JP2016094647A - 高炉設備のガス置換装置 - Google Patents

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Tsuyoki Hayashi
毅起 林
中村 義久
Yoshihisa Nakamura
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Abstract

【課題】ガス置換作業をより短時間で行い得る高炉設備のガス置換装置の提供。【解決手段】高炉本体1と、高炉本体1と上昇管11及び下降管12を介して接続された乾式除塵器16と、乾式除塵器16の下流側に接続された湿式ガス清浄器17と、を有する高炉設備のガス置換装置100であって、上昇管11の上部に設けられた開口部を開閉する炉頂ブリーダー弁15と、その開口部から炉内ガスを放散させるエジェクター30と、を有する、という構成を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉設備のガス置換装置に関するものである。
高炉休風時には、高炉設備の補修工事が行われる。しかし、高炉設備の内部には、一酸化炭素等の人体に有害なガスが滞留しており、この炉内ガスを予め空気等の無害なガスで置換する必要がある。このため、従来では、高炉に接続された上昇管の上部の炉頂ブリーダー弁を全開することによって、高炉内で発生する炉内ガスを、大気との温度差による自然通風力(ドラフト力)により、大気に放散させている。
下記特許文献1には、可燃性ガスを発生する炉内原料の表面を着火バーナーで着火させ、その燃焼ガスにより炉内ガスにドラフト力を与えると共に、高炉本体における炉内ガスの圧力を測定し、炉内ガスを置換する置換用空気を押込む流量を調整することによって、高炉本体における炉内ガスの圧力を大気圧より低い所定の圧力とするガス置換装置が記載されている。この構成によれば、高炉本体が大気(空気)を吸い込み状態となり、有害な炉内ガスが高炉本体から吹き出さないようにすることができる。
実公平8−9149号公報
しかしながら、上記従来技術には、次のような問題がある。
高炉設備の炉内ガスの放散(排気)能力は、炉頂ブリーダー弁が開く排気口の大きさに依存する。このため、高炉休風時に、炉頂ブリーダー弁の放散能力以上の空気を押込むと、炉内圧力が大気圧より上昇し、高炉本体から有毒な炉内ガスが吹き出す恐れがある。したがって、従来では、炉頂ブリーダー弁のドラフト力による放散能力以上の空気を押込むことができず、高炉設備のガス置換作業の短縮化には限界があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ガス置換作業をより短時間で行い得る高炉設備のガス置換装置の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、高炉本体と、前記高炉本体と上昇管及び下降管を介して接続された除塵器と、前記除塵器の下流側に接続されたガス清浄設備と、を有する高炉設備のガス置換装置であって、前記上昇管の上部に設けられた開口部を開閉する炉頂ブリーダー弁と、前記開口部から炉内ガスを放散させるエジェクターと、を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、エジェクターを設け、炉頂ブリーダー弁が設けられた開口部から炉内ガスを積極的(強制的)に放散させる。これにより、炉頂ブリーダー弁の放散能力が設計能力以上になる。また、エジェクターは、機械的駆動源や複雑な付属装置を必要としないため、既存設備の導入が容易である。
また、本発明においては、前記高炉本体における炉内ガスの圧力を測定する圧力測定装置と、前記圧力測定装置の測定結果に基づいて、前記エジェクターの駆動流体の流量を制御する制御装置と、を有する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、高炉本体における炉内ガスの圧力の測定結果に基づいて、エジェクターの駆動流体の流量を制御できるため、高炉本体における炉内圧力が低くなり過ぎることを防止することができる。
また、本発明においては、前記ガス清浄設備より下流側を水封する水封弁と、前記ガス清浄設備と前記水封弁との間から置換用空気を押込む押込み装置と、を有し、前記制御装置は、前記圧力測定装置の測定結果に基づいて、前記エジェクターの駆動流体の流量と前記押込み装置の置換用空気の流量とを制御する、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、高炉本体における炉内ガスの圧力の測定結果に基づいて、エジェクターの駆動流体の流量と押込み装置の置換用空気の流量とを制御できるため、高炉本体における炉内圧力が大気圧よりも高くなることを防止することができる。
また、本発明においては、前記制御装置は、前記圧力測定装置の計測結果が負圧を維持するように、前記エジェクターと前記押込み装置の稼働率を交互に上昇させる、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、エジェクターと押込み装置の稼働率を交互に上昇させることで、高炉本体における炉内圧力が低くなり過ぎず且つ大気圧よりも高くなることを防止しながら、高炉本体における炉内圧力を負圧に維持し、ガス置換作業をより安全且つ短時間で行うことができる。
また、本発明においては、前記エジェクターは、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである、という構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、製鉄所内の動力用として一般的に使用しているスチームをスチームエジェクターの駆動流体とすることができ、消費物が最小で経済的である。また、スチームエジェクターは、構造が簡単で運動部分(可動部)が無く、潤滑油が不要であり機械的な振動も無い。また、設備費が低廉で、安定性のある高真空の発生が容易である。
本発明によれば、ガス置換作業をより短時間で行い得る高炉設備のガス置換装置が得られる。
本発明の実施形態における高炉設備の構成図である。 図1の領域Aの拡大図である。 本発明の実施形態におけるエジェクターと押込みファンの稼働率と炉内圧力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態における高炉設備の構成図である。
図1に示す高炉本体1は、鉄鉱石を溶融して銑鉄を生成するものである。高炉本体1の下部には、熱風を吹き込む羽口2が設けられている。また、高炉本体1の下部には、溶銑を取り出す出銑口3が設けられている。羽口2には、送風ノズル4が接続されている。
高炉本体1の炉内原料5には、鉄鉱石及びコークスが含まれており、送風ノズル4から導入された熱風との還元反応が連続的に行われることによって、高温液体状の溶銑が得られる。高炉本体1の上方には、高炉本体1に装入される原料(鉄鉱石、コークス)を搬送する装入コンベヤ6が設けられている。この装入コンベヤ6の下方には、原料を貯留する炉頂ホッパー7が設けられている。また、炉頂ホッパー7の下方には、原料を高炉本体1内に分配する分配シュート8が設けられている。
分配シュート8が設けられた高炉本体1の炉頂部の傍には、炉頂マンホール9が設けられている。この炉頂マンホール9には、高炉の休風時に炉内着火バーナー10が挿入される。炉内着火バーナー10は、炉内原料5から発生する炉内ガスの可燃性成分を燃焼させるものである。また、高炉本体1の炉頂部には、上昇管11が接続されている。高炉本体1から発生した炉内ガスは、上昇管11を上昇する。
上昇管11には、下降管12が接続されている。また、上昇管11の上部には、炉頂ブリーダー管14が接続されている。炉頂ブリーダー管14には、上昇管11と下降管12との接続部から上方に延びる荒ガスブリーダー管14aと、当該接続部に至る前に個々の上昇管11から上方に延びる荒ガスブリーダー管14bと、が含まれる。なお、炉頂ブリーダー管14は、後述する半清浄ガス管13の上部にも設けられている(半清浄ガスブリーダー管14c)。
炉頂ブリーダー管14には、炉頂ブリーダー弁15が設けられている。炉頂ブリーダー弁15は、高炉の休風時に炉内ガスを、炉頂ブリーダー管14を介して大気に放散させるものである。炉頂ブリーダー弁15には、荒ガスブリーダー管14aに設けられた荒ガスブリーダー弁15aと、荒ガスブリーダー管14bに設けられた荒ガスブリーダー弁15bと、が含まれる。なお、炉頂ブリーダー弁15は、半清浄ガスブリーダー管14cにも設けられている(半清浄ガスブリーダー弁15c)。
下降管12には、乾式除塵器16(除塵器)が接続されている。乾式除塵器16は、炉内ガスに含まれる粗粒ダストを除去するものである。乾式除塵器16の下流側には、ガス清浄設備として、湿式ガス清浄器17、ミストセパレーター18が設けられている。炉内ガスは、乾式除塵器16で1次除塵された後、湿式ガス清浄器17、ミストセパレーター18で2次除塵・除湿を経た後、炉頂圧回収タービン発電設備19に導かれる。
炉頂圧回収タービン発電設備19は、炉内ガスの圧力エネルギーをタービンの運動エネルギーに変換し、電力として回収するものである。炉頂圧回収タービン発電設備19の出口には、低圧側清浄ガス本管20が接続されている。低圧側清浄ガス本管20は、炉頂圧回収タービン発電設備19を通過した炉内ガスを燃焼ガスとして回収するものである。燃焼ガスとして回収された炉内ガスは、不図示のガスホルダーに導かれた後、高炉の熱風炉に導入されて燃焼し、高温の熱風が羽口2から高炉本体1に再び吹き込まれるようになっている。
上記構成の高炉設備には、休風時に炉内ガスを空気に置換するガス置換装置100が設けられている。ガス置換装置100は、低圧側清浄ガス本管20から窒素ガスを導入するガス清浄設備側置換ガス供給源101と、高炉本体1に窒素ガスまたは水蒸気を導入する高炉側置換ガス供給源102と、を有する。また、ガス置換装置100は、ガス清浄設備側置換ガス供給源101より下流側の低圧側清浄ガス本管20を水封する水封弁21を有する。水封弁21は、休風時に炉内ガスが不図示のガスホルダーに行かないようにするものである。
ガス置換装置100は、水封弁21よりも上流側から置換用空気を押込む押込みファン22(押込み装置)を有する。押込みファン22は、置換用空気供給管23を介して低圧側清浄ガス本管20に接続されている。置換用空気供給管23は、ミストセパレーター18と水封弁21との間で低圧側清浄ガス本管20に接続されている。この置換用空気供給管23には、風量調整ダンパー25が設けられている。また、風量調整ダンパー25の下流側の置換用空気供給管23には、遮蔽弁26が設けられている。
ガス置換装置100は、炉頂ブリーダー弁15の直下の炉頂ブリーダー管14の道中に設けられたエジェクター30を有する。エジェクター30は、荒ガスブリーダー弁15aの直下の荒ガスブリーダー管14aと、荒ガスブリーダー弁15bの直下の荒ガスブリーダー管14bとに設けられている。このエジェクター30は、休風時に炉内ガスを強制的に大気に放散させるものである。エジェクター30には、駆動流体供給管31が接続されている。
駆動流体供給管31は、エジェクター30に高圧の駆動流体を供給するものである。駆動流体としては、炉内ガスの可燃性成分と反応しない不活性ガスが用いられる。不活性ガスとしては、スチーム(蒸気)や窒素ガスを用いることができる。本実施形態のエジェクター30は、駆動流体を高圧のスチーム(蒸気)とする、所謂スチームエジェクターであり、高炉設備において入手が容易なスチームを駆動流体として用いるのが好適である。駆動流体供給管31は、スチームヘッダー32に接続され、スチームヘッダー32は、スチーム元管33に接続されている。また、駆動流体供給管31には、流量制御弁34が設けられている。
ところで、スチームを駆動流体として用いるエジェクター30は、通常、水蒸気を駆動流体として扱うが、一般的には吸入流体の分子量が大きくなればなる程、重量ベースでの吸入能力は大きくなるので、低分子量の流体には不利になる。
また、スチーム圧力(蒸気圧力)が高い程、駆動流体の消費量は少なくなるので、一般的には4.0〜15.0kg/cmG(0.4〜1.5MPaG)のスチームが最も多く使用される。本実施形態は、最も効率よく使用できる7.0〜10.0kg/cmG(0.7〜1.0MPaG)のスチーム圧力としている。
また、スチーム(蒸気)の質は、乾き飽和蒸気または若干の過熱蒸気(過熱度が30℃以内)が最も良く、製鉄所内の動力用として一般的に使用している過熱蒸気を使用する。過熱蒸気とは、大気圧下で100℃の蒸気(飽和蒸気)をさらに加熱した蒸気のことで、ある圧力において飽和温度以上の蒸気温度を持つ蒸気のことである。エジェクター30は、作動原理上、駆動流体(スチーム)は吸込ガス(炉内ガス)の数倍の圧力、数倍の重量が共に必要である。例えば、高炉ガスの密度(常温、常圧)=1.35kg/m、スチームの密度(at 15kg/cm、202℃)=8.29kg/mとすると、8.29/1.35=6.14倍が共に必要となる。
なお、エジェクター30の吸込容量は、大きい方はいくらでも可能であるが、本実施形態では1段で十分であり、エジェクター30の可能吸込圧力と大気圧とを比率で示すと、1/1〜1/7程度となる。
図2は、図1の領域Aの拡大図である。
図2に示すように、エジェクター30は、スチームを駆動流体として炉内ガスを炉頂ブリーダー管14の開口部14Aから放散させるものである。このエジェクター30は、ノズル30aと、入口吸入管30bと、ディフューザー30cと、ボディ30dと、を有する。ノズル30aは、駆動流体供給管31と接続されており、駆動流体を開口部14Aに向けて噴射するものである。ノズル30aは、導入口14Bから炉頂ブリーダー管14の内部に導入された駆動流体供給管31の先端部に設けられている。なお、駆動流体供給管31と導入口14Bとの隙間は、蓋部材14Cによって閉塞している。
入口吸入管30bは、流路面積が徐々に小さくなるものである。ディフューザー30cは、流路面積が徐々に大きくなるものである。ボディ30dは、入口吸入管30bとディフューザー30cとの間を接続するものである。ノズル30aとディフューザー30cは適当な距離をおいて向き合っており、ノズル30aから駆動流体を噴射すると、駆動流体の圧力エネルギーが運動エネルギーに変換され、高速流体となる(減圧・加速)。この高速流体は、入口吸入管30bにて低速流体である炉内ガスを吸引し(巻込み)、その低速流体をボディ30dにて同伴混合し、ディフューザー20cから混合流体(中速流体)となって吐出される(減速・昇圧)。これにより、ノズル30aの周りに負圧空間が形成され、炉内ガスを吸引することができる。
上記構成のエジェクター30は、取付フランジ30eを有している。取付フランジ30eは、不図示の締結ボルトを介して炉頂ブリーダー管14と接続されるものである。上記のようにエジェクター30は、機械的駆動源や複雑な付属装置を必要としないため、既存設備の炉頂ブリーダー管14の一部と簡単に挿げ替えることができる。すなわち、炉頂ブリーダー管14は、通常内部の耐火ライニングがされていないため、取付フランジ30eによる接合を容易に行うことができる。このようなエジェクター30は、あらゆる機械構造用材料から製作でき、通常は炭素鋼やステンレス鋼等を用いて製作することができる。
図1に戻り、ガス置換装置100は、高炉本体1における炉内ガスの圧力を測定する圧力測定装置40が設けられている。圧力測定装置40は、高炉本体1内に配置してもよいが、炉内着火バーナー10による燃焼を考慮して高炉本体1近傍の上昇管11に設けられている。圧力測定装置40の圧力測定信号は、制御装置42に入力される。制御装置42は、圧力測定装置40の計測結果に基づいて、風量調整ダンパー25及び流量制御弁34の開度を調整する構成となっている。
続いて、上記構成の高炉設備のガス置換作業について説明する。
高炉の休風手順としては、先ず、高圧操業を低圧操業に切り替え、高炉本体1の羽口2からの熱風の風量を徐々に減らしていき、ガス切りとして、半清浄ガスブリーダー弁15cを開いて、炉内ガスが不図示のガスホルダーに行かないように、低圧側清浄ガス本管20を水封弁21で水封する。水封確認後、送風を停止し半清浄ガスブリーダー弁15cを全閉としてから、次に、荒ガスブリーダー弁15a,15bを徐開から全開にして、炉内ガスを大気に放散させる。これにより、休風完了となる。
また、休風完了後、高炉本体1及びガス清浄設備等の補修工事を行うためには、炉内原料5のコークスより発生する可燃性の一酸化炭素を、上昇管11の上部に設けた荒ガスブリーダー弁15a,15bを全開後、高炉側置換ガス供給源102より、窒素ガスまたは蒸気を吹き込み、上昇管11内の炉内ガスをパージし、荒ガスブリーダー弁15a,15bより大気に放散する。また、ミストセパレーター18、湿式ガス清浄器17、乾式除塵器16及び下降管12等のガス清浄設備側の炉内ガスは、ガス清浄設備側置換ガス供給源101より、窒素ガスを吹き込み、下降管12を介して荒ガスブリーダー弁15a,15bより大気に放散する。
炉内ガスが大気に放散され、高炉本体1における圧力が−15〜−5mmHO程度の負圧になると、炉頂マンホール9から外気が吸引され、炉頂マンホール9から挿入した炉内着火バーナー10で炉内ガスを着火する。これにより、炉内原料5から発生するCOガスを含む可燃性成分を安定的に燃焼させることができ、一酸化炭素等を無害化することができる。これにより、高炉本体1の補修工事が着工可能となる。また、ガス清浄設備側では、炉内ガスを窒素ブローで置換後、次にガス置換装置100によって空気ブローして、ガス清浄設備側の内部を無害である空気に置換してやる必要がある。これにより、ガス清浄設備側の補修工事が着工可能となる。
ところで、炉内ガスのドラフト力は、炉内ガスと大気との温度差すなわちガス比重差による自然通風力に依存するが、休風後、時間の経過と共に両ガスの温度差が小さくなって、ドラフト効果が徐々に減少する。ドラフト効果が減少すると、炉内ガスが下降管12から降下してガス清浄設備側に流入し、補修工事が安全上難しい状態になったりする。また、羽口2周りの補修工事を行うために送風ノズル4を取り外した際に、高炉本体1の下部の羽口2から炉内ガスが吹き出す所謂吹き戻しが生じ、羽口2周りの作業が安全上難しい状態になることがある。このため、本実施形態では、高炉設備の炉内ガスの放散(排気)能力を高めるべく、不活性ガスを駆動流体として炉内ガスを炉頂ブリーダー管14の開口部14Aから放散させるエジェクター30を備える。
本実施形態では、図2に示すようにエジェクター30を設け、炉頂ブリーダー弁15が設けられた開口部14Aから炉内ガスを積極的(強制的)に放散させる。これにより、炉頂ブリーダー弁15の放散能力を上昇させることができ、高炉本体1の炉内圧力を負圧に維持することができる。また、炉頂ブリーダー弁15の放散能力を上昇させることができれば、高炉設備に炉頂ブリーダー弁15のドラフト力による放散能力以上の空気を押込むことができる。したがって、ガス置換作業をより短時間で行うことができる。また、エジェクター30の駆動流体は、不活性ガスであるため、可燃性の炉内ガスと反応することがなく、既存設備により安全に設置することができる。また、エジェクター30は、構造が簡単で運動部分(可動部)が無く、潤滑油が不要であり機械的な振動も無い。また、設備費が低廉で、安定性のある高真空の発生が容易である。さらに、据付けが簡単で、ほぼノーメンテナンスであり、また、消費されるのは製鉄所内の動力用として一般的に使用しているスチーム(過熱蒸気)だけであり消費物が最小で経済的である。
また、本実施形態においては、高炉本体1における炉内ガスの圧力を測定する圧力測定装置40と、圧力測定装置40の測定結果に基づいて、エジェクター30の駆動流体の流量を制御する制御装置42と、を有する。この構成によれば、高炉本体1における炉内ガスの圧力の測定結果に基づいて、エジェクター30の駆動流体の流量を制御できるため、高炉本体1における炉内圧力が低くなり過ぎることを防止することができる。さらに、制御装置42は、圧力測定装置40の測定結果に基づいて、押込みファン22の置換用空気の流量を制御できるため、高炉本体1における炉内圧力が大気圧よりも高くなることを防止することができる。
高炉本体1における炉内圧力の負圧は、高炉設備の規模や、圧力測定装置40の設置位置、炉頂マンホール9の開口面積等により異なるものの、通常その変動範囲は限定されるため、高炉操業経験上、−2〜−20mmHOの範囲、好ましくは−5〜−15mmHOの範囲とされる。高炉本体1における炉内圧力が−2mmHOより高くなると、例えば上述した吹き戻しが発生する恐れがあるためである。また、高炉本体1における炉内圧力が−20mmHOより低くなると、例えば炉頂マンホール9から吸引される外気の流量が増加し、炉内着火バーナー10における燃焼反応が激しくなる恐れがあるためである。また、燃焼反応が激しくなる恐れ以外に、炉内が冷えてしまう恐れもある。このため、制御装置42は、図3に示すように、エジェクター30の駆動流体の流量と押込みファン22の置換用空気の流量とを制御している。
図3は、本発明の実施形態におけるエジェクター30と押込みファン22の稼働率と炉内圧力との関係を示すグラフである。
図3に示すように、制御装置42は、先ず、流量制御弁34を徐々に開き、エジェクター30の稼働率を上昇させる。エジェクター30の稼働率が上昇すると、高炉本体1の炉内圧力が徐々に低下する。制御装置42は、圧力測定装置40の測定結果が−20mmHOになる前の−15mmHO近傍で流量制御弁34の開きを止める。制御装置42は、次に、風量調整ダンパー25を徐々に開き、押込みファン22の稼働率を上昇させる。押込みファン22の稼働率が上昇すると、高炉本体1の炉内圧力が徐々に上昇する。制御装置42は、圧力測定装置40の測定結果が−2mmHOになる前の−5mmHO近傍で流量制御弁34の開きを止める。
本実施形態では、このようにエジェクター30と押込みファン22の稼働率を交互に上昇させることで、高炉本体1における炉内圧力が低くなり過ぎず且つ大気圧よりも高くなることを防止しながら、高炉本体1における炉内圧力を負圧に維持し、ガス置換作業をより安全且つ短時間で行うことができる。
以上説明したように、上述の本実施形態によれば、高炉本体1と、高炉本体1と上昇管11及び下降管12を介して接続された乾式除塵器16と、乾式除塵器16の下流側に接続された湿式ガス清浄器17と、を有する高炉設備のガス置換装置100であって、上昇管11の上部に設けられた開口部14Aを開閉する炉頂ブリーダー弁15と、開口部14Aから炉内ガスを放散させるエジェクター30と、を有する、という構成を採用することによって、高炉休風時におけるガス清浄設備側の補修工事の安全がより確保できると共に、ガス置換作業をより短時間で行うことができる高炉設備のガス置換装置100が得られる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、荒ガスブリーダー弁15a,15bの3基全ての炉頂ブリーダー弁15の直下にエジェクター30を設置した構成を説明したが、エジェクター30の数量は、圧力測定装置40の測定結果が所定の負圧を確保できればよく、その数量は限定されない。
また、例えば、上記実施形態では、押込みファン22の置換用空気の流量の制御を風量調整ダンパー25により行ったが、例えば押込みファン22の電動モータの回転数を直接制御することでもよい。また、制御装置42によらず手動により風量調整ダンパー25の調整を行うことでも可能である。
1 高炉本体
11 上昇管
12 下降管
14A 開口部
15 炉頂ブリーダー弁
16 乾式除塵器(除塵器)
17 湿式ガス清浄器(ガス清浄設備)
18 ミストセパレーター(ガス清浄設備)
21 水封弁
22 押込みファン(押込み装置)
30 エジェクター
40 圧力測定装置
42 制御装置
100 ガス置換装置

Claims (5)

  1. 高炉本体と、前記高炉本体と上昇管及び下降管を介して接続された除塵器と、前記除塵器の下流側に接続されたガス清浄設備と、を有する高炉設備のガス置換装置であって、
    前記上昇管の上部に設けられた開口部を開閉する炉頂ブリーダー弁と、
    前記開口部から炉内ガスを放散させるエジェクターと、を有する、ことを特徴とする高炉設備のガス置換装置。
  2. 前記高炉本体における炉内ガスの圧力を測定する圧力測定装置と、
    前記圧力測定装置の測定結果に基づいて、前記エジェクターの駆動流体の流量を制御する制御装置と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の高炉設備のガス置換装置。
  3. 前記ガス清浄設備より下流側を水封する水封弁と、
    前記ガス清浄設備と前記水封弁との間から置換用空気を押込む押込み装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記圧力測定装置の測定結果に基づいて、前記エジェクターの駆動流体の流量と前記押込み装置の置換用空気の流量とを制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の高炉設備のガス置換装置。
  4. 前記制御装置は、前記圧力測定装置の計測結果が負圧を維持するように、前記エジェクターと前記押込み装置の稼働率を交互に上昇させる、ことを特徴とする請求項3に記載の高炉設備のガス置換装置。
  5. 前記エジェクターは、スチームを駆動流体とするスチームエジェクターである、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高炉設備のガス置換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102037032B1 (ko) * 2019-06-27 2019-10-25 용운중공업 주식회사 고로공장의 탑블리더밸브 공해방지 및 저감을 위한 가스 처리장치 및 방법
CN111621608A (zh) * 2020-06-17 2020-09-04 中国二十二冶集团有限公司 高炉下降管喷涂施工装置及施工方法

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