JP5534329B2 - 粒子計測式水質分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、火力発電プラント等のプラントにおける定常運転時の系統水中の全鉄量を測定することができる粒子計測式水質分析装置に関し、さらには濁度やスケール量を同時に測定することができる水質分析装置に関する。
火力発電所等のプラントでは、起動時および定常運転時における水質管理指標として、全鉄濃度(鉄粒子・鉄コロイド・鉄イオン)を計測分析することが行われる。例えば、プラント起動時において、クリーンアップによる水質の上昇度合を確認するために全鉄濃度が測定される。また、プラント水中における鉄分の存在は、主蒸気弁や高圧ヒータドレン弁等のエロージョンを引起こす要因ともなるので、その観点からも常に監視しておく必要がある。
従来は、JISで規定された化学反応方式の分析法(TPTZ法)や濁度計が使用されてきた。例えば、前者の方法は、バッチ方式で採取したサンプル水に塩酸等の溶剤を添加して加熱することによりサンプル水中の鉄分の内の不溶性の鉄分を溶解して全ての鉄をイオン化し、所定の薬品を添加して発色させ、特定波長の光を照射して、所定幅のサンプル水層を通過する間に生じる光吸収により、鉄分濃度を計測するというものであった。
一方、濁度計による分析は精度が低く、化学反応方式の分析法を併用しなくてはならなかった。
しかしながら、化学反応方式の分析装置は、装置構成が複雑で測定時間が長くメンテナンスの頻度も高いことから、改善が望まれていた。例えば、この種の装置では、プランジャ式のポンプが使用されていたが、粒子状の鉄分を含んだサンプルを採取する際には、サンプル水中の粒子状の鉄分を均一に採取できず、寿命が極端に短くなる傾向があり、さらにサンプル水中に気泡があると、エアーロックによりポンプ吐き出しが不安定になるという問題があった。
そこで、発明者らは、火力発電所等のプラントの系統水からサンプル水を連続的に採取する手段と、レーザ光を照射して得られる粒子の有無による光の遮断・透過の明暗パターンを電気的なパルス信号に変換するセンサと、サンプル水の流量を測定する流量測定器と、センサからのパルス信号のパルス数を粒子数として、パルスの高さを粒径として計測する粒子測定装置と、流量測定器および粒子測定装置からの信号に基づいてサンプル水中の全鉄濃度を算出する制御装置を備える連続式鉄分析装置を提案した(特許文献1)。
特開2007−10407号公報
特許文献1により、火力発電所等の起動時のプラント系統水中の全鉄濃度を一定の精度をもって連続的に分析することが可能となった。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、定常運転時の低濃度の全鉄量を高精度に測定することができなかった。1年に1〜2回しか起動停止をしない火力発電所等の設備では、1年の殆どの期間定常運転であり、定常運転では系統水中の鉄量が低濃度の状態で稼働されることとなる。このような設備における定常運転時の傾向監視のために低濃度の全鉄量を測定する技術が求められていた。
また、全鉄濃度のみならず、剥離スケール量や濁度を同時に測定したいというニーズもあった。
そこで、本発明は、低濃度の全鉄量を測定することができ、さらには剥離スケール量や濁度を同時に測定することができる水質分析技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の技術手段から構成される。
[1]プラントの系統水からサンプル水を連続的に採取する手段と、採取したサンプル水をセル内に通過させ、光源からセル内に光を照射し、センサにより複数の粒径区分ごとに粒子数を測定する粒子測定手段と、サンプル水の流量を測定する流量測定器と、表示手段と、制御装置と、を備え、前記制御装置が、粒径区分ごとの粒子数および流量に基づき粒径区分ごとに鉄重量を算出し、それに特定の係数を乗じることにより低濃度の全鉄量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させる粒子計測式水質分析装置であって、前記制御装置が、粒径区分ごとの粒子数および流量に基づきクロム濃度を算出し、それに特定の係数を乗じることにより剥離スケール量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させること、または、特定の粒径区分における粒子数および流量に基づきクロム濃度を算出し、それに特定の係数を乗じることにより剥離スケール量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする粒子計測式水質分析装置。
]前記特定の粒径区分が、5μm以下の粒子を含む粒径区分であることを特徴とする[]の粒子計測式水質分析装置。
]前記制御装置が、粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき濁度を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする[1]または粒子計測式水質分析装置。
]前記制御装置が、粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき算出したトータル粒子濃度に特定の係数を乗じて高濃度の全鉄量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする[1]または粒子計測式水質分析装置。
]前記制御装置が粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき濁度を算出し剥離スケール量、濁度、低濃度の全鉄量および高濃度の全鉄量を、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする[]の粒子計測式水質分析装置。
]前記粒子測定手段が、100μm以下の粒子を測定することを特徴とする[1]ないし[]のいずれか粒子計測式水質分析装置。
本発明によれば、火力発電等のプラントの定常運転時における系統水中の低濃度の全鉄量を連続的に測定することが可能となる。
また、剥離スケール量や濁度を同時に連続的に測定することが可能となる。
実施例1に係る粒子計測式水質分析装置の構成図である。 実施例1に係るレーザ式粒子センサによる鉄粒子検知の説明図である。 実施例1に係る水質分析装置の出力画面である。 橘湾発電所の定常運転時における、特許文献1の分析装置による全濃度の相関を示すグラフである。 橘湾発電所の定常運転時における、本発明の分析装置による鉄濃度の相関を示すグラフである。 橘湾発電所の定常運転時における、本発明の分析装置による鉄濃度の長期トレンドを示すグラフである。 定期点検起動時のプラント系統水における、実施例1の分析装置によるクロム濃度測定値と手分析値との相関を示すグラフである。 定期点検起動時のプラント系統水における、クロム濃度と粒径別粒子数のトレンドを示すグラフである。 プラント系統水における、実施例1の分析装置による濁度測定値と精密濁度計による濁度測定値との相関を示すグラフである 阿南発電所における濁度の経時トレンドを示すグラフである。
本発明の水質分析装置は、発電プラントからサンプル水を取得し、サンプル水中の粒径別粒子数を測定し、全鉄濃度、クロム濃度および濁度を算出する機能を有している。以下では、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
1.分析装置の構成
本発明の水質分析装置は、粒子センサ12と、流量測定器13と、制御装置14とを備える。
粒子センサ12は、半導体レーザ照射式の粒子センサである。一般に粒径が大きい場合には遮断式、粒径が小さい場合には散乱式が使われるが、いずれを用いてもよい。粒子センサ12は、粒子径と個数に応じた光量を受光し、これをパルス信号にして出力する。制御装置14は、粒子センサ12からのパルス信号に基づいて、サンプルセル22を通過する粒径区分別の粒子の個数を算出する。
流量測定器13は、粒子センサ12を通過したサンプル水の流量を測定して、制御装置14に送信するためものである。粒子の計測は、流量の変動に対応できなければ、正確に行うことができないため、高精度の流量測定器は不可欠である。差圧式の微小流量調整器や容積式の微小流量計等のデジタル流量測定器を用いることもできるが、プラント起動初期の一時的な汚水流入や圧力変動によって直ぐに故障してしまうという問題があるため、特許文献1と同様にフロート式メータとその画像を撮像し、画像処理により流量を求める構成とすることが好ましい。
制御装置14は、粒子センサ12からの計測情報(粒径および粒子数)と、流量測定器13からの計測情報(流量)に基づきサンプル水中の全鉄濃度を算出する。制御装置14に、粒子センサ12を直接制御する手段を設けることにより、粒子測定装置を別個に設けることは不要となる。
2.鉄濃度測定
本発明で、計測対象となるのはサンプル水中の全ての粒子であり、酸化鉄などの鉄化合物粒子や鉄粒子などに限られない。一般にコロイドのサイズは1〜500nmと言われているが、コロイドやイオンを完全に無視した2〜100μmの粒子計測でも、プラント起動時の全鉄監視に必要とされる10〜1000ppbの範囲において、プラント起動時の各工程終了の判定指標とするのに必要な精度の全鉄濃度を測定することができる。
ここで、特許文献1の分析装置では、トータル粒子濃度に特定の係数を乗じ、全鉄量を算出する手法を採用していた。この手法は、プラント設備の起動時の高濃度全鉄量測定には適していたが、定常運転時の低濃度域(0〜50ppb、特に10ppb未満)の全鉄量測定においては必ずしも十分な測定精度を得られる訳ではなかった。図4は、橘湾発電所の定常運転時(平成18年4月5日〜平成19年2月20日)のプラント系統水における、特許文献1の分析装置による低濃度全鉄量測定値と手分析値との相関を示すグラフである。図4から、相関係数Rは0.5796と必ずしも高くないことが分かる。
そこで、本発明では、定常運転時の全鉄量測定においても高精度な計測を行うことを可能とすべく、粒径区分毎の粒子数を算出し、粒径区分毎の粒子数に体積換算に係る係数を乗じて全鉄量を算出する手法を用いることとした。すなわち、本発明では、粒径別粒子濃度毎に鉄重量を計算し、下記式1に係る特定の係数を乗じた後に総和することで全鉄濃度を算出している。
[式1]
:CH別平均粒径
:粒径別粒子数
Fe:鉄比重
Q:平均流量
α:トータル濃度換算係数
β:粒径別換算係数
3.クロム濃度測定
蒸気温度が500℃を超える配管や伝熱管では配管内面スケールが成長し、スケールが剥離飛散するとドレン弁やタービン翼が損傷を受けるという問題(スケール傷害)が知られている。配管内の剥離スケール量を適時に把握することは困難であるとされていたが、ある発電プラントの定検試運転時に剥離スケール測定実験を行った結果、クロム(Cr)濃度とスケール量との相関が見られたことから、Cr濃度を測定してリアルタイムで剥離スケールを測定することの知見を得た。配管合金元素の1つであるCrは蒸気系配管のみに含まれるところ、復水系統濾過採取粒子にCrが含まれるのは蒸気系配管内面を剥離したスケール(剥離スケール)である考えられることによる。すなわち、蒸気配管内面を剥離したスケールはタービン→復水器→復水系統に流れるため、復水系統の粒子数をモニタリングすることにより、間接的ではあるが、蒸気系配管内面のスケール剥離が検知できると考えられる。
さらに、特定粒径の粒子濃度とクロム濃度手分析値は、タービン起動直後からほぼ同様の挙動を示し、また初負荷から負荷上昇工程において最大濃度を計測するなど高い相関があるため、スケール傾向監視用としての性能を有していることの知見を得た。
本発明では、粒径別粒子濃度毎にクロム重量を計算し、下記式2に係る特定の係数を乗じた後にそれらを総和することでクロム濃度を算出している。なお、クロム重量の算出は、相関の高い特定のCHのみに基づいて行ってもよい。
[式2]
:CH別平均粒径
:粒径別粒子数
cr:クロム比重
Q:平均流量
γ:粒径別換算係数
δ:トータル濃度換算係数
剥離スケール量の算出は、事前に算出したクロム濃度と剥離スケール量の相関式に基づき行う。すなわち、クロム濃度にプラント固有のスケール換算係数(ε)を乗じることで、スケール量を算出している。制御装置14は、クロム濃度と剥離スケール量の相関式(手分析により規定したもの)を記憶しており、クロム濃度の算出値に基づき剥離スケール量を自動的に連続計算する。
4.濁度測定
濁度は、水の濁り度合いを表す指標の一つである。すなわち、その水が濁っていればいるほど、濁度は高くなり、その水が澄んでいればいるほど、濁度は低くなる。
濁度を測定するには種々の方法があり、主要なものとしては、透過光濁度(試料を通過した透過光の強度を測定し、標準液を用いて作成した検量線から求める)、散乱光濁度(試料水中の粒子によって散乱した光の強度を測定し、標準液を用いて作成した検量線から求める)、積分球濁度(試料水中の粒子による散乱光の強度と透過光の強度との比を求め、標準液を用いて作成した検量線から求める)が挙げられる。本発明にはいずれの手法を用いることができるが、流量測定器による測定情報を流用できる方法を採用するのが好ましい。
本発明では、粒径別粒子濃度毎に断面積を算出し、下記式3に係る特定の係数を乗じた後にそれらを総和することで濁度を算出している。
[式3]
:CH別平均粒径
:粒径別粒子数
Q:平均流量
ζ:トータル濃度換算係数
η:粒径別換算係数
なお、濁度の基準(標準)としては、ポリスチレン濁度標準、カオリン濁度標準、ホルマジン濁度標準があるが、後述の実施例1および図9の標準はポリスチレン濁度標準による。ポリスチレン濁度標準では、濁度標準物質にポリスチレン系粒子懸濁液(5種混合)を適用する。
以下では、本発明の詳細を実施例により説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
[装置構成]
実施例1の粒子計測式水質分析装置は、図1および図2に示すとおり構成される。
本発明の水質分析装置は、粒子センサ12と、流量測定器13と、制御装置14とを備えて構成される。
粒子センサ12は、図2に示すように、投光部21および受光部23とその間に位置するサンプルセル22とから構成される。投光部21は半導体レーザによる平行光源であり、レーザ光が照射されるサンプルセル22を鉄粒子が通過することによって受光部23が粒子径と個数に応じた光量を受光し、これをパルス信号にして出力する。粒子計測原理は、サンプル水にレーザ光を照射し、粒子の有無に伴って背後に生じる光の遮断・透過の明暗パターンを電気的なパルス信号に変換し、そのパルス数を粒子数として計測するものである。パルスの高さは粒径に対応しており、粒径が大きいほど光を通しにくいので、マイナス(暗)方向に高いパルスとなる。
制御装置14は、粒子センサ12からのパルス信号に基づき、当該パルス信号のパルス数を粒子数として、パルスの高さを粒径としてサンプルセル22を通過する粒径別の粒子の個数を算出する。
流量測定器13は、粒子センサ12を通過した0〜50mL/分のサンプル水の流量を測定して、制御装置14に送信する。プラント起動初期の汚水流入や圧力変動によっても故障することのないフローメータの流量値を撮像手段により撮像し、その画像に制御装置14により画像処理を施してフロート位置を算出することによりサンプル水の流量測定を自動で行う構成である。
レンジが0〜50mL/分(下端0・上端50)のフローメータの場合、例えば、画像処理によって検出されたフロート位置が下端0・上端50の中間であると、その時の流量は25mL/分と算出される。但し、フローメータの目盛はリニアではないため、その分の補正計算も行う必要がある。
制御装置14は、パネルPCに専用ソフトを導入して構成される。制御装置14は、粒子センサ12および流量測定器13からの計測情報に基づき、粒子濃度、濁度、全鉄濃度(高)、全鉄濃度(低)、スケール量を表示手段にリアルタイム表示する。
本実施例の制御装置14は、粒子センサ12を直接制御する手段を有しているので、粒子測定装置を別個に設けることは不要である。また、制御装置14は、微小粒子数が正確にカウントされない場合に検量線の勾配を補正する機能も有している。常時設置による汚れないしは経年劣化による測定精度の劣化が生じた際に、検量線の勾配を変化させることで、長期間にわたり分析精度を一定以上に保つことが可能である。
[粒径別粒子数の測定]
本実施例の装置は、粒径に応じて設定されたCH1〜CH6についての粒度分布を測定する。より詳細には、CH1は粒径2〜3μmの粒子数を、CH2は粒径3〜4μmの粒子数を、CH3は粒径4〜5μmの粒子数を、CH4は粒径5〜10μmの粒子数を、CH5は粒径10〜20μmの粒子数、CH6は粒径20〜100μmの粒子数を測定する。これら粒径別粒子濃度の測定情報に基づき、以下に述べる鉄濃度測定、クロム濃度測定、濁度測定を行う。
阿南4号起動時(2008年11月23日)における粒径別粒子数を表1に示す。
[鉄濃度の測定]
本実施例の装置は、プラント設備の定常運転時の低濃度全鉄量測定を行うために、粒径区分毎の粒子数を算出し、粒径区分毎の粒子数に体積換算に係る係数を乗じて全鉄量を算出している。すなわち、本実施例における全鉄濃度換算は、粒径別粒子濃度を換算して算出している。この方法により相関が向上し、低濃度時の全鉄濃度傾向監視が可能となった。
図5は、橘湾発電所の定常運転時(平成18年4月5日〜平成19年2月20日)のプラント系統水における、実施例1の分析装置による鉄濃度測定値と手分析値との相関を示すグラフである。図5(A)から、図4と比べ相関係数Rは0.7412に改善されていることが分かる。また、図5(B)から、全鉄量40ppb以下においては相関係数Rが0.9096と非常に高い値であることが分かる。
図6は、橘湾発電所の定常運転時における脱気タンクの鉄濃度の長期トレンドを示すグラフである。図6からも、実施例1に係る粒子計測と手分析値には、高い相関があることを確認することができる。
[クロム濃度の測定]
図7は、橘湾発電所の定期点検起動時(平成20年5月7日〜10日)のプラント系統水における、実施例1の分析装置によるクロム濃度測定値と手分析値との相関を示すグラフである。図7(A)から、CH1(2〜3μm)において、相関係数Rが0.8927とかなり高い値であることが分かる。また、図7(B)から、全CH(2〜100μm)において、相関係数Rが0.8892とかなり高い値であることが分かる。
各CHにおける相関係数について表2を参照しながら補足する。表2から、クロム濃度と特に相関が高いのはCH1および2であり、それに続き全CH、CH3の順で相関が低くなるという傾向が分かる。この結果から、クロム濃度を算出する際には、粒径2〜5μm(=CH1〜3)の粒子数を測定するのが好ましく、粒径2〜4μm(=CH1〜2)の粒子数を測定するのがより好ましいことが分かる。
図8は、橘湾発電所の定期点検起動時(平成20年5月7日〜10日)のプラント系統水における、クロム濃度と粒径別粒指数の相関を示すグラフである。測定対象となった配管の材質はSUS347HTB(Cr含有率20%)である。図8から、タービン起動時後(T)以降では、CH1およびCH2の粒子数とクロム濃度に相関があることが認められる。この結果からも、Cr濃度の算出には、4μm以下の粒子数を測定することが有効であることが確認できた。
実施例1では、制御装置14が予め記憶したクロム濃度と剥離スケール量の相関式に基づきクロム濃度の算出値からスケール量を自動的に計算し、表示手段(画面)にスケール量を連続出力する。
[濁度の測定]
本実施例の水質分析装置は、流量測定器からの測定情報に基づき系統水の濁度をリアルタイム監視することも可能である。
図9は、阿南発電所の平成20年11月23日〜29日のプラント系統水における、実施例1の分析装置による濁度測定値と精密濁度計による測定値との相関を示すグラフである。精密濁度計は、ミクニキカイ社の微粒子カウンタ付精密レーザー濁度計「ミルパゼロ」を使用した。図9から、相関係数Rが0.9616とかなり高い値であることが分かる。
図10は、阿南発電所における濁度の経時トレンドを示すグラフである。図10からも、実施例1に係る粒子計測と精密濁度計による測定値には、高い相関があることを確認することができる。
以上に説明した本実施例の水質分析装置によれば、40ppb以下の低濃度の全鉄量を連続的に測定することが可能である。また、クロム濃度や濁度を同時に連続的に測定することが可能である。
特許文献1に記載される鉄分析装置(比較例1)と、実施例1の水質分析装置との比較を表3に示す。なお、比較例1では粒径別粒子濃度を検量線の勾配補正のみに使用しており、全鉄濃度換算には使用していなかった。
本発明は、電力会社や各種工場の発電プラントにおける定常運転の傾向監視に利用することができる。
化学工業、原子力等の産業分野で使用されるクロムを含む鋼材からなる配管の剥離スケールの監視に利用することができる。
1 発電プラント
2 ボイラ
3 ヒータ
4 タービン
5 復水器
6 給水ポンプ
7 復水ポンプ
8 サンプル水導入管
10 水質分析装置
12 センサ
13 流量測定器
14 制御装置

Claims (6)

  1. プラントの系統水からサンプル水を連続的に採取する手段と、採取したサンプル水をセル内に通過させ、光源からセル内に光を照射し、センサにより複数の粒径区分ごとに粒子数を測定する粒子測定手段と、サンプル水の流量を測定する流量測定器と、表示手段と、制御装置と、を備え、
    前記制御装置が、粒径区分ごとの粒子数および流量に基づき粒径区分ごとに鉄重量を算出し、それに特定の係数を乗じることにより低濃度の全鉄量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させる粒子計測式水質分析装置であって、
    前記制御装置が、粒径区分ごとの粒子数および流量に基づきクロム濃度を算出し、それに特定の係数を乗じることにより剥離スケール量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させること、または、特定の粒径区分における粒子数および流量に基づきクロム濃度を算出し、それに特定の係数を乗じることにより剥離スケール量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする粒子計測式水質分析装置。
  2. 前記特定の粒径区分が、5μm以下の粒子を含む粒径区分であることを特徴とする請求項の粒子計測式水質分析装置。
  3. 前記制御装置が、粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき濁度を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする請求項1または2の粒子計測式水質分析装置。
  4. 前記制御装置が、粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき算出したトータル粒子濃度に特定の係数を乗じて高濃度の全鉄量を算出し、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする請求項1または2の粒子計測式水質分析装置。
  5. 前記制御装置が粒子測定手段および流量測定器からの信号に基づき濁度を算出し剥離スケール量、濁度、低濃度の全鉄量および高濃度の全鉄量を、表示手段にリアルタイム表示させることを特徴とする請求項の粒子計測式水質分析装置。
  6. 前記粒子測定手段が、100μm以下の粒子を測定することを特徴とする請求項1ないしのいずれか粒子計測式水質分析装置。
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