JP7070359B2 - 石炭の酸化特性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭の酸化特性評価方法に関する。
石炭が自然発火に至る過程は、石炭に外熱を与えない条件においても、常温における石炭と酸素との反応により開始する。したがって、常温付近を含めた比較的低温における石炭と酸素との反応性、すなわち石炭の酸化特性を調べることが、基礎的な現象の把握と発火に至るメカニズム解明のために必要である。
石炭の酸化特性を評価するために、いくつかの方法が提案されている。例えば特許文献1には、60℃以下の純酸素ガス雰囲気下において石炭の重量増加を熱天秤によって測定し、重量増加量に基づいて石炭の自然発火性を評価する方法が開示されている。また、特許文献2には、試料を昇温し、試料温度を安定化させた後に、酸素を含むガスの雰囲気中で試料を設定温度に保ち、自然発火が始まるまでの時間を測定する自然発火試験装置が開示されている。
さらに、特許文献3には、空気気流中で低品位炭を昇温処理し、発生するCOおよびCOの発生量の変化から低品位炭の自然発火性を評価する方法が開示されている。特許文献4には、顕微鏡により石炭試料のビトリニット平均反射率と活性成分量および不活性成分量とを測定し、これらから石炭試料の発熱性を評価する方法が開示されている。
特開2017-68203号公報 特開平9-304311号公報 特開2014-126541号公報 特開2003-215079号公報
しかしながら、特許文献1に開示される方法においては、60℃を超える雰囲気下における石炭の酸化特性を評価することができない。特に、石炭が水分を含んだ状態では、酸化による重量増と水分蒸発による重量減が同時に進行し、正しく、酸化量を測定できない。また、特許文献2に開示される方法においては、試料温度の安定化を行うためには、石炭から水分の除去を行う必要があり、試料温度は通常100℃以上、例えば130℃以上とすることが必要である。
特許文献3に開示される方法においては、昇温を行いつつCOおよびCOの発生量を測定することから、比較的高温、例えば600℃までの昇温が必要である。また、COおよびCOの特定は、300℃付近の低温側ピークの立ち上がり温度から行われる。さらに、特許文献4に開示される方法は、顕微鏡による観察が必要であり、作業が煩雑である。
以上、従来の方法においては、比較的低温域、例えば常温から350℃以下の温度域において、測定温度の制限なく、簡便に石炭の酸化特性を評価することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、比較的低温域において、測定温度の制限なく、柔軟かつ簡便に石炭の酸化特性を評価することが可能な、新規かつ改良された石炭の酸化特性の評価方法を提供することにある。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意検討した結果、17ガスを含む雰囲気中で石炭を酸化させ、酸化後の石炭について17O核磁気共鳴分光分析を行うことにより、石炭の酸化特性を観察できるという知見を得た。さらに、かかる知見に基づき更なる検討を行った結果、以下に示す本発明に想到した。
上記のような知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 17ガスを含む雰囲気中で石炭試料を酸化させる酸化工程と、
酸化後の前記石炭試料について核磁気共鳴分光分析を行い、17O核磁気共鳴分光スペクトルを得る、スペクトル取得工程と、
前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中のピークの面積に基づいて、前記石炭試料の酸化特性を評価する、評価工程と、
を有する石炭の酸化特性評価方法。
(2) 前記評価工程において、前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中の17O核の化学シフトが-100ppm以上80ppm以下および/または200ppm以上400ppm以下の範囲に頂点を有する前記ピークの面積に基づいて、前石炭試料の酸化特性を評価する、(1)に記載の石炭の酸化特性評価方法。
(3) 前記評価工程において、前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中の17O核の化学シフトが200ppm以上400ppm以下の範囲に頂点を有する前記ピークの面積に基づいて、前石炭試料の酸化特性を評価する、(1)に記載の石炭の酸化特性評価方法。
(4) 前記評価工程において、前記ピークの面積が前記石炭の酸化特性と正の相関を有することを前提として、前記石炭試料の酸化特性を評価する、(1)~(3)のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
(5) 前記酸化工程において、前記石炭試料および前記雰囲気の温度が、350℃以下である(1)~(4)のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
(6) さらに、前記酸化工程の前に行われ、石炭試料の水分を所定量に調節する水分調節工程を有し、前記評価工程において、前記所定量の前記水分を含む前記石炭試料の前記酸化特性を評価する、(1)~(5)のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
以上説明したように本発明によれば、比較的低温域において、測定温度の制限なく、柔軟かつ簡便に石炭の酸化特性を評価することが可能な石炭の酸化特性の評価方法を提供することが可能となる。
実施例1において得られた石炭試料の酸化後の17O NMRスペクトルチャートである。 実施例1における17O NMRスペクトルの300ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。 実施例1における17O NMRスペクトルの0ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。 実施例1における17O NMRスペクトルの300ppm付近のピークおよび0ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。 実施例2において得られた石炭試料の酸化後の17O NMRスペクトルチャートである。 実施例2における17O NMRスペクトルの300ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。 実施例2における17O NMRスペクトルの300ppm付近のピークおよび0ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。 実施例3における17O NMRスペクトルの300ppm付近のピークおよび0ppm付近のピークの面積を比較するグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る酸化特性評価方法について説明する。本実施形態に係る酸化特性評価方法は、17ガスを含む雰囲気中で石炭試料を酸化させる酸化工程と、酸化後の石炭試料について核磁気共鳴分光分析を行い、17O核磁気共鳴分光スペクトルを得る、スペクトル取得工程と、17O核磁気共鳴分光スペクトルのピークの面積に基づいて石炭試料の酸化特性を評価する評価工程とを有する。
(1.1.試料の用意)
まず、酸化工程(石炭試料の酸化)に先立ち、石炭試料を用意する。
石炭試料は、例えば、原料となる石炭について粒度を調整することにより得られる。石炭試料の原料となる石炭としては、特に限定されず、無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭および泥炭のいずれについても使用可能である。また、必要に応じて、石炭としてこれらの2種以上の石炭が混合されて石炭試料に供されてもよい。さらに、石炭試料は、石炭の加工品であってもよい。
石炭の粒度の調製は、例えば、粉砕や分級等により行うことができる。粉砕は、例えばボールミル、ビーズミル、乳鉢、ハンマーミル等の各種粉砕機を用いて行うことができる。また、分級については、例えば、分級ふるいや重力分級機、慣性分級機、遠心分級機等の乾式分級機により行うことができる。
石炭試料の粒度は、特に限定されないが、例えば250μm以下、好ましくは150μm以下であることができる。本工程においては、短時間で酸化反応を行うためにも、粒度を比較的小さくして酸化反応を促進させることが好ましい。また、本工程における石炭試料の酸化条件を統一するために、比較対象となる複数の石炭試料は、一定の範囲内、例えば上述した範囲内の粒度とすることが好ましい。
また、石炭試料について、必要に応じて付着する水分を除去してもよい。一般に、原料となる石炭には、石炭の種類や保管される環境に応じて水分が付着している。酸化工程時において酸化により生じたエネルギーが当該水分の温度上昇に利用され得るだけでなく、酸化反応の促進に寄与する可能性があるため、このような石炭に付着した水分は、石炭の酸化特性の評価結果に影響を与え得る。したがって、水分の影響を排除して石炭試料について酸化特性を評価することを目的とする場合、石炭試料から水分を除去することが好ましい。
例えば、石炭試料につき、減圧雰囲気下で、加熱を行うことにより、石炭試料に存在する水分を除去することができる。加熱条件は、例えば10hPa以下の減圧雰囲気下、80℃以上120℃以下、12時間以上24時間以下であることができる。
なお、石炭試料について水分の除去を行わなくてもよい。例えば、保管される環境に応じて水分が付着した状態の石炭の酸化特性は、当該環境に保管される石炭の酸化特性をより正確に示しているといえる。したがって、得られる石炭の酸化特性は、石炭の当該環境における保管方法を検討する上で、重要な指標となり得る。このように、本実施形態に係る石炭の酸化特性の評価方法は、石炭試料に存在する水分を除去しなくても、実施可能である。したがって、水分を除去してから石炭の酸化特性の評価を行う従来の方法と比較して、本実施形態に係る石炭の酸化特性の評価方法は、柔軟な条件設定が可能となっている。
(1.2.酸化工程)
酸化工程においては、17ガスを含む雰囲気中で石炭試料を酸化させる。自然界においては、核磁気共鳴分光分析において検出可能な程度の17Oは存在せず、したがって、処理後の石炭試料の核磁気共鳴スペクトル測定において検出される17Oは、そのほぼすべてが本工程において17ガスと石炭試料との反応により生じた17O含有官能基由来であると考えられる。したがって、本工程において、17ガスを含む雰囲気中で酸化処理を行ない、これにより石炭試料において検出される17Oを分析することにより、石炭試料の本工程の処理条件における酸化特性の評価が可能となる。
石炭の処理雰囲気としては、17ガスを含むものであれば特に限定されない。例えば空気や窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスに対して17ガスを混合し、これを処理雰囲気としてもよい。また、17ガスを含む酸素ガスを使用して、処理雰囲気としてもよい。特に、本工程の時間を短縮できることから、酸素ガスを処理雰囲気とすることが好ましい。この場合において、酸素ガス中の17ガスの含有量は、多いほど好ましく、例えば90体積%以上、好ましくは95体積%以上であることができる。
また、石炭試料の処理は、処理雰囲気を構成するガスを連続的に石炭試料が配置された系内に流通させつつ行ってもよいし、石炭試料が配置された系内の雰囲気を上記ガスによって置換した後密封し、他の雰囲気から遮断して行ってもよい。
また、石炭試料の処理時における、石炭試料および処理雰囲気の温度は、特に限定されないが、例えば350℃以下の温度領域で、適宜設定できる。従来の方法においては、このような比較的低温の領域においては、測定温度に制限が設けられていたが、本実施形態に係る石炭の酸化特性の評価方法においては、このような制限はなく、目的とする条件に応じて適宜処理温度を設定可能である。
石炭試料の処理時における石炭試料および処理雰囲気の温度は、酸化反応の速度の向上、および、系内の酸素不足の回避の観点から、好ましくは25(室温)℃以上140℃以下、より好ましくは40℃以上100℃以下である。なお、石炭試料の処理時において、石炭試料および処理雰囲気の温度を経時的に変化させてもよい。また、石炭試料の処理時において、石炭試料および処理雰囲気の温度は、通常、同一である。したがって、いずれか一方の温度のみ測定してもよい。
また、石炭試料の処理時間は、特に限定されないが、例えば1時間以上168時間以下、好ましくは24時間以上72時間以下であることができる。
以上により、石炭試料を17ガスを含む雰囲気中で酸化させることができる。なお、石炭試料の処理条件は、特に限定されず上述した条件を適宜選択することが可能であるが、比較対象となる複数の石炭試料については、同一とすることが好ましい。
(1.3.スペクトル取得工程)
次に、酸化後の石炭試料について核磁気共鳴(17O NMR)分光分析を行い、17O核磁気共鳴分光スペクトル(以下、単に「17O NMRスペクトル」ともいう)を得る。なお、石炭試料は固体試料であるため、本工程で行われる分析は、通常固体核磁気共鳴分光分析である。本工程は、従来知られた方法に基づき、石炭試料について、固体核磁気共鳴分光分析を行い、化学シフトを横軸、信号強度を縦軸とする17O核磁気共鳴分光スペクトルを得ることができる。
(1.4.評価工程)
最後に、17O核磁気共鳴分光スペクトルのピークの面積に基づいて石炭試料の酸化特性を評価する。
本工程においては、まず、17O核磁気共鳴分光スペクトルのピークの面積を、ピーク強度を積算することにより、算出する。上述したように、石炭試料から検出される17O核磁気共鳴分光スペクトルのピークは、ほぼすべてが酸化工程において17ガスと石炭試料との反応により生じた17O含有官能基由来であると考えられる。したがって、本工程において、測定した範囲における任意のピークについて面積を算出してもよい。
例えば、本工程において、測定した全ての範囲における任意のピークについて面積を算出してもよい。または、17O核磁気共鳴分光スペクトル中の17O核の化学シフトが特定の範囲に頂点を有するピークについて、面積を算出してもよい。例えば、本発明者らの検討によれば、得られる17O NMRスペクトルの0ppm付近に頂点を有するピークは、水酸基(-OH基)の17O核の化学シフトに由来し、300ppm付近に頂点を有するピークは、カルボキシ基(-COOH基)の17O核の化学シフトに由来すると推測されている。したがって、0ppm付近、すなわち-100ppm以上80ppm以下に頂点を有するピーク、および/または300ppm付近、すなわち200ppm以上400ppm以下に頂点を有するピークについて面積を算出してもよい。
特に、石炭の酸化による酸素含有官能基の生成反応機構から、その反応熱を推定すると、カルボキシル基の生成反応が発熱量の大部分を占め、自然発熱現象の支配的な反応といえる。このため、カルボキシ基(-COOH基)に由来すると推測される200ppm以上400ppm以下に頂点を有するピークについて面積を算出することが好ましい。また、後述する実施例においては、同ピークの面積に基づいて酸化特性を評価することが適切であることが示唆された。
なお、17O NMRスペクトルにおけるピークの検出やピークの分離については、従来知られた方法により行うことができる。また、上記ピークの検出・分離方法は、比較対象となる複数の石炭試料については、同一とすることが好ましい。
続いて、算出した石炭試料のピーク面積に基づいて、石炭試料の酸化特性を評価する。なお、算出した石炭試料のピーク面積は、17O NMR分光分析に供した石炭試料の量に比例して大きくなるため、ピーク面積から石炭試料の量、例えば質量を除した上で比較を行う。
石炭試料の酸化特性は、例えば、ピーク面積が石炭試料の酸化特性と正の相関を有することを前提として、評価することができる。すなわち、ピーク面積が大きい場合、石炭試料が酸化工程においてより酸化されていることが推測される。このため、ピーク面積が大きい場合、石炭試料、ひいては石炭試料の原料である石炭は、酸化されやすいと評価することができる。
以上、本実施形態に係る石炭の酸化特性評価方法について説明した。本実施形態に係る石炭の酸化特性評価方法によれば、従来の方法とは異なり、低温域において測定温度の制限がない。したがって、任意の温度域における石炭の酸化特性を評価することが可能である。また、従来の方法は測定温度に制限が存在したため、制限を外れた温度を含む異なる温度条件について、石炭の酸化特性を評価することが困難であった。これに対し、本実施形態に係る石炭の酸化特性評価方法は、異なる温度条件について、同一の方法により酸化特性を評価することが可能である。このため、石炭の自然発熱および自然発火についての現象発生および反応メカニズムの解明に資する。
また、水分を除去してから石炭の酸化特性の評価を行う従来の方法と比較して、本実施形態に係る石炭の酸化特性の評価方法は、柔軟な条件設定が可能となっている。具体的には、本実施形態に係る石炭の酸化特性評価方法は、石炭中の水分の影響をも含めた酸化特性の評価が可能である。この場合、得られる石炭の酸化特性は、石炭の保管環境を検討する上で、重要な指標となり得る。
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る酸化特性評価方法について説明する。本実施形態に係る石炭試料の水分を所定量に調節する水分調節工程と、17ガスを含む雰囲気中で前記石炭試料を酸化させる酸化工程と、酸化後の前記石炭試料について核磁気共鳴分光分析を行い、17O核磁気共鳴分光スペクトルを得る、スペクトル取得工程と、前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中のピークの面積に基づいて、前記所定量の水分を含む前記石炭試料の前記酸化特性を評価する、評価工程と、を有する。
すなわち、本実施形態に係る酸化特性評価方法は、石炭試料の水分を所定量に調節する水分調節工程をさらに有するとともに、評価工程において前記所定量の水分を含む前記石炭試料の前記酸化特性を評価する点で、第1の実施形態に係る酸化特性評価方法と異なる。以下、第1の実施形態と本実施形態との差異について中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
水分調節工程においては、石炭試料の水分を所定量に、すなわち目的とする量に調節する。このように、本実施形態においては、敢えて石炭試料中の水分量を調節し、所定の水分量における石炭試料の酸化特性を評価する点で、石炭試料中の水分量を調節せずに、または完全に水分を除去した状態で評価する第1の実施形態とは異なっている。
石炭試料の水分量の調節は、例えば、水を石炭試料に添加して混合する、または石炭試料から水を除去する、または一度石炭試料から水分を完全に除去した後に所定の水を添加して混合することにより行うことができる。
水を石炭試料に添加して混合する場合、例えば、乳鉢、攪拌機(ミキサー)、混練機等の公知の混合のための機器を利用することができる。また、水の除去としては、加熱、減圧等により水を蒸発させてもよいし、遠心分離機や噴霧乾燥機等を用いてもよい。水の除去後、水分量の調節や、石炭試料中における水分量の均一性を向上させるために、水の添加や、撹拌、混練等を行ってもよい。
水分量調整後の石炭試料中に含まれる水分量としては、特に限定されず、例えば、石炭試料の乾燥重量に対し、100質量%以下、50質量%以下または30質量%以下であることができる。
本工程においては、水分を所定量に調節した石炭試料を1サンプル以上用意すればよく、複数サンプル用意してもよい。この場合、水分量以外は同一条件の石炭試料を複数用意することにより、水分量による酸化特性への影響を把握しやすくなる。なお、石炭試料を複数用意する場合、水が含まれない、すなわち水分量が0質量%の石炭試料を用意してもよい。
なお、水分量の調節前の石炭試料は、上述した第1の実施形態と同様に用意することができる。
次に、第1の実施形態と同様に、酸化工程およびスペクトル取得工程を行う。これらについては第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
最後に、評価工程において、所定量の水分を含む石炭試料の酸化特性を評価する。本工程におけるピークの面積の算出および酸化特性の評価については、上述した第1の実施形態と同様であることができる。
本実施形態においては、既知の量の水分を含む石炭試料の酸化特性を評価することが可能である。したがって、石炭試料に含まれる水分の影響を評価することが可能である。具体的には、乾燥した石炭試料や、異なる水分量の石炭試料の酸化特性と比較することにより、石炭試料における水分変動に伴う酸化特性の変化等を評価することができる。このようにして評価された酸化特性は、例えば、石炭の保存、貯蔵において自然発火を抑制するための適正な水分量の決定等に役立てることができると考えられる。
以下に、実施例を示しながら、本発明に係る石炭の酸化特性評価方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも本発明に係る石炭の酸化特性評価方法の一例であって、本発明が、下記の例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記表1に示す石炭A~Dを用意し、石炭A~Dのそれぞれについて、酸化特性(自然発火性)の評価を行った。石炭Aは低発熱量炭(褐炭)、石炭Bは高発熱量炭(褐炭)、石炭Cは褐炭、石炭Dは瀝青炭である。また、石炭A~Dの元素分析値は、下記表1に示す通りである。なお、元素分析は、JIS M 8812:2004に基づき行った。
Figure 0007070359000001
石炭A~Dは、500mgずつ用意した。また、石炭A~Dとしては、粒度が150~250μmの範囲内のものを、10hPa以下の減圧雰囲気下、80℃、12時間乾燥させることで水分を除去し、用意した。
〔酸化工程〕
内容量が16mLのガラス製容器を用い、石炭A~Dをそれぞれ充填した。さらに、ガラス製容器内の空間を17ガス(17含有量:94体積%)にて置換し、ガラス製容器を密封した。その後、ガラス製容器をオーブンに設置することにより、この状態において、雰囲気温度を常温から40℃まで上昇させ、6日間静置した。
〔スペクトル取得工程:17O NMR測定〕
次に、酸化処理後の石炭A~Dの17O NMR測定を行った。17O NMRの測定には、JNM-ECA700(株式会社JEOL RESONANCE製)を用いた。窒化ケイ素製試料管(4mmφ)に、それぞれ前述の酸化処理後の石炭A~Dを充填し、充填量を予め重量測定した。測定は、リンギングを低減させるためにOldfield Echoのシーケンスを使用し、マジックアングルで18kHz回転させながら行った。図1に、得られた17O NMRスペクトルを示す。
図1に示すように、石炭A、Bでは、300ppm付近と0ppm付近に、それぞれ異なる2本のピークが観測された。石炭Cでは、0ppm付近のピークが観測され、300ppm付近のピーク強度はわずかであった。石炭Dでは、0ppm付近のピーク強度はわずかであり、300ppm付近のピークはほとんど観測されなかった。300ppm付近のピークはカルボキシ基由来であり、0ppm付近のピークは水酸基由来であると推定されるため、前述の酸化処理により、石炭A、Bではカルボキシ基と水酸基が生成し、石炭Cでは水酸基が主として生成し、石炭Dでは酸素含有官能基はほとんど生成しなかったものと考えられる。
〔評価工程〕
次に、得られた17O NMRスペクトルからピーク面積を算出した。ピーク面積の算出は、(1)300ppm付近に頂点を有するピークの面積、(2)0ppm付近に頂点を有するピークの面積、および(3)測定範囲中の全てのピークの面積(300ppm付近に頂点を有するピークの面積と0ppm付近に頂点を有するピークの面積との合計)について算出を行った。(1)の場合、80~1000ppmの範囲についてピーク面積の積算を行い、(2)の場合、-400~80ppmの範囲についてピークの積算を行い、(3)の場合、-400~1000ppmの範囲についてピークの積算を行った。結果を図2~4に示す。
また、本発明の方法の妥当性を検討するための参考指標として、石炭A~Dについて、自然発火試験装置SIT-2(株式会社島津製作所)を用いて、200℃に達するまでに要した時間を測定し、石炭A~Dの自然発熱性を評価した。
(1)300ppm付近に頂点を有するピークの面積
図2に、石炭A~Dについて300ppm付近に頂点を有するピークの面積を示す。石炭A、B、C、Dの順にピーク面積が大きく、この順に酸化しやすい、すなわち酸化特性が大きいことが示唆された。
次に、石炭A~Dについて、本実施例で算出された300ppm付近に頂点を有するピークの面積と、自然発火試験装置(SIT)による自然発熱性評価とを比較した。結果を表2に示す。なお、表2中、ピーク面積は17O NMR測定に使用した試料重量で前述の300ppm付近のピーク面積を割って求めた値である。
Figure 0007070359000002
表2に示すように、石炭A~Dの17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積は、参考例としたSITによる200℃に達するまでに要した時間と概ね相関を有していることが分かる。この結果によっても、ピーク面積が石炭の酸化特性と正の相関を有することが示唆された。
すなわち、17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積が大きいほど、200℃に達するまでに要した時間が短く、17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積が小さいほど、200℃に達するまでに要した時間が長いことが分かる。したがって、17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積が大きいほど、酸化特性が大きい、すなわち、自然発熱性が高いことが分かり、17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積が小さいほど、酸化特性が小さい、すなわち、自然発熱性が低いことが分かる。
(2)0ppm付近に頂点を有するピークの面積
図3に、石炭A~Dについて0ppm付近に頂点を有するピークの面積を示す。0ppm付近に頂点を有するピークの面積を比較すると、石炭B、A、C、Dの順にピーク面積が大きい。したがって、参考例として求めた自然発熱性評価とは結果が一致しなかった。一方で、0ppm付近に頂点を有するピークの面積が大きいほど、酸化しやすい、すなわち酸化特性が大きい傾向を評価できることが分かった。
(3)測定範囲中の全てのピークの面積
図4に、石炭A~Dについて測定範囲中の全てのピークの面積を示す。測定範囲中の全てのピークの面積を比較すると、石炭B、A、C、Dの順にピーク面積が大きい。したがって、参考例として求めた自然発熱性評価とは結果が一致しなかった。一方で、0ppm付近に頂点を有するピークの面積が大きいほど、酸化しやすい、すなわち酸化特性が大きい傾向を評価できることが分かった。
<実施例2>
石炭A~Dを500mgずつ用意し、粒度を150~250μmの範囲内とした。前述のガラス製容器に石炭A~Dをそれぞれ充填し、これに17ガスを充填することにより、石炭A~Dの雰囲気ガスを17ガスとした。この状態において、雰囲気温度を常温から100℃まで上昇させ、6日間静置した。石炭の17O NMR測定および、酸化特性の評価は、上記と同様とした。図5に、得られた17O NMRスペクトルを示す。
得られた17O NMRスペクトルにおいて300ppm付近のピーク面積を、測定に使用した試料質量で割って求めた値を図6に示す。図6に示すように、17O NMRスペクトルにおける300ppm付近のピーク面積は、石炭A、B、C、Dの順に大きいことがわかった。この結果は実施例1において40℃で酸化処理した場合と同様であり、酸化温度にかかわらず本手法の有用性を確かめることができた。
得られた17O NMRスペクトルにおいて測定範囲中の全てのピークの面積を、測定に使用した試料質量で割って求めた値を図7に示す。図7に示すように、17O NMRスペクトルにおける測定範囲中の全てのピークの面積は、石炭B、A、C、Dの順に大きいことがわかった。この結果は実施例1において40℃で酸化処理した場合と同様であった。
<実施例3>
実施例1で示した石炭A~Dに水を10質量%(対石炭A~Dの乾燥質量)添加・混練した試料、および、石炭Aに水を20質量%添加・混練した試料を用い、同様に石炭の酸化処理(40℃で、6日間)および、石炭の17O NMR測定を行った。
図8に17O NMRスペクトルにおける300ppmの単位質量当たりのピーク面積を乾燥状態の各石炭のものと合わせて示す。
この結果から、例えば、石炭A~Dいずれの石炭も乾燥状態に対して、水分10質量%含有させると、酸化性が低下することが分かった。また、自然発熱性が高い石炭A、石炭Bでは、約8割程度に酸化特性が低下することが分かった。また、石炭Aについて、水分量を10質量%から20質量%へ増加させても、酸化特性の低下はみられなかった。
以上の知見は、例えば、石炭の保存、貯蔵において自然発火を抑制するための適正な水分量の決定等に役立てることができると考えられる。例えば、乾燥状態の石炭Bと同程度以下の自然発熱性に抑えるためには、石炭Aは水を10~20質量%の間の割合で添加する必要があることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (6)

  1. 17ガスを含む雰囲気中で石炭試料を酸化させる酸化工程と、
    酸化後の前記石炭試料について核磁気共鳴分光分析を行い、17O核磁気共鳴分光スペクトルを得る、スペクトル取得工程と、
    前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中のピークの面積に基づいて、前記石炭試料の酸化特性を評価する、評価工程と、
    を有する石炭の酸化特性評価方法。
  2. 前記評価工程において、前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中の17O核の化学シフトが-100ppm以上80ppm以下および/または200ppm以上400ppm以下の範囲に頂点を有する前記ピークの面積に基づいて、前石炭試料の酸化特性を評価する、請求項1に記載の石炭の酸化特性評価方法。
  3. 前記評価工程において、前記17O核磁気共鳴分光スペクトル中の17O核の化学シフトが200ppm以上400ppm以下の範囲に頂点を有する前記ピークの面積に基づいて、前石炭試料の酸化特性を評価する、請求項1に記載の石炭の酸化特性評価方法。
  4. 前記評価工程において、前記ピークの面積が前記石炭の酸化特性と正の相関を有することを前提として、前記石炭試料の酸化特性を評価する、請求項1~3のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
  5. 前記酸化工程において、前記石炭試料および前記雰囲気の温度が、350℃以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
  6. さらに、前記酸化工程の前に行われ、石炭試料の水分を所定量に調節する水分調節工程を有し、
    前記評価工程において、前記所定量の前記水分を含む前記石炭試料の前記酸化特性を評価する、請求項1~5のいずれか一項に記載の石炭の酸化特性評価方法。
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