JPH05281834A - 固体帯電装置 - Google Patents

固体帯電装置

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Publication number
JPH05281834A
JPH05281834A JP10567292A JP10567292A JPH05281834A JP H05281834 A JPH05281834 A JP H05281834A JP 10567292 A JP10567292 A JP 10567292A JP 10567292 A JP10567292 A JP 10567292A JP H05281834 A JPH05281834 A JP H05281834A
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JP
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solid
ion
electrode
ion generator
toner
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Application number
JP10567292A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hosaka
靖夫 保坂
Shuzo Hirahara
修三 平原
Yuzo Koike
祐三 小池
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】安価に量産できる固体イオン発生器を用い、ト
ナーの飛散による汚れやイオン衝撃に対する劣化対策を
行って長期間にわたり安定して使用可能で、また歩留ま
りの良好な固体帯電装置を提供すること。 【構成】厚膜からなる絶縁層204を挟んで配置された
誘導電極205,206およびイオン発生用スリットを
有するイオン発生電極207,208からなる固体イオ
ン発生器202,203を記録媒体210上に形成され
る記録画像の副走査方向に複数個同一基板201上に配
置し、これらの固体イオン発生器202,203のイオ
ン発生電極に印加するバイアス電圧および誘導電極とイ
オン発生電極間に印加する交流電圧の少なくとも一方を
選択的に切り替えて印加するように構成した固体帯電装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気中でイオンを発生す
る固体イオン発生器を用いて記録媒体を帯電する固体帯
電装置に係り、特にトナーの飛散による汚れやイオン衝
撃などに対する劣化対策を施して長期間安定に使用でき
る固体帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真プロセスにおいて使用
されるコロナチャージャは、一般に細い導体からなるコ
ロナワイアとシールド電極間に6kV程度の高電圧が印
加されることによってコロナ放電を行い、気中でイオン
を発生する。このコロナチャージャは、電子写真方式の
複写機における感光体の帯電、あるいは感光体上に形成
されたトナー画像を普通紙に転写する際に広く用いられ
ている。
【0003】ところで、この方式のコロナチャージャ
は、コロナワイアから発生したイオンのほとんどがシー
ルド電極に流れ、感光体の帯電などに実際に使用される
のは数%程度であり、使用効率が悪い。その結果、最大
イオン電流は10μA/cm程度である。この方式のコ
ロナチャージャを用いた場合、帯電による感光体の表面
電位は、コロナチャージャの印加電圧と、コロナチャー
ジャと感光体間の距離および帯電時間で決まり、記録速
度に応じてこれらの値を個々に設計することが必要とな
る。コロナワイアとシールド電極および感光体間距離
は、火花放電防止のため1cm程度に設定される。
【0004】コロナチャージャのオゾン発生量は、その
近傍で2〜2.5ppmであり、この値は目に刺激を与
えて呼吸器官に影響を与える濃度(0.1ppm)と、
生命に危険な濃度(5ppm)との中間値であり、もっ
と減らすことが望まれる。また、コロナワイアの導体径
は〜60μm程度と細いため、高電圧印加時に生じる震
動などで切れ易いなどの欠点がある。
【0005】これらの問題に対し、コロナチャージャの
代わりに固体イオン発生器の使用が検討されている。筆
者らが試作した固体イオン発生器では、イオン電流を1
mA/cm程度の高密度イオン電流が得られ、その時発
生するオゾン量は固体イオン発生器のごく近傍で最大〜
0.5ppm程度で、コロナチャージャの数分の一以下
であった。
【0006】一方、絶縁層を挟んだ2枚の電極に高周波
電圧を印加すると高密度イオンが発生することに着目し
た固体イオン発生器や、これを転写、除電に使用した例
について提案がなされている(米国特許第4,155,
093号)。この公知技術について、図9を用いて説明
する。図9(a)は、除電または転写用の固体イオン発
生器の説明図であり、固体イオン発生器901は絶縁層
902を挟んで両面にイオン発生電極903と誘導電極
904を配置した構成となっている。イオン発生電極9
03にはイオンを発生させる電界集中用のスリット90
5が設けられ、イオン発生電極903と誘導電極904
間にイオン発生用の交流電圧906を印加する。このよ
うにして、イオン発生電極903のスリット905に高
い交流電界を発生させ、高密度の正負イオンを発生させ
る。
【0007】図9(a)の固体イオン発生器を除電装置
として使用する場合には、イオン発生電極903をアー
ス電位とし、絶縁性記録媒体907上の正極性の静電潜
像で負極性のイオンを選択して記録媒体907に導くこ
とにより、静電潜像の電荷を消去する。また、この固体
イオン発生器を転写装置として使用する場合には、現像
剤トナーの極性とは逆の正極性のイオンを600Vのバ
イアス電圧908で選択し、記録紙に絶縁性記録媒体9
07上の負極性トナーを転写する。
【0008】このように記録媒体907の除電を行った
り、記録媒体907上のトナー画像を普通紙に転写する
場合は、イオン発生電極903と誘導電極904間に1
00kHz、2.8kVp-p の高周波電圧を印加する。
固体イオン発生器からは十分な量のイオンが発生するの
で、記録媒体907の表面電位をアース電位を含むバイ
アス電圧で任意に決定できる。
【0009】一方、固体イオン発生器を記録ヘッドに用
いる場合は、除電装置や転写装置の場合のスリット90
5の替わりに、記録ドットに対応したイオン発生用孔を
イオン発生電極に設け、イオン発生電極と誘導電極をマ
トリクス状に配置して交流電圧とバイアス電圧の両者を
切り替え、信号に応じてイオン発生電極の孔からイオン
を発生させ、記録媒体に静電潜像を形成する。このよう
にして、先の公知技術では2値の高速記録(330枚/
分:A4相当)と、高硬度アルミナ絶縁層を記録媒体に
使用することで、10万枚に1回程度の保守で済む大量
印刷を可能にしている。
【0010】この記録ヘッドを使用した記録装置につい
て、図9(b)を用いて説明する。絶縁層を形成した記
録ドラム909が矢印910方向に移動する。この記録
ドラム909上に近接して置かれた記録ヘッド911か
ら、信号に応じて発生したイオンが記録ヘッド911に
印加されたバイアス電圧で移動し、記録ドラム909上
に正極性の静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像
器912の負極性のトナーによって現像され、トナー画
像が記録媒体上に形成される。このトナー画像は、−6
00Vのバイアス電圧を印加した固体イオン発生器91
3によって普通紙914上に転写され、熱定着される。
この残留トナーの存在する転写後の記録ドラム909の
表面電位は、アース電位にバイアス電圧を保持した除電
用固体イオン発生器915によって除電され、さらにク
リーニング装置916で残留トナーが清掃されて、初期
状態になる。
【0011】ところで、この記録ヘッドおよび除電と帯
電に使用する固体イオン発生器においては、イオン発生
電極903と誘導電極904間の絶縁層902がイオン
衝撃またはイオン発生の際に生成される硝酸塩で劣化す
ることにより、電気抵抗の減少などの材質変化を来たし
てイオン発生量が低下する。この問題に対し、先の公知
技術ではイオン衝撃と硝酸塩に強い結晶性雲母を絶縁層
902に使用し、固体イオン発生器の長寿命化を図って
いる。しかし、結晶性雲母を使用した固体イオン発生器
は、結晶雲母に電極を接着して形成する必要から量産に
は適さない欠点がある。また、長尺の固体イオン発生器
には長尺の結晶雲母が必要で、かつ長尺のイオン発生電
極と誘導電極を正確に位置合わせする必要があり、製造
が難しい欠点がある。さらに、トナー飛散による固体イ
オン発生器の汚れに対しては、トナー飛散の少ない磁性
−成分現像を使用して対処しているが、磁性トナーはカ
ラー化に向かない欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、結晶
性雲母からなる絶縁層を挟んでイオン発生電極と誘導電
極を設け、両電極間に高圧高周波の電圧を印加して高密
度のイオンを発生させる従来の固体イオン発生器では、
イオン衝撃と生成硝酸塩による絶縁層の劣化を防止でき
るが、量産性に乏しく製造コストが高くなり、またトナ
ー飛散による固体イオン発生器の汚れに対しては磁性−
成分現像剤を使用することで対処しているため、カラー
化に向かないという欠点があった。
【0013】本発明は、安価に量産できる固体イオン発
生器を用い、トナーの飛散による汚れやイオン衝撃に対
する劣化対策を行って長期間にわたり安定して使用可能
で、また歩留まりの良好な固体帯電装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、厚膜からなる絶縁層を挟んで配置された第
1の電極およびイオン発生用孔を有する第2の電極から
なり、第1の電極と第2の電極の間に交流電圧が印加さ
れることによって気中でイオンを発生すると共に、第1
の電極にバイアス電圧が印加されることによって所定極
性のイオンを選択するように構成された固体イオン発生
器を記録媒体に対向させて配置してなる固体帯電装置に
おいて、前記固体イオン発生器を前記記録媒体上に形成
される記録画像の副走査方向に複数個配置すると共に、
これら複数個の固体イオン発生器に対して前記バイアス
電圧および交流電圧の少なくとも一方を選択的に切り替
えて印加する切り替え手段を有することを特徴とする。
【0015】また、本発明は上記の固体イオン発生器を
記録画像の主走査方向に沿って複数個同一基板上に千鳥
状に配置し、各々の固体イオン発生器における第1の電
極および第2の電極をそれぞれ共通に接続してなること
を特徴とする。
【0016】本発明の好ましい実施態様を以下に列挙す
る。 (1)固体イオン発生器におけるイオン電流の変動を検
出する電流変動検出手段を設け、この電流検出手段の検
出結果に基づいて、イオン電流が所定値以下に低下した
とき、記録画像の副走査方向に複数個配置された固体イ
オン発生器を切り替える構成とする。
【0017】(2)本発明の固体帯電装置を用いた記録
装置における記録枚数を計数する計数手段を設け、この
計数手段により計数された記録枚数が所定値に達したと
き、記録画像の副走査方向に複数個配置された固体イオ
ン発生器を切り替える構成とする。
【0018】(3)固体イオン発生器のイオン発生電極
面をクリーニングするクリーニング手段を設ける。この
クリーニング手段は、ユーザが随時動作させてもよい
が、固体イオン発生器におけるイオン電流が所定値以下
に低下したとき、あるいは本発明の帯電装置を用いた記
録装置における記録枚数が所定値に達したとき、動作さ
せるようにしてもよい。
【0019】(4)固体イオン発生器の非使用時に、前
記バイアス電圧の極性を反転させる極性切り替え手段を
設ける。
【0020】(5)固体イオン発生器を本発明の固体帯
電装置を用いた記録装置において使用する現像剤(トナ
ー)の溶融温度以上に加熱する加熱手段を設ける。
【0021】
【作用】本発明においては、厚膜からなる絶縁層を挟ん
で電極を配置して構成され、低価格で量産性に優れた厚
膜技術で製作可能な固体イオン発生器を用いながら、長
期間安定に動作できる固体帯電装置が提供される。
【0022】すなわち、副走査方向に複数個の固体イオ
ン発生器を配置しておき、バイアス電圧の印加によって
固体イオン発生器にトナーが付着してイオン発生量が減
少した場合には、他の固体イオン発生器にバイアス電圧
を切り替えて印加することにより、個々の固体イオン発
生器を寿命まで使用することが可能となる。
【0023】副走査方向に複数個の固体イオン発生器を
配置しておき、長期間の使用で固体イオン発生器の絶縁
層がイオン衝撃で劣化しイオン発生量が減少した場合に
は、他の固体イオン発生器に交流電圧を切り替えて印加
してその固体イオン発生器を動作させることで、長期間
にわたり安定した帯電が可能となる。この場合、トナー
の飛散が少ない装置では、バイアス電圧は全ての固体イ
オン発生器に印加してもよい。
【0024】バイアス電圧と交流電圧を両方同時に切り
替えると、副走査方向に複数個同一基板上に配置された
固体イオン発生器を選択的に動作させることができるの
で、動作中の固体イオン発生器のイオン電流が所定値以
下に低下したとき、あるいは記録枚数が所定値に達した
とき他の固体イオン発生器を動作させることにより、ト
ナー汚れや固体イオン発生器の劣化によるイオン発生量
の低下を補償して、固体帯電装置を個々の固体イオン発
生器の寿命より長期間にわたり使用することが可能とな
る。
【0025】イオン発生電極面をクリーニングするクリ
ーニング手段を設け、ユーザが随時動作させるか、上記
と同様にイオン電流が所定値以下に低下したとき、ある
いは記録枚数が所定値に達したとき動作させることによ
り、個々の固体イオン発生器をより長期間使用すること
ができる。
【0026】固体イオン発生器の非使用時に、バイアス
電圧の極性を反転させるようにすると、固体イオン発生
器に付着したトナーを除去でき、また浮遊トナーや記録
媒体上のトナーが飛翔して他の固体イオン発生器に付着
することを防止できる。
【0027】固体イオン発生器を現像剤(トナー)の溶
融温度以上に加熱すると、トナー薄層が固体イオン発生
器の絶縁層表面に形成され、このトナー薄層で絶縁層表
面がイオン衝撃または生成硝酸塩から保護されることに
よって、固体イオン発生器の寿命が向上する。
【0028】一方、固体イオン発生器を記録画像の主走
査方向に沿って複数個同一基板上に千鳥状に配置し、各
々の固体イオン発生器における第1の電極および第2の
電極をそれぞれ共通に接続することにより、個々の固体
イオン発生器の主走査方向の長さは固体帯電装置の主走
査方向の全長より小さくて済むので、絶縁層が厚膜で形
成されることと相まって長尺の固体帯電装置を歩留まり
よく、安価に実現できることになる。
【0029】このように本発明によると、固体イオン発
生器に特殊な雲母等の絶縁層を使用することなく、量産
技術の確立した感熱記録用ヘッドなどに使用するガラス
厚膜材料などを用いて、安定したイオン発生を可能に
し、かつ低価格で長寿命の長尺の固体帯電装置が提供さ
れる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図1(a)は、本発明の一実施例に係る固
体帯電装置における固体イオン発生器の概略構成図であ
り、帯電装置として使用する場合の電圧印加方法を併せ
て示している。また、図1(b)は図1(a)の一部を
拡大して示している。
【0031】図1において、絶縁性基板101は例えば
厚さ600μmのセラミック基板であり、この基板10
1上に厚さ〜3μmの誘導電極102が厚膜技術により
金材料で形成され、この上に厚さ〜20μmのガラス絶
縁層103が厚膜技術で形成されている。ガラス絶縁層
103には、5μmの段差104aを有する60μm幅
のスリット104が形成される。さらに、ガラス絶縁層
103上に100μm幅のスリット105を有する厚さ
18μmのイオン発生電極106が厚膜技術で形成され
る。この固体イオン発生器は、図の紙面に垂直方向に連
続した構造となっている。
【0032】このような構成において、イオン発生電極
106と誘導電極102との間に〜3kVp-p 、50k
Hzの交流電圧107を印加すると、イオン発生電極1
06間のスリット105から正負のイオンが大量に発生
する。発生した正負のイオンは、イオン発生電極106
と記録媒体109間に印加された−600Vのバイアス
電圧108により負イオンのみが選択されて記録媒体1
09に到達し、記録媒体109の絶縁層110を600
Vの表面電位に帯電する。
【0033】ガラス絶縁層103は、イオン発生電極1
06の近傍の強電界によるイオン衝撃でイオン注入さ
れ、これによりその表面抵抗が減少して劣化が起こる。
その結果、イオン発生電極106間のスリット105の
電界が減少し、イオン発生量が低下する。ガラス絶縁層
103に設けられた段差103aは、このようなイオン
衝撃による劣化を防止いるためのものである。この点に
ついて図1(b)を用いて説明する。
【0034】上述のようにスリット105において強電
界で発生したイオンは、点線111の電界方向に沿って
移動する。このときガラス絶縁層103上にイオン軌道
の角度θeより大きい角度θiを有する段差103aを
設けることで、直接イオン衝撃を受けない領域104a
が形成される。その結果、イオン発生電極106近傍の
ガラス絶縁層がイオン衝撃で劣化した場合も、スリット
105中央のガラス絶縁層表面は電気的にイオン発生電
極106から絶縁され、常に強電界が形成されるため、
イオン発生量が減少することがない。次に、このような
固体イオン発生器を用いた本発明による固体帯電装置に
ついて説明する。
【0035】図2(a)は、図1(a)に示した厚膜技
術で安価に量産できる固体イオン発生器を多数平行して
同一基板上に設けて構成した固体帯電装置の断面図であ
る。基板201上に複数の固体イオン発生器202,2
03が配置される。固体イオン発生器202,203
は、共通のガラス絶縁層204を挟んで個々の誘導電極
205,206と、イオン発生電極207,208を設
けたものである。イオン発生電極207と208は、中
心間距離を500μm程度離して配置され、各々の電極
幅は100μmである。なお、図2(a)中では図1に
示した段差を省略している。複数の誘導電極205,2
06およびイオン発生電極207,208を各々共通接
続し、複数個の固体イオン発生器202,203を同時
に駆動すると、イオン電流は個々の固体イオン発生器の
それより増加し、かつ一様性の良い均一帯電が得られ
る。
【0036】図2(b)は、連続移動する記録ドラム2
10と、図2(a)の複数の固体イオン発生器202,
203を有する固体帯電装置との関係を示す概念図であ
る。矢印209方向に回転する記録ドラム210に近接
して、複数の平行した固体イオン発生器202,203
からなる固体帯電装置211が基板211に配置されて
いる。このとき、固体イオン発生器202,203のイ
オン発生電極207,208および誘導電極205,2
06がそれぞれ共通接続され、共通の交流電圧とバイア
ス電圧が図1(a)に示すようにそれぞれ印加されるこ
とによって、記録ドラム210(記録媒体)を帯電す
る。また、この固体帯電装置211には基板201を貫
通した空気孔212が設けられ、この空気孔212を通
して空気流213が矢印方向に送られることによって、
装置内の浮遊トナーによる汚損を防止している。
【0037】(実施例2)図3は、主走査方向の長さが
固体帯電装置の必要長より短い固体イオン発生器を同一
の共通基板上に複数個設け、共通基板上でこれらの固体
イオン発生器の電極間を接続した固体帯電装置の斜視図
である。すなわち、固体帯電装置の必要長より長さの短
い個別基板301上に、平行した複数の固体イオン発生
器302を厚膜技術で形成し、これらの複数個ずつの固
体イオン発生器群304を固体帯電装置の必要長以上の
長さを有する共通基板303上に千鳥状に配置してい
る。各固体イオン発生器302のイオン発生電極305
は、両端に設けたスルーホール306から共通基板30
3上の配線用電極307に接続される。また、各誘導電
極308もスルーホールを通して共通基板303上の配
線用電極309に接続されている。共通基板303の端
部には、外部からの駆動用交流電源およびバイアス電源
とソケットで接合するための端子310が設けられてい
る。
【0038】このように、歩留まり良く製造できる長さ
の短い固体イオン発生器を有する固体イオン発生器群3
04を共通基板303上に複数個設けることにより、長
尺の固体帯電装置を大量に安価に供給可能とすることが
できる。また、短い固体イオン発生器群304間を共通
基板303上に設けた電極307,308で接続するこ
とにより、これらの電極307,308も厚膜技術で形
成でき、製造が容易となる。しかも、このように固体イ
オン発生器群304間を短い距離で接続可能にすること
で、イオン発生用の高圧交流電圧から生ずる電波妨害を
最小にでき、外部雑音が減少する。
【0039】さらに、この実施例では固体イオン発生器
群304に平行した複数個の固体イオン発生器302が
備えられているため、長期使用時にトナー付着や絶縁層
の劣化でイオン発生量が低下したとき、これらの固体イ
オン発生器302を順次切り替えて使用することで、常
に安定したイオン発生量が得られ、等価的に固体帯電装
置の寿命を延ばすことが出来る。この点については、次
の実施例で詳細に説明する。
【0040】(実施例3)次に、平行に複数個設けた固
体イオン発生器を必要に応じて切り替えて使用すること
で、トナー汚れや固体イオン発生器の劣化によるイオン
発生量の減少を補償し、固体帯電装置の寿命を延ばすよ
うにした実施例について、図4を用いて説明する。
【0041】(実施例3−a)図4(a)は、飛散トナ
ーなどが固体イオン発生器に付着して、イオン発生量が
減少した場合に有効な複数の固体イオン発生器のバイア
ス電圧を切り替える方法を示した図である。表面電位と
トナーが同極性の反転現像の場合について示すと、飛散
トナーまたは記録媒体上の残留トナーは、イオン発生電
極に印加されたバイアス電圧により固体イオン発生器に
付着する。そのため、バイアス電圧が印加されておらず
トナー付着のない未使用の固体イオン発生器に新たにバ
イアス電圧を切り替えて印加することで、トナー汚れに
よるイオン発生量の減少を防止できる。
【0042】図4(a)においては、同一絶縁基板40
1上に平行して複数個の固体イオン発生器402が設け
られ、これらの固体イオン発生器402の各イオン発生
電極403〜405にバイアス電圧406がスイッチ4
07〜409により選択的に切り替えて印加されるよう
になっている。各イオン発生電極403〜405と誘導
電極410〜412間には、周波数100kHz、3k
p-p の交流電圧が印加される。この高圧交流電圧は、
固体イオン発生器を動作させるとき低電圧交流電源41
3をスイッチ413aでオンにし、昇圧トランス414
〜416で昇圧することによって得られる。昇圧トラン
ス414〜416の1次側は共通の低電圧交流電源41
3に接続されているため、全ての固体イオン発生器40
2に常に高圧交流電圧が印加され、何れの固体イオン発
生器402からも常にイオンが発生している。また、昇
圧トランス414〜416の2次側は、個々のイオン発
生電極403〜405に個別にバイアス電圧が印加でき
るように巻線が分離されている。
【0043】トナー汚れで生ずるイオン発生量の低下
は、固体イオン発生器の寿命より早く発生する。この実
施例によれば、ある固体イオン発生器を動作させている
ときにイオン発生量の低下が生じた場合、バイアス電圧
を他の固体イオン発生器に切り替えて印加することで、
固体イオン発生器の寿命まで使用出来るようになる。
【0044】(実施例3−b)次に、個々の固体イオン
発生器に印加する高圧交流電圧を切り替え、固体イオン
発生器の寿命を延ばす実施例について、図4(b)を用
いて説明する。この場合は、バイアス電圧は全ての固体
イオン発生器に印加されている。そのため、トナー付着
が少なく固体イオン発生器の寿命まで使用でき、さらに
使用期間を向上させる場合に有効である。
【0045】図4(b)において、共通基板401上に
形成された個々の固体イオン発生器417〜419のイ
オン発生電極と誘導電極間には、個々に分離した昇圧ト
ランス420〜422の2次側が接続されている。昇圧
トランス420〜422の1次側には、共通の低電圧交
流電源410と固体イオン発生器に対応する回路スイッ
チ423〜425が接続され、個々のイオン発生電極に
は共通のバイアス電圧406が印加される。
【0046】長期使用で、固体イオン発生器の絶縁層4
27がイオン衝撃で劣化してイオン発生量が減少した場
合は、1次側の回路スイッチ423〜425をオン・オ
フ制御して、劣化のない固体イオン発生器を動作させ
る。このように順次新しい固体イオン発生器を動作させ
ることで、長期間安定に動作する帯電装置が実現可能と
なる。この実施例の場合、バイアス電圧は全ての固体イ
オン発生器に常時印加されるため、トナー飛散の少ない
装置の場合に有効である。
【0047】(実施例3−c)次に、トナー汚れと固体
イオン発生器の寿命の両者に対し有効な、交流電圧はバ
イアス電圧を同時に切り替える帯電装置について、図4
(c)を用いて説明する。共通基板401上に設けた固
体イオン発生器417〜419のイオン発生電極と誘導
電極間に昇圧トランス420〜422を介して個別に印
加され、昇圧トランス420〜422の1次側の回路ス
イッチ423〜425で固体イオン発生器417〜41
9が選択的に駆動される。さらに、回路スイッチ423
〜425に同期してイオン発生電極403〜405に印
加するバイアス電圧が個々の回路スイッチ407〜40
9で切り替えられる。
【0048】このようにすると、未使用時の固体イオン
発生器は高圧交流電圧とバイアス電圧が印加されていな
いため、劣化とトナー付着を防止でき、常に良好な状態
に保つことが出来る。
【0049】このように複数の固体イオン発生器を切り
替えて選択的に動作させることで、個々の固体イオン発
生器のイオン電流の減少による使用期間を延ばすことが
出来る。なお、交流電源またはバイアス電圧の切り替え
は、図4のように回路スイッチで切り替えてもよいが、
手動で切り替えても良い。 (実施例4)実施例3のように固体イオン発生器を切り
替える際、イオン電流の減少または印字枚数などにより
切り替え時期を知らせることが望ましい。この切り替え
時期を検出し、自動的に回路スイッチで交流電圧とバイ
アス電圧を順次切り替え、新しい固体イオン発生器を動
作させる。また、装置上のディスプレイで使用者に切り
替え時期を知らせ、使用者がスイッチで任意に切り替え
ても良い。
【0050】この切り替え時期を検出する方法には、ト
ナー付着や固体イオン発生器の劣化によるイオン電流の
変動を検出する方法と、劣化によるイオン発生電極間ス
リットの絶縁層抵抗の減少または誘導電極とイオン発生
電極間静電容量の増加を検出する方法、あるいは個々の
固体イオン発生器を使用して画像記録した枚数(記録枚
数)を検出する方法がある。ここでは、イオン電流の変
動または記録枚数を検出し、固体イオン発生器を自動的
に切り替える方法について図5を用いて説明する。
【0051】図5(a)は、自動的に固体イオン発生器
を切り替える回路の構成図である。同一基板上に設けら
れた個々の固体イオン発生器に接続された交流電源の一
次側の回路スイッチ423〜425と、共通のバイアス
電源から個々のイオン発生電極に印加する600Vのバ
イアス電圧を切り替える回路スイッチ407〜409が
同期して作動される。この場合、共通のバイアス電源4
06に接続されたイオン電流検出用抵抗501の電圧降
下を増幅器502で増幅し、CPU503で定常状態の
イオン電流のときの電圧降下に等しい基準電圧と比較し
て、その差が一定値以上になった場合にバイアス電圧と
交流電圧を新しい固体イオン発生器を動作させるように
切り替えるようにする。また、この実施例では、プリン
タ装置の記録枚数(印字枚数)をカウンタ504で計数
し、一定枚数になると強制的に新しい固体イオン発生器
に自動的に切り替え、常に安定したイオン電流が得られ
るようにする手段も備えられている。
【0052】次に、電子写真とイオンデポジション記録
に図5(a)の手法を適用した例について、図5(b)
(c)を用いて述べる。まず、図5(b)を用いて電子
写真用の帯電器として使用する場合について述べる。固
体イオン発生器からなる帯電器505で感光体ドラム5
06を600Vに帯電した後、信号電圧でオン・オフし
たレーザ光507を感光体ドラム506に照射して、反
転した静電潜像を感光体ドラム506上に形成する。次
に、この静電潜像を一成分現像器507で反転現像し、
感光体ドラム506上にトナー画像508を形成する。
このトナー画像を普通紙509上に静電転写ローラ51
0で静電的に転写し、普通紙509上にトナー画像51
1を形成する。このように普通紙509上に転写したト
ナー画像を図示しない熱定着装置で定着する。一方、転
写後の感光体ドラム506の表面電位を除電用露光器5
12で除電した後、クリーニング装置513で感光体ド
ラム506上の残留トナーをクリーニングし、感光体ド
ラム506の表面を初期状態にする。
【0053】感光体ドラム506を帯電器505で帯電
する場合、常に表面電位が除去された初期状態になって
いるため、帯電器505の使用する固体イオン発生器の
トナー付着や劣化がない限り、イオン電流検出用抵抗5
01には一定のイオン電流が流れるので、上述したイオ
ン電流のモニタにより切り替え時期を直ちに検出できる
ことになる。
【0054】次に、低電圧制御を可能にしたイオンデポ
ジション記録装置におけるイオン電流変動の検出方法に
ついて図5(c)を用いて述べる。まず、静電記録媒体
である絶縁層からなる記録ドラム514を固体イオン発
生器からなる帯電器515により600Vの表面電位に
帯電する。その後、記録ドラム514に低電圧でイオン
流を制御するイオンヘッド516を用いて表面電位とは
逆極性のイオンを信号に応じてドット毎に照射し、表面
電位を消去して反転した静電潜像を形成する。次に、通
常の電子写真プロセスと同様のプロセスを用いて静電潜
像を一成分現像器507で現像し、普通紙509に転写
ローラ510で静電的に転写する。この転写後の記録ド
ラム514は、電子写真用の感光体のように光除電が出
来ないため、クリーニング装置513で記録ドラム51
4上のトナーを清掃した後、反転した静電潜像が存在す
る記録ドラム514の表面を固体イオン発生器からなる
帯電器515でプリチャージし、表面電位を初期電位に
する。この表面電位は、帯電器515のイオン発生電極
と記録媒体間に加えられる600Vのバイアス電圧50
1で決まる。
【0055】このように、図5(c)のイオンデポジシ
ョン記録装置では、前画像が記録ドラム514上に残留
しているため、プリチャージ電流が記録の度に異なる。
そのため、固体イオン発生器の劣化によるイオン電流変
動の検出には、検出タイミングを適切に生成する必要が
ある。そこで、装置の電源をオンしたとき、または一定
記録枚数毎に検出タイミングを作成し、強制的にイオン
ヘッドで数ライン全ての表面電位を除電し、プリチャー
ジで流れるイオン電流を検出することで、イオン電流の
変動を検出するようにすればよい。このようにして、固
体イオン発生器の劣化によるイオン電流変動を適切に検
出することができる。
【0056】(実施例5)以上のように、本発明によれ
ばトナー汚れや固体イオン発生器の劣化でイオン発生量
が低下したとき、複数の平行に設けた固体イオン発生器
を切り替え、長期間の使用に耐え得るようにすることが
できる。本発明においては、固体イオン発生器のイオン
電流の減少または一定の記録枚数を検出して装置のディ
スプレイ上に表示し、使用者が装置に付加したクリーナ
でトナー除去してもよい。この方法について図6を用い
て説明する。
【0057】図6においては、固体イオン発生器601
からなる固体帯電装置602の側面に溝603を設け、
固体帯電装置602をプリンタ装置604にスライドさ
せて容易に交換・取付が出来るようにしてある。この固
体帯電装置602をプリンタ装置のケースにスライドし
て挿入する際に、プリンタ装置604に設けられたクリ
ーニングブラシ605が固体イオン発生器のイオン発生
面606と接触し、クリーニングを行うように構成され
ている。
【0058】固体イオン発生器601のイオン電流の減
少は、一般にイオン衝撃とイオン発生時に生成する硝酸
塩による固体イオン発生器601の劣化による寿命(〜
40H程度)より短い期間で起こり、トナー汚れが生じ
たことを検出すると、プリンタ装置604のディスプレ
イ上で固体イオン発生器601のクリーニングが必要な
旨を知らせる。この表示に従いプリンタ使用者が固体帯
電装置602を出し入れすることで、プリンタ装置60
4に取り付けられたクリーニングブラシ605でトナー
汚れを除去し、再び使用できるようにする。
【0059】また、上記寿命に相当する一定の記録枚数
(例えば1万5千枚程度)を検出して、固体イオン発生
器601のクリーニング時期をディスプレイ上に表示し
ても良い。
【0060】固体帯電装置602の端部607には、プ
リンタ装置604への端子接続を容易にするため、イオ
ン発生電極、誘導電極および劣化防止用のヒータなどの
電極が端子608で装置に接続できるようにしてある。
また、固体帯電装置602に貫通する空気孔609を設
け、背面から空気流610を矢印611方向に流すこと
で、固体イオン発生器601へのトナー付着を防止して
いる。
【0061】(実施例6)次に、イオン電流の減少から
トナー付着を検出し、固体イオン発生器に付着したトナ
ーを静電力を利用して自動的に除去する装置を図7を用
いて説明する。この装置は、複数個の平行した固体イオ
ン発生器を配置したとき、未使用の固体イオン発生器に
トナーが付着することを防止する手段にもなる。
【0062】図7(a)は、固体帯電装置の動作中に固
体イオン発生器にトナーが付着する様子を示している。
固体イオン発生器701は、イオン発生電極702と誘
導電極703間に昇圧トランス704から周波数500
kHz、3kVp-p の交流電圧が印加され、かつイオン
発生電極702に600Vのバイアス電圧705が回路
スイッチ706を介して印加されることにより動作す
る。その結果、イオン発生電極702の近傍に高圧の交
流電圧により正・負のイオンが発生し、これらのうち正
イオン707がバイアス電圧の極性で選択され、矢印7
09の方向に沿って記録媒体708に流れる。このよう
にして、記録媒体708を帯電して表面電位を上昇させ
る。
【0063】このとき、記録媒体708上に存在する負
極性の残留トナー710または浮遊トナー(図示せず)
がバイアス電圧によって矢印711のヘッド方向に移動
し、固体イオン発生器701に付着する。この固体イオ
ン発生器701に付着したトナーを静電力で除去する方
法を図7(b)を用いて説明する。
【0064】記録後のプリンタ装置の未使用期間中に、
固体イオン発生器701のバイアス電圧を回路スイッチ
706で逆極性のバイアス電圧712に切り替える。こ
のとき、固体イオン発生器701に付着した負極性のト
ナーは矢印713に沿って記録媒体708の方向に移動
し、固体イオン発生器701から除去される。また、複
数の平行した固体イオン発生器を配置した場合は、未使
用時にバイアス電圧の極性を反転しておくことで、浮遊
トナーまたは記録媒体上の残留トナーが、固体イオン発
生器方向に飛翔して付着することを防止することができ
る。
【0065】(実施例7)次に、上記のように付着トナ
ーでイオン発生量が減少した場合に、固体イオン発生器
のガラス絶縁層に一様に溶融してイオン発生量を回復さ
せる他の方法について説明する。
【0066】この実施例では固体イオン発生器に付着し
た絶縁性トナーを溶融し、イオン発生電極またはイオン
発生電極間スリットのガラス絶縁層にトナー薄層を形成
させる。このようなトナー薄層からなる絶縁層をガラス
絶縁層に塗布すると、ガラス絶縁層表面がイオン衝撃ま
たは生成硝酸塩から保護され、劣化を防止できる。この
ようにすると、付着トナーで生じていたスリット間の電
界の乱れから生ずるイオン発生量の低下も回復できる。
この実施例について図8を用いて説明する。
【0067】図8(a)は、固体イオン発生器の付着ト
ナーを溶融させる駆動方法の概念図を示している。プリ
ンタ装置の使用前後の記録停止期間中に、固体イオン発
生器801のイオン電流の減少をバイアス電源406に
付加されたイオン電流検出用抵抗501の電圧降下で検
出して増幅器502で増幅する。この時、イオン電流の
変動が固体イオン発生器801の劣化による変動か、ト
ナー付着による変動かをCPU503で判別する。固体
イオン発生器の寿命は、前述の通りトナー付着によるイ
オン電流の減少期間より十分長い。CPU503では予
めこの寿命期間をメモリに記憶し、イオン電流の減少時
期と比較して判断する。
【0068】CPU503はトナー付着によるイオン電
流の減少を判断すると、固体イオン発生器801の基板
101の背面801に設けたヒータ802の印加電圧8
03を上昇させる。ヒータ802は、固体イオン発生器
801のガラス絶縁層103がイオン衝撃または硝酸塩
生成によって劣化することを防止するもので、通常〜7
0℃程度に基板101の温度を保持している。
【0069】このように、ヒータ802の温度を上げて
トナー溶融温度(〜120℃)以上に固体イオン発生器
801を加熱すると、ガラス絶縁層103上に一様にト
ナー薄層が形成される。このときの状態を図8(b)
(c)を用いて説明する。
【0070】図8(b)は、イオン発生電極106とス
リット104のガラス絶縁層103にトナー804が付
着した状態を示す。トナー粒径は〜10μm、イオン発
生電極106の厚さ〜18μm、スリット幅〜100μ
mである。このようにトナー804が付着すると、スリ
ット間の電界が均一とならず、イオン発生量が低下す
る。
【0071】図8(c)は、温度上昇によりトナー粒子
を溶融し、一様なトナー薄層805をガラス絶縁層10
3上に形成した状態を示す。トナー薄層805の表面抵
抗は1010Ωcm以上であり、ガラス絶縁層103のイ
オン衝撃または生成硝酸塩に対する保護膜となる。この
トナー付着は電界強度の強いイオン発生電極106の近
傍で顕著に起こり、付着トナーを溶融すると図8(c)
に示すようにイオン発生電極106近傍領域の溶融トナ
ー層806が厚くなる。イオン発生電極106の近傍領
域は、電界強度が強くイオン衝撃による劣化の著しい領
域であり、溶融トナー層806による保護膜の効果が大
きい。このようにして固体イオン発生器の寿命を延ばす
ことができる。
【0072】但し、この様なトナー溶融を数回繰り返す
と、イオン発生電極106間のスリットがトナーで埋ま
り、イオン発生用の電界が形成されず、効果がなくなる
ために、一定期間の付着トナーによるイオン発生量の低
下と、固体イオン発生器のガラス絶縁層の劣化を防止で
きる。
【0073】なお、以上の実施例は何れもイオン電流の
変動または記録枚数を検出して固体イオン発生器の交換
時期を知らせるものであるが、固体イオン発生器の劣化
を検出する手段はこれらに限られず、他の手段を用いて
も良い。
【0074】例えば、劣化した固体イオン発生器のイオ
ン発生電極間の絶縁層は抵抗値が減少し、かつ静電容量
が増加する。そこで、固体イオン発生器のスリットを挟
むイオン発生電極を分離しておき、プリンタ印字停止時
間のスリット間の抵抗変動を検出し、当初の1012程度
から109 Ωcm程度にまで低下したときに劣化したと
判断できる。
【0075】また、イオン発生電極と誘導電極間に測定
用交流電圧を印加し、その間の電流変動から容量変動を
検出してもよい。絶縁層がガラス絶縁層またはポリイミ
ドの場合、この静電容量は当初の20pF程度から、劣
化で20〜30%上昇するため、この変動量から固体イ
オン発生器の劣化時期を検出することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば厚
膜技術で作成可能な量産性の良い固体イオン発生器を同
一基板上に複数個配置し、イオン衝撃とイオン発生時に
生成する硝酸塩による劣化による寿命(〜40H、記録
枚数で1万5千枚に相当)より短いトナー付着によるイ
オン電流の減少を検出して、新しいトナー付着のない固
体イオン発生器に切り替えることで、長期使用を可能に
することができる。
【0077】また、イオン電流の減少から固体イオン発
生器の劣化を検出し、新しい固体イオン発生器に切り替
えることで、固体帯電装置の総合寿命を改善することが
可能である。
【0078】さらに、固体イオン発生器への付着トナー
については、簡易なクリーニング装置を設けることで除
去するか、あるいは固体イオン発生器のバイアス電圧の
極性を非使用期間中反転させておくことで、静電力によ
り付着トナーを固体イオン発生器から飛散させて除去す
ることができる。
【0079】さらに、トナーが絶縁体であることに注目
し、固体イオン発生器の付着トナーを劣化防止用ヒータ
でトナー溶融温度以上に加熱することで、イオン発生電
極またはスリット間の絶縁層上にトナー薄層を被着させ
ることにより、固体イオン発生器の絶縁層の劣化を防止
することができる。
【0080】このように本発明によると、量産性に富
み、低価格でかつ長期間にわたり使用可能な固体帯電装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のおける絶縁層を2層構造とした固体イ
オン発生器の断面図
【図2】本発明の一実施例に係る複数個の固体イオン発
生器を平行して配置した固体帯電装置の断面図および斜
視図
【図3】本発明の一実施例に係る必要長より短い複数個
の固体イオン発生器を同一基板上に設けた固体帯電装置
の斜視図
【図4】本発明の一実施例における固体イオン発生器に
印加する交流電圧およびバイアス電圧の切り替え機構を
示す図
【図5】本発明の一実施例におけるイオン電流の減少ま
たは記録枚数を検出して複数個の固体イオン発生器を切
り替える自動切り替え機構および該機構を採用した電子
写真装置およびイオンデポジジョン記録装置の構成図
【図6】本発明の一実施例に係る固体イオン発生器のク
リーニングブラシを有する固体帯電装置を含む記録装置
を示す斜視図および側面図
【図7】本発明の一実施例に係る固体イオン発生器のバ
イアス電圧の極性切り替え機構を有する固体帯電装置を
示す概略図
【図8】本発明の一実施例に係る付着トナーを溶融して
固体イオン発生器にトナー薄層を被着する機能を備えた
固体帯電装置の斜視図および要部の断面図
【図9】従来技術を説明するための図
【符号の説明】
101…絶縁性基板 102…誘導電
極 103…絶縁層 105…イオン
発生用スリット 106…イオン発生電極 107…交流電
圧 108…バイアス電圧 109…記録媒
体 201…絶縁性基板 202〜203
…固体イオン発生器 204…絶縁層 205〜206
…誘導電極 207〜208…イオン発生電極 210…記録ド
ラム 211…固体帯電装置 212…空気孔 301…個別基板 302…固体イ
オン発生器 303…共通基板 304…固体イ
オン発生器群 305…イオン発生電極 306…スルー
ホール 307〜309…配線用電極 310…端子 401…絶縁層 402…固体イ
オン発生器 403〜405…イオン発生電極 406…バイア
ス電圧 407〜409…回路スイッチ 410〜412
…誘導電極 413…低電圧交流電源 414〜416
…昇圧トランス 417〜419…固体イオン発生器 420〜422
…昇圧トランス 423〜425…回路スイッチ 501…イオン
電流検出用抵抗 502…増幅器 503…CPU 504…記録枚数計数用カウンタ 505…固体イ
オン発生器 506…感光体ドラム 507…一成分
現像器 508…トナー画像 509…普通紙 510…静電転写ローラ 511…トナー
画像 512…除電用露光器 513…クリー
ニング装置 514…記録ドラム 515…帯電装
置 516…イオンヘッド 601…固体イ
オン発生器 602…固体帯電装置 606…クリー
ニングブラシ 608…端子 609…空気孔 701…固体イオン発生器 702…イオン
発生電極 703…誘導電極 704…昇圧ト
ランス 705,712バイアス電圧 706…回路ス
イッチ 708…記録媒体 802…ヒータ 804…トナー 805…トナー
薄層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚膜からなる絶縁層を挟んで配置された第
    1の電極およびイオン発生用孔を有する第2の電極から
    なり、第1の電極と第2の電極の間に交流電圧が印加さ
    れることによって気中でイオンを発生すると共に、第1
    の電極にバイアス電圧が印加されることによって所定極
    性のイオンを選択するように構成された固体イオン発生
    器を記録媒体に対向させて配置してなる固体帯電装置に
    おいて、 前記固体イオン発生器を前記記録媒体上に形成される記
    録画像の副走査方向に複数個配置すると共に、これら複
    数個の固体イオン発生器に対して前記バイアス電圧およ
    び交流電圧の少なくとも一方を選択的に切り替えて印加
    する切り替え手段を有することを特徴とする固体帯電装
    置。
  2. 【請求項2】厚膜からなる絶縁層を挟んで配置された第
    1の電極およびイオン発生用孔を有する第2の電極から
    なり、第1の電極と第2の電極の間に交流電圧が印加さ
    れることによって気中でイオンを発生すると共に、第1
    の電極にバイアス電圧が印加されることによって所定極
    性のイオンを選択するように構成された固体イオン発生
    器を記録媒体に対向させて配置してなる固体帯電装置に
    おいて、 前記固体イオン発生器を前記記録媒体上に形成される記
    録画像の主走査方向に沿って複数個千鳥状に配置し、こ
    れら複数個の固体イオン発生器における前記第1の電極
    および第2の電極をそれぞれ共通に接続してなることを
    特徴とする固体帯電装置。
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