以下、実施形態を図面を用いて説明する。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。末尾に”Z”の付いている信号は、正論理を示している。先頭に”/”の付いている信号または末尾に”X”が付いている信号は、負論理を示している。図中の二重の四角印は、外部端子を示している。外部端子は、例えば、半導体チップ上のパッド、あるいは半導体チップが収納されるパッケージのリードである。外部端子を介して供給される信号には、端子名と同じ符号を使用する。
図1は、一実施形態における半導体メモリMEMの例を示している。例えば、半導体メモリMEMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。半導体メモリMEMは、クロック信号に同期して動作してもよく、クロック信号に非同期で動作してもよい。半導体メモリMEMは、メモリブロックの一例である複数のメモリセルアレイARY(ARYA、ARYB)、ワード制御部WCNT(WCNTA、WCNTB)、センスアンプSA(SAA、SAB)、メモリセルアレイARYA、ARYBに対応するアドレス変換部ACNV(ACNVA、ACNVB)およびリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTを有している。なお、半導体メモリMEMは、3以上のメモリセルアレイARYを有してもよい。
メモリセルアレイARYAは、マトリックス状に配置される複数のメモリセルMCと、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列にそれぞれ接続される複数のワード線WLA(WLA0、WLA1、...WLA7)とを有している。ワード線WLAは、番号が小さい順に図の左側から配置されている。メモリセルアレイARYBは、メモリセルアレイARYAと同じ構造を有しており、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列にそれぞれ接続される複数のワード線WLB(WLB0、WLB1、...WLB7)を有している。ワード線WLBは、番号が小さい順に図の左側から配置されている。
メモリセルMCは、データを保持するためのリフレッシュ動作が必要なダイナミックメモリセルである。リフレッシュ動作は、リフレッシュ要求信号RREQ毎に、ワード線WLAの1つとワード線WLBの1つにそれぞれ接続されるメモリセルMCで実行される。すなわち、メモリセルアレイARYA、ARYBは、リフレッシュ動作時に選択されるワード線のグループ単位で形成される。なお、ワード線WLA(またはWLB)の数は、8本に限定されない。
ワード制御部WCNTAは、アクセス動作またはリフレッシュ動作を実行するために、外部から供給される外部アドレス信号EADまたはリフレッシュアドレス信号RFAAに応じてワード線WLAの1つを選択する。ワード制御部WCNTBは、アクセス動作またはリフレッシュ動作を実行するために、外部から供給される外部アドレス信号EADまたはリフレッシュアドレス信号RFABに応じてワード線WLAの1つを選択する。例えば、アクセス動作は、外部アドレス信号EADに応じて実行される読み出し動作または書き込み動作である。
センスアンプSAAは、ワード制御部WCNTAにより選択されるワード線WLAの1つに接続されるメモリセルMCに保持されているデータを増幅する。センスアンプSABは、ワード制御部WCNTBにより選択されるワード線WLBの1つに接続されるメモリセルMCに保持されているデータを増幅する。リフレッシュ動作時にセンスアンプSAA、SABにより増幅されたデータは、メモリセルMCに書き戻される。読み出し動作時にセンスアンプSAA、SABにより増幅されたデータは、メモリセルMCに書き戻され、かつ半導体メモリMEMの外部に読み出しデータとして出力される。
リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTは、リフレッシュ動作を実行するワード線WLAの1つおよびワード線WLBの1つをメモリセルアレイARY毎に選択するためのリフレッシュアドレス信号RFAを、リフレッシュ要求信号RREQに応じて順に生成する。この例では、ワード線WLA(またはWLB)の数が8本であるため、3ビットのリフレッシュアドレス信号RFAが生成される。
アドレス変換部ACNVAは、リフレッシュアドレス信号RFAに基づいてリフレッシュアドレス信号RFAAを生成する。アドレス変換部ACNVBは、リフレッシュアドレス信号RFAに基づいて、リフレッシュアドレス信号RFAAと値が異なるリフレッシュアドレス信号RFABを生成する。各リフレッシュアドレス信号RFAA、RFABのビット数は、リフレッシュアドレス信号RFAのビット数と同じである。
アドレス変換部ACNVA、ACNVBは、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFABの値の組み合わせを、所定数のリフレッシュ動作毎に変更する。例えば、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFABの組み合わせは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に変更される。あるいは、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFABの組み合わせは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が所定の回数巡回する毎に変更される。
図2は、図1に示した半導体メモリMEMのリフレッシュ動作の例を示している。リフレッシュアドレス信号RFA、RFAA、RFABの値は2進数(左側が最上位ビット)で示している。リフレッシュアドレス信号RFAA、RFABの値は、ワード線WLA、WLBの番号(すなわち位置)を示す。
例えば、アドレス変換部ACNVAは、リフレッシュアドレス信号RFAの各ビットと論理0との排他的論理和を求め、求めた論理を有するリフレッシュアドレス信号RFAAを生成する。一方、アドレス変換部ACNVBは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTの1巡目のサイクルRC1において、リフレッシュアドレス信号RFAの最下位ビットの論理を反転し、反転した論理を有するリフレッシュアドレス信号RFABを生成する。すなわち、リフレッシュアドレス信号RFABは、リフレッシュアドレス信号RFAの最下位ビットと論理1との排他的論理和を求めることで生成される。
アドレス変換部ACNVBは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTの2巡目のサイクルRC2において、リフレッシュアドレス信号RFAの第2ビットの論理を反転し、反転した論理を有するリフレッシュアドレス信号RFABを生成する。すなわち、サイクルRC2では、リフレッシュアドレス信号RFABは、リフレッシュアドレス信号RFAの第2ビットと論理1との排他的論理和を求めることで生成される。
アドレス変換部ACNVBは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTの3巡目のサイクルRC3において、リフレッシュアドレス信号RFAの最上位ビットの論理を反転し、反転した論理を有するリフレッシュアドレス信号RFABを生成する。すなわち、サイクルRC3では、リフレッシュアドレス信号RFABは、リフレッシュアドレス信号RFAの最上位ビットと論理1との排他的論理和を求めることで生成される。なお、リフレッシュアドレス信号RFAとの排他的論理和をとるために生成される論理は、リフレッシュアドレス信号RFAが2巡する毎に変更してもよい。
この実施形態では、フレッシュアドレス信号RFAA、RFABの値の生成順序は互いに異なる。また、生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡するサイクルRC1−RC3毎に異なる。所定数のリフレッシュ動作毎に、選択されるワード線WLA、WLBの選択順序のパターンの組み合わせを変えることで、リフレッシュされるメモリセルMCの組み合わせを変えることができる。換言すれば、センスアンプSAで増幅されるデータのパターンを所定の頻度で変えることができる。この結果、リフレッシュ動作におけるセンスアンプSAの電源線の電圧降下量を平均化でき、センスアンプSAの動作マージンが低下することを防止できる。
これに対して、複数のメモリブロックを有する一般的なDRAMでは、リフレッシュ動作時に、共通のリフレッシュアドレス信号が各メモリブロックに供給され、同じ番号のワード線が選択される。すなわち、ワード線の選択順序のパターンの組み合わせは変更されない。例えば、1つのワード線に接続されるメモリセルのほとんどが論理1を保持しているとき、リフレッシュ動作によりセンスアンプからメモリセルに供給される電荷量は増える。これにより、センスアンプの電源線の電圧降下量は大きくなり、センスアンプの動作マージンは低下する。さらに、メモリセルの記憶ノードが高抵抗のリークパス(欠陥)を介して他のノードに接続されているとき、メモリセルの電荷の保持能力は低下する。この結果、リフレッシュ時のセンスアンプからメモリセルへの電荷供給量はさらに増加し、センスアンプの動作マージンはさらに低下する。
以上、この実施形態では、フレッシュアドレス信号RFAA、RFABの値の生成順序のパターンが、サイクルRC1−RC3毎に変えられる。これにより、リフレッシュ動作時にセンスアンプSAで増幅されるデータのパターンを所定の頻度で変えることができ、センスアンプSAの動作マージンが低下することを防止できる。特に、メモリセルMCにリークパスが存在するときに、センスアンプSAの動作マージンの低下を最小限にでき、半導体メモリMEMの信頼性を向上できる。
図3は、別の実施形態における半導体メモリMEMの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、クロック同期タイプのDRAMである。
半導体メモリMEMは、コマンドデコーダCMDD、アドレスラッチ回路ADL、データ入出力回路DIO、動作制御回路OPC、リフレッシュタイマREFT、パルス生成回路PLS、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよび4つのメモリコアMCORE(MCOREA、MCOREB、MCOREC、MCORED)を有している。メモリコアMCOREは、データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDに対応して形成されている。
コマンドデコーダCMDDは、クロック信号CLKに同期して受けるコマンド信号CMDをデコードし、デコード結果に応じてアクティブコマンド信号ACT、読み出しコマンド信号RD、書き込みコマンド信号WR、リフレッシュコマンド信号REFおよびプリチャージコマンド信号PRE等を出力する。例えば、コマンド信号CMDは、チップイネーブル信号、ロウアドレスストローブ信号、カラムアドレスストローブ信号、ライトイネーブル信号およびアウトプットイネーブル信号等を含んでいる。なお、クロック信号CLKは、クロック信号CLKに同期して動作する他の回路ブロックにも供給される。
アドレスラッチ回路ADLは、コマンド信号CMDとともに供給されるアドレス信号ADをラッチし、バンクアドレス信号BA、ロウアドレス信号RAおよびコラムアドレス信号CAとしてメモリコアMCOREに出力する。ロウアドレス信号RAおよびコラムアドレス信号CAは、共通のアドレス端子ADに供給されてもよく(アドレスマルチプレクス方式)、独立したアドレス端子ADに供給されてもよい(アドレスノンマルチプレクス方式)。
データ入出力回路DIOは、書き込み動作時に、データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDで受けるデータ信号を対応するメモリコアMCOREA、MCOREB、MCOREC、MCOREDに出力する。データ入出力回路DIOは、読み出し動作時に、メモリコアMCOREA、MCOREB、MCOREC、MCOREDから出力されるデータ信号を対応するデータ端子群DQA、DQB、DQC、DQDに出力する。
例えば、各データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDは、8ビット(DQ0−DQ7、DQ8−DQ15、DQ16−DQ23、DQ24−DQ31)である。なお、データ端子DQの数は、32ビットに限定されない。また、メモリコアMCOREおよびデータ端子群の数は、4つに限定されない。
動作制御回路OPCは、コマンドデコーダCMDDからの信号またはリフレッシュタイマREFTからの内部リフレッシュ要求信号IREFに応答して、アクティブ動作、読み出し動作、書き込み動作、リフレッシュ動作またはプリチャージ動作を実行するための制御信号(タイミング信号)を各メモリコアMCOREに出力する。具体的には、動作制御回路OPCは、アクティブコマンド信号ACTに応答してワード線WL(図4)を活性化し、センスアンプSAを動作させるための制御信号を出力する。動作制御回路OPCは、ワード線WLの活性化中に読み出しコマンド信号RDに応答して、センスアンプSAにラッチされたデータ信号をデータ入出力回路DIOに出力するための制御信号を出力する。
動作制御回路OPCは、ワード線WLの活性化中に書き込みコマンド信号WRに応答して、データ入出力回路DIOから供給されるデータ信号をメモリセルMC(図4)に書き込むための制御信号を出力する。動作制御回路OPCは、ワード線WLの非活性化中にリフレッシュコマンド信号REFまたは内部リフレッシュ要求信号IREFに応答して、ワード線WL(図4)を所定の期間活性化し、センスアンプSAを所定の期間動作させるための制御信号を出力する。動作制御回路OPCは、ワード線WLの活性化中にプリチャージコマンド信号PREに応答して、ワード線WLを非活性化するための制御信号を出力する。
リフレッシュタイマREFTは、所定の周期で内部リフレッシュ要求信号IREFを出力する。例えば、リフレッシュタイマREFTは、半導体メモリMEMがコマンド信号CMDの受け付けを禁止するセルフリフレッシュモード中に動作する。セルフリフレッシュモード中、リフレッシュ動作のみが、内部リフレッシュ要求信号IREFの周期毎に実行される。なお、リフレッシュタイマREFTは、常に動作させてもよい。このとき、半導体メモリMEMは、外部からのアクセス要求信号(読み出しコマンドRDおよび書き込みコマンドWR)とリフレッシュ要求信号IREFとの優先順を調停する調停回路を有する。あるいは、1回の読み出しアクセスサイクル時間(1回の書き込みアクセスサイクル時間)は、読み出し動作時間(書き込み動作時間)とリフレッシュ動作時間の合計以上に設定される。
パルス生成回路PLSは、リフレッシュコマンド信号REFまたは内部リフレッシュ要求信号IREFに応答して、パルス状のリフレッシュ要求信号RREQを生成する。なお、リフレッシュコマンド信号REFおよび内部リフレッシュ要求信号IREFがパルス信号のとき、パルス生成回路PLSの代わりにオア回路が配置される。リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTは、リフレッシュ要求信号RREQに応答してカウント動作し、リフレッシュアドレス信号RFAを順に生成する。
4つのメモリコアMCOREは、アドレス変換部ACNV(ACNVA、ACNVB、ACNVC、ACNVD)を除き、互いに同じ回路である。すなわち、メモリセルアレイARY(ARYA、ARYB、ARYC、ARYD)は、互いに同じ回路レイアウトを有している。ここでは、メモリコアMCOREAについて説明する。
メモリコアMCOREAは、アドレス変換部ACNVA、セレクタSELおよび複数のバンクBK(BK0、BK1、BK2、BK3)を有している。各バンクBKは、メモリブロックの一例であるメモリセルアレイARYAと、ロウデコーダRDECと、コラムデコーダCDECとを有している。メモリコアMCOREAがアクセスされるとき、バンクアドレス信号BAにより選択されるバンクBK0−BK3のいずれかが動作する。なお、メモリコアMCOREAおよび他のメモリコアMCOREB、MCOREC、MCOREDは、1つのバンクBK0のみを有していてもよい。
アドレス変換部ACNVAは、リフレッシュアドレス信号RFAの少なくとも1ビットの値を論理演算し、リフレッシュアドレス信号RFAAとして出力する。なお、他のアドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDは、論理演算するための論理回路(演算式)が異なることを除き、アドレス変換部ACNVAと同じ回路である。すなわち、アドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDは、リフレッシュアドレス信号RFAAとは値が異なるリフレッシュアドレス信号RFAB、RFAC、RFADを生成する。
セレクタSELは、リフレッシュ要求信号RREQが出力されるリフレッシュ動作時に、リフレッシュアドレス信号RFAAを選択してロウデコーダRDECに出力する。セレクタSELは、アクティブコマンド信号ACTが生成されるアクティブ動作時に、ロウアドレス信号RAを選択してロウデコーダRDECに出力する。なお、セレクタSELが受けるリフレッシュ要求信号RREQは、パルス生成回路PLSからのリフレッシュ要求信号RREQのパルス幅を引き延ばした信号であり、リフレッシュ動作の期間を示す。
ロウデコーダRDECは、セレクタSELを介して供給されるアドレス信号に応じてワード線WL(図4)のいずれかを選択する。すなわち、ロウデコーダRDECは、半導体メモリMEMの外部から供給されるロウアドレスRAまたはリフレッシュアドレス信号RFAAに応じてワード線WLの1つを選択するワード制御部として動作する。コラムデコーダCDECは、コラムアドレス信号CAに応じて所定数のビット線対BL、/BL(図4)を選択する。メモリセルアレイARYの例は、図4から図6に示す。
図4は、図3に示したメモリセルアレイARY(ARYA、ARYB、ARYC、ARYDのいずれか)の例を示している。例えば、メモリセルアレイARYは、8つのセル部CUと、一対のセル部CUの間にそれぞれ配置されるセンスアンプ領域SAARとを有している。例えば、各セル部CUは、ロウアドレス信号RAまたはリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの下位9ビットにより識別される512本のワード線WLを有している。例えば、512本のワード線WLの番号は、センスアンプSAに近い側か遠い側に向けて昇順に付けられる。ワード線WLの番号は、ロウアドレスRAおよびリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADにより示される。また、8つのセル部CUは、ロウアドレス信号RAの上位3ビットまたはリフレッシュアドレス信号RFAの上位3ビットにより識別される。
例えば、各セル部CUは、2048組のビット線対BL、/BLを有しており、8ビットのデータ端子DQに対応する8組のビット線対BL、/BLが、8ビットのコラムアドレス信号CAにより選択される。
図5は、図4に示したセル部CUおよびセンスアンプ領域SAARの例を示している。セル部CUは、マトリックス状に配置された複数のメモリセルMCと、メモリセルMCに接続される複数のワード線WLおよび複数の相補のビット線対BL、/BLとを有している。ワード線WLは、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列に交互に接続されている。相補のビット線BL、/BLは、図の横方向に並ぶダイナミックメモリセルMCの列に交互に接続されている。
メモリセルMCは、データを電荷として保持するためのキャパシタと、キャパシタの一端をビット線BL(または/BL)に接続するためのトランスファトランジスタとを有している。トランスファトランジスタのゲートはワード線WLに接続されている。キャパシタの他端は、三角印で示す基準電圧線に接続されている。例えば、基準電圧線の電圧は、センスアンプSAに供給される内部電源電圧VII(図6)の半分である。
キャパシタの脇に付けた”0”または”1”は、メモリセルMCが保持している論理の一例を示している。図5の縦方向に隣接するメモリセルMCのキャパシタ間を接続する太線の抵抗は、不良の原因となる高抵抗成分を示している。高抵抗成分は、図5の横方向に隣接するキャパシタ間にも接続される。あるいは、高抵抗成分は、キャパシタとトランスファトランジスあの拡散層との間にも接続される。高抵抗成分が出現する位置は、不良モードによって異なる。高抵抗成分による影響については、図15で説明する。
センスアンプ領域SAARは、ビット線スイッチBSW、センスアンプSA、コラムスイッチCSW、プリチャージ回路PREおよびビット線スイッチBSWを有している。
図6は、図5に示したセンスアンプ領域SAARの例を示している。ビット線スイッチBSWは、ビット線対BL、/BLをセンスアンプSAに接続するために、ゲートでビット線制御信号BTL(またはBTR)を受けるnMOSトランジスタ対を有している。半導体メモリMEMの読み出し動作、書き込み動作またはリフレッシュ動作において、ビット線制御信号BTL、BTRの一方がロウレベルに設定される。これにより、センスアンプSAは、隣接するセル部CUの一方のみに選択的に接続される。
センスアンプSAは、入力と出力が互いに接続された一対のCMOSインバータIV1、IV2を有している。CMOSインバータIV1、IV2のpMOSトランジスタP1、P2のソースは、センスアンプ活性化信号線LEZに接続されている。nMOSトランジスタN1、N2のソースは、センスアンプ活性化信号線LEXに接続されている。センスアンプSAは、センスアンプ活性化信号線LEZが内部電源線VIIに接続され、センスアンプ活性化信号線LEXが接地線VSSに接続されるときに動作し、ビット線対BL、/BLの電圧差を増幅する。内部電源電圧VIIは、電源電圧VDDを用いて半導体メモリMEM内部で生成される。
コラムスイッチCSWは、ビット線対BL、/BLをデータ線対DT、/DTに接続するnMOSトランジスタ対を有している。コラムスイッチCSWのnMOSトランジスタ対は、ゲートでハイレベルのコラム選択信号CLZを受けているときにオンする。
プリチャージ回路PREは、ビット線対BL、/BLをプリチャージ電圧線VPRに接続するnMOSトランジスタ対と、ビット線対BL、/BLをイコライズするnMOSトランジスタとを有している。プリチャージ回路PREのnMOSトランジスタは、ゲートでハイレベルのプリチャージ制御信号PREZを受けているときにオンする。例えば、プリチャージ電圧線VPRの電圧は、内部電源電圧VIIの半分に設定される。
図4に示した各セル部CUは、2048組のビット線対BL、/BLに対応する2048個のセンスアンプSAに接続されている。このため、リフレッシュ動作において、2048個のセンスアンプSAが同時に動作する。例えば、1つのワード線WLに接続される2048個のメモリセルMCの全てが論理1を保持しているとき、センスアンプSAは、リフレッシュ動作において全てのメモリセルMCに論理1を再書き込みする。このとき、センスアンプSAの電源線であるセンスアンプ活性化信号線LEZに流れる電流は最大になり、電圧降下量である電源ノイズも最大になる。あるいは、1つのワード線WLに接続される2048個のメモリセルMCの全てが論理0を保持しているとき、センスアンプSAは、リフレッシュ動作において全てのメモリセルMCに論理0を再書き込みする。このとき、センスアンプSAの別の電源線であるセンスアンプ活性化信号線LEXに流れる電流は最大になり、電圧上昇量である電源ノイズも最大になる。
図7は、図3に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAの例を示している。リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTは、直列に接続された12個のラッチ回路LT1を有している。各ラッチ回路LT1は、クロック端子で受ける信号の立ち下がりエッジに同期して、データ端子Dで受ける論理をラッチし、ラッチした論理をリフレッシュアドレス信号RFA(RFA0−RFA11のいずれか)として出力する。
データ端子Dには、出力端子の論理を反転した信号が供給される。初段のラッチ回路LT1は、クロック端子でリフレッシュ要求信号RREQを受けて動作する。2段目から最終段のラッチ回路LT1は、クロック端子で前段のラッチ回路LT1の出力を受けて動作する。これにより、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0を順に生成する12ビットのインクリメントカウンタとして動作する。
アドレス変換部ACNVAは、直列に接続された3つのラッチ回路LTT、LTB、LTBと、3つのアンド回路ANDと、3つの排他的論理和回路XORと、バッファ回路BUF1、BUF2とを有している。ラッチ回路LTTは、リセット端子RSに供給されるハイレベルのスタータ信号STTに応答して論理1状態にリセットされ、ハイレベルのアドレス変換信号ACA(ACA0)を出力する。
ラッチ回路LTBは、リセット端子RSに供給されるハイレベルのスタータ信号STTに応答して論理0状態にリセットされ、ロウレベルのアドレス変換信号ACA(ACA1またはACA2)を出力する。ラッチ回路LTT、LTBは、論理1または論理0にリセットされる記憶段として動作する。スタータ信号STTは、パワーオンリセット信号と同様に、半導体メモリMEMのパワーオン時に一時的にハイレベルに設定され、あるいは、試験モード中に試験コマンド等に応答して一時的にハイレベルに設定される。
各ラッチ回路LTT、LTBは、クロック端子で受けるシフト信号SFTの立ち下がりエッジに同期して、データ端子Dで受ける論理をラッチし、ラッチした論理をアドレス変換信号ACA(ACA2−ACA0のいずれか)として出力する。初段のラッチ回路LTTのデータ端子は、2段目のラッチ回路LTBに対応するアンド回路ANDの出力を受ける。2段目のラッチ回路LTBのデータ端子は、最終段のラッチ回路LTBに対応するアンド回路ANDの出力を受ける。最終段のラッチ回路LTBのデータ端子は、初段のラッチ回路LTTに対応するアンド回路ANDの出力を受ける。
これにより、3つのラッチ回路LTT、LTBは、シフト信号SFTに同期して出力する論理値をシフトするシフトレジスタSFRとして動作する。すなわち、各ラッチ回路LTT、LTBは、シフトレジスタSFRの記憶段として機能する。シフトレジスタSFRは、リフレッシュアドレス信号RFA11が論理1から論理0に変化するときにシフト動作し、アドレス変換信号ACA2−ACA0の論理を変更する。後述するように、リフレッシュアドレス信号RFAA2−RFAA0の値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
アンド回路ANDは、ラッチ回路LTT、LTB、LTBの出力にそれぞれ接続されている。各アンド回路ANDは、マスク信号MSKZがハイレベルに設定されているときに、アドレス変換信号ACAの論理に拘わりなくロウレベルを出力するマスク回路として動作する。このとき、リフレッシュアドレス信号RFAAの変換機能は無効になる。
マスク信号MSKZは、試験信号の一種であり、半導体メモリMEMの試験工程(製造工程の1つ)等において、全てのメモリコアMCOREで同じ番号のワード線WLに接続されるメモリセルMCのリフレッシュ動作を実行するときにハイレベルに設定される。試験工程では、後述する図15で説明するように、センスアンプSAの動作マージンを厳しくして動作試験が実施される。これにより、半導体メモリMEMの出荷後の不良の発生率を低くでき、信頼性を向上できる。
一方、半導体メモリMEMが図25に示すシステムSYSに搭載されているとき、マスク信号MSKZはロウレベルに固定され、リフレッシュアドレス信号RFAAの変換機能は有効になる。半導体メモリMEMは、マスク信号MSKZを受ける専用の試験端子を有している。あるいは、半導体メモリMEMは、試験コマンドに応じて書き換えられるレジスタの設定値に応じてマスク信号MSKZの論理レベルを決定してもよい。
排他的論理和回路XORは、アンド回路ANDの出力にそれぞれ接続されている。各排他的論理和回路XORは、対応するアンド回路ANDの出力がロウレベルのときに、リフレッシュアドレス信号RFA(RFA0−RFA2のいずれか)をリフレッシュアドレス信号RFAA(RFAA0−RFAA2のいずれか)として出力する。各排他的論理和回路XORは、対応するアンド回路ANDの出力がハイレベルのときに、リフレッシュアドレス信号RFA(RFA0−RFA2のいずれか)の論理を反転して、リフレッシュアドレス信号RFAA(RFAA0−RFAA2のいずれか)として出力する。
バッファ回路BUF1は、リフレッシュアドレス信号RFA11をシフト信号SFTとして出力する。すなわち、バッファ回路BUF1は、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTにより生成されるリフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0が一巡する毎にシフト信号SFTを生成するシフト生成部として動作する。各バッファ回路BUF2は、リフレッシュアドレス信号RFA(RFA3−RFA11のいずれか)をリフレッシュアドレス信号RFAA(RFAA3−RFAA11のいずれか)として出力する。
なお、ラッチ回路LTT、LTB、アンド回路ANDおよび排他的論理和回路XORの数を増加または減少させることで、値を変換するリフレッシュアドレス信号RFAAのビット数を増加または減少できる。この数は、リフレッシュを行うワード線の順序の入替えを行った際に、ある特定のワード線についてリフレッシュが行われる時間間隔が長くなり過ぎることによって、データが消滅してしまわないよう、適切に設定される。図8から図10に示すアドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDでも同様に、値を変換するリフレッシュアドレス信号RFAB、RFAC、RFADのビット数を増加または減少できる。
図8は、図3に示したアドレス変換部ACNVBの例を示している。図7に示したアドレス変換部ACNVAと同じ要素については、詳細な説明は省略する。アドレス変換部ACNVBは、シフトレジスタSFRを形成するラッチ回路LTT(またはLTB)の配置が、アドレス変換部ACNVAと相違している。その他の構成は、アドレス変換部ACNVAと同じである。
リフレッシュアドレス信号RFA0の論理を変換するためのラッチ回路LTTは、スタータ信号STTによるリセット時に、アドレス変換信号ACB0を論理1に設定する。リフレッシュアドレス信号RFA1の論理を変換するためのラッチ回路LTTは、スタータ信号STTによるリセット時に、アドレス変換信号ACB1を論理1に設定する。リフレッシュアドレス信号RFA2の論理を変換するためのラッチ回路LTBは、スタータ信号STTによるリセット時に、アドレス変換信号ACB2を論理0に設定する。これにより、リフレッシュアドレス信号RFAB2−RFAB0は、リフレッシュアドレス信号RFAA2−RFAA0と異なる論理に設定される。また、リフレッシュアドレス信号RFAB2−RFAB0の値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
図9は、図3に示したアドレス変換部ACNVCの例を示している。図7に示したアドレス変換部ACNVAと同じ要素については、詳細な説明は省略する。アドレス変換部ACNVCは、シフトレジスタSFRを形成するラッチ回路LTT(またはLTB)の配置が、アドレス変換部ACNVAと相違している。その他の構成は、アドレス変換部ACNVAと同じである。
アドレス変換部ACNVCでは、リフレッシュアドレス信号RFC2−RFC0にそれぞれ対応して、ラッチ回路LTT、LTT、LTBが配置される。ラッチ回路LTT、LTT、LTBは、アドレス変換信号ACC2−ACC0をそれぞれ出力する。アドレス変換部ACNVCにおいても、リフレッシュアドレス信号RFAC2−RFAC0の値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
図10は、図3に示したアドレス変換部ACNVDの例を示している。図7に示したアドレス変換部ACNVAと同じ要素については、詳細な説明は省略する。アドレス変換部ACNVDは、シフトレジスタSFRを形成するラッチ回路LTT(またはLTB)の配置が、アドレス変換部ACNVAと相違している。その他の構成は、アドレス変換部ACNVAと同じである。
アドレス変換部ACNVDでは、リフレッシュアドレス信号RFD2−RFD0にそれぞれ対応して、ラッチ回路LTT、LTB、LTBが配置される。ラッチ回路LTT、LTB、LTBは、アドレス変換信号ACD2−ACD0をそれぞれ出力する。アドレス変換部ACNVDにおいても、リフレッシュアドレス信号RFAD2−RFAD0の値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
図11は、図3に示した半導体メモリMEMの動作の例を示している。半導体メモリMEMは、アクティブコマンドACTとともに受けるロウアドレス信号RA(=m)を各メモリコアMCOREに供給する(図11(a))。データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDにそれぞれ対応する4つのメモリコアMCOREのロウデコーダRDECは、共通のロウアドレス信号RAを受け、同じ番号のワード線WLを活性化する。ワード線WLの活性化状態は、プリチャージコマンドPREを受けるまで維持される。
この後、半導体メモリMEMは、例えば、書き込みコマンドWRとともに受けるコラムアドレス信号CA(=a)を各メモリコアMCOREに供給する(図11(b))。データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDにそれぞれ対応する4つのメモリコアMCOREのコラムデコーダCDECは、コラムアドレス信号CAに応じたコラムスイッチCSWを所定の期間オンする。そして、データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDで受けるデータが、コラムアドレス信号CAに対応するメモリセルMCに書き込まれる。半導体メモリMEMは、プリチャージコマンドPREを受けたときに、活性化されているワード線WLを非活性化し、ビット線対BL、/BLをプリチャージする(図11(c))。
一方、半導体メモリMEMは、リフレッシュコマンド信号REFに応答してリフレッシュ要求信号RREQを生成する(図11(d))。リフレッシュ要求信号RREQは、4つのメモリコアMCOREに供給される。このとき、データ端子群DQA、DQB、DQC、DQDにそれぞれ対応する4つのメモリコアMCOREのアドレス変換部ACNVは、リフレッシュアドレス信号RFAに基づいて、値が互いに異なるリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADを生成する(図11(e))。
4つのメモリコアMCOREのロウデコーダRDECは、値が互いに異なるリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADを受け、異なる番号のワード線WLを活性化する。そして、活性化されたワード線に対応するセンスアンプSAが活性化され、メモリセルMCから読み出されるデータ信号を増幅する。増幅されたデータ信号は、メモリセルMCに書き戻される。すなわち、リフレッシュ動作が実行される。なお、リフレッシュコマンドREFの代わりに内部リフレッシュ要求信号IREFが生成されるときにも、リフレッシュ要求信号RREQが生成される。そして、値が互いに異なるリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADによりリフレッシュ動作が実行される。
図12は、図7から図10に示したアドレス変換部ACNVの動作の例を示している。まず、半導体メモリMEMへの電源電圧VDDの供給が開始されるとき(パワーオンPON)、スタータ信号STTは、電源電圧VDDが所定の値に上昇するまでハイレベルに設定される(図12(a))。各アドレス変換部ACNVのラッチ回路LTT、LTBは、スタータ信号STTのハイレベル期間にリセットされ、初期状態に設定される。
これにより、アドレス変換部ACNVAのラッチ回路LTT、LTBは、2進数で”001”のアドレス変換信号ACA2−0を出力する。アドレス変換部ACNVBのラッチ回路LTT、LTBは、2進数で”011”のアドレス変換信号ACB2−0を出力する。アドレス変換部ACNVCのラッチ回路LTT、LTBは、2進数で”110”のアドレス変換信号ACC2−0を出力する。アドレス変換部ACNVDのラッチ回路LTT、LTBは、2進数で”100”のアドレス変換信号ACD2−0を出力する(図12(b))。
この例では、マスク信号MSKZがロウレベルに非活性化されているため、アドレス変換部ACNVAは、リフレッシュアドレス信号RFA2−0とアドレス変換信号ACA2−0とを論理演算した値を、リフレッシュアドレス信号RFAA2−0として出力する。同様に、アドレス変換部ACNVB(またはACNVC、ACNVD)は、リフレッシュアドレス信号RFA2−0とアドレス変換信号ACB2−0(またはACC2−0、ACD2−0)とを論理演算した値を、リフレッシュアドレス信号RFAB2−0(またはRFAC2−0、RFAD2−0)として出力する。
リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡すると、リフレッシュアドレス信号RFA11およびシフト信号SFTは、ロウレベルに遷移する(図12(c))。これにより、各アドレス変換部ACNVのシフトレジスタSFRは、シフト動作し、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の値を変更する(図12(d))。これにより、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
以降、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の値は、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に変更される。換言すれば、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に、リフレッシュ動作時に4つのメモリコアMCOREで活性化されるワード線WLの選択順序のパターンが変更される。
なお、各アドレス変換部ACNVにシフトレジスタSFRと排他的論理和回路XORとを形成することで、4096通りのリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADを、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に漏れなく生成できる。さらに、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTの最上位ビットRFA11により、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡を容易に検出できる。
図13は、図3に示した半導体メモリMEMのリフレッシュ動作の例を示している。末尾に”h”を付けた数字は16進数を示す。この例では、アクセス要求信号(アクティブコマンド信号ACT、読み出しコマンド信号RDおよび書き込みコマンド信号WR)は、半導体メモリMEMに供給されず、リフレッシュ動作のみが繰り返し実行される。図3に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTは、リフレッシュ要求信号RREQの立ち下がりエッジに同期してリフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0の値を1つずつ増加する(図13(a))。リフレッシュ要求信号RREQは、半導体メモリの外部から供給されるリフレッシュコマンド信号REFまたはリフレッシュタイマREFTにより生成される内部リフレッシュ要求信号IREFに応答して生成される。
アドレス変換部ACNVAは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0に変更に応じて、リフレッシュアドレス信号RFAA11−RFAA0を変更する(図13(b))。同様に、アドレス変換部ACNVB(またはACNVC、ACNVD)は、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0に変更に応じて、リフレッシュアドレス信号RFAB11−RFAB0(またはRFAC11−RFAC0、RFAD11−RFAD0)を変更する。(図13(c、d、e))。
リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0の値が”FFFh”から”000h”に変わるとき、シフト信号SFTがロウレベルに変化する(図13(f))。シフト信号SFTの立ち下がりエッジに同期して、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の値(組み合わせ)が変更される(図13(g、h、i、j))。これにより、各アドレス変換部ACNVは、生成するリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの値の生成順序のパターンを変更する。
この実施形態では、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの上位9ビットの値は、互いに同じである。リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの下位3ビットは、互いに相違する。このため、4つのメモリコアMCOREにおいてリフレッシュ動作時に活性化されるワード線WLの位置(番号)は、隣接する8本のワード線WLの中で互いに異なる。
リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの下位ビットを相違させることで、リフレッシュ動作により1つのワード線WLが活性化される間隔であるリフレッシュ間隔がばらつくことを防止できる。この例では、最も長いリフレッシュ間隔と最も短いリフレッシュ間隔の差は、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの3ビット分であり、リフレッシュ要求信号IREFの8周期である。
12ビットのリフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0が一巡することにより4096回のリフレッシュ動作が実行されるため、リフレッシュ間隔のばらつきは0.2%である。したがって、リフレッシュタイマREFTの周期は、必要に応じて0.2%短くすればよい。例えば、リフレッシュタイマREFTをセルフリフレッシュモード中に動作させるとき、セルフリフレッシュモードでの消費電力の増加は僅かである。
図14は、試験モードでのアドレス変換部ACNVの動作の例を示している。図12と同じ動作については、詳細な説明は省略する。この例では、半導体メモリMEMの試験工程において、マスク信号MSKZは、半導体メモリMEMを試験するLSIテスタ等の試験装置により、パワーオンPONの後に、ロウレベルからハイレベルに設定される(図14(a))。これにより、各アドレス変換部ACNVのアンド回路ANDは、無効状態に設定され、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の論理に拘わりなくロウレベルを出力する(図14(b、c、d、e))。
これにより、リフレッシュアドレス信号RFAの変換機能は無効になり、全てのメモリコアMCOREにおいて、同じ番号のワード線WLに接続されるメモリセルMCがリフレッシュされる。リフレッシュ動作時のワード線WLの選択順序のパターンは、全てのメモリコアMCOREで常に同じになる。このため、図15で説明するように、センスアンプSAの動作マージンを厳しくして動作試験を実施できる。
図15は、図3に示した半導体メモリMEMのリフレッシュ動作におけるセンスアンプの動作の例を示している。この例では、各メモリコアMCOREの着目する1つのワード線WLに対して、書き込み動作WRが実行され、その後リフレッシュ動作REF(1)、REF(2)、REF(3)が連続して実行される。他のワード線WLに接続されるメモリセルMCには、論理1と論理0がランダムに書き込まれている。書き込み動作WRでは、着目するワード線WLに接続される全てのメモリセルMCに論理1が書き込まれる。矢印WLは、ワード線WLの活性化期間を示している。矢印SAは、センスアンプSAの活性化期間を示している。
一点鎖線は、センスアンプSA用の電源電圧SA−VIIおよび接地電圧SA−VSSの波形を示している。電源電圧SA−VIIは、ハイレベルのセンスアンプ活性化信号線LEZを生成するために使用される。接地電圧SA−VSSは、ロウレベルのセンスアンプ活性化信号LEXを生成するために使用される。破線は、メモリセルMCの記憶ノードSNの電圧を示している。記憶ノードSNは、図5に示したメモリセルMCにおいて、キャパシタとトランスファトランジスタの間のノードである。太い実線は、リフレッシュされるメモリセルMCに接続されるビット線BLの電圧を示している。細い実線は、リフレッシュ動作時に参照ビット線として動作するビット線/BLの電圧を示している。
上側の波形は、ワード線WLに接続されるメモリセルMCにリーク不良がないとき(正常セル)を示している。中央の波形は、ワード線WLに接続されるメモリセルMCにリーク不良があるとき(欠陥セル)を示している。下側の波形は、本実施形態が適用されない半導体メモリMEMにおいて、ワード線WLに接続されるメモリセルMCにリーク不良があるとき(欠陥セル)を示している。例えば、リーク不良は、図5に示した高抵抗成分により発生する。
なお、図15では、説明を簡単にするために、着目する1つのメモリセルMCのリフレッシュ動作を示している。また、実際には、リフレッシュ動作REF(1)、REF(2)の間隔およびリフレッシュ動作REF(2)、REF(3)の間隔は、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0が一巡する期間(4096回のリフレッシュ動作が実行される期間)に相当する。
正常なメモリセルMCでは、リフレッシュ動作において、ワード線WLの活性化によりメモリセルMCからビット線BLに電荷が読み出され、記憶ノードSNの電圧は低下する(図15(a))。この後、センスアンプSAが動作を開始し、ビット線BL、/BLの電圧差が増幅される(図15(b))。
この実施形態では、リフレッシュ動作により、活性化されたワード線WLに接続される2048個のセンスアンプSAが動作し、2048個のメモリセルMCに論理1が再書き込みされる。このため、電源電圧SA−VIIは一時的に低下し、接地電圧SA−VSSは一時的に上昇する(図15(c、d))。すなわち、電源ノイズが発生する。電源電圧SA−VIIは、ビット線BLを上昇させるために使用され、接地電圧SA−VSSは参照ビット線/BLを下降させるために使用される。
メモリセルMCにリーク不良がないとき、リフレッシュ動作のためにワード線WLが活性化されるまでに低下する記憶ノードSNの電圧の下降量は僅かである。このため、電源電圧線SA−VIIの電源ノイズは小さく、記憶ノードSNの電圧は、リフレッシュ動作により電源電圧SA−VIIまで容易に上昇する。
メモリセルMCにリーク不良があるとき、リフレッシュ動作のためにワード線WLが活性化されるまでに低下する記憶ノードSNの電圧の下降量は、正常セルに比べて大きい(図15(e))。このため、最初のリフレッシュ動作REF(1)では、メモリセルMCに十分な再書き込みができない。しかし、2回目以降のリフレッシュ動作REF(2)、REF(3)では、4つのメモリコアMCOREにおいて、リフレッシュ動作の対象のワード線WLの組み合わせが変更される。これによりセンスアンプSAを介して論理1が再書き込みされるメモリセルMCの数がリフレッシュ動作(1)に比べて少なくなると、電源電圧線SA−VIIから記憶ノードSNに供給される電荷の総量は小さくなり、電源電圧線SA−VIIの電圧降下量は小さくなる(図15(f))。記憶ノードSNに十分な電荷が供給できるため、記憶ノードSNの電圧は、最初のリフレッシュ動作REF(1)よりも上昇する(図15(g))。
このように、リフレッシュ動作が一巡する毎に、リフレッシュ動作の対象のワード線WLの選択順序のパターンを変えることで、メモリセルMCに保持されているデータのパターンに依存する電源電圧線SA−VIIの電圧降下量は平均化され、最悪時の電圧降下量を小さくできる。この結果、メモリセルMCにリーク不良があるときにも、リフレッシュ動作を正常に実行でき、センスアンプSAの動作マージンを向上できる。
一方、本実施形態が適用されない半導体メモリMEM(下側の波形)では、リフレッシュ動作が一巡しても、リフレッシュ動作の対象のワード線WLの組み合わせは変わらない。この例では、リフレッシュ動作毎に、ワード線WLに接続される全てのメモリセルMCに論理1が再書き込みされる。このため、電源電圧線SA−VIIから記憶ノードSNに供給される電荷の総量は大きくなり、電源電圧線SA−VIIの電圧降下量は大きくなる。これにより、記憶ノードSNに十分な電荷が供給できなくなり、リフレッシュ動作後の記憶ノードSNの電圧は、徐々に低下する(図15(h、i))。リフレッシュ動作REF(3)では、ビット線BLに読み出される電荷量が少ないため、センスアンプSAは、ビット線BL、/BLの電圧差を増幅できず、誤動作する。この結果、メモリセルMCに保持されているデータは破壊される。
なお、図14に示したように、試験工程において、マスク信号MSKZをハイレベルに設定することで、下側の波形に示したように、センスアンプSAの動作マージンを低くして、リーク不良を見つけ易くできる。リーク不良は、高抵抗成分による不良であるため、冗長回路による救済が可能である。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、各アドレス変換部ACNVにシフトレジスタSFRと排他的論理和回路XORとを形成することで、4096通りのリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADを、簡易かつ漏れなく生成できる。
図16は、別の実施形態におけるアドレス変換部ACNVAの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のアドレス変換部ACNVAは、図7に示した3つのラッチ回路LTT、LTBの代わりに3つの変換テーブルCTBLを有している。また、半導体メモリMEMは、リフレッシュアドレス信号RFA11を受けて動作する3ビットのアドレス変換カウンタACNVCを有している。
アドレス変換カウンタACNVCは、リフレッシュアドレス信号RFA11の立ち下がりエッジに同期してカウント動作し、制御信号の一例である3ビットのカウンタ値CNT0、CNT1、CNT2を巡回的に生成する。各変換テーブルCTBLは、カウンタ値CNT2−CNT0を入力端子IN2−IN0で受け、カウンタ値CNT2−CNT0が示す位置に記憶されている論理を有するアドレス変換信号ACA2−ACA0を出力する。すなわち、変換テーブルCTBLは、図7に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡するごとに、アドレス変換信号ACA2−ACA0の論理を変更する。アドレス変換部ACNVAのその他の構成は、図7に示したアドレス変換部ACNVAと同じである。
アドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDは、アドレス変換部ACNVAと同様に、3つのラッチ回路LTT、LTBの代わりに3つの変換テーブルCTBLを有している。変換テーブルCTBLは、不揮発性メモリや揮発性メモリで形成されてもよく、論理回路で形成されてもよい。変換テーブルCTBLが、揮発性メモリで形成されるとき、半導体メモリMEMのパワーオン時の初期化シーケンスにおいて、変換テーブルCTBLに論理が書き込まれる。
変換テーブルCTBLが生成する論理は、図17に示す。アドレス変換カウンタACNVCおよびアドレス変換部ACNVA、ACNVB、ACNVC、ACNVDを除く構成は、図3と同様である。すなわち、半導体メモリMEMは、クロック同期タイプのDRAMである。
図17は、図16に示した変換テーブルCTBLを有するアドレス変換部ACNVの動作の例を示している。図17では、アドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDに形成される変換テーブルCTBLの動作の例も示している。アドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDにより生成されるアドレス変換信号ACA2−ACA0、ACB2−ACB0、ACC2−ACC0、ACD2−ACD0の値は、互いに異なる。これにより、上述した実施形態と同様に、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の値を、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に変更できる。換言すれば、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に、リフレッシュ動作時に4つのメモリコアMCOREで活性化されるワード線WLの選択順序のパターンを変更さできる。
図18は、図16に示したアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMの動作の例を示している。図12と同じ動作については、詳細な説明は省略する。この実施形態では、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡し、シフト信号SFTがハイレベルからロウレベルに変化する毎に、カウンタ値CNT2−CNT0が更新される。そして、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の値が変更される。その他の動作は、図12と同じである。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、変換テーブルCTBLを用いることで、アドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の生成パターンを容易に増やすことができる。また、変換テーブルCTBLがメモリで形成されるとき、変換テーブルの仕様を容易に変更できる。
図19は、別の実施形態におけるリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAに対するリフレッシュアドレス信号RFA11−RFA0、RFAA11−RFAA0のビットの割り当てが、図7と相違している。すなわち、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTの下位側のラッチ回路LT1は、リフレッシュアドレス信号RFAの上位ビットに割り当てられている。
リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTとアドレス変換部ACNVAの接続関係は、図7と同じである。このため、シフト信号SFTは、リフレッシュアドレス信号RFA0に応じて生成される。アドレス変換部ACNVAのラッチ回路LTT、LTB、LTBは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9に対応するアドレス変換信号ACA11−ACA9を生成する。そして、排他的論理和回路XORは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9とアドレス変換信号ACA11−ACA9の排他的論理和をリフレッシュアドレス信号RFAA11−RFAA9として出力する。
他のアドレス変換部ACNVB、ACNVC、ACNVDにおいても、3つのラッチ回路LTT、LTBは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9に対応するアドレス変換信号ACB11−ACB9、ACC11−ACC9、ACD11−ACD9を生成する。アドレス変換部ACNVBの排他的論理和回路XORは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9とアドレス変換信号ACB11−ACB9の排他的論理和をリフレッシュアドレス信号RFAB11−RFAB9として出力する。
アドレス変換部ACNVCの排他的論理和回路XORは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9とアドレス変換信号ACC11−ACC9の排他的論理和をリフレッシュアドレス信号RFAC11−RFAC9として出力する。アドレス変換部ACNVDの排他的論理和回路XORは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9とアドレス変換信号ACD11−ACD9の排他的論理和をリフレッシュアドレス信号RFAD11−RFAD9として出力する。
リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVA、ACNVB、ACNVC、ACNVDを除く構成は、図3と同様である。すなわち、半導体メモリMEMは、クロック同期タイプのDRAMである。
図20は、図19に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMの動作の例を示している。この実施形態では、アドレス変換部ACNVA、ACNVB、ACNVC、ACNVDは、シフト信号SFTの立ち下がりエッジに同期して、アドレス変換信号ACA11−9、ACB11−9、ACC11−9、ACD11−9の組み合わせを変更する。その他の動作は、図12と同じである。これにより、図12と同様に、リフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの値の生成順序のパターンは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTが一巡する毎に変更される。
図21は、図19に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMのリフレッシュ動作の例を示している。この実施形態では、図13のアドレス変換信号ACA2−0、ACB2−0、ACC2−0、ACD2−0の代わりにアドレス変換信号ACA11−9、ACB11−9、ACC11−9、ACD11−9が生成される。このため、リフレッシュアドレス信号RFAA11−0、RFAB11−0、RFAC11−0、FRAD11−0の値が図13と異なる。その他の動作は図13と同じである。すなわち、各アドレス変換部ACNVは、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に、生成するリフレッシュアドレス信号RFAA、RFAB、RFAC、RFADの値の生成順序のパターンを変更する。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図19に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTを、図16に示した図16に示したアドレス変換カウンタACNVCおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMに形成してもよい。このとき、アドレス変換カウンタACNVCは、リフレッシュアドレス信号RFA0を受けて動作する
図22は、別の実施形態における半導体メモリMEMの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、クロック同期タイプのDRAMである。
この実施形態では、メモリコアMCOREAは、コラムアドレス信号の下位ビットCA1−CA0=”00”に割り当てられ、メモリコアMCOREBは、CA1−CA0=”01”に割り当てられている。メモリコアMCORECは、CA1−CA0=”10”に割り当てられ、メモリコアMCOREDは、CA1−CA0=”11”に割り当てられている。また、各メモリコアMCOREは、データ端子DQ0−DQ31で受けるデータを保持する。なお、メモリコアMCOREA、MCOREB、MCOREC、MCOREDは、1つのバンクBK0のみを有していてもよい。
メモリセルアレイARYの構成は、図4と同様である。但し、図4に示した各セル部CUにおいて、2048組のビット線対BL、/BLは、32ビットのデータ端子DQ0−31に対応する6ビットのコラムアドレスCA7−CA2により選択される。半導体メモリMEMのその他の構成は、コラムデコーダCDECの構成が異なることを除き、図3と同様である。アドレス変換部ACNVの動作およびリフレッシュ動作は、図3に示した半導体メモリMEMと同じである。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、コラムアドレスCA1−CA0の割り当てが異なるメモリコアMCOREを有する半導体メモリMEMにおいても、リフレッシュ動作時に4つのメモリコアMCOREで活性化されるワード線WLの選択順序のパターンを、所定の頻度で変更できる。この結果、メモリセルMCにリーク不良があるときにも、リフレッシュ動作を正常に実行でき、センスアンプSAの動作マージンを向上できる。
なお、図16に示したアドレス変換カウンタACNVCおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMのメモリコアMCOREの割り当てを、コラムアドレスCA1−CA0により変えてもよい。あるいは、図19に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMのメモリコアMCOREの割り当てを、コラムアドレスCA1−CA0により変えてもよい。
図23は、別の実施形態における半導体メモリMEMの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、クロック同期タイプのDRAMである。
この実施形態の半導体メモリMEMは、4つのメモリコアMCOREA、MCOREB、MCOREC、MCOREDに加えてパリティメモリコアPCOREを有している。パリティメモリコアPCOREは、アドレス変換部ACNVP、セレクタSELおよびバンクBK0−BK3を有している。各バンクBK0−BK3は、メモリブロックの一例であるメモリセルアレイARYPと、ロウデコーダRDECと、コラムデコーダCDECとを有している。メモリセルアレイARYPは、メモリセルアレイARYAと同じ回路レイアウトを有している。すなわち、パリティメモリコアPCOREは、アドレス変換部ACNVPを除き、各メモリコアMCOREと同じ回路構成を有している。なお、メモリコアMCOREA、MCOREB、MCOREC、MCOREDおよびパリティメモリコアPCOREは、1つのバンクBK0のみを有していてもよい。
アドレス変換部ACNVPは、他のアドレス変換部ACNVA、ACNVB、ACNVC、ACNVDとは異なる論理の3ビットのアドレス変換信号を生成する。アドレス変換部ACNVPは、シフトレジスタSFRを構成するラッチ回路LTT、LTBの論理仕様を除き、図7に示したアドレス変換部ACNVAと同じ回路である。そして、アドレス変換部ACNVPは、リフレッシュアドレス信号RFA11−RFA9と3ビットのアドレス変換信号の排他的論理和をリフレッシュアドレス信号RFAP(RFAP11−RFAP9)として出力する。
パリティメモリコアPCOREは、他のメモリコアMCOREと同じ記憶容量を有しており、データ信号DQ31−DQ0に対するパリティデータPDQ5−PDQ0(図24)を記憶する。なお、32ビットのデータ信号の1ビット誤りを検出し、訂正するために、6ビットのパリティデータが必要である。このため、8ビットのデータ幅のパリティメモリコアPCOREのうち、2ビット分の領域は使用されない。
さらに、半導体メモリMEMは、パリティ制御回路PCNTを有している。パリティ制御回路PCNTは、書き込み動作時に、データ端子DQ0−31で受ける書き込みデータ信号のパリティデータを生成する。パリティ制御回路PCNTは、32ビットの書き込みデータ信号を8ビットずつ4つのメモリコアMCOREに供給し、6ビットのパリティデータをパリティメモリコアPCOREに供給する。動作制御回路OPCは、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREに書き込み動作を実行する。書き込み動作では、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREのワード線WLは、ロウアドレスRAに基づいて活性化される。すなわち、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREの各々で活性化されるワード線WLの番号は、互いに同じである。
パリティ制御回路PCNTは、読み出し動作時に、4つのメモリコアMCOREから読み出される32ビットの読み出しデータと、パリティメモリコアPCOREから読み出される6ビットのパリティデータを受ける。パリティ制御回路PCNTは、パリティデータを用いて読み出しデータの誤りを訂正し、訂正したデータをデータ入出力回路DIOを介してデータ端子DQ0−31に出力する。読み出し動作においても、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREのワード線WLは、ロウアドレスRAに基づいて活性化される。すなわち、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREの各々で活性化されるワード線WLの番号は、互いに同じである。
なお、リフレッシュ動作は、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREに対して、共通のリフレッシュアドレス信号RFAを使用して同時に実行される。但し、リフレッシュアドレス信号RFAの下位ビットの値は、図12および図13と同様に変換される。したがって、4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREの各々で活性化されるワード線WLの番号は互いに異なる。また、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTのカウンタ値が一巡する毎に、リフレッシュ動作時に4つのメモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREで活性化されるワード線WLの選択順序のパターンが変更される。
図24は、図23に示した半導体メモリMEMのリフレッシュ動作の例を示している。上述したように、各メモリコアMCOREおよびパリティメモリコアPCOREでリフレッシュ動作のために活性化されるワード線WLの番号(ロウアドレス信号)は、互いに異なる。例えば、リフレッシュアドレスカウンタRACOUNTにより生成されるリフレッシュアドレス信号RFA11−0が”000h”のとき、リフレッシュ動作の対象のワード線WLの番号は、それぞれ”004h”、”005h”、”003h”、”002h”、”001h”である。
このうち、リフレッシュ動作時に、”004h”に対応するワード線WLに接続されるメモリセルMCの1つと、”005h”に対応するワード線WLに接続されるメモリセルMCの1つのデータが破壊されるとする。その後の読み出し動作において、”004h”に対応する4つのメモリコアMCOREのワード線WLに接続されるメモリセルMCからデータが読み出されるとき、パリティ制御回路PCNTは、メモリコアMCOREAの1ビット誤りを検出し、訂正する。同様に、”005h”に対応する4つのメモリコアMCOREのワード線WLに接続されるメモリセルMCからデータが読み出されるとき、パリティ制御回路PCNTは、メモリコアMCOREBの1ビット誤りを検出し、訂正する。すなわち、リフレッシュ動作時に発生した2ビット誤りを1ビット誤りとして検出し、訂正できる。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、パリティメモリコアPCOREを有する半導体メモリMEMにおいて、リフレッシュ動作時に互いに異なる番号のワード線WLを活性化することで、異なる番号のワード線WL上に2ビット誤りがある場合には2つの1ビット誤りとして検出できる。この結果、誤り訂正できない不良の発生確率を低減できる。
なお、図16に示したアドレス変換カウンタACNVCおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMに、図23に示したパリティ制御回路PCNTおよびパリティメモリコアPCOREを形成してもよい。あるいは、図19に示したリフレッシュアドレスカウンタRACOUNTおよびアドレス変換部ACNVAを有する半導体メモリMEMに、図23に示したパリティ制御回路PCNTおよびパリティメモリコアPCOREを形成してもよい。さらに、図22に示した半導体メモリMEMに、図23に示したパリティ制御回路PCNTおよびパリティメモリコアPCOREを形成してもよい。
図25は、上述した実施形態の半導体メモリMEMが搭載されるシステムSYSの例を示している。システムSYS(ユーザシステム)は、例えば、携帯機器等のマイクロコンピュータシステムの少なくとも一部を含んでいる。システムSYSの形態は、シリコン基板上に複数のマクロが集積されたシステムオンチップ、あるいはパッケージ基板上に複数のチップが搭載されたシステムインパッケージのいずれでもよい。
例えば、システムSYSは、CPU、ROMおよび周辺回路PERIと、上述した半導体メモリMEMのいずれかとを有している。CPU、ROM、周辺回路PERIおよび半導体メモリMEMは、システムバスSBUSにより互いに接続されている。ROMは、CPUにより実行されるプログラムを格納している。CPUは、ROMにアクセスするとともに、半導体メモリMEMにアクセスし、システム全体の動作を制御する。周辺回路PERIは、システムSYSに接続される入力装置および出力装置の少なくともいずれかを制御する。システムSYSに搭載された半導体メモリMEMは、CPUからのアクセス要求に応じて、書き込み動作、読み出し動作およびリフレッシュ動作を実行する。
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
複数のメモリセルと、前記メモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線とを各々含む複数のメモリブロックと、
第1リフレッシュアドレス信号をリフレッシュ要求信号に応じて生成するリフレッシュアドレスカウンタと、
前記メモリブロックに対応してそれぞれ設けられ、前記第1リフレッシュアドレス信号に基づいて前記メモリブロック毎に値が異なる複数の第2リフレッシュアドレス信号をそれぞれ生成するとともに、前記複数の第2リフレッシュアドレス信号の値の組み合わせパターンを所定数の前記リフレッシュ動作毎に変更する複数のアドレス変換部と、
前記メモリブロックに対応してそれぞれ設けられ、外部から供給される第1外部アドレス信号または前記第2リフレッシュアドレス信号に応じて前記ワード線の1つを選択する複数のワード制御部と、
前記メモリブロックに対応してそれぞれ設けられ、前記ワード制御部により選択される前記ワード線の1つに接続される前記メモリセルに保持されているデータ信号を増幅する複数のセンスアンプと
を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
(付記2)
前記各アドレス変換部は、
論理1または論理0にリセットされるn個(nは自然数)の記憶段を含み、所定数の前記リフレッシュ動作毎に生成されるシフト信号に応答して前記記憶段に保持されている論理を巡回的にシフトするシフトレジスタと、
前記記憶段から出力される論理と前記第1リフレッシュアドレス信号のnビットの値との排他的論理和を求め、前記第2リフレッシュアドレス信号のnビットの値として出力する演算回路と
を備えていることを特徴とする付記1記載の半導体メモリ。
(付記3)
前記リフレッシュアドレスカウンタにより生成される前記第1リフレッシュアドレス信号が一巡する毎に前記シフト信号を生成するシフト生成部を備えていること
を特徴とする付記2記載の半導体メモリ。
(付記4)
前記シフト生成部は、前記リフレッシュアドレスカウンタの最上位ビットが前記第1リフレッシュアドレス信号の一巡を示す論理に変化することに応答して前記シフト信号を生成すること
を特徴とする付記3記載の半導体メモリ。
(付記5)
前記各アドレス変換部は、
制御信号の論理に応じて値が異なるnビット(nは自然数)の論理を出力する変換テーブルと、
前記変換テーブルから出力される論理と前記第1リフレッシュアドレス信号のnビットの値との排他的論理和を求め、前記第2リフレッシュアドレス信号のnビットの値として出力する演算回路と
を備えていることを特徴とする付記1記載の半導体メモリ。
(付記6)
前記リフレッシュアドレスカウンタの最上位ビットの出力を受けてカウント動作し、カウンタ値を前記制御信号として出力するアドレス変換カウンタを備えていること
を特徴とする付記5記載の半導体メモリ。
(付記7)
前記各アドレス変換部は、前記第1リフレッシュアドレス信号の下位側のnビットの値を受け、前記第2リフレッシュアドレス信号の下位側のnビットの値として出力し、
前記第1リフレッシュアドレス信号の残りのビットは、変換されることなく前記第2リフレッシュアドレス信号の残りのビットとして出力されること
を特徴とする付記1ないし付記6のいずれか1項記載の半導体メモリ。
(付記8)
前記各アドレス変換部は、試験信号を受けているときに変換機能を停止し、前記第1リフレッシュアドレス信号を前記第2リフレッシュアドレス信号として出力するマスク回路を備えていること
を特徴とする付記1ないし付記7のいずれか1項記載の半導体メモリ。
(付記9)
前記メモリブロックに書き込まれるデータ信号の誤りを訂正するためのパリティデータ信号を保持するパリティメモリブロックを備え、
前記各メモリブロックに対応してそれぞれ設けられ、前記パリティデータ信号を生成する書き込み動作時および前記パリティデータ信号を用いて前記データ信号の誤りを訂正する読み出し動作時に前記第1外部アドレス信号を選択し、前記リフレッシュ動作時に前記第2リフレッシュアドレス信号を選択し、選択した信号を前記ワード制御部に出力するセレクタと
を備えていることを特徴とする付記1ないし付記8のいずれか1項記載の半導体メモリ。
(付記10)
データ信号を受ける複数のデータ端子を備え、
前記メモリブロックは、互いに異なるデータ端子で受けるデータ信号をそれぞれ保持すること
を特徴とする付記1ないし付記9のいずれか1項記載の半導体メモリ。
(付記11)
前記ワード線を選択する第1アドレス信号と、前記第1アドレス信号により選択される前記ワード線の1つに接続される前記メモリセルのうち、データ端子で受けるデータ信号が書き込まれるメモリセルを選択する第2外部アドレス信号とを受けるアドレス端子を備え、
前記メモリブロックは、前記第2外部アドレス信号の割り当てがそれぞれ異なること
を特徴とする付記1ないし付記9のいずれか1項記載の半導体メモリ。
(付記12)
複数のメモリセルと、前記メモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線とを各々含む複数のメモリブロックを備えている半導体メモリの動作方法であって、
第1リフレッシュアドレス信号に基づいて前記メモリブロック毎に値が異なる複数の第2リフレッシュアドレス信号を生成し、
前記複数の第2リフレッシュアドレス信号のそれぞれに応じて前記メモリブロック毎に前記ワード線の1つを選択して前記リフレッシュ動作を実行し、
前記複数の第2リフレッシュアドレス信号の値の組み合わせを所定数の前記リフレッシュ動作毎に変更すること
を特徴とする半導体メモリの動作方法。
(付記13)
前記第1リフレッシュアドレス信号のnビット(nは自然数)に対応して、前記メモリブロック毎に値の異なるnビットの論理値を生成し、
前記第1リフレッシュアドレス信号のnビットの値と前記論理値との排他的論理和を、前記第2リフレッシュアドレス信号のnビットの値として生成し、
前記論理値を所定数の前記リフレッシュ動作毎に巡回的に変更すること
を特徴とする付記12記載の半導体メモリの動作方法。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。