JP5540941B2 - カップ部を有する衣類 - Google Patents
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Description
着用者のバストに上記のような肉の削げ部分Xが形成されていると、従来のブラジャーではカップ部がバストに充分フィットしないという問題があった。図8は、上記削げ部分Xがバストに形成されている着用者が従来のブラジャーを着用した状態を示す図である。 図8に示すように、肩紐(ストラップ)100は、カップ部101の上辺101aの脇側上端に連結されており、肩紐100はカップ部101を上方に引き上げるように形成されている。
このように、従来のブラジャーでは、削げ部分Xに隣接するように肩紐100がカップ部101に連結されているため、着用状態においても肉の削げ状態が一部残存してしまい、カップ部とバストとの間に隙間が形成されてしまう。このため、バストに対するブラジャーのフィット性が低いものとなり、着用者の腕の上げ下ろしといった日常動作に伴って着崩れが生じやすい。また、前屈みの姿勢になった時、カップ部上辺とバストの間の隙間が大きくなり、上方からのぞき込んだ時にバストが見え易いという問題もあった。
即ち、広幅のショルダー部201の脇側端201bはアームホールに沿った形状で、前面部202および背面部203の脇側端202b、203bと連続しているため、ショルダー部201を脇側へ引っ張る力、前面部202を背面部203側へ上方へ引く力が作用するが、ショルダー部201により前面部202を肌側へ引っ張る力が作用するように設けられていない。
前記連結点にストラップを連結し、該ストラップによるカップの引き上げで前記削げ形成領域に前記カップ部の上辺を密着させ、かつ、
前記カップ部の下周縁と土台部との境界位置にワイヤーを挿入した第1のテープを取り付け、前記カップ部の上辺の連結点からバスト脇側を経由して前記ワイヤーの中間位置と接合する第2のテープを設け、
前記第2のテープよりも脇側の領域を覆う外装材を前記カップ部の表側に設け、前記カップ部の脇側端は前記第2のテープに沿うように形成しているカップ部を有する衣類を提供している。なお、カップ部のバストトップ位置とは、着用状態においてバストトップを覆う位置である。
前記カップ部上辺の連結点は、バストが下垂した場合に筋肉の削げが顕著に発生する部位に相当する。前記したカップ部の上辺全長をLとすると脇側上端から0.2L〜0.6Lの範囲内、より限定的には、0.3L〜0.6Lの範囲に削げが発生することを、本発明者は多数のモニターの経年的な体位測定により知見している。
なお、カップ部の上辺が上向き円弧状に突出する場合、山形形状に突出する場合のいずれにおいても、前記範囲にカップ部の上辺の連結点を設定している。かつ、カップ部の下周縁に取り付けるワイヤーの脇側上端と前中央上端とを直線で連結した場合においても、該直線寸法をLとすると、脇側上端から0.2L〜0.6Lの範囲内にカップ部の上辺の連結点を設け、この連結点にストラップを連結している。
前記構成とすると、着用状態において、削げ発生位置に肩ストラップとカップ部との連結部分が設けられているため、カップ部には肩ストラップによって上方に引き上げるとともに、バスト側にカップ部を引き寄せる力が作用する。その結果、削げが発生している部分にカップ部の上部が密着し、カップ部と削げ部分との間に空隙が発生するのを防止できる。
前記カップ部の上辺の連結点からバスト脇側を経由して前記ワイヤーの中間位置と接合する補強部となる第2のテープを設けている。
該第2のテープは非伸縮性のテープからなり、カップ部に縫着し、または芯材を挿入したテープをカップ部に縫着して形成している。
前記第2のテープは、前記連結点からカップ部の脇側端に沿って前記中間位置と接合することが好ましいが、カップ部を縦断するように設けても良い。
該ストラップは前記カップ部の連結点に予め設定した角度だけ脇側へ傾けて取り付けることが好ましい。該角度は着用した際にストラップが肩からずり落ちない程度の角度であり、好ましくは20〜45゜である。
このように、ストラップを脇側へ傾斜させて取り付けておくと、装着時にストラップはカップ部を上方へ捩るように引き上げる。これにより、カップ脇側部分とバストとの間に隙間が生じるのを抑制できる。
図1乃至図5に第一実施形態のブラジャーからなるカップ部を有する衣類について説明する。
左右のカップ部Cは非伸縮性素材からなるカップ本体2と、該カップ本体2の表面側に被せる外装材3とからなる。ここで、表面側とは、肌側の面と反対側の面である。
カップ本体2は前中央側下部2a、脇側下部2bおよび上部2cの3部材に分割し、これらを接ぎ線Sで縫着して、バストトップを前方へ膨出させている。
前記外装材3は、例えば、伸縮性を有するストレッチレースの肌側にパワーネットを重ねて形成し、難伸縮性として強度を多少高めている。なお、外装材3はカップ本体2よりストレッチ性を備えたヘム素材、フリーカット等でもよい。
前記左右のカップ部Cの間の前面中央部から前記ワイヤー4に沿って設けた土台部6と、土台部6の左右脇側端から背面中央に連続させたバック部7とを備えている。なお、土台部6とバック部7とを連続素材で形成してもよい。該土台部6及び左右のバック部7の下縁に沿って連続してゴムバンド9を縫着している。
該上端点P1の位置は、着用時には、カップ本体2の下辺11の脇側端となる前記中間点P5と上端点P1とを連結する線が略垂直線となる位置に設定している。この上端点P1の位置は、前記したように、バストが下垂してバストの上部の肉に削げが形成される場合、削げ発生の位置に相当する位置である。
本実施形態では、前記L1は15cm、L2は10cmとして、0.4Lの位置に上端点P1を設定している。
前記傾斜辺10bには第2のテープ13を縫着して端始末し、このテープ13の上端は前記ストラップ8と共にカップ本体2と縫着し、テープ13の下端はワイヤー4を収容したテープ5およびカップ本体2と縫着している。
また、該第2のテープ13内には偏平な樹脂帯からなる芯材14を収容している。この芯材14を収容したテープ13を脇側の傾斜辺10bに縫着して、脇側の傾斜辺10bの端縁を補強部20としている。なお、バストの脇流れを充分抑制できる場合には、芯材14をテープ13内に収容しなくとも良い。
かつ、ストラップ8は外装材3に第2連結点P10で縫着しているため、外装材3にもストラップ8の上方および肌側への引っ張り力が作用する。よって、外装材3によってもバスト上部の削げ部分Xを覆って外部に見えないにようにできる。
さらにまた、一般的に、カップ本体の上辺はバストから浮き上がりやすいが、本発明のブラジャーでは、カップ本体の上辺をバストにフィットさせることができるため、ブラジャーの着用感を高めることができる。
該補強部20のテープ13はカップ本体2の上端点P1でストラップ8と縫着しているため、ストラップ8により補強部20は上方へ引っ張られる。これにより、バストの脇部分とカップ部Cの脇側端との間に隙間が形成されるのを防止できる。
これに対して、前記実施形態では、カップ本体2の脇側のテープ始末した補強部20は従来よりバストトップ側に接近した位置に設けているため、カップ本体2のテープ始末部分をバストの脇部分にフィットさせて、バストの脇部分をしっかりと押さえ、脇流れを防止することができる。なお、本実施形態では、芯材14をテープ13に収容させているが、バストの脇部分を押さえる効果が充分に得られるのであれば、芯材14をテープ13に収容しないものとしても良い。
特に、バストの肉の脇流れの防止効果を最も高めるためには、バスト脇側部分のうち、最も膨らみの大きい部位を補強部20の中央部分付近で押圧することが好ましい。
そこで、本実施形態では、上端点P1と中間点P5とを連結するように補強部20を設けることにより、補強部20の中央部分付近が上記膨らみの大きい部位を押圧するようにしている。これにより、バストの肉の脇流れを効果的に防止している。
第二実施形態はブラスリップ50であり、該ブラスリップ50のカップ部Cも前記第一実施形態と同様な形態とし、ストラップ8をカップ部Cのカップ本体の上端点P1に縫着している。該上端点はカップ本体2の上辺10の全長Lに対して脇側端から0.3L〜0.6Lの位置に設けている。該カップ本体2の上辺10は上向きに膨らむ円弧形状とし、ワイヤー4の脇側上端点に連結し、第一実施形態で設けていたバスト脇側部を押さえる補強部20は設けていない。
2 カップ本体(カップ部)
3 外装材
4 ワイヤー
5 テープ
6 土台部
7 バック部
8 ストラップ
10 カップ本体の上辺
11 カップ本体の下辺
20 補強部
P1 上端点(連結点)
T バストトップ領域(バストトップ位置)
X 削げ部分
Claims (3)
- カップ部の上辺を形成する前中央側傾斜辺と脇側傾斜辺との連結点を、該カップ部のバストトップ位置の脇側上方に位置するバストの削げ形成領域に設け、
前記連結点にストラップを連結し、該ストラップによるカップの引き上げで前記削げ形成領域に前記カップ部の上辺を密着させ、かつ、
前記カップ部の下周縁と土台部との境界位置にワイヤーを挿入した第1のテープを取り付け、前記カップ部の上辺の連結点からバスト脇側を経由して前記ワイヤーの中間位置と接合する第2のテープを設け、
前記第2のテープよりも脇側の領域を覆う外装材を前記カップ部の表側に設け、前記カップ部の脇側端は前記第2のテープに沿うように形成しているカップ部を有する衣類。 - 該カップ部の上辺の連結点は、該上辺の全長をLとすると脇側端から0.2L〜0.6Lの範囲に位置する請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
- 前記カップ部の連結点に前記ストラップを脇側に傾斜させて縫着している請求項1または請求項2に記載のカップ部を有する衣類。
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