JP5535730B2 - 流動層乾燥設備 - Google Patents

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Description

本発明は、流動化ガスにより被乾燥物を流動させつつ乾燥させる流動層乾燥装置に関し、特に、流動層乾燥装置から排出された高温の被乾燥物の冷却を効率よく行うことのできる流動層乾燥設備に関する。
例えば、石炭ガス化複合発電設備は、石炭をガス化し、コンバインドサイクル発電と組み合わせることにより、従来型の石炭火力に比べ、さらなる高効率化・高環境性を目指した発電設備である。この石炭ガス化複合発電設備は、資源量が豊富な石炭を利用可能であることも大きなメリットであり、適用炭種を拡大することにより、さらにメリットが大きくなることが知られている。ところが、褐炭や亜瀝青炭等の低品位炭は、持ち込まれる水分が多く、この水分により発電効率が低下する問題がある。このため、低品位炭を乾燥させて水分を除去する必要がある。
従来、このような石炭を乾燥する流動層乾燥装置は、底部が多数の開孔を有する通気可能な分散板である乾燥室と、乾燥室下部に位置するチャンバ室とを備えている。すなわち、この流動層乾燥装置は、流動化ガス(乾燥用気体)を風箱から多孔板を介して乾燥室に供給することによって被乾燥物を流動させつつ乾燥させている(特許文献1又は2)。
ところで、被乾燥物である褐炭や亜瀝青炭などの低品位石炭は、水分含有量が高いため発熱量が低く、このため、乾燥処理を行い、その後、低温まで冷却され、保管、輸送、利用が行われている。前記流動層乾燥装置における乾燥処理により100℃以上に加熱された低品位石炭は、冷却器により50℃程度以下に冷却される。
ここで、冷却器としては一般的に流動層が使用されることが多いが、作動流体、作動温度は乾燥プラントのシステムによって異なる。
従来においては、例えば300℃に高温処理された石炭を50℃程度まで冷却する方法が提案されるが、第一の冷却手段の冷却では冷却ガスとして水噴霧した燃焼排ガスを使用している。但し、水は完全には蒸発させずに水滴として燃焼排ガス中に含有させ、冷却工程にて潜熱蒸発を行い冷却効率の向上を図っている。一方、第二の冷却手段では冷却ガスとして常温の空気が使用されている(特許文献3)。
特開平04−13086号公報 特開平06−299176号公報 特開昭62−115090号公報
ところで、従来技術においては、150℃以下の冷却工程では冷却ガスとして空気が使用されているが、供給空気のアンバランスなどにより、均一な冷却が行われないと、部分的に石炭が酸化昇温し、自然発火などの重大トラブルが発生する、という問題がある。
冷却空気として酸素濃度の低い燃焼排ガスを使用する場合には、大量の排ガスが必要になり設備コストが高くなる、という問題がある。
そこで、このような対策を講ずることなく、流動層乾燥装置から排出された高温の被乾燥物の冷却を効率よく行うことのできる対策を施すことが切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、流動層乾燥装置から排出された高温の被乾燥物の冷却を効率よく行うことのできる流動層乾燥設備を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、流動層乾燥装置に流動化ガスを供給することで前記流動層乾燥装置に供給された被乾燥物を流動させて乾燥させる流動層乾燥設備において、前記乾燥後の被乾燥物を冷却空気により冷却する冷却手段に設けられ、内部温度を検知する温度計又は内部ガス濃度を検知するガス濃度計の何れか一方又は両方の検知手段と、前記検知手段により入力された温度情報又はガス濃度情報が設定値よりも大きい場合、前記被乾燥物の冷却不良を検知し、冷却不良改善対策として前記冷却空気に酸化抑制ガスを添加する制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記酸化抑制ガスの添加制御をしても前記冷却不良が改善されない場合、冷却不良改善対策として冷却物の払出、又は低温被乾燥物の供給のいずれかの制御を行うことを特徴とする流動層乾燥設備にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記冷却手段を、前記検知手段が設けられ、前記流動層乾燥装置から排出された被乾燥物を冷却する第1の冷却手段と、前記第1の冷却手段で冷却された前記被乾燥物を冷却する第2の冷却手段とに分割してなることを特徴とする流動層乾燥設備にある。
の発明は、第1又は2の発明において、前記冷却手段から排出する排気ガスラインに、ライン内部温度を検知する温度計又はライン内部ガス濃度を検知するガス濃度計の何れか一方又は両方の検知手段を有することを特徴とする流動層乾燥設備にある。
本発明によれば、流動層乾燥装置から排出された高温の被乾燥物の冷却を効率よく行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る流動層乾燥装置を適用した流動層乾燥設備の一例を示す概略図である。 図2は、図1に示す流動層乾燥設備を適用した石炭ガス化複合発電システムの一例を示す概略図である。 図3は、第1の形態の流動層乾燥設備を示す概略図である。 図4は、第1の形態の冷却の操作フロー図である。 図5は、第2の形態の流動層乾燥装置を示す概略図である。 図6は、褐炭の昇温特性を示す図である。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る流動層乾燥装置を適用した流動層乾燥設備の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る流動層乾燥設備100は、供給ホッパ120から供給され、水分含量が高い被乾燥物である褐炭101を乾燥する乾燥室を形成する流動層乾燥装置102と、流動層乾燥装置102内に設けられ、管状の内部に過熱蒸気(例えば150℃の蒸気)Aを供給して褐炭101中の水分を除去する伝熱部材(加熱手段)103と、前記伝熱部材103によって褐炭101が乾燥される際に発生する発生蒸気104を流動層乾燥装置102の外部に排出する発生蒸気ラインLと、前記発生蒸気ラインLに介装され、発生蒸気104中の粉塵を除去する集塵装置105と、発生蒸気ラインLにおける集塵装置105の下流側に介装され、発生蒸気104の熱を回収する熱回収システム106と、前記集塵装置105から粉塵が除去された発生蒸気104の一部を分岐し、流動化蒸気107として流動層乾燥装置102内に供給する分岐ラインLと、前記流動層乾燥装置102から抜き出された乾燥褐炭108を冷却して製品炭109とする冷却器110とを備えるものである。
なお、符号116は流動化ガスである流動化蒸気107を整流する整流板を図示する。
流動層乾燥設備100において、褐炭101は、供給ホッパ120により供給ラインL0を介して流動層乾燥装置102内に投入され、流動層乾燥装置102内に別に導入される流動化蒸気107により流動されて流動層111を形成する。
上述した伝熱部材103は、この流動層111内に配置されている。伝熱部材103内には、150℃の過熱蒸気Aが供給され、その高温の過熱蒸気Aの潜熱を利用して褐炭101を間接的に乾燥させるようにしている。乾燥に利用された過熱蒸気Aは、例えば150℃の凝縮水Bとして流動層乾燥装置102の外部に排出されている。
すなわち、加熱手段である伝熱部材103内面では、過熱蒸気Aが凝縮して液体(水分)になるので、この際に放熱される凝縮潜熱を、褐炭101の乾燥の加熱に有効利用している。なお、高温の過熱蒸気A以外としては、相変化を伴う熱媒であれば何れでも良く、例えばフロンやペンタンやアンモニア等を例示することができる。また、伝熱部材103として熱媒体を用いる以外に電気ヒータを設置してもよい。
伝熱部材103によって褐炭101が乾燥される際に発生する発生蒸気104は、流動層乾燥装置102内において、流動層111の上部空間に形成されるフリーボード部Fから発生蒸気ラインLにより流動層乾燥装置102の外部に排出される。この発生蒸気104は、褐炭101が乾燥し微粉化したものが含まれているので、サイクロンや電気集塵機等の集塵装置105により集塵して固体成分115として分離する。
この固体成分115は、分離ラインL3を介して流動層乾燥装置102から抜き出された製品ラインL4において乾燥褐炭108に混合し、冷却器110で冷却し、製品炭109としている。この製品炭109は、例えばボイラ、ガス化炉等の原料として利用に供される。
一方、集塵装置105により集塵された後の発生蒸気104は、例えば105〜110℃の蒸気であるので、熱回収システム106で熱回収された後、水処理部112で処理され、排水113として流動層乾燥設備100の外部に排出されている。なお、集塵装置105により集塵された後の発生蒸気104は、例えば、熱交換器や蒸気タービン等に適用してその熱を有効利用するようにしてもよい。
また、集塵装置105により集塵された後の発生蒸気104の一部は、分岐ラインLに介装された循環ファン114により流動層乾燥装置102内に送られて、褐炭101の流動層111を流動させる流動化蒸気107として利用される。なお、流動層111を流動化させる流動化媒体としては、発生蒸気104の一部を再利用しているが、これに限定されず、例えば窒素、二酸化炭素またはこれらのガスを含む低酸素濃度の空気を用いてもよい。
なお、上述した流動層乾燥装置102は、伝熱部材103として、本実施例はチューブ形状の伝熱部材を例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば板状の伝熱部材を用いるようにしてもよい。
また、過熱蒸気Aを伝熱部材103に供給して褐炭101を間接的に乾燥させる構成を説明したが、これに限らず、褐炭101の流動層111を流動させる流動化蒸気107により褐炭101を直接乾燥させる構成、さらに加熱用の流動化ガスを供給して乾燥させる構成としてもよい。
なお、被乾燥物として褐炭101を例示したが、水分含量の高いものであれば、亜瀝青炭等を含む低品位炭や、スラッジ等の被乾燥物を乾燥対象としてもよい。
図1に示す流動層乾燥装置102で乾燥した製品炭109を用い、石炭ガス化複合発電(Integrated Coal Gasification Combined Cycle:IGCC)システムに適用した一例を説明する。図2は、図1に示す流動層乾燥設備100Aを適用した石炭ガス化複合発電システムの一例を示す概略図である。
図2に示すように、石炭ガス化複合発電システム200は、燃料である製品炭(乾燥褐炭)109がミル210により粉砕された微粉炭201aを処理してガス化ガス202に変換する石炭ガス化炉203と、前記ガス化ガス202を燃料として運転されるガスタービン(GT)204と、前記ガスタービン204からのタービン排ガス205を導入する排熱回収ボイラ(Heat Recovery Steam Generator:HRSG)206で生成した蒸気207により運転される蒸気タービン(ST)208と、前記ガスタービン204および/または前記蒸気タービン208と連結された発電機(G)209とを備えるものである。
この石炭ガス化複合発電システム200は、ミル210で粉砕された微粉炭201aを石炭ガス化炉203でガス化し、生成ガスであるガス化ガス202を得る。このガス化ガス202は、サイクロン211およびガス精製装置212で除塵およびガス精製された後、発電手段であるガスタービン204の燃焼器213に供給され、ここで燃焼して高温・高圧の燃焼ガス214を生成する。そして、この燃焼ガス214によってガスタービン204を駆動する。このガスタービン204は、発電機209と連結されており、ガスタービン204が駆動することによって発電機209が電力を発生する。ガスタービン204を駆動した後のタービン排ガス205は、まだ約500〜600℃の温度を持っているため、排熱回収ボイラ(HRSG)206へ送られ、ここで熱エネルギーが回収される。この排熱回収ボイラ(HRSG)206では、タービン排ガス205の熱エネルギーによって蒸気207が生成され、この蒸気207によって蒸気タービン208を駆動する。この排熱回収ボイラ(HRSG)206で熱エネルギーが回収された排ガス215は、ガス浄化装置216で排ガス215中のNOxおよびSOx分が除去された後、煙突217を介して大気中へ放出される。なお、図中、符号218は復水器、219は空気、220は圧縮機、221は空気を窒素(N)と酸素(O)とに分離する空気分離装置(ASU)を各々図示する。
この石炭ガス化複合発電システム200によれば、高い水分を有する褐炭101を用いてガス化する場合においても、効率的な流動層乾燥装置102により褐炭101を乾燥しているので、ガス化効率が向上し、長期間に亙って安定して発電を行うことができる。
また、石炭ガス化複合発電システム200においては、ガスタービンおよび蒸気タービンの組み合わせによって、従来40%程度であった石炭焚発電プラントの効率を約46%まで向上させることができる。このプラント効率の向上によって、COの排出量は従来の石炭焚ボイラに対して約13%削減できる。
なお、本実施の形態に係る流動層乾燥設備100で乾燥した製品炭109を用いた発電システムとしては、上述した石炭ガス化複合発電システム200に限らない。例えば、図には明示しないが、流動層乾燥設備100で乾燥した製品炭109をボイラ火炉に供給し、当該ボイラ火炉で発生した蒸気で蒸気タービンを駆動して発電機により出力を得る褐炭炊ボイラによる発電システムであってもよい。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の形態の流動層乾燥設備について図3を参照して説明する。
なお、本実施形態例では、150℃以下の褐炭冷却を例に説明するが、処理物の種類、温度レベルに関係なく、本発明は適用可能である。
図3に示すように、本実施形態の流動層乾燥設備100Aは、流動層乾燥装置102に流動化ガスである流動化蒸気107を供給することで前記流動層乾燥装置102に供給された被乾燥物である褐炭101を流動させて乾燥させる流動層乾燥システムにおいて、前記乾燥後の乾燥褐炭(高温:110℃)108Hを冷却空気131により冷却する冷却器110に設けられ、内部温度を検知する温度計141又は内部ガス濃度を検知するガス濃度計142の何れか一方又は両方の検知手段と、前記検知手段により入力された温度情報又はガス濃度情報が設定値よりも大きい場合、前記被乾燥物の冷却不良を検知し、冷却不良改善対策として前記冷却空気131に酸化抑制ガス132を添加する制御を行う図示しない制御手段とを備えている。
図3に示すように、冷却器110は、乾燥後の高温の乾燥褐炭(例えば110℃程度)108Hを冷却する流動層式のものを用いており、流動化並びに冷却媒体である冷却空気131を冷却空気供給手段134により、供給されている。冷却器110からの粉塵は排気ガスラインL5に介装された集塵装置135により除去されている。
本実施形態では、冷却器110に、その内部の温度を計測する温度計141と、その内部のガス濃度状態を計測するガス濃度計142とがそれぞれ設けられている以外に、排気ラインL5にもそのラインの内部の温度を計測する温度計141と、ガス濃度を計測するガス濃度計142とがそれぞれ設けられている。
温度計141は、冷却器110の内部の乾燥褐炭の冷却状態を監視するものであり、通常は、冷却器110に供給された乾燥褐炭(110℃)が冷却空気により50℃程度まで冷却される状態を監視している。また、排ガスの排気ラインL5に設けられた温度計141では、排ガス温度が適正か否かを監視している。
また、ガス濃度計142は、冷却器110の内部の乾燥褐炭の冷却状態が正常か否かを監視するものであり、通常は、一定のガス濃度状態を監視している。また、排ガスの排気ラインL5に設けられたガス濃度計142では、排出される排ガス濃度が一定であるかを監視している。
ここで、ガス濃度は、褐炭の酸化が加速すると、例えばC+O2=CO2 又は C+(1/2)O2=COよりCO2やCOガスの発生が顕著となるので、この成分量を計測している。なお、温度計141によって温度分布を計測するにはばらつきがあるので、ガス濃度計142により冷却器110等の内部の状態を監視するのが好ましい。
ここで、流動層乾燥装置102から排出される乾燥褐炭は高温の乾燥褐炭(例えば110℃)108Hであり、流動層式の冷却器110で50℃以下に冷却されている。
この冷却器110では、流動層の流動化媒体として常温の空気を使用し、この空気で褐炭の冷却を行うようにしている。
ここで、流動層乾燥装置102から排出される高温の乾燥褐炭108Hの温度にばらつきがあり、一部に高温の褐炭があったり、冷却器110の流動層内で流動化に不均一があったり、さらには滞留領域が発生したりすると、当該乾燥褐炭108Hの酸化発熱が進行し、褐炭温度が上昇し自然発火に至るおそれがある。
そこで、本実施形態では、自然発火の兆候が現れたときの変化(温度、ガス濃度)を検知して、発熱速度の低減策(冷却不良改善対策)を行うことで、通常運転を継続するようにしている。
この冷却不良改善対策としては、対策1)の酸化抑制ガス132の供給対策、対策2)の内部の高温化した褐炭を払い出す対策、対策3)の新たな低温褐炭を供給する対策が選定される。
1)対策1)は、冷却器110(排気ラインL5)内での温度上昇あるいはガス濃度変化(自然発火の兆候)を検知して、不活性ガス等の酸化抑制ガス132を注入し、冷却空気131中の酸素濃度を低下させ、引き続き冷却を継続させるものである。
2)対策2)は、冷却器110(排気ラインL5)内での温度上昇あるいはガス濃度(自然発火の兆候)を検知して、冷却器110内のすべての褐炭あるいは部分的に高温化した褐炭を排出し、新たな褐炭の冷却を継続させるものである。
3)対策3)は、冷却器110(排気ラインL5)内での温度上昇あるいはガス濃度(自然発火の兆候)を検知して、冷却処理済の低温褐炭108Lを供給し、冷却器110内温度を低下させ、引き続き冷却を継続させるものである。
自然発火による酸化昇温速度は、周囲の酸素濃度と処理物温度の関数であり、これらの因子の応答性は比較的高いので、酸化抑制ガス132の注入や低温褐炭108Lの供給を行うようにして、酸素濃度を低下させるか、処理物の温度を低下させることで、昇温速度を低下させ、かつ、冷却を継続することで、自然発火を防止できる。
制御手段は、マイコン等で構成されている。制御手段は、RAMやROM等から構成されてプログラムやデータが格納される記憶部(図示せず)が設けられている。記憶部に格納されるデータは、冷却器110内の温度上昇やガス濃度変化が確認されると、乾燥褐炭108Hの冷却不良(自然発火の兆候を含む)を検知する。また、制御手段は、ガス供給手段151、褐炭払出手段152、および低温褐炭供給手段153が接続されている。この制御手段は、温度計141又はガス濃度計142からの入力に基づき、記憶部に格納されたプログラムやデータに従って、ガス供給手段151、褐炭払出手段152、および低温褐炭供給手段153を制御する。
制御手段による流動層乾燥装置102の冷却制御について説明する。図4は、流動層乾燥装置の冷却操作のフローチャートである。
まず、制御手段は、温度計141又はガス濃度計142からの温度(T:T1、T2)、ガス濃度(X:X1、X2)を検出する(ステップST1)。
次に、1)検出した温度Tが設定値よりも大きい場合、2)検出したガス濃度Xが設定値よりも大きい場合、3)温度上昇dT/dtが設定値よりも大きい場合、又は4)ガス濃度上昇dX/dtが設定値よりも大きい場合のいずれか一つに該当すると判断した場合(ステップST2:Yes)、制御手段は、冷却器110における乾燥褐炭の冷却不良を検知し、自然発火の兆候ありと判断する(ステップST3)。
一方、上記いずれにも該当しないと判断した場合(ステップST2:No)、本制御を終了し、引き続き、監視を行いつつ冷却を継続する。
ステップST3での判断に基づき、冷却不良改善対策を講じるため、制御手段により、対策1)の冷却空気131に対して、酸化抑制ガス132を添加する制御をガス供給手段151に対して行う(ステップST4)。
酸化抑制ガス132の供給により、冷却不良が改善したか否かを、ステップST1及びステップST2と同様に判断し(ステップST5)、冷却不良を検知せず、改善したと判断したら(ステップST5:Yes)、冷却正常であると判断し、本制御を終了し、引き続き、監視を行いつつ冷却を継続する。
一方、冷却不良が解消しない場合には(ステップST5:No)、対策2)の冷却物の払出の制御か、対策3)の低温褐炭108Lの供給の制御かの選択を行う(ステップST6)。
この選択は、温度状況及び/又はガス濃度状況を鑑みて判断する。
選択の結果、例えば対策2)の乾燥褐炭108Hの払出の制御を選択した場合には、制御手段は褐炭払出手段152に指令を送り、冷却器110から内部の冷却物(乾燥褐炭108H)を強制的に外部に排出する(ステップST7)。
また、選択の結果、例えば対策3)の低温褐炭108Lの供給の制御を選択した場合には、制御手段は低温褐炭供給手段153に指令を送り、冷却器110内に低温褐炭供給手段153から低温褐炭108Lを強制的に投入し、冷却器110内部の温度を冷却する(ステップST8)。
これにより、冷却不良が改善したことを確認したら、本制御を終了し、引き続き、監視を行いつつ冷却を継続する。
この流動層乾燥設備100Aによれば、冷却器110内での冷却不良であるか否かを常に監視し、仮に冷却不良となった場合においても、冷却不良改善対策を迅速に講じることで、流動層乾燥装置102からの乾燥褐炭108Hを異常なく冷却することが可能になる。
また、本実施形態では、図1に示したような伝熱部材を省略しているが、伝熱部材を設けることなく、直接乾燥する流動層乾燥装置においても適用できることはいうまでもない。
[第2の実施形態]
本実施例の第2の形態の流動層乾燥設備100Bについて図5を参照して説明する。図5に示すように、本実施形態の流動層乾燥設備100Bは、図3に示す流動層乾燥設備100Aにおいて、前記冷却手段を被乾燥物の温度に応じて複数の冷却手段に分割(本実施形態では2段)してなり、流動層乾燥装置102に近い側の高温冷却器110Aと低温冷却器110Bとを設けている。
そして、高温冷却器110A側に、酸化抑制ガス132を供給するガス供給手段151を設け、第1の実施形態と同様に操作するようにしている。
すなわち、流動層乾燥装置102から排出された高温状態の乾燥褐炭108Hは、高温冷却器110Aで第1次冷却がなされる。
この際、冷却不良が発生した場合には、第1の実施形態と同様にして、冷却不良を改善する。なお、制御操作は、第1の実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
次いで、高温冷却器110Aで冷却がなされた乾燥褐炭(中温:例えば80℃)108Mは、低温冷却器110Bに送られ、ここで仕上げ冷却され、50℃以下に冷却がなされる。
このように、本実施形態の流動層乾燥設備100Bにおいては、乾燥褐炭108Hの冷却手段を2段以上に分割し、高温側の高温冷却器110A側において自然発火防止対策を行うようにしている。
自然発火対策を行う冷却器の数は、各冷却器の温度レベルによって異なるが、処理物の酸化発熱速度式(1)によって、都度設計により決定され、複数段としてもよい。
Q=C1(O2n EXP(−C2/T)…(1)
ここで、C1、C2、nは処理物によって決まる係数であり、O2は酸素濃度、T:処理物の温度である。
ここで冷却器の温度は、褐炭の場合に、例えば約80℃を基準としている。これは、図6に示す褐炭の昇温特性図のように、80℃を超えると温度上昇が顕著になるからである。なお、本発明では、80℃を基準としているが、石炭の種類や産地に応じて、この温度の閾値を変更するようにしてもよい。
自然発火の兆候が現れたときの変化(温度、ガス濃度)を検知して、発熱速度の低減策あるいは内部の高温化した褐炭を排出し新たな褐炭を供給することで、通常運転を継続する。
酸化発熱量は温度の依存性が強いので、高温で、かつ、周囲に十分な酸素があり、冷却が不十分な環境が整うと、酸化発熱量が周囲への放熱量よりも大きくなり、褐炭温度は急激に上昇する。褐炭の酸化が加速すると、COやCO2ガスの発生が顕著となる。
本実施形態のように、冷却器を温度レベルによって複数化することで、上記現象の検知が容易になり、より精度の高い制御が可能となる。
高温褐炭108Hを対象とした高温冷却器110Aのみに対策を講じることで、酸化抑制ガス132のガス供給量の低減と設備・システムの簡素化とコストダウンを図ることができる。
以上のように、本発明に係る流動層乾燥装置は、乾燥褐炭冷却器内での自然発火の兆候を検知して、褐炭の温度上昇を抑制することのできる対策を実施することに適している。
100A、100B 流動層乾燥設備
101 褐炭
102 流動層乾燥装置
103 伝熱部材
104 発生蒸気
105 集塵装置
106 熱回収システム
107 流動化蒸気
108 乾燥褐炭
109 製品炭
110 冷却器
111 流動層
112 水処理部
113 排水
114 循環ファン
115 固体成分
116 整流板
131 冷却空気
132 酸化抑制ガス
141 温度計
142 ガス濃度計
151 ガス供給手段
152 褐炭払出手段
153 低温褐炭供給手段
200 石炭ガス化複合発電システム
201a 微粉炭
202 ガス化ガス
203 石炭ガス化炉
204 ガスタービン(GT)
205 タービン排ガス
206 排熱回収ボイラ(HRSG)
207 蒸気
208 蒸気タービン(ST)
209 発電機(G)
210 ミル
211 サイクロン
212 ガス精製装置
213 燃焼器
214 燃焼ガス
215 排ガス
217 煙突
218 復水器
219 空気
220 圧縮機
221 空気分離装置(ASU)
A 過熱蒸気
B 凝縮水
F フリーボード部

Claims (3)

  1. 流動層乾燥装置に流動化ガスを供給することで前記流動層乾燥装置に供給された被乾燥物を流動させて乾燥させる流動層乾燥設備において、
    前記乾燥後の被乾燥物を冷却空気により冷却する冷却手段に設けられ、内部温度を検知する温度計又は内部ガス濃度を検知するガス濃度計の何れか一方又は両方の検知手段と、
    前記検知手段により入力された温度情報又はガス濃度情報が設定値よりも大きい場合、前記被乾燥物の冷却不良を検知し、冷却不良改善対策として前記冷却空気に酸化抑制ガスを添加する制御を行う制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記酸化抑制ガスの添加制御をしても前記冷却不良が改善されない場合、冷却不良改善対策として冷却物の払出、又は低温被乾燥物の供給のいずれかの制御を行うことを特徴とする流動層乾燥設備。
  2. 請求項1において、
    前記冷却手段を、前記検知手段が設けられ、前記流動層乾燥装置から排出された被乾燥物を冷却する第1の冷却手段と、前記第1の冷却手段で冷却された前記被乾燥物を冷却する第2の冷却手段とに分割してなることを特徴とする流動層乾燥設備。
  3. 請求項1又は2において、
    前記冷却手段から排出する排気ガスラインに、ライン内部温度を検知する温度計又はライン内部ガス濃度を検知するガス濃度計の何れか一方又は両方の検知手段を有することを特徴とする流動層乾燥設備。
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