JP5541078B2 - ダストキャッチャー - Google Patents

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本発明は、例えばコークス炉ガス等の副生ガスを燃料ガスとしてガスバーナ等に供給する燃料ガス供給管から立ち上がる直管部を有する燃料ガス放散管と、該燃料ガス放散管の直管部に設けられた燃料ガス放散弁とを含むガス放散装置に用いられるダストキャッチャーに関する。
製鉄所で発生するコークス炉ガス、高炉ガス、転炉ガス等の副生ガスは、水素などの可燃性成分を含んでいることが知られている。そこで、副生ガスに含まれる可燃性成分の有効利用を図るため、製鉄所では、コークス炉ガス等の副生ガスをボイラ燃料として利用している(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
コークス炉ガス等の副生ガスをボイラのガスバーナにボイラ燃料として供給するボイラ燃料供給装置の一例を図2に示す。このボイラ燃料供給装置はコークス炉ガス等の副生ガスをボイラのガスバーナ(図示せず)に燃料ガスとして供給する燃料ガス供給管11と、燃料ガス供給管11からほぼ鉛直に立ち上がる直管部121を有する燃料ガス放散管12と、燃料ガス放散管12の直管部121に設けられた燃料ガス放散弁としてのボール弁13とからなり、ボール弁13は弁体131と、この弁体131を収納する弁箱132とを有して構成されている。
このようなボイラ燃料供給装置では、ボール弁13を図2(a)に示す閉状態から図2(b)に示す開状態に切り替えると、図中矢印で示すように、燃料ガス供給管11からボイラのガスバーナに燃料ガスとして供給される副生ガスが燃料ガス放散管12に流入する。従って、ボイラのガスバーナにボイラ燃料として供給される副生ガスをボイラの補修時などにガス放散塔から大気中に放散することが可能である。
しかし、副生ガスに含まれる水分によって燃料ガス放散管12の内面にスケールが発生すると、燃料ガス放散管12の内面に発生したスケールが振動等により燃料ガス放散管12の直管部121からボール弁13の弁体131上にダストとして落下する。そして、ボール弁13の弁体131上に落下したダストがボール弁13の弁体131と弁箱132との間に入り込んだりすることによって作動不良がボール弁13に生じるため、ボイラのガスバーナにボイラ燃料として供給される副生ガスをボイラの補修時などに燃料ガス放散管12から大気中に放散することができなくなるという問題が生じる。
そこで、スケール等のダストを除去する技術として、例えば特許文献3には、上流よりも下流が高く傾斜した煙道において、少なくとも傾斜が始まる部分に煙道よりも断面積の大きい拡大ダクトを設け、この拡大ダクトによって排ガス中のダストを除去する技術が開示されている。
また、特許文献4には、煙突外筒内に設置されて排ガスに旋回流を与える旋回羽根と、旋回羽根の上方で煙突外筒の内壁に取付けられた漏斗状のバッフルプレートと、バッフルプレートに沿って煙突外筒の円周方向に設けられた複数の第1切窓と、第1切窓を覆うように上端部を煙突外筒の外周面に取付けられて下端部を開放する逆漏斗状の仕切壁と、仕切壁の上方で煙突外筒の円周方向に設けられた複数の第2切窓と、第2切窓を覆うように上端部を煙突外筒の外周面に取付けられて下端部を仕切壁の下方でダスト排出部を仕切壁よりも径の大きいドラム状のダスト捕集部とを具備したダスト除去装置により排ガス中のダストを除去する技術が開示されている。
特開2004−044893号公報(0002) 特開平11−094240号公報(0003−0004) 実開平1−88127号公報 実公平7−40828号公報
しかしながら、特許文献3及び4に開示された技術では、煙道や煙突内を流通する排ガス中のダストを除去できるものの、燃料ガス放散管の直管部から落下するスケール等のダストを捕捉することができないという問題がある。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、燃料ガス放散管の直管部から落下するスケール等のダストによって燃料ガス放散弁に作動不良が生じることを防止することのできるダストキャッチャーを提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料ガス供給管から立ち上がる直管部を有する燃料ガス放散管と、該燃料ガス放散管の前記直管部に設けられた燃料ガス放散弁とからなるガス放散装置に用いられるダストキャッチャーであって、前記燃料ガス放散弁の上部に設けられたダスト受入箱と、前記燃料ガス放散管の直管部から落下するダストを前記ダスト受入箱の内部で受け止めて捕捉するダスト捕捉板とを備えてなり、前記ダスト受入箱は、前記ダストを受け入れるダスト受入口を上面部に有すると共に、前記燃料ガス放散弁からの燃料ガスを受け入れる燃料ガス受入口を下面部に有することを特徴とする。
本発明に係るダストキャッチャーにおいて、前記ダスト捕捉板は、前記ダスト受入口と対向する上面部を有し、該上面部で前記ダストを滑落させる傾斜角度で前記ダスト受入箱の内部に設けられていることが好ましい。
また、前記燃料ガス受入口から前記ダスト受入箱に流入した燃料ガスを前記ダスト受入口から前記燃料ガス放散管に流通させるガス流路が、前記ダスト捕捉板によって前記ダスト受入箱の内部に形成されていることが好ましい。
また、前記ダスト受入箱は、前記ダストを取り出すためのダスト取出口を有することが好ましい。この場合、前記ダスト取出口を密閉する取出口密閉板を、さらに備えることが望ましい。
また、前記ダスト受入箱の上面部から鉛直に突出するダスト導入管と、該ダスト導入管の上端部に形成された上部フランジと、前記ダスト受入箱の下面部から鉛直に突出する燃料ガス導入管と、該燃料ガス導入管の下端部に形成された下部フランジとを、さらに備えることが望ましい。
本発明によれば、燃料ガス放散管の直管部から落下するスケール等のダストは燃料ガス放散弁の上部に設けられたダストキャッチャーによって、燃料ガス放散弁の弁体上に落下する前に捕捉される。従って、燃料ガス放散弁の弁体上にスケール等のダストが落下することがなく、燃料ガス放散管の直管部から落下するスケール等のダストによって燃料ガス放散弁に作動不良が生じることを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るダストキャッチャーを備えたボイラ燃料供給装置を示す図である。 副生ガスをボイラのガスバーナにボイラ燃料として供給するボイラ燃料供給装置の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダストキャッチャーを備えたボイラ燃料供給装置を示す図である。このボイラ燃料供給装置は、前述した燃料ガス供給管11、燃料ガス放散管12および燃料ガス放散弁としてのボール弁13を備えていると共に、ダストキャッチャー14を備えている。
ダストキャッチャー14は燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダスト15を捕捉するものであって、ボール弁13の上部に設けられている。そして、このダストキャッチャー14はダスト受入箱16、ダスト捕捉板17、ガス流路18、取出口密閉板19、ダスト導入管21、上部フランジ22、燃料ガス導入管23及び下部フランジ24を有し、燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダスト15を受け入れるダスト受入箱16はダスト15を受け入れるダスト受入口161を上面部に有していると共に、ボール弁13からの燃料ガスを受け入れる燃料ガス受入口162を下面部に有している。
ダスト捕捉板17は燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダスト15をダスト受入箱16の内部で受け止めて捕捉するものであって、ダスト受入箱16のダスト受入口161と対向する上面部171を有している。そして、このダスト捕捉板17は上面部171でダスト15を滑落させる傾斜角度(例えば45°)でダスト受入箱16の内部に設けられている。
ガス流路18は燃料ガス受入口162からダスト受入箱16に流入した燃料ガスをダスト受入口161から燃料ガス放散管12に流通させるものであって、ダスト捕捉板17によってダスト受入箱16の内部に形成されている。
取出口密閉板19はダスト受入箱16に形成されたダスト取出口20を密閉するものであって、例えば複数のボルトとナットによってダスト受入箱16の側面部に取り外し可能に装着されている。
ダスト導入管21はダスト受入箱16の内部にダスト15を導入するものであって、ダスト受入箱16の上面部から鉛直に突出している。
上部フランジ22はダストキャッチャー14のダスト導入管21を燃料ガス放散管12にフランジ接続するためのものであって、ダスト導入管21の上端部に形成されている。
燃料ガス導入管23はボール弁13からの燃料ガス(副生ガス)をダスト受入箱16に導入するものであって、ダスト受入箱16の下面部から鉛直に突出している。
下部フランジ24はダストキャッチャー14の燃料ガス導入管23をボール弁13にフランジ接続するためのものであって、燃料ガス導入管23の下端部に形成されている。
ダストキャッチャー14は、また、燃料ガス導入管23からダスト受入箱16に流入した燃料ガスの流れを滑らかにするための傾斜板25,26を有し、これらの傾斜板25,26はダスト取出口20と対向するダスト受入箱16の側板部163と底板部164との隅部に設けられているとともに、ダスト受入箱16の上記側板部163と天板部165との隅部に設けられている。
このようなダストキャッチャー14をボール弁13の上部に設けると、燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダスト15はダストキャッチャー14によってボール弁13の弁体131上に落下する前に捕捉される。従って、燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダストが燃料ガス放散弁としてのボール弁13の弁体131上に落下することがなく、燃料ガス放散管12の直管部121から落下するダストによってボール弁13に作動不良が生じることを防止することができる。
また、上述した本発明の一実施形態では、ダスト受入箱16の内部に落下したダスト15をダスト捕捉板17の上面部171で滑落させる傾斜角度でダスト捕捉板17をダスト受入箱16の内部に設けたことで、ダスト捕捉板17の上に落下したダスト15がダスト捕捉板17の上面部171を滑落してダスト受入箱16の底面部に堆積するので、ダスト捕捉板17により捕捉されたダスト15をダスト受入箱16に形成されたダスト取出口20から容易に取り出すことができる。
さらに、燃料ガス受入口162からダスト受入箱16に流入した燃料ガスをダスト受入口161から燃料ガス放散管12に流通させるガス流路18をダスト捕捉板17によってダスト受入箱16の内部に形成したことで、ボール弁13からダスト受入箱16に流入した燃料ガスの流れを阻害することなく燃料ガス放散管12の直管部121から落下するスケール等のダスト15をボール弁13の弁体131上に落下する前に捕捉することができる。
また、ダスト受入箱16の上面部から鉛直に突出するダスト導入管21と、このダスト導入管21の上端部に形成された上部フランジ22と、ダスト受入箱16の下面部から鉛直に突出する燃料ガス導入管23と、この燃料ガス導入管23の下端部に形成された下部フランジ24とをダストキャッチャー14に設けたことで、燃料ガス放散弁としてのボール弁13の上部にダストキャッチャー14を容易に組み込むことができる。
上述した本発明の一実施形態では、燃料ガス放散管の直管部に設けられる燃料ガス放散弁としてボール弁を例示したが、これに限られるものではなく、例えばゲート弁やグローブ弁を燃料ガス放散弁として用いてもよい。
また、上述した本発明の一実施形態では、コークス炉ガス等の副生ガスをボイラのガスバーナにボイラ燃料として供給するボイラ燃料供給装置に適用した例を示したが、これに限られるものでなく、燃料ガスを放散するガス放散装置全般に本発明を適用することが可能である。
11…燃料ガス供給管
12…燃料ガス放散管
121…直管部
13…ボール弁(燃料ガス放散弁)
131…弁体
132…弁箱
14…ダストキャッチャー
15…ダスト
16…ダスト受入箱
161…ダスト受入口
162…燃料ガス受入口
163…ダスト受入箱の側板部
164…ダスト受入箱の底板部
165…ダスト受入箱の天板部
17…ダスト捕捉板
171…ダスト捕捉板の上面部
19…取出口密閉板
18…ガス流路
20…ダスト取出口
21…ダスト導入管
22…上部フランジ
23…燃料ガス導入管
24…下部フランジ
25,26…傾斜板

Claims (6)

  1. 燃料ガス供給管から立ち上がる直管部を有する燃料ガス放散管と、該燃料ガス放散管の前記直管部に設けられた燃料ガス放散弁とからなるガス放散装置に用いられるダストキャッチャーであって、
    前記燃料ガス放散弁の上部に設けられたダスト受入箱と、前記燃料ガス放散管の直管部から落下するダストを前記ダスト受入箱の内部で受け止めて捕捉するダスト捕捉板とを備えてなり、前記ダスト受入箱は、前記ダストを受け入れるダスト受入口を上面部に有すると共に、前記燃料ガス放散弁からの燃料ガスを受け入れる燃料ガス受入口を下面部に有することを特徴とするダストキャッチャー。
  2. 前記ダスト捕捉板は、前記ダスト受入口と対向する上面部を有し、該上面部で前記ダストを滑落させる傾斜角度で前記ダスト受入箱の内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダストキャッチャー。
  3. 前記燃料ガス受入口から前記ダスト受入箱に流入した燃料ガスを前記ダスト受入口から前記燃料ガス放散管に流通させるガス流路が、前記ダスト捕捉板によって前記ダスト受入箱の内部に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のダストキャッチャー。
  4. 前記ダスト受入箱は、前記ダストを取り出すためのダスト取出口を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のダストキャッチャー。
  5. 前記ダスト取出口を密閉する取出口密閉板を、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダストキャッチャー。
  6. 前記ダスト受入箱の上面部から鉛直に突出するダスト導入管と、該ダスト導入管の上端部に形成された上部フランジと、前記ダスト受入箱の下面部から鉛直に突出する燃料ガス導入管と、該燃料ガス導入管の下端部に形成された下部フランジとを、さらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のダストキャッチャー。
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