示す拡大断面図である。
以下、本発明の遊星歯車式動力伝達装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1および実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の遊星歯車式動力伝達装置が適用されたベルト式無段変速機を搭載したエンジン車の駆動系を示す。以下、図1に基づき、駆動系全体構成を説明する。
ベルト式無段変速機を搭載したエンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、前後進切替機構3と、ベルト式無段変速機構4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。なお、エンジン1と前後進切替機構3の間には、回転差を吸収するトルクコンバータ等の流体継手を有さず、回転差吸収機能を前後進切替機構3の前進クラッチ31と後退ブレーキ32でのスリップ締結により達成する駆動系構成としている。
前記エンジン1は、駆動源として設けられ、ドライバーのアクセル操作による出力トルクの制御以外に、外部からのエンジン制御信号によりエンジン回転数や燃料噴射量が制御可能である。
前記前後進切替機構3は、エンジン出力軸11からベルト式無段変速機構4へ入力される回転駆動力の入力回転方向を、前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、シングルピニオン式遊星歯車30と、前進クラッチ31と、後退ブレーキ32と、を有する。実施例1の遊星歯車式動力伝達装置は、停車〜極低速域において回転差吸収のためにスリップ締結する前進クラッチ31と後退ブレーキ32を有する前後進切替機構3に適用している。つまり、エンジン1は、自立可能な最低回転数(アイドル回転数)を持ち、変速機入力回転数がエンジン回転数以下になる減速域〜停車〜発進域においては、エンジン回転数と変速機入力回転数の回転差を吸収する必要がある。
前記ベルト式無段変速機構4は、ベルト接触径の変化により変速機入力軸40の入力回転数と変速機出力軸41の出力回転数の比である変速比を無段階に変化させる無段変速機能を有する。このベルト式無段変速機構4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、ベルト44と、を有する。前記プライマリプーリ42は、固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧によりスライド動作する。前記セカンダリプーリ43は、固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧によりスライド動作する。前記ベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなす一対のシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなす一対のシーブ面に巻き掛けられている。
前記終減速機構5は、ベルト式無段変速機構4の変速機出力軸41からの変速機出力回転を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、変速機出力軸41とアイドラ軸50と左右のドライブ軸51,51に介装され、減速機能を持つ第1ギヤ52と、第2ギヤ53と、第3ギヤ54と、第4ギヤ55と、差動機能を持つディファレンシャルギヤ56を有する。
図2は、遊星歯車式動力伝達装置が適用されたベルト式無段変速機の前後進切替機構3を示す。以下、図2に基づき前後進切替機構3の構成を説明する。
前記前後進切替機構3は、図2に示すように、シングルピニオン式遊星歯車30(遊星歯車)と、前進クラッチ31(多板摩擦要素)と、後退ブレーキ32と、ブレーキ/クラッチドラム33(摩擦プレート支持部材)と、クラッチハブ34と、変速機ケース35と、キャリアプレート36と、を備えている。
前記シングルピニオン式遊星歯車30は、サンギヤ30aと、リングギヤ30bと、サンギヤ30aとリングギヤ30bに噛み合うピニオン30cと、複数のピニオン30cを支持するキャリア30dと、を有する。前記サンギヤ30aは、エンジン出力軸11に連結され、エンジン1からの回転駆動力が入力される。前記リングギヤ30bは、プライマリプーリ42の固定プーリ42aに対しリングギヤプレート70を介して連結され、前後進切替機構3を経過した正転方向または逆転方向の回転駆動力をベルト式無段変速機構4のプライマリプーリ42へ出力する。なお、固定プーリ42aは、変速機ケース35に対しボールベアリング71により回転可能に支持されている。
前記前進クラッチ31は、前進走行時、ブレーキ/クラッチドラム33とクラッチピストン72の間に形成されるクラッチ圧室73にクラッチ圧を導くことにより、クラッチピストン72が図2の左方向にストロークして締結する湿式多板クラッチである。この前進クラッチ31を締結すると、シングルピニオン式遊星歯車30のサンギヤ30aとキャリア30dを、前進クラッチ31の締結力に応じて連結する。前進クラッチ31は、クラッチハブ34に対し軸方向移動可能にスプライン嵌合されたドライブプレート31a(例えば、4枚)と、ブレーキ/クラッチドラム33に対し軸方向移動可能にスプライン嵌合されたドリブンプレート31b(例えば、4枚)と、を交互に配置することで構成される。なお、クラッチピストン72とスプリング支持プレート75との間には、前進クラッチ31の解放時、クラッチピストン72に対し図2の右方向に付勢力を与えるリターンスプリング76が介装されている。
前記後退ブレーキ32は、後退走行時、変速機ケース35とブレーキピストン77の間に形成されるブレーキ圧室78にブレーキ圧を導くことにより、ブレーキピストン77が図2の右方向にストロークして締結する湿式多板ブレーキである。この後退ブレーキ32を締結すると、シングルピニオン式遊星歯車30のキャリア30dを、後退ブレーキ32の締結力に応じて変速機ケース36に固定する。この後退ブレーキ32は、ブレーキ/クラッチドラム33に対し軸方向移動可能にスプライン嵌合されたドライブプレート32a(例えば、5枚)と、変速機ケース35に対し軸方向移動可能にスプライン嵌合されたドリブンプレート32b(例えば、5枚)と、を交互に配置することで構成される。なお、ブレーキピストン77とスプリング支持プレート79との間には、後退ブレーキ32の解放時、ブレーキピストン77に対し図2の左方向に付勢力を与えるリターンスプリング80が介装されている。
前記キャリアプレート36は、シングルピニオン式遊星歯車30のピニオン30cを支持するキャリアを、ブレーキ/クラッチドラム33に向かって外径方向に延長し、その延長端部をテーパースナップリング81(スナップリング)の取り付け位置にスプライン嵌合させたプレートである。つまり、キャリアプレート36に対し、ピニオン30cを支持するキャリアの役割と、前進クラッチ31の締結荷重を受けるリテーニングプレートの役割と、を兼務させている。そして、本来ならば1部品あるいは一体部品として構成されるキャリアプレート36を、ピニオン軸74とブレーキ/クラッチドラム33のスプライン嵌合部との間の位置にてリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bに分割している。そして、2分割部品によるリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの分割部分を、動力伝達可能にスプライン結合している。
図3〜図5は、実施例1の遊星歯車式動力伝達装置においてシングルピニオン式遊星歯車30とスリップ締結される前進クラッチ31が配置された要部構成を示す。以下、図3〜図5に基づき、実施例1の遊星歯車式動力伝達装置の要部構成を詳しく説明する。
前記シングルピニオン式遊星歯車30のサンギヤ30aは、図3の左側面とリングギヤプレート70との間に第1スラストベアリング82が介装され、図3の右側面位置にクラッチハブ34が固定される。サンギヤ内周面には、エンジン出力軸11に結合するスプライン部30eが形成される。
前記シングルピニオン式遊星歯車30のリングギヤ30bは、図3の左側面位置にリングギヤプレート70が固定され、このリングギヤプレート70の内周面には、プライマリプーリ42の固定プーリ42aに結合するスプライン部70aが形成される。
前記シングルピニオン式遊星歯車30のピニオン30cは、ピニオン軸74に対しニードルベアリング83を介して回転可能に支持され、図3の左側面位置に第1スラストワッシャ84が嵌装され、図3の右側面位置に第2スラストワッシャ85が嵌装される。そして、図3の左側面側では第1スラストワッシャ84を挟んでキャリア30dをピニオン軸74に固定し、図3の右側面側では第2スラストワッシャ85を挟んでピニオンキャリア部36bをピニオン軸74に固定している。キャリア30dは、ピニオン30cを支持する役割のみを担うもので、このキャリア30dとリングギヤプレート70との間には、キャリアプレート36を2分割したことに伴い、キャリア30dの軸方向位置決めを行うために第2スラストベアリング86が介装される。
前記ブレーキ/クラッチドラム33は、図4および図5に示すように、円筒状ドラムのうち、内面側に前進クラッチ31のドリブンプレート31bと嵌合するスプライン内溝33aを形成し、外面側に後退ブレーキ32のドライブプレート32aと嵌合するスプライン外溝33bを形成している。そして、図4および図5に示すように、テーパースナップリング81を取り付ける内面位置に環状のテーパースナップリング溝33cを形成すると共に、テーパースナップリング81側の円周上4箇所程度に、端面位置から軸方向内側に切り込んだプレート突き当て溝33d(係止部)を形成している。キャリアプレート36のリテーニングプレート部36aは、全周のスプライン歯のうち、プレート突き当て溝33dに対応する位置のスプライン歯の形成を省略している。すなわち、図5のハッチング領域Cにおいて、リテーニングプレート部36aをプレート突き当て溝33dに係止することにより軸方向移動を規制している。このため、リテーニングプレート部36aは、図3に示すように、テーパースナップリング81への当接による軸方向移動規制位置から、プレート突き当て溝33dへの係止による軸方向移動規制位置までの範囲が、軸方向への移動許容範囲として決められている。
前記キャリアプレート36は、ブレーキ/クラッチドラム33に対しスプライン嵌合により周方向に噛み合い結合されたリテーニングプレート部36aと、シングルピニオン式遊星歯車30のピニオン軸74に固定されたピニオンキャリア部36bと、による2分割部品としている。この2分割部品の分割位置は、シングルピニオン式遊星歯車30のピニオン軸74の外周面位置から、前進クラッチ31のドライブプレート31aの両面に貼り付けられたフェーシング31a’,31a’の内周位置までの径方向範囲内の位置に設定している。そして、2分割したリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bは、分割部分にてスプライン結合部36cにより動力伝達可能に結合することでキャリアプレート36を構成している。
前記リテーニングプレート部36aと前記ピニオンキャリア部36bは、図3に示すように、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bが互いに離れる軸方向側への移動を許容する。しかし、リテーニングプレート部36aがピニオンキャリア部36bに向かう軸方向側への移動を規制するように互いに径方向に重なり合う径方向重合部36dを有する形状設定としている。実施例1では、ピニオンキャリア部36bの分割面形状を、スプライン結合部36cと径方向重合部36dを有する段差面形状に設定している。
前記キャリアプレート36のリテーニングプレート部36aは、プレート上端部を、ブレーキ/クラッチドラム33に対して、テーパースナップリング81とブレーキ/クラッチドラム33へのプレート突き当て溝33dにより軸方向隙間がないように固定している。そして、リテーニングプレート部36aのプレート下端部を、ピニオンキャリア部36bに対して、径方向重合部36dにより軸方向移動を規制しながら支持している。つまり、前進クラッチ31からリテーニングプレート部36aが受けるスリップ締結あるいは完全締結によるスラスト荷重を、ブレーキ/クラッチドラム33に固定されたテーパースナップリング81と、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの径方向重合部36dと、に分けて2点支持するスラスト荷重支持構造を有する。
次に、作用を説明する。
実施例1の遊星歯車式動力伝達装置における作用を、「前後進切り替え作用」、「スリップ発熱の伝熱量減少作用」、「スラスト荷重支持作用」に分けて説明する。
[前後進切り替え作用]
実施例1の遊星歯車式動力伝達装置が適用された前後進切替機構3にて行われる、前進クラッチ31の締結による前進走行と、後退ブレーキ32の締結による後退走行と、の前後進切り替え作用を説明する。
N→Dセレクト操作による前進走行時には、クラッチ圧室73にクラッチ圧を導くことによりクラッチピストン72が、図2の左方向にストロークし、解放されている前進クラッチ31が、クラッチ圧室73へのクラッチ圧の大きさに応じて締結される。
この前進クラッチ31を締結すると、シングルピニオン式遊星歯車30のサンギヤ30aとキャリア30dが、クラッチハブ34→前進クラッチ31→ブレーキ/クラッチドラム33→キャリアプレート36(リテーニングプレート部36a、ピニオンキャリア部36b)→ピニオン軸74を介し、前進クラッチ31の締結力に応じて連結される。
このため、前進クラッチ31を完全締結状態にすると、シングルピニオン式遊星歯車30の3つの回転メンバ(サンギヤ30a、リングギヤ30b、キャリア30d)が一体となって同一回転する。つまり、プライマリプーリ42へ回転駆動力を伝達するリングギヤ30bへの出力回転が、エンジン1からサンギヤ30aへ入力される入力回転と同一方向で同一回転数による正回転とされる。なお、この前進走行時には、エンジン1と前後進切替機構3の間で回転差が発生した場合には、回転差吸収機能を前進クラッチ31のスリップ締結により達成する。
N→Rセレクト操作による後退走行時には、ブレーキ圧室78にブレーキ圧を導くことによりブレーキピストン77が、図2の右方向にストロークし、解放されている後退ブレーキ32が、ブレーキ圧室78へのブレーキ圧の大きさに応じて締結される。
この後退ブレーキ32を締結すると、シングルピニオン式遊星歯車30のキャリア30dが、ピニオン軸74→キャリアプレート36(リテーニングプレート部36a、ピニオンキャリア部36b)→ブレーキ/クラッチドラム33→後退ブレーキ32を介し、後退ブレーキ32の締結力に応じて変速機ケース36に固定される。
このため、後退ブレーキ32を完全締結状態にすると、シングルピニオン式遊星歯車30の3つの回転メンバ(サンギヤ30a、リングギヤ30b、キャリア30d)のうち、キャリア30dを固定することで、サンギヤ30aとリングギヤ30bの回転方向を異ならせる。つまり、プライマリプーリ42へ回転駆動力を伝達するリングギヤ30bへの出力回転が、エンジン1からサンギヤ30aへ入力される入力回転と逆方向で異なる回転数による逆回転とされる。なお、後退走行時、エンジン1と前後進切替機構3の間で回転差が発生した場合には、回転差吸収機能を後退ブレーキ32のスリップ締結により達成する。
[スリップ発熱の伝熱量減少作用]
上記のように、前進走行時、エンジン1と前後進切替機構3の間での回転差吸収機能を前進クラッチ31のスリップ締結により達成するようにしている。このため、前進クラッチ31のスリップ締結による発熱対策が必要である。以下、これを反映するスリップ発熱の伝熱量減少作用を説明する。
まず、前進クラッチ31のスリップ締結による発熱対策が必要である理由を説明する。自動車の走行シーンとして前進走行と後退走行があるが、走行頻度を比べると、後退走行シーンより前進走行シーンが高頻度である。この前進走行シーンにおいて、例えば、Dレンジを維持したままでの信号停車状況をみると、(信号手前からの減速域)→(停車位置での停車状態)→(停車位置からの発進域)の3つの区間において、変速機入力回転数がエンジン回転数以下となる。ここで、変速機入力回転数は、駆動輪6,6の回転数とベルト式無段変速機構4の変速比で決まり、停車時にはゼロになる。エンジン回転数は、例えば、アクセル足離し状態ではアイドル回転数となる。したがって、変速機入力回転数がエンジン回転数以下の区間では、両回転数差を吸収するように、前進クラッチ31がスリップ締結される。この結果、前進クラッチ31は、スリップ締結時間が継続されることがあるし、また、複数回の信号停車を余儀なくされる市街地走行時等においては、1回のスリップ締結時間が短くても高頻度でスリップ締結が繰り返される。このような前進クラッチ31のスリップ締結状況では、図3に示すように、プレート間滑りによる摩擦熱が蓄積され、前進クラッチ31が発熱して高温になることで発熱対策が必要である。
これに対し、実施例1では、キャリアプレート36を、ピニオン軸74とブレーキ/クラッチドラム33への結合部との間の位置にて複数の分割部品(リテーニングプレート部36a、ピニオンキャリア部36b)に分割すると共に、複数の分割部品の分割部分を動力伝達可能に結合する構成を採用した。
この構成によって、前進クラッチ31がスリップ締結の継続等により摩擦熱が発生すると、このスリップ発熱が、キャリアプレート36に伝熱される。しかし、キャリアプレート36は、ピニオン軸74とブレーキ/クラッチドラム33への結合部との間の位置にてリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの分割部品に2分割され、分割部分がスプライン結合部36cにより動力伝達可能に結合されている。
このため、スプライン結合部36cによる分割部分の結合接触面積が限られることになり、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへ経由する段階で、ピニオンキャリア部36bへと伝達される伝熱量が減少する。つまり、1部品あるいは一体部品によるキャリアプレートに比べ、ピニオンキャリア部36bが固定されるピニオン軸74に伝達される伝熱量が減少する。
このように、ピニオン軸74への伝熱量が減少すると、ピニオン軸74にピニオン30cを支持するニードルベアリング83の温度上昇が低く抑えられ、シングルピニオン式遊星歯車30の寿命や耐久信頼性が向上する。
さらに、実施例1では、キャリアプレート36を、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bによる2分割部品とし、2分割部品の分割位置を、ピニオン軸74の外周面位置から、前進クラッチ31のフェーシング内周位置までの径方向範囲内の位置に設定する構成を採用した。
この構成により、前進クラッチ31のスリップ発熱は、リテーニングプレート部36aのみに伝達され、リテーニングプレート部36aが高温になる。この高温となったリテーニングプレート部36aからの熱は、図3の矢印に示すように、一部はブレーキ/クラッチドラム33側へと伝達され、残りはピニオンキャリア部36bへと伝達されるが、スプライン結合部36cを経過する段階で、伝達される伝熱量が減少する。
つまり、前進クラッチ31のスリップ発熱は、リテーニングプレート部36aのみに伝達され、ピニオンキャリア部36bに対しては直接伝達されることがない。そして、リテーニングプレート部36aに伝達されたスリップ発熱は、スプライン結合部36cを経過してピニオンキャリア部36bに伝達される。
したがって、キャリアプレート36を、最小限の分割構造である2分割部品としながら、ピニオンキャリア部36bからピニオン軸74への伝熱量が効果的に減少する。
加えて、実施例1では、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bを、2分割部分にてスプライン結合部36cにより動力伝達可能に結合する構成を採用した。
この構成により、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bとは、スプライン歯の互いの歯面間で線接触に近い状態にて接触することになり、結合接触面積が極めて限られた面積になる。
したがって、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへ経由する段階で、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへの伝熱量が効果的に減少する。
[スラスト荷重支持作用]
上記のように、前進走行時には、前進クラッチ31がスリップ締結あるいは完全締結されることに伴いキャリアプレート36に大きなスラスト荷重が作用する。このため、前進クラッチ31で片当たりの無いスリップ締結状態あるいは完全締結状態を確保するように、スラスト荷重を支持することが必要である。以下、これを反映するスラスト荷重支持作用を説明する。
前進クラッチ31の解放時には、スプライン結合部36dにより結合されているリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bは、図3に示すように、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bが互いに離れる軸方向側への移動が許容された状態にある。
しかし、前進クラッチ31のスリップ締結時には、クラッチピストン72が図3の左方向に移動するのに伴ってドライブプレート31aとドリブンプレート31bも移動し、図3の左端部のドライブプレート31aがリテーニングプレート部36aに当接する。
そして、前進クラッチ31の軸方向移動により各プレート隙間が埋められると、クラッチピストン72へのクラッチ圧の上昇に伴って前進クラッチ31の締結荷重(=スラスト荷重)が増していき、スラスト荷重がリテーニングプレート部36aにより受けられる。
このスラスト荷重に対し、例えば、リテーニングプレート部36aをブレーキ/クラッチドラム33に対する1点支持状態にする。この場合、分割したリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bが、スプライン結合部36cの位置にて折れ曲がり、スリップ締結状態あるいは完全締結状態で前進クラッチ31のドライブプレート31aとドリブンプレート31bの間で片当たりが生じる。そして、プレート31a,31b間での片当たりを原因とする偏摩耗により、前進クラッチ31の摩擦プレート(ドライブプレート31a、ドリブンプレート31b)の寿命が低下する。
これに対し、実施例1では、リテーニングプレート部36aにより受けられたスラスト荷重は、ブレーキ/クラッチドラム33に固定されたテーパースナップリング81と、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの径方向重合部36dと、に分けて2点支持される。ここで、テーパースナップリング81により支持されたスラスト分担荷重は、テーパースナップリング81によりリテーニングプレート部36aの上端部を固定したブレーキ/クラッチドラム33により受けられる。また、径方向重合部36dにより支持されたスラスト分担荷重は、ピニオンキャリア部36b→ピニオン軸74→キャリア30d→第2スラストベアリング86を介してリングギヤプレート70により受けられる。
このスラスト荷重の支持状態では、プレート上端部がブレーキ/クラッチドラム33に対して、テーパースナップリング81とブレーキ/クラッチドラム33への突き当てにより軸方向隙間がないように固定されると共に、プレート下端部がピニオンキャリア部36bに対して、径方向重合部36dにより軸方向移動を規制して支持される。このため、図3の図面左方向に押すスラスト荷重によってリテーニングプレート部36aが傾倒するのが防止され、前進クラッチ31のドライブプレート31aとドリブンプレート31bの間で片当たりの無いスリップ締結状態あるいは完全締結状態が確保される。この結果、前進クラッチ31の摩擦プレート(ドライブプレート31a、ドリブンプレート31b)の寿命が向上する。
次に、効果を説明する。
実施例1の遊星歯車式動力伝達装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動源(エンジン1)からの動力伝達系に遊星歯車(シングルピニオン式遊星歯車30)とスリップ締結される多板摩擦要素(前進クラッチ31)が配置され、前記遊星歯車のピニオン30cを支持するキャリア30dを、前記多板摩擦要素の摩擦プレート支持部材(ブレーキ/クラッチドラム33)に向かって延長し、その延長端部をスナップリング(テーパースナップリング81)の取り付け位置に結合させたキャリアプレート36とし、前記キャリアプレート36に、前記多板摩擦要素の締結荷重を受ける受圧部が形成された遊星歯車式動力伝達装置において、
前記キャリアプレート36を、前記遊星歯車(シングルピニオン式遊星歯車30)のピニオン軸74と前記摩擦プレート支持部材(ブレーキ/クラッチドラム33)への結合部との間の位置にて、前記受圧部が形成されたリテーニングプレート部36aと、前記ピニオン軸74を支持するピニオンキャリア部36bとに分割すると共に、前記リテーニングプレート部36aと前記ピニオンキャリア部36bの分割部分を動力伝達可能に結合した。
このため、多板摩擦要素(前進クラッチ31)からキャリアプレート36を経由して遊星歯車(シングルピニオン式遊星歯車30)へ伝達されるスリップ発熱の伝熱量を減少させることで、遊星歯車(シングルピニオン式遊星歯車30)の寿命や耐久信頼性の向上を図ることができる。
(2) 前記キャリアプレート36は、前記摩擦プレート支持部材(ブレーキ/クラッチドラム33)に対し周方向に噛み合い結合されたリテーニングプレート部36aと、前記遊星歯車(シングルピニオン式遊星歯車30)のピニオン軸74に固定されたピニオンキャリア部36bと、による2分割部品とし、該2分割部品の分割位置を、前記遊星歯車のピニオン軸74の外周面位置から前記多板摩擦要素(前進クラッチ31)のフェーシング内周位置までの径方向範囲内の位置に設定した。
このため、(1)の効果に加え、前進クラッチ31のスリップ発熱を、リテーニングプレート部36aのみに伝達し、ピニオンキャリア部36bに対して直接伝達しないことで、キャリアプレート36を、最小限の分割構造である2分割部品としながら、ピニオンキャリア部36bからピニオン軸74への伝熱量を効果的に減少させることができる。
(3) 前記キャリアプレート36は、前記リテーニングプレート部36aと前記ピニオンキャリア部36bを、両者36a,36bの分割部分にてスプライン結合部36cにより動力伝達可能に結合した。
このため、(2)の効果に加え、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの結合接触面積を限ることで、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへ経由する段階で、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへの伝熱量を効果的に減少させることができる。
(4) 前記スナップリングは、テーパースナップリング81であり、
前記キャリアプレート36のリテーニングプレート部36aは、プレート上端部を前記摩擦プレート支持部材(ブレーキ/クラッチドラム33)に対して、テーパースナップリング81と前記摩擦プレート支持部材に設けられ係止部により軸方向隙間がないように固定すると共に、プレート下端部を前記ピニオンキャリア部36bに対して、径方向重合部36dにより軸方向移動を規制して支持する。
このため、(2)または(3)の効果に加え、リテーニングプレート部36aを2点支持としてプレート傾倒を防止し、片当たりの無い多板摩擦要素(前進クラッチ31)のスリップ締結状態あるいは完全締結状態を確保することで、前進クラッチ31の摩擦プレート(ドライブプレート31a、ドリブンプレート31b)の寿命を向上させることができる。
実施例2は、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの結合構造を実施例1とは異ならせた例である。
まず、構成を説明する。
図6は、実施例2の遊星歯車式動力伝達装置のシングルピニオン式遊星歯車30とスリップ締結される前進クラッチ31が配置された要部構成を示す。以下、図6に基づき、実施例2の遊星歯車式動力伝達装置のリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bの結合構造を説明する。
前記キャリアプレート36のリテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bは、図6に示すように、両者36a,36bの分割部分にて櫛歯結合部36eにより互いに軸方向に相対移動可能に結合している。つまり、リテーニングプレート部36aの下端部に、軸方向(図6の左方向)に延びる櫛歯突起を複数形成し、ピニオンキャリア部36bの外周部に、径方向(図6の上方向)に延びる櫛歯突起を複数形成し、両櫛歯突起を噛み合わせることで櫛歯結合部36eを構成している。なお、図6において、87は第3スラストベアリングである。他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2でのリテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへの伝熱作用を説明すると、実施例2では、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bを、2分割部分にて櫛歯結合部36eにより動力伝達可能に結合する構成を採用した。
この構成により、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bとは、互いの径方向に対向する櫛歯面間で小さい接触面積にて接触することになり、結合接触面積が限られた面積になるし、大きな駆動力が伝達可能になる。したがって、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへ経由する段階で、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへの伝熱量を減少させつつ、大きな駆動力の伝達が許容される。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の遊星歯車式動力伝達装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
(3) 前記キャリアプレート36は、前記リテーニングプレート部36aと前記ピニオンキャリア部36bを、両者36a,36bの分割部分にて櫛歯結合部36eにより動力伝達可能に結合した。
このため、実施例1の(2)の効果に加え、リテーニングプレート部36aからピニオンキャリア部36bへの伝熱量を減少させつつ、大きな駆動力の伝達を許容する結合構造とすることができる。
以上、本発明の遊星歯車式動力伝達装置を実施例1および実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、多板摩擦要素を、多板構造による前進クラッチ31とする例を示した。しかし、多板摩擦要素としては、多板構造による後退ブレーキや変速用クラッチや変速用ブレーキ等であっても良い。
実施例1,2では、摩擦プレート支持部材を、ブレーキドラムとクラッチドラムを兼用するブレーキ/クラッチドラム33とする例を示した。しかし、摩擦プレート支持部材としては、摩擦プレートを支持するクラッチドラムやブレーキドラムやクラッチハブ等であっても良い。
実施例1,2では、キャリアプレート36を、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bに分割し、両者36a,36bの分割部分にてスプライン結合部36cと櫛歯結合部36eにより動力伝達可能に結合する例を示した。しかし、例えば、図7に示すように、キャリアプレート36を、リテーニングプレート部36aとピニオンキャリア部36bに分割し、両者36a,36bの分割部分にて互いに軸方向移動可能なスプライン結合部36fにより動力伝達可能に結合するような例としても良い。また、キャリアプレートを、2分割ではなく、3分割以上の分割部品に分割する例であっても良い。
実施例1,2では、スナップリングとして、台形断面によるテーパースナップリング81を用いる例を示した。しかし、スナップリングとしては、例えば、図7に示すように、方形断面によるスナップリング81’を用いる例としても良い。
実施例1,2では、本発明の遊星歯車式動力伝達装置をベルト式無段変速機の前後進切替機構に適用する例を示した。しかし、本発明の遊星歯車式動力伝達装置は、ベルト式無段変速機の副変速機や複数の変速段を有する自動変速機(ステップAT)のギヤトレーン等に適用することもできる。要するに、遊星歯車とスリップ締結される多板摩擦要素が配置された駆動源からの動力伝達系に適用することができる。
実施例1,2では、本発明の遊星歯車式動力伝達装置を駆動源にエンジンを備えたエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の遊星歯車式動力伝達装置は、エンジン車に限らず、駆動源にエンジンとモータを備えたハイブリッド車や駆動源にモータを備えた電気自動車に対しても適用することができる。要するに、遊星歯車式動力伝達装置を備えた車両であれば適用することができる。
1 エンジン(駆動源)
3 前後進切替機構
4 ベルト式無段変速機構
5 終減速機構
6,6 駆動輪
30 シングルピニオン式遊星歯車(遊星歯車)
30a サンギヤ
30b リングギヤ
30c ピニオン
30d キャリア
31 前進クラッチ(多板摩擦要素)
31a ドライブプレート(摩擦プレート)
31b ドリブンプレート(摩擦プレート)
32 後退ブレーキ
33 ブレーキ/クラッチドラム(摩擦プレート支持部材)
34 クラッチハブ
35 変速機ケース
36 キャリアプレート
36a リテーニングプレート部
36b ピニオンキャリア部
36c スプライン結合部
36d 径方向重合部
36e 櫛歯結合部
36f スプライン結合部
74 ピニオン軸
81 テーパースナップリング(スナップリング)
81’ スナップリング

Claims (3)

  1. 駆動源からの動力伝達系に遊星歯車とスリップ締結される多板摩擦要素が配置され、前記遊星歯車のピニオンを支持するキャリアを、前記多板摩擦要素の摩擦プレート支持部材に向かって延長し、その延長端部をスナップリングの取り付け位置に結合させたキャリアプレートとし、前記キャリアプレートに、前記多板摩擦要素の締結荷重を受ける受圧部が形成された遊星歯車式動力伝達装置において、
    前記キャリアプレートを、前記遊星歯車のピニオン軸と前記摩擦プレート支持部材への結合部との間の位置にて、前記受圧部が形成されたリテーニングプレート部と、前記ピニオン軸を支持するピニオンキャリア部とに分割すると共に、前記リテーニングプレート部と前記ピニオンキャリア部を、両者の分割部分にてスプライン歯の互いの歯面間で線接触に近い状態にて接触するスプライン結合部により動力伝達可能に結合した
    ことを特徴とする遊星歯車式動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載された遊星歯車式動力伝達装置において、
    前記キャリアプレートは、前記摩擦プレート支持部材に対し周方向に噛み合い結合されたリテーニングプレート部と、前記遊星歯車のピニオン軸に固定されたピニオンキャリア部と、による2分割部品とし、該2分割部品の分割位置を、前記遊星歯車のピニオン軸の外周面位置から前記多板摩擦要素のフェーシング内周位置までの径方向範囲内の位置に設定した
    ことを特徴とする遊星歯車式動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された遊星歯車式動力伝達装置において、
    前記スナップリングは、テーパースナップリングであり、
    前記キャリアプレートのリテーニングプレート部は、プレート上端部を前記摩擦プレート支持部材に対して、テーパースナップリングと前記摩擦プレート支持部材に設けられた係止部により軸方向隙間がないように固定すると共に、プレート下端部を前記ピニオンキャリア部に対して、径方向重合部により軸方向移動を規制して支持する
    ことを特徴とする遊星歯車式動力伝達装置。
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