JP2013170658A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】前後進切替装置のインプットシャフトを支持するスラストベアリングの使用個数を少なくしてコストの低減を図る。
【解決手段】インプットシャフト7が変速機ケース6と一体の中空の固定軸部6aの内部に挿通され、インプットシャフト7の一端部が固定軸部6aの一端部側から突出され、前進用クラッチ30の油圧室38を形成するクラッチドラム34が、インプットシャフト7と一体回転可能に連結されるとともに固定軸部6aの外周側にこの固定軸部6aに相対回転可能に設けられ、クラッチドラム34には、油圧室38に係合油圧を供給する油孔34bが形成され、クラッチドラム34の固定軸部6aとの対向面には、油孔34bの軸方向の両側に径差が設けられ、対向面に係合油圧が作用することによって、インプットシャフト7の一端部を固定軸部6aの一端部6eから軸方向に引き離す方向の力を発生させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される変速機に関する。
自動車等の車両に搭載される変速機として、例えば、ベルト式の無段変速装置と、この無段変速装置の入力側に配置される前後進切替装置とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の変速機では、前後進切替装置は、遊星歯車機構と、前進用クラッチと、後進用ブレーキとを含む構成となっており、内燃機関等の動力源からインプットシャフトに入力される回転動力を、油圧によって前進方向動力または後進方向動力に切り替えるようになっている。この前後進切替装置に備えられる遊星歯車機構は、入力側のサンギア、リングギア、ピニオンギア、出力側のキャリア等を有する構成となっており、サンギアは、例えば、前後進切替装置のインプットシャフトの一端側に一体的に設けられる。
特開2011−226565号公報
従来の変速機では、前後進切替装置のインプットシャフトを支持するために、インプットシャフトと一体のサンギアの軸方向の両端部にそれぞれスラストベアリング(例えば、スラストころ軸受)が使用されており、コストの高騰が懸念されていた。例えば、上述したような変速機では、スラストベアリングは、サンギアの軸方向の一端部とキャリアのフランジ部との間、および、サンギアの軸方向の他端部と変速機ケースに一体の固定軸部(非回転部)との間にそれぞれ介装されていた。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、前後進切替装置を備えた変速機において、前後進切替装置のインプットシャフトを支持するスラストベアリングの使用個数を少なくしてコストの低減を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、ケースに支持されたインプットシャフトに入力される回転動力を、前進方向動力または後進方向動力に切り替える前後進切替装置を備えた変速機であって、前記インプットシャフトが、前記ケースと一体的に設けられた中空の固定軸部の内部に挿通され、前記インプットシャフトの一端部が、前記固定軸部の一端部側から突出され、前記前後進切替装置は、遊星歯車機構と、前記回転動力を前進方向動力に切り替えるときに第1油圧室への第1係合油圧の供給によって係合される前進用クラッチと、前記回転動力を後進方向動力に切り替えるときに第2油圧室への第2係合油圧の供給によって係合される後進用ブレーキとを備え、前記前進用クラッチの第1油圧室を形成するクラッチドラムが、前記インプットシャフトと一体回転可能に連結されるとともに、前記固定軸部の外周側にこの固定軸部に相対回転可能に設けられ、前記クラッチドラムには、前記第1油圧室に第1係合油圧を供給する油孔が形成されており、前記クラッチドラムの前記固定軸部との対向面には、前記油孔の軸方向の両側に径差が設けられ、前記対向面に第1係合油圧が作用することによって、前記インプットシャフトの一端部を前記固定軸部の一端部から軸方向に引き離す方向の力を発生させることを特徴としている。
上記構成によれば、車両の前進走行時(前進用クラッチの係合時)、前進用クラッチの第1油圧室に第1係合油圧が供給されることによって、インプットシャフトの一端部を固定軸部の一端部から軸方向に引き離す方向の力が発生するので、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部と間に隙間が確保され、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部との接触が回避される。これにより、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部との間に、スラストころ軸受等のようなスラストベアリングを介装する必要がなくなり、引き摺り抵抗(摺動抵抗)を低減でき、燃費向上に貢献できる。また、インプットシャフトを支持するスラストベアリングの使用個数を少なくすることができ、省スペース化や、コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、インプットシャフトの一端部を固定軸部の一端部から軸方向に引き離す方向の力によって、車両の前進走行時、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部と間に隙間が確保され、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部との接触が回避される。これにより、インプットシャフトの一端部と固定軸部の一端部との間に、スラストころ軸受等のようなスラストベアリングを介装する必要がなくなり、引き摺り抵抗を低減でき、燃費向上に貢献できる。また、インプットシャフトを支持するスラストベアリングの使用個数を少なくすることができ、省スペース化や、コストの低減を図ることができる。
本発明の実施形態に係る変速機を示すスケルトン図である。 変速機に備えられる前後進切替装置等を示す断面図である。 図2の一部を拡大して示す図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。この実施形態では、自動車等の車両に搭載される変速機として、自動変速タイプのトランスアクスルを例に挙げている。
図1は、本発明の実施形態に係る変速機1を示すスケルトン図である。図2は、変速機1に備えられる前後進切替装置3等を示す断面図である。変速機1は、図示しない動力源としての内燃機関からトルクコンバータ2を経てインプットシャフト7に入力された回転動力(トルク)が、前後進切替装置3、無段変速装置4、ディファレンシャル装置5等を経由して、図示しない車輪(駆動輪)に伝達されるように構成されている。トルクコンバータ2、前後進切替装置3、無段変速装置4、およびディファレンシャル装置5は、分割式の変速機ケース(トランスアクスルケース)6に収納されている。また、トルクコンバータ2と前後進切替装置3との間に、オイルポンプ8が設けられている。
トルクコンバータ2およびディファレンシャル装置5は、基本的に公知の構成であって、本発明に直接的に関係しないものであるから、ここでの詳細な説明は省略する。
無段変速装置4は、基本的に公知の構成であるが、プライマリプーリ4Aとセカンダリプーリ4Bとにベルト4Cを巻き掛け、この各プーリ4A、4Bに対するベルト4Cの巻き掛け径を増減変更することにより変速するような構成となっている。無段変速装置4は、ベルト式のいわゆるCVTと呼ばれるものであるが、それ以外にも、例えばトロイダル式の無段変速装置を用いることが可能である。
前後進切替装置3は、インプットシャフト7に入力された回転動力(トルク)を必要に応じて、同一回転方向のまま出力する前進方向動力、または、逆回転方向に反転して出力する後進方向動力に切り替えるものである。ここで、前進方向動力は、車両を前進させる方向の回転動力であり、後進方向動力は、車両を後進させる方向の回転動力である。前後進切替装置3は、主として、遊星歯車機構20と、インプットシャフト7に入力された回転動力を前進方向動力に切り替えるときに油圧室(第1油圧室)38への係合油圧(第1係合油圧)の供給によって係合される前進用クラッチ(フォワードクラッチ)30と、回転動力を後進方向動力に切り替えるときに油圧室(第2油圧室)48への係合油圧(第2係合油圧)の供給によって係合される後進用ブレーキ(リバースブレーキ)40とを備えている。
遊星歯車機構20は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構とされており、主として、入力側のサンギア21と、リングギア22と、遊星ギアとしての多数の内径側ピニオンギア23および多数の外径側ピニオンギア24と、出力側のキャリア25とを備えている。
サンギア21は、インプットシャフト7の一端部(図2では左端部)に一体的に形成されている。インプットシャフト7は、変速機ケース6に一体的に設けられた中空の固定軸部6aに挿通されており、その固定軸部6aの一端部6e側から突出されたインプットシャフト7の一端部にサンギア21が設けられている。インプットシャフト7の一端部と、固定軸部6aの一端部6eとの間には、スラストワッシャ21dが介在されている。スラストワッシャ21dは、インプットシャフト7と一体のサンギア21の他端部(図2では右端部)21cに一体的に取り付けられている。
リングギア22は、サンギア21にそれと同心状に配置されている。内径側ピニオンギア23は、サンギア21とリングギア22との対向環状空間にサンギア21および外径側ピニオンギア24にそれぞれに噛合する状態で配置されている。外径側ピニオンギア24は、サンギア21とリングギア22との対向環状空間に内径側ピニオンギア23およびリングギア22にそれぞれ噛合する状態で配置されている。
キャリア25は、両ピニオンギア23、24を回転自在に支持するもので、軸線11方向(軸方向)の一端に径方向外向きのフランジ25dを有する中空形状の中心軸部25aと、中心軸部25aのフランジ25dの円周数ヶ所に片持ち支持状態で一体的に取り付けられる複数の遊星軸25bと、各遊星軸25bの自由端側に取り付けられてフランジ25dと軸線11方向に平行に対向配置される環状板25cとを含む構成となっている。キャリア25の中心軸部25aは、無段変速装置4のプライマリプーリ4Aの固定シーブ4A1の円筒形ボス部内にスプライン嵌合されており、キャリア25と固定シーブ4A1とが一体回転可能に連結されている。インプットシャフト7に一体のサンギア21の一端部(図2では左端部)と、キャリア25の径方向外向きフランジ25dとの間には、スラストころ軸受29が介装されている。
リングギア22の一側面側(図2では左側面側)には、このリングギア22を軸線11方向に位置決めするための位置決めプレート26が付設されている。具体的に、遊星歯車機構20では、各ギア21〜24の噛合部分がはす歯とされている関係より、リングギア22の回転に伴い発生するスラスト力によってリングギア22が軸線11方向にスライドすることがある。このようなリングギア22の軸線11方向のスライドを規制して位置決めするために、位置決めプレート26がリングギア22の一側面側に取り付けられている。
なお、遊星歯車機構20の各ギア21〜24のはす歯の向き(ギアの捩れの向き)は、前進用クラッチ30を解放し、後進用ブレーキ40を係合した車両の後進走行時に、駆動トルクによって発生するスラスト力により、インプットシャフト7の一端部(サンギア21の他端部21c)と、固定軸部6aの一端部6eとを軸線11方向に互いに接近させる方向の力が作用しないような向きとされている。
そして、位置決めプレート26の外側面(図2では左側面)の内径側が、無段変速装置4のプライマリプーリ4Aにおける固定シーブ4A1の円筒形ボス部の端面に、スラストワッシャ28を介して当接されている。また、位置決めプレート26の内側面(図2では右側面)の内径側が、キャリア25の径方向外向きフランジ25dの外側面に、スラストころ軸受27を介して当接されている。
前進用クラッチ30および後進用ブレーキ40は、湿式多板式の摩擦係合装置とされている。前進用クラッチ30および後進用ブレーキ40は、多数の内径側摩擦板31、41と外径側摩擦板32、42とを軸線11方向に交互に配置し、油圧式のアクチュエータ33、43により両摩擦板を係合状態または非係合状態(解放状態)に制御する構成となっている。
より詳細には、前進用クラッチ30の油圧アクチュエータ33は、内筒部(内周壁)34aがインプットシャフト7に回転一体に連結された有底二重円筒形状のクラッチドラム34と、そのクラッチドラム34の内筒部34aと外筒部(外周壁)との間を軸線11方向に摺動可能に配設されたクラッチピストン35と、クラッチピストン35をトルクコンバータ2側に付勢するスプリング36と、このスプリング36を支持するスプリング支持板37とを備えている。クラッチドラム34は、変速機ケース6に一体の固定軸部6aの外周側にこの固定軸部6aに相対回転可能に設けられている。クラッチドラム34およびクラッチピストン35に囲まれた空間が、油圧室38となっている。
油圧室38には、変速機ケース6に一体の固定軸部6aに形成された油路6b、およびクラッチドラム34に形成された油孔34bを介して、オイルポンプ8からのオイルが供給されるようになっている。油路6bは、インプットシャフト7の外周面に対向する固定軸部6aの内周面から、クラッチドラム34の内筒部34aに対向する固定軸部6aの外周面まで延びている。油孔34bは、クラッチドラム34の内筒部34aの円周数ヶ所に設けられており、各油孔34bが油路6bに連通されている。また、オイル漏れを防止するために、クラッチドラム34の内筒部34aと固定軸部6aとの間には、2つのシールリング6c、6dが介装されている。2つのシールリング6c、6dは、油路6bの軸線11方向の両側に配置されている。
前進用クラッチ30においては、内径側摩擦板31がキャリア25の環状板25cの外径側スプライン25eにスプライン嵌合されており、また、外径側摩擦板32がサンギア21に一体的に取り付けられる油圧アクチュエータ33のクラッチドラム34の内径側にスプライン嵌合されている。そして、油圧アクチュエータ33の油圧室38に係合油圧がオイルポンプ8によって供給されると、クラッチピストン35は摩擦板31、32側に移動する。これに伴い、クラッチピストン35によって摩擦板31、32が押圧され、摩擦板31、32が互いに係合状態とされ、キャリア25とサンギア21とが回転一体に締結される。一方、油圧アクチュエータ33の油圧室38の係合油圧が解放されると、クラッチピストン35はスプリング36によって摩擦板31、32から離間される。これに伴い、摩擦板31、32は互いに非係合状態となり、キャリア25とサンギア21との締結が解放され、それらは相対回転自在となる。
後進用ブレーキ40の油圧アクチュエータ43は、変速機ケース6に軸線11方向へ摺動可能に嵌め付けられたブレーキピストン45と、ブレーキピストン45をプライマリプーリ4A側に付勢するスプリング46と、このスプリング46の一端を支持するスプリング支持板47とを備えている。そして、変速機ケース6およびブレーキピストン45に囲まれた空間が、油圧室48となっている。なお、クラッチピストン35の押圧方向とブレーキピストン45の押圧方向とは互いに向かい合っている。
後進用ブレーキ40においては、内径側摩擦板41がリングギア22の外径側スプライン22aにスプライン嵌合されており、また、外径側摩擦板42が変速機ケース6に一体的に取り付けられている。そして、油圧アクチュエータ43の油圧室48に係合油圧がオイルポンプ8によって供給されると、ブレーキピストン45は摩擦板41、42側に移動する。これに伴い、ブレーキピストン45によって摩擦板41、42が押圧され、摩擦板41、42が互いに係合状態とされ、リングギア22の回転が規制される。一方、油圧アクチュエータ43の油圧室48の係合油圧が解放されると、ブレーキピストン45はスプリング46によって摩擦板41、42から離間される。これに伴い、摩擦板41、42は互いに非係合状態となり、リングギア22の回転が許容される。
上記構成の前後進切替装置3の基本的な動作について説明する。
ここで、変速機1のシフトポジションとしては、例えば、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションなどがある。まず、シフトポジションとしてドライブポジションが選択されている場合、前進用クラッチ30が係合状態となる一方で、後進用ブレーキ40が非係合状態となる。これにより、キャリア25が、インプットシャフト7およびサンギア21と一体回転可能となり、リングギア22の回転が許容される。
この状態では、内燃機関の回転動力によって、インプットシャフト7、サンギア21、およびキャリア25は、一体に回転する。このとき、ピニオンギア23、24は自転せず、サンギア21の軸線回りを公転する。リングギア22は、インプットシャフト7およびサンギア21と同じ速度で回転する。遊星歯車機構20の各要素がこのように動作することで、内燃機関の回転動力は、回転方向を変えずにそのまま前進方向動力としてプライマリプーリ4Aに入力される。プライマリプーリ4Aに入力された回転動力は、無段変速装置4により変速されて、ディファレンシャル装置5等を経由して駆動輪に前進駆動力として伝達される。
シフトポジションとしてリバースポジションが選択されている場合、前進用クラッチ30が非係合状態となる一方で、後進用ブレーキ40が係合状態となる。これにより、キャリア25がサンギア21に対して相対回転可能な状態となり、リングギア22の回転は規制される。
この状態では、内燃機関の回転動力によって、インプットシャフト7およびサンギア21は、一体的に回転し、内径側ピニオンギア23は、サンギア21と噛み合いながらサンギア21の回転方向と逆方向にサンギア21の回りを公転する。外径側ピニオンギア24は、内径側ピニオンギア23と噛み合いながら同ギア23の自転方向と逆方向に自転しつつ同ギア23と同じ方向にサンギア21の回りを公転する。このとき、キャリア25は、インプットシャフト7およびサンギア21の回転方向と逆方向に回転する。遊星歯車機構20の各要素がこのように動作することで、内燃機関の回転動力は、回転方向を反転して後進方向動力としてプライマリプーリ4Aに入力される。プライマリプーリ4Aに入力された回転動力は、無段変速装置4により変速されて、ディファレンシャル装置5等を経由して駆動輪に後進駆動力として伝達される。
シフトポジションとしてパーキングポジションまたはニュートラルポジションが選択されている場合、前進用クラッチ30および後進用ブレーキ40はともに非係合状態となる。この状態では、内燃機関の回転動力によって、インプットシャフト7およびサンギア21が一体的に回転し、内径側ピニオンギア23および外径側ピニオンギア24は互いに噛み合いながらその場で自転する。また、外径側ピニオンギア24に噛合したリングギア22は、サンギア21と同方向に回転し、キャリア25には回転動力が伝達されない。遊星歯車機構20の各要素がこのように動作することで、内燃機関の回転動力は、前後進切替装置3において遮断され、無段変速装置4、ディファレンシャル装置5、駆動輪等には伝達されない。
また、変速機1では、オイルポンプ8から供給されるオイルが、遊星歯車機構20のサンギア21に設けられた油供給路21aに供給され、この油供給路21a内のオイルがサンギア21の回転遠心力でもって径方向外向きに飛ばされるようになっている。このような遠心給油方式によって、遊星歯車機構20の各構成要素の当接部分や、前進用クラッチ30の各摩擦板31、32間、後進用ブレーキ40の各摩擦板41、42間などにオイルが供給される。
ここで、サンギア21の油供給路21aは、サンギア21における動力伝達方向の下流側の後端面から上流側へ向かう軸線11方向の途中までの領域に中心軸線に沿って設けられる軸孔とされている。この油供給路21aの長手方向複数位置の円周数ヶ所には、径方向外向きにオイルを吐出するための吐出口21bが設けられている。また、リングギア22の一側面と位置決めプレート26とが軸線11方向に離隔されてこの離隔隙間が円周方向に連続する環状隙間からなる給油路50とされるとともに、リングギア22の円周数ヶ所に、サンギア21の油供給路21aから吐出されて給油路50に遠心供給されるオイルをリングギア22外径側の後進用ブレーキ40側へ導く通路22bが設けられている。各通路22bは、リングギア22の一側面から外周面へ向けて貫通する斜め孔とされている。
この実施形態では、変速機1において、クラッチドラム34の固定軸部6aとの対向面には、油孔34bの軸線11方向(軸方向)の両側に径差が設けられており、その対向面に係合油圧が作用することによって、インプットシャフト7の一端部を固定軸部6aの一端部6eから軸方向に引き離す方向の力(スラスト力)を発生させることを特徴としている。以下、この点について、図2、図3を参照して説明する。
上述したように、車両の前進走行時、言い換えれば、前進用クラッチ30の係合時、前進用クラッチ30の油圧アクチュエータ33の油圧室38には、オイルポンプ8により係合油圧が供給(負荷)される。この油圧室38への係合油圧の供給は、油圧アクチュエータ33のクラッチドラム34に形成された油孔34bを介して行われる。
この実施形態では、油孔34bは、油圧アクチュエータ33のクラッチドラム34の内筒部34aの傾斜部分に設けられている。具体的には、図3に示すように、クラッチドラム34の内筒部34aの固定軸部6aとの対向面(内周面)には、径差(段差)が設けられており、大径部341と小径部342とが、軸線11方向に並んで設けられている。大径部341がトルクコンバータ2側に設けられ、小径部342がサンギア21側(CVT側)に設けられている。そして、大径部341と小径部342との間には、断面形状がテーパ状の傾斜部343が設けられており、この傾斜部343に油孔34bが形成されている。このように、大径部341と小径部342との間に、径差に応じた傾斜角度を有する傾斜部343が設けられており、この傾斜部343に油孔34bが設けられている。
また、クラッチドラム34の内筒部34aの内径側に配設される変速機ケース6の固定軸部6aの外周面が、クラッチドラム34の内筒部34aの内周面に倣った形状となっている。具体的には、図3に示すように、固定軸部6aの外周面には、径差(段差)が設けられており、大径部61と小径部62とが、軸線11方向に並んで設けられている。大径部61がトルクコンバータ2側に設けられ、小径部62がサンギア21側(CVT側)に設けられている。大径部61の外径は、クラッチドラム34の内筒部34aの大径部341の内径よりも、僅かに小径となっている。小径部62の外形は、クラッチドラム34の内筒部34aの小径部342の内径よりも、僅かに小径となっている。そして、大径部61と小径部62との間には、断面形状がテーパ状の傾斜部63が設けられており、この傾斜部63に油路6bの一端が開口されている。
また、オイル漏れを防止するための上述した2つのシールリング6c、6dのうち、一方のシールリング6cは、固定軸部6aの大径部61の外周に取り付けられている。このシールリング6cによって、固定軸部6aの大径部61と、クラッチドラム34の内筒部34aの大径部341との間がシールされる。2つのシールリング6c、6dのうち、他方のシールリング6dは、固定軸部6aの小径部62の外周に取り付けられている。このシールリング6dによって、固定軸部6aの小径部62と、クラッチドラム34の内筒部34aの小径部342との間がシールされる。このように、固定軸部6aの傾斜部63およびクラッチドラム34の内筒部34aの傾斜部343の軸線11方向の両側において、シールリング6c、6dによるオイルシールが行われている。
そして、前進用クラッチ30の係合時、オイルポンプ8により供給される係合油圧が、クラッチドラム34の内筒部34aの油孔34bを介して油圧室38へ供給される。この際、クラッチドラム34の内筒部34aの傾斜部343に係合油圧が作用する。このように、オイルポンプ8からの係合油圧が傾斜部343に作用することで、インプットシャフト7の一端部と、固定軸部6aの一端部6eとを軸線11方向に互いに引き離す方向の力が発生する。
詳しくは、クラッチドラム34の内筒部34aの内周面に設けられた径差、ここでは、油孔34bの軸線11方向の両側に設けられた径差の存在により、内筒部34aの内周面にその径差に応じた傾斜角度を有する傾斜部343が設けられている。そして、この傾斜部343に係合油圧が作用することで、クラッチドラム34に軸線11方向の一方(図3では左方)に向かう力が、クラッチドラム34に発生する。これにより、クラッチドラム34に一体的に連結されたインプットシャフト7に対し軸線11方向の一方に向かう力、言い換えれば、インプットシャフト7の一端部を固定軸部6aの一端部6eから軸線11方向に引き離す方向の力(スラスト力)が発生する。
このスラスト力によって、車両の前進走行時、インプットシャフト7の一端部(サンギア21の他端部21c)と固定軸部6aの一端部6eと間に隙間が確保され、インプットシャフト7の一端部(サンギア21の他端部21c)と固定軸部6aの一端部6eとの接触が回避される。これにより、インプットシャフト7の一端部(サンギア21の他端部21c)と固定軸部6aの一端部6eとの間に、スラストころ軸受等のようなスラストベアリングを介装する必要がなくなり、引き摺り抵抗(摺動抵抗)を低減でき、燃費向上に貢献できる。また、インプットシャフト7を支持するスラストベアリングの使用個数を少なくすることができ、省スペース化や、コストの低減を図ることができる。
ここで、この実施形態では、インプットシャフト7の一端部(サンギア21の他端部21c)と固定軸部6aの一端部6eとの間に、スラストワッシャ21dが介在されている。このスラストワッシャ21dは、車両の後進走行時でアクセルオフのとき(コースト時)、エンジンブレーキによるインプットシャフト7(サンギア21)側から固定軸部6a側へのスラスト荷重(コーストトルク)を受けるために設けられている。この後進走行時のコーストトルクは、比較的低荷重であり、発生頻度も比較的低頻度であるため、スラストベアリングを用いなくても、スラストワッシャ21dのみによって受け止めることが可能である。
一方、車両の後進走行時でアクセルオンのときには、インプットシャフト7(サンギア21)側からキャリア25のフランジ25d側へスラスト荷重がかかり、このスラスト荷重をスラストころ軸受29によって受け止めるようにしている。また、シフトポジションとしてパーキングポジションまたはニュートラルポジションが選択されている場合、遊星歯車機構20の空転時の引き摺りによるスラスト荷重が、インプットシャフト7(サンギア21)側からキャリア25のフランジ25d側へかかり、このスラスト荷重をスラストころ軸受29によって受け止めるようにしている。
なお、上記実施形態では、前後進切替装置3に設けられる遊星歯車機構20としてダブルピニオン型を例に挙げているが、シングルピニオン型や、ラビニオ型等、その構成は特に限定されない。
本発明は、自動車等の車両に搭載される変速機であって、インプットシャフトに入力される回転動力を、油圧によって前進方向動力または後進方向動力に切り替える前後進切替装置を備えたものに利用可能である。
1 変速機
3 前後進切替装置
6 変速機ケース
6a 固定軸部
6b 油路
6e 一端部
7 インプットシャフト
8 オイルポンプ
21 サンギア
21d スラストワッシャ
22 リングギア
23 内径側ピニオンギア
24 外形側ピニオンギア
25 キャリア
30 前進用クラッチ
33 油圧アクチュエータ
34 クラッチドラム
34a 内筒部
34b 油孔
341 大径部
342 小径部
343 傾斜部
38 油圧室(第1油圧室)
40 後進用ブレーキ
48 油圧室(第2油圧室)

Claims (1)

  1. ケースに支持されたインプットシャフトに入力される回転動力を、前進方向動力または後進方向動力に切り替える前後進切替装置を備えた変速機であって、
    前記インプットシャフトが、前記ケースと一体的に設けられた中空の固定軸部の内部に挿通され、前記インプットシャフトの一端部が、前記固定軸部の一端部側から突出され、
    前記前後進切替装置は、遊星歯車機構と、前記回転動力を前進方向動力に切り替えるときに第1油圧室への第1係合油圧の供給によって係合される前進用クラッチと、前記回転動力を後進方向動力に切り替えるときに第2油圧室への第2係合油圧の供給によって係合される後進用ブレーキとを備え、
    前記前進用クラッチの第1油圧室を形成するクラッチドラムが、前記インプットシャフトと一体回転可能に連結されるとともに、前記固定軸部の外周側にこの固定軸部に相対回転可能に設けられ、
    前記クラッチドラムには、前記第1油圧室に第1係合油圧を供給する油孔が形成されており、
    前記クラッチドラムの前記固定軸部との対向面には、前記油孔の軸方向の両側に径差が設けられ、前記対向面に第1係合油圧が作用することによって、前記インプットシャフトの一端部を前記固定軸部の一端部から軸方向に引き離す方向の力を発生させることを特徴とする変速機。
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