JP4112991B2 - 真空排気設備の診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、RH脱ガス設備、あるいはDH脱ガス設備など真空処理に供する真空排気設備の設備診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、RH脱ガス設備などに用いる真空排気設備としては、排気用のスチームエジェクターを複数個直列に接続したものが一般的である。エジェクターを作動することにより最も上流側の真空槽内を真空にし、それによって取鍋内溶鋼を真空槽内に吸い上げ真空に晒し、脱水素、脱炭などの脱ガス処理を行なう。
【0003】
しかし、排気設備も経年劣化などでフランジ部の歪みあるいは、腐食による破孔などにより排気系にリークが生じる。排気系にリークが生じると系内にガスが導入され真空排気速度が落ちたり、真空槽内が所定の真空度まで到達しなかったりし、脱ガス効率が低下し、あるいは攪拌不足を招き、品質トラブルなどの原因となる。従って、この排気系のリークについては、迅速な発見と対応処置が重要である。
従来、このリーク発生の検知方法として特許文献1に開示されているように、排気系の振動を検出する振動センサを設け、振動の変化によりリーク箇所を検知する方法があった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−98537号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の方法では、新たに振動を検知する装置の設置が必要であり、また振動だけでは、リークの規模を検知することはできない。
本発明は、特に新たな装置の設置を必要とせず、また、リークの箇所ばかりでなく、その規模をも検知し得る真空排気設備の診断方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するため手段】
本発明は前記課題を有利に解決しようとするもので、その主旨は特許請求の範囲に記載の通り、
(1)複数のエジェクターを直列に接続した真空排気設備におけるリーク箇所及びリーク規模を特定する真空排気設備の診断方法であって、前記複数のエジェクターを下流側(但し、真空槽側を上流とする)から順次作動し、順次作動した各作動ステップ毎に真空排気系におけるリーク量を求め、当該作動ステップのリーク量と当該ステップ前の作動ステップのリーク量との差を当該ステップで新たに作動したエジェクターにおけるリーク量とすることを特徴とする真空排気設備の診断方法。
(2)前記各作動ステップのリーク量を、当該ステップの理論上の真空排気速度と実績真空排気速度との偏差の積分値から求めることを特徴とする前記(1)記載の真空排気設備の診断方法。
(3)求められた前記リーク量から、リーク孔を真円と仮定した場合のリーク孔径を求めることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の真空排気設備の診断方法。
(4)各ステップのリーク量、あるいはリーク孔径について、複数回分の診断データを蓄積し、リーク箇所あるいはリーク規模の傾向管理をすることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の真空排気設備の診断方法。
である。
その特徴は、既存の真空排気設備のみを利用し、複数のエジェクターを下流側から順次作動していき、その時々の真空排気速度の状態によりリークの発生している箇所及びリーク量の規模を推定するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、真空排気系全体の一例を示す図である。取鍋に入った溶鋼を処理する真空槽が最も上流側にあり、その下流側に1B、2B、3Bのスチームエジェクターが直列に接続され、その吐出されたスチームを冷却し、系外に排出する第1のコンデンサー(1C)があり、次いで比較的小さなエジェクター4Eが接続され、第2のコンデンサー(2C)が配置され、その下流にエジェクター5EA、5EBが並列に接続され、第3のコンデンサー(3C)があり、更にエジェクター6EA,6EBが配置され、アフターコンデンサー(AC)があり放散塔へとつながっている。
【0008】
通常、真空排気を開始する場合は、真空槽の下部開口部を溶鋼に浸漬し、次に下流側(真空槽側を上流側、放散塔側を下流側とする)のスチームエジェクターから作動し、順次上流側のエジェクターへと作動していく。即ち、放散塔に近い側から系内に存在するエアーを排出していき、最後に真空槽内のエアーを排気し、真空槽内を真空とし、溶鋼を槽内に吸い上げ、真空下に晒し脱ガス処理を行なう。図2は具体的なエジェクターの作動順を示している。まず最下流側の6EA,6EBを作動し、真空槽内あるいは1B前で測定している真空度計にて所定の真空度(ここでは180Torr)に到達したら次の上流側エジェクターを作動する。真空度の検知器は、通常1Bと真空槽との間、あるいは、真空槽内、あるいは、それら両方を備えたものもある。いずれでも本発明には適用可能である。
【0009】
5E,6Eは、2基のエジェクターを並列に接続している。これらは始動時の排気量が大きく負荷が大きな時は2基のエジェクターで作動し、ある程度真空度が高く(絶対真空側)なり抽気量が少なくなった時点で1基のエジェクターで運転し、使用スチームの削減を図るものである。
【0010】
図3は、順次エジェクターを作動していった場合の真空排気曲線の概念図を示す図である。「基準」と記載してあるのは、理論上の真空排気速度を示す。それは、設備新設時の真空排気設備の排気特性に加え、実操業時の脱ガスによる溶鋼からのCOなどの発生ガス量、及び還流用のガス、パージ用のガスなどの処理に必要な系内にインプットされるガス量を考慮し、真空排気速度を求めたものである。
【0011】
それに対し、「実績」と記載してあるのは、経年劣化などでリークが発生すると前記以外のガスが系内に導入されるので、見かけの真空排気速度が遅くなる。これら「基準」と「実績」の排気速度の差からリーク量を求めることができる。また、このリーク量を各エジェクターを作動するステップ毎に求めていくと、実際にリークしている箇所のエジェクターを作動したときに初めてその箇所のリークによる影響が小さくなるので、各ステップ毎の作動エジェクターとリーク量の推移をみることによりリーク箇所を同定することができる。
例えば、図4のように2Bを作動したところで、リーク量が小さくなっている。このことによって2Bにリークが発生していると推定することができる。
更に、このリーク量からその孔の規模を推定することができる。リーク量そのものでも良いが、孔径で表すことによって、感覚的にそのダメージの規模を知ることができるので有効である。
【0012】
リーク量及びリーク孔径の求め方の具体的な一例を下記に示す。但し、本発明は、特に下記の式に限定されるものではない。
排気中の真空度変化と理論計算値を比較することで、真空槽〜3B各部のリーク量の推定を行なう。
<使用する式>
dP/dt = (Qtotal−PS)/V
Qtotal = Q1+Q(還流ガス)+Qleak
Q1 = Q0・exp(−αt)
Qleak = C(P−Pair)
C = 12.1・D3・J/L
J = 15.2・D・Pave
Pave = (P+Pair)/2
但し
dP/dt ; 圧力低下速度
Qtotal ; 系内に存在するガス量(Pa・m3/s)
P ; 真空槽内圧力(真空度)(Pa)、
S ; 排気速度(m3/s)
V ; 排気容積(m3)
Q1 ; 溶鋼からの放出ガス等の量(Pa・m3/s)
Q(還流ガス) ; 還流ガス量(Pa・m3/s)
Qleak ; リークガス量(Pa・m3/s)
Q0 ; 脱ガススタート時の発生ガス等の量(Pa・m3/s)
α ; 定数 =合わせこむ=
t ; 経過時間(s)
C ; コンダクタンス(m3/s)
Pair ; 大気圧(Pa)
D ; 円管直径(リーク孔径)(m)
J ; 気体の流れの様子で決まる値
L ; 円管長さ(エジェクター管厚み)(m)
Pave ; 平均圧力(Pa)
<計算方法>
▲1▼.各排気ステップ毎に、リーク孔径を計算。
▲2▼.リーク孔径を比較し、リーク箇所を特定する。
【0013】
また、この診断結果は、処理毎に変化する可能性があるため、その傾向を監視し、1回の診断で判断するよりも複数の診断で判断したほうがより確実な判断ができる。
また、リーク量に関しては、低真空度(常圧に近い側)では、もともと排気装置系内に入っているガス量の評価が定量的に難しいため、ある一定の真空度以上の高真空度側で診断したほうが良い。目安は、200Torr前後である。
【0014】
【実施例】
図1の真空排気設備実機を使用して実処理中に本発明を適用した結果が、図5である。図5より、2B部にリークが発生していると判断できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明により、特に新たな装置の設置を必要とせず、また、リークの箇所ばかりでなく、その規模をも検知し得る真空排気設備の診断方法を提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱ガス設備全体概念図。
【図2】真空排気パターンの一例。
【図3】真空排気速度の一例を示す図。
【図4】エジェクター作動時のリーク量の一例を示す図。
【図5】本発明による真空排気系の診断結果を示す図。
【符号の説明】
1B、2B、3B スチームエジェクター
1C 第1コンデンサー 4E エジェクター
2C 第2コンデンサー 5EA、5EB エジェクター
3C 第3コンデンサー 6EA、6EB エジェクター
AC アフターコンデンサー
Claims (4)
- 複数のエジェクターを直列に接続した真空排気設備におけるリーク箇所及びリーク規模を特定する真空排気設備の診断方法であって、前記複数のエジェクターを下流側(但し、真空槽側を上流とする)から順次作動し、順次作動した各作動ステップ毎に真空排気系におけるリーク量を求め、当該作動ステップのリーク量と当該ステップ前の作動ステップのリーク量との差を当該ステップで新たに作動したエジェクターにおけるリーク量とすることを特徴とする真空排気設備の診断方法。
- 前記各作動ステップのリーク量を、当該ステップの理論上の真空排気速度と実績真空排気速度との偏差の積分値から求めることを特徴とする請求項1記載の真空排気設備の診断方法。
- 求められた前記リーク量から、リーク孔を真円と仮定した場合のリーク孔径を求めることを特徴とする請求項1又は2記載の真空排気設備の診断方法。
- 各ステップのリーク量、あるいはリーク孔径について、複数回分の診断データを蓄積し、リーク箇所あるいはリーク規模の傾向管理をすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空排気設備の診断方法。
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