JP6070181B2 - 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置 - Google Patents

低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6070181B2
JP6070181B2 JP2012285755A JP2012285755A JP6070181B2 JP 6070181 B2 JP6070181 B2 JP 6070181B2 JP 2012285755 A JP2012285755 A JP 2012285755A JP 2012285755 A JP2012285755 A JP 2012285755A JP 6070181 B2 JP6070181 B2 JP 6070181B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
low
coal
grade coal
temperature
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012285755A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014126541A (ja
Inventor
将之 西藤
将之 西藤
裕二 藤岡
裕二 藤岡
康二 金橋
康二 金橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2012285755A priority Critical patent/JP6070181B2/ja
Publication of JP2014126541A publication Critical patent/JP2014126541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6070181B2 publication Critical patent/JP6070181B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Description

本発明は、石炭、特に、水分を多く含む、泥炭、褐炭、亜瀝青炭などの低品位炭の自然発火性を評価する方法、および評価装置に関する。
石炭類の中でも、泥炭、褐炭、亜瀝青炭など(以後、「低品位炭」と総称する。)は水分含有率が高く発熱量が少ないため、これまで産業等で積極的に利用されてきた例は少ない。一方で、これら低品位炭は埋蔵量が豊富で比較的安価なため、低品位炭を有効利用して、コスト的に優位なエネルギープロセスあるいは製鉄プロセスなどを確立する目的で研究開発が盛んである。
しかしながら、これら低品位炭は、大気中の酸素と反応して自然発火を引き起こすという問題を抱える。すなわち、低品位炭は、産地からの搬送や貯蔵、その他で乾燥処理もしくは自然環境下において乾燥し、水分が失われると、大気中の酸素と反応し、自然発火を引き起こすとされる。したがって、低品位炭は長時間乾燥状態のまま大気中にさらしておくことができず、産地近くの限られた場所でしか有効に利用されていないのが現状である。
低品位炭の利用技術を確立するには、まずこれらの問題を克服しなければならない。このため、低品位炭の自然発火を制御する処理方法が種々提案されている。しかしながら、実際にこれらの処理方法を低品位炭に適用した場合、その効果や、低品位炭を利用する上での処理の必要性の判断等を事前に予測することが実用上極めて重要となる。
これまでに、石炭の発火性を簡便に評価する方法が特許文献1に開示されている。一般に石炭の発火性はその粒径に依存し、比表面積が大きくなると発火性が高くなる。したがって、発火の条件を揃えるため、発火性を評価する際は石炭を粉砕し、微粉化する調整を行う。
特許文献1の方法も粉砕した微粉炭を用いた発火性の評価方法であり、大気中、評価装置の反応槽内で微粉炭試料を加熱した際の発熱を、反応槽内に設置したいくつかの熱電対の指示温度の変化をもって、確認するものである。特許文献1の方法によれば、少量のサンプルで自然発火性の確認をすることは可能であるが、発熱時の温度変化を詳細に読み取ることができない。しかも、実際の発火を直接確認する訳ではなく、試料の温度変化をもって発火現象のタイミングを推定するものである。
これは、どの時点をもって発火と定義するかを規定するのが困難であるためである。すなわち、温度そのものの計測はできるが、温度が何度になったから燃焼したと判定するのは難しく、正確な指標に基づいて、低品位炭の自然発火性を定量的に評価するのは困難である。
石炭の酸化反応(自己酸化)で生成した酸化熱の蓄熱により、自然発火は起こるため、低品位炭に自然発火を起こさせないようにするには、酸化反応を如何に抑制するか、あるいは蓄熱した酸化熱を如何に放散するかが考えられる。より効果の高い手法は酸化反応の抑制であることが知られる。石炭の自己酸化は常温下でも進行し(これを低温酸化と呼ぶ)、特に自己酸化を起こしやすいのが親酸素基(酸素と反応しやすい)である含有酸素基とされる。低品位炭には含有酸素基が多く存在する。したがって、自然発火を抑制するには含有酸素基を制御することが重要である。
そこで、含有酸素基を制御して低品位炭を改質する方法として、
(1)炭酸カルシウム、酢酸カルシウム等の水溶液の散布、
(2)CO2ガス雰囲気への暴露、
(3)塩酸による洗浄、
が提案されているが、実用上では必ずしも十分な効果が上がっていない。
一方、還元雰囲気(例えば特許文献2)あるいは酸化雰囲気(例えば非特許文献1)での熱処理により、低品位炭から含有酸素基を除去する方法が提案されており、効果もあることが示されている。しかし、実際に低品位炭を熱処理する場合、熱処理条件はいずれも石炭ごとに決められるものではなく、ある一定の条件下で実施されており、多くの場合、過度な熱処理となっている。
ところで、実処理プロセスにおいては、大量の石炭を処理することが通例で、熱処理条件の最適化はその合理性、経済性の面からも極めて重要である。しかしながら、熱処理条件を決定するに到る低品位炭の自然発火性の評価方法および評価装置は存在しなかった。
特開平11−344456号公報 特開平07−166180号公報
第47回日本エネルギー学会石炭科学会議論文集,p122(2010)
かかる状況に鑑み、本発明は低品位炭の自然発火性の評価を少量のサンプルで簡便に行い、自然発火性の抑制処理を正確に行える条件を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、次のような検討を行った。すなわち、大気雰囲気下で実際に低品位炭が発火する状況を再現し、発生するガスを測定した。その結果、低品位炭が自然発火する際、COおよびCO2が発生することが判った。したがって、このときのCO、CO2の発生挙動を詳細に把握することにより低品位炭の発火(燃焼)を確認することができる。
また、このときのCO、CO2の発生挙動は、石炭ごとに異なることが確認され、発生温度域により、石炭ごとの自然発火のプロファイルを詳細に確認できるとともに、実処理条件の選定において、極めて有効なパラメータを提供することが可能になる。
以上の検討結果を踏まえ、以下のような評価方法及び評価装置を確立するに到った。
すなわち、
(1)大気を供給して得られる空気気流中で低品位炭を昇温処理する工程と、昇温時に前記低品位炭から発生するCOおよびCO2 の発生量の変化を連続測定する工程と、前記連続測定したCOおよびCO2の発生量の変化から前記低品位炭の自然発火性を評価する工程と、からなり、前記加熱温度に対する前記COおよびCO 2 の発生量の変化が複数の温度域にピークを有するとき、低温側のピークから前記低品位炭は自然発火性を有する石炭として評価することを特徴とする低品位炭の自然発火性評価方法。
)前記低温側のピークは、脂肪族側鎖に由来するものであることを特徴とする()に記載の低品位炭の自然発火性評価方法。
)前記連続測定は、赤外吸収強度の測定により行うことを特徴とする(1)〜()のいずれか1項に記載の低品位炭の自然発火性評価方法。
)低品位炭に大気を供給する大気供給部と、前記低品位炭を昇温加熱する加熱部と、昇温加熱時に前記低品位炭より発生するCOおよびCO2の発生量を連続して測定する測定部と、前記連続測定したCOおよびCO2の発生量の変化から前記低品位炭の自然発火性を評価する評価部と、からなり、前記評価部は、前記加熱温度に対する前記COおよびCO 2 の発生量の変化が複数の温度域にピークを有するとき、低温側のピークから前記低品位炭は自然発火性を有する石炭として評価することを特徴とする低品位炭の自然発火性評価装置。
本発明によれば、低品位炭の自然発火性の評価を少量のサンプルにより正確かつ簡便に行うことが可能となり、この評価に基づいて低品位炭の自然発火の制御を効率的に実施することが可能となる。
本発明の一実施形態の低品位炭自然発火性評価装置の模式図を示す図である。 石炭Aについて本発明により評価した結果を示す図である。 石炭Bについて本発明により評価した結果を示す図である。 石炭Cについて本発明により評価した結果を示す図である。 各温度で処理した石炭Aの13C-NMRスペクトルであり、帰属される炭素の化学構造を示す図である。 自然発火抑制処理した石炭Aについて本発明により評価した結果を示す図である。 石炭Aについての熱重量変化曲線(微分熱重量測定:DTG)の測定結果を示す図である。 石炭Dについて本発明により評価した結果を示す図である。 低品位炭に属する石炭Eについて本発明により評価した結果を示す図である。 石炭の自然発火を模擬する試験装置を示す図である。 各石炭について自然発火を模擬した実験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る低品位炭の自然発火性評価法および評価装置の一実施形態を、図面を用いて説明する。図1に示す低品位炭の自然発火性評価装置は、雰囲気かつキャリヤーの大気を供給する部分1と、評価される低品位炭試料3を一定の条件で昇温加熱する電気炉2と、昇温を制御するための熱電対4と、評価される低品位炭試料を設置する空間(反応槽5)と、加熱により発生するCO、CO2を連続測定する測定装置6と、からなる。
加熱により発生するCO、CO2を連続測定する測定装置6には、赤外分光器が設置してあり、加熱炉2で一定の昇温速度で試料を加熱し、加熱により反応槽5内で発生しキャリアガスに乗って測定装置6に送られてきたCO、CO2の赤外吸収を測定して、加熱温度に対するCO、CO2の赤外吸収強度を別々に測定するものである。昇温とともに連続的に測定することが可能である。このように、本手法は操作の煩雑さを回避できる少量のサンプルによって実験室レベルで評価を行うことができ、したがって低品位炭の自然発火性の有無を簡便に把握することが可能となる。
以下、このような低品位炭の自然発火性評価装置を用いて行った、低品位炭の評価方法を説明する。
[低品位炭の評価]
図1に示す評価装置を用いて、3種の低品位炭について評価を行った。使用した石炭の元素分析値、工業分析値の値を表1に示す。工業分析値(VM(揮発分)、FC(固定炭素)、Ash(灰分))から石炭A、Bは褐炭に分類され、石炭Cは亜瀝青炭に分類されるものである。また、石炭A、Bは元素分析値から類似した石炭であることも判る。赤外分光分析法により石炭A,B,Cについて行った加熱温度によるCO、CO2の赤外吸収強度の変化を図2,図3,図4にそれぞれ示す。試料量は30mg、昇温速度は10℃/minとし、600℃まで加熱した。CO、CO2の赤外吸収強度の測定は、赤外分光光度計を用い、COの2130cm-1 付近のCO伸縮振動、CO2の2350cm-1 付近の逆対称伸縮振動に帰属される赤外吸収強度をそれぞれ測定した。
Figure 0006070181
これらの赤外吸収強度はCO、CO2の発生量に比例していると考えられる。測定の結果、図2(石炭A),図3(石炭B),図4(石炭C)に示されるように、加熱温度に対するCO、CO2の赤外吸収強度は、いずれについても二つの特徴的なピークが見られた。石炭A,Bについては加熱温度300℃付近に、石炭Cについては加熱温度400℃近くの400℃未満の領域に現れる図中の(1)で示した低温側ピークが、自然発火を誘発する脂肪族側鎖が酸化・燃焼することにより発生したCOおよびCO2に対応していることが示唆された。このように、低温側ピークは、400℃以下にピークをもつ。
表1は、評価を行った低品位炭の元素分析値である。
低温側ピーク(1)が脂肪族側鎖に由来するものであることを確認するために、200,250,330℃の各温度条件で加熱処理した石炭Aについて、化学構造解析法である13C-NMRスペクトルの測定を行った。結果を図5に示す。すなわち、図5においては、低温側ピーク(1)が発現する前の温度である250℃では、原炭である常温における石炭Aと大きな差はないが、330℃では脂肪族の存在を示す30ppm付近のNMRピークが消失している。250℃から330℃に昇温する間に30ppm付近のNMRピークが消失していることを考えると、図2の300℃付近に現れる低温側ピーク(1)が図5の30ppm付近のNMRピークに対応していると推定される。つまり、低温側ピーク(1)は脂肪族側鎖に由来するものであることが示唆される。石炭B,Cについても同様に、13C-NMR測定を行い、低温側ピーク(1)は脂肪族側鎖に由来するものであることを確認した。
一方、石炭Aについては加熱温度410℃付近に、石炭Bについては加熱温度380℃付近に、石炭Cについては加熱温度430℃付近に現れる高温側のピーク(2)は、低温側ピーク(1)を解析した手法と同様に調べたところ、石炭の骨格構造である芳香族部分が燃焼して、CO、CO2が発生している(これを本燃焼とする)ことを示すピークであることが判った。
また、熱分析によっても燃焼反応を確認するため石炭Aの温度による質量変化を測定した。大気中において10mgの石炭Aを昇温速度10℃/minで加熱した際の加熱温度に対する熱重量変化曲線(微分熱重量測定:DTG)の測定結果を図7に示す。質量変化は、概ね図2のCO、CO2の発生パターンと一致しており、低温側ピーク(1)および高温側ピーク(2)もほぼ一致した温度域に見られる。このことにより質量減少の大部分を占める炭素の発火・燃焼の反応により、CO、CO2が発生していることが確認された。
実際の低品位炭の自然発火は、低温域での酸化により試料が加温されて蓄熱し、最終的に高温側ピーク(2)のレベルの高温域に達するために発火していると推定される。すなわち、ヤードなどに大量に設置された石炭の自然発火は、低温側ピーク(1)の酸化発熱分がヤードにおかれた石炭の山に蓄積され、これによって温度がさらに上昇し高温側ピーク(2)を発生する400℃近くになるため自然発火に至ると考えられる。発明者らの検討において高温側ピークとの比で少なくとも30%以上あれば、「自然発火の可能性が高い」と評価できる。
すなわち、低品位炭の自然発火性を抑制するには、低温側ピーク(1)に相当する脂肪族側鎖群を除去すればよい。ここで、低温側で発生するピーク(1)の立ち上がり温度と立下り温度を石炭A,B,Cについてまとめた結果を表2に示す。高温側ピーク(2)の立ち上がり温度も併せて示す。表2から、脂肪族側鎖の石炭からの脱離は、各石炭ごとに異なる温度域で進行することがわかる。また、高温側ピーク(2)からわかる本燃焼の開始する温度も石炭ごとに異なる。自然発火は高温側ピーク(2)に達する温度で起こることから、自然発火制御のためには、温度制御により低温側ピーク(1)の立下り温度と高温側ピーク(2)の立ち上がり温度の中間の温度域に石炭を維持して脂肪族側鎖群を酸化させてしまい、石炭から脂肪族側鎖群を除去する処理を行うことが重要であることが示唆される。
Figure 0006070181
[自然発火抑制処理を行った石炭の評価]
石炭Aは図2示されるように、325℃で低温側のCO2発生を終了する。すなわち、脂肪族側鎖は空気中で325〜335℃に加熱し酸化することによって除去することができると思われる。このようにして自然発火を抑制する処理をした石炭について、自然発火の評価を行った。石炭Aを330℃で処理し、自然発火を誘発する脂肪族側鎖を除去した後、一旦常温に戻し、再び加熱して本発明の方法で評価した。結果を図6に示す。図2で見られた300℃付近での燃焼を示すCO、CO2の低温側ピーク(1)の発生は抑えられ、高温側ピーク(2)に相当する400℃超でのピークのみが観測された。すなわち、自然発火を誘引すると思われる脂肪族側鎖が除かれた状態では、低温での燃焼を起こさず、400℃超での燃焼だけが起きていることを示している。したがって、自然発火の抑制ができていると評価することができる。
[自然発火性の低い石炭の評価]
同様に、乾燥後の通常のハンドリングでは自然発火をあまり起こさない石炭Dについて評価を行った。石炭Dの元素分析値および工業分析値を表3に示す。これらの値から石炭Dは瀝青炭に属し、いわゆる低品位炭ではないことが分かる。石炭Dについて行った加熱により発生したCO、CO2の赤外吸収強度の連続測定結果を図8に示す。発生するCOおよびCO2はピークを一つしか持たず、自然発火性を示す石炭に比べて高温域での反応を示した。これは、このような石炭は自然発火を誘発する脂肪族側鎖が少なく、高温域において芳香族骨格部分の燃焼が起きることを示唆するものである。
Figure 0006070181
(実施例)
低品位炭である石炭Eを用いて、自然発火性を模擬する実験および本発明による自然発火性を評価する実験を行った。石炭Eは窒素雰囲気下105℃で2時間の乾燥処理をしたものを用いた。
まず、本発明の評価手法に従って、試料を30mg採取し、昇温速度10℃/minで空気気流中で加熱したときに発生したCO、CO2の発生挙動を調べた。図1に示す評価装置を用いて、石炭Eを加熱し、加熱温度によるCO、CO2の赤外吸収強度の変化を図9に示す。CO、CO2の発生は、CO、CO2の赤外吸収強度に比例していると考えられる。石炭Eは、275℃において急峻な第一ピーク(1)を示し、また360℃超に第二ピーク(2)を示した。すなわち、石炭Eは第一ピークが存在することから、自然発火性を有する石炭として評価することができる。さらに、第一ピークの終了する290℃を超える、例えば295℃で石炭Eを加熱処理することにより石炭Eの自然発火を抑えられると予想される。
図1に示す本発明の自然発火性評価装置を用いて、石炭Eの加熱処理を行った。すなわち、石炭Eを30mg採取して反応槽5に入れ、加熱炉2で昇温速度10℃/minで加熱して295℃に30min保持した。2130cm-1 付近と2350cm-1 付近の赤外吸収強度を測定し、いずれの赤外吸収強度も十分に低減してCO、CO2の発生が認められないことを確認した。このようにして、295℃で加熱処理した石炭Eを石炭E295とする。次に、石炭Eと石炭E295の自然発火を模擬する実験を、次のように行った。
図10に示す装置を用いて自然発火性の試験を行った。すなわち、一定温度に保った恒温槽に石炭試料を入れた試料管を挿入し、空気(ガス)を流通することによって、石炭の発熱⇒蓄熱⇒発火のステップを再現するものである。石炭Eと石炭E295について、それぞれ試料約1gを試料管に入れて130℃に保った恒温槽に挿入して、大気雰囲気で130℃の加温状態のまま保持し、石炭試料部分の温度変化を熱電対により連続的に測定した。発火点以上の温度を記録すれば自然発火を確認することができるので、自然発火の模擬実験を行うことができる。
石炭Eと石炭E295について、測定した温度変化を図11に示す。参考として低品位炭の石炭A、および自然発火性を示さない瀝青炭の石炭Dも併せて示す。石炭Eは石炭Aよりもやや早い温度上昇を示したが、低品位炭の部類であるため挙動は類似している。瀝青炭の石炭Dは温度の上昇は緩慢であり、自然発火性を持たないことが測定結果に反映されている。なお、石炭Dは本発明の方法によるCO、CO2の発生挙動により確認したところ、400℃を超えて発火した。石炭E295は自然発火性を持たない石炭Dと比べても温度の上昇はさらに緩慢であり、明確な発火を確認することができなかった。すなわち、本発明の方法により評価した結果から、自然発火の要因となる脂肪族側鎖を低温加熱除去した(本実施例は295℃での加熱処理)ため、自然発火性を抑制できたものと考えられる。
本発明によれば、大気雰囲気下で実際に低品位炭が発火する状況を再現し、低品位炭が自然発火する際のCO、CO2の発生挙動を詳細に把握することにより、低品位炭の発火(燃焼)を確認することができるので、実処理条件の選定において極めて有効なパラメータを提供することが可能となり、従来、比較的安価であっても産業上の利用が困難であった低品位炭の利用を可能とするなど、その意義は大である。
1 大気供給部(兼キャリヤー部)
2 加熱用電気炉
3 試料
4 温度制御用熱電対
5 反応槽
6 CO、CO2連続測定装置

Claims (4)

  1. 大気を供給して得られる空気気流中で低品位炭を昇温処理する工程と、
    昇温時に前記低品位炭から発生するCOおよびCO2 の発生量の変化を連続測定する工程と、
    前記連続測定したCOおよびCO2の発生量の変化から前記低品位炭の自然発火性を評価する工程と、からなり、
    前記加熱温度に対する前記COおよびCO 2 の発生量の変化が複数の温度域にピークを有するとき、低温側のピークから前記低品位炭は自然発火性を有する石炭として評価することを特徴とする低品位炭の自然発火性評価方法。
  2. 前記低温側のピークは、脂肪族側鎖に由来するものであることを特徴とする請求項に記載の低品位炭の自然発火性評価方法。
  3. 前記連続測定は、赤外吸収強度の測定により行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の低品位炭の自然発火性評価方法。
  4. 低品位炭に大気を供給する大気供給部と、
    前記低品位炭を昇温加熱する加熱部と、
    昇温加熱時に前記低品位炭より発生するCOおよびCO2の発生量を連続して測定する測定部と、
    前記連続測定したCOおよびCO2の発生量の変化から前記低品位炭の自然発火性を評価する評価部と、からなり、
    前記評価部は、前記加熱温度に対する前記COおよびCO 2 の発生量の変化が複数の温度域にピークを有するとき、低温側のピークから前記低品位炭は自然発火性を有する石炭として評価することを特徴とする低品位炭の自然発火性評価装置。
JP2012285755A 2012-12-27 2012-12-27 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置 Active JP6070181B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012285755A JP6070181B2 (ja) 2012-12-27 2012-12-27 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012285755A JP6070181B2 (ja) 2012-12-27 2012-12-27 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014126541A JP2014126541A (ja) 2014-07-07
JP6070181B2 true JP6070181B2 (ja) 2017-02-01

Family

ID=51406131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012285755A Active JP6070181B2 (ja) 2012-12-27 2012-12-27 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6070181B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6586836B2 (ja) * 2015-09-15 2019-10-09 日本製鉄株式会社 石炭の自然発火性の評価方法
CN107941690B (zh) * 2017-12-20 2023-12-19 中国矿业大学(北京) 一种针对冲击破碎效应对煤体产生co进行测试的方法及装置
JP7070359B2 (ja) * 2018-03-19 2022-05-18 日本製鉄株式会社 石炭の酸化特性評価方法
CN109060879B (zh) * 2018-08-28 2021-01-29 西安近代化学研究所 一种超高速弹药喉衬烧蚀性能测试装置及测试方法
CN109490362B (zh) * 2018-12-28 2024-02-27 西安科技大学 一种真实模拟井下环境的油浴式煤自燃氧化实验系统
CN113960243B (zh) * 2021-11-02 2023-07-07 宁波工程学院 一种快速确定煤绝热自然发火期的对照实验系统与方法
CN114264788B (zh) * 2021-12-23 2023-09-29 徐州工程学院 一种用于工作面不同区域与煤自燃相关度大小的判定方法
CN115078458A (zh) 2022-07-19 2022-09-20 中国矿业大学 一种基于相变参比的煤低温氧化微量热精准测定方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5974189A (ja) * 1982-10-20 1984-04-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 低品位炭の安定化方法
JP3804272B2 (ja) * 1998-06-02 2006-08-02 石川島播磨重工業株式会社 微粉炭の自然発火性評価装置およびその評価方法
JP4384331B2 (ja) * 1999-07-15 2009-12-16 新日本製鐵株式会社 流通性に優れる赤外線吸収分析計用測定セル及び赤外線吸収分析装置
JP5535730B2 (ja) * 2010-04-02 2014-07-02 三菱重工業株式会社 流動層乾燥設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014126541A (ja) 2014-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6070181B2 (ja) 低品位炭の自然発火性評価方法および評価装置
Bu et al. Oxy-fuel combustion of a single fuel particle in a fluidized bed: Char combustion characteristics, an experimental study
Moroń et al. NOx and SO2 emissions of coals, biomass and their blends under different oxy-fuel atmospheres
Daood et al. Char oxidation study of sugar cane bagasse, cotton stalk and Pakistani coal under 1% and 3% oxygen concentrations
Haykırı-Açma et al. Effect of mineral matter on the reactivity of lignite chars
Dumanli et al. Co-firing of biomass with coals: Part 1. Thermogravimetric kinetic analysis of combustion of fir (abies bornmulleriana) wood
Kosowska-Golachowska et al. Oxy-combustion of biomass in a circulating fluidized bed
Rokni et al. Nitrogen-bearing emissions from burning corn straw in a fixed-bed reactor: effects of fuel moisture, torrefaction, and air flowrate
Vershinina et al. Sawdust as ignition intensifier of coal water slurries containing petrochemicals
Guo et al. Preventing spontaneous combustion of coal from damaging ecological environment based on thermogravimetric analysis.
Boriouchkine et al. A study on the dynamic combustion behavior of a biomass fuel bed
Jayaraman et al. Thermal characterization, gasification and kinetic studies of different sized Indian coal and char particles
Tang et al. Experimental and theoretical study of the effect of particle size on the forward propagation of smoldering coal
Palacka et al. The energy characteristics of different parts of the tree
Xin et al. Characteristics of CO, CO2 generation and reactive group conversion in isothermal smoldering combustion of coal
Wichliński et al. The release of mercury from polish coals during thermal treatment of fuels in a fluidized bed reactor
Kraszkiewicz et al. Combustion of plant biomass pellets on the grate of a low power boiler
Norton A review of the derivative thermogravimetric technique (burning profile) for fuel combustion studies
JP6586836B2 (ja) 石炭の自然発火性の評価方法
Lasek et al. The combustion of torrefied biomass in commercial-scale domestic boilers
Tanetsakunvatana et al. Experimental study on effects of operating conditions and fuel quality on thermal efficiency and emission performance of a 300-MW boiler unit firing Thai lignite
Miccio et al. Assessment of the devolatilization behavior of fuel pellets in fluidized bed
Yang et al. Coal ignition characteristics in CFB boiler
Skopec et al. NOX emissions from bubbling fluidized bed combustion of lignite coal
Haykiri-Acma et al. Unburnt Carbon From Oxygen-Enriched Combustion of Low-Quality Fuels at Low Temperatures

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6070181

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350