JP5540530B2 - C5ラフィネート中のジオレフィン類の除去方法、およびc5ラフィネートをエチレンクラッカーの原料として利用する方法 - Google Patents

C5ラフィネート中のジオレフィン類の除去方法、およびc5ラフィネートをエチレンクラッカーの原料として利用する方法 Download PDF

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本発明は、エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの3成分を抽出蒸留により分離した後に得られる留分(C5ラフィネート)中のジオレフィン類の除去方法に関する。
合成ゴム等の主原料であるイソプレンは、通常、エチレンクラッカーより排出されるC5フラクション中に含まれるイソプレンを抽出蒸留することによって得られる。
C5フラクション中に含まれるイソプレンを抽出蒸留するプロセスにおいては、C5フラクション中のシクロペンタジエンを二量化(ジシクロペンタジエンとなる)した後に、ペンタン、ペンテン類等の軽質分、及びジオレフィン類(ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンを含む)、アセチレン類等の重質分をそれぞれ2つの蒸留塔で除去し、さらに次の抽出蒸留塔でジオレフィン類(1,3−ペンタジエン及びジシクロペンタジエンを含む)及び残りのアセチレン類を除去した後、残留分を蒸留して、塔底より効率よくイソプレンを得ることができる。
この際、抽出残油であるC5ラフィネートが得られるが、該C5ラフィネートをエチレンセンターに返送して、主としてガソリン基材やエチレンクラッカーの原料として利用することができる。また、除去したジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエン等は、樹脂等の原料として利用することができる。
ところで、C5フラクション中の、イソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエン等のそれぞれの濃度は概ね一定しているのに対し、それぞれを原料とする製品の需要はその濃度比率に適合するとは限らない。よってその余剰分をC5ラフィネートに戻す場合がある。そのため、エチレンセンターに返送するC5ラフィネート中のジオレフィン類の濃度は、数十%のレベルで変動することがある。
しかしながら、C5ラフィネートをエチレンクラッカーの原料として利用する場合、C5ラフィネート中にジオレフィン類が多量に含まれていると、エチレンセンターにあるエチレンプラントの精製部に設置されたジエン除去塔内の触媒が著しく劣化し、精製部における水素の消費量が大幅に増大し、エチレンプラントの採算性が悪化する。また、ジオレフィン類の多くは重合性が高く、その重合物が冷却管における汚れの開始物質となりやすく、冷却管内のクリーニングの頻度増大を招く。
よって、濃度数十%のジオレフィン類を含むC5ラフィネートをエチレンクラッカーの原料として利用するためには、先ず、このジオレフィン類をモノオレフィン又は二重結合がなくなるまで水素化する必要がある。
ジオレフィン類を水素化して除去する方法として、特許文献1には、特定の炭化水素留分の選択的水素化方法において、少なくとも一部が液相である前記炭化水素留分及び水素が、粉砕された固体形態の水素化触媒の固定床を含む反応器内を移動し、前記反応器は、導入管、排出管、及び該排出管の上流にスタティックミキサーを備えていることを特徴とする選択的水素化方法が記載されている。
しかしながら、この方法は、微量のジオレフィン類を除去する方法であり、原料中に含まれる除去対象のジオレフィン類の濃度はせいぜい5%以下である。従って、これらの技術では、前記濃度数十%のC5ラフィネート中のジオレフィン類を完全に除去することは困難である。
また、一般的に知られている水素化精製では、高圧を要するため、ジオレフィンのディールスアルダー反応の進行が促進され、水素化が極めて進行しにくくなるおそれがある。
特開平8−92572号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、ジオレフィン類を高濃度で含有するC5ラフィネート中のジオレフィン類を簡便且つ効率よく除去する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジオレフィン類を高い濃度で含有するC5ラフィネートを、気体状態で、分解・水素化することにより、C5ラフィネートからジオレフィン類を効率よく除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンの抽出蒸留による分離操作を行った後に得られる残留分、又は、分離されたイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンのうち、余剰分が前記残留分に混合されたものであって、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有する留分(C5ラフィネート)を、熱分解後、気体状態で水素化することを特徴とする、前記留分(C5ラフィネート)中のジオレフィン類の除去方法、
(2)前記水素化において、担持型の固体金属触媒を使用することを特徴とする上記に記載のジオレフィン類の除去方法、
(3)前記熱分解の際の温度が200〜500℃で、水素化の際の温度が100〜300℃である上記に記載のジオレフィン類の除去方法、及び、
(4)前記C5ラフィネートが、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有するものであり、前記熱分解によりC5ラフィネート中のジシクロペンタジエンを3重量%以下に減少させた後、水素化することを特徴とする上記に記載のジオレフィン類の除去方法、並びに、
(5)エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンの抽出蒸留による分離操作を行った後に得られる残留分、又は、分離されたイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンのうち、余剰分が前記残留分に混合されたものであって、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有する留分(C5ラフィネート)から、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の除去方法によりジオレフィン類を除去して得られたC5ラフィネートを、エチレンクラッカーの原料として利用する方法、が提供される。

本発明によれば、ジオレフィン類を高い濃度で含有するC5ラフィネートから、簡便且つ効率よくジオレフィン類を除去することができる。また、ジオレフィン類を除去したC5ラフィネートは、エチレンクラッカーの原料として好適に利用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のジオレフィン類の除去方法は、エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの3成分を抽出蒸留により分離した後に得られる留分(C5ラフィネート)を、熱分解後、気体状態で水素化することを特徴とする。
本発明において用いるC5ラフィネートは、エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの3成分を抽出蒸留により分離した後に得られる留分である。
ここで、「少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの3成分を抽出蒸留により分離した後に得られる留分」とは、「C5フラクションから、イソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの抽出蒸留による分離操作を行った後の残留分」であることを意味し、必ずしもイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンを含まないことを意味するものではない。また、場合によっては、分離されたイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンのうち、利用見込みのない分(余剰分)が、前記残留分に混合されたものも含む。
イソプレン、ジシクロペンタジエン、1,3−ペンタジエンを抽出蒸留する方法としては、特に制約されず、GPI(日本ゼオン株式会社)等の公知の方法を採用することができる。
本発明において用いるC5ラフィネートとしては、本発明の効果がより一層顕著になることから、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有するものであるのが好ましく、30重量%以上含有するものが特に好ましい。ジシクロペンタジエンを上記範囲以上含有するC5ラフィネートの場合、該ジシクロペンタジエンを熱分解してシクロペンタジエンにした後に水素化しないと、水素化されないまま残留するジシクロペンタジエンが増加する傾向がある。なお、ジシクロペンタジエンは、通常、170℃程度に加熱することにより、熱分解してシクロペンタジエンとなる。
本発明においては、C5ラフィネートを、熱分解後、気体状態で水素化を行う。
ここで、「気体状態で」とは、C5ラフィネートを完全に気化させた状態で、水素化反応を行うことを意味し、水素化を行う際のC5ラフィネートが、液体状態である場合や、気体と液体の混合状態である場合を除く意である。また、水素化触媒となる固体は、系内に存在していても良い。
なお、C5ラフィネートの水素化を気体状態で行うためには、C5ラフィネートを加熱して気化させることが好ましい。
本発明においては、原料のC5ラフィネートを気化させる際には、希釈剤やエントレーナー(添加剤)を添加することもできる。
用いる希釈剤及びエントレーナーとしては、分解反応及び水素化反応を阻害しないものであれば、特に制限されない。
希釈剤としては、例えば、不活性ガス、アルカン類、モノオレフィン類が挙げられる。
不活性ガスとしては、窒素ガス、へリウムガス、アルゴンガス等が挙げられる。
アルカン類としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭素数5〜10のアルカン類;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘプタン等の炭素数5〜10のシクロアルカン類;等が挙げられる。
モノオレフィン類としては、例えば、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン等の炭素数5〜10のアルカン類;シクロペンテン、シクロへキセン、シクロヘプタン等の炭素数5〜10のシクロアルケン類;等が挙げられる。
これらの中でも、沸点が40〜300℃の範囲にあるものが好ましい。
エントレーナーとしては、高沸点不純物を溶解することが必要なことから、沸点が150℃以上のものが望ましい。具体的には、鉱油系及び合成系の潤滑油、熱媒油等が挙げられる。
希釈剤及びエントレーナー(以下、「希釈剤等」という。)の使用量は、特に限定されないが、通常、C5ラフィネート100重量部に対して0〜3000重量部、好ましくは0〜2000重量部、より好ましくは0〜1000重量部である。希釈剤等を、C5ラフィネート100重量部に対して3000重量部を超えて使用することは、プロセス効率の面で不利となる場合がある。
次に、C5ラフィネートを、熱分解後、気体状態で水素化する手順を詳述するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
先ず、熱分解するために、C5ラフィネート(希釈剤やエントレーナーを加えていても良い)を加熱して気化する。
より具体的には、反応装置内の予熱器(必要に応じて設置)にC5ラフィネートを供給して予熱した後、前記予熱器と配管によって接合された気化器(熱分解も起こりうる)に供給して加熱する。
加熱温度は、通常、180〜400℃、好ましくは200℃〜350℃である。
気化した原料は、前記気化器と配管によって接合された熱分解器、次いで水素化反応器に供給され、熱分解され、水素化される。
なお、上記予熱器、気化器、熱分解器、及び水素化反応器は、必ずしも別個のものである必要はない。一ないし三の反応器内を、それぞれの目的に合致した温度環境等とすることにより、予熱、気化、熱分解、水素化の各工程を行ってもよい。
熱分解は、主として、C5ラフィネート中に残存するジシクロペンタジエンをシクロペンタジエンに分解する反応を意味する。C5ラフィネートの熱分解を行うことで、C5ラフィネート中にジオレフィン類が高濃度で含まれる場合であっても、ジオレフィン類を効率よく減少させることができる。
熱分解を行う温度は、通常、200〜500℃、好ましくは310〜450℃である。
熱分解における圧力は、好ましくは0〜500kPa−G(−Gは、ゲージ圧の意である。)、特に好ましくは0〜300kPa−Gである。
熱分解の時間は、例えば、熱分解器内で熱分解を行う場合、熱分解器内の滞留時間(ガス基準)は、所定の分解率が得られれば特に制限されないが、好ましくは0.01〜60秒、より好ましくは0.05〜40秒である。
熱分解終了後は、熱分解器から流出したC5ラフィネート中のジシクロペンタジエンがシクロペンタジエンに分解されたC5ラフィネート(以下、「分解C5ラフィネート」という。)を得ることができる。
この熱分解により、分解C5ラフィネート中のジシクロペンタジエンを、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下に減少させることができる。
次に、分解C5ラフィネートを水素化反応器に供給して水素化を行う。
水素化反応は、水素ガス及び触媒の存在下に行うのが好ましい。
用いる触媒としては、特に限定されず、従来公知の水素化反応に使用されるものが挙げられる。
具体的には、貴金属系触媒やニッケル触媒等が挙げられる。なかでも、高い水素化活性を有する観点から、貴金属系触媒が好ましく、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムがより好ましい。
また、本発明においては、水素化率向上の観点から、触媒として担持型の固体金属触媒を使用するのが好ましい。なかでも、前記触媒活性成分を、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア等の無機担体に担持した担持型の固体金属触媒が特に好ましい。
触媒の形状は特に制限されず、一般的には、ペレット状、球状、円柱状、リング状等である。
触媒の粒径は、特に制限されず、反応管(水素化反応器)の内径等によって最適な値を選べばよい。
本発明における触媒の平均粒径は、効率よく水素化反応が進行する観点から、1〜40mmであるのが好ましく、2〜20mmであるのがより好ましい。
水素化反応の温度は特に制限されないが、効率よく水素化反応が進行する観点から、通常、50〜400℃、好ましくは100〜300℃である。
水素化反応の圧力は、通常、0〜500kPa−G、好ましくは0〜300kPa−G、更に好ましくは0〜200kPa−Gであり、500kPa−Gを超える高圧下では行わないのが望ましい。それは、次のような理由による。
すなわち、前記分解反応と水素化反応とを連続して行う場合には、前述したように、気化器、熱分解器及び水素化反応器が配管により接合された反応装置を用いることができる。
このようなプロセスにおいて水素化反応を高圧下で行うと、これに伴って熱分解器と気化器の内部圧力も上昇する。内部圧力の上昇に伴い、気化器では、原料の気化に必要な温度が上昇し、重合物の生成が促進され、熱分解器では、圧力上昇に伴う直接的な重合物の生成が促進されるという不具合が生じる。このような重合物の生成は、配管の閉塞の原因となる。また、高圧下で反応を行わせるためには、高圧設備が必要で経済性に劣るという問題点もある。よって、水素化反応は、上記のような圧力下で行うのが好ましい。
また、水素化時間は、好ましくは0.1秒〜10時間、より好ましくは0.1秒〜5時間である。
用いる水素化反応器は、その形状によって限定されないが、多管式固定床流通反応器であるのが好ましい。
多管式固定床流通反応器の反応管の内径は特に制限されないが、好ましくは6〜100mm、より好ましくは10〜70mmである。
反応管の長さは特に制限されないが、好ましくは0.1〜10m、より好ましくは0.3〜7mである。
水素化反応において供給する水素のガス空間速度(水素ガスの1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値。以下、「GHSV」という。)は、特に制限されないが、100〜10000/時間が好ましく、200〜5000/時間がより好ましい。
本発明によれば、C5ラフィネートが、ジオレフィン類を高い濃度で含有する場合であっても、C5ラフィネートから、効率よくジオレフィン類を除去することができる。ジオレフィン類が除去されたC5ラフィネートは、エチレンクラッカーの原料として好適に利用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明の方法を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
(実施例1)
内径20mmの耐熱ガラス製反応管に水素化用触媒(日揮化学社製 N1182AZ 0.5%Pd/γ−アルミナ)を5ml充填し(水素化を行う部分となる)、その上流側に充填剤(ヘリパック)を充填した(ジシクロペンタジエンの分解を行う部分となる)。この反応管に、C5ラフィネート供給用ポンプの供給ライン及び水素供給ラインを接続した。反応管の外部をリボンヒーターで巻き、熱電対をセットして保温した。触媒充填部分とヘリパック充填部分は別々に温度制御ができるようにした。また、ヘリパック充填部の長さは、C5ラフィネート中のジシクロペンタジエンが、350℃で3重量%以下になるのに十分な滞留時間が得られるようにした。
前記反応管に、水素を210ml/minの速度で流通させながら、触媒充填部を50℃、ヘリパック充填部を350℃に加熱(ジシクロペンタジエンの分解温度は約170℃なので、この温度だと分解してシクロペンタジエンになる)した。そこへ、下記表1に示される組成を有するC5ラフィネートを、1.05ml/minの速度で供給し、触媒充填部を220℃まで加熱し、気体状態で、分解C5ラフィネートの水素化反応を行った。供給2時間後(反応が定常状態になっている)に、反応管出口からの流出物を冷却・液化し、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した。反応液の分析結果を下記表1に示す。
(比較例1)
内径11mm、長さ30cmのステンレス製反応管に、水素化用触媒(日揮化学社製、N1182AZ 0.5%Pd/γ−アルミナ)を5ml充填し、その上下にガラスビーズを充填した。この反応管を電熱炉にセットし、原料供給ポンプ、水素供給ラインに接続した。なお、ヘリパックは充填しなかった。
ガラスビーズ充填部及び触媒充填部の温度を150℃、反応管内圧力を5MPa−Gに保ち、水素を105ml/minの速度で流通させながら、実施例1で用いたのと同じ組成のC5ラフィネートを0.42ml/minの速度で供給し、気・液混合状態で水素化反応を行った。供給2時間後に、反応管出口からの流出物を冷却・液化し、得られた液をガスクロマトグラフィーで分析した。反応液の分析結果を下記表1に示す。
Figure 0005540530
表1より、ジシクロペンタジエンの分解を行わず直接水素化を行う点、及び、水素化反応を気・液混合状態で行う点で、本発明の要件を満たさない比較例1においては、プロペニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、及び、メチルビシクロノナジエン等のジオレフィン類が多く残存し、エチレンセンターに返送した場合には、ジエン除去塔内の触媒劣化や、冷却管内の汚れの原因となり易いものであった。
一方、本発明の要件を満たす実施例1においては、ジオレフィン類がほとんど残留しておらず、エチレンセンターに返送するC5ラフィネートとして、好適なものであった。

Claims (5)

  1. エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンの抽出蒸留による分離操作を行った後に得られる残留分、又は、分離されたイソプレン、ジシクロペンタジエン、及び1,3−ペンタジエンのうち、余剰分が前記残留分に混合されたものであって、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有する留分(C5ラフィネート)を、熱分解後、気体状態で水素化することを特徴とする、前記留分(C5ラフィネート)中のジオレフィン類の除去方法。
  2. 前記水素化において、担持型の固体金属触媒を使用することを特徴とする請求項1に記載のジオレフィン類の除去方法。
  3. 前記熱分解の際の温度が200〜500℃で、水素化の際の温度が100〜300℃である請求項1又は2に記載のジオレフィン類の除去方法。
  4. 前記C5ラフィネートが前記熱分解によりC5ラフィネート中のジシクロペンタジエンを3重量%以下に減少させた後、水素化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のジオレフィン類の除去方法。
  5. エチレンクラッカーより排出される炭素数5の有機化合物を主成分とする留分(C5フラクション)より、少なくともイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンの抽出蒸留による分離操作を行った後に得られる残留分、又は、分離されたイソプレン、ジシクロペンタジエン及び1,3−ペンタジエンのうち、余剰分が前記残留分に混合されたものであって、ジシクロペンタジエンを10重量%以上含有する留分(C5ラフィネート)から、請求項1〜4のいずれかに記載の除去方法によりジオレフィン類を除去して得られたC5ラフィネートを、エチレンクラッカーの原料として利用する方法。
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