JP5538775B2 - 車両搭載用クレーンの電源供給システム - Google Patents
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Description
油圧ポンプは、トラック等の車両のエンジンを動力源としており、車両のエンジンに連結されたPTO(パワーテイクオフ)を介して作動する。また、コントローラの電源は、車両のPTOのon−offと連動するスイッチがon−offされることで、車両側のバッテリから供給されるようになっている。
しかしながら、従来、車両搭載用クレーンは、上述のように、クレーン本体のコントローラが、車両側のバッテリから必要な電力の供給を受けて動作するので、架装対象となる車両にクレーン本体を架装搭載する場合に以下のような問題がある。
このような配線作業並びにインストルメントパネルの脱着は、狭い運転室内で行わなければならず、また、インストルメントパネルや室内の部品等を傷付けないように、細心の注意を払って作業する必要がある。さらに、近年の車両は、コンピュータを内蔵したタコグラフやカーナビゲーション、ETC等の電子装置を搭載したものが多い。そのため、インストルメントパネルの着脱作業には一層大変な労力を要するものとなっている。
さらに、車両メーカ各社によって、PTOの種類やそのハーネスの接続部等の仕様が異なる。そのため、車両搭載用クレーンの架装作業では、車両メーカ各社の仕様に合わせて、専用部品や配線作業のための複数の施工図が必要となり、架装作業をより困難なものとしている。
また、上記課題を解決するために、本発明の第二の態様は、車両に架装搭載される車両搭載用クレーンの電源供給システムであって、前記車両搭載用クレーンは、クレーン本体を駆動するための油圧ポンプとして、車両のエンジンを動力源とする油圧ポンプのみを備え、車両のエンジンに連結されたPTOと、該PTOを介して作動する前記油圧ポンプと、前記PTOを介して前記エンジンの出力のみで発電する発電機と、該発電機からの電力供給を受けて車両側のバッテリからは必要な電力の供給を受けることなく動作してクレーン本体を制御するコントローラとを有し、前記発電機は、前記油圧ポンプの駆動軸に直列かつ該油圧ポンプの筐体部に一体に接続されており、前記PTOの駆動と同時に前記コントローラへの電力の供給を開始することを特徴とする。
なお、その他の架装作業は、従来の架装作業での施工手順に準じて施工工程を組める。そのため、作業者の、本発明に係る車両搭載用クレーンの電源供給システムによる配線作業の習得や周知も容易であり、従来の電源供給システムから本願の電源供給システムに円滑な移行をする上で好適である。
図1に示すように、この車両搭載用クレーンは、トラック等の車両10に架装搭載されるクレーン本体6を備えている。このクレーン本体6は、車両10の荷台16と運転室11との間のシヤーシフレーム19上に、ベース17が連結固定される。そして、そのベース17上にコラム12が旋回自在に設けられ、さらに、このコラム12の上端部には、図2に示す油圧ポンプ2からの圧油で駆動するアクチュエータを有する多段伸縮ブームであるブーム13が起伏自在に枢支されている。また、このコラム12には、ウインチ(図示略)が設けられており、このウインチからワイヤロープ14をブーム13の先端部に導いて、ブーム13の先端部の滑車(図示略)を介してフック15を掛け回すことにより、フック15がブーム13の先端部から吊下されている。なお、上記ベース17の左右両側には、アウトリガ18が設けられている。
この車両搭載用のクレーンは、図2に示すように、油圧ポンプ2を備えている。この油圧ポンプ2は、上記車両10のエンジン1を動力源としており、このエンジン1に連結されたPTO(パワーテイクオフ)1aを介して作動するようになっている。
ここで、本実施形態の電源供給システム8において、この発電機7は、図3に示すように、ロータ7aと、円筒状のステータ7bとを備えている。そして、ロータ7aは、鉄心43、コイル44、コイルボビン45を有し、円筒状のステータ7bには、その内面にマグネット46が設けられている。そして、ロータ7aは、油圧ポンプ2のドライブシャフト(駆動軸)41の後端に直接装着され、一方、ステータ7bは、油圧ポンプ2の筐体部40の後端面40aに一体をなして付設される。これにより、この発電機7は、クレーン本体を駆動するための油圧ポンプの駆動軸に直列かつ該油圧ポンプの筐体部に一体に接続されている。
例えばクレーン本体6の上記各切換弁は、図2に示すように、信号線3sを介してコントローラ4に接続されており、操作盤5からの操作信号に応じたコントローラ4からの制御信号に基づいて各切換弁の油路の切換動作が適宜実行される。そして、コントローラ4は、自身および各アクチュエータの切換弁等の駆動に必要な電力の供給が、上記発電機7から供給されるように構成されている。
この電源リレー50は、その端子の一方が上記バッテリ23に、他方が上記コントローラ4に接続され、さらにスイッチ開閉用端子が発電機7側に接続されており、発電機7が発電時に限って電源リレー50がonになり、当該電源リレー50がonのときにコントローラ4に電力が供給されてコントローラ4が起動するようになっている。
上述したように、この電源供給システム8によれば、クレーン本体6を制御するコントローラ4は、油圧ポンプ2の駆動、つまり、発電器7の駆動と同時に発電器7で発電された電力が直接供給されて作動を開始するシステムなので、運転室内での配線接続等の作業が不要である。そのため、この車両搭載用クレーンの架装作業においては、車両メーカ各社の仕様に合わせた、専用部品や配線作業のための施工図が不要であり、また、PTO1aのon−offの検出スイッチやそのための配線についても不要となり、架装作業での労力を軽減するとともに、車両側の仕様が異なる場合であっても、一の作業手順によって架装作業を行うことができる。
特に、この発電機7は、PTO1aに対して、クレーン本体6を駆動するための油圧ポンプ2の駆動軸41に直列かつ該油圧ポンプ2の筐体部40に一体に接続されているので、従来同様に油圧ポンプ2の取付け作業を行うだけで、この電源供給システムを組み込むことができる。ここで、この発電機7は、コントローラ4を起動させるだけの電力が得られればよい。そのため、この電源供給システムに採用する発電機7は、小型のもので十分である。また、これに対応する車両側のエンジン1も、特別にトルクの強力なものを用意する必要もない。
例えば、例示したこの電源供給システム8では、車両搭載用クレーン専用のバッテリ23を有するので、電圧の変動等を抑制し、電源を安定させているが、これに限らず、このバッテリ23を無くしたシステム、即ち、油圧ポンプの駆動開始と同時に発電機7で発電された電力がレギュレータ20を通じてコントローラ4(クレーン本体6)へ直接供給し得るシステムとすることも可能である。
2 油圧ポンプ
3 コントロールバルブ
4 コントローラ
6 クレーン本体
7 発電機
8 電源供給システム
9 充電器
10 車両
11 運転室
12 コラム
13 ブーム
14 ワイヤロープ
15 フック
16 荷台
17 ベース
18 アウトリガ
19 シヤーシフレーム
20 レギュレータ
23 バッテリ
27 主管路
28 タンク
29 戻り管路
40 筐体部
41 ドライブシャフト(駆動軸)
43 鉄心
44 コイル
45 コイルボビン
46 マグネット
50 電源リレー
Claims (2)
- 車両に架装搭載される車両搭載用クレーンの電源供給システムであって、
前記車両搭載用クレーンは、クレーン本体を駆動するための油圧ポンプとして、車両のエンジンを動力源とする油圧ポンプのみを備え、
車両のエンジンに連結されたPTOと、該PTOを介して作動する前記油圧ポンプと、前記PTOを介して前記エンジンの出力のみで発電する発電機と、該発電機からの電力供給を受けて動作してクレーン本体を制御するコントローラと、前記発電機によって充電される車両搭載用クレーン専用のバッテリと、前記車両搭載用クレーン専用のバッテリと前記コントローラとの電源供給回路間に設けられたリレーとを有し、
前記発電機は、前記油圧ポンプの駆動軸に直列かつ該油圧ポンプの筐体部に一体に接続されており、前記PTOの駆動と同時に前記車両搭載用クレーン専用のバッテリへの電力の供給を開始し、前記発電機の発電と連動して前記リレーが励磁されて該リレーの接点が接続することで、前記車両搭載用クレーン専用のバッテリから前記コントローラに必要な電力が供給されて車両側のバッテリからは必要な電力の供給を受けることなく前記コントローラが起動することを特徴とする車両搭載用クレーンの電源供給システム。 - 車両に架装搭載される車両搭載用クレーンの電源供給システムであって、
前記車両搭載用クレーンは、クレーン本体を駆動するための油圧ポンプとして、車両のエンジンを動力源とする油圧ポンプのみを備え、
車両のエンジンに連結されたPTOと、該PTOを介して作動する前記油圧ポンプと、前記PTOを介して前記エンジンの出力のみで発電する発電機と、該発電機からの電力供給を受けて車両側のバッテリからは必要な電力の供給を受けることなく動作してクレーン本体を制御するコントローラとを有し、
前記発電機は、前記油圧ポンプの駆動軸に直列かつ該油圧ポンプの筐体部に一体に接続されており、前記PTOの駆動と同時に前記コントローラへの電力の供給を開始することを特徴とする車両搭載用クレーンの電源供給システム。
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