JP5539140B2 - 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ - Google Patents

決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ Download PDF

Info

Publication number
JP5539140B2
JP5539140B2 JP2010217760A JP2010217760A JP5539140B2 JP 5539140 B2 JP5539140 B2 JP 5539140B2 JP 2010217760 A JP2010217760 A JP 2010217760A JP 2010217760 A JP2010217760 A JP 2010217760A JP 5539140 B2 JP5539140 B2 JP 5539140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
mask
light source
pattern
mask pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010217760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012074514A5 (ja
JP2012074514A (ja
Inventor
裕一 行田
好一郎 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010217760A priority Critical patent/JP5539140B2/ja
Priority to US13/224,488 priority patent/US9268239B2/en
Priority to TW100133228A priority patent/TWI448836B/zh
Priority to KR1020110094430A priority patent/KR101375505B1/ko
Publication of JP2012074514A publication Critical patent/JP2012074514A/ja
Publication of JP2012074514A5 publication Critical patent/JP2012074514A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5539140B2 publication Critical patent/JP5539140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70591Testing optical components
    • G03F7/706Aberration measurement
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70491Information management, e.g. software; Active and passive control, e.g. details of controlling exposure processes or exposure tool monitoring processes
    • G03F7/705Modelling or simulating from physical phenomena up to complete wafer processes or whole workflow in wafer productions

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)

Description

本発明は、照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布(有効光源)を決定する決定方法、露光方法プログラム及びコンピュータに関する。
フォトリソグラフィー技術を用いて半導体デバイスを製造する際に、露光装置が使用されている。露光装置は、マスク(レチクル)のパターンを投影光学系によって基板(ウエハなど)に投影してパターンを転写する。
露光装置では、マスクのパターンを所望の位置に所望の形状で転写することが求められる。但し、露光時には幾つかのエラー要因が存在し、マスクのパターンが所望の位置及び所望の形状から外れた状態で転写されることがある。エラー要因としては、例えば、基板を露光する際の露光量やフォーカス位置が挙げられる。また、投影光学系に生じる収差もエラー要因の1つと考えることができる。投影光学系は、収差を補正(制御)するための機構を有するが、かかる機構の補正能力には限界があるため、投影光学系には、一般的に、残存収差が存在している。なお、露光装置ごとに残存収差の量や露光中の収差変動量(即ち、露光熱の発生などによる残存収差の変動量)は異なる。
近年では、半導体デバイスの微細化が進み、特に、SRAMメモリセルのウェル工程用のマスクのパターンを転写する際には、基板上におけるパターンの光学像のエッジ位置を厳しく制御する必要がある。但し、コマ収差に代表される収差が投影光学系に存在すると、光学像のエッジ位置は著しく変動(シフト)する。また、投影光学系の収差は、上述したように、一定ではなく(即ち、変動し)、その大きさも露光装置ごとに異なる。そこで、投影光学系に収差が存在する状態であっても、マスクのパターンを高精度に転写することができるように、有効光源(照明光学系の瞳面における光強度分布)を最適化(決定)する技術が求められている。なお、有効光源を最適化する技術に関しては、従来から幾つか提案されている(特許文献1及び2参照)。
特許第4378266号公報 特許第4319560号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、パターンの光学像のエッジ位置を規定した上で、露光量やフォーカス位置のマージンを最大にする有効光源を決定しているが、投影光学系に存在する収差を考慮していない。上述したように、投影光学系においては、収差が常に存在して変動しており、それに連動してパターンの光学像も変動する。特許文献1の技術は、このような影響を一切考慮していないため、実際の露光装置に適用することは現実的ではない。
また、特許文献2の技術では、照明光学系の瞳面を分割した各光源に対して、特定の収差を与えた際の像性能の応答を算出し、収差に対する像性能の応答が小さくなるように有効光源を決定している。但し、特許文献2の技術では、光学像のエッジ位置を制御することを考慮しておらず、収差に対する光学像のエッジ位置の変動が小さくなるような有効光源を決定するものではない。また、特許文献2の技術では、未知の収差に対する光学像の像性能は保証しておらず、複数の露光装置で同一の有効光源を用いる場合や収差が残存又は変動する場合に対応することができない。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布の決定に有利な技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての決定方法は、マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置における前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布をコンピュータを用いて決定する決定方法であって、前記投影光学系の物体面に配置するマスクのパターンを設定する第1のステップと、前記投影光学系の像面に形成される前記第1のステップで設定したマスクのパターンの光学像を評価するための評価場所を設定する第2のステップと、前記照明光学系の瞳面に形成される複数の要素光源を生成する第3のステップと、前記投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態を設定する第4のステップと、前記第4のステップで設定した複数の収差状態から選択した1つの収差状態を前記投影光学系に与え、前記第3のステップで生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源で前記マスクのパターンを照明したときに前記第2のステップで設定した評価場所に形成される前記マスクのパターンの光学像を、前記複数の収差状態と前記複数の要素光源との組み合わせの全てについて算出する第5のステップと、前記第5のステップで算出した光学像に基づいて、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けを決定し、前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源を前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する第6のステップと、を有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布の決定に有利な技術を提供することができる。
本発明の一側面としての決定方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示すフローチャートのS102で設定されるマスクパターンの一例を示す図である。 マスクパターンとレジストのエッジ位置との関係を示す概略図である。 図1に示すフローチャートのS108で生成される要素光源を説明するための図である。 図1に示すフローチャートのS108で生成される複数の要素光源の一例を示す図である。 図1に示すフローチャートのS114で決定される有効光源を示す図である。 図2に示すマスクパターンに対して一般的に用いられる有効光源を示す図である。 63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図6に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果を示す図である。 図1に示すフローチャートのS114で決定される有効光源を示す図である。 63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図9に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果を示す図である。 図1に示すフローチャートのS114で決定される有効光源を示す図である。 63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図11に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果を示す図である。 図1に示すフローチャートのS108で生成される複数の要素光源の一例を示す図である。 図1に示すフローチャートのS114で決定される有効光源を示す図である。 本発明の一側面としての決定方法を説明するためのフローチャートである。 図15に示すフローチャートのS1502で設定されるマスクパターンの一例を示す図である。 図15に示すフローチャートのS1508で生成される要素光源を説明するための図である。 図15に示すフローチャートのS1520で決定される有効光源を示す図である。 63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図6、図7及び図18のそれぞれに示す有効光源でマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果を示す図である。 典型的なSRAMメモリセルのウェル工程におけるプロセスフローを模式的に示す図である。 ウェルとトランジスタの構造を模式的に示す図である。 露光装置の構成を示す概略ブロック図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本発明は、IC、LSIなどの半導体チップ、液晶パネルなどの表示素子、磁気ヘッドなどの検出素子、CCDなどの撮像素子等の各種デバイスの製造やマイクロメカニクスで用いられる有効光源を決定する際に適用することができる。ここで、マイクロメカニクスとは、半導体集積回路製造技術を微細構造体の製作に応用して高度な機能を有するミクロン単位の機械システムを作成する技術や、かかる機械システム自体をいう。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一側面としての決定方法を説明するためのフローチャートである。本実施形態の決定方法は、コンピュータなどの情報処理装置によって実行され、マスク(レチクル)を照明する照明光学系と、マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置において、マスクを照明するための有効光源を決定(最適化)する。ここで、有効光源とは、投影光学系の物体面にマスクを配置しない状態において、投影光学系の瞳面に形成される光強度分布である。従って、有効光源を決定することは、照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布を決定することを意味する。
S102(第1のステップ)では、投影光学系の物体面に配置するマスクのパターン(マスクパターン)を設定する。本実施形態では、図2に示すように、遮光部分(透過率:0%)で構成されたパターン群PTと、透過部分(透過率:100%)で構成された背景部BCとを有するマスクパターンを設定する。かかるマスクパターンは、SRAMのウェル工程で用いられる一般的なマスクパターンであって、ライン幅が240nm、ピッチが600nmの1次元ライン・アンド・スペース・パターンである。図2に示すマスクパターンは、左右対称に配置された13本のパターンPT1乃至PT13を含む。パターンPT1乃至PT13の全てのライン幅は、マスクバイアス等を考慮していないため、240nmである。また、本実施形態では、図2に示すマスクパターンに加えて、かかるマスクパターンを90°回転させた(即ち、ライン・アンド・スペースのライン幅やピッチの寸法は同一で、縦軸と横軸とを逆にした)マスクパターンも設定するものとする。
マスクパターンは、一般には、様々な種類のパターンを含む。S102では、マスクパターンに含まれる全ての種類のパターンを設定してもよいが、必要なパターンのみを設定してもよい。また、本実施形態では、マスクパターンを2次元で設定したが、1次元で設定してもよいし、3次元で設定してもよい。更に、本実施形態では、バイナリマスクを設定したが、位相シフトマスクや他の種類のマスクを設定してもよい。
S104(第2のステップ)では、S102で設定したマスクパターンの光学像(投影光学系の像面に形成される像)を評価するためのカットライン(評価場所)を設定する。本実施形態では、パターンPT1乃至PT13の中央部分に対応する投影光学系の像面の部分にカットラインCLを設定する(図2参照)。なお、本実施形態では、パターンPT1乃至PT13を垂直に横切るようにカットラインを設定したが、他の位置にカットラインを設定してもよい。また、図2では、説明を簡単にするために、投影光学系の物体面における寸法と投影光学系の像面における寸法が等しい(即ち、投影光学系の倍率が1倍である)ものとして、マスクパターンに対してカットラインを設定するように図示している。但し、実際には、投影光学系の倍率に基づいて像面上の寸法に換算したマスクパターンを考慮して、投影光学系の像面にカットラインを設定する必要がある。
S106では、マスクパターンの光学像を評価する評価基準を設定する。本実施形態では、まず、S104で設定したカットラインの上に形成されるマスクパターンの光学像のエッジ位置の目標エッジ位置(目標値)を設定する。光学像のエッジ位置とは、基板上のレジストのエッジ位置に相当し、目標エッジ位置とは、基板上のどの位置にレジスト(光学像)のエッジ位置が形成して欲しいかということを意味する。
図3は、マスクパターンとレジストのエッジ位置との関係を示す図である。図3には、図2に示すカットラインCLの上の一部の領域αにおけるマスクの断面及び基板の断面が示されている。図3を参照するに、パターンPT1及びPT2(の光学像)は、投影光学系を介して、基板上のレジストに転写される。この際、レジストの左右の端の位置(座標)をエッジ位置と称し、パターンPTn(n:1〜13の整数)に対して、レジスト(光学像)の左端の位置をエッジ位置XL(PTn)とし、レジスト(光学像)の右端の位置をエッジ位置XR(PTn)とする。
本実施形態では、以下に示すように目標エッジ位置を設定した。ここでは、パターンPT1乃至PT7に対する目標エッジ位置のみを示しているが、実際には、全てのパターンPT1乃至PT13に対して目標エッジ位置を設定している。具体的には、パターンPT8乃至PT13に対する目標エッジ位置に関しては、マスクパターンの対称性に基づいて、パターンPT6乃至PT1のそれぞれの目標エッジ位置と対称な位置を設定している。
XL(PT1)=−3720nm、XR(PT1)=−3480nm
XL(PT2)=−3120nm、XR(PT2)=−2880nm
XL(PT3)=−2520nm、XR(PT3)=−2280nm
XL(PT4)=−1920nm、XR(PT4)=−1680nm
XL(PT5)=−1320nm、XR(PT5)=−1080nm
XL(PT6)=−720nm、XR(PT6)=−480nm
XL(PT7)=−120nm、XR(PT7)=+120nm
本実施形態では、マスクパターンのエッジ位置と一致するように目標エッジ位置を設定しているが、マスクパターンのエッジ位置と目標エッジ位置とを一致させる必要はない。例えば、後述するように、マスクのパターンの形状を変化させる(最適化する)場合などには、マスクパターンのエッジ位置と目標エッジ位置とは異なることになる。
このようにして設定した目標エッジ位置を用いて、マスクパターンの光学像を評価する評価基準を設定する。本実施形態では、光学像の目標エッジ位置と、光学シミュレーションから得られる光学像のエッジ位置との差分(以下、「エッジシフト量」と称する)の最大値、即ち、マスクパターンにおける最大エッジシフト量を、評価基準として設定する。例えば、S102で設定したマスクパターンには、26本のパターンが含まれている(上述したように、図2に示すマスクパターンを90°回転させたマスクパターンも設定されているため、合計で26本のパターンが含まれている)。パターンが26本含まれているため、エッジ位置は52個存在する。かかる52個のエッジ位置のそれぞれに対してエッジシフト量を求め、これらのエッジシフト量のうち絶対値が最大のエッジシフト量が最大エッジシフト量となる。なお、本実施形態では、最大エッジシフト量を評価基準として設定しているが、光学像のエッジ位置(のシフト)を反映するものを評価基準として設定すればよく、例えば、エッジシフト量の平均値を評価基準として設定してもよい。
S108(第3のステップ)では、照明光学系の瞳面に形成される互いに異なる複数の要素光源を生成する。例えば、図4(a)に示すように照明光学系の瞳面を碁盤目状に複数の領域に分割し(縦方向及び横方向のそれぞれを63分割し)、かかる複数の領域のうち一部の領域のみを光らせたものを要素光源として生成する。但し、有効光源の対称性から、照明光学系の瞳面を分割した複数の領域のうち、図4(b)に示す領域R1乃至R813(即ち、右上部の四半分)だけを考慮すればよい。なお、図4(a)に示す円は、コヒーレンスファクターが1の円を表している。
図5は、S108で生成される複数の要素光源の一例を示す図である。図5(a)は、領域R10を光らせた要素光源を示し、図5(b)は、領域R807を光らせた要素光源を示している。但し、図5(a)及び図5(b)に示す要素光源は、有効光源の対称性に基づいて、上下左右に対称な領域も光っているものとする。本実施形態では、複数の領域R1乃至R813のうち1つの領域のみを光らせたものを要素光源として生成するため、813個の要素光源が生成される。最終的に決定される有効光源は、S108で生成した複数の要素光源の線形和(複数の要素光源を合成した光源)として決定されることになる。
本実施形態では、照明光学系の瞳面を碁盤目状に分割したが、他の形状、例えば、円弧状に分割してもよい。また、有効光源を輪帯形状に限定して最適化する場合には、輪状の要素光源を設定すればよい。更に、クェーサー形状と小シグマ形状とを重ね合わせた有効光源を最適化する場合には、クェーサー形状の要素光源と小シグマ形状の要素光源とをそれぞれ設定すればよい。
また、本実施形態では、分割した領域を1つずつ光らせたものを要素光源としたが、複数の領域を光らせたものを1つの要素光源としてもよい。
S110(第4のステップ)では、投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態(投影光学系に生じる互いに異なる複数の収差パターン)を設定する。本実施形態では、収差パターンとは、波面収差形状を意味するものとする。波面収差は、一般的に、ゼルニケ多項式で規定することができる。例えば、ゼルニケ多項式の36項までを考慮する場合、36個の係数を決定することで1つの波面収差形状が規定される。また、ゼルニケ多項式の各項の係数は、一般的には、第1項から順にC1、C2、C3、・・・と呼ばれ、各項が特定の種類の収差に対応している。
本実施形態では、以下の表1に示すように、9つの収差パターンを設定した。表1における収差(収差量)の単位は、mλ(λは露光光の波長)である。表1を参照するに、収差パターン1では、C7項、C8項、C10項、C11項、C14項、C15項、C30項、C31項及び他項の値(係数)が0に設定されている。また、収差パターン2では、C7項の値のみが15mλ、他の項の値が0に設定されている。同様に、収差パターン3乃至9のそれぞれについても、C7項、C8項、C10項、C11項、C14項、C15項、C30項及びC31項のうち1つの項の値のみが15mλ、他の項の値が0に設定されている。
ゼルニケ多項式において、C7項、C8項、C10項、C11項、C14項、C15項、C30項及びC31項は、コマ収差に対応する項である。コマ収差が光学像のエッジ位置のシフトに影響を及ぼすことは一般的に知られている。本実施形態では、複数の収差パターンのそれぞれが少なくともコマ収差を含むように収差パターンを決定することで、コマ収差を含むあらゆる収差に対して光学像のエッジ位置のシフトを抑制する有効光源を求めることが可能となる。
なお、本実施形態では、特定のゼルニケ項の値だけに特定の値を有する収差パターンを設定しているが、実際の露光装置(投影光学系)で計測された収差パターンをそのまま設定してもよい。また、1つの収差パターンにおいて、複数のゼルニケ項の値にゼロ以外の値が設定されていてもよいし、ゼルニケ項の値は負の値でもよい。本実施形態では、9つの収差パターンを設定したが、設定する収差パターンの数はいくつであってもよい。
S112(第5のステップ)では、S108で生成した複数の要素光源のそれぞれについて、S110で設定した複数の収差パターンのそれぞれを投影光学系に与えたときに形成されるマスクパターンの光学像(の強度分布)を算出する。具体的には、S110で設定した複数の収差パターンから選択した1つの収差パターンを投影光学系に与える。そして、S108で生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源でマスクのパターンを照明したときにS104で設定したカットラインの上に形成されるマスクのパターンの光学像を算出する。これを、複数の収差パターンと複数の要素光源との組み合わせの全てについて行う。本実施形態では、S108において813個の要素光源を生成し、S110において9つの収差パターンを設定しているため、813×9=7317個の光学像が算出される。
なお、S112で算出する光学像は、要素光源の強度に対して線形であれば、どのような形態であってもよい。例えば、レジスト像に相当する像を得るために、光学像にレジストの酸の拡散を表すガウス関数(即ち、レジストの化学特性や物理特性を表すレジストモデル)をコンボリューションする場合がある。このような像も要素光源の強度に対して線形であるため、本実施形態の光学像に含まれる。また、このような光学像は、Prolith(登録商標)等の市販の光学シミュレータを用いて算出することができる。
S114(第6のステップ)では、S106で設定した評価基準やS112で算出した光学像(の強度分布)に基づいて、有効光源を決定(最適化)する。具体的には、マスクパターンの光学像のカットラインの上のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、複数の要素光源のそれぞれに与える重み付け(強度)を決定し、かかる重み付けを与えた複数の要素光源を合成した光源を有効光源として決定する。換言すれば、S108で生成した複数の要素光源(本実施形態では、813個の要素光源)のそれぞれに対する強度の比を決定することで、有効光源を決定する。
本実施形態では、有効光源の決定(最適化)の際に、数理計画法の1つである線形計画法を用いることを想定しているが、有効光源の最適化の手法を限定するものではなく、モンテカルロ法や滑降シンプレックス法などを用いてもよい。線形計画法においては、最小化(又は最大化)すべき目的関数を設定し、各変数間の満たすべき条件を制約条件として設定することで、CPLEX(登録商標)等の市販のソルバを用いて有効光源を最適化することができる。例えば、本実施形態では、最大エッジシフト量(評価基準)を表す式を目的関数として設定する。また、813個の要素光源のそれぞれの強度(変数)と、マスクパターンの光学像と、最大エッジシフト量とを関連付ける式、及び、要素光源の強度を制限する式(例えば、強度はゼロ以上でなければならないことを表す式など)を制約条件として設定する。
本実施形態では、以下の表2に示す最適化結果(813個の要素光源(表2に示す光源番号)のそれぞれの強度(表2に示す発光強度))が得られた。但し、強度がゼロである(即ち、光っていない)要素光源に関しては、表2に示していない。S108で生成した複数の要素光源のそれぞれに対して表2に示す強度をかけて合成することで、図6に示すような有効光源が得られる。
図2に示すマスクパターン(SRAMのウェル工程で用いられるマスクパターン)に対しては、一般的に、図7に示すような大シグマ(シグマ=0.93)の有効光源が用いられる。そこで、図6に示す有効光源(本実施形態における有効光源)は、図7に示す有効光源(従来技術における有効光源)と比較して、優れた像性能を実現していることを説明する。
まず、あらゆる収差に対して光学像のエッジ位置のシフトが抑制されているかどうかを検証するために、実際の露光装置(投影光学系)で収差を計測して63個の実収差パターンを求めた。そして、63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図6に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターン(S102で設定したマスクパターン)を照明したときのシミュレーション結果を図8に示す。図8では、縦軸に評価基準である最大エッジシフト量を採用し、横軸に実収差パターンを採用している。
図8を参照するに、一部の実収差パターンにおいては、図7に示す有効光源の最大エッジシフト量が図6に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さい。但し、殆どの実収差パターンにおいては、図6に示す有効光源の最大エッジシフト量が図7に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さいことがわかる。また、ロバスト性に関しても、図6に示す有効光源が図7に示す有効光源よりも優れていることがわかる。図7に示す有効光源は、特定の実収差パターン(例えば、実収差パターン35など)に対する最大エッジシフト量が非常に大きいが、図6に示す有効光源は、63個の実収差パターンの全てに対する最大エッジシフト量を小さく抑えている。このように、本実施形態では、投影光学系が有しうる様々な収差に対して、光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を決定することができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、フォーカス位置が理想的な状態である、即ち、ベストフォーカスである場合において、投影光学系に収差が存在していても光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を求めた。但し、実際の半導体デバイスの製造においては、露光時におけるデフォーカス(投影光学系の像面からのずれ)が無視できないほど生じてしまうことがある。そこで、本実施形態では、デフォーカスも考慮して有効光源を決定する。
具体的には、複数のデフォーカス面を設定し、S112において、複数のデフォーカス面のそれぞれについて、カットラインに対応する位置の上に形成されるマスクパターンの光学像を算出する。そして、それぞれの光学像のエッジ位置の目標エッジ位置を設定することで、デフォーカスを考慮しながら有効光源を最適化することができる。
本実施形態では、複数のデフォーカス面として、投影光学系の像面からのデフォーカス量が0nmである面(即ち、ベストフォーカス面)と投影光学系の像面からのデフォーカス量が100nmである面を設定し、それぞれの面の上に形成される光学像を算出した。目標エッジ位置は、上述した位置(値)を設定すると、図9に示すような有効光源が得られる。
第1の実施形態と同様に、図9に示す有効光源(本実施形態における有効光源)の像性能と、図7に示す有効光源(従来技術における有効光源)の像性能とを比較した。第1の実施形態と同じ63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図9に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターン(S102で設定したマスクパターン)を照明したときのシミュレーション結果を図10に示す。図10では、縦軸に評価基準である最大エッジシフト量を採用し、横軸に実収差パターンを採用している。
図10を参照するに、全ての実収差パターンにおいて、図10に示す有効光源の最大エッジシフト量が図7に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さいことがわかる。このように、本実施形態では、デフォーカスを考慮しながら、投影光学系が有しうる様々な収差に対して、光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を決定することができる。
なお、本実施形態では、デフォーカス量が0nmである面とデフォーカス量が100nmである面の2つのデフォーカス面を設定したが、設定するデフォーカス面の数はいくつであってもよい。また、複数のデフォーカス面のそれぞれに対する光学像の算出データを内挿補完及び外挿補完することで、光学像を直接算出することなく、デフォーカスを考慮しながら有効光源を最適化することも可能である。
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、露光時における露光量(ドーズ)が理想量である場合において、投影光学系に収差が存在していても光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を求めた。但し、実際の半導体デバイスの製造においては、露光量の理想量からのずれが無視できないほど生じてしまうことがある。そこで、本実施形態では、露光量(の変動)も考慮して有効光源を決定する。
具体的には、複数の要素光源のそれぞれに、互いに異なる複数の強度を設定した強度評価用の要素光源を、複数の要素光源のそれぞれについて生成する(即ち、要素光源の強度を比例倍して要素光源を生成する)。また、S112において、強度評価用の要素光源のそれぞれについて、カットラインに対応する位置の上に形成されるマスクパターンの光学像を算出する。そして、それぞれの光学像のエッジ位置の目標エッジ位置を設定することで、露光量を考慮しながら有効光源を最適化することができる。
本実施形態では、露光量が理想量である場合、露光量が理想量の−5%である場合及び露光量が理想量の+5%である場合のそれぞれについて、強度評価用の要素光源を設定し、それぞれの強度評価用の要素光源に対する光学像を算出した。目標エッジ位置は、上述した位置(値)を設定すると、図11に示すような有効光源が得られる。なお、図11に示す有効光源は、図6に示す有効光源と区別しにくいが、異なる有効光源である。
第1の実施形態や第2の実施形態と同様に、図11に示す有効光源(本実施形態における有効光源)の像性能と、図7に示す有効光源(従来技術における有効光源)の像性能とを比較した。第1の実施形態と同じ63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図11に示す有効光源及び図7に示す有効光源のそれぞれで図2に示すマスクパターン(S102で設定したマスクパターン)を照明したときのシミュレーション結果を図12に示す。図12では、縦軸に評価基準である最大エッジシフト量を採用し、横軸に実収差パターンを採用している。
図12を参照するに、一部の実収差パターンにおいては、図7に示す有効光源の最大エッジシフト量が図11に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さい。但し、殆どの実収差パターンにおいては、図11に示す有効光源の最大エッジシフト量が図7に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さいことがわかる。また、ロバスト性に関しても、図11に示す有効光源が図7に示す有効光源よりも優れていることがわかる。図7に示す有効光源は、特定の実収差パターン(例えば、実収差パターン35など)に対する最大エッジシフト量が非常に大きいが、図11に示す有効光源は、63個の実収差パターンの全てに対する最大エッジシフト量を小さく抑えている。このように、本実施形態では、露光量を考慮しながら、投影光学系が有しうる様々な収差に対して、光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を決定することができる。
なお、本実施形態では、露光量が理想量である場合、露光量が理想量の−5%である場合及び露光量が理想量の+5%である場合の3つの露光量に対する強度評価用の要素光源を設定したが、設定する露光量の数はいくつであってもよい。また、強度評価用の要素光源のそれぞれに対する光学像の算出データを内挿補完及び外挿補完することで、光学像を直接算出することなく、露光量を考慮しながら有効光源を最適化することも可能である。
<第4の実施形態>
第2の実施形態及び第3の実施形態では、デフォーカスや露光量を考慮しながら、投影光学系に収差が存在又は変動していても光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を求めた。但し、本発明で考慮可能な物理量は、デフォーカスや露光量に限定されるものではない。
例えば、S106において、最大エッジシフト量に加えて、一般的な像性能であるILSやNILSを評価基準として設定してもよい。ここで、ILSとは、Image Log Slope(イメージ対数傾斜)のことであり、NILSとは、Normalized Image Log Slope(規格化イメージ対数傾斜)のことである。また、S106において、露光装置のマスクステージやウエハステージの振動を意味するMSD(Moving Standard Deviation)を評価基準として設定してもよい。
マスク誤差が発生した際の像性能の影響(MEEF)を考慮したい場合には、S102において、マスク誤差が発生した際のマスクパターンも設定した上で、有効光源を最適化すればよい。また、複数のレジストモデルを考慮したい場合には、S112において、複数のレジストモデルを用いて光学像を算出し、かかる光学像に基づいて有効光源を最適化すればよい。
このように、本発明は、最大エッジシフト量、デフォーカス及び露光量だけではなく、様々な物理量を考慮して有効光源を最適化することができる。
<第5の実施形態>
第1の実施形態乃至第3の実施形態では、図4に示すように、照明光学系の瞳面を碁盤目状に分割した複数の領域のそれぞれを光らせた複数の要素光源を用いているため、有効光源を最適化する際の自由度が高くなっている。このような自由度の高い有効光源は、例えば、計算機ホログラム(CGH)などの回折光学素子を用いることで、多くの露光装置において実現(形成)することができる。但し、自由度の高い有効光源は、必ずしも全ての露光装置において実現(形成)することができるわけではない。例えば、KrFエキシマレーザを光源とする古い世代の露光装置においては、回折光学素子を用いることができないこともある。また、回折光学素子の製作にはコストがかかるため、回折光学素子を用いることを避けたい場合もある。
露光装置の照明光学系は、一般に、大シグマ、輪帯、ダイポールなどの有効光源の概略形状を決定する光学素子を含み、その形状の調整も照明光学系において行われる。例えば、大シグマの有効光源であればシグマの値、輪帯の有効光源であれば外シグマ及び内シグマの値を調整することができる。このような有効光源の調整は、新たな回折光学素子を製造せずに行うことができる(即ち、露光装置(照明光学系)において行うことができる)ため、コストがかからない。従って、照明光学系における有効光源の調整可能範囲内において、有効光源を最適化したい場合も考えられる。そこで、本実施形態では、その一例として、輪帯の有効光源における外シグマ及び内シグマの値の最適化について説明する。
S108において、図13(a)乃至図13(c)に示すように、複数の要素光源として、輪状の要素光源を生成する。図13(a)は、外シグマの値が0.92、内シグマの値が0.90の要素光源を示している。また、図13(b)は、外シグマの値が0.62、内シグマの値が0.60の要素光源を示し、図13(c)は、外シグマの値が0.32、内シグマの値が0.30の要素光源を示している。このように、輪帯幅が0.02である輪状の要素光源を照明光学系の瞳面(即ち、有効光源領域の全領域)を覆うように生成することで、輪帯形状に限定して有効光源を最適化することが可能となる。第1の実施形態と同じマスクパターン(図2に示すマスクパターン)、目標エッジ位置、評価基準などを設定すると、図14に示すような有効光源が得られた。図14に示す有効光源は、外シグマの値が0.92、内シグマの値が0.08の輪帯形状を有する。
<第6の実施形態>
第1の実施形態乃至第5の実施形態では、マスクパターンを設定(固定)した上で有効光源を最適化しているが、有効光源と共にマスクパターンも最適化したい場合もある。そこで、本実施形態では、図15を参照して、有効光源に加えてマスクパターンを最適化する場合について説明する。
S1502(第1のステップ)では、マスクパターン及びマスクパターンを規定するパラメータ(変数)を設定する。なお、S1502で設定されるマスクパターンは、S102で設定されたマスクパターンとは異なり、後述するステップにおいて最適化(変形)されるため、マスクの仮パターンであると言える。
本実施形態では、図16に示すように、遮光部分(透過率:0%)で構成されたパターン群PTAと、透過部分(透過率:100%)で構成された背景部BCAとを有するマスクパターンを設定する。かかるマスクパターンは、1次元ライン・アンド・スペース・パターンであって、13本のパターンPTA1乃至PTA13を含む。また、パターンPTAn(n:1〜13の整数)の線幅W(PTAn)及び中点位置(中点座標)XC(PTAn)をマスクパターンの形状を規定するパラメータとして設定し、以下に示す範囲の変数とした。なお、線幅や中点位置は、投影光学系の像面上の座標系(図16参照)で定義している。ここでは、パターンPTA1乃至PTA7の線幅及び中点位置の範囲のみを示しているが、実際には、全てのパターンPTA1乃至PTA13の線幅及び中点位置の範囲を設定している。具体的には、パターンPTA8乃至PTA13の線幅及び中点位置の範囲に関しては、マスクパターンの対称性に基づいて、パターンPTA6乃至PTA1に応じた線幅及び中点位置の範囲を設定している。また、本実施形態では、図16に示すマスクパターンに加えて、かかるマスクパターンを90°回転させた(即ち、縦軸と横軸とを逆にした)マスクパターンも設定するものとする。図16に示すマスクパターンを90°回転させたマスクパターンに含まれる13本のパターンの線幅及び中点位置の範囲は、パターンPTA1乃至PTA13に応じた線幅及び中点位置の範囲を設定するものとする。
W(PTA1)=235〜245nm
W(PTA2)=235〜245nm
W(PTA3)=235〜245nm
W(PTA4)=235〜245nm
W(PTA5)=235〜245nm
W(PTA6)=235〜245nm
W(PTA7)=235〜245nm
XC(PTA1)=−3605〜−3595nm
XC(PTA2)=−3005〜−2995nm
XC(PTA3)=−2405〜−2395nm
XC(PTA4)=−1805〜−1795nm
XC(PTA5)=−1205〜−1195nm
XC(PTA6)=−605〜−595nm
XC(PTA7)=0nm(固定)
本実施形態では、マスクパターンを規定するパラメータとして、マスクパターンの形状を規定するパラメータ(線幅及び中心位置)を設定したが、マスクパターンの位相や透過率を規定するパラメータを設定することも可能である。
S1504では、S104と同様に、S1502で設定したマスクパターンの光学像(投影光学系の像面に形成される像)を評価するためのカットライン(評価場所)を設定する。
S1506では、マスクパターンの光学像を評価する評価基準を設定する。本実施形態では、S106と同様に、図16に示すマスクパターンにおける最大エッジシフト量を、評価基準として設定する。
S1508では、照明光学系の瞳面に形成される互いに異なる複数の要素光源を生成すると共に、有効光源を規定するパラメータを設定する。本実施形態では、図17に示すように、照明光学系の瞳面を碁盤目状に縦方向及び横方向のそれぞれに15分割した領域のそれぞれを光らせたものを複数の要素光源として生成した。但し、有効光源の対称性から、照明光学系の瞳面を分割した領域のうち、図17に示す領域R1乃至R52(即ち、右上部の四半分)だけを考慮すればよい。また、図17に示す領域R1乃至R52のそれぞれにおける光の強度(重み付け)を、有効光源を規定するパラメータとして設定した。
S1510では、投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態(投影光学系に生じる互いに異なる複数の収差パターン)を設定する。本実施形態では、第1の実施形態と同じ9つの収差パターン(表1に示す収差パターン1乃至9)を設定した。
S1512では、有効光源及びマスクパターンの最適化を終了させるかどうかを判定するための終了判定基準を設定する。本実施形態では、終了判定基準として、S1506において評価基準として設定した最大エッジシフト量に対する閾値(即ち、許容される最大エッジシフト量)を設定した。但し、終了判定基準は、最大エッジシフト量に対する閾値に限定されるものではなく、例えば、光学像の算出回数(即ち、最適化の繰り返し回数)を制限する制限回数を設定してもよい。
S1514では、S1506で設定した評価基準に基づいて、マスクパターン及び有効光源を仮決定する。本実施形態では、滑降シンプレックス法を用いて、マスクパターンを規定するパラメータ及び有効光源を規定するパラメータのそれぞれを仮決定した。具体的には、S1502で設定したマスクパターンを規定するパラメータ及びS1508で設定した有効光源を規定するパラメータをパラメータ群として含む区間を設定し、かかる空間内において各パラメータの値を決定する。計算初期においては、乱数によってパラメータの値が仮決定されるが、後述するように、一般的に、S1514は複数回行われる。そして、複数回目の計算においては、S1506で設定した評価基準をなるべく小さくするように、パラメータの値が仮決定されるように、滑降シンプレックス法を用いたアルゴリズムを設定している。
S1516では、S1510で設定した複数の収差パターン、複数のS1514で仮決定したマスクパターン及び有効光源を用いて、投影光学系の像面に形成されるマスクパターンの光学像を算出する。具体的には、複数の収差パターン1乃至9のそれぞれを投影光学系に与え、仮決定した有効光源で仮決定したマスクパターンを照明したときに、S1504で設定したカットラインの上に形成されるマスクパターンの光学像を算出する。本実施形態では、S1510において9つの収差パターンを設定しているため、9つの光学像が算出される。
S1518では、S1516で算出された光学像に基づいて、S1512で設定した終了判定基準が満たされているかどうかを判定する。終了判定基準が満たされていない場合には、S1514に移行して、マスクパターン及び有効光源を再度仮決定する。このように、S1514乃至S1518を繰り返すことによって、最終的なマスクパターン及び有効光源が決定されることになる。一方、終了判定基準が満たされている場合には、S1520に移行する。
本実施形態では、S1516で算出された9つの光学像の全てについて、最大エッジシフト量が閾値を満たしているかどうかを判定する。そして、9つの光学像のうち1つでも最大エッジシフト量が閾値を満たしていなければ、終了判定基準が満たされていないと判定する。
S1520では、S1514で仮決定したマスクパターン及び有効光源のそれぞれを、最終的なマスクパターン及び有効光源として決定する。なお、S1514では、S1508で設定した複数の要素光源のそれぞれの重み付けが仮決定されているため、かかる重み付けを与えた複数の要素光源を合成することで有効光源が得られる。本実施形態では、図18に示すような有効光源が得られた。また、マスクパターンについては、以下のような結果が得られた。なお、マスクの製造性を考慮して、マスクパターンを規定するパラメータは0.1nm刻みの値となるように制約をかけて最適化した。
W(PTA1)=240.6nm
W(PTA2)=240.6nm
W(PTA3)=240.4nm
W(PTA4)=240.2nm
W(PTA5)=240.4nm
W(PTA6)=241.0nm
W(PTA7)=240.4nm
XC(PTA1)=−3600.1nm
XC(PTA2)=−3000.1nm
XC(PTA3)=−2400.0nm
XC(PTA4)=−1799.9nm
XC(PTA5)=−1199.9nm
XC(PTA6)=−599.9nm
XC(PTA7)=0nm(固定)
図18に示す有効光源の像性能と、図6に示す有効光源の像性能とを比較した。第1の実施形態と同じ63個の実収差パターンのそれぞれを投影光学系に与え、図18に示す有効光源及び図6に示す有効光源のそれぞれでマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果を図19に示す。なお、図18に示す有効光源では、上述したパラメータで規定されるマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果であり、図6に示す有効光源では、図2に示すマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果である。なお、図19には、図7に示す有効光源(従来技術における有効光源)で図2に示すマスクパターンを照明したときのシミュレーション結果も示してある。図19では、縦軸に評価基準である最大エッジシフト量を採用し、横軸に実収差パターンを採用している。
図19を参照するに、図18に示す有効光源の最大エッジシフト量は、図6に示す有効光源の最大エッジシフト量よりも小さいことがわかる。本実施形態では、第1の実施形態よりも要素光源の分割数が小さいため、有効光源の自由度は小さくなっている。但し、マスクパターンを規定するパラメータを変数としているため(即ち、マスクパターンを最適化しているため)、全体としての自由度が高く、第1の実施形態よりも優れた像性能を実現する有効光源及びマスクパターンを得ることができる。
このように、本実施形態では、投影光学系が有しうる様々な収差に対して、光学像のエッジ位置のシフトを抑えることが可能な有効光源を決定するだけでなく、かかる有効光源に適したマスクパターンも決定することができる。
以下、図20及び図21を参照して、第1の実施形態及び第6の実施形態で説明したように、投影光学系が有しうる様々な収差に対する光学像のエッジ位置のシフトを評価して有効光源を決定(最適化)することの重要性について説明する。
図20は、典型的なSRAMメモリセルのウェル工程におけるプロセスフローを模式的に示す図である。ウェル工程とは、ウェルと呼ばれる領域を形成するための工程である。図20を参照して、光学像のエッジ位置を制御する(即ち、エッジ位置のシフトを抑える)ことの必要性を明らかにする。なお、ここでは、ポジ型レジストを用いたプロセスフローを説明するが、ネガ型レジストを用いてもよい。
まず、分離工程と呼ばれる工程Aにおいて、Siウエハ2000の上に分離酸化膜2010を一定の間隔で形成する。次いで、工程Bにおいて、Siウエハ2000の上にレジスト2020を塗布する。次に、リソグラフィ工程と呼ばれる工程Cにおいて、マスク2030を介して、Siウエハ2000に紫外線などの光を照射する。これにより、マスク2030のパターンを反映する光がSiウエハ2000に投影され、Siウエハ2000の上のレジスト2020における一部の領域2040が感光する。
次いで、現像工程と呼ばれる工程Dにおいて、レジスト2020における一部の領域2040を溶解させて取り除く。次に、イオン注入工程と呼ばれる工程Eにおいて、イオン注入装置を用いて、電界で加速させた特定のイオンをSiウエハ2000の内部に打ち込む。この際、レジスト2020がイオンのウエハ内部への進入を阻止するため、レジスト2020が取り除かれた領域に対応するウエハ内部のみにイオンが注入される。なお、ウエハのどの程度の深さまでイオンを注入するかは、イオンを加速する電界の強度で調整することができる。そして、工程Fにおいて、レジスト2020を全て取り除く。イオンが注入された領域は、ウェル2050と呼ばれる。工程A乃至工程Fを経て、複数の分離酸化膜間の領域にイオンが注入され、デバイスの電気特性を好ましい値に制御することができる。なお、Siウエハ2000とウェル2050とは、互いに逆符号の電荷を有し、例えば、Siウエハ2000がP型であれば、ウェル2050はN型となる。
図21(a)は、ウェル2050とトランジスタ2060の構造を模式的に示す図である。図21(a)に示すように、ウェル2050には、複数のトランジスタが並んで形成される。かかる複数のトランジスタのうち、ウェル2050の端に形成されるトランジスタ2060に注目し、かかるトランジスタ2060の望ましい構造及び望ましくない構造のそれぞれを図21(b)及び図21(c)に示す。図21(b)に示すソース2070、ドレイン2080、ゲート間酸化膜2085及びゲート2090は、ウェル工程の後に形成される。
図21(b)を参照するに、ソース2070、ドレイン2080及びゲート2090は、ウェル2050の上に形成されている。従って、1つのトランジスタは、Siウエハ2000の上のウェル2050でない部分とは分離酸化膜2010で隔てられており、電荷がリークすることはない。
一方、工程Cにおける光学像のエッジ位置の精度が低いと、イオン注入工程の際に、ウェル2050の端が分離酸化膜2010の上ではない位置に形成される。その結果、ソース2070やドレイン2080を形成すると、図21(c)に示すように、領域2100において、ウェル2050ではない部分とドレイン2080とが直接接触してしまう。Siウエハ2000がP型、ウェル2050がN型である場合、ソース2070及びドレイン2080はP型となる。従って、領域2100においては、P型であるSiウエハ2000と同じP型であるドレイン2080が接触しているため、電荷が容易にリークしてしまう。電荷のリークがトランジスタの性能に悪影響を及ぼすことは明らかである。このように、光学像のエッジ位置の精度が低くなると、デバイスの歩留まりが大きく劣化してしまう。
ここでは、ウェル工程に着目して説明したが、最終的なデバイスを完成させるまでにイオン注入工程は複数回存在する。例えば、ソースやドレインを形成する際にもイオン注入工程が用いられる。かかるイオン注入工程においても、光学像のエッジ位置を高精度に制御することが重要であることは言うまでもない。
このように、光学像のエッジ位置を高精度に制御する(即ち、エッジ位置のシフトを抑える)ことは、SRAMなどのデバイスの歩留まりを向上させる上で非常に重要である。但し、上述したように、コマ収差に代表される収差が投影光学系に存在すると、光学像のエッジ位置は著しく変動(シフト)する。従って、本実施形態のように、投影光学系が有しうる様々な収差に対する光学像のエッジ位置のシフトを評価して有効光源を決定(最適化)することが有利となる。
なお、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種の記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
<第7の実施形態>
以下、図22を参照して、照明光学系からの光で照明されたマスクのパターンをウエハに転写する露光装置100について説明する。図22は、露光装置100の構成を示す概略ブロック図である。露光装置100は、照明光学系180において、上述した決定方法によって決定された有効光源を形成し、かかる有効光源でマスクを照明する。露光装置100は、本実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるが、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式も適用することができる。
露光装置100は、照明装置110と、マスク120を支持するマスクステージ(不図示)と、投影光学系130と、ウエハ140を支持するウエハステージ(不図示)とを有する。
照明装置110は、光源160と、照明光学系180とを含み、転写用の回路パターンが形成されたマスク120を照明する。光源160は、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザ、波長約248nmのKrFエキシマレーザなどのエキシマレーザを使用する。但し、光源160の種類及び個数は限定されず、例えば、波長約157nmのFレーザや狭帯域化した水銀ランプなどを光源160として使用することもできる。照明光学系180は、光源160からの光を用いてマスク120を照明する光学系であって、上述した決定方法によって決定された有効光源を形成する。照明光学系180は、引き回し光学系181と、ビーム整形光学系182と、偏光制御部183と、位相制御部184と、射出角度保存光学素子185と、リレー光学系186と、多光束発生部187とを含む。また、照明光学系180は、偏光状態調整部188と、計算機ホログラム189と、リレー光学系190と、アパーチャ191と、ズーム光学系192と、多光束発生部193と、開口絞り194と、照射部195とを含む。
引き回し光学系181は、光源160からの光を偏向してビーム整形光学系182に導光する。ビーム整形光学系182は、光源160からの光の断面形状の縦横比率を所定の値に変換する(例えば、断面形状を長方形から正方形にする)。ビーム整形光学系182は、多光束発生部187を照明するために必要な大きさ及び発散角を有する光束を形成する。
偏光制御部183は、例えば、直線偏光子などで構成され、不要な偏光成分を除去する機能を有する。偏光制御部183で除去(遮光)される偏光成分を最小限にすることで、光源160からの光を効率よく所定の直線偏光にすることができる。位相制御部184は、偏光制御部183によって直線偏光となった光にλ/4の位相差を与えて円偏光に変換する。射出角度保存光学素子185は、例えば、オプティカルインテグレータ(複数の微小レンズで構成されたハエの目レンズやファイバーなど)で構成され、一定の発散角度で光を射出する。リレー光学系186は、射出角度保存光学素子185から射出された光を多光束発生部187に集光する。射出角度保存光学素子185の射出面と多光束発生部187の入射面とは、リレー光学系186によって、互いにフーリエ変換の関係(物体面と瞳面の関係、又は、瞳面と像面の関係)になっている。多光束発生部187は、偏光状態調整部188及び計算機ホログラム189を均一に照明するためのオプティカルインテグレータで構成される。多光束発生部187の射出面には、複数の点光源からなる2次光源が形成される。多光束発生部187から射出された光は、円偏光として偏光状態調整部188に入射する。
偏光状態調整部188は、位相制御部184によって円偏光となった光にλ/4の位相差を与えて所定の偏光方向を有する直線偏光に変換する。偏光状態調整部188から射出された光は、直線偏光として回折光学素子として機能する計算機ホログラム189に入射する。本実施形態では、偏光状態調整部188は、計算機ホログラム189よりも光源側に配置されているが、偏光状態調整部188と計算機ホログラム189との配置関係を入れ替えてもよい。また、偏光状態調整部188をサブ波長構造(SWS:Sub Wavelength Structure)で構成した場合には、1つの素子で偏光状態調整部と回折光学素子の機能を有する(即ち、回折光学素子と一体的に構成する)ことができる。
計算機ホログラム189は、リレー光学系190を介して、アパーチャ191の位置に、上述した決定方法で決定された有効光源(光強度分布)、例えば、図6に示すような有効光源を形成する。また、計算機ホログラム189は、輪帯照明や4重極照明などを形成することも可能であり、偏光状態調整部188と協同して、タンジェンシャル偏光やラディアル偏光などを実現することもきできる。このような互いに異なる有効光源を形成する複数の計算機ホログラム189は、例えば、ターレットなどの切り替え部に配置される。そして、上述した決定方法によって決定された有効光源に対応する計算機ホログラム189を照明光学系180の光路に配置することで、様々な有効光源を形成することができる。
アパーチャ191は、計算機ホログラム189によって形成された有効光源(光強度分布)のみを通過させる機能を有する。計算機ホログラム189とアパーチャ191とは、互いにフーリエ変換の関係になるように配置されている。ズーム光学系192は、計算機ホログラム189によって形成された有効光源を所定の倍率で拡大して多光束発生部193に投影する。多光束発生部193は、照明光学系180の瞳面に配置され、アパーチャ191の位置に形成された光強度分布に対応した光源像(有効光源)を射出面に形成する。多光束発生部193は、本実施形態では、ハエの目レンズやシリンドリカルレンズアレイなどのオプティカルインテグレータで構成される。なお、多光束発生部193の射出面の近傍には、開口絞り194が配置される。照射部195は、コンデンサー光学系などを含み、多光束発生部193の射出面に形成される有効光源でマスク120を照明する。
マスク120は、ウエハ140に転写すべきパターンを有し、例えば、上述した決定方法で決定されたマスクパターンを有してもよい。マスク120は、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。マスク120からの回折光は、投影光学系130を介して、ウエハ140に投影される。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マスク120とウエハ140とを走査することによって、マスク120のパターンをウエハ140に転写する。
投影光学系130は、マスク120のパターンをウエハ140に投影する光学系である。投影光学系130は、屈折系、反射屈折系、或いは、反射系を使用することができる。
ウエハ140は、マスク120のパターンが投影(転写)される基板であり、図示しないウエハステージに支持及び駆動される。但し、ウエハ140は、ガラスプレートやその他の基板に置き換えることもできる。ウエハ140には、レジストが塗布されている。
露光において、光源160からの光は、照明光学系180によってマスク120を照明する。マスク120のパターンを反映する光は、投影光学系130によってウエハ140の上に結像する。この際、マスク120は、上述した決定方法によって決定された有効光源で照明される。従って、露光装置100は、高いスループットで経済性よく高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。かかるデバイスは、露光装置100を用いてフォトレジスト(感光剤)が塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、露光された基板を現像する工程と、その他の周知の工程と、を経ることによって製造される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (11)

  1. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置における前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布をコンピュータを用いて決定する決定方法であって、
    前記投影光学系の物体面に配置するマスクのパターンを設定する第1のステップと、
    前記投影光学系の像面に形成される前記第1のステップで設定したマスクのパターンの光学像を評価するための評価場所を設定する第2のステップと、
    前記照明光学系の瞳面に形成される複数の要素光源を生成する第3のステップと、
    前記投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態を設定する第4のステップと、 前記第4のステップで設定した複数の収差状態から選択した1つの収差状態を前記投影光学系に与え、前記第3のステップで生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源で前記マスクのパターンを照明したときに前記第2のステップで設定した評価場所に形成される前記マスクのパターンの光学像を、前記複数の収差状態と前記複数の要素光源との組み合わせの全てについて算出する第5のステップと、
    前記第5のステップで算出した光学像に基づいて、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けを決定し、前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源を前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する第6のステップと、
    を有することを特徴とする決定方法。
  2. 前記投影光学系の像面からデフォーカスした複数のデフォーカス面を設定するステップを更に有し、
    前記第5のステップでは、前記複数のデフォーカス面のそれぞれについても、前記第2のステップで設定した評価場所に対応する位置の上に形成される前記マスクのパターンの光学像を算出し、
    前記第6のステップでは、前記複数のデフォーカス面のそれぞれについて算出した光学像にも基づいて、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けを決定し、前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源を前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する請求項1に記載の決定方法。
  3. 前記第3のステップは、前記複数の要素光源のそれぞれについて強度を比例倍した強度評価用の要素光源を生成するステップを含み、
    前記第5のステップでは、前記強度評価用の要素光源のそれぞれについても、前記第2のステップで設定した評価場所に対応する位置の上に形成される前記マスクのパターンの光学像を算出し、
    前記第6のステップでは、前記強度評価用の要素光源のそれぞれについて算出した光学像にも基づいて、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けを決定し、前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源を前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する請求項1に記載の決定方法。
  4. 前記第6のステップでは、数理計画法によって、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布を決定することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  5. 前記第4のステップでは、前記複数の収差状態のそれぞれが少なくともコマ収差を含むように、収差状態を設定することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  6. 前記マスクのパターンは、イオン注入工程で用いられるマスクのパターンであることを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  7. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置に用いられるマスクのパターンと前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布とをコンピュータを用いて決定する決定方法であって、
    前記投影光学系の物体面に配置するマスクの仮パターンを設定する第1のステップと、 前記投影光学系の像面に形成される前記第1のステップで設定したマスクの仮パターンの光学像を評価するための評価場所を設定する第2のステップと、
    前記照明光学系の瞳面に形成される複数の要素光源を生成する第3のステップと、
    前記投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態を設定する第4のステップと、 前記第4のステップで設定した複数の収差状態から選択した1つの収差状態を前記投影光学系に与え、前記第3のステップで生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源で前記マスクの仮パターンを照明したときに前記第2のステップで設定した評価場所に形成される前記マスクの仮パターンの光学像を、前記複数の収差状態と前記複数の要素光源との組み合わせの全てについて算出する第5のステップと、
    前記第5のステップで算出した光学像に基づいて、前記マスクの仮パターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記マスクのパターンの形状を規定するためのパラメータと前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けとを決定し、前記決定したパラメータで規定されるパターン及び前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源のそれぞれを前記マスクのパターン及び前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する第6のステップと、
    を有することを特徴とする決定方法。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の決定方法を用いて決定された光強度分布を形成する照明光学系から射出した光でマスクを照明するステップと、
    前記マスクのパターンの像を、投影光学系を介して基板に投影するステップと、
    を有することを特徴とする露光方法。
  9. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置における前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布を決定する決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記投影光学系の物体面に配置するマスクのパターンを設定する第1のステップと、
    前記投影光学系の像面に形成される前記第1のステップで設定したマスクのパターンの光学像を評価するための評価場所を設定する第2のステップと、
    前記照明光学系の瞳面に形成される複数の要素光源を生成する第3のステップと、
    前記投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態を設定する第4のステップと、 前記第4のステップで設定した複数の収差状態から選択した1つの収差状態を前記投影光学系に与え、前記第3のステップで生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源で前記マスクのパターンを照明したときに前記第2のステップで設定した評価場所の上に形成される前記マスクのパターンの光学像を、前記複数の収差状態と前記複数の要素光源との組み合わせの全てについて算出する第5のステップと、
    前記第5のステップで算出した光学像に基づいて、前記マスクのパターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けを決定し、前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源を前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する第6のステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  10. マスクを照明する照明光学系と、前記マスクのパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置に用いられるマスクのパターンと前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布とを決定する決定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、 前記コンピュータに、
    前記投影光学系の物体面に配置するマスクの仮パターンを設定する第1のステップと、 前記投影光学系の像面に形成される前記第1のステップで設定したマスクの仮パターンの光学像を評価するための評価場所を設定する第2のステップと、
    前記照明光学系の瞳面に形成される複数の要素光源を生成する第3のステップと、
    前記投影光学系が有しうる互いに異なる複数の収差状態を設定する第4のステップと、 前記第4のステップで設定した複数の収差状態から選択した1つの収差状態を前記投影光学系に与え、前記第3のステップで生成した複数の要素光源から選択した1つの要素光源で前記マスクの仮パターンを照明したときに前記第2のステップで設定した評価場所に形成される前記マスクの仮パターンの光学像を、前記複数の収差状態と前記複数の要素光源との組み合わせの全てについて算出する第5のステップと、
    前記第5のステップで算出した光学像に基づいて、前記マスクの仮パターンの光学像の前記評価場所のエッジ位置を目標エッジ位置に近づけるように、前記マスクのパターンの形状を規定するためのパラメータと前記複数の要素光源のそれぞれに与える重み付けとを決定し、前記決定したパラメータで規定されるパターン及び前記重み付けを与えた前記複数の要素光源を合成した光源のそれぞれを前記マスクのパターン及び前記照明光学系の瞳面に形成すべき光強度分布として決定する第6のステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の決定方法を実行することを特徴とするコンピュータ。
JP2010217760A 2010-09-28 2010-09-28 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ Active JP5539140B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217760A JP5539140B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ
US13/224,488 US9268239B2 (en) 2010-09-28 2011-09-02 Exposure method and storage medium
TW100133228A TWI448836B (zh) 2010-09-28 2011-09-15 決定方法、曝光方法、和儲存媒介
KR1020110094430A KR101375505B1 (ko) 2010-09-28 2011-09-20 결정 방법, 노광 방법 및 기억 매체

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217760A JP5539140B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012074514A JP2012074514A (ja) 2012-04-12
JP2012074514A5 JP2012074514A5 (ja) 2013-11-07
JP5539140B2 true JP5539140B2 (ja) 2014-07-02

Family

ID=45870342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010217760A Active JP5539140B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9268239B2 (ja)
JP (1) JP5539140B2 (ja)
KR (1) KR101375505B1 (ja)
TW (1) TWI448836B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5835968B2 (ja) * 2011-07-05 2015-12-24 キヤノン株式会社 決定方法、プログラム及び露光方法
JP5681309B2 (ja) * 2014-03-18 2015-03-04 キヤノン株式会社 決定方法、露光方法及びプログラム

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2715895B2 (ja) * 1994-01-31 1998-02-18 日本電気株式会社 光強度分布シミュレーション方法
US6839125B2 (en) * 2003-02-11 2005-01-04 Asml Netherlands B.V. Method for optimizing an illumination source using full resist simulation and process window response metric
US7030966B2 (en) * 2003-02-11 2006-04-18 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and method for optimizing an illumination source using photolithographic simulations
US7057709B2 (en) 2003-12-04 2006-06-06 International Business Machines Corporation Printing a mask with maximum possible process window through adjustment of the source distribution
JP4528580B2 (ja) * 2004-08-24 2010-08-18 株式会社東芝 照明光源の設計方法、マスクパターン設計方法、フォトマスクの製造方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム
JP2007080947A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Toshiba Corp 照明形状の設計方法及び設計プログラム
EP2040120B1 (en) * 2007-09-19 2011-03-02 Canon Kabushiki Kaisha Mask data generation method, mask fabrication method, exposure method, device fabrication method, and program
JP4402145B2 (ja) * 2007-10-03 2010-01-20 キヤノン株式会社 算出方法、生成方法、プログラム、露光方法及び原版作成方法
JP2009302206A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Canon Inc 露光パラメータの決定方法、露光パラメータを決定するためのプログラム、露光方法及びデバイス製造方法
JP2010016057A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Canon Inc 測定方法、測定装置、露光装置、露光方法、デバイスの製造方法及び設計方法
JP5153492B2 (ja) * 2008-07-11 2013-02-27 キヤノン株式会社 露光条件決定方法およびコンピュータプログラム
JP5300354B2 (ja) * 2008-07-11 2013-09-25 キヤノン株式会社 生成方法、原版作成方法、露光方法、デバイス製造方法及びプログラム
JP5665398B2 (ja) * 2009-08-10 2015-02-04 キヤノン株式会社 生成方法、作成方法、露光方法、デバイスの製造方法及びプログラム
JP5513324B2 (ja) * 2010-09-01 2014-06-04 キヤノン株式会社 決定方法、露光方法及びプログラム
JP5513325B2 (ja) * 2010-09-01 2014-06-04 キヤノン株式会社 決定方法、露光方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
KR101375505B1 (ko) 2014-03-18
TWI448836B (zh) 2014-08-11
US20120075614A1 (en) 2012-03-29
JP2012074514A (ja) 2012-04-12
TW201217914A (en) 2012-05-01
US9268239B2 (en) 2016-02-23
KR20120032423A (ko) 2012-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5835968B2 (ja) 決定方法、プログラム及び露光方法
KR100588182B1 (ko) 노광장치와 노광방법
US7245356B2 (en) Lithographic apparatus and method for optimizing illumination using a photolithographic simulation
KR100825454B1 (ko) 리소그래피 장치 및 디바이스 제조 방법
KR100606491B1 (ko) 리소그래피를 위한 파라미터를 판정하는 방법,컴퓨터시스템 및 이를 위한 컴퓨터 프로그램, 디바이스제조방법 및 그에 따라 제조된 디바이스
JP5513325B2 (ja) 決定方法、露光方法及びプログラム
US7471375B2 (en) Correction of optical proximity effects by intensity modulation of an illumination arrangement
JP5513324B2 (ja) 決定方法、露光方法及びプログラム
TW201812483A (zh) 微影投射曝光裝置中照射系統之運作方法
US8247141B2 (en) Method of generating reticle data, memory medium storing program for generating reticle data and method of producing reticle
KR102063229B1 (ko) 소스 방사선의 각도 분포의 다중-샘플링을 사용하는 리소그래피의 시뮬레이션
US8234600B2 (en) Computer readable storage medium storing program for generating reticle data, and method of generating reticle data
JP5539140B2 (ja) 決定方法、露光方法、プログラム及びコンピュータ
JP4077288B2 (ja) フォトマスクの設計方法およびプログラム
JP5491272B2 (ja) 決定方法、露光方法及びプログラム
JP4639120B2 (ja) マスク・パターンの光転送を最適化するための方法、リソグラフィ投影装置、および機械可読媒体
JP4131981B2 (ja) パターン予測方法およびプログラム
JP5681309B2 (ja) 決定方法、露光方法及びプログラム
JP2021067734A (ja) 露光装置、露光方法及び物品の製造方法
JP2009033047A (ja) 露光装置、デバイス製造方法及び補正方法
JP2014075444A (ja) 照明条件を決定する方法及びプログラム、露光方法並びにデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130925

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130925

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140326

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140404

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5539140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140430