JP5535007B2 - イオナイザモジュール - Google Patents

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    • H05F3/04Carrying-off electrostatic charges by means of spark gaps or other discharge devices

Description

本発明は、誘電体と、誘電体内に形成されたバイアス素子と、誘電体の表面に形成されたイオン発生素子とを含み、バイアス素子とイオン発生素子との間に高電圧を供給してイオンを発生するイオナイザモジュールに関するものである。
また、本発明は、正イオンと負イオンの両方を発生することができる自己バランスイオン発生器に関し、更に詳細に述べると、センサーやフィードバックコントロールシステムを使うことなく正イオンと負イオンとのバランスされた出力を発生することができるイオン発生器に関するものである。
更に、本発明は、イオン発生電極と高電圧源とを含むイオン発生モジュールに関するものである。
所望の効果を得るために、空気イオナイザ を使用して空気中に多数のイオンを発生させることは知られている。これらのイオナイザの1つの用途は、周囲の空気から埃や繊維や煙やそれらに類したものを取り除き、室内の空気を清浄し、新鮮化することである。他の用途は、室内もしくは機器内の対象物に静電気が蓄積するのを抑制し、静電気を帯電することによって生じる静電気放電 (ESD) や集塵を抑制することである。
特に、微小な埃や塵による汚染や静電気放電による破損や不良を防止しなければならない、集積回路、電子部品等の半導体製品やフラットパネルディスプレイ等の液晶関連製品の製造現場においては、除電及び帯電の予防のために、多数のイオナイザが使用されている。通常イオナイザは、正と負の両方のイオンを発生するように構成されているが、一方の極のイオンが、他方の極のイオンよりも多く発生すると、対象物をイオンの多い側の極に帯電する虞がある。そのため、多くの場合、イオンを発生させる際には、正イオンと負イオンが同量発生してチャージプレートモニタで測定した際に零ボルトに近くなるようイオンバランスを制御することが要求される。このイオンバランス制御は、チャージプレートモニタが所望のバランスを読み取るまで、イオン発生電極に供給される高電圧を調整することによって達成される。
空気中のイオン濃度を増加するために、幾つか手法や技術が知られている。特に、注目されるのは、イオン発生用のマイクロ放電デバイスを用いることである。マイクロ放電デバイスでは、イオン発生素子が誘電層の上部に形成されており、バイアス素子又はリファレンス素子が誘電層内部に形成されている。このイオン発生素子とバイアス素子との間に高電圧が印加され、電極の表面に、気体分子を分解してイオン化するに十分な高い電界を発生する。
特許文献1(米国特許第7,160,365号明細書)は、2層基板上に形成されリファレンスをアースして交流(AC)高電圧源から給電されるイオン発生電極を開示している。第1層は、イオン発生素子として使用され、中間層は、リファレンス素子として使用される。リファレンス素子は、基板内に埋め込まれており、イオンを発生するのには使用されない。
特許文献2(米国特許第7,254,006号明細書)は、2層基板上に形成されリファレンスをアースして40KHzの交流(AC)高電圧源から給電されるイオン発生素子を開示している。第1層は、イオン発生素子として使用され、中間層は、リファレンス電極として使用される。リファレンス電極は、基板内に埋め込まれており、イオンを発生するのには使用されない。この発明は、主に、エアコンディッショナ、クリーナ、冷蔵庫に用いられる。
特許文献3及び4(特開2003−249327号公報及び特開2003−323964号公報)は、2層基板上に形成されリファレンスをアースしてパルス直流(DC)高電圧源から給電されるイオン発生素子を開示している。第1層は、イオン発生素子として使用され、中間層は、リファレンス電極として使用される。リファレンス電極は、基板内に埋め込まれており、イオンを発生するのには使用されない。
特許文献5(特開2006−228641号公報)は、3層基板上に形成されリファレンスをアースしてパルス直流(DC)高電圧源から給電されるイオン発生素子を開示している。第1層と第3層は、イオン発生素子として使用され、中間層は、リファレンス電極として使用される。リファレンス電極は、基板内に埋め込まれており、イオンを発生するのには使用されない。
上記に開示されたこれらの3つの従来技術は、設計が共通する以下の3つの事項がある。
第1には、いずれの設計もリファレンス(基準点)をアースすることを必要としている。リファレンスは、一般に、零リファレンスポイントである固定の既知のポテンシャルであるので、リファレンスソースをアースすることは一般的なプラクティスである。正と負の高電圧に対してリファレンスポイントをアースすることによって、設計者は、電極間の電圧が何ボルトとなっているかを正確に知ることができる。このため、設計者は、回路がある印加電圧を与えられてどのように動作するかを予測することができ、もっと重要なことであるが、イオナイザの出力を所定通り知ってそれを制御することができる。
第2に、イオン発生電極の設計において、これらのイオン発生素子は、すべて、誘電層に埋め込まれアースされたバイアス素子又はリファレンス素子を有している。このバイアス素子は、イオン発生素子に対し一定のリファレンス(基準)電圧を付与するように設計された受動的なコンポーネントである。これも、設計者がイオナイザの出力を所定通り知って制御するようになっている。更に、これらのバイアス素子は、ストリップ状に作られ、電界を集中したり強化したりするような手段を有しない。
第3に、これらの設計は、いずれも、イオンバランスを制御する手段を有していない。このような設計では、長時間に渡って、イオナイザのイオン出力が一定に維持されないことが予想される。静電気の影響を受け易い電子部品等の製造において、イオン出力やバランスを不安定にする要因は、イオン発生環境における温度や湿度の変化、電極の摩耗や汚れ、電源ラインの電圧変動の如き幾つかのファクターがある。このように、静電気の影響を受け易い電子部品等の製造現場においては、イオンバランスの変動は、製品に悪影響を与え、製品の不良や誤動作を起こす場合がある。
特許文献6(米国特許第5,055,963号明細書)は、空気の出入り口を有するハウジングと、複数の鋭く尖った電極と、正と負の電圧をそれぞれの電極に印加する高電圧源と、イオンの流れを制御するファンとを備えた自己バランス双極イオナイザを開示している。この発明は、本質的には、イオンバランスを制御するためのイオンセンサーやフィードバック回路を使うことなく、正負のイオンの等しい発生量を維持するものである。
しかし、この発明に用いられる鋭く尖った電極は、イオン発生点である電極先端部が塵埃や粒子で覆われ易く清掃が困難である上に、電極先端部は、摩耗によってイオンを発生しなくなる欠点があった。また、メンテナンスの点においては、フラットで滑らかなストリップ上に形成されたイオン発生電極の方が鋭く尖ったイオン発生電極よりも明らかに勝っている。
米国特許第7,160,365号明細書 米国特許第7,160,365号明細書 特開2003−249327号公報 特開2003−323964号公報 特開2006−228641号公報 米国特許第5,055,963号明細書
本発明は、上記の問題や課題を解決するためのものであり、更に特定すると、本発明は、自己バランス制御イオン発生器の利点をフラットで滑らかな形状のイオン発生電極とそれを用いたマイクロ放電デバイスとの利点を組み合わせるものである。
本発明が解決しようとする1つの課題は、フラットな形状であり、且つ基板材料、誘電層、導電性イオン発生素子、導電性バイアス素子、ヴィア及びパッドとで構成されるイオン発生電極を提供することである。関連する課題は、針状又は尖ったワイヤ状の電極と比較して、電極の清掃やメンテナンスが容易なイオン発生電極を提供することである。更に他の関連する課題は、イオン発生素子によって形成された電界を集中し又は強化するようにイオン発生素子の本体に対して同一面上に平面的に突出して延びる多数の微細な電界強化部(以下微細電界強化部と称する)を有するバイアス素子を用いることである。このようにすると、一層効率良くイオンを発生させることができる。
本発明が解決しようとする他の課題は、イオンセンサーやフィードバック制御用の電子回路を用いることなく、正負のイオンを同量発生させることができるイオン発生器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明によれば、イオン発生電極は、フラットで滑らかな複数層、例えば4層の基板上に形成されている。このイオン発生電極は、最上層に配置された第1の導電性イオン発生素子と、その下の誘電体と、第1中間層に配置された第1の導電性バイアス素子と、絶縁性を有する基板材料と、第2の中間層に配置されたもう1つの第2の導電性バイアス素子と、もう1つの誘電体と、基板の最下層に配置された第2の導電性イオン発生素子とから構成されている。第1の導電性イオン発生素子は、第1の導電性バイアス素子と対をなし、第2の導電性イオン発生素子は、第2の導電性バイアス素子に対となっている。
本発明は、4層基板に限定されるものではなく、当業者なら、2層又は3層の基板にも適用することができることが理解される。その例として、2層基板上にイオン発生電極を形成する実施例を後に述べる発明の実施の形態に示している。繰り返すと、本発明は、図4の実施の形態に限定されるものではない。実際上、5層や6層もしくはそれ以上の層数でも設計可能であるが、そうすると、コストを増大するので好ましくはない。
イオン発生電極を用いてイオンを発生させるために、高電圧信号がイオン発生素子とそれと対になるバイアス素子との間に印加される。高電圧信号は、直流DC、交流AC、高周波交流電流HF−AC、パルスDC、パルスACとすることができる。また、この高電圧信号は、DCバイアスがあってもなくてもよい。
更に、1例を説明すると、正イオンの発生は、正の高電圧DCパルスをイオン発生素子に印加すると同時に、負の高電圧DCパルスをバイアス素子に印加することによって達成することができる。このように高電圧を印加する結果、電極の近くに強い電界が生じ、空気中の空気分子を極性化し、空気分子から電子を引き離し、その結果正の空気イオンを発生する。
また、同様の方法で、負イオンは、負の高電圧のDCパルスをイオン発生素子に印加するとともに、正の高電圧DCパルスをバイアス素子に印加することによって発生する。電極より放出される電子と空気分子とが結び付き、その結果、負の空気イオンを発生する。
対象物を効果的に中立化するために、ファンまたはこれに類したものを用いて、電極から空気イオンを目的とする対象物まで移動させる。1つの実施の形態では、ファン又はそれに類したものが電極の上流側に配置される。それに代えて、ファン又はそれに類したものは、電極の下流側に配置してもよい。
自己バランス機能を達成するために、3通りの構成が用いられ、それらは、アクティブバイアス(能動的バイアス)、アイソレイティドバイアス(隔離バイアス)、アイソレイティドエミッティングエレメント(隔離放射素子)と称するが、その詳細は、「発明を実施するための形態」で説明する。特許文献6(米国特許第5,955,963号明細書)と同様に、自己バランス機能を達成する重要な点は、高電圧回路と電極とをアースから絶縁することである。
要約すると、本発明は、イオンバランスのフィードバック制御回路を必要とすることなく、イオンバランス制御の課題を解決するものである。このようにすると、イオナイザは、複雑さをなくし、一層小型化し、一層経済的である。
本発明により4層基板に設けられたアクティブバイアスを示す図である。 本発明により2層基板に設けられたアクティブバイアスを示す図である。 本発明により2つの2層基板上に設けられたアクティブバイアスを示す図である。 本発明により4層基板に設けられたアイソレイティドバイアスを示す図である。 本発明により2層基板に設けられたアイソレイティドバイアスを示す図である。 本発明により2つの2層基板上に設けられたアイソレイテッドバイアスを示す図である。 本発明により4層基板に設けられたアイソレイティドエミッティングエレメントを示す図である。 本発明により2層基板に設けられたアイソレイティドエミッティングエレメントの1つの態様を示す図である。 本発明により2層基板に設けられたアイソレイティドエミッティングエレメントの他の態様を示す図である。 本発明により2つの2層基板上に設けられたアイソレイティドエミッティングエレメントを示す図である。 イオン発生器の基本構造を示す図である。 微細電界強化部を有するイオン発生素子とバイアス素子とを上面からと斜めから見た図である。 イオン発生素子と誘電層とが同一平面を有する4層基電極の断面図である。 取り外し可能な第1のルーバー型基板の斜視図である。 取り外し可能な第2のルーバー型基板の斜視図である。 取り外し可能な第3のルーバー型基板の斜視図である。 ファンを内蔵した卓上型イオナイザのルーバーの斜視図である。 クリーニングローラの斜視図である。 空気補助アセンブリを有するものと有しないものとのイオナイザモジュールの斜視図である。 ボードの形態に組み立てられたイオナイザモジュールの斜視図である。 本発明のイオナイザにおいて、角型渦巻きの形態で円形空気孔を有する電極の正面側の斜視図である。 本発明のイオナイザにおいて、角型渦巻きの形態でスリット状空気孔を有する電極の背面側の斜視図である。 本発明のイオナイザにおいて、切欠円形の形態で円形空気孔を有する電極の正面側の斜視図である。 本発明のイオナイザのイオン発生電極と高圧電源と空気取り入れ口又は取り出し口と空気孔との関係を示す斜視図である。 図15Aにおいて、空気孔から空気を吹き出す通常の使用状態を示す断面図である。 図15Cにおいて、空気孔から空気を吸引するエアクリーナとして使用する状態を示す断面図である。 図6の形態のイオナイザのDC高圧源にノイズが入り込んだ場合の正極側と負極側との電圧変動を示す波形図である。 図6の形態のイオナイザのパルスDC高圧源にノイズが入り込んだ場合の正極側と負極側との電圧変動を示す波形図である。 図6の形態のイオナイザの矩形波AC高圧源にノイズが入り込んだ場合の正極側と負極側との電圧変動を示す波形図である。
1. 定義
この出願で使用されている用語は、説明を容易にし、概念の理解の助けとするために、此処に、以下の通り定義されるが、これらの定義は、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
バイアス素子は、誘電体材料の内部に組み込まれたイオン発生電極の一部である。このバイアス素子は、イオン発生素子用のリファレンス(基準)電圧を供給する。
チャージプレートモニタは、イオナイザの基本的な性能の指標となる除電速度とイオンバランスを測定するための機器であり、静電気に見立てた電圧をチャージできる導電プレートを備えている。
誘電体は、少ない電流でも電界を保持することができる絶縁材料である。本発明においては、この誘電体は、イオン発生素子とバイアス素子とを分離してこれらの間の電気的短絡を防止するのに用いられるイオン発生電極部分である。
絶縁破壊電圧は、破壊を起こすことなく、高い電界ストレスに耐えることができる材料の耐性の基準測定値である。
イオン発生素子は、イオン発生電極の一部分を成し導電性物質で形成され周囲の空気に露呈しイオンを発生する役割を担う導電性材料から作られたイオン発生電極部分であり、これは、イオンエミッタとも称される。
グランドは、電気回路内において他の電圧を測定する基準点である。これは、電流の共通の帰路であり、物理的に直接アースに接続されている。
イオンバランスは、イオン化された環境に配置されたチャージプレートモニタの絶縁された導電プレート上で観測される電圧であり、これは、オフセット電圧とも称される。
イオン発生電極は、イオンを発生させるのに用いられるデバイスで、基板材料、誘電体材料、導電性イオン発生素子、導電性のバイアス素子、ヴィア(スル―ホール)及びパッドから構成されている。
イオナイザは、正イオン、負イオンもしくはその両方を発生させるように設計された装置である。
イオナイザモジュールは、イオナイザを構成するための最小限の基本部品であるイオン発生電極と高電圧回路だけを備えたデバイスである。このデバイスは、外部のDC電源又はAC電源によって給電される際に、正又は負もしくはその両方イオンを発生するように設計されている。
パッドは、電極上にあって、電極や、IC、ワイヤ、コネクタ等の如き外部コンポーネントを相互に接続するのに用いられる導電性素子である。
基板は、導電層、誘電体及び堆積コーティングまたはこれらのいずれかの如き材料の新しい膜又は層を形成するために処理が行われる電極基材である。
ヴィアは、電極の異なる層上にある導電体を相互に接続させるのに用いられる電極上の導電性素子である。
2.イオン発生器の基本構造
図4は、イオン発生器110の基本構造を示す図である。このイオン発生器110は、イオン発生電極111と高電圧源112とイオンを対象物もしくは対象となる領域に向けて移動するファン113もしくはそれに類したものから構成されている。
2.1 イオン発生電極111
図1Aを参照して述べると、イオン発生電極(図4の符号111で示されるもの)は、4層基板6として設計されている。この電極111は、最上層に配置された導電性のイオン発生素子1と、それに続く層としての誘電層5と、第1中間層61上の導電性バイアス素子3と、絶縁性を有する基板6と、第2中間層62上のもう1つの導電性バイアス素子4と、もう1つの誘電層5と、最後に最下層上のイオン発生素子2とから構成されている。最上層は、第1中間層61と対になっており、最下層は、第2中間層62と対になっている。
イオン発生素子1、2は、それに使用される基板6に適合するものであれば、どんな材質の導体であってもよい。イオン発生素子1、2に使用するに好ましい材質は、硬くて丈夫で、高温やイオン発生時の高電圧に耐えることができるものである。例えば、アルミニウム、銅、金、シリコン、タングステン、チタン、導電性のガラスやセラミック等の如き導電性材料を用いて形成することができる。
イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4との間の電界を強化するために、イオン発生素子1、2は、図5に示すように、イオン発生素子1、2の本体と同一平面内を突出して延びる多数の微細な電界強化部FPを備えている。この電界強化部FPは、様々な形態や形状とすることができ、例えば、三角形、正方形、矩形、半円形、櫛形等とすることができる。バイアス素子3、4は、導体ストリップの如き直線状のものであってもイオンを発生させることができるが、それに代えて、バイアス素子3、4にも三角形、正方形、矩形、半円形、櫛形等の同様の電界強化部を形成することができ、それによって、より多くのイオンを発生させることができる。イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4との両方に微細な電界強化部を設けると、イオン発生の促進が達成される。
本発明の好ましい実施形態においては、イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4とは、主導体から延びる同様の又は同一の電界強化部を有する。図5は、本発明の種々の実施形態を示す。電界強化部は、櫛形を形成する多数の平行線となっている。
図5を参照すると、幾つかの形成可能な電極設計を示す種々の形状が示されている。図5Aでは、イオン発生素子1、2からの電界強化部FPは、バイアス素子3、4の電界強化部FPに対面している。図5Bでは、バイアス素子3、4は、左右両側に配置された電界強化部FPを有し、一方これらの電界強化部FPは、左右にそれぞれ配置されたイオン発生素子1、2の電界強化部FPと対になっている。図5Cでは、バイアス素子3、4とイオン発生素子1、2との対となっている左側の電界強化部FPは、右側の対とは互い違いになっている。図5Dでは、イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4とのそれぞれの電界強化部FPは、相互に重なり合っている。図5Eは、図5Bとは、逆となっている。図5Fでは、図5Bとほとんど同じであるが、バイアス素子3、4が相応する相手方のイオン発生素子1,2からずれている点で異なる。これらは、数多く考え得る実施形態の中から僅かな例を説明したものであり、本発明の範囲をこれらのみに限定するものではない。当業者なら、図示の例を基に種々の組み合わせを形成することができる。
イオン発生電極111のもう一方のコンポーネントとして、バイアス素子3、4の上に形成された誘電体5がある。この誘電体の主な機能は、イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4の間にバリアを形成し、イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4の間で生じるアーク放電を防ぐことである。この誘電体の典型的な厚さは、1.00μm〜100μmであり、誘電体5の絶縁破壊電圧は、30V/μ以上である。これらの誘電体5は、非常に高い絶縁破壊電圧を有するべきであり、可能な限り薄くすべきである。これは、本発明を実施する上で好ましいことである。更に詳細に述べると、誘電体5を薄くすると、イオン発生素子1、2とバイアス素子3、4に印加する電圧を一層低くすることができる。
イオン発生電極111を構成する他の素子は、ヴィア7とパッドと基板6である。ヴィア7は、異なる層に存在している導電素子を電気的に接続するのに用いられる。パッドは、電極111と高電圧源112とを電気的に接続している。最後に、基板6は、その上に全ての層とその構成要素を組み付ける基材である。イオン発生電極111は、PCB(印刷回路板)、フレキシブルサーキット、シリコンウェハ、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)、セラミック、ガラス、それらに類したものの如き幾つかの基板に設けることができる。
当業者なら、幾つかの好ましい変形で、電極111は、2層又は3層基板上に設けることができることは、理解できることと思う。以下に示すように2層基板6上の電極111は、本発明の変形例として説明されている。繰り返して述べるが、これらの説明は、設計や仕様を例示されているものに限定するものではない。実際、イオン発生電極111は、5層、6層もしくはそれ以上の層の基板6上に設けることができるが、層を増やすにつれて関連コストが高くなる。
好ましい実施の形態では、狭く小さな領域で使用するために、電極111は、できる限り小さくして全体をコンパクトにするように設計される。それに代えて、電極111は、その設計仕様全体を拡大して、大きく形成することができるが、大きな電極111は、イオンを発生させるのに要する印加電圧も増大する。
2.2 高電圧電源112
イオンを発生させるために、イオン発生素子1、2とそれに対となるバイアス素子3、4との間に高電圧が印加される。この高電圧信号は、直流(DC)、交流(AC)、高周波交流(HF−AC)、パルスACとすることができる。しかも、高電圧信号は、DCバイアスがかかっていてもかかっていなくてもよい。
当然のことであるが、印加電圧は、イオン発生素子1、2と誘電体5とに与えるダメージを最小にするために、できるだけ小さくすべきである。厚さ50μmで絶縁耐圧100V/μmの誘電層では、典型的な供給電圧は、約3kV(peak−to−peak)程度である。もし、パルスDCが用いられるのであれば、正側のDCパルスのピークは、1500Vであり、負側のDCパルスのピークは、−1500Vである。
好ましい実施の形態では、印加高電圧信号は、正負の2つの相反するDCパルスを用い、DCバイアスは用いない。正負のパルスは、極性が正反対であるが、波形と振幅が同一である。パルス周波数は、数ヘルツから数100キロヘルツである。高電圧源112は、パルストランス、圧電変換器、高電圧ACトランス、電圧倍増器及びそれらの類したものを用いて形成される。
2.3 ファン又はブロアー113
電極111から対象物もしくは対象領域に素早くイオンを運ぶために、いくつかの機器が用いられる。その1つは、イオン発生器110の一部分ともなるファン又はブロアー113である。ファン又はブロアー113は、イオン発生器110の外部にあってそれから独立したものとしてもよいし、またイオン発生器110の一部分としてもよい。イオンを移送する他の手段としては、加圧空気タンク又はエアコンプレッサからの圧縮空気を使用してもよい。
3. 本発明の3つの実施例
本発明は、3つの実施例、即ち、(a)図1A乃至1Cに示されるアクティブバイアス、(b)図2A乃至2Cに示される アイソレイティドバイアス及び(c)図3A乃至3Dに示されるアイソレイティド発生素子に分類される。
3.1アクティブバイアス
本発明の第1の実施例は、図1A乃至図1Cに示されているアクティブバイアスデザイン10,20、30である。図1Aは、4層電極111を用いて実施されたアクティブバイアスデザイン10を示している。これは、1つの共通の基板6、最上層上の導電性のイオン発生素子1、誘電層5、第1中間層61上の導電性バイアス素子3、絶縁性基板6、第2中間層62に設けられたもう1つの導電性バイアス素子4、もう1つの誘電層5、最後に最下層上の導電性イオン発生素子2から構成されている。
このアクティブバイアスのデザイン10において、イオン発生素子1とバイアス素子4とは、高電圧源112の一方の極性に電気的に接続されている。バイアス素子3とイオン発生素子2は、高電圧源112の他方の極性に電気的に接続されている。例えば、図1Aに示すように、イオン発生素子1とバイアス素子4とは、高電圧源112の正側に電気的に接続され、バイアス素子3とイオン発生素子2とは、高電圧源112の負側に電気的に接続されている。この構成において、最上層側は正イオンを発生し、最下層側は負イオンを発生する。この構成においては、電極の最上層と最下層とでそれぞれ異なる極性を持たせている。
上記の構成によれば、高電圧源8、9のいかなる変動も正負の両方のイオン発生に同時に同じ強さで影響を与える。即ち、正負の両方のイオン発生量に対し、同時に同じ強さで影響を与える。換言すると、正イオンの発生において、正側の印加電圧の変動によるイオン量の減少や増加の影響は、負イオンの発生に対しても全く同じ影響を与えてイオン量の減少や増加を起こし、従ってイオンのバランスは、常に一定に保たれる。なおこれについては、図16乃至図18を参照して後に詳細に述べる。
図1Bは、2層基板に実施されたアクティブバイアスのデザイン20の他の実施の形態を示す。その機能は、図1Aと同じであるが、イオンは基板の片側で発生する点で異なる。実際の電極の製作は、正イオン発生素子1は、負イオン発生素子2とは、イオンの再結合を最小にするために、適度な距離を保つべきである。
図1Cは、2枚の2層基板上にアクティブバイアスのデザイン30を実施した更に他の実施の形態を示すが、この場合には、2対の電極を用いている。その機能は、図1Aのものと同じであるが、イオンは、2対の電極に発生する点で異なる。
3.2 アイソレイティドバイアス
本発明の第2の実施例は、図2A〜2Cに示されたアイソレイティドバイアスのデザイン40、50、60である。
図2Aでは、アイソレイティドバイアスのデザイン40は、4層基板6上に施されている。最上層のイオン発生素子1は、高電圧源の一方の極と電気的に接続され、最下層のイオン発生素子2は、高電圧源の他方の極に電気的に接続されている。第1中間層61上と第2中間層62上のバイアス素子3、4は電気的に一体に接続され、これらは、グランドやその他の回路から分離(アイソレイト)されている。
更に具体的に述べると、最上層のイオン発生素子1が正の高電圧源8に接続され、最下層のイオン発生素子2が負の高電圧源9に接続されると、最上層のイオン発生素子1は正のイオンを発生し、最下層のイオン発生素子2は、負のイオンを発生する。この構成においては、電極の最上層と最下層において、それぞれ異なる極性を持たせている。
中間層上の導電性バイアス素子3、4は、イオン発生素子に対し基準電圧を提供している。バイアス素子3、4は、正味零の電荷と電圧でスタートする。正のDCパルスが最上層のイオン発生素子1に印加されると、バイアス素子3に負のDCパルスが誘発される。そして、負のDCパルスが最下層のイオン発生素子2に印加されると、バイアス素子4に正のDCパルスが誘発される。
正と負のDCパルスが印加された結果、第1中間層61のバイアス素子3に負の電荷が蓄積され、第2中間層62のバイアス素子4に正の電荷が蓄積され、内部層に分極が生じる。これらの中間層は、他の回路から隔離されているため、電荷保存の法則から、電荷は、第1中間層61と第2中間層62との間で極性の異なる電荷に等しく二分される。その結果、最上層のイオン発生素子1と最下層のイオン発生素子2とにバランスのとれた基準電圧を提供して正と負の等量のイオン量を発生する。
図2Cは、2枚の2層基板6上にアイソレイティドバイアスのデザイン60を施した更に他の形態を示す。その機能は、図2Aのアイソレイティドバイアス40と同じであるが、イオンが2枚の電極上で発生する点が異なる。この形態では、第1と第2のバイアス素子は、共通の素子3であってこの共通のバイアス素子3と共通でない第1と第2のイオン発生素子1、2との間には、1つの共通の誘電層5が介在している。
図2Cは、2枚の2層基板6上にアイソレイティドバイアスのデザイン60を施した更に他の形態を示す。その機能は、図2Aのアイソレイティドバイアス40と同じであるが、イオンが2枚の電極上で発生する点が異なる。
3.33 アイソレイティドイオン発生素子
本発明の第3の実施例は、図3A乃至図3Dに示されたアイソレイティドイオン発生素子70、80、90、100の設計である。
図3Aを参照して述べると、アイソレイティドイオン発生素子のデザイン70は、4層基板を用いているのが示されている。第1中間層61上のバイアス素子3は、高電圧源の一方の極に電気的に接続され、第2中間層62のバイアス素子4は、高電圧源の他方の極に電気的に接続されている。最上層のイオン発生素子1と最下層のイオン発生素子2とは電気的に接続され、グランドやその他の回路から隔離されている。
第1中間層上のバイアス素子3が正の高電圧源8に接続され、第2中間層上のバイアス素子4が負の高電圧源9に接続されると、最上層のイオン発生素子1は、負イオンを発生し、最下層のイオン発生素子2は、正イオンを発生する。この構成においては、電極の最上層と最下層とは、それぞれ異なる極性を有している。
最上層のイオン発生素子1と最下層のイオン発生素子2とは、正味零の電荷と電圧でスタートする。正のDCパルスが第1中間層上のバイアス素子3に印加されると、最上層のイオン発生素子1に負のDCパルスが誘導される。負のDCパルスが第2中間層2のバイアス素子4に印加されると、最下層のイオン発生素子2に正のDCパルスが誘導される。正と負のDCパルスが印加された結果、負の電荷は、最上層に移動し、正の電荷は最下層に移動する。最上層と最下層は、他の回路から隔離されているので、電荷保存の法則から、電荷は、最上層と最下層の間で極性の異なる電荷に等しく二分される。その結果、最上層と最下層に対してバランスのとれた電圧を提供し、正負の等量のイオンを発生する。
図3Bと図3Cは、2層基板6上にアイソレイティドイオン発生素子のデザイン80、90の実施の形態を示している。その機能は、図3Aのものと同じであるが、イオンが基板6の片側だけで発生する点が異なる。
図3Dは、2枚の2層基板6を用いてこれにアイソレイティドイオン発生素子のデザイン100を施した更に他の形態を示している。その機能は、図3Aのものと同じであるが、各極毎に1つの電極が用いられ、イオンは、上層の基板6の片側(上方)及び下層の基板6の片側(下方)だけで発生する点が異なる。
上記の全ての電極の構成においては、高電圧源8、9のいかなる変動も正負の両方のイオン発生に同時に同じ強さで影響を与える。従って、正イオンの発生の増加又は減少は、負イオンの発生に同じ影響を与え負イオンを減少又は増加させる。従って、正負のイオンのバランスは常に良好に保たれる。
図1乃至図3に示された電極の設計は、本発明の好ましい実施例であるが、これらの電極は、それぞれ2つまたはそれ以上の層を有する2つまたはそれ以上の電極を用いて実施することができる。
本発明のイオン発生電極111の基本的な構造は、既に述べたように、高電圧源の正極から付勢される正側の導電性のイオン発生素子1とバイアス素子3、高電圧源の負極から付勢される負側の導電性のイオン発生素子2とバイアス素子4、これらの正負のイオン発生素子1、2及びバイアス素子3、4の間に配置された誘電層5とから成っているので、高電圧源にノイズが入り込んでもこのノイズに基づく正負間の電位の差に変化が生じない特徴があり、これを図16乃至図18を参照して以下に述べる。
図16は、図6の形態のイオン発生素子1、2とバイアス素子3、4を有するイオン発生電極111に共通のDC高電圧源112から付勢した場合の各対における正負の電圧差を示している。図6の形態において正側イオン発生素子1とバイアス素子4とに高電圧源112から正のDC電圧を印加し、負側イオン発生素子2とバイアス素子3とに高電圧源112から負のDC電圧を印加するが、もし、正負の電圧にノイズNが入り込むと、これは、正負の両方に現われる。例えば、正側イオン発生素子1の印加電圧V+にノイズN1が入り込むと、それに相応するバイアス素子4に同様のノイズN4が入り込むが、これらノイズN1、N4は正負の両方に現われ、これらの差に変化はない。同様にして、負側イオン発生素子2の印加電圧V−にノイズN2が入り込むと、それに相応するバイアス素子3に同様のノイズN3が入り込むが、これらノイズN2、N3は正負の両方に現われ、これらの差に変化はない。このようにして、DC高電圧源にノイズが入り込んでも、正負のイオン発生素子1、2は、イオン発生バランス状態に影響を与えることがないことが解る。
図17は、高電圧源112が矩形波状パルスDC電圧を供給する場合、図18は、パルス状AC電圧を供給する場合を示すが、いずれの場合も、正側イオン発生素子1とそれに相応するバイアス素子4と間のノイズN1、N4を含んだ電圧差と負側イオン発生素子2とそれに相応するバイアス素子3との間のノイズN2、N3を含んだ電圧差とは等しく、従ってノイズがイオン発生に影響を与えることがない。
4. 本発明のその他の実施例
本発明の他の実施の形態を図6乃至図13を参照して以下にのべる。
4.1 奇数個のイオン発生素子
正イオン発生は、負イオン発生に比べて多くのエネルギーを必要とすることが確証されている。この不均衡を補償してイオンの発生量を均等にするために、多くのイオン発生器は、正イオン発生電極に負イオン発生電極よりも高い電圧を印加してイオン出力をバランスさせている。この手法の欠点は、より高い電圧のかかる正のイオン発生電極がより早く摩耗し、かつ埃の蓄積が増大することである。
本発明においては、イオン発生電極111は、負側に比べて、正側に、より多くのイオン発生素子1、2とバイアス素子3、4との対(以下単にイオン発生対と称する)とを備えている。正側イオン発生対の数の負側イオン発生対の数に対する比率は、1乃至2である。負のイオン発生に比べて、正イオンの発生に、より多くのイオン発生対を用いると、それぞれの極に対して用いられる高電圧源112の大きさは、等しいか、できるだけ近づくことになる。これは、言い換えれば、それぞれの電極111に対する摩耗やストレスが均一になることを意味する。なお、正側のイオン発生対の数の負側のイオン発生対の数に対する比率を1乃至2とするのではなく、正側のイオン発生対の長さを負側のイオン発生対の長さよりも長くしてもよく、この長さの比(正の負に対する比)も、1乃至2とする。
4.2イオン発生素子のドーピング
上記した問題に対応する他の手法は、イオンの発生を向上させるために、イオン発生素子1、2をドーピングすることである。正イオン発生素子電極には正のドーピングを施して正イオンの発生を向上させ、負イオン発生素子電極には負のドーピングを施して負のイオン発生を向上させることができる。それぞれのドーピングレベルは、イオン発生器が所定の印加電圧でイオンバランスを保つことができるように調整することができる。それに代えて、この4.2の方式と4.1とで述べた方式を組み合わせることによってイオンの発生量とバランスを向上させることもできる。
4.3半導体を例とするドーピングの既存技術
半導体に不純物をドーピングするには、一般的に拡散又はイオン注入を利用した技術が用いられている。拡散は、半導体ウエハーを炉の中に入れ、必要なドーパントを含んだ不活性ガスを流し加熱処理する方法によって達成される。例えば、Si(ケイ素)の拡散は、BN(窒化ホウ素)等の固体ソースを加熱炉中に配置して、基板を800℃から1200℃に加熱して不活性ガスを流すことにより行われ、これによってSi基板中にB(ホウ素)が高濃度で添加される。また、イオン注入は、イオン注入装置を用いてB、P(リン)、As(ヒ素)、In(インジウム)、Sb(アンチモン)等の不純物をイオン化し、加速してエネルギーを付与し、半導体基板にイオンを注入する方法である。これによって形成される不純物の分布は、加速される不純物イオンの質量と加速エネルギーでコントロールすることができるため、次のような特徴を有している。
(1)不純物量を電荷量で制御することができるので、注入する不純物の量を正確に制御することができ、不純物分布の再現性がよい。
(2)不純物のドーピングにあたり、1010から1014/cm と広範囲なドーズ量の制御が可能である。
(3)不純物を低温でドーピングすることができる。
(4)加速電圧を制御することによって、基板表面の酸化膜や窒化膜を通して、基板中に不純物の注入が可能である。
4.4基板表面の平面化によるフラット電極
数多くのイオナイザの製造現場においては、清掃やメンテナンスの容易なイオナイザを有することが望ましい。従来技術においては、イオン発生素子1、2は、誘電層5の最上面から突き出して形成されている。このように、イオン発生素子1、2が突起状であると、イオン発生素子1、2に塵や埃が吸引し、付着し易くなる。
本発明の好ましい実施の形態では、イオン発生素子1、2は、図6に示すように、誘電層5と同一平面となるように設計されている。これを達成するために、誘電層5は、一層厚くして、イオン発生素子1の形状に合う溝を設けることができるようにしている。導電性物質がこの溝の中に堆積され、基板6の表面が滑らかでフラットになるように磨かれる。フラットで滑らかな表面を得るための他の手法は、種々可能である。ここで説明する手法は、数多く考え得る手法の中から例示的に掲げたものであり、本発明の範囲をこれらのみに限定するものではない。
図6の実施の形態のように、イオン発生素子1、2が基板6の表面から突き出していないと、イオン発生電極1、2に塵埃が吸引、付着するのを軽減することができる。電極111の表面がフラットで滑らかであるので、その上に布やワイパを滑らせるのを容易にするので、電極111の清掃が容易となる。それに代えて、イオン発生素子1、2は、誘電層5から窪ませたり突き出させたりしてもよい。イオン発生素子1,2の突き出しは、気体中の塵埃の吸引や付着のデメリットがある半面、気体分子に露出する表面積が増えてイオン発生量を増加させるので、清浄度が非常に高いクリーンルーム等で使用される場合には突き出しがあったほうが有利である。
4.5取り外し可能なルーバー型電極
イオン発生電極は、図7乃至図9に示すように、符号130で示す水平配置や符号140で示す垂直配置や符号150で示す水平垂直の組み合わせ配置のような取り外し可能なルーバー型に設計することができる。この構成においては、イオンは、ルーバーの個々の仕切り内で生成され、ルーバーから飛び出すときに平行になる。これらの構成においては、イオンは、一層速い速度で方向を集中して飛び出すことができる。これにより、それぞれのイオンが反対極性のイオンと再結合する前に、イオンをイオナイザから更に遠くへ運ぶことができるようになる。更に、取り外し可能な設計130、140、150とすると、清掃やメンテナンスが一層簡単となる。1つの例として、図10は、ファンを内蔵した卓上型イオナイザ160にルーバー型電極を設けた例を示す。
別の実施の形態は、円筒状に形成された1つ若しくはそれ以上の数の電極111であり、この電極は、ファンモータの中心軸に対し同軸上にして同心円状に配置されている。また、この同心円状に配置された個々の電極111は、ファンの送風に対して0°(水平)から45°まで角度を付けることができ、0°(水平)の角度は、ファンの送風を直進してイオンの広がりを防止し、また45°の角度は、ファンの送風を上下左右に広げてイオンの拡散を行う。
4.6組込式クリーニングローラおよびワイパ
本発明の他の態様では、イオン発生器110は、図11に示すように、電極111の表面についた塵や粒子を清掃するためのクリーニングローラもしくはワイパ171を備えている。クリーニングローラ若しくはワイパを左右に手で移動させることによって清掃が行われる。クリーニングローラ若しくはワイパは、取り外し可能にすることができ、それによってクリーニングローラ若しくはワイパ自体の清掃やメンテナンスも容易に行える。
4.7イオン発生電極を用いたイオン発生装置
イオン発生電極111、高電圧源112、ファンその他の送風システム113は、数多くの異なる種類のイオナイザに使用することができる。また、イオン発生器110は、卓上型若しくは天井取付(オーバーヘッド)型イオナイザとして、1つ又はそれ以上のファンを取り付けることができる。イオン発生電極111と高電圧源112とは、イオンを搬送するための圧縮空気を用いるガン型又はノズル型のイオナイザとして組み込むことができる。それに代えて、イオン発生電極111と高電圧源112とは、イオンを搬送するための圧縮空気又は外部空気流を用いるバー型のイオナイザとして組み込むことができる。
それらの他に、イオン発生器110は、静電複写機、静電分離器、静電塗装機、空気清浄機、エアコン、スピンドライヤ、表面清浄機等一体的に組み込むことができる。また、イオン発生器110は、家庭用又は自動車内で使用するイオナイザとして使用することもできる。
4.8イオナイザモジュール
イオン発生電極111と高電圧源112とは、その独自のデザインにより、とても小さく設計することができ、図12に示すように、小型のイオナイザモジュール181、182として設計することができる。イオナイザモジュール181は、ファン若しくは送風システム113を有しないで組み立てられてより小型にすることができる。実際の使用においては、イオナイザモジュールは、効率よく機能するように、使用環境中にある空気流を利用する。イオナイザモジュールは、DC24Vの如き低電圧を供給して使用することができる。
イオナイザモジュール180は、従来のイオナイザでは設置できないような狭い場所での用途に最適である。この小型化を実現するための1つの例として、イオナイザモジュール180をイオン発生電極111と高電圧源112を含む印刷基板(PCB)を用いてその上上に組み付けることができる。
それに代えて、イオナイザモジュール182は、対象物若しくは対象となる領域までより素早くイオンを運ぶ手段を備えることによって、イオナイザの性能を向上する空気補助アセンブリを備えることができる。空気補助アセンブリは、図15(A)(B)に示すように、空気取り入れ口184と多数の円形又はスリット状空気孔183(又は空気吹き出し口)と空気取り入れ口184から空気孔183までの通路とから成っている。イオンを搬送するために、空気補助アセンブリは、半導体や液晶の製造工場で使用される圧縮乾燥空気や窒素を使用することができる。装置をエアクリーナとして使用する場合には、図15(C)に示すように、空気補助アセンブリの空気の流れが図15(A)(B)とは全く逆になり、空気取り入れ口184が空気取り出し口となり、空気孔183は、空気吸引孔(空気取り入れ口)となる。なお、図15において符号185は、イオン発生電極111と空気取り入れ口又は取り出し口184との間に配置された空洞、また114は、高圧配線を示す。
上記に代えて、イオナイザモジュールは、図13に示すように、複数のイオン発生電極111と高電圧源回路112を実装した回路基板190に組み立てることができる。適当な空気流を用いると、このイオナイザは、広い領域に広げることができるイオンを一層多く発生することができる。
加えて、イオナイザモジュール180は、取り付けや取り外しを迅速にし、メンテナンスを容易にするために、ワイヤコネクタ、リボンコネクタ、RJ11コネクタ若しくはエッジコネクタを有するように設計することができる。
本発明の更に他の実施形態は、イオン発生電極111と高電圧源回路112とをメイン基板若しくはマザーボードに直接実装することである。この手法により、イオナイザ若しくはイオナイザを必要とする装置において、省スペースを実現し、また別モジュールを設計する手間を省くことができる。
4.9 電極形状
図1乃至図6の形態では、電極を構成するイオン発生素子やバイアス素子が直線的な櫛歯状であるのが示されているが、これらの素子の形状は、これに限らず、任意の形態とすることができる。例えば、図14(A)(B)に示すような渦巻状、図14(C)に示すような切欠き円状とすることができる。 なお、図14において、点線の円は、高圧電源の接続部位を示す。
本発明によれば、自己バランス制御イオン発生器の利点をフラットで滑らかな形状のイオン発生電極とそれを用いたマイクロ放電デバイスとの利点を合わせ持っており、且つイオンセンサーやフィードバック制御用の電子回路も用いることなく、正負のイオンを同量発生させることができ、高い産業上の利用性を有する。
1、2 イオン発生素子
3、4 バイアス素子
5 誘電層
6 基板
7 ヴィア
8 正の高圧電源
9 負の高圧電源
10、20、30 アクティブバイアスのデザイン
40、50、60 アイソレイティドバイアスのデザイイン
61 第1中間層
62 第2中間層
70、80、90、100 アイソレイディドイオン発生素子
110 イオン発生器
111 イオン発生電極
112 高電圧源
113 ファン又はブロアー
114 高圧配線
130、140、150 イオン発生電極のルーバー型の異なる設計
171 ワイパ
181、182 イオナイザモジュール
183 空気吹き出し孔
184 空気入口
185 空洞
190 回路基板
N、N1、N2、N3、N4 ノイズ

Claims (2)

  1. 1つの共通基板と、前記1つの共通基板に保持された第1と第2のイオン発生素子と、前記1つの共通基板に保持され前記第1と第2のイオン発生素子とそれぞれ対となる第1と第2のバイアス素子と、前記第1と第2のイオン発生素子と前記第1と第2のバイアス素子との間にそれぞれ配置された誘電層とから成り、前記第1と第2のイオン発生素子又は前記第1と第2のバイアス素子に正負の高電圧をそれぞれ印加し且つ前記第1と第2のバイアス素子又は第1と第2のイオン発生素子をグランド又は他の回路から隔離して前記第1と第2のイオン発生素子又は前記第1と第2のバイアス素子から正負のイオンをそれぞれ発生し、前記高電圧は、直流DC、交流AC、高周波交流電流HF−AC、パルスDC、パルスACのいずれかであるイオン発生電極と、前記イオン発生電極を付勢する正負の高圧電源と、空気取り入れ口と空気取り出し口と前記空気取り入れ口と前記空気取り出し口との間に空気通路を形成する空洞とから成る空気補助アセンブリとを備え、前記空気取り入れ口又は前記空気取り出し口は、前記イオン発生電極に設けられていることを特徴とするイオナイザモジュール。
  2. 1つの共通基板と、前記1つの共通基板に保持された第1と第2のイオン発生素子と、前記1つの共通基板に保持され前記第1と第2のイオン発生素子とそれぞれ対となる第1と第2のバイアス素子と、前記第1と第2のイオン発生素子と前記第1と第2のバイアス素子との間にそれぞれ配置された誘電層とから成り、前記第1と第2のイオン発生素子又は前記第1と第2のバイアス素子に正負の高電圧をそれぞれ印加し且つ前記第1と第2のバイアス素子又は第1と第2のイオン発生素子をグランド又は他の回路から隔離して前記第1と第2のイオン発生素子又は前記第1と第2のバイアス素子から正負のイオンをそれぞれ発生し、前記高電圧は、直流DC、交流AC、高周波交流電流HF−AC、パルスDC、パルスACのいずれかであるイオン発生電極と、前記イオン発生電極を付勢する正負の高圧電源と、空気取り入れ口と空気取り出し口と前記空気取り入れ口と前記空気取り出し口との間に空気通路を形成する空洞とから成る空気補助アセンブリとを備え、前記空気取り入れ口又は前記空気取り出し口は、前記イオン発生電極に設けられ、前記グランド又は他の回路から隔離される前記第1と第2のバイアス素子又は前記第1と第2のイオン発生素子は、共通の素子であって前記共通の素子と共通でない素子との間には、1つの共通の誘電層が介在していることを特徴とするイオナイザモジュール。
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