JP5540625B2 - 有機電界発光素子の製造方法、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 - Google Patents
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このうち、真空蒸着法は積層化が容易であるため、陽極および/または陰極からの電荷
注入の改善、励起子の発光層封じ込めが容易であるという利点を有する。
さらに、特許文献1には、有機層上に形成する陰極配線を分離配置すること等を目的として、陽極上にバンクを設けた有機電界発光素子が開示されている。しかしながら、陽極上にバンクを設けた有機電界発光素子では、バンクで区画された領域内に設けられる有機層の膜厚が不均一となり、ディスプレイを作製した際に表示ムラが生じてしまうことがあった。
本発明は、有機層上にバンクを形成した場合でも、駆動電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明はまた、駆動電圧が低く、駆動寿命の長い有機電界発光素子を提供することを課題とする。
さらに、本発明者らは、該バンクを形成する工程中に現像工程と加熱工程を有し、該現像工程と加熱工程の間に、極性有機溶媒で洗浄する工程含むこと、および/または、該バンクを形成する工程中に現像工程を有し、該現像工程で、アルカリ性化合物、極性有機溶
媒および水を含む現像液で現像することで、バンク形成用組成物の残渣が低減して、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
本発明の有機電界発光素子は、第一の電極、および該第一の電極と対向するように形成された第二の電極を有し、該第一の電極および第二の電極の間に、第一の有機層、該第一の有機層上にパターン状に形成されたバンクと、該バンクにより区画された領域内に形成された第二の有機層とを有する有機電界発光素子である。
本発明においては、第一の有機層と第二の有機層とが隣接して形成されていればよく、第一の電極と第二の電極との間には、第一の有機層および第二の有機層の他に、他の層が形成されていてもよい。
<有機電界発光素子の製造方法>
以下、第一の電極を陽極、第二の電極を陰極とし、基板上に第一の電極を形成した後に、正孔注入層を形成し、該正孔注入層上に第一の有機層として正孔輸送層、第二の有機層として発光層を形成し、該発光層上に電子輸送層および電子注入層を形成する場合を例にとって説明する。この例は、本発明の有機電界発光素子の製造方法の適用例として好適な例であるが、本発明はこの例に限られるものではない。
尚、本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、ノズルプリンティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、エアロゾル法、エアロゾルジェット法等、湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる塗布用組成物特有の液性に合うためである。
基板は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極は発光層側の層への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、
陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極の厚みは任意であり、陽極は基板と同一でもよい。また、さらには、上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調製して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
本発明における正孔注入層の形成方法は特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔注入層を湿式成膜法により形成することが好ましい。また湿式成膜法は、従来の真空蒸着法と比較して均質で欠陥がない薄膜が得られる点、形成のための時間が短く、工業的にも優れている。
湿式成膜法により正孔注入層を形成する場合、通常は、正孔注入層の材料を適切な溶媒(正孔注入層用溶媒)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を用意し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層の下層に該当する層(通常は、陽極)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の材料として少なくとも正孔輸送性化合物および溶媒を含有する。
正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合体)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Ar7〜Ar22としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表わす。これらはそれぞれ同一であっても、互いに異なっていてもよい。Ar7〜Ar22の芳香族炭化水素基および/または芳香族複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。Ar7およびAr8としては、芳香族アミン系ポリマーの溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の基が好ましく、フェニル基(ベンゼン環由来の基)、ナフチル基(ナフタレン環由来の基)が好ましい。また、Ar9〜Ar11としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、各々独立に、ベンゼン環、ナフタレン環、トリフェニレン環、フェナントレン環由来の基が好ましく、フェニレン基(ベンゼン環由来の基)、ビフェニレン基(ベンゼン環由来の基)、ナフチレン基(ナフタレン環由来の基)が好ましい。
ては、例えば国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられ、例えば、下記式で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
さらに、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4-ethylenedioxythiophene(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端
をメタクリレート等でキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物は電子受容性化合物を含有していることが好ましい。電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開第2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251
067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。これらの電子受容性化合物は、正孔輸送材料を酸化することにより正孔注入層の導電率を向上させることができる。電子受容性化合物の正孔輸送材料に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
湿式成膜法に用いる溶媒のうち少なくとも1種は、正孔注入層の材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。溶媒の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中
でも200℃以上、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。有機溶媒の沸点が低すぎると、乾燥速度が速く、膜質が悪化する可能性がある。また、有機溶媒の沸点が高すぎると高い乾燥工程の温度を高くする必要がある。そのため、他の層やガラス基板に悪影響を与える可能性がある。溶媒として例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒などが挙げられる。具体的に、エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
その他、ジメチルスルホキシド、等も用いることができる。
これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
上述した溶媒の中でも、正孔注入層の材料を溶解する能力(溶解能)、若しくは材料との親和性が高い溶媒の方が好ましい。正孔注入層形成用組成物の濃度を任意に設定して、湿式成膜法で、膜を形成するのに優れる濃度の組成物を調製できるためである。
正孔注入層形成用組成物中の、正孔輸送性化合物の濃度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると成膜された有機層に欠陥が生じる可能性がある。
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
成膜後、通常加熱等により乾燥させる。加熱工程において使用する加熱手段は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されない。加熱手段の例を挙げると、クリーンオーブン、ホットプレート、赤外線、ハロゲンヒーター、マイクロ波照射などが挙げられる。中でも、膜全体に均等に熱を与えるためには、クリーンオーブンおよびホットプレートが好
ましい。
正孔注入層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
上記正孔注入層上に第一の有機層として正孔輸送層を形成する。
本発明に係る正孔輸送層の形成方法は特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から正孔輸送層を湿式成膜により形成することが好ましい。
ポリアリールアミン誘導体としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。特に、下記式(II)で表される繰り返し単位からなる重合体であることが好ましく、この場合、繰り返し単位それぞれにおいて、AraまたはArbが異なっているものであってもよい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の基およびこれらの環が2環以上直接結合で連結してなる基が挙げられる。
AraおよびArbにおける芳香族炭化水素基および芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アシル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シロキシ基、シアノ基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基などが挙げられる。
ポリアリーレン誘導体としては、下記式(III−1)および/または下記式(III−2)からなる繰り返し単位を有する重合体が好ましい。
Xの具体例としては、酸素原子、置換基を有していてもよいホウ素原子、置換基を有していてもよい窒素原子、置換基を有していてもよいケイ素原子、置換基を有していてもよいリン原子、置換基を有していてもよいイオウ原子、置換基を有していてもよい炭素原子またはこれらが結合してなる基である。
Arc〜Arjの具体例としては、前記式(II)における、AraおよびArbと同様である。
湿式成膜法で正孔輸送層を形成する場合は、上記正孔注入層の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、成膜、加熱乾燥させる。正孔輸送層形成用組成物には、正孔輸送性化合物の他、溶媒を含有する。溶媒は上記正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件等も正孔注入層形成時と同様である。
正孔輸送層は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記正孔輸送性化合物の他、各種の電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
架橋性基の例を挙げると、オキセタン基、エポキシ基などの環状エーテル;ビニル基、トリフルオロビニル基、スチリル基、アクリル基、メタクリロイル基、シンナモイル基等の不飽和二重結合;ベンゾシクロブテン環由来の一価の基などが挙げられる。
影響を与える可能性があるためである。ここで、電荷輸送ユニットとは、網目状高分子化合物を形成する材料が低分子化合物の場合、低分子化合物そのものであり、架橋性基をのぞいた骨格(主骨格)のことを示す。他種類の低分子化合物を混合する場合においても、それぞれの低分子化合物の主骨格のことを示す。網目状高分子化合物を形成する材料が高分子化合物の場合、有機化学的に共役がとぎれる構造の場合は、その繰り返しの構造を電荷輸送ユニットとする。また、広く共役が連なっている構造の場合には、電荷輸送性を示す最小繰り返し構造は低分子化合物の構造を示す。例えば、ナフタレン、トリフェニレン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、ペリレンなどの多環系芳香族、フルオレン、トリフェニレン、カルバゾール、トリアリールアミン、テトラアリールベンジジン、1,4−ビス(ジアリールアミノ)ベンゼンなどが挙げられる。
架橋性化合物を架橋して正孔輸送層を形成するには、通常、架橋性化合物を溶媒に溶解または分散した組成物(正孔輸送層形成用組成物)を調製して、湿式成膜により成膜して架橋させる。
公開第2009/102027号パンフレット記載の化合物が挙げられる。
また、架橋性基の代わりに、国際公開第2009/102027号パンフレット記載の、解離基を有する化合物を用いてもよい。解離基を有する化合物の好ましい分子量は、架橋性基を有する化合物の分子量と同じである。
以下に、架橋性化合物および解離基を有する化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
組成物を成膜後、加熱および/または光などの活性エネルギー照射により、架橋性化合物を架橋させて網目状高分子化する。加熱条件としては、通常120℃以上、好ましくは400℃以下に成膜された層を加熱する。加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、成膜された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
加熱および光を含む活性エネルギー照射は、実施後に層に含有する水分および/または表面に吸着する水分の量を低減するために、窒素ガス雰囲気等の水分を含まない雰囲気で
行うことが好ましい。同様の目的で、加熱および/または光などの活性エネルギー照射を組み合わせて行う場合には、少なくとも有機発光層の形成直前の工程を窒素ガス雰囲気等の水分を含まない雰囲気で行うことが特に好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、第一の有機層上に、パターン状に形成されたバンクを有する。バンクは、第二の有機層、例えば発光層、また陰極(第二の電極)を区画すること等を目的として設けられる。バンクのパターンの形状は特に限定されるものではなく、第二の有機層の形状や陰極の形状等に合わせて適宜選択される。
また、バンクの断面形状についても特に限定されず、例えば断面形状は矩形状であってもよく、半円形状であってもよく、また逆テーパー形状の台形状や順テーパー形状の台形状等であってもよい。またバンクの上面から見た形状についても特に限定されず、開口部が矩形、楕円形、または角が丸い長方形等の形状、あるいは直線上の形状であってもよい。
バンクを形成するための組成物(バンク形成用組成物)としては、目的とするパターン状にバンクを形成可能な組成物であれば特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷用レジスト、フォトレジスト、または上記第一の有機層の形成に用いられる材料等が挙げられる。
また、バンク形成用組成物としては、上記組成物以外のものを用いてもよい。
以下、フォトレジストについて詳説するが、本発明はこれに限定されるものではない。
バンク形成用組成物として、フォトレジストを用いる場合、フォトレジストに含有されていることが好ましい材料としては、バインダー樹脂、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、およびアミノ化合物などが挙げられる。
以下、これらについて詳述する。
本発明におけるフォトレジストは、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂としては、現像液で現像可能な樹脂が用いられる。現像液としては通常アルカリ現像液が好適に用いられることから、バインダー樹脂はアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含むことを意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」なども同様の意味である。また、モノマー名の前に「(ポリ)」をつけたものは、当該モノマーと、そのポリマーとの双方を含むことを意味し、「(酸)無水物」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。
さらに、(共)重合体とは、重合体と共重合体の双方を含むことを意味する。
また、本発明において、「全固形分」とは、本発明のフォトレジストの構成成分のうち、溶媒を除くすべての成分を意味する。
本発明におけるフォトレジストに含有されるバインダー樹脂としては、アクリル酸系樹脂であることが好ましい。
アクリル酸系樹脂は、アルカリ可溶性が向上する点で、側鎖または主鎖に、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれかを有する単量体を重合させて得られる(共)重合体であることが好ましい。
主鎖または側鎖に、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれかを有する単量体としては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに酸(無水物)を付加させた単量体が挙げられる。酸(無水物)としては、(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などが挙げられる。
、(メタ)アクリル酸にε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類を付加させた化合物類等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のアクリロニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニル類が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストに含有される別の好ましいバインダー樹脂としては、カルボキシル基含有ビニル系樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物との反応生成物が挙げられる。
本発明におけるフォトレジストに含有されるさらに別の好ましいバインダー樹脂としては、エチレン性不飽和基とカルボキシル基とを含有する樹脂が挙げられる。
エチレン性不飽和基とカルボキシル基とを含有する樹脂としては、2種以上の不飽和基を有する化合物と不飽和カルボン酸、および必要に応じて不飽和カルボン酸エステルとの共重合体などが挙げられる。
本発明におけるフォトレジストに含有されるバインダー樹脂としては、変性ノボラック樹脂であることが好ましい。
変性ノボラック樹脂は、ノボラック樹脂と不飽和基含有エポキシ化合物を反応後、得られた反応物の水酸基と(無水)多塩基酸とを付加させることで得られる樹脂である。
不飽和基含有エポキシ化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシ(ポ
リ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)ビニル等が挙げられる。
フォトレジスト中におけるバインダー樹脂の含有割合は、溶媒を除く全固形分に対して、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上であり
、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。この下限値を下回るとバンクを形成するのに十分な硬性が得られず、所望の形状のバンクが形成できないおそれがある。また、この上限値を上回ると塗布性や現像性が低下するおそれがある。
上記バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、異なる2種を混合して用いてもよい。
本発明におけるフォトレジストは、エチレン性不飽和化合物を含有することが好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、特に制限はないが、後述の(3.バンク形成工程)における現像工程で、露光部と非露光部との現像液に対する溶解性の差が大きくなり、基板上に形成される画像パターンが所望の形状に形成される点で、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和基は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来することが更に好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物は、1種を単独で用いてもよく、異なる2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、活性光線によりエチレン性不飽和基を重合させる化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の光重合開始剤を用いる事ができる。
フォトレジスト中の、光重合開始剤の濃度は、溶媒を除く全固形分に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。フォトレジスト中の光重合開始剤の濃度が過度に大きいとバンクを形成する第一の有機層との密着性が低下するおそれがあり、また濃度が小さ過ぎると形成するバンクの硬化性が低下するおそれがある。
本発明におけるフォトレジストは、露光によるフォトレジストの架橋を促進する点で、アミノ化合物を含有することが好ましい。
アミノ化合物としては、公知の化合物を用いることができるが、例えば、官能基としてメチロール基、それを炭素数1〜8のアルコール縮合変性したアルコキシメチル基を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられる。
フォトレジスト中の、アミノ化合物の濃度は、溶媒を除く全固形分に対して、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、また、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。濃度が大き過ぎると、フォトレジストの保存安定性に影響するおそれがあり、また濃度が小さ過ぎると、形成したバンクの硬化性が低下するおそれがある。
上記アミノ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、さらに、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、撥液剤、着色剤、表面改質剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物、その他の樹脂、溶媒等が挙げられる。
本発明におけるフォトレジストは、撥液剤を含有することが好ましい。
撥液剤としては、バンクに撥液性を持たせる効果があれば特に限定されないが、例えば、フッ素含有化合物やシリコン含有化合物が挙げられるが、組成物の溶媒として有機溶媒を用いる場合は、フッ素含有化合物が好ましい。
パーフルオロアルキル基を含む化合物としては、例えば、特開平7−35916号公報、特開平11−281815号公報、国際公開第2004−042474号パンフレット、特開2005−60515号公報、特開2005−315984号公報、特開2006−171086号公報、等に記載の化合物;
BYK−340(ビッグケミー社製)、モディパーF200、F600、F3035(以上、日油社製)フタージェントMシリーズ、Sシリーズ、Fシリーズ、Gシリーズ、Dシリーズ、オリゴマーシリーズ(以上、ネオス社製)、ユニダイン(ダイキン工業社製)、トリフロロプロピルトリクロロシラン(信越シリコーン社製)、サーフロンS−386(AGCセイミケミカル社製)、等のパーフルオロ基含有アクリルモノマーを成分として共重合した樹脂が挙げられる。
げられる。
また、撥液剤として、バンク形成工程中、例えば現像工程などで撥液剤が流出するおそれがない点で、撥インク性樹脂を用いることが好ましい。さらに、撥インク性樹脂は、側鎖として架橋性基を有する撥インク性樹脂(以下、「架橋性基含有撥インク性樹脂」と称する)を用いることが好ましい。
上記の撥液剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、フッ素原子含有量が10重量%より少ない場合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また通常70重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
上記撥液剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、着色剤を含んでいてもよい。
着色剤としては、公知の着色剤を用いることができ、例えば、顔料、染料等が挙げられるが、バンクを黒色に着色することで、より鮮明な画素が得られる点で、黒色着色剤が好ましい。黒色着色剤としては、例えば、黒色染料や、カーボンブラック、チタンブラック、有機顔料などが挙げられる。
着色剤として顔料を用いる場合は、フォトレジスト中で顔料が凝集するのを防止する点で、さらに分散剤や分散助剤を含んでいてもよい。
上記着色剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、表面改質剤および現像改良剤を含んでいてもよい。
表面改質剤および現像改良剤としては、特に制限はなく、公知の材料をもちいることができるが、例えば、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、フッ素系、シリコン系界面活性剤などが挙げられる。
上記表面改質剤および現像改良剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、フォトレジストの安定性が向上する点で、重合禁止剤や酸化防止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシフェノール等が挙げられる。
また酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−クレゾール(BHT)等のヒンダードフェノール系の化合物などが挙げられる。
重合開始剤および酸化防止剤の濃度は、フォトレジスト中の溶媒を除く全固形分に対して、通常5ppm以上1000ppm以下、好ましくは10ppm以上600ppm以下である。
上記重合禁止剤および酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、形成したバンクと基板との密着性を向上する点で、シランカップリング剤を含有していてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ系、メタクリル系、アミノ系、イミダゾール系シランカップリング剤等が挙げられ、中でもエポキシ系、およびイミダゾール系シランカップリング剤が好ましい。
上記シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるフォトレジストは、形成したバンクの硬化性や、形成したバンクと基板との密着性を向上する点で、エポキシ化合物を含有していてもよい。
エポキシ化合物としては、エポキシ基を有する繰り返し単位を含む化合物が好ましく、公知の材料を用いることができるが、例えば、ポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物、ポリカルボン酸化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、および、ポリアミン化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルアミン化合物、等が挙げられる。
本発明におけるフォトレジストは、さらに溶媒を含有する。
フォトレジストに含有される溶媒としては、特に制限は無く、フォトレジストおよび各成分を溶解または分散させるための溶媒が適宜選択されるが、例えば、水、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチル
ケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、Socal solvent No.1およびNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、酢酸ブチル(n、sec、t)、ヘキセン、シェル TS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾネート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、シクロヘキシルアセテート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールアセテート、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、等が挙げられる。
上記溶媒は、フォトレジスト溶液中の全固形分の割合が、通常10重量%以上、また通常90重量%以下となるように使用される。
上記溶媒は、1種を単独で用いてもよく、また異なる2種を混合して用いてもよい。
以下、バンク形成工程について詳述するが、本発明の効果を損なわない限り、他の工程を含んでいてもよい。
バンク形成工程は、上記材料に応じて適宜選択される。例えばバンク形成用組成物がフォトレジストである場合には、バンク形成用組成物(フォトレジスト)を第一の有機層上に成膜し、フォトマスク等により目的とするパターン形状で露光・現像することで、所望のバンクを形成することができる。以下、フォトレジストを用いて、フォトマスク等により目的とするパターン状で露光・現像することで、バンクを形成する場合を例にとって説明する。
前記正孔注入層上に形成された第一の有機層(正孔輸送層)上に、バンク形成用組成物を、通常第一の有機層上の全面に、湿式成膜法により成膜する。
フォトレジストの湿式成膜法の方式は本発明の効果を著しく損なわない限り制限はない。
湿式成膜法としては、前記説明したとおりであるが、中でも、ダイコート法が好ましい。
バンク形成工程において、必要に応じて、フォトレジストを用いて成膜後、露光前にプリベーク工程を行ってもよい。
プリベーク工程は、フォトレジストを成膜した直後に、フォトレジストの溶媒を除去する目的で行なう。
加熱時の雰囲気については、大気中で行なってもよいし、ポストベーク後に水分が再吸着すること、あるいは高温時のバンクまたは下地の酸化を防ぐために、雰囲気として、露点0℃未満の乾燥空気中や、窒素などの不活性ガス中で行ってもよく、また、圧力0.1MPa未満の減圧下で行ってもよい。
真空乾燥を行う時期は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、対流により生じる膜厚ムラを抑制し、均一な膜を形成し易い点から、フォトレジストを用いて湿式成膜した直後で、上記プリベーク工程の前に行うことが好ましい。
真空乾燥の真空度としては、通常大気圧より小さい圧力、好ましくはフォトレジストに含有される溶媒の蒸気圧以下である。
本発明の有機電界発光素子の製造方法において、バンク形成工程は、上記フォトレジストを用いて成膜した後に露光工程を有する。
露光工程における露光条件等は、上記フォトレジストの種類等に応じて適宜選択されるが、例えば、露光波長に関しては、g線(波長436nm)、i線(波長 365nm)、ブロード(g,h,i線の3波長) 、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長 157nm)等が
選択可能である。
中でも、要求されるレジスト線幅と、取り扱い設備の簡便さから、放電ランプ等を光源に用いるg線、i線、またはブロードを用いることが好ましい。
露光量については、通常所望のバンク形状を得るために適切な条件を選択するが、露光時間の観点から、2J/cm2以下であることが好ましい。
フォトレジストを用いてバンクを形成する場合、通常露光工程の後に現像工程を有する
。現像工程で用いる現像液は、フォトレジストの種類により適宜選択されるが、アルカリ性化合物の水溶液や有機溶媒が用いられる。特にバンク形成用組成物の残渣が低減される点で、アルカリ性化合物、極性有機溶媒、および水を含む現像液を用いることが好ましい。
後述の極性有機溶媒で洗浄する工程を有する場合(即ち、本発明の第一)は、本発明の第二における現像液以外の現像液で現像してもよいが、バンク形成用組成物の残渣が低減して、本発明の効果が得られる点で、本発明の現像液を用いて現像することが好ましい。
現像工程とは、溶媒または溶液を用いて、第一の有機層上に画像パターン(すなわち、バンク)を形成する工程をいい、通常上記の露光工程の後に有する。
以下、本発明の第二における現像工程について詳述する。
本発明の第二における現像液は、アルカリ性化合物、極性有機溶媒、および水を含む現像液である。
アルカリ性化合物としては、無機アルカリ性化合物および有機アルカリ性化合物が挙げられ、無機アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられ、
また、有機アルカリ性化合物としては、例えば、モノ−・ジ−またはトリエタノールアミン、モノ−・ジ−またはトリメチルアミン、モノ−・ジ−またはトリエチルアミン、モノ−またはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどが挙げられる。
極性有機溶媒としては、分子内に酸素原子を有する有機化合物からなる有機溶媒であることが好ましい。
ヒドロキシル基を有する有機化合物からなる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の一価アルコール類、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類が挙げられ、
カルボニル基を有する有機化合物からなる有機溶媒としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、
エーテル結合を有する有機化合物からなる有機溶媒としては例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール等が挙げられ、
エステル結合を有する有機化合物からなる有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、2−エチルヘキシルアセテート等が挙げられる。
本発明の現像液に含まれるアルカリ性化合物の濃度は、通常0.0001重量%以上、好ましくは0.005重量%以上、さらに好ましくは0.01重量%以上、また通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本発明の現像液に含まれる極性有機溶媒は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、また通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
本発明の現像液に含まれる水は、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、また通常100重量%未満、好ましくは99重量%以下である。
すぎて処理が不十分となり本発明の効果が得られないおそれがある。
本発明における極性有機溶媒の誘電率は、通常3.0以上、好ましくは4.0以上、また通常60以下、好ましくは40以下である。上記範囲を超えると、現像が十分に行われずにバンク形成用組成物の残渣が残り、本発明の効果が得られないおそれがある。
本発明の現像液は、さらに界面活性剤、緩衝剤、錯化剤などを含有して用いてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤、などが挙げられる。
本発明の第一において、現像液として用いることができる溶媒または溶液としては、アルカリ性化合物の水溶液、および有機溶媒が挙げられる。
アルカリ性化合物の水溶液からなる現像液を用いる場合、アルカリ性化合物としては、上記本発明の現像液で挙げたアルカリ性化合物を用いることができる。
現像工程における現像温度は、特に制限はないが、通常10℃以上、好ましくは15℃以上、また通常100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは45℃以下である。
また現像方法については、特に制限はないが、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等が挙げられる。
また、基板に現像液を噴射する場合(スプレー現像)、通常室温以上、また通常100℃以下に加熱した現像液を用いて噴射して現像をおこなう。
止するため、現像終了後に現像液を除去する目的、および現像液に含まれる成分が、前記第一の有機層またはバンクに付着・残留することを防ぐ目的で、通常、現像の後にリンス処理を行なってもよい。
リンス液に、有機電界発光素子の特性に影響する不純物が含まれていると、アクティブ駆動有機電界発光素子パネルにおける駆動用薄膜トランジスタ(TFT)特性に対して影響したり、得られた有機電界発光素子の特性、例えば素子電圧、発光効率、駆動寿命等に影響を及ぼしたりするおそれがある。
特に好ましくない不純物の例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、銅イオン、アルミニウムイオン、パラジウムイオンなどの金属イオン、および有機ハロゲン化物が挙げられる。中でも、金属イオンおよび沸点が150℃以上の有機ハロゲン化物は、後述する加熱工程によっても除去できない可能性が高いため、好ましくない。これら不純物のリンス液中濃度は、通常0.1%以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは1ppm以下に低減されていることが好ましい。含まれていないことが好ましいため、下限値は理想的には0である。
リンス液を除去する方法が、スピンで回転する方法である場合、回転速度は通常10rpm以上、好ましくは100rpm以上であり、通常10000rpm以下、好ましくは5000rpm以下である。この上限値を越える場合、工業的観点から不利益が生じるおそれがあり、またこの下限値を下回ると、基板に付着して残っている現像液またはリンス液の除去が十分でないおそれがある。
リンス液を除去する方法が、ガスを吹き付ける方法である場合、用いるガスとしては、特に限定されないが、空気、乾燥空気、窒素、アルゴンなどの不活性ガスが挙げられ、通常、空気、乾燥空気、窒素が取り扱いやすさの観点から特に好ましい。また、用いるガスは、配管途中にフィルターを設置して微粒子を除去して用いることが好ましい。フィルターは微粒子を有効に除去することから、ろ過精度0.01μmを用いることが好ましい。ガスを吹き付ける圧力は、通常大気圧以上、好ましくは0.11MPa以上、また通常2MPa以下、好ましくは1MPa以下である。
この上限値を上回ると、ガス圧力が強すぎてバンクが剥がれたり変形するおそれがあり、またこの下限値を下回るとガス圧力が弱すぎて基板に付着した現像液またはリンス液の除去が十分でないおそれがある。
本発明の第一に係る有機電界発光素子の製造方法は、バンクを形成する工程中、現像工程と、それより後に行われる加熱工程の間に、極性有機溶媒で洗浄する工程(以下、「極性有機溶媒洗浄工程」と称する場合がある。)を有する有機電界発光素子の製造方法である。
以下、極性有機溶媒洗浄工程について詳述するが、本工程については、バンク形成用組成物として、フォトレジストを用いた場合に限定されるものではない。
極性有機溶媒洗浄工程において用いられる極性有機溶媒は、前記(3−4.現像工程)の項で記載の極性有機溶媒と同様であり、また好ましい例も同様である。
(3−5−2.極性有機溶媒の物性など)
本発明における極性有機溶媒の沸点は、通常40℃以上、好ましくは60℃以上、また通常300℃以下、好ましくは200℃以下である。この上限値を上回ると、極性有機溶媒洗浄後の乾燥または後述の加熱工程で極性有機溶媒が除去されなかったり、粘度が高すぎて形成したバンクや有機層が極性有機溶媒に濡れにくくなったりして、本発明の効果が得られないおそれがある。またこの下限値を下回ると極性有機溶媒の蒸発が早すぎて処理が不十分となり本発明の効果が得られないおそれがある。
本発明における極性有機溶媒の誘電率は、通常3.0以上、好ましくは4.0以上、また通常60以下、好ましくは40以下である。上記範囲を超えると、有機層上に残存するバンク形成用組成物の残渣が十分除去されず、本発明の効果が得られないおそれがある。
上記の極性有機溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、異なる2種を混合して用いてもよい。
上記の極性有機溶媒に混合してもよい他の非極性有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
上記範囲内であると、極性有機溶媒による洗浄効果が十分で、また洗浄が短時間で済む点で工業的に有利であり好ましい。
極性有機溶媒で洗浄する方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば、基板を極性有機溶媒に浸漬してもよいし、極性有機溶媒を噴射して基板に吹き付けてもよい。
(3−5−3−1.浸漬する場合)
基板を極性有機溶媒に浸漬する場合は、極性有機溶媒の温度は、通常用いる極性有機溶媒の融点以上、好ましくは0℃以上、また、通常用いる極性有機溶媒の沸点以下、好ましくは200℃以下である。この上限値を上回ると、バンク形成用組成物が分解したり溶解するおそれがあり、またこの下限値を下回るとバンク形成用組成物の残渣の溶解性が低下し、水分の凝固によりバンクを形成する下層である有機層やバンクに欠陥が発生したり、本発明の効果が得られないおそれがある。
さらに、処理時間を短縮し、または量産時に複数の基板をバラツキなく安定的に現像させるため、基板を揺動させたり、極性有機溶媒を撹拌したりしてもよい。また、超音波をかけて浸漬をおこなってもよい。
基板に極性有機溶媒を噴射する場合、極性有機溶媒の温度は、通常用いる極性有機溶媒の融点以上、好ましくは0℃以上、また、通常用いる極性有機溶媒の沸点以下、好ましくは200℃以下である。この上限値を上回ると、バンク形成用組成物が分解したり溶解したり、また、噴射された極性有機溶媒が蒸発して十分な量が基板に到達しないおそれがあり、またこの下限値を下回るとバンク形成用組成物の残渣の溶解性が低下し、水分の凝固による欠陥が発生したり、本発明の効果が得られないおそれがある。
噴射圧力は、薬液タンクを加圧して極性有機溶媒を噴射する場合、通常大気圧以上、好ましくは0.11MPa以上、また通常2MPa以下、好ましくは1MPa以下である。この上限値を上回ると、噴射圧力が強すぎてバンクが剥がれたり変形するおそれがあり、またこの下限値を下回ると極性有機溶媒が噴射できないおそれがある。
が、極性有機溶媒洗浄で用いた溶媒を良好に溶解するものが好ましい。
また、極性有機溶媒洗浄で用いる溶媒として、水に溶解しにくい溶媒を用いた場合は、リンス液として、非極性有機溶媒が挙げられる。
極性有機溶媒洗浄工程の回数は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、何回含んでいてもよいが、通常5回以下、好ましくは3回以下、また通常1回以上である。
尚、極性有機溶媒で洗浄する工程を、2回以上含んでいる場合は、それぞれ異なる溶媒で、本工程を行ってもよい。
(3−6.加熱工程)
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、バンクを形成する工程中、現像工程よりも後に加熱工程を有する。特に、本発明の第一においては、前記極性有機溶媒洗浄工程の後に加熱工程を有する。
加熱工程における加熱条件も上記フォトレジストの種類により適宜選択されるが、加熱温度については、通常80℃以上、好ましくは100℃以上であり、また通常350℃未満、好ましくは300℃未満である。この下限値を下回ると、フォトレジストが十分架橋反応を行わないおそれがあり、またこの上限値を上回るとバンクおよび第一の有機層の構造変化や化学変化を起こすおそれがある。
加熱時の雰囲気については、大気中で行なってもよいし、加熱工程後に水分が再吸着すること、あるいは高温時のバンクまたは下地の酸化を防ぐため、露点0℃以下の乾燥空気中、窒素などの不活性ガス中、圧力100Pa以下で行ってもよい。
一方、上記バンクの形成に第一の有機層と同様の材料を用いる場合、上記バンクの形成は、上記フォトレジストを用いた場合と同様に、層形成後、露光・現像する方法であってもよく、ハーフトーンマスク等を用いて、凹型の断面形状を有するように露光・現像する方法であってもよく、また湿式成膜法等によってバンクを形成する領域のみに上記材料を塗布する方法等であってもよい。
バンクが2層以上である場合、同一種のバンク形成用組成物を用いて形成してもよく、また異なる2種のバンク形成用組成物を用いて形成してもよい。さらに、2層以上のバンクは、各々異なったバンク形成用組成物で形成されてもよい。
バンクの表面は、例えば第二の有機層(例えば、発光層)の形成方法や形成材料等に合わせて適宜、親液化処理や撥液化処理等を行なってもよい。
親液化処理や撥液化処理の方法としては特に制限はないが、例としては、大気圧または減圧条件で、CF4などのフッ素化物、酸素、アルゴンなどの希ガス、またはそれらの混合ガス雰囲気中でプラズマ放電を行う方法、前記の(2.フォトレジスト)の項で記載したように、バンク形成用組成物に親液性や撥液性の材料を用いる方法、あるいはバンク形成用組成物に親液性や撥液性の添加物、例えば界面活性剤を混合する方法などが挙げられる。
(3−7−1.膜厚)
バンクの膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10nm以上、好ましくは100nm以上、また、通常100μm以下、好ましくは10μm以下である。
上記範囲内であると、第二の有機層および第二の有機層上に形成される層の膜厚ムラを抑制することができるため好ましい。
なお、第二の有機層が発光層である場合は特に、バンクの膜厚は、発光層の膜厚より大きいことが好ましい。
バンクの幅は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、フォトレジストの解像度、第一の有機層とバンクとの密着性等の面から、通常1μm以上、好ましくは10μm以上である。
また、上記バンクが設けられた領域は、有機電界発光素子の非発光領域とされるため、有機電界発光素子の発光効率や発光面積等の面から、通常500μm以下、好ましくは100μm以下である。
前記極性有機溶媒洗浄工程前後でのバンクの膜厚差は、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。洗浄前後での膜厚差が大きいと、膜厚が不均一になりやすく、得られる素子の発光ムラが生じるおそれがある。
本発明においては、第一の有機層上に親水性化合物を含有する親水性化合物含有組成物を用いて下引き層を設けてもよい。
本発明においては、バンク形成用組成物を第一の有機層上に塗布し、露光、現像および加熱してバンクを形成したときに、バンクで区画された領域内にバンク形成用組成物が残渣として残りにくいことが重要である。そのため、第一の有機層との親和性が強く残渣が残り易いバンク形成用組成物を用いる場合、下引き層を設けることが好ましい。
(4−1.親水性化合物含有組成物)
下引き層の形成に用いる親水性化合物含有組成物は、親水性化合物を含有し、通常、さらに溶媒を含有する。
また、親水性化合物について、より具体的には、分子内に、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸(塩)基、ホスホン酸(塩)基、アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩基などの官能基を有する化合物であることが好ましい。特に、親水性化合物は、有機化合物であることが好ましい。
親水性化合物として用い得る親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリアリールアミン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド、無水マレイン酸共重合体、アラビアゴム、水溶性大豆多糖類、ホワイトデキストリン、プルラン、カードラン、キトサン、アルギン酸、酵素分解エーテル化デキストリン等の他、親水性モノマーを用いて(共)重合された(共)重合体などが挙げられる。
親水性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリールアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルピロリドン、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基などから選ばれる親水性基を有するモノマーが挙げられる。
また、親水性樹脂以外の親水性化合物としては、上記親水性モノマーとして例示したものが挙げられ、これらが親水性化合物含有組成物中にモノマーのまま含有されることも好ましい。
親水性化合物としては、上記例示の中で、ビニルピロリドンの(共)重合体、(メタ)アクリル酸の(共)重合体、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類などの親水性樹脂が好ましい。
親水性化合物は、親水性化合物含有組成物の全固形分中、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上で、100重量%以下含有されることが好ましい。親水性
化合物含有組成物中の親水性化合物の含有量が、上記下限より少ない場合、形成された下引き層を現像によって完全に除去することが困難となり、白抜けに繋がる。また、バンクによって区切れられた領域に、インク吐出型の塗布法によって、均一な有機薄膜の形成が困難となる。
本発明における親水性化合物含有組成物には、上記親水性化合物の他、必要に応じて他の成分が含有されていてもよい。他の成分としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤、エチレン性不飽和化合物やその他反応性化合物、界面活性剤、フィラー、基板密着増強剤、酸やアルコールなどの現像促進剤、色材、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤などが挙げられる。特に、バンク形成用組成物がフォトレジストである場合は、親水性化合物含有組成物中に光重合開始剤やエチレン性不飽和化合物を含有させることにより該組成物に感光性をもたせ、バンク形成用組成物層と共に露光時に重合させることも、それぞれの界面での接着性を確保する意味で有用である。
親水性化合物含有組成物に含有される溶媒としては、親水性化合物含有組成物の固形分が溶解若しくは分散可能で、均一な塗布を可能とするものであればよく特に限定されないが、親水性化合物はこの溶媒に分散しているよりも溶解している方が好ましく、この溶解性を確保する点から、水および/またはアルコール系溶媒を用いることが好ましく、特に、水および/またはアルコール系溶媒が、親水性化合物含有組成物に含まれる溶媒の主成分であることが好ましい。
−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3−メチル−3−n−プロポキシブタノール、3−メチル−3−イソプロポキシブタノール、3−メチル−3−n−ブトキシシブタノール、3−メチル−3−イソブトキシシブタノール、3−メチル−3−sec−ブトキシブタノール、3−メチル−3−tert−ブトキシシブタノール、3−メトキシブタノール等のアルコキシアルコール類が挙げられる。
ただし、親水性化合物含有組成物中の溶媒は、水および/アルコール系溶媒よりなることが好ましく、その他の溶媒を混合して用いることも可能であるが、全溶媒中に水および/またはアルコール系溶媒が、5重量%以上、特に20重量%以上、100重量%以下含有されることが好ましい。特に、水および/またはアルコール系溶媒は、親水性化合物含有組成物の溶媒の主成分として含有されていることが好ましい。溶媒の主成分として含有されるとは、水、アルコール系溶媒、または水とアルコール系溶媒との混合溶媒が、溶媒中において、最も多い重量含有されていることをいう。
(4−2.親水性化合物含有組成物成膜方法)
上記親水性化合物含有組成物を、基板上に直接または他の層上に、塗布、乾燥することにより下引き層を形成する際の塗布方法は限定されないが、例えば、スピンコート法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法、浸漬塗布法などによって塗布することができる。これらの塗布方法は、膜厚によって自由に選定することができる。
ましくは50℃以上、通常200℃以下、好ましくは130℃以下の温度で加熱乾燥する。また、乾燥時間としては、15秒以上が好ましく、30秒以上が好ましく、5分以下が好ましく、3分以下が好ましい。乾燥温度が低過ぎたり乾燥時間が短い場合には十分に乾燥を行うことができず感光性組成物を塗布する際に流れ出てしまう恐れがあり、乾燥温度が高過ぎたり、乾燥時間が長過ぎると、生産性低下や基板、その他の層の熱劣化の問題があり、好ましくない。
乾燥後に得られる下引き層の膜厚は、特に限定されないが、下引き層も含めた出来上がり後のバンク高さの1/3以下が好ましく、1/4以下であることがさらに好ましく、また1/200以上であることが好ましく、1/50以上であることがさらに好ましい。これよりも下引き層の膜厚が厚くなると、次のような問題がある。即ち、下引き層は通常バンク用レジスト層の部分よりも、有機薄膜形成用のインクに対する濡れ性が高いため、有機薄膜を形成する際、バンク壁面の下引き層表出部分において、有機薄膜の塗布膜厚が高くなり、この状態で乾燥されてしまい、乾燥後も平らにならずに、バンクによって区画された領域の中心部の厚みが薄く、周囲が厚い不均一な有機薄膜が形成されてしまう恐れがある。逆に、下引き層の膜厚が上記下限よりも小さいと下引き層を形成したことによる本発明の効果が得られにくい。
本発明においては、バンクを形成した後の、バンクによって区画された領域の第一の有機層表面のRa(算術平均粗さ)が、1.0nm以下および/または最大高さ(高低差の最大値)が10nm以下であることが好ましい。ここで、Ra(算術平均粗さ)および、最大高さ(高低差の最大値)は、JIS B 0601記載の方法により算出される。
本発明の有機電界発光素子は、上記バンクが形成された第一の有機層上に第二の有機層を有する。本発明における第二の有機層は、好ましくは発光層である。
本発明においては、第一の有機層のうち、バンクにより区画された領域、すなわちバンクが形成されておらず第一の有機層が露出している領域のみに第二の有機層を形成してもよく、また上記バンクにより区画された領域およびバンク上に第二の有機層を形成してもよい。
好ましくは、インクジェット法によりバンクにより区画された領域に成膜する。
なお、本工程における第二の有機層の形成方法や、形成する第二の有機層の膜厚、形状等については、形成する第二の有機層の種類等に応じて適宜選択する。
また、本発明においては、上記各工程の前後や各工程間に、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。
本発明の製造方法により製造される有機電界発光素子は、少なくとも上記バンクにより区画された領域、すなわちバンクが形成されていない領域の正孔輸送層上に、発光層が設けられることが好ましい。特に、各バンクで区画された領域内に、赤色、緑色、青色の発光層をそれぞれ形成することにより、各色の塗り分けが可能となる。
発光層は、電界を与えられた電極間において、陽極から正孔注入層等を通じて注入された正孔と、陰極から注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
発光層は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。更に、発光層は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。また、青色は蛍光発光材料を用い、緑色や赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。
以下、発光材料のうち蛍光発光材料の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光色素)としては、例えば、ナフタレン、ペリレン、クリセン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)
ベンゼンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
発光層における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正
孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層における(低分子量の正孔輸送性化合物)として例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence,1997年,Vol.72−74,pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications,1996年,pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals,1997年,Vol.91,pp.209)等が挙げられる。
発光層における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層を形成する場合は、上記材料を適切な溶媒に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶媒としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶媒の好適な例は、上記正孔注入層形成用組成物で説明した溶媒と同様である。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物等の固
形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
発光層上には電子輸送層を設けてもよい。
電子輸送層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。電子輸送層は、バンクにより区画された領域のみに形成してもよいが、全面に形成することが好ましい。
電子輸送層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層は、陰極から注入された電子を効率よく発光層へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
ム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
電子注入層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。電子注入層は、バンクにより区画された領域のみに形成してもよいが、全面に形成することが好ましい。
陰極は、発光層側の層(電子注入層または発光層など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極の材料としては、前記の陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極の膜厚は、通常、陽極と同様である。陰極はバンクに区画された領域のみに形成してもよいが、全面に形成することが好ましい。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
本発明に係る有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極と陰極との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
(正孔阻止層)
発光層と電子注入層との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。
正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾー
ル等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成できる。正孔阻止層は、バンクにより区画された領域のみに形成してもよいが、全面に形成することが好ましい。
(正孔緩和層)
正孔緩和層は、発光層の陰極側に隣接して形成される層であり、発光層と正孔緩和層界面への正孔の蓄積を緩和する働きをする層である。また、電子を効率よく発光層の方向へ輸送する役割も有する。正孔緩和層には、正孔輸送性のユニットを有する電子輸送性化合物(正孔緩和材料)が用いられる
(電子阻止層)
また、正孔注入層または正孔輸送層と発光層との間に、電子阻止層を設けてもよい。
電子阻止層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。電子阻止層は、バンクにより区画された領域のみに形成してもよいが、全面に形成することが好ましい。
を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters,1997年,Vol.70,pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1997年,Vol.44,pp.1245;SID 04 Digest,pp.154等参照)。
能である。例えば、図1の層構成であれば、基板上に他の構成要素を陰極、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に設けてもよい。第一の有機層は、正孔輸送層以外に、正孔注入層であってもよく、また、その他の層であってもよい。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V2O5)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていてもよい。
本発明の有機ELディスプレイは、上述のような本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機ELディスプレイの型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の有機ELディスプレイを形成することができる。
本発明の有機EL照明は、上述の本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の有機EL照明の型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
第一の有機層としての正孔輸送層上にフォトレジストにてバンクを形成する工程において、バンク形成組成物の残渣、すなわち、レジスト残渣による有機電界発光素子への影響を評価するため、次のようにして正孔輸送層表面をレジスト処理し、評価することが簡便で有効である。すなわち、第一の有機層としての正孔輸送層上にフォトレジスト(バンク形成用組成物)を全面に湿式成膜し、マスク露光工程を行わずに現像工程に移り、現像液にて成膜されたフォトレジストを全面除去し、目的に応じて極性有機溶媒洗浄を行い、次いでベークする。これにより、バンクは形成されないが正孔輸送層の表面はバンクの開口部と同様の表面となる。
まず、レジスト処理において、現像工程と加熱工程の間で極性有機溶媒洗浄を行った。
実施例1〜2、比較例1〜3では、第一の有機層としての正孔輸送層をレジスト処理し、有機電界発光素子を作製し評価した。
[実施例1]
(陽極の形成)
まず、ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
次に、正孔注入層形成用組成物の調製を行った。下記式(i)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量29600;ガラス転移温度177℃)2重量%と、下記式(ii)で表される電子受容性化合物0.8重量%を、溶媒として安息香酸エチルに溶解し、正孔注入層形成用組成物(A1)を調製した。
次に、正孔輸送層形成用組成物の調製を行った。下記式(iii)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量10000;ガラス転移温度138℃)0.4重量%を、溶媒としてトルエンに溶解し、正孔輸送層用組成物を作製した。トルエンは市販の脱水トルエンを用い、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で正孔輸送層形成用組成物(B1)を調製した。
(バンク形成用組成物の調製)
次に、バンク形成用組成物(C1)の調製を行った。
バインダー樹脂:下記式(iv)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子量4000)72重量部、
エチレン性不飽和化合物:下記式(v)の構造を有する化合物24重量部、
光重合開始剤:下記式(vi)の構造を有する化合物を4重量部、
光重合開始剤:下記式(vii)の構造を有する化合物1.5重量部、
界面活性剤:メガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)0.1重量部を
溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度25重量%のバンク形成用組成物(C1)を調製した。
次に、正孔注入層および正孔輸送層がこの順に積層成膜された基板を大気中に取り出し、紫外光をカットしたイエロールームにて、調製したバンク形成用組成物(C1)にて正孔輸送層表面を下記の手順で処理した。
まず、スピンコート法にてバンク形成用組成物(C1)を正孔輸送層上に塗布した。スピンコートは気温23℃、相対湿度50%の大気中で行なった。スピン条件は、300rpmで2秒間回転させた後、連続して1200rpmで3秒間回転させた。塗布後、ホットプレート上で90℃、60秒間加熱乾燥(プリベーク)した。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38%水溶液に120秒間浸漬し、その後、純水による水洗を120秒間行い、窒素ブローして乾燥させた。これにより、バンク形成用組成物を用いて形成された層を全面除去した。
(極性有機溶媒洗浄工程)
次に、極性有機溶媒としてエタノールを用いて、23℃、60秒間浸漬した。その後リンス処理として純水を10秒間の流水を行い、窒素ブローして乾燥させた。
最後に、上記極性有機溶媒洗浄工程を経た基板をホットプレート上で230℃、30分間加熱をおこなった。
この基板を真空蒸着装置のチャンバー内に設置した。チャンバーはロータリーポンプで粗引きした後、クライオポンプにて減圧した。真空度は1.0×10−4Paであった。基板には、所定の領域に、蒸着用マスクを配置し、チャンバーにはあらかじめ必要な蒸着材料をそれぞれ個別に、ヒーター線を巻いた坩堝に入れて配置しておいた。
ホスト材料として下記式(viii)で表される4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)と、ドーパントとして下記式(ix)で表されるIr(ppy)3を入れた各坩堝を同時にヒーター線で通電加熱して、正孔輸送層の上に共蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度1.0×10−4Pa、CBPの蒸着速度を0.6Å/s、Ir(ppy)3の蒸着速度0.036Å/sとし、CBP:Ir(ppy)3=100:6、膜厚30nmの発光層を形成した。
下記式(x)で表されるBAlqを入れた坩堝をヒーター線で通電加熱し、発光層の上に蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度1.0×10−4Pa、蒸着速度1.0Å/sとし、正孔阻止層を膜厚10nmで形成した。
Alq3(8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体)を入れた坩堝をヒーター線で通電加熱し、正孔阻止層の上に蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度1.0×10−4Pa、蒸着速度1.5Å/sとし、電子輸送層を膜厚30nmで形成した。
ここで、蒸着を行なった素子を一度真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して、電子輸送層の蒸着時と同様にして装置内の真空度が3.0×10−4Paになるまで排気した。
フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.05Å/秒、真空度3.0×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜し、電子注入層とした
アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度4Å/秒、真空度5.0×10−4Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極を形成した。
次に、真空蒸着装置を大気圧に戻し、蒸着を行なった基板を一度大気中に取り出し、窒素置換されたグローブボックスに移した。
窒素置換されたグローブボックス中では封止ガラス板の凹部に吸湿剤シートを貼り付け、封止ガラス板の凹部の周囲にUV硬化樹脂塗をディスペンサーにて塗布し、蒸着を行なった基板の蒸着部を封止ガラス板で密封するように密着させ、UVランプにてUV光を照射してUV硬化樹脂を硬化させた。
(素子評価)
この素子が1000cd/m2で発光するときの電圧は8.0V、電流発光効率は15.3cd/Aであり、1辺2mmの正方形の発光領域がムラなく均一に発光することを確認した。
結果を表1に纏めた。
[比較例1]
実施例1において、極性有機溶媒洗浄工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。
この素子が1000cd/m2で発光するときの電圧は8.5V、電流発光効率は15.3cd/Aであり、1辺2mmの正方形の発光領域がムラなく均一に発光することを確認した。
また、この素子に電流密度30mA/cm2で連続通電して耐久性試験を行ったところ、素子の輝度が半減するまでの時間は10時間であった。
[比較例2]
実施例1において、極性有機溶媒洗浄工程で用いたエタノールを非極性有機溶媒であるトルエンに変更した以外は、実施例2と同様にして素子を作製した。
(素子評価)
この素子が1000cd/m2で発光するときの電圧は8.5V、電流発光効率は11.2cd/Aであり、1辺2mmの正方形の発光領域がムラなく均一に発光することを確認した。
結果を表1に纏める。
[実施例2]
陽極から正孔輸送層の形成までは、実施例1と同様にして作製し、
バンク形成用組成物(C1)を下記の手順で調製したバンク形成用組成物(C2)に変更して下記の手順にて正孔輸送層表面をレジスト処理し、発光層として、下記の手順で調製した発光層形成用組成物(D1)を下記の手順にて成膜した以外は、実施例1と同様にして素子を作製した。
バンク形成用組成物(C2)の調製を次のように行った。
バインダー樹脂:前記式(iv)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子量4000)を48重量部、
エチレン性不飽和化合物:前記式(v)の構造を有する化合物を24重量部、
エチレン性不飽和化合物:下記式(xii)の構造を有する化合物を24重量部、
光重合開始剤:下記式(xiii)の構造を有する化合物を3重量部、
界面活性剤:前記式(vii)の構造を有する化合物を1.5重量部、
撥液剤:メガファックRS−102(大日本インキ化学工業社製、有効成分40wt%、溶媒としてメチルイソブチルケトン(MIBK):シクロヘキサノン=75:25)を2.5重量部を、
溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度27重量%のバンク形成用組成物(C2)を調製した。
次に、スピンコート法にてバンク形成用組成物(C2)を正孔輸送層上に塗布した。スピンコートは気温23℃、相対湿度50%の大気中で行なった。スピン条件は、300rpmで2秒間回転させた後、連続して1200rpmで3秒間回転させた。塗布後、ホットプレート上で80℃、60秒間加熱乾燥(プリベーク)した。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38%水溶液に120秒間浸漬し、その後、純水による水洗を10秒間行い、窒素ブローして乾燥させた。これにより、バンク形成用組成物を用いて形成された層を全面除去した。
(極性有機溶媒洗浄工程)
次に、極性有機溶媒としてエタノールを用いて、23℃、10秒間浸漬した。その後リンス処理として純水にて10秒間の流水を行い、窒素ブローして乾燥させた。
最後に、上記極性有機溶媒洗浄工程を経た基板をホットプレート上で230℃、30分間加熱をおこなった。
(発光層形成用組成物(D1)の調製)
下記式(xvi)で表される化合物を50重量部、下記式(xvii)で表される化合物を50重量部、下記式(xviii)で表される化合物を5重量部を、溶媒として市販の脱水キシレン4095重量部に溶解させ、0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、発光層形成用組成物(D2)を調製した。発光層形成用組成物の調製は、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で行った。
正孔輸送層上にバンクを形成した基板に、発光層形成用組成物(D1)を用いてスピンコート法にて発光層を形成した。スピンコートは、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で行い、スピン回転数は1500rpm、スピン時間は30秒とした。塗布後、ホットプレート上で130℃、1分間プレ乾燥した後、電極上の不要部分を拭き取り、次いで、ホットプレート上で130℃、1時間真空で加熱乾燥し、膜厚40nmの発光層を形成した。
正孔阻止層から封止までは実施例1と同様にして有機電界発光阻止を作成した。
(素子評価)
この素子が1000cd/m2で発光するときの電圧は11.6V、電流発光効率は11.2cd/Aであり、1辺2mmの正方形の発光領域がムラなく均一に発光すること
を確認した。
結果を表2に纏めた。
[比較例3]
実施例2において、極性有機溶媒洗浄工程を実施しなかった以外は、実施例2と同様にして素子を作製した。
この素子が1000cd/m2で発光するときの電圧は11.6V、電流発光効率は14.2cd/Aであり、1辺2mmの正方形の発光領域がムラなく均一に発光することを確認した。
また、この素子に電流密度30mA/cm2で連続通電して耐久性試験を行ったところ、素子の輝度が半減するまでの時間は10時間であった。
[実施の説明2]
次に、レジスト処理において現像工程と加熱工程の間に極性有機溶媒洗浄を行なった。
[実施例3]
実施例2において、フォトレジストの塗布工程・プリベーク工程と、現像工程の間に、次に記す露光工程を実施した以外は実施例2と同様にし、第一の有機層である正孔輸送層上に下記形状のバンクを形成し、バンク開口領域内の第一の有機層上に第二の有機層である発光層を形成した素子を作成し評価した。
露光装置は、露光装置UX−1000SM−ACS01(ウシオ電機製)を用いた。
フォトマスクは、縦開口幅30μm、横開口幅50μm、パターンピッチは縦横とも300μmで格子状に遮光部を有するマスク、すなわち、縦マスク幅270μm、横マスク幅250μmのパターンが縦横とも300μmピッチで複数並んでいるパターンを用いた。基板とフォトマスクのギャップは100μmとした。
露光条件は120mJ/cm2(@365nm)とした。
現像工程および加熱工程は実施例2と同様にしておこなった。これにより、バンク形成用組成物にて形成したバンクは、開口部が縦270μm、横250μmの長方形、縦のバンク幅が30μm、横のバンク幅が50μmであり、縦横に300μmピッチで並んでいる形状であった。
この素子に通電し、バンク開口部が発光することを確認した。
また、この素子に電流密度30mA/cm2で連続通電して耐久性試験を行ったところ、素子の輝度が半減するまでの時間は160時間であった。
(残渣観察)
バンク形成用組成物(C2)が現像工程、極性溶媒洗浄工程で除去され、加熱工程を経た正孔輸送層表面を、三次元非接触表面形状計測システムMicromap(菱化システム社製)を用いて観察を行った。観察条件は、対物レンズ50倍、Phaseモードで行ったところ、表面は平滑で残渣は確認されなかった。また上記三次元非接触表面形状計測システムで、Ra(算術平均粗さ)と最大高さ(高低差の最大値)を測定したところ、Ra=0.39nm、最大高さ=3.93nmであった。
[比較例4]
実施例3において、極性有機溶媒洗浄工程を実施しなかった以外は、実施例3と同様にしてバンクを形成した。正孔輸送層上にバンクを形成した基板に、発光層形成用組成物(D1)を用いてスピンコート法にて発光層を形成しようとしたところ、発光層形成用組成物(D1)がはじかれてバンク内に塗布成膜出来なかった。
バンク形成用組成物(C2)が現像工程、極性溶媒洗浄工程で除去され、加熱工程を経た正孔輸送層表面を実施例4と同様に観察したところ、表面に残渣が確認され、Ra=1.33nm、最大高さ=12.34nmであった。
この結果より、極性有機溶媒洗浄工程を行わなかったために、バンクで区画された領域内に撥液性を有するレジスト残渣が残っており、そのため発光層形成用組成物がはじかれて塗布できなかったと考えられる。
[実施例4]
正孔輸送層として、下記の手順で調製した正孔輸送層形成用組成物(B2)を用い、発光層として、下記の手順で調製した発光層形成用組成物(D2)を用いた以外は、実施例
3と同様にして素子を作製した。
下記式(xi)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量95000)0.4重量%を、溶媒としてトルエンに溶解し、正孔輸送層用組成物を調製した。トルエンは市販の脱水トルエンを用い、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で正孔輸送層形成用組成物(B2)を調製した。
下記式(xiv)で表される化合物を10重量部、
下記式(xv)で表される化合物を1重量部を、
市販の脱水トルエン1470重量部に溶解させ、0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、発光層形成用組成物(D2)を調製した。発光層形成用組成物(D2)は、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で行った。
この素子に通電し、バンク開口部が発光することを確認した。
また、この素子を、初期輝度2000cd/m2として、連続定電流通電して耐久性試験を行ったところ、素子の輝度が半減するまでの時間は150時間であった。
[比較例5]
実施例4において、極性有機溶媒洗浄工程を実施しなかった以外は、実施例4と同様にしてバンクを形成した。正孔輸送層上にバンクを形成した基板に、発光層形成用組成物(D2)を用いてスピンコート法にて発光層を形成しようとしたところ、発光層形成用組成物(D2)がはじかれてバンク内に塗布成膜出来なかった。
[実施の説明3]
次に、レジスト処理において、現像工程では極性有機溶媒を含有する現像液を用い、現像工程と加熱工程の間で極性有機溶媒洗浄は行わなかった。
[実施例5]
(ガラス基板の調製)
まず、ガラス基板上を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
次に、正孔注入層と正孔輸送層を実施例1と同様に、この順番で先のガラス基板上に形成した。
(バンク形成用組成物の調製)
次に、バンク形成用組成物溶液(C3)の調製を行った。
バインダー樹脂:前記式(iv)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子量4000)48重量部、
エチレン性不飽和化合物:前記式(v)の構造を有する化合物48重量部、
光重合開始剤:前記式(vi)の構造を有する化合物を3重量部、
光重合開始剤:前記式(vii)の構造を有する化合物1.5重量部、
界面活性剤:メガファックF475(大日本インキ化学工業社製)0.1重量部を
溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度37重量%のバンク形成用組成物(C3)を調製した。
次に、紫外光をカットしたイエロールームにて、正孔注入層および正孔輸送層がこの順に積層成膜された基板に、以下の手順にてバンク形成用組成物(C3)にて正孔輸送層表面をレジスト処理した。
(塗布工程・プリベーク工程)
まず、スピンコート法にてバンク形成用組成物(C3)を塗布した。スピンコートは気温23℃、相対湿度50%の大気中で行なった。スピン条件は、300rpmで2秒間回転させた後連続して700rpmで3秒間回転させた。塗布後、ホットプレート上で80℃60秒間加熱乾燥した。
次に、現像液として、アルカリ性化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を2.38wt%、極性有機溶媒としてエタノールを5wt%溶解させた水溶液を用いた。この現像液に120秒間浸漬した。その後、リンス処理として純水による水洗を10秒間行い、窒素ブローして乾燥させた。これにより、バンク形成用組成物を用いて形成された層を全面除去した。
最後に、上記現像工程を経た基板をホットプレート上で230℃、30分間加熱をおこなって、観察用サンプルを作製した。
(残渣観察)
次に、バンク形成用組成物処理された正孔輸送層表面を、実施例4同様に観察を行ったところ、表面は平滑で残渣は確認されなかった。また、Ra=0.42nm、最大高さ=8.84nmであった。
結果を表5に示す。
[比較例6]
現像液として、TMAHを2.38%溶解させた水溶液を用いた以外は、実施例5と同様にして観察用サンプルを作製した。
実施例5と同様にして、バンク形成用組成物処理された正孔輸送層表面を、三次元非接触表面形状計測システムMicromap(菱化システム社製)を用いて観測した。表面には残渣が島状に多数確認された。また、Ra=5.04nm、P−V=38.72nmであった。
[実施の説明4]
次に、レジスト処理において、現像工程で極性有機溶媒を含有する現像液を用い、素子作製評価を行った。
また、実施例6および7のレジスト処理においては、現像工程と加熱工程の間で極性有機溶媒洗浄を行った。
(陽極の形成)
陽極の形成は、実施例1と同様にして形成した。
(正孔注入層の形成)
次に、正孔注入層形成用組成物の調製を行った。下記式(xix)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量60000)2重量%と、前記式(ii)であらわされる化合物0.4重量%を、溶媒として安息香酸エチルに溶解し、固形分濃度2.4重量%の正孔注入層形成用組成物(A2)を調製した。
次に、正孔輸送層形成用組成物の調製を行った。前記式(xi)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量95000)1.4重量%を、溶媒としてシクロヘキシルベンゼンに溶解し、正孔輸送層用組成物を調製した。シクロヘキシルベンゼンは市販品にモレキュラーシーブを入れて脱水し、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で正孔輸送層形成用組成物を調製した。
正孔輸送層形成用組成物調製、スピンコート、ベークすべて、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で大気暴露させずに行った。
異なる2種のバンク形成用組成物を用いて、2層のバンクを形成した。
(バンク形成用組成物(C4)の調製)
バンク形成用組成物溶液(C4)の調製を行った。
ポリビニルピロリドン樹脂K−30(日本触媒社製)を75重量部、
ポリビニルピロリドン樹脂K−90(日本触媒社製)を25重量部、
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤BYK−330(ビックケミー社製、固形分濃度51%、メトキシプロピルアセテート)を0.2重量部を、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、2−メトキシブタノール(MB)の8:2混合溶媒に溶解し、
固形分濃度0.5重量%のバンク形成用組成物C4)を調製した。
まず、次のようにして、下記式(xxi)で表されるアルカリ可溶性樹脂を合成した。
プロピレングリコールモノメチルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン20重量部、グリシジルメタクリレート57重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)82重量部を滴下し、さらに140℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器を空気置換し、アクリル酸27重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52重量部と、トリエチルアミン0.7重量部を加え、120℃で3.5時間反応させ、アルカリ可溶性樹脂(xxi)を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(xxi)の重量平均分子量は8000であった。
まず、バインダー樹脂:アルカリ可溶性樹脂(xxi)を48重量部、
エチレン性不飽和化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製)を24重量部、
エチレン性不飽和化合物:前記式(xii)で表される化合物24重量部、
エチレン性不飽和化合物:下記式(xxii)で表される化合物を5重量部、
光重合開始剤:イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製)を1.5重量部、
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤:BYK−330(ビックケミー社製)を0.2重量部、
撥液剤:メガファックRS−102(大日本インキ化学工業社製)を1.63重量部を、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度25重量%のバンク形成用組成物溶液(C5)を調製した。
次に、紫外光をカットしたイエロールームにて、正孔注入層および正孔輸送層がこの順に積層成膜された基板に、まず、バンク形成用組成物(C4)を、スピンコート法にて塗布した。スピンコートは気温23℃、相対湿度50%の大気中で行なった。スピン条件は、300rpmで2秒間回転させた後、連続して500rpmで30秒間回転させた。塗布後、ホットプレート上で80℃60秒間加熱乾燥した。
このようにして、正孔輸送層上にバンク形成用組成物(C4)とバンク形成用組成物(C5)を積層成膜した。
次に、アルカリ性化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を0.48wt%、ノニオン系界面活性剤としてエマルゲンA−60(花王社製)を0.4wt%、極性有機溶媒としてエタノールを2wt%溶解させた水溶液を、現像液として用いた。
(極性有機溶媒洗浄工程)
続いて、極性有機溶媒としてエタノールを用いて、液温23℃、液圧0.1MPaにて5秒間噴射して洗浄をおこなった。その後、リンス処理として液温23℃、液圧0.1MPaにて純水を30秒間噴射をおこない、窒素ブローにて乾燥させた。
最後に、上記局西友気宇溶媒洗浄工程を経た基板を窒素グローブボックスに入れ、窒素グローブボックス中のホットプレート上で230℃30分間加熱して、正孔輸送層表面をバンク形成用組成物で処理した。
窒素グローブボックスは、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmであった。
次に、発光層を塗布成膜するための発光層形成用組成物を調製した。
(発光層形成用組成物の調製)
前記式xivで表される化合物を100重量部、
前記式xvで表される化合物を10重量部を、
シクロヘキシルベンゼンに溶解させ、0.2μmのPTFEフィルターでろ過して3.1wt%の発光層形成用組成物(D3)を調製した。
(発光層成膜)
バンク形成用組成物を処理した正孔輸送層上に、発光層形成用組成物(D3)を用いてスピンコート法にて発光層を形成した。スピンコートは、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で行い、スピン回転数は1200rpm、スピン時間は30秒とした。塗布後、ホットプレート上で130℃1分間プレ乾燥した後、次いで、ホットプレート上で130℃1時間真空加熱して乾燥し、膜厚49nmの発光層を形成した。
れぞれ個別に、ヒーター線を巻いた坩堝に入れて配置しておいた。
(正孔緩和層の形成)
まず、下記式(xxiii)で表される化合物を入れた坩堝をヒーター線で通電加熱し、発光層の上に蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度は1.0×10−5Pa、蒸着速度1.0Å/sとし、正孔緩和層を膜厚10nmで形成した。
次に、Alq3を入れた坩堝をヒーター線で通電加熱し、第1の発光層の上に蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度は1.0×10−5Pa、蒸着速度1.0Å/sとし、電子輸送層を膜厚30nmで形成した。
次に、基板を大気暴露させずに別の真空チャンバーに設置し、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極のITOストライプとは直交するように配置した。チャンバー内の真空度は1×10−5Paであった。陰極として、先ず、フッ化リチウム(LiF)を入れたモリブデン製ボートを通電加熱し、電子輸送層の上に蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度は1.0×10−5Pa、蒸着速度0.05Å/sとし、膜厚0.5nmで成膜した。最後に、アルミニウムを入れたモリブデン製ボートを通電加熱して陰極を蒸着した。蒸着条件は、蒸着時の真空度は5.0×10−5Pa、蒸着速度3.0Å/sとし、膜厚80nm成膜した。
次に、基板を大気暴露させずに窒素置換されたグローブボックスに移した。窒素置換されたグローブボックス中では封止ガラス板の凹部に吸湿剤シートを貼り付け、封止ガラス板の凹部の周囲にUV硬化樹脂塗をディスペンサーにて塗布し、蒸着を行なった基板の蒸着部を封止ガラス板で密封するように密着させ、UVランプにてUV光を照射してUV硬化樹脂を硬化させた。
(素子発光確認)
この素子に通電したところ、均一な青色発光が得られた。この素子を1000cd/m2で発光するときの電圧は7.4V、電流発光効率は5.0cd/Aであった。また、この素子の寿命試験を、初期輝度2000cd/m2で定電流連続通電して実施したところ、輝度が半減するまでの時間は500時間であった。
以下、実施例7、8および、比較例7では、実際にバンクを有する有機電界発光素子を作製し、評価した。
[実施例7]
(陽極の形成〜フォトレジストの塗布・プリベーク)
陽極の形成〜フォトレジストの塗布・プリベーク工程までは、実施例6と同様にした。
次に、露光を行なった。露光装置は、実施例3で使用したものと同じ装置を用いた。
フォトマスクは、縦横とも開口幅30μm、パターンピッチは縦横とも100μmで格子状に遮光部を有するマスク、すなわち、縦横のマスク幅70μm、バンク幅30μmで複数並んでいるパターンを用いた。基板とフォトマスクのギャップは100μmとした。露光条件は1200mJ/cm2(@365nm)とした。
現像工程および加熱工程は実施例6と同様にしておこなった。これにより、バンク形成用組成物にて形成したバンクは、開口部が1辺70μmの正方形、バンク幅が30μmで
、縦横に100μmピッチで並んでいるメッシュ状の形状であった。
(発光層の形成)
次に、バンクで区画された領域内に発光層を湿式成膜するための発光層形成用組成物を調製した。
前記式xviで表される化合物を50重量部、
前記式xviiで表される化合物を50重量部、
前記式xviiiで表される化合物を5重量部を、
シクロヘキシルベンゼンに溶解させて0.5wt%の溶液とし、0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、発光層形成用組成物(D4)を調製した。
正孔輸送層上にバンクを形成した基板に、発光層形成用組成物(D4)を用いてインクジェット装置にて発光層を形成した。インクジェットは、25ノズルを同時に使用して、25×50の開口領域に、1開口領域あたり25plのインクを吐出して発光層を塗布した。
(正孔緩和層〜陰極)
次いで、基板を一度大気中に取り出し、蒸着装置にセットして、実施例6と同様にして、正孔緩和層、電子輸送層、陰極を形成後、封止して有機電界発光素子を作製した。
この素子に通電し、バンク開口部が緑色発光することを確認した。
結果を表6に纏めた。
(陽極の形成、正孔注入層の形成)
陽極の形成〜正孔輸送層の形成までは、実施例6と同様にして形成した。
次に、バンク形成用組成物溶液(C6)の調製を行った。
まず、バインダー樹脂:アルカリ可溶性樹脂(xxi)を48重量部、
エチレン性不飽和化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製)を24重量部、
エチレン性不飽和化合物:前記式(xii)で表される化合物24重量部、
エチレン性不飽和化合物:下記式(xxii)で表される化合物を5重量部、
光重合開始剤:イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ社製)を1.5重量部、
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤:BYK−330(ビックケミー社製)を0.2重量部、
撥液剤:メガファックRS−102(大日本インキ化学工業社製)を0.65重量部を、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度25重量%のバンク形成用組成物溶液(C6)を調製した。
次に、実施例6において、バンク形成用組成物(C5)のかわりにバンク形成用組成物(C6)を用い、実施例6と同様にして、正孔輸送層上にバンク形成用組成物(C4)とバンク形成用組成物(C6)を積層成膜した。
(露光工程)
次に、露光を行なった。露光装置は、実施例3で使用したものと同じ装置を用いた。
フォトマスクは、縦横とも開口幅30μm、パターンピッチは縦横とも400μmで格子状に遮光部を有するマスク、すなわち、縦横のマスク幅370μm、バンク幅30μmで複数並んでいるパターンを用いた。基板とフォトマスクのギャップは100μmとした。露光条件は400mJ/cm2(@365nm)とした。
次に現像を行った。現像は、アルカリ性化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を0.48wt%、極性有機溶媒としてエタノールを10wt%を純水に溶解させた現像液に30秒間浸漬して行ない、その後、純水による水洗を10秒間行い、窒素ブローして乾燥させた。
最後に、現像後の基板をクリーンオーブンに入れ、230℃30分間加熱した。これにより、開口部が1辺370μmの正方形、幅が30μm、高さが1.2μmで、縦横に4
00μmピッチで並んでいるメッシュ形状のバンクを形成した。
(発光層の形成)
次に、発光層を塗布成膜するための発光層形成用組成物を調製した。
前記式(xvi)で表される化合物を25重量部、下記式(xxv)で表される化合物を75重量部、下記式(xxvi)で表される化合物を5重量部を、市販の脱水グレードのキシレン3370重量部に溶解させ、0.2μmのPTFEフィルターで不溶分をろ過して発光層形成用組成物(D5)を調製した。
バンクを形成した正孔輸送層上に、発光層形成用組成物(D5)を用いてスピンコート法にて発光層を形成した。スピンコートは、酸素濃度1.0ppm、水分濃度1.0ppmの窒素グローブボックス中で行い、スピン回転数は1500rpm、スピン時間は30秒とした。次いで、ホットプレート上で130℃1時間真空加熱して乾燥し、膜厚60nmの発光層を形成した。
次いで、実施例6と同様にして、正孔緩和層、電子輸送層、陰極を形成後、封止して有機電界発光素子を作製した。
(素子発光観察)
この素子に通電したところ、2mm×2mm□内で、均一に全てのバンク開口部から緑色発光することを確認した。
[比較例7]
実施例8において、現像工程において、アルカリ性化合物としてテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド(TMAH)を0.48wt%純水に溶解させた現像液を用いた以外は実施例8と同様にして素子を作成した。
この素子に通電したところ、2mm×2mm□内の複数のバンク開口部において、明るく発光している開口部と暗く発光している開口部があり、不均一に緑色発光した。
このことより、残渣が多いバンク開口部があったり、残渣が多いために発光層膜厚にムラができていると考えられる。
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 バンク
6 発光層
7 陰極
8 電子注入層
9 電子輸送層
10a〜10d 有機電界発光素子
11 電子阻止層
Claims (7)
- 第一の電極、および該第一の電極と対向するように形成された第二の電極を有し、該第一の電極および第二の電極の間に、正孔注入層または正孔輸送層である第一の有機層、該第一の有機層上にパターン状に形成されたバンクと、該バンクにより区画された領域内に形成された発光層である第二の有機層とを有する有機電界発光素子の製造方法において、該バンクを形成するための組成物がフォトレジストであり、該バンクを形成する工程中に現像工程と加熱工程を有し、該現像工程と該加熱工程の間に、極性有機溶媒で洗浄する工程を有することを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法。
- 前記極性有機溶媒が、分子内に酸素原子を含む化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- バンクを形成した後の、バンクによって区画された領域の第一の有機層表面のRa(算術平均粗さ)が、1.0nm以下および/または最大高さ(高低差の最大値)が10nm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 第一の有機層および/または第二の有機層が、湿式成膜法で形成されることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の有機電界発光素子の製造方法。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする、有機電界発光素子。
- 請求項5に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機ELディスプレイ。
- 請求項6に記載の有機電界発光素子を含むことを特徴とする、有機EL照明。
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