JP5541386B2 - インターポーザ基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、基板の表裏を貫通する貫通電極を備えるインターポーザ基板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高密度、小型化が進み、LSIチップが半導体パッケージと同程度まで縮小化しており、LSIチップを2次元配置することによる高密度化は限界に達しつつある。そこで実装密度を上げるためにLSIチップを分け、それらを3次元に積層する必要がある。また、LSIチップを積層した半導体パッケージ全体を高速動作させるために積層回路同士を近づけ、積層回路間の配線距離を短くする必要がある。
そこで、上記の要求に応えるべく、LSIチップ間のインターポーザとして基板の表裏を貫通する貫通部を備えたインターポーザ基板が提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、インターポーザ基板は、基板に設けられた貫通孔内部を電解めっきによって導電材(例えば、Cu)を充填することで形成される。
特開2006−54307号公報
インターポーザ基板の製造では、高いアスペクト比を有する孔に対して導電材を充填するため、充填過程でボイド(空隙)が発生することがある。貫通孔内部の導電材にボイドが存在すると、電気特性不良を引き起こす虞がある。
ところで、インターポーザ基板の生産性を向上させるために、電解めっきによって貫通孔内部への導電材の充填する速度を高めることが望まれている。
本発明は上記の実情に鑑みて成されたものであり、貫通電極を形成する電解めっきにおいて貫通電極内のボイドの発生を低減し、かつ、生産性の高い製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施の形態に係るインターポーザ基板の製造方法は、基板を貫通する貫通孔に電解めっきにより導電材を充填することにより前記貫通孔を前記導電材により満たしインターポーザ基板を製造するインターポーザ基板の製造方法であり、前記基板の片側に、前記貫通孔の開口を塞ぐシード材を配設し前記基板を準備し、めっき電極間に印加する電圧を順方向にして前記電解めっきを行う第1めっき工程を行い、前記貫通孔の未充填部分が存在する間に、めっき電極間に印加する電圧を順方向と逆方向とに交互に切り替えながら前記電解めっきを行う第2めっき工程に切り替え、前記第2めっき工程を、前記貫通孔を前記導電材により満たすまで継続することを特徴とする。このインターポーザ基板の製造方法によれば、ボイドの発生を回避することができる。
また、第1めっき工程における電流密度(I)が、第2めっき工程における電流密度(I)より小さい(I<I)こととしてもよい。このインターポーザ基板の製造方法によれば、導電材の析出を均一とすることができる。
また、前記貫通孔内における前記導電材の未充填の領域のアスペクト比が2以下に達した以降に、前記第2めっき工程を開始してもよい。このインターポーザ基板の製造方法によれば、ボイドの発生を回避して貫通電極を形成することができる。
また、前記電解めっきにおいては、前記基板の表面に沿った電解めっき液の液流があり、前記第1めっき工程においては、前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が略一定であってもよい。このインターポーザ基板の製造方法によれば、ボイドの発生を回避して貫通電極を形成することができる。
また、前記2めっき工程においては、前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が、前記第1めっき工程における前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速より大きくなってもよい。このインターポーザ基板の製造方法によれば、流速の変化に応じて工程を変えることになる。このため、ボイドの発生を回避して貫通電極を形成することができる。
また、前記導電材が析出する界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が上昇を開始以降に、前記第2めっき工程を開始してもよい。このインターポーザ基板の製造方法によれば、ボイドの発生を回避し、導電材の析出を均一として短時間で電気特性が良好な貫通電極を形成することができる。
本発明によれば、電解めっきの方法により貫通電極を形成する際にボイドの発生を低減することができ、かつ、その生産性を向上することができる。
本発明の実施形態に係るインターポーザ基板の製造方法の一部を例示する図である。 図1Aに続くインターポーザ基板の製造方法の一部を例示する図である。 本発明の実施形態に係る電解めっき装置の概略構成を示す図である。 電解めっきの方法における電流印加の一例図である。 図3の「高速化プロファイル」により電解めっきを行ったインターポーザ基板のX線透過写真を示す図である。 銅イオン濃度を変化させて電解めっきを行った際のインターポーザ基板のX線透過写真を示す図である。 パルスリバース(PR)方式により電解めっきを行ったインターポーザ基板のX線透過写真を示す図である。 リバース電流を無くしたPR方式により電解めっきを行ったインターポーザ基板のX線透過写真を示す図である。 貫通孔内で導電材Cuが充填されていく過程と、側壁エッチングが発生する過程と、を模式的に例示する図である。 銅イオンの供給律速によりボイドが発生する過程を模式的に例示する図である。 導電材Cuの析出分布が不均一になったインターポーザ基板を例示する図である。 本発明の実施形態に係る貫通孔内の流速のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る貫通孔内の硫酸銅めっき液の循環イメージに沿った電解めっきにおける電流密度の時間変化の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電解めっき工程における電流密度の時間変化を示す図である。 本発明の実施形態に係る電解めっき工程を使用して製造したインターポーザ基板を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るインターポーザ基板の製造方法について説明する。なお、本発明のインターポーザ基板の製造方法は多くの異なる条件で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(インターポーザ基板の製造方法の概要)
本発明の一実施形態に係るインターポーザ基板の製造方法を図1A及び図1Bを参照して説明する。図1A(A)に示すように、まず、ウェハ110を用意する。ウェハ110の材料は、例えばシリコン(Si)である。また、ウェハ110の厚みは、例えば、400μmとすることができる。なお、このウェハ110の厚みは、特に限定するものではない。また、図1A(A)において、説明の便宜上、図中の上側をウェハ110の第1面側、下側をウェハ110の第2面側とする。次に、図1A(B)において、ウェハ110の第2面側に、ストッパ層120を形成する。ストッパ層120は、以後に貫通孔を形成する際のストッパとして機能する。このために、ストッパ層120の材料としては、ウェハ110を構成する材料に対してエッチング選択性がある材料であればよく、例えば、アルミニウム(Al)を選択することができる。ストッパ層120の成膜方法は、PVD、スパッタ法等から適宜選択できる。なお、ストッパ層120は、Alなどの薄膜をウェハ110の第2面側に貼り付けるようにしてもよい。
次いで、図1A(C)において、ウェハ110の第1面側にレジスト層130をフォト
リソグラフィにより形成する。レジスト層130は、フォトレジスト、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属などから選択される1以上を用いることができる。次いで、図1A(D)において、レジスト層130を介してウェハ110の厚み方向にRIE法やD−RIE法などによるエッチングにより孔140を形成し、続いて、ストッパ層120及びレジスト層130を剥離することにより孔140を、ウェハ110の厚み方向に貫通する貫通孔140に形成する。貫通孔140は、上記に限らず、所定の深さまでD−RIEなどによるエッチングにより凹部を形成し、続いて第2面側から薄化していき開口させて形成してもよい。この場合、凹部の形成のためのエッチングにはストッパ層を用いなくてもよい。
次いで、図1B(E)において、ウェハ110に熱酸化などにより酸化シリコン膜などからなる絶縁膜(図示せず)を形成し、続いて、PVD、スパッタ法などを行い、Cuなどを含むシード層150を形成する。PVD、スパッタリング法は、シード材を形成するために行うことができる。なお、シード層150は、ウェハ110の第1面へのシード材料の貼り付けによっても配設することができる。シード層150は、貫通電極170を電解めっき法によって形成するためのシード材及び給電部となる。
以上のように貫通孔の少なくとも片側に、貫通孔の開口を塞ぐシード材が配設された基板の準備を行った後に、図1B(F)において、シード層150に給電し、電解めっきの方法を用いて貫通孔140内に導電材160を充填する。本実施形態では、貫通孔140に充填する導電材として、銅(Cu)を用いる。銅以外にも電解めっき法により充填できる導電材を用いることができる。次いで、図1B(G)において、シード層150及び導電材160の不要な部分をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)などにより除去することにより、貫通電極170を形成する。次いで、図1B(H)において、所定の電子部品に対応して、その端子部と貫通電極170とを電気的に接続する配線層190を一方の面に形成するとともに、インターポーザ基板100を他の基板に実装するための半田ボール190を他方の面に形成する。
ここで、電解めっきの原理について図2を参照して説明する。図2において、めっき槽内は例えば硫酸銅めっき液で満たされている。この硫酸銅めっき液内に例えばプラチナの陽極(アノード)と、図1Bの(E)として例示される開口径50μmの貫通孔とシード層が形成されたウェハが浸漬されている。めっき電極のうちの陽極は整流器の正電極(プラス)に接続され、めっき電極のうちの負極となるシード層は負電極(−)に接続されて、順方向の電圧をめっき電極間に印加して図中に示すように直流電流が流される。この通電により、Cu2++2e→Cuの反応が発生し、シード層の第2面およびウェハの貫通孔内にCuが析出する。この電解めっきの原理により、直流電流(2e )をより多く流せれば、めっきによる貫通孔の充填を高速化できる。なお、めっき槽内では、めっき液の硫酸銅濃度を一定にするために、硫酸銅めっき液は略一定の流速で循環されることが好ましい。例えば、ウェハの第2面側に沿って、略一定の流速にて硫酸銅めっき液の液流が生じるようにする。
(電流密度を変化させた電解めっき例)
電解めっき法においては、直流電流の電流密度を変化させてもよい。図3に、直流電流の電流密度を変化させた例を示す。図3において、「条件.1」として示す電流密度の変化は、電解めっき工程における直流電流の電流密度を変化させる例である。この例では、段階的に徐々に電流密度を上昇させることに特徴がある。この例では、開口径が50μm、深さが400μm、アスペクト比が8のホール形状の貫通孔に対して電解めっきを行っている。そして、図3に示すように、貫通孔に対するめっきの充填が終了するまでに20時間を要している。なお、このアスペクト比は、貫通孔の開口部における最大直径(開口径)に対する、開口端から貫通孔の端部を塞ぐAl層底部までの深さの比率である。図3には、電解めっき工程の時間の短縮を試みるため、同じ形状の貫通孔に対して「条件.2」による電解めっきを行った例も示されている。この「条件.2」による電解めっきを行った例では、電解めっき開始後から電流密度を線形に増加させ、約4.5時間経過後に電流密度を一定としている。これにより、この「条件.2」による電解めっきを行った例では、短時間に電流密度を上昇させることができ、約12時間で終了している。
しかしながら、「条件.2」による電解めっきには次の問題が発生する。すなわち、「条件.2」による電解めっきを行った際のインターポーザ基板のX線透過写真を得たところ、図4が得られた。図4によれば、貫通孔に充填されたCuの導電材160の側壁にボイド(空隙)が発生している。したがって、電流密度を単に上昇させるだけでは良好な貫通電極が得られない。
(イオン濃度を変化させた電解めっき例)
続いて、硫酸銅めっき液の銅イオンCu2+濃度を変化させて電解めっきを行い、比較を行った例を示す。図5は、その結果得られたインターポーザ基板のX線透過写真を示す。図5において、(A)は銅イオンCu2+濃度を低く設定した場合、(B)は銅イオンCu2+濃度を高く設定した場合である。銅イオンCu2+濃度を低く設定した場合に貫通孔に充填されたCuの導電材160の側壁にボイド(空隙)が発生している。したがって、銅イオンCu2+濃度を単に変化させるだけでも、良好な貫通電極が得られない。
(電流印加方式と電解めっきの関係)
以下に、電解めっきにおける電流印加方式である直流(DC)方式とパルスリバース方式(以下、PR方式という)について、説明する。DC方式においては、めっき電極に順方向の直流電圧を印加し、一定の直流電流を連続して印加してCuを析出させてめっきを行う。このDC方式により上記アスペクト比が8程度のホール形状の貫通孔140に対して導電材160の充填した場合、めっき分布が悪く、Cuの析出分布異常が発生することが判明した。
一方、パルスリバース(PR)方式は、所定の時間間隔で、めっき電極間に印加する電圧を順方向と逆方向とに交互に切り替え、めっき電極間にパルス電流を流しながらCuの析出によるめっきを行う方法である。めっき電極に印加する電圧を順方向として電流が順方向の期間(印加電圧による電流の値がプラスとなる期間)に、Cuの析出によるめっきが行われ、めっき電極に印加する電圧を逆方向として電流が逆方向の期間(印加電圧による電流の値がマイナスとなる期間、なお、この期間のマイナス値の電流を以下、リバース電流という。))に、めっきが行われる第2面である界面のエッチングが行われると考えられる。このPR方式は、リバース電流により余分なCuをエッチングし、Cuを均一に析出させて、DC方式の析出分布異常を解消することができると考えられる。
図6は、このPR方式により上記アスペクト比が8程度のホール形状の貫通孔に対してCuの導電材を充填した結果を示す。なお、この場合、パルス電流の値がプラスとなるときの値とマイナスとなるときの値(絶対値)の比は1:3〜1:6となるように調整し、その印加時間の比は50:1〜100:5となるように調整した。また、このパルス電流の設定は一例であり、めっき対象の貫通孔の寸法に応じて適宜変更される。図6に示すように、貫通孔に充填されたCuの導電材の側壁にボイド(空隙)が発生している。したがって、PR方式による電解めっきによっては、良好な貫通電極が得られない。
そこで、PR方式による電解めっきの結果から、さらに、PR方式のリバース電流を無くしたパルス電流を印加することが考えられる。このリバース電流を無くしたパルス電流印加方式は、プラス電流のみを印加するため、PR方式に類似する方式である。この場合、パルス電流がプラスとなる期間とゼロとなる期間の長さの比は80:2である。
図7は、このPR方式により上記アスペクト比が8程度のホール形状の貫通孔に対してCuの導電材を充填した後に撮影したインターポーザ基板のX線透過写真を示す。図7に示すように、貫通孔に充填されたCuの導電材の側壁にはボイド(空隙)が発生していない。この結果により、ボイド(空隙)の発生とPR方式におけるリバース電流との間には相関があるといえる。
(ボイド発生プロセスの考察)
上記PR方式におけるリバース電流の有無の比較結果により、ボイドの発生は、(1)電流密度の高いリバース電流と、(2)貫通孔内の銅イオンCu2+量と、に依存していると考えられる。そこで、貫通孔内でボイドが発生するプロセスについて考察すると以下のようになる。すなわち、図8は、貫通孔内でCuが充填されていく過程と、側壁エッチングが発生する過程と、を模式的に例示する図である。一方、図9は、銅イオンCu2+の供給律速によりボイドが発生する過程を模式的に例示する図である。
図8(A)を参照すると、電解めっきを高速化するため、PR方式によりパルスリバース電流を印加した場合、図8に示すように、プラス電流よりも電流密度が高いリバース電流が繰り返し印加されると、貫通孔内においてはこの高い電流密度に比して銅イオンCu2+濃度は高くならないと考えられる。理由は、めっき槽内に流れる硫酸銅めっき液の流量には限界があるためである。このため、貫通孔内の銅イオンCu2+の供給量が不足する状況になる。以上により貫通孔内のめっき面におけるCuの充填が不足し、同図(B)に示すように、リバース電流印加時のエッチング作用により側壁に空洞が発生すると考えられる。
さらに、印加電流がプラスの期間になると、図9の(C)に示すように、供給される銅イオンCu2+は貫通孔内のめっき面の先端部で優先的にCuが析出し、空洞が埋まらず、空洞より上部に蓋が形成されると考えられる。したがって続いて、同図(D)に示すように、貫通孔内のCuの充填が進み、残された空洞がボイドになる。
以上のように、PR方式により高い電流密度のパルスリバース電流を印加した場合、リバース電流印加時のエッチング作用でボイドが発生すると考えられる。したがって、電解めっきを高速化するためには、このボイドの発生条件を考慮して、電流密度及び硫酸銅めっき液の流速の各設定を再検討する必要があることになる。
(電解めっきの高速化について)
以上を踏まえて、ボイドの発生条件を抑えて電解めっきを高速化する方法について説明する。上記のようにリバース電流の印加による発生するボイドを抑制するためには、リバース電流の印加を止め、印加電圧を順方向としてプラス値の電流のみをパルス化して電流密度を高めることによりボイドの発生を回避できる。この場合、パルスとパルスとの間においては、めっき電極間に電圧を印加せず、めっき電極間に電流が流れないようにしてもよい。あるいは、パルスとパルスとの間において、めっき電極間に電圧を順方向に保ったまま減少させ、めっき電極間の電流の値をプラスに保ちつつ小さくしてもよい。
しかし、プラス電流のみをパルス化して電流密度を高めると、Cuの析出分布が不均一になり、Cuの析出分布を制御することは困難である。実際、図10に示すように、Cuの析出分布が不均一になる。このインターポーザ基板では、部分析出分布が不均一になり、先に満充填された貫通孔から溢れたCu(図中の大きい円の部分)が隣接する未充填貫通孔の開口に蓋をし、空洞の貫通孔が発生していると考えられる。
また、めっき槽における硫酸銅めっき液の飽和濃度による銅イオンCu2+の供給の上限があるために、電解めっきの高速化には上限があると考えられる。そこで、次に説明するように、貫通孔内の銅イオンCu2+の供給状況について、シミュレーションを行った。
(貫通孔内の銅イオンCu2+供給状況のシミュレーション)
図11は、縦軸を、基板の第2面に沿った硫酸銅めっき液の流速とし、横軸を貫通孔あるいは未充填部分のアスペクト比としたグラフであり、貫通孔内の硫酸銅めっき液の流速のシミュレーション結果である。なお、このシミュレーションにおける硫酸銅めっき液の流速は、貫通孔内で析出されるCuの界面における流速である。基板の第2面に沿った硫酸銅めっき液の流速Vを、5.32[m/s],3.34[m/s],0.532[m/s]に設定し、貫通孔のアスペクト比を、8に設定した。また、図11において、グラフの左端側が、基板第2面側の貫通孔の出口付近、右端側が、基板第1面側の貫通孔の底付
近となる。したがって、図11において「ホールレシオ」とは、未充填の領域のアスペクト比を表わす。
図11のシミュレーション結果によれば、貫通孔の底付近からアスペクト比2付近までほとんど流速の変化はなく、銅イオンCu2+の供給律速になりやすい状況となっていることが読み取れる。また、貫通孔の出口付近からアスペクト比2付近までは流速が大きく変化することも読み取れる。すなわち、銅イオンCu2+の供給律速は、貫通孔の未充填部分のアスペクト比に依存している。なお、ホールレシオが8から1.5となるまでの数値を具体的に示すと次の表のようになる。

すなわち、ホールレシオが1.5のときの流速に対して、ホールレシオが2の場合の流速は5分の1以下、ホールレシオが2.5以上の場合の流速は100分の1以下となる。また、ホールレシオが2以下となると、ホールレシオが2未満の区間と比べると貫通孔内で析出されるCuの界面における流速の変化が大きくなる。基板の第2面に沿った硫酸銅めっき液の流速Vに対する貫通孔内で析出されるCuの界面における流速の割合を計算すると、ホールレシオが2の場合にはV=5.32、3.34及び0.532それぞれにおいて1.2(%)、1.5(%)、3(%)となり、ホールレシオが2より大きくなるとさらに小さくなるのに対し、ホールレシオが1.5の場合、V=5.32、3.34及び0.532それぞれにおいては、18(%)、19(%)及び17(%)となり、流速がホールレシオに対して増大していることがわかる。本明細書においては、基板の第2面に沿った硫酸銅めっき液の流速Vに対する貫通孔内で析出されるCuの界面における流速の割合が1(%)より小さい場合に、析出されるCuの界面における流速が略一定であるとみなす。
上記流速のシミュレーション結果により得られる、貫通孔に対する電解めっき工程を高速化する方法を、以下に本発明の一実施形態として説明する。
上記流速のシミュレーション結果に基づき、貫通孔内の硫酸銅めっき液の循環イメージに沿った電解めっき工程における電流変化を作成し、供給される銅イオンCu2+を全て使う電流変化を検討した結果を説明する。図12は、貫通孔内の硫酸銅めっき液の循環イメージに沿った電解めっき工程における電流変化の一例を示す図である。
図12において、析出界面における硫酸銅めっき液の流速がほとんど変化せず、銅イオンCu2+の供給律速が発生しやすい領域、すなわち、貫通孔のアスペクト比が2以上(かつ8以下)の領域に対しては、工程1を設定する。この工程1では、DC方式、又はリバース電流を流さないPR方式を適用して高い電流密度の電流を印加して、ボイドの発生を回避しながら、供給される銅イオンCu2+を全て使ってCuを析出させて高速化を図る。すなわち、工程1を行う区間として、Cuが析出しCuが充填される界面における電解めっきの電解めっき液の流速が略一定である区間を選択する。このため、リバース電流を流すと銅イオンCu2+の供給律速により、ボイドが発生するので、リバース電流を流さないようにする。
また、図12において、析出界面における硫酸銅めっき液の流速が大きく変化し、銅イオンCu2+が潤沢に供給されて供給律速が解消される領域、すなわち、貫通孔の未充填部分のアスペクト比が2以下に達した以降の領域おいては、工程2を設定する。言い換えると、工程1では、析出界面における硫酸銅めっき液の流速が略一定であるのに対し、アスペクト比が2以下に達すると、析出界面における硫酸銅めっき液の流速が略一定より大きくなる。そこで、流速が略一定より大きくなった以降に工程2を行う。この工程2では、PR方式を適用してCuの析出分布を均一化する。すなわち、本実施形態の電解めっき工程では、貫通孔の未充填部分のアスペクト比に応じて工程1と工程2の2段階に分けたことに特徴がある。
上記工程1及び工程2を適用した電解めっき工程の具体例を図13に示す。図13は、縦軸を電流密度、横軸を時間に設定し、電解めっき工程における電流密度の時間変化を示すグラフである。図13において、一番上に示すものは本実施形態に係る電解めっき工程のグラフであり、その下に示すものは上述の図3に示した「条件.2」のグラフであり、一番下に示すものは上述の図3に示した「条件.1」のグラフである。なお、「条件.1」および「条件.2」のグラフは比較のために図示している。
図13に示す本実施形態に係る電解めっき工程では、図12を参照して説明した工程1としてDC方式を適用して1.25[A]の直流電流を5時間印加した。続いて、図12に示した工程2としてPR方式を適用して+1.25[A]/−5[A]のパルスリバース電流を1時間、+1.875[A]/−5[A]のパルスリバース電流を1時間、+2.5[A]/−5[A]のパルスリバース電流を1時間と段階的に印加して徐々に電流密度を上げるようにした。なお、工程1において印加する直流電流の電流密度を第1電流密度(I)とし、工程2において印加するパルスリバース電流の電流密度を第2電流密度(I)とした場合、I<Iとするのが好ましい。理由は、工程2においてはパルスリバース電流が用いられることにより、Cuを均一に析出するためである。
図13に示した本実施形態に係る電解めっき工程を実施して製造したインターポーザ基板の写真を図14に示す。図14において、(A)はインターポーザ基板の一部分のX線透過写真、(B)はインターポーザ基板の一部分の平面写真である。これらの写真から明らかなように、本実施形態に係る電解めっき工程を実施して製造したインターポーザ基板では、ボイドは発生せず、Cu析出分布も均一であり良好になっている。さらに、本実施形態に係る電解めっき工程に要する時間は8時間であり、「条件.1」による電解めっき工程時間が20時間、「条件.2」による電解めっき工程時間が約12時間に比べて短縮することが可能になった。
なお、図13に示したグラフは一例であり、上記設定条件を限定するものではない。但し、工程1と工程2を切り替える条件は、貫通孔内における硫酸銅めっき液の流速と、貫通孔内に充填される導電材のアスペクト比と、に依存する。このアスペクト比は、貫通孔の開口部の最大直径と貫通孔内の導電材が未充填部分の深さとの比である。工程1から工程への切り替えは、貫通孔内の導電材が未充填部分のアスペクト比が2以下に達した以降に行うことが有効である。このように、電解めっき工程における工程の切り替え条件をアスペクト比とすることにより、貫通孔の寸法によらず適用することが可能になる。したがって、本実施形態に係る電解めっき工程を適用してインターポーザ基板を製造する際の電解めっき工程を実施することにより、ボイドの発生を回避し、導電材の析出分布も均一にし、電気特性が良好な貫通電極が得られ、電解めっき工程も高速化できる。また、上記工程1と工程2を切り替える条件は、図12に示した硫酸銅めっき液の流速が上昇を開始することを条件として設定してもよい。
100…インターポーザ基板、110…ウェハ、120…Al層、130…レジスト層、140…貫通孔、150…シード層、160…導電材、170…貫通電極、180…配線層、190…半田ボール

Claims (6)

  1. 基板を貫通する貫通孔に電解めっきにより導電材を充填することにより前記貫通孔を前記導電材により満たしインターポーザ基板を製造するインターポーザ基板の製造方法であり、
    前記基板の片側に、前記貫通孔の開口を塞ぐシード材を配設し前記基板を準備し、
    めっき電極間に印加する電圧を順方向にして前記電解めっきを行う第1めっき工程を行い、
    前記貫通孔の未充填部分が存在する間に、めっき電極間に印加する電圧を順方向と逆方向とに交互に切り替えながら前記電解めっきを行う第2めっき工程に切り替え
    前記第2めっき工程を、前記貫通孔を前記導電材により満たすまで継続する、
    ことを特徴とするインターポーザ基板の製造方法。
  2. 前記第1めっき工程における電流密度(I)が、前記第2めっき工程における電圧を逆方向に印加する際の電流密度(I)より小さい(I<I)ことを特徴とする請求項に記載のインターポーザ基板の製造方法。
  3. 前記貫通孔内における前記導電材の未充填の領域のアスペクト比が2以下に達した以降に、前記第2めっき工程を開始することを特徴とする請求項1または2に記載のインターポーザ基板の製造方法。
  4. 前記電解めっきにおいては、前記基板の表面に沿った電解めっき液の液流があり、
    前記第1めっき工程においては、前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が略一定であることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のインターポーザ基板の製造方法。
  5. 前記電解めっきにおいては、前記基板の表面に沿った電解めっき液の液流があり、
    前記第2めっき工程においては、前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が、前記第1めっき工程における前記貫通孔内に前記導電材が充填される界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速より大きくなることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のインターポーザ基板の製造方法。
  6. 前記導電材が析出する界面における前記電解めっきの電解めっき液の流速が上昇を開始以降に、前記第2めっき工程を開始することを特徴とする請求項またはに記載のインターポーザ基板の製造方法。
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