JP2003149186A - 固体無機材料の評価方法 - Google Patents

固体無機材料の評価方法

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JP2003149186A JP2001346929A JP2001346929A JP2003149186A JP 2003149186 A JP2003149186 A JP 2003149186A JP 2001346929 A JP2001346929 A JP 2001346929A JP 2001346929 A JP2001346929 A JP 2001346929A JP 2003149186 A JP2003149186 A JP 2003149186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体無機材料、具体的には酸素含有材料中の
酸素化合物の同定、及び存在比の定量を、精度良く行う
ことのできる方法を提供する。 【解決手段】 固体無機材料を8kHz以上の速度で回転
させながら、固体無機材料中の核磁気共鳴測定対象とす
る2元素間において相互の磁化移動スペクトルを測定
し、得られた核磁気共鳴スペクトルから該2元素間の結
合連鎖を決定し、前記固体無機材料の化学構造や存在比
を推定する固体無機材料の評価方法。好ましくは、固体
無機材料は酸素化合物であり、酸素原子と酸素原子以外
のNMR測定対象核の結合連鎖を決定し、酸素化合物の
化学構造や存在比を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体無機材料の評
価方法に関する。具体的には、酸素化合物の評価方法に
関する。更に詳しくは、核磁気共鳴(以下、NMRと略
称する)法を用いた、酸素核と酸素核以外の核磁気共鳴
測定対象核の結合連鎖を決定し、酸素含有材料中の酸素
化合物の化学構造や存在比を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素が構造の中心を担う酸素化合物を含
む酸素含有材料は、石炭、スラグ、耐火物などの製鉄業
での原材料や、ゼオライトを始めとした触媒等、広範囲
に用いられている。これら酸素含有材料中の酸素原子の
配位数や、他原子との結合連鎖を決定し、酸素含有材料
中の酸素化合物の化学構造や存在比を推定することは酸
素含有材料の有効利用の点から重要であり、特に製鉄業
においては、石炭の有効利用やスラグの効率的なリサイ
クルを推進する上で極めて重要である。例えば、スラグ
に関しては、酸素を中心とした3次元的な化学構造を明
らかにすることにより、粘度等の物理的性質を精度良く
予測できる可能性があり、高効率の転炉操業が達成され
ることが期待される。
【0003】固体無機材料中の酸素化合物の化学構造を
推定する従来の方法としては、X線回折法(以下、XR
Dと略称する)、X線光電子分光法(以下、XPSと略
称する)等を用いた方法が挙げられる。XRDは表層部
及び内部の構造情報を得ることができるが、結晶格子か
らの回折像を測定する方法であるため、結晶性が高く、
長周期的な構造を持つ物質の解析に対しては有効な手法
であるが、非晶質系の材料に対してはピークが極端に広
幅化してしまうため、解析は非常に困難になる。さら
に、XRDは特定元素の情報を得ることができないた
め、酸素化合物の同定を行う際に、他の元素に由来する
ピークと重なり合い、同定が困難になる場合もある。ま
た、XPSは検出深さが数10Å程度であるため、表層
部から内部にわたる全体の酸素構造を解析することは不
可能である。
【0004】一方、NMR法は特定元素の表層部から内
部にわたる全体の化学構造やその存在比を推定できる分
析法として広く利用されている。しかしながら、酸素原
子のNMR測定対象核である17O核は核スピンI=5/
2であり、四極子モーメントを有するため、化学シフト
異方性、双極子−双極子相互作用のほかに、核周囲の電
場勾配との間に核四極子相互作用が働くため、従来の低
速マジック角回転(Magic Angle Spinn
ing、以下、MASと略称する)法(回転数6kHz程
度)ではこれらの異方的相互作用を消去、低減すること
ができず、ピークが分裂及び極端に広幅化し、スペクト
ル解析が困難であった。
【0005】しかし、最近ではこれまで種々の異方的相
互作用により十分な分解能が得られなかった固体無機材
料のNMR測定も、近年のパルスシーケンスおよび装置
の改良に伴い、固体高分解能NMRとして広く応用され
つつある。
【0006】固体無機材料のNMR測定法として、最も
広く知られている手法の一つに交差分極/マジック角回
転(Cross Polarization/Magi
c Angle Spinning、以下CP/MASと
略称する)法が挙げられる。CP/MAS法とは、静磁
場に対して54.7°をなす角(マジック角)の周りで
試料を回転させ、化学シフト異方性及び双極子−双極子
相互作用を消去、低減できるMAS法に、双極子−双極
子相互作用を利用して異種核間の交差分極を起こさせる
手法(CP)を組み合わせた方法であり、主に天然存在
比の少ない核のNMR測定における感度上昇法ならびに
スピン−格子緩和時間(以下、T1と略称する)が長
く、測定に長時間を要する核に対する積算効率向上法と
して用いられている。特に1H核から13C核への磁化移
動を観測するCP/MAS法(便宜上、1H→13C CP
/MAS法と表記)は、有機化合物中の炭素原子の解析
に広く用いられている。その理由として、1H核のよう
な高感度核から13C核のような低感度核への磁化移動に
よって、低感度核のNMR測定感度を向上させることが
可能となることと、パルスを照射する繰り返し時間をT
1の短い1H核に合わせることができるため、著しい積算
の効率化を図ることができることが挙げられる。特開平
9−133644号公報には、1H→13C CP/MAS
法により、石炭中の全有機酸素量を定量する方法が示さ
れている。
【0007】多量子遷移を利用することによって、通常
のMASプローブでI=1/2以外の半整数スピン核に
対して高分解能スペクトルを得ることのできる多量子マ
ジック角回転(Multiple Quantum Ma
gic Angle Spinning、以下MQMAS
と略称する)法とCP/MAS法を組み合わせたCP/
MQMAS法はPruskiらによって開発され、フッ
素化されたAlPO4を用いて19F→27Al CP/MQ
MASスペクトルを測定した実例が報告されている(S
olid State Nuclear Magneti
c Resonance,7(1997)327)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】CP/MAS法及びC
P/MQMAS法は一般的に高感度核から低感度核への
双極子−双極子相互作用を通じた磁化移動を利用した測
定手法であり、磁化移動効率はCP対象核の核間距離に
依存する。即ち、磁化の移動元の核と移動先の核が直接
結合あるいは一つの原子を介して存在しているような近
距離に存在する場合には磁化移動は高効率で達成される
が、2核が遠距離に存在する場合には磁化移動効率は低
下する。このような特徴を有することから、CP/MA
S法及びCP/MQMAS法は異なる元素間の結合状態
を知る方法としても好ましいものである。CP/MAS
法により酸素化合物中の酸素原子と他原子との結合状態
を評価する場合において、酸素原子由来のCP/MAS
スペクトルを得る際、磁化の移動元の核(酸素以外のN
MR測定対象核であり、便宜上、X核と呼ぶ)と移動先
の核(酸素核)が直接結合あるいは一つの原子を介して
存在しているような近距離に存在する場合には、2核間
の双極子−双極子相互作用は比較的強いため、2核間の
磁化移動は高効率で達成される。一方、X核と酸素核が
遠距離に存在する場合には、2核間の双極子−双極子相
互作用は非常に弱いか存在しないため、2核間の磁化移
動効率は大きく低下する。このような試料においてX→
17O CP/MASスペクトルを測定した場合には、X
核から酸素核への磁化移動が高効率で行われたX核から
近距離に存在する酸素化学種のピークのみが観測され、
X核から遠距離に存在する酸素化学種由来のピークは観
測されないことから、X核から近距離にある酸素原子
と、X核から遠距離に位置する酸素原子を区別すること
が可能となる。
【0009】また、酸素原子の核四極子相互作用が大き
く、静磁場中でのエネルギー分裂幅に対応するゼーマン
相互作用に対して無視できなくなる、すなわち、酸素の
核四極子相互作用がゼーマン相互作用に対して二次の摂
動として表される試料においては、CP/MAS法では
核四極子相互作用の影響によってピークが広幅化し、解
析が困難となる場合があるが、CP/MQMAS法を用
いることによって、核四極子相互作用が消去された高分
解能スペクトルを得ることが可能となる。Journa
l of American Chemical Soci
ety,119(1997)6858には、1H→27
l CP/MQMAS法によって、ゼオライトAlPO4
−11と水分子との結合力の程度(分子間距離)を評価
した例が報告されている。
【0010】しかしながら、測定対象試料が多元素系か
ら成り、無秩序な構造を持つなどの複雑な構造を持つ場
合には、磁化の移動元の核から酸素核(移動先)への磁
化移動を測定するX→17O CP/MAS或いはX→17
O CP/MQMASスペクトル測定だけでは、酸素含
有材料中の酸素原子と他原子との結合連鎖を決定する上
で、構造情報量が不充分であり、結合連鎖を推定できな
い場合があった。X→17O CP/MAS或いはX→17
O CP/MQMASスペクトル測定では、X原子と結
合した酸素原子と、X原子と結合していない酸素原子を
区別することは可能である。しかしながら、この手法か
らは酸素原子と結合したX原子と、酸素原子と結合して
いないX原子を区別することはできないため、酸素含有
材料中の分子の繋がりを詳細に決定することは不可能で
ある。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、製鉄業での原材料やゼオライトなど
の触媒等、広範囲に用いられている酸素含有材料の酸素
化合物における、酸素原子と酸素原子以外のNMR測定
対象核の結合連鎖を精度良く決定し、酸素化合物の化学
構造や存在比を明確化する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記問題を解決するために鋭意検討を行った結果、CP/
MAS法あるいはCP/MQMAS法において、磁化の
移動元の核(X核)と移動先の核(酸素核)を入れ替え
た交差分極を合わせて実施することによって、酸素原子
周辺の結合連鎖を更に明確にできることを見い出した。
すなわち、17O→X CP/MAS法(X核がI=1/
2である核、または一次の核四極子相互作用を受けてい
る半整数スピン核)或いは17O→X CP/MQMAS
法(X核が二次の核四極子相互作用を受けている半整数
スピン核)による測定を行い、X核から見た酸素核との
結合連鎖の情報と、X→17O CP/MAS(酸素核が
一次の核四極子相互作用を受けている場合)或いはX→
17O CP/MQMAS(酸素核が二次の核四極子相互
作用を受けている場合)スペクトルから得た酸素核から
見たX核との結合連鎖の情報を合わせて考慮することに
より、酸素核ならびに酸素核周辺構造を更に明確にする
ことができることを見い出し、本発明を完成させたもの
である。すなわち、本発明は上記目的を達成するために
以下のような手段を用いる。
【0013】(1)固体無機材料を8kHz以上の速度で
回転させながら、固体無機材料中の核磁気共鳴測定対象
とする2元素間において相互の磁化移動スペクトルを測
定し、得られた核磁気共鳴スペクトルから該2元素間の
結合連鎖を決定し、前記固体無機材料の化学構造や存在
比を推定することを特徴とする固体無機材料の評価方
法。 (2)前記固体無機材料は酸素化合物であり、酸素核と
酸素核以外の核磁気共鳴測定対象核との相互の磁化移動
スペクトルを測定することを特徴とする前記(1)記載
の固体無機材料の評価方法。 (3)前記核磁気共鳴測定に用いる手法は、交差分極/
マジック角回転(CP/MAS)法又は交差分極/多量
子マジック角回転(CP/MQMAS)法である前記
(1)又は(2)記載の固体無機材料の評価方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、酸素核以外のNMR対
象核と17O核との交差分極を利用して2元素間の結合連
鎖を決定し、酸素原子周辺の構造を評価する方法であ
り、対象となる酸化物材料に特に制限はない。
【0015】X→17O CP/MAS(酸素核が一次の
核四極子相互作用を受けている場合)或いはX→17
CP/MQMAS(酸素核が二次の核四極子相互作用を
受けている場合)スペクトルと、17O−MAS(酸素核
が一次の核四極子相互作用を受けている場合)或いは17
O−MQMAS(酸素核が二次の核四極子相互作用を受
けている場合)スペクトルを比較することにより、X原
子と結合した酸素原子と、X原子と結合していない酸素
原子を区別することができる。
【0016】また、17O→X CP/MAS(X核がI
=1/2である核、または一次の核四極子相互作用を受
けている半整数スピン核)或いは17O→X CP/MQ
MAS法(X核が二次の核四極子相互作用を受けている
半整数スピン核)と、X−MAS(X核がI=1/2で
ある核、または一次の核四極子相互作用を受けている半
整数スピン核)或いはX−MQMAS(X核が二次の核
四極子相互作用を受けている半整数スピン核)スペクト
ルを比較することにより、酸素原子と結合したX原子
と、酸素原子と結合していないX原子を区別することが
できるようになり、酸素含有材料中の分子の繋がりを詳
細に決定することが可能となる。
【0017】酸素核から他核への磁化移動の測定につい
ては、一般に17O核の天然存在比が非常に少ないため、
感度が非常に悪くなってしまうという欠点があることか
ら、測定試料中の17Oを同位体濃縮し、測定感度を上昇
させることが望ましい。
【0018】CP/MAS法、CP/MQMAS法のい
ずれの方法も、磁化移動の対象となる元素は酸素原子お
よび酸素原子以外のNMR対象元素である。酸素原子以
外のNMR対象元素としては、例えば水素原子、フッ素
原子、リン原子、ケイ素原子、金属原子(アルミニウム
原子等)などが挙げられるが、核スピンを持つNMR測
定対象元素であれば特に制限はない。
【0019】CP/MAS法およびCP/MQMAS法
においては、試料回転速度の上昇に従い化学シフト異方
性および双極子−双極子相互作用に起因する線幅の広が
りやスピニングサイドバンド(Spinning Si
de Bands、以下SSBと略称する)強度が低減
するため、できる限り試料回転速度を上げることが望ま
しいが、汎用されている直径4mmのNMR試料管を用い
た場合、現状では17kHz程度の回転数が限界である。
試料回転速度が8kHz未満の場合では、17O核の化学シ
フト異方性及び双極子−双極子相互作用が残存して、主
値ピークが広幅化し、混在する酸素原子ピークを分離す
ることができない上、主値ピークからSSBを分離でき
ず、精度の良い酸素化合物の評価が困難となる。従っ
て、少なくとも8kHz以上、好ましくは15kHz以上の回
転速度であることが望ましい。
【0020】CP/MAS法においては、(1)式に示
す以下の条件式に従って照射核および観測核のパルス条
件を設定することにより、交差分極効率の良いCP/M
ASスペクトルが得られる。CPを行っている時間(コ
ンタクト時間)は、ピークの強度が最大となるような時
間を選べば良い。 (I+1/2)ν1I=(S+1/2)ν1S±nνr (1) 式中のI、ν1I、S、ν1S、n、νrは、各々次の値を
示す。 I : I核(照射核)の核スピン ν1I : I核(照射核)のrfパルス強度 S : S核(観測核)の核スピン ν1S : S核(観測核)のrfパルス強度 n : 任意の整数 νr : 試料回転周波数
【0021】17O→X CP/MAS或いは17O→X C
P/MQMASスペクトル測定において、X核の核スピ
ンが1/2以外の半整数スピン核であり、核四極子相互
作用がゼーマン相互作用に対して二次の摂動で表される
場合には、CP/MQMAS法によって高分解能スペク
トルが得られる。また、X核の核スピンが1/2の場
合、あるいは1/2以外の半整数スピン核であっても、
核四極子相互作用がゼーマン相互作用に対して一次の摂
動である場合には、CP/MAS法により高分解能スペ
クトルが得られる。
【0022】CP/MQMAS法におけるコヒーレンス
経路の方法は二種類ある。一つは、CPで照射核の磁化
を観測核に移した後、MQMASによって多量子励起す
るという方法であり、もう一つは最初から多量子励起状
態で磁化移動を行う方法であり、どちらの方法を用いて
も良い。また、CP/MQMAS法の場合には、多量子
励起パルス幅が通常のMQMAS法測定時のパルス幅の
約1/3となる。
【0023】CP/MQMASパルスシーケンスの後半
部分、すなわちMQMAS部分で用いられるパルスシー
ケンスは、現在までに数種のパルスシーケンスが提案さ
れており、代表的なものとしては、2パルスシーケンス
及びz−filter付3パルスシーケンス等がある。
2パルスシーケンスにおいては、第1パルスで磁化を多
量子励起させ、第2パルスで1量子変換を行い、等方エ
コー信号を観測するという単純なシーケンスであり、M
QMASパルスシーケンスの中では、測定パラメータの
調整が最も容易であるが、コヒーレンスの非対称性に起
因するアーティファクトが出現し、スペクトル解析を困
難にする場合がある。これに対し、z−filter付
3パルスシーケンスの場合は、第1パルスで磁化を多量
子励起させ、第2パルスでは0量子に変換し、第3パル
スで観測可能な1量子変換を行うシーケンスのため、エ
コーとアンチエコーのコヒーレンス経路が対称となり、
アーティファクトの影響のない良好なスペクトルを得る
ことが可能となるため、z−filter付3パルスシ
ーケンスを使用することが望ましい。第1パルス及び第
2パルスは、固体の90°パルス幅が4μs未満、好ま
しくは2μs未満になるような強いラジオ波を照射する
必要がある。固体の90°パルス幅が4μs以上となる
場合には、第1パルスにおける多量子遷移への励起が効
率良く行われないため、核四極子相互作用が完全に消去
されないという問題が生じる。第3番目の1量子変換パ
ルス強度に関しては、強度の強いパルスを用いる必要は
なく、固体の90°パルス幅が5〜20μs程度になる
ようなパルス強度を用いることが望ましい。各パルス幅
については、得られるMQMASのシグナル強度が最大
になるように順次調節すれば良い。
【0024】
【実施例】以下に本発明の内容を具体的に説明するため
の実施例を示す。評価する酸化物材料として、17Oを同
位体濃縮(15%)したアモルファス性リン酸アルミニ
ウムを用いた。この粉末試料を直径4mmのNMR固体用
試料管に均一になるように充填し、500MHz固体専用
NMR装置にセットし、外部磁場に対してマジック角
(54.7°)で14kHzの高速で回転させた。17O共
鳴周波数は67.77MHz、測定にはシングルパルス法
を用いた。17O−NMR化学シフトの基準として、純水
のピークを0ppmとした。
【0025】上記条件下で、17O−高速MAS NMR
スペクトルを測定したところ、図1に示すような、ピー
クトップが42.7ppmの位置にあり、12.3ppmにピ
ークの肩を持ち、かつSSBと完全に区別可能なピーク
が存在するスペクトルが得られた。このスペクトルは試
料中の全ての酸素構造を反映したスペクトルであるが、
二次の核四極子相互作用の影響によって、シフトのずれ
やピークの広幅化が起こっている可能性があるため、こ
の結果からだけでは2種類の酸素構造が存在しているか
どうかは不明である。
【0026】そこで次に、17O−MQMASスペクトル
測定を行った。17O核はI=5/2であり、核四極子相
互作用を有するため、MQMAS法で核四極子相互作用
を平均化することによって、正確な化学構造を知ること
ができる。試料回転速度は12.5 kHzとし、パルスシ
ーケンスはz−filter付3パルスシーケンスを使
用した。第1パルス幅、第2パルス幅及び第3パルス幅
をそれぞれ4.2μs、1.4μs、14μsに設定す
ることにより、シグナル強度が最大となり、図2に示す
ような感度の良いMQMASスペクトルが得られた。図
2のMQMASスペクトルにおいて、核四極子相互作用
が平均化された線形を示す縦軸(Isotropic
shift)方向の投影スペクトルは、従来法(MAS
法)の線形を示す横軸(MAS shift)方向の投
影スペクトルと比較して、線幅の大幅な減少が見られ、
高分解能化していることが確認された。クロスピークは
2つのピークトップ(図2中のと)を示しているこ
とから、主に2種類の酸素化学構造が存在していること
がMQMASの結果から明らかとなった。MQMASス
ペクトルの縦(F1)軸の等方シフト値及び横(F2)
軸のMAS軸の重心値を用いて、それぞれのピークの真
の化学シフト値Δσ及び核四極子相互作用の大きさを表
す四極子結合定数CQを求めたところ、ピークはΔσ
=60.7ppm、CQ=6.7MHzであり、ピークはΔ
σ=77.2ppm、CQ=6.4MHzであった。また、ピ
ークは図1のMASスペクトルの12.3ppmをピー
クトップとする低周波数側ピークに、ピークは42.
7ppmをピークトップとする高周波数側ピークに相当し
ていることから、図1で示されたMASスペクトル上の
2つのピークは、二次の核四極子相互作用によって広幅
化、シフトのずれが生じているものの、MQMASで明
らかとなった2つの化学構造を反映している。
【0027】次に、リンと結合した酸素の化学構造を特
定するために、31P核から17O核への交差分極を伴った
CP/MAS(便宜上、31P→17O CP/MASと表
記する)スペクトル測定を実施した。31P共鳴周波数は
202.48MHz、17O共鳴周波数は67.79MHzであ
った。31Pのスピン−格子緩和時間T1Pを測定したとこ
ろ、12sであったため、CP/MASスペクトル測定
時のパルス繰り返し時間を5T1P時間(60s)とし
た。31P核、17O核にそれぞれ照射するパルス強度は、
前記(1)式の条件を満たすように設定した。
【0028】上記条件下で、31P→17O CP/MAS
スペクトルを測定したところ、図3に示すように、1
2.3ppmの位置にシグナルが観測された。このピーク
は図1に示された高速MASスペクトルの低周波数(高
磁場)側に観測された肩の部分に対応していたことか
ら、該試料中の酸素構造として、図3で観測されている
12.3ppmをピークトップとする低周波数側ピークに
対応する酸素と、図3では観測されないが、図1で観測
されている42.7ppmをピークトップとする高周波数
側ピークに対応する酸素に大きく分類されることがわか
る。前者は直接リンと結合している架橋酸素(P―O―
Al或いはP―O―P)或いは末端PO4中の酸素(P
―O)を示しており、後者は末端AlO4中の酸素(A
l―O)或いはリンと結合していない架橋酸素(Al―
O―Al)を示しているものと推定される。
【0029】更に、リン原子から見た酸素原子との結合
連鎖に関する構造情報を得るために、17O→31P CP
/MASスペクトル測定を行った。31P核はI=1/2
であるため、CP/MAS法によって高分解能スペクト
ルを得ることができる。17O共鳴周波数は67.79MH
z、31P共鳴周波数は202.48MHzであった。CP/
MASスペクトル測定時のパルス繰り返し時間は5T1
時間(0.4s)とした。17O核、31P核にそれぞれ照
射するパルス強度は、前記(1)式の条件を満たすよう
に設定した。また、31P化学シフトの基準として、(N
42HPO4のピークを1.33ppmとした。
【0030】上記条件下で、17O→31P CP/MAS
スペクトルを測定したところ、図4に示すように、−1
4.5ppm、−22.8ppm、−29.7ppmに3つのピ
ークトップを示すシグナルが観測された。この結果か
ら、該試料中の酸素原子近傍には、大きく分けて3種類
の化学構造のリンが存在していることが分かる。リン酸
塩の31P−NMRスペクトルを測定した場合に、PO4
の縮重度Qnの違いによって化学シフトが変化し、nが
大きいほど低周波数(高磁場)側に化学シフト値がずれ
る傾向があることが知られており、今回の3つのピーク
トップは、高周波数(低磁場)側からQ2(シクロ、イ
ノ)、Q3(フィロ)及びQ4(テクト)の縮重度の異な
る3種類のリンに対応していると考えられる(図5中の
数字付き白抜き丸印)。
【0031】また、CP/MASスペクトルでは、一般
にシングルパルス法によって測定されたスペクトルほど
の厳密な定量性は議論できないが、大まかな整数比程度
の定量性を議論することは可能であるため、図4に示さ
れたそれぞれのピークの積分比を波形分離(Gauss
ian型でフィッティング)し、各成分の存在比を調べ
たところ、3種のリン化学構造は高周波数(低磁場)側
ピークから順に約1:3:2の割合で存在していること
が分かった。
【0032】以上のように、31P→17O CP/MAS
測定から得られる構造情報と、17O→31P CP/MA
Sから得られる構造情報を合わせることによって、酸素
原子とリン原子の結合連鎖を詳細に決定することができ
る。
【0033】続いて、酸素とアルミニウムの結合連鎖を
決定するために、上記と同様の実験を行った(これ以後
の各種NMRスペクトルの表示は省略する)。27Al−
MQMASスペクトルは55.2ppmに1つのピークト
ップを示したことから、該試料中のAlは4配位として
存在していることが分かった。
【0034】また、アルミニウムと結合した酸素の化学
構造を特定するために、27Al→17O CP/MAS測
定を実施したところ、図1で示された17O−MASスペ
クトルと同様に、ピークトップが42.7ppmにあり、
12.3ppmにピークの肩を持つようなスペクトルが得
られた。42.7ppmのピークはAl―O―Al或いは
Al―O由来の酸素(図5中の白抜き四角菱形)であ
る。また、図1と比較して、12.3ppmのピークの積
分比が約2分の1になっていたことから、12.3ppm
のピークに相当する酸素構造のうち、P―O―Alの架
橋酸素(図5中の白抜き丸印)とP―O―Pの架橋酸素
或いはP―Oの末端酸素(図5中の黒丸印)の存在比は
約1:1であることが明らかとなった。
【0035】更に、17O→27Al CP/MASスペク
トルを測定したところ、51.8ppm、54.3ppm及び
60.4ppmにピークトップを示し、その積分比は約
2:1:3であった。この結果から、該試料中の酸素原
子近傍には、大きく分けて3種類の化学構造の4配位ア
ルミニウムが存在しており、3つのピークトップは、低
周波数(高磁場)側からQ4、Q3、Q2の縮重度の異な
る3種類のアルミニウムに対応しているものと推定した
(図5中の数字付き白抜き丸点線印)。
【0036】また、PO4ユニットとAlO4ユニットの
結合連鎖を明らかにするために、P―Al間での相互の
CP/MASスペクトルの測定を行った。27Al→31
CP/MASスペクトルでは、PO4四面体のQ3、Q4
に対応するピークが観測され、Q2に対応するピークは
観測されなかった。
【0037】続いて、31P→27Al CP/MASスペ
クトルを測定したところ、AlO4四面体のQ2、Q3
4に対応するピークが観測されたが、Q2のピーク積分
強度は、17O→27Al CP/MASスペクトルにおけ
るQ2のピーク積分強度に比べて、約3分の2となって
いた。以上の全ての実験結果をふまえると、該試料の化
学構造は図5のように推定された。
【0038】
【発明の効果】本発明は、CP/MAS法又はCP/M
QMAS法を用いて、固体無機材料を評価する方法に関
するものであり、具体的には17O核以外の核磁気共鳴測
定対象核から17O核への磁化移動と、17O核から17O核
以外の核磁気共鳴測定対象核への磁化移動の両方を測定
することにより、酸素原子と他原子の結合連鎖を明らか
にし、酸素含有材料中の酸素化合物の化学構造や存在比
を精度良く評価できる方法であるため、酸素含有材料を
多量に扱う製鉄業や化学工業分野における分析技術の向
上に大きく寄与するものである。特に製鉄業において
は、従来組成のみで議論されてきたスラグ粘度等の特性
推定を、酸素を中心としたスラグの3次元的な化学構造
を明らかにすることにより、スラグ粘度等の物理的性質
を精度良く予測できる可能性があり、高効率の転炉操業
が達成されることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、17Oを同位体濃縮し
たアモルファス性リン酸アルミニウムの17O−高速MA
Sスペクトルを示したものである。
【図2】本発明の実施例における、17Oを同位体濃縮し
たアモルファス性リン酸アルミニウムの17O−MQMA
Sスペクトルを示したものである。
【図3】本発明の実施例における、17Oを同位体濃縮し
たアモルファス性リン酸アルミニウムの31P→17O C
P/MASスペクトルを示したものである。
【図4】本発明の実施例における、17Oを同位体濃縮し
たアモルファス性リン酸アルミニウムの17O→31P C
P/MASスペクトルを示したものである。
【図5】本発明の実施例の実験結果から推定された、17
Oを同位体濃縮したアモルファス性リン酸アルミニウム
の化学構造モデルを示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 裕二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体無機材料を8kHz以上の速度で回転
    させながら、固体無機材料中の核磁気共鳴測定対象とす
    る2元素間において相互の磁化移動スペクトルを測定
    し、得られた核磁気共鳴スペクトルから該2元素間の結
    合連鎖を決定し、前記固体無機材料の化学構造や存在比
    を推定することを特徴とする固体無機材料の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記固体無機材料は酸素化合物であり、
    酸素核と酸素核以外の核磁気共鳴測定対象核との相互の
    磁化移動スペクトルを測定することを特徴とする請求項
    1記載の固体無機材料の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記核磁気共鳴測定に用いる手法は、交
    差分極/マジック角回転(CP/MAS)法又は交差分
    極/多量子マジック角回転(CP/MQMAS)法であ
    る請求項1又は請求項2記載の固体無機材料の評価方
    法。
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