JPWO2013035143A1 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法 Download PDF

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【課題】有機エレクトロルミネッセンスパネル製造中の仕上がり有機層の乾燥ムラ発生を抑制でき、製造歩留まりを向上させ得る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、基板上に配置されかつバンクにて区切られた複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の各々が対向する1対の第1電極および第2電極の間に積層された複数の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法であって、主面に電極パターンを有する基板の表面を少なくとも1層の有機層で被覆する有機層形成ステップと、バンクパターン材料を含有するバンク塗布液を、有機層上に液滴吐出ノズルにより液滴として吐出し乾燥することによりバンクパターンを形成するバンク形成ステップと、を含む。【選択図】 図6

Description

本発明は、基板上に配置されかつバンクにて区切られた複数の有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を備えた有機ELパネルの製造方法に関する。
複数の有機EL素子を利用した有機ELディスプレイパネルなどの有機ELパネルが広く知られている。有機EL素子の各々は陽極と陰極の間に電荷輸送性を有する有機化合物からなる複数の有機層(電荷輸送層)を備え、その有機層の内に少なくとも1層の発光層を含む素子である。発光層内で正孔と電子とが再結合確率を増やすようにして、生成した励起子によって発光する。
有機ELパネルの製造方法では、より低コスト化された生産方法の確立およびメンテナンス性の向上のために、湿式塗布により膜形成を実施する採用が増えてきている。また、有機ELディスプレイの他に、複数の有機EL素子のアレイを利用した有機ELパネルの有機EL照明や、有機層を用いる有機TFTや有機太陽電池の分野でも、ガラスなど透明基板にレジスト液などの塗布液を塗布して乾燥し、フォトリソグラフィなどにより所望のパターンの形成を行う塗布プロセスを用いることが増えてきている。有機層のための有機塗布液の湿式の塗布方式としては、たとえばスピン法、ディップ法、ロール法、インクジェット法などの方式がある。
塗布型の有機ELパネルの製造方法では、インクジェット法を用いて基板上にて有機EL素子ごとの発光層や有機層を塗り分けるため、有機EL素子ごとに区切るバンクを形成するプロセスが採用されている場合が多い。たとえば、バンクをフォトリソグラフィ技術や印刷技術により形成することが広く提案されている(特許文献1〜12参照)。
特開2010-56012号公報 特開2010-33971公報 特開2010-33972号公報 特開2009-187957号公報 特開2004-111166号公報 特開2000-323276号公報 特開2006-171365号公報 特開2004-234901号公報 特開2004-235128号公報 特開2010-73598号公報 特開2010-103105号公報 特開2007-242272号公報
従来の一般的な塗布型有機ELパネルの作製プロセスにおいては、図1に示すように、ITOなどの陽極2およびバスラインBUが形成されたガラスなどの基板1上に、フォトリソグラフィ工程によって絶縁性のバンクBKを形成して、バンクBKによって画定された開口部内に、正孔注入層や発光層などを構成する各種の電荷輸送性有機化合物を含む塗布液を、塗布し、乾燥後に焼成によりそれぞれの機能を果たす有機層を順次成膜し、成膜後、蒸着などにより陰極金属膜9を成膜し、その後、封止工程を経て有機ELパネルを得ている。
従来のフォトリソグラフィプロセスでバンクをする塗布型有機ELパネルの作製プロセスにおいては、たとえば基板上の陽極上に、電荷輸送層たとえば正孔注入層の材料をその厚さが均一な薄膜として正孔注入層を形成した後、バンクを形成する。バンクは、たとえばアルカリ現像タイプの含フッ素感光性樹脂溶液を正孔注入層上に所定膜厚で塗布し、溶剤を乾燥させた後、バンクが形成される部分のみにフォトマスクを介して露光し、アルカリ現像液を用いて現像することで、形成される。
しかしながら、電荷輸送層上にフォトリソグラフィプロセスでバンクを形成すると、電荷輸送層の発光層との界面がフォトリソグラフィプロセスにて侵されるために、素子性能が劣化する問題がある。さらに、下地の濡れ性、凹凸に敏感なパターニング法であるインクジェット法により基板の陽極上にバンクを形成すると、バンクを形成したい領域には有機ELパネル基板下地にはSiO、ITO、バスラインが混在して形成されているので、表面の凹凸、濡れ性が異なり、インクジェット法で良好な有機層パターンを形成することは非常に困難である、など有機層の仕上がりの乾燥ムラ発生を充分抑制できないという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、有機ELパネル製造中の仕上がり有機層の乾燥ムラ発生を抑制でき、製造歩留まりを向上させ得る有機ELパネルの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の有機ELパネルの製造方法は、基板上に配置されかつバンクにて区切られた複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の各々が対向する1対の第1電極および第2電極の間に積層された複数の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法であって、
主面に電極パターンを有する基板の表面を少なくとも1層の有機層で被覆する有機層形成ステップと、
バンクパターン材料の固形分を含有するバンク塗布液を、前記有機層上に液滴吐出ノズルにより液滴として吐出し乾燥することによりバンクパターンを形成するバンク形成ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電荷輸送層上にフォトリソグラフィプロセスに代えてインクジェット法によりバンクを形成するので、電荷輸送層の発光層との界面が清浄となり、電荷輸送層が基板上の陽極やバスラインを覆い平坦化するので、有機ELパネルの仕上がり有機層の乾燥ムラ発生を充分抑制でき、製造歩留まりを向上させることができる。
有機ELパネルの積層構造を示す概略断面図である。 有機ELパネルにおける有機EL素子の積層構造を示す概略構成図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の有機ELパネルの製造方法を説明するための基板を示す概略断面図である。 本発明による実施形態に用いたバンク用の塗布液の固形分濃度と塗布液膜の膜厚と関係を示すグラフである。
以下、本発明による実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[有機EL素子]
本実施形態による有機ELパネルの各有機EL素子の一例としては、図2に示すように、ガラスなどの透明基板1上にて、順に、透明な陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6、電子輸送層7、電子注入層8および金属からなる陰極9が積層されて得られるものが挙げられる。正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6、および電子輸送層7は有機層である。すなわち、有機EL素子において、対向する1対の陽極および陰極の間に積層配置された複数の有機層が正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層を包含する。これら有機層などの構成要素について後述する。
図2に示す陽極2/正孔注入層3/正孔輸送層4/発光層5/正孔阻止層6/電子輸送層7/電子注入層8/陰極9/の構成の他に、図示しないが、陽極2/正孔注入層3/発光層5/電子輸送層7/電子注入層8/陰極9/の正孔輸送層4、正孔阻止層6を省いた構成や、図示しないが、陽極2/正孔輸送層4/発光層5/電子輸送層7/電子注入層8/陰極9/の正孔注入層3、正孔阻止層6を省いた構成や、図示しないが、陽極2/発光層5/電子輸送層7/電子注入層8/陰極9/の正孔注入層3、正孔輸送層4、正孔阻止層6を省いた構成も本発明に含まれる。また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。いずれにしても、これら積層構成に限定されることなく、少なくとも発光層を含み、或いは兼用できる電荷輸送層を含む構成は本発明に含まれる。
[基板]
基板1としては、石英やガラスの板、金属板や金属箔、曲げられる樹脂基板、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機EL素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜などを設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[陽極および陰極]
発光層までの層に正孔を供給する陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金などの金属、インジウムおよび/またはスズ、亜鉛の酸化物(ITOやIZO)などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などにより構成される。
陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる。
陽極は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが好ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極の厚みは任意であり、陽極は基板1と一体化されたものであってもよい。また、さらには、異なる導電材料が積層されたものであってもよい。
陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ表面処理したりすることは好ましい。
発光層までの層に電子を供給する陰極9の材料としては、陽極に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、たとえば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀などの適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金などの低仕事関数合金電極が挙げられる。
なお、陰極9の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。陰極の膜厚は、通常、陽極と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、たとえば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金などの金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
さらに、陽極および陰極は、発光の取り出し側となる場合は、透明または半透明となるように材料、膜厚を選択する。特に陽極および陰極のうちどちらか、もしくはその両方が、有機発光材料から得られる発光波長において少なくとも10%以上の透過率を持つ材料を選択することが好ましい。これら電極は、必要に応じてパターニングしても良い。
[有機層]
(正孔注入層)
正孔注入層3は、電子受容性化合物を含有する層とすることが好ましい。正孔注入層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。正孔注入層の形成方法はダークスポット低減の観点から湿式成膜法により形成することが好ましい。
湿式成膜法により正孔注入層を形成する場合、通常は、正孔注入層を構成する材料に適切な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、陽極上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層を形成する。乾燥は真空乾燥であることが好ましい。真空乾燥とは有機層を塗布した基板を密閉容器に入れ、乾燥の条件である蒸気分圧差を人工的に大きくするために真空ポンプで減圧排気する方法である。たとえば温風乾燥と比較すると真空乾燥の方が短時間で乾燥できるので好ましい。真空乾燥では固形分の狭い間隙まで強制的に減圧されるので、間隙内の溶剤がより早く蒸発し、層内部まで均一な乾燥を実現できる。
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層の構成材料として正孔輸送性化合物および溶剤を含有する。溶剤としては、限定されるものではないが、たとえば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、たとえば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などの脂肪族エーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソールなどの芳香族エーテル、などが挙げられる。
エステル系溶剤としては、たとえば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチルなどの芳香族エステル、などが挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イロプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレンなどが挙げられる。
アミド系溶剤としては、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、などが挙げられる。その他、ジメチルスルホキシド、なども用いることができる。これらの溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。
正孔輸送性化合物は、通常、有機EL素子の正孔注入層に使用される、正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、低分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極から正孔注入層への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン銅(CuPc)に代表されるフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボンなどが挙げられる。
尚、ここで誘導体とは、たとえば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのものおよび芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であっても、単量体であってもよい。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種または2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種または2種以上とを併用することもできる。非晶質性、可視光の透過率の点から、正孔注入層には芳香族アミン化合物が好ましく、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。具体的には、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のものが挙げられる。
また、正孔輸送性化合物としては、ポリチオフェンの誘導体である3,4−エチレンジオキシチオフェンを高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマー(PEDOT/PSS)もまた好ましい。また、このポリマーの末端をメタクリレートなどでキャップしたものであってもよい。
正孔注入層形成用組成物中の、正孔輸送性化合物の濃度は、膜厚の均一性の点で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると成膜された正孔注入層に欠陥が生じる可能性がある。
正孔注入層形成用組成物は、さらに電子受容性化合物を含有することが好ましく、また、正孔輸送性化合物や電子受容性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させてもよい。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層4の材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、たとえば、前述の正孔注入層に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、スピロ誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。また、たとえば、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアリールアミン誘導体、ポリビニルトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアリーレン誘導体、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン誘導体、ポリアリーレンビニレン誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体などが挙げられる。これらは、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体またはグラフト共重合体のいずれであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子や、所謂デンドリマーであってもよい。
正孔輸送層4の材料としては、特開2008-98619号公報に記載のポリアリーレン誘導体の具体例などが挙げられる。
湿式成膜法で正孔輸送層を形成する場合は、正孔注入層の形成と同様にして、正孔輸送層形成用組成物を調製した後、湿式成膜後、加熱乾燥させる。
正孔輸送層形成用組成物には、正孔輸送性化合物の他、溶剤を含有する。用いる溶剤は正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。また、成膜条件、加熱乾燥条件なども正孔注入層の形成の場合と同様である。
正孔輸送層は、正孔輸送性化合物の他、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを含有していてもよい。
正孔輸送層の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
正孔輸送層の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよいが、ダークスポット低減の観点から湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、アミン系架橋性化合物を架橋して得られたポリマーを含有する層であってもよい。
(発光層)
発光層5は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光材料をドーパント材料として使用し、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物などをホスト材料として使用してもよい。発光材料については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。なお、インクジェット法などの湿式成膜法で発光層を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。たとえば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。また、青色は蛍光発光材料を用い、緑色や赤色は燐光発光材料を用いるなど、組み合わせて用いてもよい。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることが好ましい。
青色発光を与える蛍光発光材料(青色蛍光色素)としては、たとえば、ナフタレン、ペリレン、ピレン、クリセン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼンおよびそれらの誘導体などが挙げられる。
緑色発光を与える蛍光発光材料(緑色蛍光色素)としては、たとえば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、Alq3(tris (8-hydroxy-quinoline) aluminum) などのアルミニウム錯体などが挙げられる。
黄色発光を与える蛍光発光材料(黄色蛍光色素)としては、たとえば、ルブレン、ペリミドン誘導体などが挙げられる。
赤色発光を与える蛍光発光材料(赤色蛍光色素)としては、たとえば、DCM(4-(dicyanomethylene)-2-methyl-6-(p-dimethylaminostyryl)-4H-pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテンなどが挙げられる。
燐光発光材料としては、たとえば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などが挙げられる。錯体の配位子としては、(ヘテロ)アリールピリジン配位子、(ヘテロ)アリールピラゾール配位子などの(ヘテロ)アリール基とピリジン、ピラゾール、フェナントロリンなどが連結した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。ここで、(ヘテロ)アリールとは、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
燐光発光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリンなどが挙げられる。
発光材料として用いる化合物の分子量は、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。発光材料の分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、或いはマイグレーションなどによる有機EL素子のモルフォロジー変化を来したりする場合がある。一方、発光材料の分子量が大き過ぎると、有機化合物の精製が困難となってしまったり、溶剤に溶解させる際に時間を要したりする傾向がある。
なお、発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。発光層における発光材料の割合は、通常0.05重量%以上、通常35重量%以下の範囲である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。発光層における含有量が最も多い成分をホスト材料とより少ない成分をゲスト材料と呼ぶ。よって、発光層塗布液には、発光層層となるべき少なくとも2種類の固形分(ホスト材料とゲスト材料)が溶質として溶媒に分散又は溶解されて、調製され得る。
発光層には、その構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の正孔注入層3における正孔輸送性化合物として例示した各種の化合物のほか、たとえば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)に代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミンなどのスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence, 1997, Vol.72-74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications, 1996, pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレンなどのスピロ化合物(Synthetic Metals, 1997, Vol.91, pp.209)などが挙げられる。
なお、発光層において、正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層における正孔輸送性化合物の割合は、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下の範囲である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層には、その構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)などが挙げられる。なお、発光層において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
発光層における電子輸送性化合物の割合は、通常0.1重量%以上、通常65重量%以下の範囲である。電子輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の電子輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
発光層を湿式成膜法で形成するための発光層形成用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。発光層用溶剤の好適な例は、正孔注入層形成用組成物に用いたものと同様である。
発光層を形成するための発光層形成用組成物に対する発光層用溶剤の比率は、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下、である。なお、発光層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
また、発光層形成用組成物中の発光材料、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物などの固形分濃度としては、通常0.01重量%以上、通常70重量%以下である。この濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
発光層形成用組成物をインクジェット法などの湿式成膜した後、得られた塗膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、発光層が形成される。発光層は、ダークスポット低減の観点からインクジェット法により形成することが好ましい。
発光層の膜厚は通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
(正孔阻止層)
正孔阻止層6は、発光層の上に、発光層の陰極側の界面に接するように積層される層である。正孔阻止層は、陽極から移動してくる正孔を陰極に到達するのを阻止する役割と、陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、たとえば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(PAlq)や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム(SAlq)などの混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体などの金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体などのスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン(BCP)などのフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。
なお、正孔阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。正孔阻止層の形成方法に制限はないが、ダークスポット低減の観点からインクジェット法などの湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔阻止層の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
(電子輸送層)
電子輸送層7は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極から注入された電子を効率よく発光層の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極9または電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、たとえば、Alq3など8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
なお、電子輸送層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
電子輸送層の形成方法に制限はないが、ダークスポット低減の観点からインクジェット法などの湿式成膜法により形成することが好ましい。
電子輸送層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
(電子注入層)
電子注入層8は、陰極から注入された電子を効率良く発光層へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウムなどのアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属、それらの化合物(CsF、CsCO、LiO、LiF)などが用いられ、その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリンなどの含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウムなどのアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。電子注入層の形成方法に制限はない。従って、湿式成膜法、蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
[有機ELパネルの製造方法]
本実施形態の有機ELパネルの製造方法の一例は、概要を示すと、図3に示すように、順次実行される、第1電極形成ステップ(S1)、複数の有機EL素子で同一の電荷輸送層を形成する第1有機層形成ステップ(S2)、当該電荷輸送層上にて個々の有機EL素子の発光エリアを規定するために絶縁層すなわちバンクパターンをインクジェット法によりパターニングするバンク形成ステップ(S3)、バンク区画ごとに少なくとも1層の有機層を形成する第2有機層形成ステップ(S4)および第2電極形成ステップ(S5)を含む。有機層形成ステップでは有機層毎に塗布と乾燥と焼成を繰り返して、複数の有機層を成膜する。
以下に、有機ELパネルの製造方法を、第1電極形成ステップ(S1)、第1有機層形成ステップ(S2)、バンク形成ステップ(S3)、第2有機層形成ステップ(S4)および第2電極形成ステップ(S5)ごとに説明する。
(第1電極形成ステップ)
図4に示すように、洗浄されたガラスなどの透明基板1を用意して、予定するバンク区画の開口部よりも広い面積を有するITOなどからなる透明な陽極2を所定パターンで形成し、さらに、予定するバンクの下に位置するような陽極2上の一部分にアルミニウムなどの金属からなるバスラインBUを予め所定パターンで形成する。
(第1有機層形成ステップ)
図5に示すように、たとえば、湿式成膜法により正孔注入層3および正孔輸送層4を順次積層して形成する。この場合、正孔注入層および正孔輸送層を構成する材料をそれぞれ適切な溶剤(正孔注入層用溶剤および正孔輸送層用溶剤)と混合して成膜用の組成物の所定有機塗布液(正孔注入層形成用組成物および正孔輸送層用組成物)を調製し、それぞれの塗布液をたとえばスピン法、ディップ法、ロール法などにより、陽極上に塗布して成膜し、真空乾燥し、さらに、真空乾燥した正孔注入層3上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔輸送層4を形成する。また、成膜後の乾燥および焼成方法としては、ホットプレート、クリーンオーブン、IRオーブン、またはコンベクションオーブンを使用して乾燥させる方法が好ましい。このように、第1有機層形成ステップ(S2)では、基板上の陽極やバスラインを覆い平坦化するように、基板1主面とその上の電極パターン上に亘って被覆された少なくとも1層の電荷輸送層を形成する。平坦化するためには、少なくとも電荷輸送層が順に成膜された正孔注入層および正孔輸送層の2層構造として形成されることが好ましい。
(バンク形成ステップ)
図6に示すように、基板1の陽極32のバスラインBUパターン上の電荷輸送層の正孔輸送層4上に、区画をなすバンクBKを、湿式成膜法のインクジェット法により、形成する。すなわち、描画ステップとして、バンクパターン材料の固形分を含有するバンク塗布液を、正孔輸送層4上に液滴吐出ノズルNZにより液滴として吐出して描画した後、真空乾燥し固化して、バンクパターンを形成する。
バンク成膜用のバンク塗布液として、樹脂、撥液剤、添加剤などのバンクを構成する材料(固形分)を適切なバンク用溶剤に混合して有機塗布液を調製する。バンク用溶剤には電荷輸送層の正孔輸送層4に濡れ性がある、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が用いられる。また、バンク塗布液の樹脂はアクリル、エポキシなどが用いられる。撥液性成分(撥液剤)は、フッ素系モノマー、シリコーン系モノマーなどが用いられる。
撥液性成分により、バンク塗布液の正孔輸送層4に対する接触角が20°以上90°未満、より好ましくは20°以上50°未満とすることもできる。バンク塗布液の接触角が20°未満であるとバンク塗布液が濡れ拡がってしまい、バンクの輪郭線が明確に形成できなくなり、バンク塗布液の接触角が90°以上ではバンク塗布液が転がってしまい、バンクが形成できなくなる。バンク塗布液の上限接触角の50°未満であることは、たとえば、溶剤のPGMEAの使用ではバンクの輪郭線が明確に形成できるからである。膜厚安定性が得られるため溶剤PGMEAでは、バンク塗布液の固形分濃度は25重量%以上であることが好ましい。また、溶剤が無くともアクリル樹脂やエポキシ樹脂と撥液性成分などでバンク塗布液とすることもできる(この場合、固形分濃度100重量%である)。
表面の凹凸が少ない平坦化された正孔輸送層4ではバンク用溶剤に対して濡れ性が一様であり、次に成膜される有機層の仕上がりの乾燥ムラの発生を抑制できるので、バンクの形成方法はインクジェット法により形成されることが好ましい。なお、バンクパターン成膜後の乾燥および焼成方法としては、ホットプレート、クリーンオーブン、IRオーブン、またはコンベクションオーブンを使用して乾燥させることができる。
撥液材料を含むバンク塗布液を所定領域にパターニングするために有版印刷も考えられるが、有機層(正孔輸送層4)に対して、一般的な有機物の有版で印刷することは困難である。また凹版印刷は版と有機層が接触するため、有機層汚染は回避できない。よってインクジェット法でバンク材料をパターニングすることが重要である。
さらに、バンクパターンを複数層に分けて各層毎にバンク塗布液の塗布と真空乾燥を繰り返して、多層を成膜してバンクを形成することもできる。
多層成膜を行う場合、バンク塗布液の塗布量は、乾燥膜厚として、バンクパターンの高さが0.01μm〜0.5μmのような膜厚となる合計量である。この際、乾燥膜厚あるいは最終的に形成されたバンクの高さが、基板全域に渡って均一となるようにまんべんなくインクジェット塗布を行う。発光層のメニスカスを低くするためにバンク高さは低いほうが好ましいが、インクジェット法ならば微量の液滴量制御が可能なため、バンク薄膜化も可能となる。
またさらに、多層成膜を行う場合、かかる描画ステップにおいて、電荷輸送層上のバンクパターンの形成予定領域内にてバンク塗布液の液滴を同一位置から重なりつつ変位させて逐次塗布し、バンク塗布液の液滴同士のつなぎ目でバンク塗布液の境界線が曲折することを抑制することができる。これによっても、正確なバンクパターンが形成される。また、描画ステップにおいて、バンク塗布液の液滴における固形分の濃度を、後に塗布するほど濃度を低くして、逐次塗布の各回で形成したバンク塗布液膜の乾燥速度を合わせることができる。これにより、正確なバンクパターンが形成される。
多層成膜の場合、バンクパターンの後半の積層のために、バンク塗布液の撥液性成分(撥液剤)を調節して形成後のバンクの上部に撥液性を持たせることもできる。バンクで区画された領域内に後工程にて形成される有機塗布膜の有機塗布液をはじく性質を有する他の撥液剤を含有させることもできる。
また、インクジェット法による描画ステップの前に、電荷輸送層の正孔輸送層4上のバンクパターンの形成予定領域に対して、選択的に、形成予定領域以外の電荷輸送層よりバンク塗布液との親和性を高める処理を実施する親和処理ステップたとえば形成予定領域以外の電荷輸送層の正孔輸送層4を部分的にマスクで覆い、形成予定領域をプラズマ表面処理またはUV(紫外線)光照射処理を含むことが好ましい。これにより、正確なバンクパターンが形成される。
(第2有機層形成ステップ)
図7に示すように、発光層5はバンク区画領域内に形成され、特にインクジェット法により形成されることが好ましい。この場合、発光層材料を適切な溶剤に溶解させて発光層形成用組成物を調製し、それを用いて成膜することにより形成する。すなわち、バンクパターンの開口部から露出する電荷輸送層の正孔輸送層4上に、インクジェット法により、液滴吐出ノズルNZにより液滴として吐出して供給した後、真空乾燥および固化して、少なくとも1層の発光層5を形成する(発光層形成ステップ)。
次に、図8に示すように、電子輸送層7はバンク区画領域内に形成された発光層5上に、同様にインクジェット法により形成される。
第2有機層形成ステップでは、発光層や正孔阻止層や電子輸送層や電子注入層などの各々の有機層となる所定の固形分と当該固形分を分散させる適切な溶剤とを含有する所定有機塗布液から、上記同様にインクジェット法により、それぞれ、所定塗布液膜を形成した後、かかる塗布液膜を乾燥する乾燥ステップと、乾燥した所定塗布液膜を焼成する焼成ステップと、を経て、有機層毎にこれらステップを繰り返して、複数の有機層を成膜する。すなわち、第2有機層形成ステップでは、有機層材料の固形分を含有する有機層塗布液を、バンクパターンのバンクにて区切られた電荷輸送層上に液滴吐出ノズルにより液滴として吐出して供給した後、真空乾燥および固化して、少なくとも1層の有機層を形成する。
なお、第2有機層形成ステップにおいては、基板上のバンクで区画された電荷輸送層上に有機塗布膜を形成するために、それぞれの有機層の固形分(乾燥後に残る)を溶剤(乾燥後に排気される成分)に溶解または分散させた塗布液をバンク区画領域内に供給する。
この塗布液をバンク区画領域内への供給方法は、凸版印刷法、ディスペンサー法、スリットコート法の他、インクジェット法(液滴吐出法)やノズルプリント法(液流吐出法)といったインク吐出型の塗布法が好ましく、特にインクジェット法が好ましい。
インクジェット法に用いられる塗布液の溶剤としては、高沸点溶剤成分を比較的多く添加することにより、ノズル乾燥、目詰まりを防止することが一般的に知られており、溶剤の選定にはこれらを考慮した上で最適な溶剤を選定することが好ましい。また、特に、インクジェット法の場合、バンク形成ステップでも同様だが、20plの液滴サイズで被塗布面に着滴させたとき、着滴後1分経過後の液滴径が100〜400μmのような溶剤であることが好ましく、さらに好ましくはこの液滴径は150〜300μmである。これにより、膜厚ムラやピンホールの発生を防止することができる。
有機塗布液には、少なくとも2種類の固形分(たとえば、発光層となるべき低分子のホスト材料とゲスト材料)が固形分として分散、混合されていてもよい。第2有機層形成ステップにおける所定塗布液の固形分の濃度が3重量%〜10重量%であることが好ましい。固形分の濃度がこの下限を下回ると溶剤の蒸発量が増え真空乾燥に不都合となり、上限を上回るとノズル乾燥、目詰まりが発生しやすくなる。第2有機層形成ステップにおける所定塗布液の固形分が100以上10000以下の分子量の低分子化合物であることが好ましい。当該低分子化合物の分子量がこの下限を下回ると溶剤の蒸発量が増え真空乾燥に不都合となり、上限を上回るとノズル乾燥、目詰まりが発生しやすくなる。所定塗布液の溶剤の標準沸点が200℃〜300℃であることが好ましい。溶剤の標準沸点がこの下限を下回るとノズル乾燥、目詰まりが発生しやすくなり、上限を上回ると真空乾燥に不都合となる。所定塗布液の溶剤の室温の蒸気圧が1Pa〜70Paであることが好ましい。溶剤の蒸気圧がこの下限および上限を離れると真空乾燥に不都合となる。
バンク区画領域内に塗布液を供給した後は、たとえば、真空チャンバ内で乾燥を行う、真空乾燥法を実行する。
真空乾燥した後は、有機層の焼成は、たとえば、乾燥後の基板を200℃の温度で、30分程度で、ホットプレート、クリーンオーブン、IR炉などを用いて加熱して行うことができる。
次に、図9に示すように、真空蒸着装置(図示せず)の蒸着源ボートに電子注入層材料を装填して蒸着を実行して、装填した基板1上の電子輸送層7上に電子注入層8を形成する。真空蒸着装法によれば電子注入層材料が有機または無機の材料を問わず薄膜として各層が形成される。電子注入層材料が有機材料の場合は、上記同様のインクジェット法などの湿式成膜法により成膜できる。
(第2電極形成ステップ)
図10に示すように、真空蒸着装置(図示せず)の蒸着源ボートに陰極金属材料を装填して蒸着を実行して、装填した基板1上の電子注入層8上に陰極9を形成する。一般に、真空蒸着装置のたとえば半円形ドーム処理室の内面に設けられた基板ホルダーに焼成後の基板を保持し、半円形ドームの中心位置にある蒸着源ボートに予定の有機材料または無機材料を置いて、かかるドームを成膜中にゆっくりと中心回りに回転させて、たとえば成膜開始到達圧力を、10−4Pa程度まで高真空にし、蒸着膜の密着性や膜質を向上させる。また、無機材料の蒸着では成膜温度を高温(300℃〜400℃)にできるが、プラスチック基板などは低温で蒸着を行う。蒸着源の蒸発方法は抵抗蒸着(ボートの電気抵抗加熱により有機材料または無機材料を溶かして蒸発させる)方法や、電子ビーム蒸着(電子銃を用い収束電子ビームをボートの有機材料または無機材料を溶かして蒸発させる)などがある。
本発明を採用することにより第1に、バンクパターンはインクジェット法に必要な部分にだけ形成されるため、有機EL素子がフォトリソグラフィプロセスに侵されることがなく、性能劣化のない、有機EL素子が得られ、第2に、第1の下部の電極上に形成した有機層上にバンクを形成するため、第1電極の凹凸は有機層で平滑化され、電荷輸送層の濡れ性も均一になり、インクジェット法で良好なバンクパターン形成が可能になる。
本実施形態では有機EL素子を説明したが、本発明の有機ELパネルの製造方法は、湿式塗布により膜形成を実施する有機ELディスプレイ、有機EL照明の他に、有機層を用いる有機TFTや有機太陽電池やカラーフィルタの場合でも適用することができることは言うまでもない。
フォトリソグラフィーにより、ガラス基板上に400μm幅で120nm厚のインジウムスズ酸化物(ITO)の透明ストライプの陽極を形成した基板を用意して、有機エレクトロルミネッセンスパネルを作製した。具体的に実験において、前述の実施形態のインクジェットプロセスにより、ガラス基板上に陽極(ITO)/正孔注入層(30nm厚)/正孔輸送層(15〜60nm厚)/発光層(40〜60nm厚)/電子輸送層(Alq3、20nm厚)/陰極(Al、100nm厚)/の膜構成の有機EL素子を作製した。ここで、正孔輸送層上に積層バンクBK(幅60μm)を平行(450μmピッチ)のバンク区画(5cm)を作製し、バンク間の凹部に、発光層のインクジェットによる成膜を施した。
細いノズル管から微小液滴を有機層に噴射させるインクジェット装置のインクジェットヘッド(液滴吐出ノズル)の方式は、粒径の揃った液滴を連続的に生成できるように、断続噴射型(オンデマンド型)とした。ヘッド構造には駆動部の変位が電圧に比例するピエゾ駆動方式を採用し、液滴の大きさをノズル管の口径や圧力(電圧)をかけた時の周波数によって制御した。インクジェット装置の条件は、パルス幅5μ秒、周波数1KHz、印加電圧10Vであった。
バンク成膜用のバンク塗布液として、撥水剤としてフッ素系モノマーを含有するアクリル系樹脂をPGMEA系のバンク用溶剤に混合して有機塗布液を調製した。
なお、バンク塗布液の成膜の前に、正孔輸送層膜に対して、バンク塗布液との親和性を高める処理として、プラズマ表面処理、またはUVオゾン処理を施した。プラズマ処理はバンク塗布液膜の基板をプラズマ表面処理装置に装填して、酸素ガス(500sccm)のプラズマ(電力500W)で30秒の状態で処理を施した。その後、正孔輸送層膜上にそれぞれの固形分濃度のバンク塗布液の同一塗布量で10cm×10cmで成膜して真空乾燥した。また、バンクエッジの直線性を良化するため、逐次塗布を実施した。その際2層目は1層目に対して(塗布ピッチ×1/2)だけ塗布開始位置をスキャン方向にずらして成膜した。
一方、図11にスピンコートにより成膜したバンク塗布液膜の中心からの距離に対するバンク塗布液の膜厚の分布の測定結果を示す。
上記測定結果から明らかなように、バンク塗布液の固形分濃度20重量%の場合は膜周囲(5cm)でバンク膜厚が増加している。これは固形分濃度が低い場合、所望の膜厚に形成するための回転数が遅く、膜厚分布が不均一になったものである。この事はインクジェットの時も同様で、ある条件の下でスピンコートで得られた膜厚分布とインクジェットで成膜した時の膜安定性に相関があるため、図11から固形分濃度が25重量%以上の時に略均一な膜厚のバンク膜が得られることが分かる。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極

Claims (11)

  1. 基板上に配置されかつバンクにて区切られた複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の各々が対向する1対の第1電極および第2電極の間に積層された複数の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法であって、
    主面に電極パターンを有する基板の表面を少なくとも1層の有機層で被覆する有機層形成ステップと、
    バンクパターン材料を含有するバンク塗布液を、前記有機層上の所定領域に液滴吐出ノズルにより液滴として吐出し乾燥することによりバンクパターンを形成するバンク形成ステップと、を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  2. 前記バンクパターン材料は撥液特性を有する固形分であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  3. 前記バンク塗布液の固形分濃度は25重量%以上100重量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  4. 前記乾燥は真空乾燥であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  5. 発光層材料を含有する発光層塗布液を、前記バンクパターンのバンクにて区切られた前記有機層上に液滴吐出ノズルにより液滴として吐出して発光層を形成する発光層形成ステップと、を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  6. 前記バンク形成ステップの前に、前記有機層上の前記所定領域に対して、前記バンク塗布液との親和性を前記所定領域以外の前記有機層より高める処理を施す親和処理ステップを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  7. 前記親和処理ステップはプラズマ表面処理を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  8. 前記親和処理ステップはUV光照射処理を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  9. 前記バンク形成ステップにおいて、前記有機層上の前記バンクパターンの形成予定領域内にて前記バンク塗布液の液滴を同一位置から重なりつつ変位させて逐次塗布し、前記バンク塗布液の液滴同士のつなぎ目で前記バンク塗布液の境界線が曲折することを抑制することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  10. 前記バンク形成ステップにおいて、前記バンク塗布液の液滴における固形分の濃度を、後に塗布するほど濃度を低くして、前記バンク塗布液を塗布することを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  11. 前記有機層形成ステップにおいて前記有機層が順に成膜された正孔注入層および正孔輸送層の2層構造として形成されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
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