JP3495839B2 - 帯電装置、磁気ブラシ帯電器、画像記録装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

帯電装置、磁気ブラシ帯電器、画像記録装置及びプロセスカートリッジ

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JP3495839B2
JP3495839B2 JP03742796A JP3742796A JP3495839B2 JP 3495839 B2 JP3495839 B2 JP 3495839B2 JP 03742796 A JP03742796 A JP 03742796A JP 3742796 A JP3742796 A JP 3742796A JP 3495839 B2 JP3495839 B2 JP 3495839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電装置、磁気ブ
ラシ帯電器、画像記録装置及びプロセスカートリッジに
関する。
【0002】 より詳しくは、電圧を印加した磁気ブラ
シ帯電器を被帯電体に接触させて被帯電体を帯電する接
触帯電方式の帯電装置、磁気ブラシ帯電器、該帯電装置
磁気ブラシ帯電器を用いた画像記録装置やプロセスカ
ートリッジに関する。
【0003】
【従来の技術】例えば、電子写真方式・静電記録方式等
の複写機・プリンタなど、電子写真感光体・静電記録誘
電体等の像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作
像プロセスを適用して画像形成を実行する画像記録装置
においては、被帯電体としての像担持体を一様に帯電処
理(除電処理も含む)する手段機器として従来一般にコ
ロナ帯電器が利用されていた。
【0004】これはコロナ帯電器を被帯電体に非接触に
対向配設し、高圧を印加したコロナ帯電器から発生する
コロナシャワーに被帯電体面をさらすことで被帯電体面
を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0005】近年は、コロナ帯電器よりも低オゾン・低
電力等の利点を有することから、中・低速機種の画像記
録装置などには接触帯電装置(直接帯電装置)が実用さ
れるようになってきている。
【0006】これは、被帯電体に、所定の電圧を印加し
た帯電部材(接触帯電部材、接触導電部材)を当接させ
て被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものであ
る。接触帯電部材は導電性の部材であり、弾性ローラ
(ローラ帯電器)、ブレード(ブレード帯電器)、磁気
ブラシ(磁気ブラシ帯電器)、ファーブラシ(ファーブ
ラシ帯電器)等の形態のものが用いられる。磁気ブラシ
帯電器は、給電電極を兼ねる担持部材に磁気拘束して担
持させた導電性磁性粒子の磁気ブラシ部を有し、該磁気
ブラシ部を被帯電体に接触させ、担持部材に給電するも
のである。ファーブラシ帯電器は、給電電極を兼ねる担
持部材に担持させた導電性繊維のブラシ部を有し、該導
電性繊維ブラシ部を被帯電体に接触させ、担持部材に給
電するものである。
【0007】接触帯電には、放電現象による帯電が支配
的である系と、被帯電体面に対する電荷の直接注入(充
電)による帯電が支配的である系がある。
【0008】電荷注入帯電方式については例えば特開平
6−3921号公報に開示されている。この電荷注入帯
電方式は上記のような接触帯電部材に電圧を印加し、表
面に電荷注入層を設けた、被帯電体としての感光体上の
フロート電極に該感光体面に接触させた接触帯電部材か
ら電荷を注入して帯電を行なう方法である。具体的に
は、特開平6−3921号公報では、電荷注入層とし
て、感光体表面にアクリル樹脂に導電フィラー(導電性
粒子)であるアンチモンドープで導電化したSnO2
分散したものを塗工して用いることが可能であるとの記
述がある。
【0009】このような電荷注入・接触帯電方式は、放
電現象を用いないため、所望する感光体表面電位に等し
い直流電圧を接触帯電部材に印加することで感光体を該
所望の表面電位に帯電可能であり、またオゾンの発生も
ない。この場合における接触帯電部材は被帯電体面との
接触性(実質的に隙間無く接触)等の点から磁気ブラシ
帯電器やファーブラシ帯電器が好ましく用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】接触帯電方式の帯電装
置は、上記のように低オゾン・低電力等の利点を有する
反面、環境安定性に問題がある。
【0011】即ち、接触帯電部材の環境安定性がよくな
い、即ち接触帯電部材の抵抗が環境に依存して変動し易
いことで、帯電回路系全体の抵抗が変動し、帯電性能
(帯電性)が変動し易い。帯電性能の劣化方向への変動
(帯電不良)は、画像記録装置にあっては出力画像品質
の劣化を招く。
【0012】特に、接触帯電部材が磁気ブラシ帯電器で
ある場合には上記の環境依存現象が顕著である。また磁
気ブラシ帯電器の場合は、上述の環境による抵抗変動に
起因する帯電不良の発生以外にも、帯電性能が劣化する
ことで磁気ブラシ部と被帯電体間の電位差大きくなるた
めに、磁気ブラシ部から該磁気ブラシ部を構成している
導電性磁性粒子の被帯電体側への離脱・付着が顕著にな
る。
【0013】磁気ブラシ部からの導電性磁性粒子の離脱
は画像記録装置にあっては磁気ブラシ部がやせていくこ
とで帯電性能や出力画像品質の劣化を招くし、離脱して
像担持体面に付着した導電性磁性粒子は画像露光障害物
となったり、現像手段やクリーニング手段に持ち運ばれ
て混入して、出力画像品質を低下させる原因となる。
【0014】
【0015】
【0016】 そこで本発明は、接触帯電部材が磁気ブ
ラシ帯電器である、或は接触帯電部材として磁気ブラシ
帯電器を用いた接触帯電装置にあっては、良好な環境安
定性を具備させることで、磁気ブラシ部からの導電性磁
性粒子の離脱を防止あるいは低減化して導電性磁性粒子
の離脱による帯電性能の劣化を防止すること、接触帯電
部材として磁気ブラシ帯電器を用いた画像記録装置やプ
ロセスカートリッジにあっては、磁気ブラシ部からの導
電性磁性粒子の離脱に起因する出力画像品質の低下をな
くすことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、帯電装置、磁気ブラシ帯電器、画像記録装置
及びプロセスカートリッジである。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】 (1)被帯電体に接触する磁性粒子の磁
気ブラシを備え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電器
と、磁気ブラシ帯電器磁気ブラシ帯電器に電圧を印加
する電圧印加手段、被帯電体を備える帯電回路中に接続
された抵抗体と、を有する帯電装置において、前記磁性
粒子の抵抗は10 〜10 Ωcmであり、前記抵抗体
は、磁気ブラシ帯電器単体の抵抗の0.5倍以上であっ
て、かつ帯電回路の抵抗が10Ω以下となるような抵
抗を備え、15℃、10%から33℃、90%の温湿度
環境の変動に対して、抵抗体の抵抗変動は磁気ブラシ帯
電器単体の抵抗変動よりも小さいことを特徴とする帯電
装置。
【0027】(2)前記抵抗体が前記電圧印加手段に
して接続されている抵抗器であることを特徴とする
(1)に記載の帯電装置。
【0028】(3)前記抵抗体がヒューズ抵抗器である
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の帯電装
置。
【0029】(4)前記抵抗器が可変抵抗器であること
を特徴とする(2)または(3)に記載の帯電装置。
【0030】
【0031】(5)被帯電体は、その表面に10 9 〜1
14 Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の帯電装置。
【0032】 (6)磁気ブラシ帯電器に直流電圧が印
加されることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれ
か1つに記載の帯電装置。 (7)被帯電体に接触する磁性粒子の磁気ブラシと、こ
の磁気ブラシを担持する磁気ブラシ担持部材と、を備
え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電器であって、磁
気ブラシ担持部材は、電圧印加手段によって電圧が印加
される電極部材と、磁気ブラシと電極部材の間に介在さ
せた抵抗層と、を備える磁気ブラシ帯電器を有する帯電
装置において、前記磁性粒子の抵抗は10 〜10 Ω
cmであり、前記抵抗層は、抵抗層がない場合の磁気ブ
ラシ帯電器の抵抗の0.5倍以上であって、かつ磁気ブ
ラシ帯電器全体の抵抗が10Ω以下となるような抵抗
を備え、15℃、10%から33℃、90%の温湿度環
境の変動に対して、抵抗層の抵抗変動は抵抗層がない場
合の磁気ブラシ帯電器の抵抗変動よりも小さいことを特
徴とする帯電装置。 (8)被帯電体は、その表面に10〜1014Ω・c
mの電荷注入層を備えることを特徴とする(7)に記載
の帯電装置。 (9)磁気ブラシ帯電器に直流電圧が印加されることを
特徴とする(7)または(8)に記載の帯電装置。
【0033】 (10)被帯電体に接触する磁性粒子の
磁気ブラシと、この磁気ブラシを担持する磁気ブラシ担
持部材と、を備え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電
であって、磁気ブラシ担持部材は、電圧印加手段によ
って電圧が印加される電極部材と、磁気ブラシと電極部
材の間に介在させた抵抗層と、を備える磁気ブラシ帯電
において、前記磁性粒子の抵抗は10 〜10 Ωc
mであり、前記抵抗層は、抵抗層がない場合の磁気ブラ
シ帯電器の抵抗の0.5倍以上であって、かつ磁気ブラ
シ帯電器全体の抵抗が10Ω以下となるような抵抗を
備え、15℃、10%から33℃、90%の温湿度環境
の変動に対して、抵抗層の抵抗変動は抵抗層がない場合
磁気ブラシ帯電器の抵抗変動よりも小さいことを特徴
とする磁気ブラシ帯電器
【0034】(11)像担持体に該像担持体を帯電する
工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する
画像記録装置において、像担持体の帯電工程手段が、
(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の帯電装置で
あることを特徴とする画像記録装置。
【0035】
【0036】(12)像担持体が光導電性であり、この
像担持体に、該像担持体を帯電する工程、その帯電面に
露光により静電潜像を形成する工程、該静電潜像を帯電
したトナーにより可視化する工程を有する作像プロセス
で画像形成が実行されることを特徴とする(11)に記
載の画像記録装置。
【0037】(13)像担持体は、その表面に10 9
10 14 Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする
(11)または(12)に記載の画像記録装置。
【0038】
【0039】 (14)少なくとも、像担持体と、像担
持体を帯電する工程手段を包含して画像記録装置本体に
対して着脱されるプロセスカートリッジにおいて、像担
持体の帯電工程手段が、(1)ないし(9)のいずれか
1つに記載の帯電装置、もしくは(10)に記載の磁気
ブラシ帯電器であることを特徴とするプロセスカートリ
ッジ。
【0040】(15)像担持体は、その表面に10 9
10 14 Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする
(14)に記載のプロセスカートリッジ。
【0041】
【0042】 <作 用> a)接触帯電部材としての、磁性粒子の抵抗が10
10 Ωcmである磁気ブラシ帯電器と、該磁気ブラシ
帯電器に対する電圧印加手段と、被帯電体から構成され
る帯電回路中に磁気ブラシ帯電器単体の0.5倍以上の
抵抗を有する抵抗体を挿入し、かつ磁気ブラシ帯電器
と、電圧印加手段と、上記挿入の抵抗体と、被帯電体
(抵抗測定時には被帯電体に同形状の導電性部材)から
構成される帯電回路系全体の抵抗を10Ω以下とする
ことにより、磁気ブラシ帯電器の環境変動による抵抗変
動が上記挿入した抵抗体により吸収されることで、環境
が変化した場合であっても、帯電回路系全体の抵抗はほ
ぼ一定に保つことが可能である。即ち帯電性能を環境依
存させずに常に所定の一定状態に安定に持続させること
が可能となる。
【0043】
【0044】
【0045】 さらに温湿度環境の変動に対する抵抗体
(抵抗層)の抵抗変動を、15℃、10%から33℃、
90%の温湿度環境の変動に対して、抵抗体(抵抗層)
の抵抗変動は磁気ブラシ帯電器単体の抵抗変動よりも小
さいことと規定したことにより、接触帯電部材として磁
気ブラシ帯電器を用いた接触帯電方式の帯電装置であっ
ても、温湿度環境が変化した場合であっても、帯電性能
をほぼ一定に保つことができ、環境変動による帯電性能
の劣化に起因する磁気ブラシ部からの導電性磁性粒子の
離脱を防止あるいは低減化でき、導電性磁性粒子の離脱
による弊害をなくすことができる。
【0046】接触帯電部材が磁気ブラシ帯電器である画
像記録装置やプロセスカートリッジにあっては、磁気ブ
ラシ部からの導電性磁性粒子の離脱に起因する出力画像
品質の低下をなくすことができる。
【0047】上記の抵抗体は、接触帯電部材単体の抵抗
の0.5倍以上で、帯電回路系全体としては107 Ω以
下にする抵抗体であれば、帯電の環境安定性の効果、磁
気ブラシ帯電器にあっては磁気ブラシ部からの導電性磁
性粒子の離脱防止に効果が認められた。
【0048】抵抗体の抵抗が接触帯電部材単体の抵抗の
0.5倍より低い場合は接触帯電部材の抵抗が主になる
ために環境依存を抑えることができず、帯電回路系全体
として107 Ωを越える場合は帯電回路系の抵抗が高す
ぎるため十分な帯電性能を得ることができなかった。
【0049】b)抵抗体に、電圧印加手段に直結して挿
入されている抵抗器を用いることで、容易に帯電回路系
全体の抵抗を調整可能である。
【0050】c)その抵抗器にヒューズ抵抗器を使用す
ることで、過電流が流れたときに帯電回路系の通電を遮
断でき、被帯電体、接触帯電部材、電圧印加手段等の損
傷を防ぐことが可能である。
【0051】d)可変抵抗器を用いることで、接触帯電
部材の抵抗、磁気ブラシ帯電器にあっては磁気ブラシ部
を構成する導電性磁性粒子の組成を変更することなく、
画像記録装置等本体装置の各種仕様に合わせて容易に帯
電回路系の抵抗を所要に微調整することができる。
【0052】e)また抵抗体を、接触帯電部材の、被帯
電体に接触する導電性部材と、該導電性部材を担持し該
導電性部材に対して給電する電極部材の間に介在させた
抵抗層の形態で具備させる、磁気ブラシ帯電器にあって
は、被帯電体に接触する導電性磁性粒子の磁気ブラシ部
を磁気拘束して担持し該磁気ブラシ部に対して給電する
電極部材の磁気ブラシ部担持表面を被わせた抵抗層の形
態で具備させることによって、前記a)と同様の作用効
果を得ることができる。
【0053】またこの抵抗層を具備させた形態の接触帯
電部材ないしは磁気ブラシ帯電器は被帯電体上に存在す
るピンホール等の低耐圧欠陥部位に対しても極めて強い
耐圧性能を示した。また被帯電体に接触する導電性部材
ないしは磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ部を構成する導
電性磁性粒子に要求される抵抗特性を広げられるため、
材料や粒径などの他の特性を特定したものも選択可能に
なる。
【0054】
【発明の実施の形態】
〈実施形態例1〉(図1〜図4) (1)画像記録装置例の概略図1は本発明に従う画像記
録装置例の概略構成図である。本例の画像記録装置は、
転写式電子写真方式・プロセスカートリッジ着脱方式の
レーザービームプリンタである。
【0055】1は像担持体(被帯電体)としての回転ド
ラム型の電子写真感光体であり、中心支軸を中心に矢示
の時計方向aに所定の周速度(プロセススピード)、本
例では100mm/secをもって回転駆動される。本
例の感光体は表面に電荷注入層を設けたOPC感光体
(有機感光体)である。これについては(3)項で詳述
する。
【0056】2は該感光体1に対する接触帯電部材であ
り、本例は矢示の時計方向bに回転駆動されるスリーブ
回転タイプの磁気ブラシ帯電器である。これについては
(4)項で詳述する。
【0057】この磁気ブラシ帯電器2に帯電バイアス印
加電源S1から所定の帯電バイアス、本例では−700
Vの直流電圧が抵抗器(抵抗体)25を介して印加さ
れ、回転感光体表面が上記印加帯電直流電圧とほぼ同じ
−700Vに電荷注入方式で接触帯電処理される。
【0058】その回転感光体1の帯電処理面に対して露
光器としてのレーザースキャナ7によりレーザービーム
走査露光Lがなされて目的の画像情報に対応した静電潜
像が形成される。レーザースキャナ7は目的の画像情報
の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレ
ーザー光Lを出力する。7aはレーザースキャナ7から
の出力レーザー光Lを回転感光体1の画像露光部に偏向
するミラーである。
【0059】その回転感光体面の静電潜像が現像器3に
よりトナー画像として現像される。本例の場合は反転現
像器であり、静電潜像の露光明部にトナーが付着して潜
像の現像がなされる。3aは回転現像スリーブ、3bは
該現像スリーブ内に挿入配設したマグネットローラ、S
2は現像スリーブ3aに対する現像バイアス印加電源で
ある。現像スリーブ3aは感光体1の表面と0.3mm
隔てて対向しており、矢示の反時計方向に回転駆動され
てその周面に負に摩擦帯電されたトナーが薄層として塗
布されて感光体との対向部(現像部)へ搬送される。現
像スリーブ3aには現像バイアス印加電源S2により、
本例の場合は、−500Vの直流電圧と、周波数2.0
KHz、ピーク間電圧1.6kVの交流(交番)電圧を
重畳した現像バイアスを印加することで、感光体1の静
電潜像の露光明部に現像スリーブ3a側のトナーが電界
により選択的に付着して静電潜像のトナー現像がなされ
る。
【0060】回転感光体1面のトナー画像は感光体1と
転写器4との対向部である転写部Tにおいて、該転写部
Tに不図示の給紙機構部から所定のタイミングで給紙さ
れた記録材Pに対して転写される。転写器4は本例の場
合は感光体に当接させた転写ローラであり、この転写ロ
ーラ4に転写バイアス印加電源S3からトナーの帯電極
性とは逆極性の所定電圧の転写バイアスが印加されて、
転写部Tに導入された記録材Pの表面側に感光体1面側
のトナー画像が静電的に転写される。
【0061】転写部Tを通ってトナー画像の転写を受け
た記録材Pは回転感光体面から分離されて定着器5に導
入され、トナー画像の定着処理を受けてプリントとして
出力される。
【0062】また記録材分離後の回転感光体の面はクリ
ーニング器6により転写残りトナー等の付着残留物の除
去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
【0063】(2)プロセスカートリッジ10 10はプリンタ本体内の所定の部位に対して着脱自在に
装着されるプロセスカートリッジである。本例のもの
は、像担持体としての感光体1と、接触帯電部材として
の磁気ブラシ帯電器2と、現像器3と、クリーニング器
6の4つのプロセス機器を所定の相互配置関係をもって
一体的にカートリッジ筐体内に組み付けてプロセスカー
トリッジ10としてある。
【0064】このプロセスカートリッジ10をプリンタ
本体内の所定の部位に対して装着することで、該プロセ
スカートリッジ10とプリンタ本体側とが機械的・電気
的に所定に結合状態になり、プリンタが画像形成動作可
能状態になる。8・8はプロセスカートリッジ10の着
脱ガイド部材兼保持部材である。
【0065】(3)感光体1(図2) 本例で使用の感光体1は前述したように、表面に電荷注
入層を設けたOPC感光体(有機感光体)である。
【0066】図2は該感光体1の層構成模型図である。
11はアルミニウム製のドラム基体(Alドラム基体)
であり、その上に、下引き層12、正電荷注入防止層1
3、電荷発生層14、電荷輸送層15を順次に重ねて塗
工することで一般的なOPC感光体層を形成し、更にそ
の上に電荷注入層16を塗布して形成具備させたもので
ある。
【0067】本例における電荷注入層16は、光硬化型
のアクリル樹脂に、導電性粒子としてのSnO2 超微粒
子16a(径が約0.03μm)、4フッ化エチレン樹
脂(テフロン)などの滑剤、重合開始剤等を混合分散
し、塗工後、光硬化法により膜形成したものである。電
荷注入層16の抵抗値としては1×109 〜1×1014
(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0068】感光体層はCdSや、Si,Seなど無機
物半導体を用いることもできる。
【0069】(4)磁気ブラシ帯電器2(図3) 図3の(a)は帯電回路系の構成模型図、(b)はその
等価回路図である。
【0070】本例の接触帯電部材としての磁気ブラシ帯
電器2はスリーブ回転タイプのものである。この磁気ブ
ラシ帯電器2は、固定支持させたマグネットローラ2a
と、このマグネットローラ2aの外回りに同心に回転自
由に外嵌させた、表面の平均粗さRa1.2μmの非磁
性の導電性帯電スリーブ2bと、この帯電スリーブ2b
の外周面に帯電スリーブ内部のマグネットローラ2aの
磁力により吸着保持させて形成させた導電性磁性粒子の
磁気ブラシ層2cからなる。
【0071】マグネットローラ2aは帯電スリーブ表面
上で半径方向の磁束密度のピークが600Gを発生する
磁極を4極有するものを使用し、感光体1側に一つの磁
極が向くようにマグネットローラ2aを固定支持させ
た。
【0072】磁気ブラシ層2cを構成させる導電性磁性
粒子は、平均粒径が30μm、体積抵抗のオーダが1×
107 (Ωcm)のフェライト粒子であり、飽和磁化が
60(A・m2 /kg)のものを使用した。
【0073】導電性磁性粒子の抵抗測定は、底面積22
8mm2 の筒状の容器に導電性磁性粒子を2g充填して
加圧し、上下から100Vの電圧を印加してこの系に流
れる電流から算出し正規化したもので定義した。
【0074】導電性磁性粒子としては、フェライト、マ
グネタイトなど磁性金属粒子や、またこれらの磁性粒子
を樹脂で決着したものも使用可能である。抵抗値は1×
106 〜109 Ωcmのものが適当である。粒径につい
ては10〜50μmが適性であった。また、複数の磁性
粒子を混合し用いることで帯電性の向上も図ることが可
能である。
【0075】導電性磁性粒子の平均粒径は、水平方向最
大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により、粒子300個
以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をと
ることによって算出した。
【0076】導電性磁性粒子の磁気特性測定には理研電
子株式会社の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−
50を用いることができる。この際、直径(内径)6.
5mm、高さ10mmの円柱状の容器に導電性磁性粒子
を荷重約2g重程度で充填し、容器内で粒子が動かない
ようにしてそのB−Hカーブから飽和磁化を測定する。
【0077】而して、上記の磁気ブラシ帯電器2を、感
光体と略並行にして、帯電スリーブ2bの表面と感光体
1の表面との離間距離が0.5mmになるように長手方
向の端部をスペーサ部材(不図示)を介して感光体の端
部表面に当接して配設することで、磁気ブラシ層2cを
感光体1面に所定幅の帯電部nを形成させて接触させて
ある。
【0078】帯電スリーブ2bは帯電部nにおいて感光
体1の回転方向aとは逆方向である矢示の時計方向bに
感光体1の回転周速度100mm/secと同じ周速度
で回転駆動され、これに伴い磁気ブラシ層2cも同方向
に回転して感光体1面を摺擦する。
【0079】そして帯電時に該磁気ブラシ帯電器2の帯
電スリーブ2bに対して帯電バイアス印加電源S1から
抵抗器25を介して所定の帯電バイアス(本例では−7
00Vの直流電圧)が印加されることにより、磁気ブラ
シ層2cの導電性磁性粒子を通して帯電部nにおいて感
光体1の電荷注入層16に電荷が注入(充電)され、感
光体表面は磁気ブラシ帯電器2に対する上記印加帯電バ
イアスとほぼ同電位に帯電される。
【0080】電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で
中抵抗の表面抵抗を持つ被帯電体(感光体)表面に電荷
注入を行なうものであり、本例においては感光体表面材
質の持つトラップ電位に電荷を注入するものではなく、
電荷注入層16の導電性粒子(SnO2 )16aに電荷
を充電して帯電を行なう方式であり、図3の(b)の等
価回路のように、電荷輸送層15を誘電体とし、アルミ
ニウムドラム基体11と、電荷注入層16内の導電性粒
子16aを両電極板とする微小なコンデンサーに対し
て、接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくもの
と考えられる。この際、導電性粒子16aは互いに電気
的には独立であり、一種の微小なフロート電極を形成し
ている。このため、マクロ的には感光体表面は均一電位
に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小
な無数の充電された導電性粒子であるSnO2 が感光体
表面を覆っているような状況となっている。このため、
レーザー光によって画像露光Lを行なっても、それぞれ
のSnO2 粒子16aは電気的に独立なため、静電潜像
を保持することが可能になるものと予想する。
【0081】(5)抵抗体(抵抗器)25による環境安
定性 本例では、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2の
抵抗に近い、あるいはそれよりも大きな抵抗をもつ抵抗
器25を帯電回路系に直列に配置、本例では帯電バイア
ス印加電源S1に直結して該電源S1と磁気ブラシ帯電
器2間に直列に挿入配置することで、磁気ブラシ帯電器
2の環境依存による抵抗変動に起因する帯電不良の発
生、帯電性能の劣化に起因する、磁気ブラシ部から感光
体面への導電性磁性粒子の離脱付着を抑えることができ
た。
【0082】図4は、 A;磁気ブラシ帯電器2のみ B;抵抗器25 C;磁気ブラシ帯電器2+直列接続抵抗器25 のA〜C各場合の抵抗特性を使用環境を変えて測定した
結果である。
【0083】抵抗器25は、プレート抵抗器(FP=1
[500kΩ]:日本ヒドラゾン工業製)を使用した。
その他にも、一般の高耐圧、低温度係数の抵抗器が使用
可能である。
【0084】図4から、Aのように磁気ブラシ帯電器2
自体はその抵抗が環境の変化に対し大きく変化するが、
Bのように抵抗器25自体はほとんど変化がない。
【0085】またCのように磁気ブラシ帯電器2と同程
度の抵抗をもつ抵抗器25を磁気ブラシ帯電器に直列に
配置した磁気ブラシ帯電器2+抵抗器25の場合は抵抗
変動を小さくすることができる。
【0086】磁気ブラシ帯電器2の抵抗特性の測定は、
画像記録装置の感光体1のかわりに同形状のアルミニウ
ム製シリンダーを挿入し、磁気ブラシ帯電器2と該シリ
ンダー間に帯電時と等しい電圧を印加し、流れる電流か
ら抵抗値を換算した。
【0087】また、抵抗器25の抵抗特性の測定は素子
の両端に同等の電圧を印加し測定した。
【0088】従って、Cのように磁気ブラシ帯電器2と
同程度の抵抗をもつ抵抗器25を磁気ブラシ帯電器に直
列に配置した磁気ブラシ帯電器2+抵抗器25の系は、
接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器2の環境変動に
よる抵抗変動が上記挿入した抵抗器25により吸収され
ることで、環境が変化した場合であっても、帯電回路系
全体の抵抗はほぼ一定に保つことが可能で、帯電性能を
環境依存させずに常に所定の一定状態に安定に持続させ
ることが可能となる。
【0089】また環境変動による帯電性能の劣化に起因
する磁気ブラシ部からの導電性磁性粒子の離脱を防止あ
るいは低減化でき、導電性磁性粒子の離脱による弊害を
なくすことができる。
【0090】比較例として、抵抗器25を挿入しない前
記Aの磁気ブラシ帯電器2のみの帯電系においては(比
較例A)、使用環境が標準状態においては帯電性能が良
好で、また導電性磁性粒子の感光体面への付着が抑えら
れていても、画像記録装置の使用環境が例えば低温低湿
環境であった場合には、磁気ブラシ帯電器から構成され
る帯電系の抵抗が増加し、帯電性が劣化する。更に帯電
性能が劣化することで磁気ブラシ部と感光体の間の電位
差が大きくなるため導電性磁性粒子の感光体面への付着
も増加した。
【0091】一方、高温高湿環境に移った場合には、帯
電性能は良好であるが、帯電系の抵抗が低下したために
導電性磁性粒子の感光体面付着が増加し、印字後帯電不
良を引き起こした。
【0092】本実施形態例1のように、環境安定の抵抗
器25を磁気ブラシ帯電器2と電圧印加手段S1の間に
配置することにより、磁気ブラシ帯電器2の環境変化に
よる抵抗依存性を改善し、全ての環境において良好な帯
電性能を維持させ、また磁気ブラシ帯電器2における導
電性磁性粒子の感光体面付着を減少させ、印字後におい
ても十分な帯電性能を示した。
【0093】表1に、本実施形態例1の場合と、比較例
Aの場合との各環境下における性能評価を示した。
【0094】
【表1】 表中の帯電性評価については、前回露光を受けた感光体
部位の帯電不良より生じる帯電ゴーストについて評価
し、印字後の帯電性は5000枚印字後の帯電ゴースト
を評価した。
【0095】付着評価は、磁気ブラシ帯電器2から感光
体1への導電性磁性粒子の離脱付着に起因する弊害評価
であり、初期に帯電スリーブ2bに満遍なく担持させた
導電性磁性粒子の磁気ブラシにより5000枚の印字が
可能であったか否かを評価した。
【0096】本実施形態例において、抵抗器25は抵抗
500kΩのものを用いたが、およそ磁気ブラシ帯電器
2の抵抗の0.5倍以上で、帯電回路系全体としては1
7Ω以下にする抵抗器であれば、帯電性能性の維持、
導電性磁性粒子の感光体面への付着防止に効果が認めら
れた。
【0097】0.5倍より低い場合は磁気ブラシ帯電器
2の抵抗が主になるため環境依存を抑えることができ
ず、また磁気ブラシ帯電器全体としては107 Ωを越え
る場合は帯電系の抵抗が高すぎるため十分な帯電性を得
ることができなかった。
【0098】表2に、抵抗器25の抵抗を種々変えて各
環境下における性能評価をした結果を示した。
【0099】凡そ100kΩ(105 Ω)の磁気ブラシ
帯電器2を用い、抵抗器25の抵抗を10kΩから10
0MΩまで変化させて帯電性及び導電性磁性粒子の付着
評価をした。
【0100】
【表2】 抵抗器25が10kΩでは、磁気ブラシ帯電器2単体の
抵抗に対し一桁低い抵抗であるため、磁気ブラシ帯電器
の抵抗の環境変動を防止する効果はほとんどなく、磁気
ブラシ帯電器のみの前述比較例の場合と同等の結果にな
った。
【0101】従って、抵抗器25の抵抗としては、環境
変動を抑えるべく磁気ブラシ帯電器抵抗の0.5倍以上
である必要がある。
【0102】更に、抵抗値の高い100MΩの抵抗器2
5を挿入したときは、抵抗の環境変動はなくすことがで
きるが、帯電系の抵抗が高すぎるため、感光体1を充電
(帯電)するのに十分な電流を流すことができず、標準
状態においても帯電性を満足することができなかった。
【0103】帯電系全体としては107 Ω以下の抵抗に
なるような抵抗器25を挿入することで、安定した帯電
性の維持と、導電性磁性粒子の感光体面付着防止に効果
がある。
【0104】また、本実施形態例の構成の場合は、磁気
ブラシ部2cの組成を変更することなく、抵抗器25の
抵抗調整のみで磁気ブラシ帯電器2の抵抗調整を容易に
できるため様々な仕様の記録装置にも容易に応用可能で
ある。また、抵抗器25を可変抵抗器にすることで、さ
らに調整を容易にする。
【0105】また、抵抗器25としてヒューズ抵抗器を
使用することで、事故による過電流から、磁気ブラシ帯
電器2や感光体1あるいは電圧印加手段S1を保護する
ことも可能である。
【0106】以上、本実施形態例においては、環境依存
性の大きな磁気ブラシ帯電器に環境安定に優れた抵抗器
25を直列に配置することで、環境変動時の帯電系の抵
抗を一定に維持することで、安定した帯電性を維持し、
導電性磁性粒子の感光体面付着も防ぐことが可能にな
り、高品位な画像記録を長期にわたり維持させることが
できる。
【0107】〈実施形態例2〉(図5・図6) 本実施形態例は、帯電回路系に介入させる抵抗体を、図
5のように磁気ブラシ帯電器の帯電スリーブ2bの外周
面、即ち帯電スリーブ2bの磁気ブラシ層担持面を一様
に被わせた抵抗層2dとして具備させたものである。導
電性磁性粒子の磁気ブラシ層2cはこの抵抗層2dを介
して給電用電極部材としての帯電スリーブ2bに担持さ
れ、帯電スリーブ2bから該抵抗層2dを介して給電さ
れる。
【0108】他の帯電装置構成、プリンタ構成は実施形
態例1のものと同様であるので再度の説明は省略する。
【0109】抵抗層2dは、凡そ107 〜109 Ω・c
mの比抵抗をもつ抵抗材料を帯電スリーブ2bの外周面
に形成して具備させた。例えば、シリコーン樹脂、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂など硬質なバインダー
に導電性粒子を分散し抵抗調整し、塗布、乾燥し使用す
ることが可能である。また、光硬化法や熱硬化法により
作成することも可能である。
【0110】本実施形態例では抵抗層の耐久性と環境安
定性に優れたセラミックコート法による抵抗層2dを形
成し使用した。例えばアルミナなどの酸化物を抵抗調整
したものを高温で溶融状態にして塗布することにより、
帯電スリーブ2b表面に所望の特性を有する抵抗層2d
を形成した。形成された抵抗層2dの比抵抗は凡そ2×
108 Ω・cmであり、直径1.6cmの帯電スリーブ
2bに厚さ0.2mmにコートした。
【0111】得られた帯電スリーブ2bに導電性磁性粒
子を磁気付着させて磁気ブラシ層2cとして担持させ
て、抵抗層2dを有する磁気ブラシ帯電器2Aを構成
し、感光体と同形状の導電性シリンダーとの間に電圧を
印加して該磁気ブラシ帯電器2A抵抗を測定したとこ
ろ、環境安定に優れた抵抗層2dを有するため使用環境
を変えた場合の抵抗変化を抑えることが可能になった。
【0112】図6は抵抗特性の結果を表わしている。A
のように、抵抗層2dを有していない磁気ブラシ帯電器
2のみの場合(比較例A)の特性に比べ、Dのように、
抵抗層2dを施した磁気ブラシ帯電器2Aの場合の特性
は、環境安定性の点で優れていることを確認した。
【0113】表3に本実施形態例2の場合と、比較例A
の場合との各環境下における性能評価を示した。
【0114】
【表3】 表3から明らかなように、抵抗層2dのない磁気ブラシ
帯電器2を使用した比較例Aの場合に比べ、本実施形態
例2では、環境安定な抵抗層2dを帯電スリーブ2bの
表面に形成しているため帯電系の抵抗変化を少なくする
ことが可能であり、画像記録装置の環境が違う場合であ
っても、初期の帯電性及び印字後の帯電性、付着評価に
おいて優れていることを確認した。
【0115】さらに、帯電スリーブ2b面に一様に抵抗
層を形成することで、感光体1に欠陥があった場合にも
極めて強い特性を示し電圧降下が発生することはなかっ
た。
【0116】本構成の抵抗層としては、比抵抗2×10
8(Ω・cm)の抵抗層を形成したが、抵抗層の抵抗は
適当な範囲をもつ。磁気ブラシ帯電器単体の0.5倍以
上の抵抗を抵抗層にもたせるような比抵抗や形状を選ぶ
ことが必要である。つまり、磁気ブラシ+抵抗層の系の
抵抗から磁気ブラシ帯電器単体の抵抗を差し引いた抵抗
が、磁気ブラシ帯電器単体の0.5倍以上であることが
必要である。0.5倍より低い場合は、帯電系全体の抵
抗を主に磁気ブラシが負担することになるため帯電系の
抵抗変化を抑えることができなくなる。また、抵抗層は
帯電器全体としては107Ω以下になるよう調整する必
要がある。全体として107Ωを越える場合は帯電系の
抵抗が高すぎるため十分な帯電性を得ることができなか
った。表4に抵抗層の比抵抗を変えて抵抗層の抵抗を調
整して評価した結果を示す。
【0117】
【表4】 〈変形例等〉 1)本発明の接触帯電方式の帯電装置・帯電部材は、実
施形態例の画像記録装置における像担持体の帯電処理に
限らず、広く被帯電体の接触帯電処理手段として有効で
あることはもちろんである。
【0118】
【0119】2)磁気ブラシ帯電器は、マグネットロー
ラ2aが回転するものや、マグネットローラ2aの表面
を必要に応じて給電用電極として導電性処理してその面
に直接に導電性磁性粒子を磁気拘束させて磁気ブラシ層
2cを形成保持させ、マグネットローラを回転させる構
成のもの等にすることもできる。回転しないタイプの磁
気ブラシ帯電器とすることもできる。
【0120】3)被帯電体は注入帯電方式の場合には表
面抵抗が109 〜1014Ω・cmの層を持つことが望ま
しいが、放電による帯電が支配的なものであってもよ
い。
【0121】4)画像記録装置における像坦持体の帯電
面に対する情報書き込み手段としての画像露光手段は、
実施形態例で示した様なデジタル的な潜像を形成する
ーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常の
アナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも
構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッタ等の組
み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像
を形成できるものであるなら構わない。
【0122】また像担持体は静電記録誘電体などであっ
てもよい。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位
に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除
電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形
成する。
【0123】静電潜像の現像方式・手段は任意であり、
実施形態例の反転現像でなく、正規現像方式であっても
勿論よい。
【0124】5)また、転写方法としては、実施形態例
に示したローラ転写だけでなく、ブレード転写やその他
の接触転写帯電方式、更に転写ドラムや転写ベルトや中
間転写体などを用いて、単色画像形成ばかりでなく多重
転写等により多色、フルカラー画像を形成する画像形成
装置にも適応可能な事は言うまでもない。
【0125】6)プロセスカートリッジ10は実施形態
例のものに限らず、任意の作像プロセス機器の組み合わ
せをもって構成することができる。たとえば、像担持体
1と接触帯電部材2の組み合わせ、像担持体1と現像器
3又は/及びクリーニング器6の組み合わせ、像担持体
1と接触帯電器2と現像器3又は/及びクリーニング器
6の組み合わせなどである。
【0126】7)また、像担持体としての電子写真感光
体や静電記録誘電体を回動ベルト型にし、これに帯電・
潜像形成・現像の工程手段により所要の画像情報に対応
したトナー像を形成させ、そのトナー像形成部を閲読表
示部に位置させて画像表示させ、像担持体は繰り返して
表示画像の形成に使用する画像表示装置もある。本発明
の画像記録装置にはこのような画像表示装置も含む。
【0127】
【0128】
【0129】
【発明の効果】 以上説明したように、 接触帯電部材が磁
気ブラシ帯電器である、或は接触帯電部材として磁気ブ
ラシ帯電器を用いた接触帯電方式の帯電装置にあって
は、良好な環境安定性を具備させたことで、磁気ブラシ
部からの導電性磁性粒子の離脱を防止あるいは低減化し
て導電性磁性粒子の離脱による帯電性能の劣化を防止す
ること、接触帯電部材が磁気ブラシ帯電器である画像記
録装置やプロセスカートリッジにあっては、磁気ブラシ
部からの導電性磁性粒子の離脱に起因する出力画像品質
の低下をなくすことができる。
【0130】抵抗体に、電圧印加手段に直結して挿入さ
れている抵抗器を用いることで、容易に帯電回路系全体
の抵抗を調整可能である。その抵抗器にヒューズ抵抗器
を使用することで、過電流が流れたときに帯電回路系の
通電を遮断でき、被帯電体、接触帯電部材、電圧印加手
段等の損傷を防ぐことが可能である。可変抵抗器を用い
ることで、接触帯電部材の抵抗、磁気ブラシ帯電器にあ
っては磁気ブラシ部の組成を変更することなく、画像記
録装置等本体装置の各種仕様に合わせて容易に帯電回路
系の抵抗を所要に微調整することができる。
【0131】また抵抗体を、接触帯電部材の、被帯電体
に接触する導電性部材と、該導電性部材を担持し該導電
性部材に対して給電する電極部材の間に介在させた抵抗
層の形態で具備させる、磁気ブラシ帯電器にあっては、
被帯電体に接触する導電性磁性粒子の磁気ブラシ部を磁
気拘束して担持し該磁気ブラシ部に対して給電する電極
部材の磁気ブラシ部担持表面を被わせた抵抗層の形態で
具備させることによっても、前記と同様の作用効果を得
ることができる。
【0132】またこの形態の接触帯電部材ないしは磁気
ブラシ帯電器は被帯電体上に存在するピンホール等の低
耐圧欠陥部位に対しても極めて強い耐圧性能を示した。
また被帯電体に接触する導電性部材ないしは磁気ブラシ
帯電器の磁気ブラシ部を構成する導電性磁性粒子に要求
される抵抗特性を広げられるため、材料や粒径などの他
の特性を特定したものも選択可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における画像記録装置の構成略図
【図2】感光体の層構成模型図
【図3】(a)は帯電回路系の模型図、(b)はその等
価回路図
【図4】磁気ブラシ帯電器のみ、抵抗器、磁気ブラシ帯
電器+直列接続抵抗器の各場合の抵抗特性を使用環境を
変えて測定した結果グラフ
【図5】実施形態例2における帯電回路系の模型図
【図6】抵抗層を具備させた磁気ブラシ帯電器と、具備
させていない磁気ブラシ帯電器の抵抗特性を使用環境を
変えて測定した結果グラフ
【符号の説明】
1 被帯電体としての像担持体(電子写真感光体) 2・2A 接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電器 2a マグネットローラ 2b 帯電スリーブ 2c 磁気ブラシ層 2d 抵抗層 3 現像器 4 転写器(転写ローラ) 5 定着器 6 クリーニング器 7 露光器(レーザービームスキャナ) 10 プロセスカートリッジ 25 抵抗器 S1〜S3 バイアス印加電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−57958(JP,A) 特開 平8−69156(JP,A) 特開 平6−175462(JP,A) 特開 平6−19278(JP,A) 特開 平6−301264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/02 G03G 15/02

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に接触する磁性粒子の磁気ブラ
    シを備え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電器と、磁気ブラシ帯電器磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する
    電圧印加手段、被帯電体を備える帯電回路中に接続され
    た抵抗体と、 を有する帯電装置において、前記磁性粒子の抵抗は10 〜10 Ωcmであり、 前記抵抗体は、磁気ブラシ帯電器単体の抵抗の0.5倍
    以上であって、かつ帯電回路の抵抗が10Ω以下とな
    るような抵抗を備え、15℃、10%から33℃、90
    %の温湿度環境の変動に対して、抵抗体の抵抗変動は
    気ブラシ帯電器単体の抵抗変動よりも小さいことを特徴
    とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体が前記電圧印加手段に直列し
    て接続されている抵抗器であることを特徴とする請求項
    1に記載の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体がヒューズ抵抗器であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
  4. 【請求項4】 前記抵抗器が可変抵抗器であることを特
    徴とする請求項2または3に記載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 被帯電体は、その表面に10〜10
    14Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1つに記載の帯電装置。
  6. 【請求項6】 磁気ブラシ帯電器に直流電圧が印加され
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに
    記載の帯電装置。
  7. 【請求項7】 被帯電体に接触する磁性粒子の磁気ブラ
    シと、この磁気ブラシを担持する磁気ブラシ担持部材
    と、を備え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電器であ
    って、 磁気ブラシ担持部材は、電圧印加手段によって電圧が印
    加される電極部材と、磁気ブラシと電極部材の間に介在
    させた抵抗層と、を備える磁気ブラシ帯電器を有する帯
    電装置において、前記磁性粒子の抵抗は10 〜10 Ωcmであり、 前記抵抗層は、抵抗層がない場合の磁気ブラシ帯電器
    抵抗の0.5倍以上であって、 かつ磁気ブラシ帯電器全体の抵抗が10Ω以下となる
    ような抵抗を備え、15℃、10%から33℃、90%
    の温湿度環境の変動に対して、抵抗層の抵抗変動は抵抗
    層がない場合の磁気ブラシ帯電器の抵抗変動よりも小さ
    いことを特徴とする帯電装置。
  8. 【請求項8】 被帯電体は、その表面に10〜10
    14Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする請
    求項7に記載の帯電装置。
  9. 【請求項9】 磁気ブラシ帯電器に直流電圧が印加され
    ることを特徴とする請求項7または8に記載の帯電装
    置。
  10. 【請求項10】 被帯電体に接触する磁性粒子の磁気ブ
    ラシと、この磁気ブラシを担持する磁気ブラシ担持部材
    と、を備え、被帯電体を帯電する磁気ブラシ帯電器であ
    って、 磁気ブラシ担持部材は、電圧印加手段によって電圧が印
    加される電極部材と、磁気ブラシと電極部材の間に介在
    させた抵抗層と、を備える磁気ブラシ帯電器において、前記磁性粒子の抵抗は10 〜10 Ωcmであり、 前記抵抗層は、抵抗層がない場合の磁気ブラシ帯電器の
    抵抗の0.5倍以上であって、 かつ磁気ブラシ帯電器全体の抵抗が10Ω以下となる
    ような抵抗を備え、15℃、10%から33℃、90%
    の温湿度環境の変動に対して、抵抗層の抵抗変動は抵抗
    層がない場合の磁気ブラシ帯電器の抵抗変動よりも小さ
    いことを特徴とする磁気ブラシ帯電器
  11. 【請求項11】 像担持体に該像担持体を帯電する工程
    を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像
    記録装置において、 像担持体の帯電工程手段が、請求項1ないし9のいずれ
    か1つに記載の帯電装置であることを特徴とする画像記
    録装置。
  12. 【請求項12】 像担持体が光導電性であり、この像担
    持体に、該像担持体を帯電する工程、その帯電面に露光
    により静電潜像を形成する工程、該静電潜像を帯電した
    トナーにより可視化する工程を有する作像プロセスで画
    像形成が実行されることを特徴とする請求項11に記載
    の画像記録装置。
  13. 【請求項13】 像担持体は、その表面に10〜10
    14Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする請
    求項11または12に記載の画像記録装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも、像担持体と、像担持体を
    帯電する工程手段を包含して画像記録装置本体に対して
    着脱されるプロセスカートリッジにおいて、 像担持体の帯電工程手段が、請求項1ないし9のいずれ
    か1つに記載の帯電装置、もしくは請求項10に記載の
    磁気ブラシ帯電器であることを特徴とするプロセスカー
    トリッジ。
  15. 【請求項15】 像担持体は、その表面に10〜10
    14Ω・cmの電荷注入層を備えることを特徴とする請
    求項14に記載のプロセスカートリッジ。
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