JP3740200B2 - 高炉のブリーダ弁およびその作動制御方法 - Google Patents

高炉のブリーダ弁およびその作動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉頂に複数個設けられ、高炉の保護を行う高炉のブリーダ弁およびその作動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高炉には保護のためにブリーダ弁が設けられている。高炉は常時250kPa以上の高い圧力を維持しながら、高い操業率の維持を図っている。このような高圧操業で急激な圧力上昇が生じると、高炉設備の保護のためにブリーダ弁を開き、高炉内の圧力を大気中に放散させている。
【0003】
従来は、高炉の炉頂に複数、たとえば4つのブリーダ弁A〜D弁を設けておき、炉頂圧力の異常上昇時に、複数段階でブリーダ弁を作動させる。まず第1段階として、設定した炉頂圧力よりもα1だけ高くなると、複数個設けられているブリーダ弁のうちのA弁を開き、炉内の圧力を下げる操作を行う。第2段階としては、設定圧力との差がα1よりも高いα2以上になると、A弁とは別なB弁を開いて炉内の圧力を下げる操作を行う。第3段階では、第2段階よりもさらに高い圧力α3以上となるときに、さらに別のブリーダ弁Cを作動させる。第4段階では、圧力α3よりも高い圧力α4を検出すると、ブリーダ弁Dを作動させる。最終段階で、α4以上の圧力よりも高い圧力α5になると、ブリーダ弁全体を同時に作動させて一気に炉内の圧力を下げる操作を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来からの高炉設備では、高炉操業中に炉内に急激な圧力上昇が生じるときの保護のためにブリーダ弁を設けているけれども、実際にブリーダ弁が作動した状況を解析してみると、炉内の異常反応から生じる急激な圧力上昇によって作動することは極くまれであることが判明している。実際には、ブリーダ弁を構成したり、ブリーダ弁に関連したりしている設備の異常から作動したり、高炉操業のオペレータの判断ミスから作動させることが多く発生している。ブリーダ弁を作動させてしまうと次のような支障が生じる。まず第1に、高炉に装入している原料の炉内半径方向の装入物分布が変化し、炉況を悪化させる要因となってしまう。さらに、炉内のダストや還元ガス一酸化炭素(CO)などの還元ガスを多量に大気へ放散させてしまう。さらに、ブリーダ弁が作動すると、多量のガスが瞬間的に大気中に放出されるので、非常に大きな音が発生し、周囲の環境に対する騒音となってしまう。
【0005】
さらにブリーダ弁の作動原因を把握するためには非常に長時間を要するので、原因の把握およびその対策を施す前に再びブリーダ弁を作動させてしまうこともあり得る。このように何度もブリーダ弁を作動させることは、操業の信頼性を悪化させ、炉内の圧力を異常に低下させ、吹抜け、スリップ、棚吊り等を誘発し、高炉の操業率を低下させ、減産を強いられる。
【0006】
本発明の目的は、作動時に周囲の環境に与える影響を極力低減することができる高炉のブリーダ弁およびその作動方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高炉の炉頂付近に複数個設置され、炉頂圧が設定圧力以上に上昇したときに開弁し、高炉の炉頂ガスを大気中に放出するための高炉のブリーダ弁において、
該複数個のうちの一部のブリーダ弁による放出経路に設置される消音手段を含み、
放出経路に消音手段が設置されるブリーダ弁を開弁させる設定圧力は、他のブリーダ弁より低いことを特徴とする高炉のブリーダ弁である。
本発明に従えば、高炉の炉頂付近に複数個設置されるブリーダ弁のうちの一部のブリーダ弁による放出経路に消音手段を設置し、そのブリーダ弁を開弁させる設定圧力を他のブリーダ弁よりも低くしておくので、炉頂圧力の上昇時には消音手段を放出経路に含むブリーダ弁がまず作動する。そのブリーダ弁の開弁によって高炉の炉頂圧が低下すれば他のブリーダ弁の作動は生じないので、ブリーダ弁の開弁による周囲の環境に与える騒音を低減することができる。
【0008】
また本発明の前記消音手段は、高炉炉頂ホッパからの排圧経路用と共用であることを特徴とする。
本発明に従えば、ブリーダ弁の放出経路に設けられる消音手段は、高炉炉頂ホッパからの排圧経路と共用である。高炉の炉頂ホッパは、高炉内で高圧操業を継続しながら逐次原料を装入するために、高炉内の圧力と同じ圧力の状態と大気圧の状態とを交互に繰返すため、排圧経路が設けられている。急激に排圧を行う際の騒音防止用に消音手段を設け、ブリーダ弁の消音手段と兼用すれば設備を有効に利用することができる。
【0009】
さらに本発明は、高炉の炉頂付近に複数個設置され、炉頂圧が設定圧力以上に上昇したときに開弁し、高炉の炉頂ガスを大気中に放出するための高炉のブリーダ弁の作動制御方法において、
予め複数の設定圧力および設定間の組合わせとして炉頂圧上昇時に開弁する作動順位を設定し各組合わせに対応するブリーダ弁を設定しておき、
炉頂圧力が組合わせの設定圧力を越えて設定間以上継続するとき、組合わせに対応するブリーダ弁作動させて開弁するように制御することを特徴とする高炉のブリーダ弁の作動制御方法である。
本発明に従えば、複数のブリーダ弁は、炉頂圧上昇時に開弁する作動順位が設定圧力および設定間の組合わせに対応して予め設定され、炉頂圧力が各組合わせの設定圧力を越えて設定間以上継続するときに作動して開弁するように制御される。1つの組合わせに対応するブリーダ弁が開弁してから次の組合わせに対応するブリーダ弁が開弁するまでに時間間隔が設けられるので、多くのブリーダ弁が同時に開弁することなく、周囲の環境に対する騒音の影響を低減することができる。
【0010】
さらにまた本発明の前記組合わせの設定圧力は、前記作動順位が下位になるに従って増加するように設定されることを特徴とする。
本発明に従えば、ブリーダ弁を開弁させる条件の組合わせは、設定圧力が作動順位が下位になるに従って増加するので、先に開弁したブリーダ弁によって圧力上昇が抑制されれば、次のブリーダ弁の開弁には至らず、ブリーダ弁開弁に伴う騒音発生を抑制することができる。
【0011】
さらにまた本発明で前記作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁は、炉頂ガスの放出経路に消音手段を介在させることを特徴とする。
本発明に従えば、作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁の放出経路に消音手段を介在させるので、初期に開弁するブリーダ弁による騒音発生を低減することができる。
【0012】
さらにまた本発明の前記作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁は、炉頂ガスの放出経路にガス清浄化手段を介在させることを特徴とする。
本発明に従えば、ガス清浄化手段が放出経路に設けられる介在されるブリーダは作動順位が上位の組合わせに対応しているので、先に開弁するブリーダ弁から放出されるガスは清浄化手段による清浄化を受けてから周囲の大気中に放散される。ガス清浄化手段によって清浄化されたガスを放散するので、周囲の大気に対する汚染の程度を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の概略的な構成を示す。高炉1の炉頂圧力が異常に上昇すると、設備を保護するために高炉1の炉頂部に複数個設けられている炉頂ブリーダ弁が開弁する。ブリーダ弁は、炉頂ブリーダA弁2A、炉頂ブリーダB弁2B、炉頂ブリーダC弁2C、炉頂ブリーダD弁2Dおよび炉頂ブリーダE弁2Eから成る。炉頂ブリーダA弁2Aおよび炉頂ブリーダE弁2Eは、高炉1の炉頂圧調整用のビショッフスクラバー3の予備洗浄室に設けられる。ビショッフスクラバー3の下流側には、炉頂圧力を回収するための炉頂圧回収タービン(以下「TRT」と略称する)4およびそのバイパス弁5が設けられている。高炉1の炉頂からのガスは、ダストキャッチャ6で塵埃成分をある程度除去され、さらにビショッフスクラバー3内で洗浄水を噴霧することによって清浄化される。ビショッフスクラバー3内には、洗浄水を貯留し、入側と出側とを圧力差を保持して封止するための上部水封槽7および下部水封槽8が設けられている。ビショッフスクラバー3の出側に設けられるブリーダ弁のうち、炉頂ブリーダE弁2Eは、そのガス放出経路に消音手段であるサイレンサ9を設けている。
【0014】
高炉1の炉頂圧は、制御装置10によって制御される。制御装置10は、設定圧力SVに炉頂圧力計11,12,13からの炉頂圧力検出値PVが一致するように、制御値MVを算出し、油圧装置14に与える。なお炉頂圧力計11および炉頂圧力計12は高炉1の炉頂に直接設けられる炉頂ブリーダB弁2Bおよび炉頂ブリーダC弁2Cの近傍にそれぞれ設けられ、炉頂圧力計13はビショッフスクラバー3の入側に設けられる。油圧装置14は、油圧管路15を介して油圧シリンダ16を駆動し、リングスリットエレメント(以下「RSE」と略称する)17を昇降変位させる。RSE17が昇降変位すると、炉頂からのガスの流路の断面積が変化し、炉頂圧力を調整することができる。RSE17の開度は、開度検出器18によって検出され、そのフィードバック(以下「F・B」と略称する)を行うRSE開度F・Bライン19を介して油圧装置14に帰還される。
【0015】
ビショッフスクラバー3の下流側に配置されるTRT4に関連して、制御装置20が設けられる。制御装置20は、タービン前圧力を検出するタービン前圧力計21,22からの検出値PVを、設定圧力SVと比較し、制御信号MVを算出して油圧装置23に与える。油圧装置23は、油圧管路24,25を介して油圧シリンダ26を駆動し、TRT4の静翼27の角度を調整する。静翼27の角度は、角度検出器28によって検出され、静翼角度F・Bライン29を介して油圧装置23に帰還する。
【0016】
ビショッフスクラバー3内の上部水封槽7および下部水封槽8の水位は、上部水位計30および下部水位計31によってそれぞれ検出される。ブリーダ弁は、炉頂圧力が設定圧力より高くなったときと、ビショッフスクラバー3内の水封槽の液面が予め設定される下限よりも下がった時点で開弁するように制御される。
【0017】
図2は、図1の炉頂ブリーダA弁2A〜炉頂ブリーダE弁2Eの作動制御状態を示す。炉頂圧力の設定圧力SVに対して、α1だけ高い圧力になると炉頂ブリーダE弁2Eが▲1▼に示すように開く。次に炉頂圧力が上昇し、設定圧力SVよりもα2だけ高い圧力になると炉頂ブリーダA弁2Aが▲2▼に示すように開く。さらに設定圧力+α3になると、炉頂ブリーダB弁2Bが▲3▼に示すように開く。次に圧力上昇によって設定圧力SV+α4になると、炉頂ブリーダC弁2Cが▲4▼に示すように開く。最後に炉頂圧力が設定圧力SV+α5を越えると、炉頂ブリーダD弁2Dが▲5▼に示すように開く。次に炉頂圧力が低下し、設定圧力SV+β5以下になると、炉頂ブリーダD弁2Dが▲6▼に示すように閉じる。さらに炉頂圧力が低下し設定圧力SV+β4以下になると、▲7▼に示すように炉頂ブリーダC弁2Cが閉じる。さらに炉頂圧力が低下して設定圧力SV+β3以下になると、▲8▼に示すように炉頂ブリーダB弁2Bが閉じる。さらに炉頂圧力が低下して設定圧力SV+β2以下になると、▲9▼に示すように炉頂ブリーダA弁2Aが閉じる。さらに炉頂圧力が低下して設定圧力SV+β1以下になると、炉頂ブリーダE弁2Eが(10)に示すように閉じる。各ブリーダ弁が開く期間は、斜線を施して示すように、設定圧力の最も低い炉頂ブリーダE弁2Eが最も長い。また各ブリーダ弁の開くときの圧力と閉じるときの圧力とは異なり、ブリーダ弁が開くことによって圧力上昇が緩和され、ブリーダ弁を開く圧力付近に留まるようなことになっても、ただちにブリーダ弁が閉じて、また再び開いたり閉じたりを繰返すことを防止している。以上説明したような制御を行うためには、次の第1式および第2式のような関係が必要である。
【0018】
Figure 0003740200
ブリーダ弁が作動すると、高炉1内に浮遊するダストが大気中に放散されるので、図2の作動制御方法では、最初に開弁される炉頂ブリーダE弁2Eと、次に開弁される炉頂ブリーダA弁2Aは、ダストを除去するダストキャッチャ6およびビショッフスクラバー3を経由して、ダストが除去された清浄な状態の炉内ガスを放散するようにしている。最初に開弁される炉頂ブリーダ弁E弁2Eに関しては、炉内ガスの放出経由にサイレンサ9を設け、騒音の低減も図っている。したがって、最初に開弁される炉頂ブリーダE弁2Eのみの開弁で炉頂圧力急上昇に対応することが可能な場合は、周囲の環境に与えるダストおよび騒音の影響を抑制することができる。
【0019】
図3は、図1に示すサイレンサ9の概略的な構成を示す。サイレンサ9は、鉛直な軸線9cを有するほぼ円筒状の胴体32内に、入口チューブ33および出口チューブ34が下部および上部にそれぞれ内蔵され、さらに内部に複数のバッフルチューブ35が収納されている。図9(a)は縦断面図、図9(b)、図9(c)および図9(d)は図9(a)の切断面線B−B、C−CおよびD−Dから見た断面図をそれぞれ示す。入口チューブ33、出口チューブ34およびバッフルチューブ35には、多数の小孔36が形成されている。胴体32内には、複数のバッフルプレート37によって仕切られ、上部の内壁にはグラスウール38が貼付けてある。入口チューブ33から導入された炉内ガスが出口チューブ34から排出されるまでの間に、多数の小孔36やバッフルチューブ35を通り、騒音発生のエネルギを吸収する。炉内ガスが保持するダストは、ダスト受39によって捕集される。
【0020】
図4は、高炉1の炉頂に設ける複数のブリーダ弁の作動の条件を示す。ブリーダ弁の作動は、制御装置40によって制御される。制御装置40内には、論理演算手段41、OR演算手段42およびタイマ43Eが炉頂ブリーダE弁2Eの自動開指令に関連して設けられている。炉頂ブリーダA弁2A〜炉頂ブリーダD弁2Dに関しては、タイマ43A〜43CおよびAタイマ44A、Bタイマ44B、Cタイマ44C、Dタイマ44DおよびAND演算手段45A〜45Dがそれぞれ設けられている。
【0021】
論理演算手段41によって、高炉の排ガスを湿式洗浄するビショッフスクラバー3の上部水封槽7の液面が下がった場合に、高炉ガスが外部に噴出する恐れが生じるため、上部水位計30の検出値が中下限および最下限を示すときに炉頂ブリーダE弁2Eを開くように制御される。
【0022】
高炉1の炉内圧力の変動は、炉頂に設けられる炉頂圧力計11,12によって検出され、制御装置10に検出値PVが入力される。制御装置10は、通常の操業圧力の設定値SVよりも検出圧力PVが上昇し、予め定める基準値α1だけ高い圧力HHEまで上昇すると、タイマ43Eによって予め設定されている時間以上継続するときには、炉頂ブリーダE弁2Eを開いてガスを大気中に放散させ圧力を下げる。2番目に作動する炉頂ブリーダA弁2Aは、炉頂圧力が設定値SVよりもα2高い炉頂圧力HHAになった後、タイマ43Aに設定される時間継続したときに開弁される。なお、AND演算手段45Aによって、炉頂ブリーダE弁2Eに対するタイマ43Eからの作動条件成立後、さらにタイマ44Aによって所定時間経過させた条件が成立して初めて自動開指令が発生される。したがって炉頂圧力HHAとなったときには、まず炉頂ブリーダE弁2Eが開き、所定時間経過した後で炉頂ブリーダA弁2Aが作動する。
【0023】
炉頂ブリーダB弁2B、炉頂ブリーダC弁2Cおよび炉頂ブリーダD弁2Dに関しても、設定圧力SVよりもα3、α4およびα5だけ高い炉頂圧力HHB、HHCおよびHHDを所定時間以上超え、さらに前段階のブリーダ弁が作動して所定時間経過した後で作動するように制御される。
【0024】
図5は、本発明の実施の他の形態の概略的な構成を示す。本実施の形態は図1の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付して説明を省略する。高炉1の炉頂には炉頂設備50が設けられ、原料投入のための上部ホッパ51および下部ホッパ52などが含まれる。下部ホッパ52は、高炉1内の高い炉内圧と大気圧とを調整するために、均排圧管53を介して内部の圧力の調整を行う。排圧時にダストを除去するため、サイクロン54が設けられている。通常の排圧経路は、回収管55から回収ファン56を介し、ガスホルダなどに回収される。サイクロン54の下部にはダスト排出バルブ57が設けられ、サイクロン54内に貯留されるダストを、均圧時下部ホッパに排出する。均排圧管53と下部ホッパ52の接続部付近には、均排圧元弁58が設けられ、均排圧管53を下部ホッパ52から遮断することが可能である。均排圧管53と回収管55との間には、回収弁59が設けられ、炉内ガスの回収を行う場合に開かれ、他の場合には閉じられる。均排圧管53には均圧弁60も接続され、下部ホッパ52内を高炉1内の炉頂圧と均圧状態にする場合に開かれる。均圧弁60から下部ホッパ52内に導入される炉内ガスは、高炉1の上部に設けられる上昇管61,62から取出され、下降管63からダストキャッチャ6およびビショッフスクラバー3を経て、均圧管64に流入する。炉頂ブリーダA弁2Aおよび炉頂ブリーダE弁2Eは、均圧管64に設けられている。炉頂ブリーダB弁2Bおよび炉頂ブリーダC弁2Cは上昇管61,62の上部にそれぞれ設けられている。炉頂ブリーダD弁2Dは、下降管63の上部に設けられている。
【0025】
サイレンサ9は、サイクロン54の下流側で均排圧管53から排圧弁65を介して分岐する排圧管66にも接続される。下部ホッパ52内のガスを急に大気中に排出する場合には、排圧弁65が開き、サイレンサ9を介して大気中に放散される。
【0026】
炉頂ブリーダB弁2Bおよび炉頂ブリーダC弁2Cと炉頂ブリーダD弁2Dとは構造が異なり、最後に開くように制御される炉頂ブリーダD弁2Dは、レバー67にワイヤ68を介しておもり69による荷重を加えておき、この荷重よりも炉内圧力が高くなると機械的に開くような構造を有し、炉内圧力が急上昇したときに確実に開くことが可能となっている。
【0027】
【実施例】
図6は、図4に示す制御装置40の動作を示す。図1および図5の実施形態で、制御装置10に対する設定圧力SVは250kpaに設定される。図6のステップs1に示すブリーダ弁自動モードでは、ステップs10でビショッフスクラバーの上部水封槽液面中下限および上部水封槽液面最下限の条件が成立すると、ステップs20Eで炉頂ブリーダE弁2Eが開く。ステップs11の炉頂圧力高1段階作動では、設定圧力よりも19.6kPaすなわち0.20kg/cm2だけ高い炉頂圧力が、タイマ43Eの設定時間である600m秒継続すると、ステップs21Eで炉頂ブリーダE弁2Eが開く。ステップs12の炉頂圧力高1.2段階同時作動では、設定圧力SVよりも24.5kPaすなわち0.25kg/cm2 だけ高い炉頂圧力がタイマ43Eの設定時間である600m秒継続すると、炉頂ブリーダE弁2Eが作動され、さらにAタイマ44Aの設定時間である1秒経過しても、まだ設定圧力+0.25kg/cm2以上ならば、ステップs22Aで炉頂ブリーダA弁2Aを作動させる。
【0028】
ステップs13では、炉頂圧力高1〜3段階同時作動として、設定圧力SVよりも29.4kPaすなわち0.3kg/cm2 だけ高い炉頂圧力が600m秒継続すると、ステップs23Eで炉頂ブリーダE弁2Eを開き、Aタイマ44Aによる1秒程後になっても設定圧力+0.25kg/cm2以上ならばステップs23Aで炉頂ブリーダA弁2Aを作動させる。さらにBタイマ44Bに設定される時間2秒が経過しても、炉頂圧力が設定圧力+0.30kg/cm2以上ならば、ステップs23Bで炉頂ブリーダB弁2Bを作動させる。
【0029】
ステップs14では、炉頂圧力高1〜4段階同時作動として、設定圧力よりも34.3kPaすなわち0.35kg/cm2 だけ高い炉頂圧力がタイマ43Eに設定されている600m秒継続すると、ステップs24Eで炉頂ブリーダE弁2Eが開き、1秒経過してもまだ設定圧力+0.25kg/cm2以上ならば、ステップs24Aで炉頂ブリーダA弁2Aを作動させる。さらに2秒経過してもまだ設定値+0.30kg/cm2以上ならば、ステップs24Bで炉頂ブリーダB弁2Bを作動させる。さらにCタイマ44Cに設定されている3秒が経過してもまだ設定値+0.35kg/cm2以上ならば、ステップs24Cで炉頂ブリーダC弁2Cを作動させる。
【0030】
ステップs15では、炉頂圧力高1〜5段階同時作動として、設定圧力よりも39.2kPa、すなわち0.40kg/cm2 だけ高い炉頂圧力が600m秒継続すると、ステップs25Eで炉頂ブリーダE弁2Eを開く。さらに設定圧力+0.25kg/cm2未満まで1秒で戻らないときには、ステップs25Aで炉頂ブリーダA弁2Aを開き、さらに設定圧力+0.30kg/cm2未満まで2秒で戻らないときには、ステップs25Bで炉頂ブリーダB弁2Bを開き、設定圧力+0.35kg/cm2未満まで3秒で戻らないときにはステップs25Cで炉頂ブリーダC弁2Cを開く。さらにDタイマ44Dに設定される4秒が経過しても炉頂圧力が設定圧力+0.40kg/cm2未満まで戻らないときには、ステップs25Dで炉頂ブリーダD弁2Dを作動させる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、設定圧力が他のブリーダ弁よりも低い一部のブリーダ弁の放出経路に消音手段を設置するので、高炉の炉内圧力上昇時に先に開弁するブリーダ弁から発生する騒音を抑制することができる。炉内圧力の上昇原因が、高炉内の異常反応ではなく、炉内ガス処理設備の動作異常やオペレータの操作ミスであるときには、一部のブリーダ弁の開弁のみでも異常圧力上昇から高炉を保護することができるので、周囲の環境に対する影響を低減しながら有効に高炉の保護を行うことができる。
【0032】
また本発明によれば、消音手段が高炉炉頂ホッパからの排圧経路用と共用であるので、兼用して効率的に設備を稼働させることができる。
【0033】
さらに本発明によれば、複数のブリーダ弁に対応する組合わせの設定時間が異なるようにしておけば、ブリーダ弁は時間的にずれながら開弁するので、全部のブリーダ弁を同時に開弁させて高炉内の圧力を急激に低下させ、炉内の高炉に装入する原料の分布を悪化させて乱して炉況を悪化させたり、周囲の環境に対して大きな騒音を発生したりするおそれを抑制することができる。
【0034】
さらにまた本発明によれば、高炉の炉内圧力の上昇に従って、開弁するブリーダ弁の数が増加する。炉内圧力の上昇が小さいうちには少ないブリーダ弁しか開弁しないので、そのブリーダ弁の開弁によって炉内圧力の上昇が緩和され、高炉の炉内に異常反応が生じているときなどを除いて、一般的には少数のブリーダ弁の開弁で圧力上昇を停止させることができる。
【0035】
さらにまた本発明によれば、作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁は、炉頂ガスの放出経路に消音手段を介在させるので、炉頂ガスの放出の際に発生する騒音を低減し、周囲の環境に与える影響を軽減することができる。
【0036】
さらにまた本発明によれば、作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁の放出経路には、ガス清浄化手段が介在されるので、ブリーダ弁が初期に開弁するときに放出される炉内ガスからは塵埃などが取除かれて清浄化され、周囲の環境に与える悪影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態のブリーダ弁の作動制御方法を示すタイムチャートである。
【図3】図1の実施形態に用いるサイレンサ9の構成を示す断面図である。
【図4】図2に示す作動制御を行うための制御装置の論理的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の構成を示す炉頂ガス配管系統図である。
【図6】図4の制御装置40の具体的動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 高炉
2A 炉頂ブリーダA弁
2B 炉頂ブリーダB弁
2C 炉頂ブリーダC弁
2D 炉頂ブリーダD弁
2E 炉頂ブリーダE弁
3 ビショッフスクラバー
4 TRT
6 ダストキャッチャ
7 上部水封槽
8 下部水封槽
9 サイレンサ
10,20,40 制御装置
11,12,13 炉頂圧力計
14,23 油圧装置
50 炉頂設備
52 下部ホッパ
53 均排圧管
60 均圧弁
61,62 上昇管
63 下降管
64 均圧管
65 排圧弁
66 排圧管

Claims (6)

  1. 高炉の炉頂付近に複数個設置され、炉頂圧が設定圧力以上に上昇したときに開弁し、高炉の炉頂ガスを大気中に放出するための高炉のブリーダ弁において、
    該複数個のうちの一部のブリーダ弁による放出経路に設置される消音手段を含み、
    放出経路に消音手段が設置されるブリーダ弁を開弁させる設定圧力は、他のブリーダ弁より低いことを特徴とする高炉のブリーダ弁。
  2. 前記消音手段は、高炉炉頂ホッパからの排圧経路用と共用であることを特徴とする請求項1記載の高炉のブリーダ弁。
  3. 高炉の炉頂付近に複数個設置され、炉頂圧が設定圧力以上に上昇したときに開弁し、高炉の炉頂ガスを大気中に放出するための高炉のブリーダ弁の作動制御方法において、
    予め複数の設定圧力および設定間の組合わせとして炉頂圧上昇時に開弁する作動順位を設定し各組合わせに対応するブリーダ弁を設定しておき、
    炉頂圧力が組合わせの設定圧力を越えて設定間以上継続するとき、組合わせに対応するブリーダ弁作動させて開弁するように制御することを特徴とする高炉のブリーダ弁の作動制御方法。
  4. 前記組合わせの設定圧力は、前記作動順位が下位になるに従って増加するように設定されることを特徴とする請求項3記載の高炉のブリーダ弁の作動制御方法。
  5. 前記作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁は、炉頂ガスの放出経路に消音手段を介在させることを特徴とする請求項3または4記載の高炉のブリーダ弁の作動制御方法。
  6. 前記作動順位が上位の組合わせに対応するブリーダ弁は、炉頂ガスの放出経路にガス清浄化手段を介在させることを特徴とする請求項3または4記載の高炉のブリーダ弁の作動制御方法。
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