JP5533061B2 - 密閉型圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気冷蔵庫、エアーコンディショナー、冷凍冷蔵装置等の冷凍サイクルに用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
近年、家庭用冷蔵庫は省エネルギー化が進み、家庭用冷蔵庫に搭載される密閉型圧縮機においても高効率化が進んできている。
そういった中、従来、家庭用冷蔵庫に搭載されるこの種の密閉型圧縮機は、効率を向上させるためにピストン凸部により吐出孔のデッドボリュームを低減し、圧縮ガスの再膨張による損失低減や能力の低下を抑えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機について説明する。
図26は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図27は、従来の密閉型圧縮機の要部断面図、図28は、従来の密閉型圧縮機のピストンの斜視図である。
図26から図28に示すように、従来の密閉型圧縮機20は、密閉容器1内に、圧縮要素2と電動要素3を収容し、内部空間には冷媒ガス4が充填されている。
圧縮要素2は、略円筒形のシリンダ5内に自在に往復動できるようにピストン6が挿入され、ピストン6を連結手段7によってクランクシャフト8の偏心部9と連結した構成を具備している。
また、シリンダ5の端部には、吸入孔11と吐出孔12とを備えたバルブプレート10が配設されており、吸入孔11と吐出孔12をそれぞれ開閉する吸入弁(図示せず)と吐出弁(図示せず)とを備えている。
シリンダ5、バルブプレート10、ピストン6により圧縮室19が形成され、電動要素3の回転力を伝達するクランクシャフト8の回転によりシリンダ5内をピストン6が往復運動し、これにより圧縮室19で冷媒ガス4を吸入、圧縮、吐出させる圧縮機構となっている。
また、図27と図28に詳細に示すように、従来の密閉型圧縮機20は、吐出孔12のデッドボリュームを低減するために、ピストン6のバルブプレート10側の端面(先端面)に、吐出孔12に対応する凸部14を設けている。このピストン6の凸部14は円柱(円筒)形状または錐形状であり、バルブプレート10の吐出孔12にピストン6の凸部14が入り込む位置に形成されている。
また、流体技術において、流体を吐出する吐出孔の入口周縁に断面が円弧となるベルマウスを形成し、流体の流れに伴う入口周縁での損失を低減する技術を開示した書籍も知られている(例えば、非特許文献1参照)。
特許第3205122号公報
工学基礎 流体の力学 三訂版 (培風館 1990 P.184〜185)
しかしながら、上記従来の構成では、ピストン6のバルブプレート10側に設けられた凸部14が吐出孔12に入り込み、デッドボリュームを低減できるものの、徐々に冷媒ガス4の流通面積が減少する構成であり、また圧縮室19内における冷媒の複雑な挙動も伴って、圧縮室19内や吐出孔12における他の損失が増大し、圧縮室19から流出しきれなかった、すなわち、圧縮室19内に溜まり込んだ(残存した)冷媒ガスによって過圧縮が生じる等、結果として密閉型圧縮機20におけるデッドボリューム低減による効果が十分に発揮できないという課題があった。
また、上記従来の密閉型圧縮機20の吐出孔12に、上記非特許文献1に開示される構成を応用することも想定されるが、凸部14による吐出孔12周辺の損失(冷媒の複雑な挙動)に起因して十分な効果が期待できないことが予測される。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、デッドボリュームを低減するとともに、圧縮室内や吐出孔における損失を低減することによって、効率の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、ピストンの先端面に設けた凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、平面が吸入孔側に面するように配置したものである。
これにより、デッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮り、平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程の終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(量)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減することができる。
また、これにより、前記吸入孔から流れ込み、吐出孔に向かう気体の流れを遮ることができ、これに伴って前記吐出孔に向かう気体の流れを生成し、特に圧縮行程終了時の圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
本発明の密閉型圧縮機は、ピストンの先端面に、該ピストンがバルブプレートに接近したときに吐出孔内に入り込む凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設けたもので、圧縮室内や吐出孔における損失を低減し、密閉型圧縮機の効率を高めることができる。
また、本発明は、高効率の密閉型圧縮機の搭載により、消費電力(量)を抑制した冷凍装置を得ることができ、家庭用冷蔵庫を初めとして、除湿機やショーケース、自動販売機等の装置の省エネルギー化を実現することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの要部斜視図 同実施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの要部側面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの圧縮面から見た凸部の吸入孔および吐出孔との配置関係を示す説明図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮行程終了前の冷媒ガスの流れを説明する要部断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮行程終了時の冷媒ガスの流れを説明する要部断面図 同実施の形態1における異なる構成の凸部を設けたピストンの要部斜視図 同実施の形態1におけるさらに異なる構成の凸部を設けたピストンの要部斜視図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機のピストンの斜視図 同実施の形態2における密閉型圧縮機の要部断面図 同実施の形態2における密閉型圧縮機の特性比較図 本発明の実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの斜視図 同実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの圧縮面から見た平面図 同実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの側面図 同ピストンに設けた凸部の吸入孔および吐出孔との配置関係を示すピストンの圧縮面から見た説明図 同ピストンに設けた凸部の拡大斜視図 同凸部の側面形状を示すピストンの要部側面図 同実施の形態3における密閉型圧縮機の圧縮行程終了前の冷媒ガスの流れを説明する図15のA−A線による要部断面図 同圧縮行程終了時の冷媒ガスの流れを説明する図15のA−A線による要部断面図 同実施の形態3における密閉型圧縮機の吐出孔部の冷媒ガスの流れを説明する模式図 同実施の形態3における密閉型圧縮機のピストンに設けた凸部(側壁)の突出角度θと成績係数COPの関係を示す特性図 同実施の形態3における密閉型圧縮機のピストンに設けた凸部(側壁)の吸入孔側に対向させる配置角度αと成績係数COPの関係を示す特性図 同ピストンに設けた凸部の異なる形状を示す斜視図 同実施の形態4における密閉型圧縮機の吐出孔部の圧縮行程終了時の冷媒ガス流れを説明する図15のA−A線による要部断面図 本発明の実施の形態4における物品貯蔵装置の構成を示す模式図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機の要部断面図 従来の密閉型圧縮機のピストンの斜視図
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面が前記吸入孔側に面するように配置したものである。
かかる構成とすることにより、前記吐出孔に形成されるデッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮ることができる。
その結果、前記平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
また、かかることにより、前記吸入孔から流れ込み、吐出孔に向かう気体の流れを遮ることができ、これに伴って前記吐出孔に向かう気体の流れを生成し、特に圧縮行程終了時の圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方
向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面の向きを、該平面と直角で、かつこの平面の中心を通る直線Yが、前記吸入孔の軸心とピストンの軸心を通る線Zにおいて、吸入孔の軸心とピストンの軸心の間で交差する位置関係となる向きとしたものである。
かかる構成とすることにより、前記吐出孔に形成されるデッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮ることができる。
その結果、前記平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
また、かかることにより、前記凸部に設けた平面の向きを、前記気体の吐出孔に向かう流れを遮り易い方向とし、合理的に吐出孔に向かう気体の流れを生成することができ、特に圧縮行程終了時の圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
請求項3に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面の向きを、前記吸入孔の軸心と前記ピストンの軸心を通る線Zに対して、前記平面における前記ピストンの軸心側に面する平面の延長線Xが角度αとなるように配置し、前記角度αを、約15°≦α≦約75°の範囲、または約105°≦α≦約150°の範囲としたものである。
かかる構成とすることにより、前記吐出孔に形成されるデッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮ることができる。
その結果、前記平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
また、かかる角度αの設定は、吸入孔から吐出孔へ複雑な挙動を伴いながら流れる気体を効率よく吐出穴へ導く角度であり、圧縮行程終了時の気体の溜まり込み(残存)に伴う圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を最小とする作用効果が期待できる。
請求項4に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記凸部の形状を、前記ピストンの先端面と略平行な面による断面形状が、複数の平面を有する多角形形状としたものである。かかる構成とすることにより、前記吐出孔に形成されるデッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮ることができる。
その結果、前記平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
また、かかる構成とすることにより、前記吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを、多角形を形成する複数の平面で遮
り、その平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)をさらに抑制することができる。その結果、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷を軽減し、圧縮機の入力をさらに低減することができる。
請求項5に記載の発明は、密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記凸部の形状を、前記ピストンの先端面と略平行な面による断面形状が、略長方形となるようにしたものである。
かかる構成とすることにより、前記吐出孔に形成されるデッドボリュームを低減し、圧縮機の効率を向上することに加えて、吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、前記平面によって凸部の軸方向に延びる周壁への回り込みを遮ることができる。
その結果、前記平面によって遮った気体を吐出孔方向へ導くことができ、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
また、かかる構成とすることにより、前記吸入孔から吐出孔に向かって流れる気体の流れにおいて、吐出孔へ向かう気体の流れを、前記凸部を囲い、かつ複数の平面に沿った流れとすることができ、前記凸部の周囲方向への回り込みを抑制して気体を吐出孔方向へ円滑に導くことができる。その結果、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減して圧縮機の入力を低減することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記平面の前記ピストンの先端面とでなす角度θを、約70°≦θ≦90°の範囲としたものである。
かかることにより、前記気体の吐出孔に向かう流れが円滑となり、特に圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制することができ、前記溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記凸部におけるピストンの先端面との交差部分を所定の径の湾曲面としたものである。
かかることにより、前記ピストンの先端面側から吐出孔に向かう気体の流れが円滑となり、特に圧縮行程終了時の圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を低減することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記吐出孔を、前記圧縮室側から前記圧縮室の反対側に向かって断面積が大きくなるように形成したものである。
かかることにより、前記凸部と吐出孔の周壁で形成される通路抵抗を極力小さくすることができる。その結果、圧縮気体の吐出孔からの流出を円滑にし、圧縮行程終了時の圧縮負荷を軽減し、圧縮機の入力を最小とする作用効果が期待できる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記凸部の軸心を、前記吐出孔の軸心と略一致するように配置したものである。
かかることにより、前記吐出孔における凸部とで形成される気体の通路を左右対称とすることができ、偏った通路面積に伴う気体の流出斑を自然化し、圧縮室内に溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失をさらに軽減して圧縮機の入力を低減することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の発明において、前記吐出孔の圧縮室側開口周縁に、前記圧縮室側から圧縮室の反対側に向かって断面積が小さくなるベルマウス部を設けたものである。
かかる構成とすることにより、圧縮行程終了時において、前記ピストンの凸部によって吐出孔方向へ導かれる気体をより円滑に吐出孔へ導くことができる。その結果、圧縮行程終了時における気体の圧縮室内での溜まり込み(残存)を抑制し、その溜まり込んだ気体の圧縮に伴う負荷損失を軽減して圧縮機の入力を低減することができる。
請求項11に記載の発明は、圧縮機、放熱器、減圧装置、吸熱器を配管によって環状に連結した冷媒回路を有し、前記圧縮機を、請求項1からのいずれか一項に記載の密閉型圧縮機とした冷凍装置である。
かかる冷凍装置は、高効率の密閉型圧縮機の搭載により、消費電力(量)を抑制した運転が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は、同実
施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの要部斜視図である。図3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの要部側面図である。図4は、同実施の形態1における密閉型圧縮機のピストンの圧縮面から見た凸部の吸入孔および吐出孔との配置関係を示す説明図である。図5は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮行程終了前の冷媒ガスの流れを説明する要部断面図である。図6は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮行程終了時の冷媒ガスの流れを説明する要部断面図である。図7は、同実施の形態1における異なる構成の凸部を設けたピストンの要部斜視図である。図8は、同実施の形態1におけるさらに異なる構成の凸部を設けたピストンの要部斜視図である。
図1に示すように、密閉型圧縮機(以下、圧縮機と称す)100は、密閉容器101内に冷媒ガス(気体)104が充填されており、電動要素103と、電動要素103によって駆動される圧縮要素102とがサスペンションスプリング105によって密閉容器101内において弾性的に支持され、収容されている。
圧縮要素102は、電動要素103の回転運動を往復運動に変換するクランクシャフト109と、略円筒形の圧縮室空間を有するシリンダ108を備えたシリンダブロック120を主体に構成され、クランクシャフト109は、電動要素103の回転子103aが固定された主軸部109aと、軸心が主軸部109aに対して偏心している偏心部110を備えている。そして、主軸部109aは、シリンダブロック120の主軸受け部120aに支持されている。
また、シリンダ108内には、自在に往復動できるようにピストン106が挿入されている。このピストン106は、連結手段107を介してクランクシャフト109の偏心部110と連結されている。すなわち、連結手段107は、一端がクランクシャフト109の偏心部110と回転自在に連結され、他端がピストン106に取り付けられたピストンピン107aと回転自在に連結されている。これにより、連結手段107は、クランクシャフト109の回転に伴う偏心部110の旋回を往復動に変換してピストン106に伝達する。
シリンダ108の端部108aには、バルブプレート111が配設されており、バルブプレート111、ピストン106、シリンダ108によって圧縮室125が形成されている。
バルブプレート111には、それぞれ円形に形成された吸入孔112および吐出孔113が設けられ、さらに吸入孔112を開閉する吸入弁112a(図4)と吐出孔113を開閉する吐出弁(図示せず)がそれぞれ周知の構成で設けられている。吸入弁112aの開閉の支点(起点)Lは、後述する線Z上で、かつ吐出孔113寄りに設定されている。
また、バルブプレート111は、シリンダヘッド114で覆われ、このシリンダヘッド114の内部には、吸入マフラー115と吸入孔112を連通する吸入室116と、吐出孔113と連通する吐出室117が設けられている。
吐出室117には、吐出管121が接続され、その吐出管121には、密閉容器101の外部へ延出した出口管122が接続されている。
ピストン106のバルブプレート111側の端面、すなわち先端面106aには、吐出孔113に対応した位置で、かつピストン106の往復動に伴って吐出孔113を出没する凸部118が一体に設けられている。
さらに、バルブプレート111に設けられた吐出孔113は、図5、図6に示す如くそ
の孔径が圧縮室125側から圧縮室125の反対側(シリンダヘッド114側)に向かって断面積が大きくなるように形成されているとともに、ピストン106の凸部118が容易に入り込める大きさに形成されている。また、吐出孔113は、圧縮室125の軸心124よりも外周側に偏心させた位置の軸心126に設けられている。
したがって、凸部118の軸心129の位置についても、ピストン106の往復動時に吐出孔113を出没するため、吐出孔113の軸心126と(略)一致しており、圧縮室125の軸心124およびこの軸心124と(略)一致したピストン106の軸心128よりも外周側に偏心した位置に設けられている。
さらに、凸部118は、図2および図4に示す如く、円柱を軸方向において半分に切断した形状を基調とし、その切断面である平面118aをピストン106の軸心128側に面する配置としている。
ここで、凸部118の軸心129は、説明の便宜上円柱の場合の軸心に設定しているが、実質の形である半円柱の軸心(図示せず)に設定することもできる。また、凸部118の頂部の面118bは、平面となっている。
そして、凸部118(吐出孔113)とバルブプレート111に設けられた吸入孔112の位置関係は、図4に示す如く、平面118aの延長線Xからピストン106の軸心128を越える領域に亘る投影面(ハッチング領域)内に吸入孔112が位置している。
さらに、平面118aとピストン106の先端面106aで形成される角度θ(図3)は、略90°に設定されている。この角度θは、ピストン106と凸部118が金型成形されることから若干金型の抜き勾配(角度)を含んでおり、その抜き勾配は任意に設定することができる。
かかることから、本実施の形態1においては、角度θを、約70°≦θ≦90°の範囲と定義している。
また、平面118aの向きは、図4に示すように、吸入孔112の軸心(中心)130とピストン106の軸心(中心)128を通る線Zに対して、ピストン106の軸心128と交差する方向に延びる平面118aの延長線Xが、角度(以下、配置角度と称す)α(本実施の形態1においては約45°)となるように設定している。
この配置角度αは、平面118aと直角で、かつこの平面118aの中心を通る直線Yが、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128を通る線Zと所定角度の範囲で交差する配置関係と定義することもでき、特に、本実施の形態1においては、直線Yが、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128の間で交差する角度に設定している。
したがって、吸入孔112の位置に応じて、前述の吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128を通る線Zに対して、平面118aの延長線Xが交差する配置角度α(約45°)は異なる場合がある。
さらに、ピストン106の先端面106aにおける凸部118の平面118aが交差した部分(凸部118の突出部分)には、所定の径の湾曲面106b(図3)が形成されている。換言すると、この凸部118の平面118aは、部分的に湾曲面106bを備えた形状となっている。そして、その湾曲面106bの面積(平面118aの中に占める面積比)は、吐出孔113の内径との間隔、あるいはピストン106の先端面106aの面積
(シリンダ108の容積)等の設計諸元に応じて設定される。
また、凸部118の高さHは、バルブプレート111の厚さh(図6)より若干低く設定されている。
以上のように構成された圧縮機100について、以下その動作、作用を説明する。ここで、圧縮機100は、周知の如く吸入管(図示せず)と出口管122の間に、凝縮器、減圧器、蒸発器(いずれも図示せず)を接続した冷媒回路が接続され、周知の冷凍サイクルを構成している。なお、圧縮される冷媒ガス104には、R600aを採用している。
電動要素103に通電すると、回転子103aが回転してクランクシャフト109を回転させ、クランクシャフト109の偏心部110の回転(旋回)運動が連結手段107を介してピストン106に伝えられる。したがって、ピストン106はシリンダ108内を往復動する。
ピストン106が、上死点から下死点に向かう吸入行程においては、ピストン106のクランクシャフト側への移動に伴って圧縮室125の容積が増大するため、圧縮室125内の圧力が低下し、シリンダヘッド114に形成された吸入室116と圧縮室125内との圧力差によって吸入弁112aが支点Lを基点として開き、圧縮室125と吸入室116とが吸入孔112を介して連通する。
したがって、冷媒ガス104は、冷媒回路から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を順次通過して圧縮室125内へ吸入される。
次に、ピストン106が、下死点から上死点に向かう圧縮行程においては、ピストン106のバルブプレート111側への移動に伴って吸入弁112aが吸入孔112を閉じ、圧縮室125内の容積が減少する。これに伴って、圧縮室125内の冷媒ガス104が圧縮され、圧縮室125内の圧力が上昇する。
そして、圧縮室125内の圧力が吐出室117内の圧力にまで上昇すると、吐出室117と圧縮室125内との圧力差によって吐出弁が開き、ピストン106が上死点に達するまでの間、圧縮された冷媒ガス104は吐出孔113からシリンダヘッド114内の吐出室117へ吐出される。
吐出室117へ吐出された冷媒ガス104は、吐出管121を通って、出口管122から密閉容器101外の冷媒回路へと送り出され、冷凍サイクルが形成される。
以上のような吸入、圧縮、吐出の各行程がクランクシャフト109の1回転毎に繰り返し行なわれ、冷媒ガス104が冷凍サイクル内を循環する。
上述した吐出行程における吐出孔113から吐出される冷媒ガス104の流れについて、図5と図6を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは便宜上、ピストン106の移動方向に基づき、吐出行程を圧縮行程に含めて説明する。
圧縮行程の後半において、圧縮室125の容積が減少してくると、図5に示すように、ピストン106の先端面106aがバルブプレート111に近づき、同時に凸部118が対向する吐出孔113に近づく。そして、圧縮室125内の圧力の上昇に伴って吐出弁が開く。
吐出弁が開くと同時に、圧縮室125内で圧縮された冷媒ガス104が、図中の矢印で
示すように吐出孔113を介して一気にシリンダヘッド114内の吐出室117内へ吐出される。
そして、さらに圧縮行程が進むと、図6に示す如くピストン106の凸部118が対向する吐出孔113内に入り込み、凸部118と吐出孔113とで形成されるデッドボリューム(網掛け部分)内に圧縮された冷媒ガス104の一部を残して圧縮行程を終了する。
上記圧縮行程における圧縮室125内の冷媒ガス104の流れは、速度も流れ方向も大きく変化する3次元の流れであり、複雑な挙動を示す。
本実施の形態1においては、ピストン106の先端面106aに設けた凸部118の側壁に、冷媒ガス104が凸部118の周囲へ回り込み難くなるように平面108aを形成している。
したがって、特に圧縮行程の終了間際においては、図5に示す如く、吐出孔113と凸部118で形成される冷媒ガス104の流路が狭くなり、冷媒ガス104は、流速が速くなる。そして、反平面108a側では、その一部が矢印xで示すように凸部118の周囲(側面)へ回り込むことが考えられ、平面108aと対向する流れの冷媒ガスは、その平面108aによって凸部118の周囲(側面)へ回り込む流れが抑制され、吐出孔113へ導かれる流れ成分が多くなると考えられる。
しかも、平面108aが先端面106aから突出する部分には、湾曲面106a(図3)が形成されているため、平面108aに沿って流れる冷媒ガス104の流れが円滑となり、冷媒ガス104の複雑な挙動を緩和する作用が期待できる。
そして、さらに圧縮行程が進み、ピストン106が上死点に到達する直前では、図6に示す如く、吐出孔113と凸部118で形成される冷媒ガス104の流路が微小となり、冷媒ガス104の流通抵抗がさらに大きくなるが、平面108a部で冷媒ガス104の流れが吐出孔113へ導かれることにより、圧縮室125内に溜まり込む冷媒ガス104の量が減少し、圧縮に伴うエネルギーを抑制することができる。
その結果、冷媒ガス104の複雑な挙動に伴う吐出孔113近辺での冷媒ガス104の流れを改善することができ、圧縮機100の圧縮行程終了間際における溜まり込んだ冷媒ガス104の過圧縮を抑制して圧縮機100の電気入力を低減することができる。
これまでの説明において、凸部118は、円柱を軸方向において半分に切断した形状を基調としたものとして説明したが、図7に示す如く、凸部218を、円錐台を軸方向において半分に切断し、平面218aを形成した形状を基調とする構成、あるいは、図8に示す如く、凸部318を、複数の平面318a、318dと天面318eを有する直方体等の角錐台(角柱)形状を基調とする構成の場合においても、吐出孔113の軸心126との関係、および吸入孔112と平面218a、318aの関係等を同様の条件とすることにより、同様の作用効果が期待できる。
さらに、凸部118、218、318におけるピストン106の先端面106aと略平行関係にある頂部の面118b、218b、318eは、平面に限るものではなく、湾曲面であっても同様の作用効果が期待できる。
換言すると、凸部118、218、318は、ピストン106とシリンダ108による圧縮行程の終了間際において、冷媒ガス104の凸部118、218、318の周囲(側面)への回り込みを抑制する平面118a、218a、318aを有する形状が好ましく
、図2、図7、図8に示す各凸部118、218、318の構成は、冷媒ガス104の周囲(側面)への回り込みを抑制する構成として同様の作用が期待できる。
したがって、本実施の形態1によれば、凸部118、218、318の形成により、吐出孔113における凸部118、218、318とで形成されるデッドボリュームの容積を小さくし、圧縮機100の効率を向上することに加え、凸部118、218、318に平面118a、218a、318aを形成したことにより、冷媒ガス104の複雑な挙動に伴う吐出孔113近辺での溜まり込み(残存)を抑制し、冷媒ガス104の流れを改善することができる。
その結果、圧縮行程の終了間際においても、冷媒ガス104の吐出孔113への流れを生成し、圧縮機100における溜まり込んだ冷媒ガス104の過圧縮を抑制して圧縮機100の電気入力を低減することが期待できる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機のピストンの斜視図である。図10は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の要部断面図である。図11は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の特性比較図である。
ここで、密閉型圧縮機の全体構成と説明については、図1と実施の形態1の内容を援用し、説明を省略する。また、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付し、ここでは実施の形態1と相違する内容を主体に説明する。
図9、図10に示すように、凸部318は、実施の形態1で説明した図8の直方体を基調とした形状であり、四つの平面(以下、側壁と称す)318a、318b、318c(見える平面のみ符号を付す)と天面318eを形成している。この凸部318は、ピストン106の軸心128に対して直角な天面318eが略長方形の形状となっている。
さらに、凸部318の四つの側壁318a、318b、318cは、図10に示すように断面形状が若干テーパー形状となっており、ピストン106の先端面106aから離れた位置の頂部(天面318e)に向かうにつれて各側壁318a、318b、318cが近づいて水平断面の断面積が小さくなるように形成されている。そして、この凸部318は、その軸心129が吐出孔113の軸心126と一致する位置に配置されている。
以上のように構成されたピストン106を具備する密閉型圧縮機(以下、圧縮機と称す)100について、以下その動作、作用を説明する。ここで、圧縮機100は、周知の如く吸入管(図示せず)と出口管122の間に、凝縮器、減圧器、蒸発器(いずれも図示せず)を接続した冷凍サイクル(冷媒回路)が接続され、周知の冷凍サイクルを構成している。なお、圧縮される冷媒ガス104には、R600aを採用している。
以上のように構成された圧縮機100について、以下その動作、作用を説明する。
電動要素103に通電すると、回転子103aが回転してクランクシャフト109を回転させ、クランクシャフト109の偏心部110の回転運動が連結手段107を介してピストン106に伝えられることで、ピストン106はシリンダ108内を往復動する。
ピストン106が上死点から下死点に向かう吸入行程において、圧縮室125の容積が増大するため、圧縮室125内の圧力が低下し、シリンダヘッド114に形成された吸入室116と圧縮室125内との圧力差により吸入弁(本実施の形態2においては、図示せず)が開き、圧縮室125と吸入室116とが吸入孔112を介して連通する。
ピストン106が上死点から下死点に向かう吸入行程において、圧縮室125の容積が増大するため、圧縮室125内の圧力が低下し、シリンダヘッド114に形成された吸入室116と圧縮室125内との圧力差により吸入弁が開き、圧縮室125と吸入室116とが吸入孔112を介して連通する。
そのため、冷媒ガス104は、冷凍サイクル(図示せず)から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を介して圧縮室125内へ吸入される。
次に、ピストン106が下死点から上死点に向かう圧縮行程において、吸入弁が吸入孔112を閉じ、圧縮室125内の容積が減少するに伴って、圧縮室125内の冷媒ガス104が圧縮されて圧力が上昇する。
圧縮室125内の圧力が吐出室117内の圧力にまで上昇すると、吐出室117と圧縮室125内との圧力差により吐出弁(図示せず)が開き、ピストン106が上死点に達するまでの間、圧縮された冷媒ガス104は、吐出孔113を介してシリンダヘッド114内の吐出室117に吐出される。
吐出室117に吐出された冷媒ガス104は、吐出管121を通って、出口管122から密閉容器101外の冷凍サイクルへと送り出される。
以上のような吸入、圧縮、吐出の各行程がクランクシャフト109の1回転毎に繰り返される。
上述した吐出行程におけるピストン106と吐出孔113について、図9と図10を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは便宜上、ピストン106の移動方向に基づき、吐出行程を圧縮行程に含めて説明する。
圧縮行程の後半において、圧縮室125の容積が減少してくると、図10に示すように、ピストン106の先端面(端部)106aがバルブプレート111に近づき、同時に凸部318が対向する吐出孔113に近づき、吐出弁が開く。
吐出弁が開くと同時に、圧縮室125内で圧縮された冷媒ガス104が、図10の矢印で示すように吐出孔113を介して一気にシリンダヘッド114内の吐出室117に吐出される。
そして、さらに圧縮行程が進むと、ピストン106の凸部318が対向する吐出孔113内に入り込み、凸部318と吐出孔113とで形成されるデッドボリューム内に圧縮された冷媒ガス104の一部を残して圧縮行程を終了する。
上記圧縮行程における圧縮室125内の冷媒ガス104の流れは、速度も流れ方向も大きく変化する3次元の流れであり、複雑な挙動を示す。
凸部318と吐出孔113とで形成されるデッドボリュームの容積が、密閉型圧縮機100の効率に大きく影響することは周知であるものの、本発明は、そのデッドボリュームの容積と同等以上にピストン106の凸部318の形状が影響することを、実験的に見出した。
以下、ピストン106の凸部318の形状効果について説明する。
図11に、上記構成のピストン106を具備した圧縮機100について、効率を測定した結果を、従来の密閉型圧縮機20と比較して示す。なお、横軸は電源(運転)周波数であり、縦軸は成績係数COPである。
図11に示す通り、ピストン106の凸部318を、水平断面形状が略長方形で、頂部(天面318e)に向かうにつれて各側壁318a、318b、318cが近づく先細りのテーパー形状とすることで、円柱(円筒)形状の凸部14を採用している従来の密閉型圧縮機20よりも効率が高くなることを実験的に確認した。
この実験結果は、デッドボリュームの容積や吐出孔113の形状以外に、ピストン106の凸部318の形状が効率に影響することを裏付けている。
また、運転周波数により効率向上効果に差はあるものの、約45Hzから60Hzの電源周波数(運転周波数)の全周波数範囲において、家庭用冷蔵庫で一般的に運転される条件では、圧縮機100の効率が向上することを実験的に確認した結果であり、50Hz、60Hzを含む運転周波数でインバータ駆動することにより、成績係数COPを向上し、省エネルギー化を実現することができる。
次に、図11に示す実験結果について、以下に推察する。
凸部318の延出(軸)方向に対して直角に切断した所謂水平断面形状を、円形状ではなく略長方形とした場合、すなわち、凸部318を、従来の円柱(円錐台)を基調とする形状ではなく、直方体を基調とする形状とすることにより、図10に示すように、圧縮室125内の冷媒ガス104のうち、凸部318の延出方向(側壁318a、318b、318c)に対して直角方向の冷媒流れ104A、104Bが、円柱を基調とする形状のときと異なる挙動となることが主要因で効率が向上したのではないかと推察する。
具体的には、本実施の形態2における凸部318の場合、冷媒流れ104A、104Bはそれぞれ異なる側壁318a、318b、318cに衝突するが、各側壁318a、318b、318cが平面であるために、冷媒流れ104A、104Bは、各側壁318a、318b、318cに回り込むことを抑制され、その結果、円柱を基調とする形状のときよりも、各側壁318a、318b、318cの周囲へ回り込んで相手の流れを乱してしまうことが抑制されるものと考えられる。
このことにより、各側壁318a、318b、318cに衝突した冷媒流れ104A、104Bの相互の干渉が抑制でき、その結果、流れが乱されることに起因する損失を低減し、冷媒ガス104の吐出孔113への流れ込みをより円滑とすることができたものと推察する。
すなわち、従来の密閉型圧縮機20のように、円柱(円錐台)形状の凸部14の場合は、凸部14に衝突した冷媒ガス4が円周方向に回り込み、流れが乱されて損失が増大する可能性があると考えられる。
従って、本実施の形態2に示す凸部318を、バルブプレート111側ほど水平断面の断面積が小さくなるように、換言すると、四つの側壁318a、318b、318cが近づく先細りのテーパー形状とすることで、各側壁318a、318b、318cに衝突した冷媒ガス104の側壁318a、318b、318c周囲へ回り込む流れを低減しつつ、よりスムーズに吐出孔113の方向に導くことができると考えられる。
なお、凸部318の形状において、上述の如く凸部118の頂部118eほど四つの側壁318a、318b、318cが近づく先細りのテーパー形状とせず湾曲形状であっても、効率向上効果に多少の差が見られるものの、従来の円柱形状の凸部14と比べて、効率向上効果が期待でき、先細りのテーパー形状と同様に実施可能である。
また、ピストン106の軸心128に対して直角な平面による凸部318の断面形状(水平断面形状)が略長方形の形状である場合について説明したが、凸部318が三角形や五角形などの多角形形状であっても、効率向上効果に多少の差は見られるものの、従来の円柱形状の凸部14と比べて、効率向上効果が期待でき、同様に実施可能である。
また、バルブプレート111に設けた吐出孔113は、圧縮室125側から圧縮室125の反対側に向かって断面積が大きくなるように形成したが、断面積が一様の円筒形状の吐出孔113であっても、効率向上効果に差が見られるものの、従来の密閉型圧縮機20と比べて、効率向上効果が期待でき、同様に実施可能である。
また、冷凍サイクルを具備する冷凍装置に、本実施の形態1乃至3における密閉型圧縮機100を搭載することで、冷凍装置としても効率が向上し、省エネルギー化を実現することができる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの斜視図である。図13は、同実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの圧縮面から見た平面図である。図14は、同実施の形態3における密閉型圧縮機を構成するピストンの側面図である。図15は、同ピストンに設けた凸部の吸入孔および吐出孔との配置関係を示すピストンの圧縮面から見た説明図である。図16は、同ピストンに設けた凸部の拡大斜視図である。図17は、同凸部の側面形状を示すピストンの要部側面図である。図18は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の圧縮行程終了前の冷媒ガスの流れを説明する図15のA−A線による要部断面図である。図19は、同圧縮行程終了時の冷媒ガスの流れを説明する図15のA−A線による要部断面図である。図20は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の吐出孔部の冷媒ガスの流れを説明する模式図である。図21は、同実施の形態3における密閉型圧縮機のピストンに設けた凸部(側壁)の突出角度θと成績係数COPの関係を示す特性図である。図22は、同実施の形態3における密閉型圧縮機のピストンに設けた凸部(側壁)の吸入孔側に対向させる配置角度αと成績係数COPの関係を示す特性図である。図23は、同ピストンに設けた凸部の異なる形状を示す斜視図である。
ここで、密閉型圧縮機の全体構成と説明については、図1と実施の形態1の内容を援用し、説明を省略する。また、実施の形態1、2と同一の構成要素については、同一の符号を付し、ここでは実施の形態1、2と相違する内容を主体に説明する。
図12乃至図17に示すように、ピストン106のバルブプレート111側の端面、すなわち先端面106aに設けられた凸部318は、実施の形態1で説明した図8の直方体を基調とした形状であり、四つの平面(以下、側壁と称す)318a、318b、318c、318dと天面318eを形成している。そして、凸部318の面積が広い側壁318a、318cと隣り合う面積が小さい側壁318b、318dとは、略90°で交差している。したがって、この凸部318は、ピストン106の軸心128に対して直角な天面318eが略長方形の形状となっている。
また、凸部318は、図15に示す如く吐出孔113に対応した位置にあり、ピストン106の往復動に伴って吐出孔113を出没する。したがって、凸部318は、多少の公
差を含むものの、凸部318の軸心(中心)129と吐出孔113の軸心126が(略)一致する位置に設けられている。したがって、円形の吐出孔113内に凸部318が没入した状態は、冷媒通路となる空間が凸部318を軸に左右対称に形成される。
さらに、凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dのピストン106の先端面106aとで形成される角度θは、図17に示す如く略90°に設定されている。この角度θは、ピストン106と凸部318が金型成形されることから若干金型の抜き勾配(角度)を含んでおり、その抜き勾配は任意に設定することができる。
かかることから、本実施の形態3においては、後述する実験結果に基づき、角度θを、約70°≦θ≦90°の範囲と定義している。
また、凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dにおける面積の広い一つの側壁318aは、図13、図15に示す如く、ピストン106の軸心(中心)128側に面しており、その側壁318aの向きは、図15に示すように、吸入孔112の軸心(中心)130とピストン106の軸心(中心)128を通る線Zに対して、側壁318aの面方向の延長線Xが角度α(本実施の形態3においては約45°となるように設定している。
この角度αの定義は、側壁318aと直角でかつその中心を通る(軸心129と交差する)直線Yが、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128を通る線Zと交差する位置(方向)関係の一例である。特に、本実施の形態3においては、直線Yが、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128の間で交差している。
したがって、前述の吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128を結ぶ線Zに対する側壁318aの延長線Xが交差する角度α(約45°)は、吸入孔112の位置に応じて異なる場合がある。
さらに、ピストン106の先端面106aと凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dが交差した部分(凸部318の突出部分)には、所定の径の湾曲面106b、106c、106d(図示できる箇所のみ符号を付す)が形成されている。換言すると、この凸部318の側壁318a、318b、318c、318dは、部分的に湾曲面106b、106c、106dを備えた形状となっている。そして、その湾曲面106b、106c、106dの面積(側壁318a、318b、318c、318dの中に占める面積比)は、吐出孔113の内径との間隔、あるいはピストン106の先端面106aの面積(シリンダ108の容積)等の設計諸元に応じて設定される。
また、凸部318の高さHは、バルブプレート111の厚さh(図19)より若干低く設定されている。
以上のように構成されたピストン106を具備する密閉型圧縮機(以下、圧縮機と称す)100について、以下その動作、作用を説明する。ここで、圧縮機100は、周知の如く吸入管(図示せず)と出口管122の間に、凝縮器、減圧器、蒸発器(いずれも図示せず)を接続した冷媒回路が接続され、周知の冷凍サイクルを構成している。なお、圧縮される冷媒ガス104には、R600aを採用している。
電動要素103に通電すると、回転子103aが回転してクランクシャフト109を回転させ、クランクシャフト109の偏心部110の回転(旋回)運動が連結手段107を介してピストン106に伝えられる。したがって、ピストン106はシリンダ108内を往復動する。
この往復動において、ピストン106が、上死点から下死点に向かう吸入行程においては、ピストン106のクランクシャフト109側への移動に伴って圧縮室125の容積が増大するため、圧縮室125内の圧力が低下し、シリンダヘッド114に形成された吸入室116と圧縮室125内との圧力差によって吸入弁112aが支点Lを基点として開き、圧縮室125と吸入室116とが吸入孔112を介して連通する。
そのため、冷媒ガス104は、冷凍サイクル(図示せず)から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を介して圧縮室125内へ吸入される。
したがって、冷媒ガス104は、冷媒回路から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を順次通過して圧縮室125内へ吸入される。
次に、ピストン106が、下死点から上死点に向かう圧縮行程においては、ピストン106のバルブプレート111側への移動に伴って吸入弁112aが吸入孔112を閉じ、圧縮室125内の容積が減少する。これに伴って、圧縮室125内の冷媒ガス104が圧縮され、圧縮室125内の圧力が上昇する。
そして、圧縮室125内の圧力が吐出室117内の圧力にまで上昇すると、吐出室117と圧縮室125内との圧力差によって吐出弁(図示せず)が開き、ピストン106が上死点に達するまでの間、圧縮された冷媒ガス104は吐出孔113からシリンダヘッド114内の吐出室117へ吐出される。
吐出室117へ吐出された冷媒ガス104は、吐出管121を通って、出口管122から密閉容器101外の冷媒回路へと送り出され、冷凍サイクルが形成される。
以上のような吸入、圧縮、吐出の各行程がクランクシャフト109の1回転毎に繰り返し行なわれ、冷媒ガス104が冷媒回路内(冷凍サイクル内)を循環する。
上述した吐出行程の終了間際における吐出孔113から吐出される冷媒ガス104の流れについて、図18と図19を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは便宜上、ピストン106の移動方向に基づき、吐出行程を圧縮行程に含めて説明する。
圧縮行程の後半において、圧縮室125の容積が減少してくると、図18に示すように、ピストン106の先端面106aがバルブプレート111に近づき、同時に凸部318が対向する吐出孔113に近づく。そして、圧縮室125内の圧力の上昇に伴って吐出弁が開く。
吐出弁が開くと同時に、圧縮室125内で圧縮された冷媒ガス104が、図中の矢印で示すように吐出孔113を介して一気にシリンダヘッド114内の吐出室117内へ吐出される。
そして、さらに圧縮行程が進むと、図19に示す如くピストン106の凸部118が対向する吐出孔113内に入り込み、凸部118と吐出孔113とで形成されるデッドボリューム(網掛け部分)内に圧縮された冷媒ガス104の一部を残して圧縮行程を終了する。
上記圧縮行程における圧縮室125内の冷媒ガス104の流れは、速度も流れ方向も大きく変化する3次元の流れであり、複雑な挙動を示す。
本実施の形態3においては、ピストン106の先端面106aに設けた凸部318を、四つの側壁318a、318b、318c、318dを有する直方体を基調とする形状としているため、冷媒ガス104が凸部318の周囲へ回り込み難い形状となっている。
したがって、特に圧縮行程の終了間際においては、図19に示す如く、吐出孔113と凸部318で形成される冷媒ガス104の流路が狭くなり、冷媒ガス104は、流速が速くなる。そして、吐出孔113へ流れ込む冷媒ガス104は、各側壁318a、318b、318c、318dに沿って吐出孔113に向かう方向に導かれる流れになると考えられる。
すなわち、図13、図20に示すように、ピストン106の外形(シリンダ108の内壁)に沿って流れる冷媒ガス104は、凸部318の主に側壁318b、318dによってその方向の流れが遮られ、側壁318b、318dと隣接する側壁318a、318dとの角部では、乱流が想定されるものの、吐出孔113へ導かれる流れ成分が多くなると考えられる。
また、凸部318の側壁318c側へ回り込んだ冷媒ガス104は、双方からその流れが衝突し、一部は側壁318cに沿って吐出孔113へ導かれると考えられる。
さらに、吸入孔112から吐出孔113へ向かって流れる冷媒ガス104は、同様に側壁318aによってその方向への流れが遮られ、側壁318aによって吐出孔113へ導かれる流れ成分が多くなると考察する。
しかも、ピストン106の先端面106aにおける凸部318の突出する部分が、湾曲面106b、106c、106dとなっており、冷媒ガス104の各側壁318a、318b、318c、318dに沿う流れを円滑化する作用が期待できる。
ここで、本発明は、上述の冷媒ガス104の流れにおいて、密閉型圧縮機100の効率向上に向けて、凸部318と吐出孔113とで形成されるデッドボリュームの容積減少作用のほかに、凸部318の形状が影響することに加え、凸部318におけるピストン106の先端面106aと少なくとも側壁318aが形成する角度θ(図17)、および凸部318の側壁318aの向き、すなわち、吸入孔112の軸心(中心)130とピストン106の軸心(中心)128を結ぶ線Zに対して、側壁318aの延長線Xがなす角度(配置角度)α(図15)によっても影響することを実験的に見出した。
以下、ピストン106の凸部318の形状に伴う作用効果について説明する。
図21は、上記構成の圧縮機100について、上記角度θと効率の関係を測定した結果を表した特性図である。ここで、横軸は、ピストン106の凸部318における吸入孔112の軸心130に最も近い側壁318aとピストン106の先端面106aとがなす角度θであり、縦軸は成績係数COPである。
図21に示す通り、ピストン106の凸部318は、ピストン106の先端面106aと略平行な断面形状が略長方形で、凸部318における吸入孔112の軸心130に最も近い側壁318aとピストン106の先端面106aがなす角度をθとしたとき、約70°≦θ≦90°の範囲が、円柱(円錐台)形状の凸部14を採用している従来の密閉型圧縮機20よりも効率が高くなることを実験的に確認した。
次に、図21に示す角度θの実験結果について推察する。
すなわち、凸部318の形状を円柱(円錐台)形状ではなく、直方体形状とした場合、ピストン106の凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dにおいて、吸入孔112方向に面し、面積が広い側壁318aのピストン106の先端面106aとの角度θを、約70°≦θ≦90°とすることで、凸部318の側壁318b、318cへ回り込む冷媒流れ104Aが、円柱形状の場合と異なると推察する。
具体的には、本実施の形態3における凸部318の場合、図18に示すように冷媒流れ104Aは凸部318に衝突するが、凸部318を、平面である四つの側壁318a、318b、318c、318dを有し、かつ直方体を基調とする形状としたことにより、吐出孔113へ流れ込む冷媒ガス104の乱れた流れを、一定の方向、すなわち吐出孔113の軸方向へと導く作用が伴い、特に、吸入孔112方向に面し、面積が広い側壁318aにおけるピストン106の先端面106aとなす角度θを、約70°≦θ≦90°の範囲とすることで、凸部318の冷媒流れ104Aは、円柱形状のときよりも吐出孔113方向に誘導された流れ成分が多くなると考えられる。
すなわち、冷媒ガス104の流速が速いと考えられる吸入孔112に最も近い凸部118の壁面318a(318b、318c、318d)に衝突した冷媒流れ104Aは、流れを乱されることに起因する損失が低減され、これに伴って冷媒ガス104の流れがより一層整流化され、圧縮室125内に溜まり込む冷媒ガス104の量が減少して圧縮行程終了直前の冷媒ガス圧縮(排出)に伴う圧縮負荷を軽減し、その結果、圧縮機100の電気入力の低減(成績係数COPの向上)に効果が現れたと推察する。
この実験結果は、デッドボリュームの容積や吐出孔113の形状およびピストン106の凸部318の形状以外に、凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dの中で、吸入孔112の軸心130に最も近い側壁318aとピストン106の先端面106aのなす角度θが効率に影響することを裏付けている。
なお、図21の実験は、一つの側壁318aの角度θについてのみの考察であるが、残る三つの側壁318b、318c、318dの角度θも同様に、上述の約70°≦θ≦90°の範囲内に設定することにより、成績係数COPをさらに向上する作用効果が期待できる。
また、直方体形状の凸部318は、実施の形態2で説明したように、運転周波数により効率向上効果に差はあるものの、約45Hzから60Hzの電源周波数(運転周波数)の全周波数範囲、すなわち家庭用冷蔵庫で一般的に運転される運転周波数条件において、圧縮機100の効率が向上することを実験的に確認している。
したがって、上述の凸部318の側壁318a(318b、318c、318d)の角度θの設定と、50Hz、60Hzを含む運転周波数によるインバータ駆動制御を採用した本実施の形態3の圧縮機100は、さらなる省エネルギー化が期待できる。
次に、凸部318の配置角度αの作用効果について説明する。
図22は、上記構成の圧縮機100について、凸部318の配置角度αと効率の関係を測定した結果を表した特性図である。ここで、横軸は、吸入孔112の軸心(中心)130とピストン106の軸心(中心)128を通る線Zに対して、ピストン106の軸心128側に面した側壁318aの面の延長線Xが成す配置角度αであり、縦軸は成績係数COPである。
そして、凸部318の面積が広い側壁318a、318cと隣り合う面積が小さい側壁318b、318dとは、略90°で交差している。
図22の内容は、凸部318の四つの側壁318a、318b、318c、318dのうちの圧縮室125の軸心124(ピストン106の軸心128)に最も近くかつ面積が最も広い側壁318aの向き(配置角度α)を、0°(吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心を通る線Zと平行)から180°(側壁318cが吸入孔112側に面しての線Zと平行)の範囲で複数個所角度設定を行い、その設定状態ごとに成績係数COPを測定した結果である。
この実験によれば、図22に示すように、配置角度αが約20°から約75°の範囲にあるとき、約45°をピークに従来の密閉型圧縮機20よりも高い効率(成績係数COP)が得られ、さらに、配置角度αが約118°から約150°の範囲にあるとき、約135°をピークに従来の密閉型圧縮機20よりも高い効率(成績係数COP)となる結果が得られた。
ここで、上記配置角度αの数値は、ピストン106の先端面106aにおいて吸入孔112の軸心130を想定し、凸部318の配置角度αを設定した結果であり、圧縮要素102として組み込んだ場合にその角度数値において若干の公差を生成することが想定できる。
したがって、上述の結果から、凸部318の圧縮室125の軸心124に最も近くかつ面積が最も広い側壁318aの向き(配置角度α)を、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心を通る線Zに対して、約15°≦α≦約75°の範囲、および約105°≦α≦約150°の範囲の角度となるように配置することで、円柱形状の凸部14を採用している従来の密閉型圧縮機20よりも高い効率を得ることが期待できる。
この結果より、冷媒ガス104の流速が速いと考えられる吸入孔112に最も近い凸部318の壁面318a(318b、318c、318d)に衝突した冷媒流れ104Aは、流れを乱されることに起因する損失が低減され、これに伴って冷媒ガス104の流れがより一層整流化され、圧縮室125内に溜まり込む(残存する)冷媒ガス104の量が減少して圧縮行程終了直前の冷媒ガス圧縮(排出)に伴う圧縮負荷を軽減し、その結果、圧縮機100の電気入力の低減(成績係数COPの向上)に効果が現れたと推察する。
この実験結果は、デッドボリュームの容積や吐出孔113の形状、およびピストン106の凸部318の形状(吸入孔112の軸心130に最も近い側壁318aとピストン106の先端面106aのなす角度θ)以外に、凸部318における吸入孔112の軸心130に最も近く、かつ面積が最も広い側壁318aと、吸入孔112の軸心130とピストン106の軸心128を通る線Zがなす角度(配置角度)αが効率に影響することを裏付けている。
次に、図22に示す実験結果について推察する。
すなわち、上述の吸入孔112の軸心130に最も近い側壁318aとピストン106の先端面106aのなす角度θの推察と同様に、圧縮室125内を複雑な挙動を伴いながら流れる冷媒ガス104において、圧縮室125の軸心124(ピストン106の軸心)に最も近く面積が最も広い側壁318aが、この凸部318の他の側壁318b、318c(318d)に回り込む冷媒ガス104の流れを阻害し、従来の円柱形状の場合と異なる冷媒ガス104の流れとしていることが主要因で効率が向上したのではないかと推察する。
具体的には、図13および図20に示すように、側壁318aに冷媒ガス104が衝突したとき、側壁318aと隣接する側壁318b、318dとの角部では、乱流が想定されるものの、各側壁318a、318b、318dによって吐出孔113へ向かう流れが生成され、複雑な挙動が伴う冷媒ガス104の流れを整流する作用が伴っていると考えられる。
また、凸部318の側壁318c側へ回り込んだ冷媒ガス104は、双方からその流れが衝突し、一部は側壁318cに沿って吐出孔113へ導かれると考えられる。
そして、特に、凸部318における側壁318aの配置角度αが約45°にある場合、各側壁318a、318b、318c、318dによる冷媒流れの吐出孔113への導き作用が最も効果的に行なわれ、さらに90°進んだ約145°の配置角度とすることによっても、各側壁318a、318b、318c、318dによる冷媒流れの吐出孔113への導き作用が効果的に行なわれるものと推察する。
このことにより、冷媒の流速が速いと考えられる圧縮室125の軸心124に最も近い凸部318の側壁318aに衝突した冷媒ガス104は、流れが乱されることに起因する損失が低減され、冷媒ガス104の流れがより一層整流化されて圧縮負荷の軽減につながった結果と推察する。
上述の推察から、凸部318の形状は、複数の平面で形成される角柱(角錐台)に限るものではなく、凸部318の周壁へ回り込む冷媒ガス104を、吐出孔113方向へ導く作用が期待できる形状であれば、複数の平面を有する三角柱(三角錐台)、五角柱(五角錐台)等の多角柱としても、同様の作用効果が期待できる。
また、凸部318の側壁318a、318b、318c、318dは、完全な平面とする必要はなく、図23に示すように吐出孔113の軸心126(凸部318の軸心129)が延びる方向に緩やかに湾曲する平面とすることも可能であり、同様に冷媒ガス104の凸部318の側壁318a、318b、318c、318dへの回り込みを抑制する作用が期待でき、同様に効率向上の作用効果が期待できる。
さらに、図22に示す実験結果により、最も効果が期待できる配置角度αは、面積の広い側壁318a(318c)が約45°であり、このことは、吸入孔112からの冷媒ガス104の最も効果が得られる流れ、すなわち、冷媒ガス104の主流を整流している結果であると推察する。
換言すると、図22に示す実験結果は、凸部318に設けた少なくとも一つの平面(本実施の形態3においては側壁318a)の最適な配置角度α、すなわち、冷媒ガス104の吐出孔113に向かう主流を整流することができる配置角度α(本実施の形態3においては約45°)を設定することにより、実施の形態1で説明した凸部118の構成であっても、効率の向上効果が期待できることを裏付けていると推察する。
さらに、凸部318の軸心129を、吐出孔113の軸心126と略一致するように配置したことにより、吐出孔113における凸部318とで形成される冷媒ガス104の通路を、凸部318を軸に左右対称とすることも効率向上に起因しているものと推測する。
すなわち、凸部318の位置を吐出孔113の軸心126から偏移させた場合、偏った通路面積に伴う気体の流出斑が生じ、吐出される冷媒ガス104の流れを乱すことが考えられるが、上述の如く冷媒ガス104の通路を、凸部318を軸に左右対称とすることに
よって吐出される冷媒ガス104の流れを自然化し、冷媒ガス104の圧縮室125内への溜まり込み(残存)を抑制することができると推察する。
したがって、圧縮室125に溜まり込んだ冷媒ガス104の圧縮に伴う負荷損失をさらに軽減して圧縮機100の入力を低減することが期待できる。
また、バルブプレート111に設けられた吐出孔113は、圧縮室125側から圧縮室125の反対側(吐出室117)に向かって断面積が大きくなるように形成されているが、一様の径とする円筒形状の吐出孔113であっても、従来の密閉型圧縮機20と比べて、効率向上の効果が期待できる。
さらに、本実施の形態3の凸部318の構成は、上述の凸部318の側壁318a(318b、318c、318d)の角度θ(約70°≦θ≦90°)の設定と、実施の形態2で説明した50Hz、60Hzを含む運転周波数によるインバータ駆動制御に伴った効率向上効果に加え、凸部318の配置角度α(約15°≦α≦75°または約105°≦α≦150°)の設定により、さらなる効率の向上が可能となり、高い成績係数COPの圧縮機を得ることができる。
(実施の形態4)
図24は、同実施の形態4における密閉型圧縮機の吐出孔部の圧縮行程終了時の冷媒ガス流れを説明する図15のA−A線による要部断面図である。
ここで、密閉型圧縮機の全体構成と説明については、図1と実施の形態1の内容を援用し、説明を省略する。また、実施の形態3と同一の構成要素については、同一の符号を付し、ここでは実施の形態3と相違する内容を主体に説明する。
実施の形態3と相違する構成は、バルブプレート111に設けられた吐出孔113の構成である。
すなわち、吐出孔113の入口側(圧縮室125側)周縁に、断面が円弧となるベルマウス部114を形成した構成が実施の形態3と相違している。ベルマウス部114の円弧の半径は、任意に設定することができる。
以上のように構成されたバルブプレート111を具備する圧縮機100について、以下その動作、作用を説明する。ここで、圧縮機100は、周知の如く吸入管(図示せず)と出口管122の間に、凝縮器、減圧器、蒸発器(いずれも図示せず)を接続した冷媒回路が接続され、周知の冷凍サイクルを構成している。なお、圧縮される冷媒ガス104には、R600aを採用している。
電動要素103に通電すると、回転子103aが回転してクランクシャフト109を回転させ、クランクシャフト109の偏心部110の回転(旋回)運動が連結手段107を介してピストン106に伝えられる。したがって、ピストン106はシリンダ108内を往復動する。
この往復動において、ピストン106が、上死点から下死点に向かう吸入行程においては、ピストン106のクランクシャフト109側への移動に伴って圧縮室125の容積が増大するため、圧縮室125内の圧力が低下し、シリンダヘッド114に形成された吸入室116と圧縮室125内との圧力差によって吸入弁112aが支点Lを基点として開き、圧縮室125と吸入室116とが吸入孔112を介して連通する。
そのため、冷媒ガス104は、冷凍サイクル(図示せず)から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を介して圧縮室125内へ吸入される。
したがって、冷媒ガス104は、冷媒回路から密閉容器101内に導かれ、吸入マフラー115、吸入室116、吸入孔112を順次通過して圧縮室125内へ吸入される。
次に、ピストン106が、下死点から上死点に向かう圧縮行程においては、ピストン106のバルブプレート111側への移動に伴って吸入弁112aが吸入孔112を閉じ、圧縮室125内の容積が減少する。これに伴って、圧縮室125内の冷媒ガス104が圧縮され、圧縮室125内の圧力が上昇する。
そして、圧縮室125内の圧力が吐出室117内の圧力にまで上昇すると、吐出室117と圧縮室125内との圧力差によって吐出弁(図示せず)が開き、ピストン106が上死点に達するまでの間、圧縮された冷媒ガス104は吐出孔113からシリンダヘッド114内の吐出室117へ吐出される。
吐出室117へ吐出された冷媒ガス104は、吐出管121を通って、出口管122から密閉容器101外の冷媒回路へと送り出され、冷凍サイクルが形成される。
以上のような吸入、圧縮、吐出の各行程がクランクシャフト109の1回転毎に繰り返し行なわれ、冷媒ガス104が冷媒回路内(冷凍サイクル内)を循環する。
上述した吐出行程における吐出孔113から吐出される冷媒ガス104の流れについて、図18を援用し、図24を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは便宜上、ピストン106の移動方向に基づき、吐出行程を圧縮行程に含めて説明する。
圧縮行程の後半において、圧縮室125の容積が減少してくると、図18に示すように、ピストン106の先端面106aがバルブプレート111に近づき、同時に凸部318が対向する吐出孔113に近づく。そして、圧縮室125内の圧力の上昇に伴って吐出弁が開く。
吐出弁が開くと同時に、圧縮室125内で圧縮された冷媒ガス104が、図中の矢印で示すように吐出孔113を介して一気にシリンダヘッド114内の吐出室117内へ吐出される。
そして、さらに圧縮行程が進むと、図24に示す如くピストン106の凸部318が対向する吐出孔113内に入り込み、凸部318と吐出孔113とで形成されるデッドボリューム(網掛け部分)内に圧縮された冷媒ガス104の一部を残して圧縮行程を終了する。
上記圧縮行程における圧縮室125内の冷媒ガス104の流れは、速度も流れ方向も大きく変化する3次元の流れであり、複雑な挙動を示す。
本実施の形態4においては、吐出孔113の入口側周縁に、断面が円弧となるようなベルマウス部114を設けることによって、吐出孔113に向かって冷媒ガス104がスムーズに誘導されるため、吐出孔113の入口部分の損失を改善することができる。
すなわち、実施の形態3で説明したように、凸部318の側壁(平面)318a、318b、318c、318dによって吐出孔113の軸方向に整流される冷媒ガス104は
、ベルマウス部114の円弧に沿って流れ易くなり、円滑に吐出孔113を通過する。
換言すると、冷媒ガス104は、凸部318とベルマウス部114の相乗作用によって流れが円滑化されるため、圧縮行程終了時における圧縮室125内での溜まり込みが抑制されることとなる。
したがって、吐出孔113におけるデッドボリュームの減少効果に加えて、冷媒ガス104の溜まり込みに伴う圧縮損失が軽減され、圧縮機100の入力を低減することができる。
(実施の形態5)
図25は、本発明の実施の形態5における物品貯蔵装置の構成を示す模式図である。なお、ここでは、冷媒R600aを封入した冷凍サイクルに、実施の形態3の密閉型圧縮機100を組み込んだ構成として説明する。
図25において、貯蔵装置本体221は、内部に、前面が開口し、断熱材によって囲われた第一貯蔵室222aと第二貯蔵室222bを具備し、前面に、第一貯蔵室222aおよび第二貯蔵室222bに対応して前記開口を開閉する断熱性を有する第一扉223aおよび第二扉223bを具備している。
また、第一貯蔵室222aと第二貯蔵室222bは、連絡通路224a、224bを介して連通している。
さらに、貯蔵装置本体221の内部には、実施の形態3の密閉型圧縮機100、凝縮器226、減圧装置227、蒸発器228を配管により環状に連結した冷凍サイクルが設けられており、蒸発器228は、第一貯蔵室222aに配置されている。また、第一貯蔵室222aには、蒸発器228で冷却された冷気を、矢印aで示す如く積極的に第一貯蔵室22a内を循環させる送風機229が設けられている。第二貯蔵室222bは、矢印bで示す如く連絡通路224a、224bを介して流入した第一貯蔵室222aの一部の冷気の循環によって冷却される。
したがって、実施の形態3で説明したように、高効率の密閉型圧縮機100の搭載により、物品貯蔵装置は、効率のよい冷却運転を行うことができる。これに伴い、消費電力(量)を抑制した物品貯蔵装置を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、高い生産性を確保しながら、高効率で安価な密閉型圧縮機であり、冷凍サイクルに用いる密閉型圧縮機に適用することができ、広く冷凍装置に搭載することができる。また、かかる密閉型圧縮機を搭載した物品貯蔵装置は、家庭用冷蔵庫を初めとして、除湿機やショーケース、自販機等の各種装置への展開が可能であり、消費電力を抑制した貯蔵装置として広く適用することができる。
100 密閉型圧縮機
101 密閉容器
102 圧縮要素
103 電動要素
104 冷媒ガス(気体)
106 ピストン
106a 先端面
106b 湾曲面
106c 湾曲面
106d 湾曲面
111 バルブプレート
112 吸入孔
112a 吸入弁
113 吐出孔
114 ベルマウス部
118 凸部
118a 平面
120 シリンダブロック
124 圧縮室の軸心
125 圧縮室
126 吐出孔の軸心
128 ピストンの軸心
129 凸部の軸心
130 吸入孔の軸心
218 凸部
218a 平面
226 凝縮器
227 減圧装置
228 蒸発器
318 凸部
318a 側壁(平面)
318b 側壁(平面)
318c 側壁(平面)
318d 側壁(平面)
X 延長線
Y 直線
Z 線
α 配置角度
θ 角度

Claims (11)

  1. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面が前記吸入孔側に面するように配置した密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面の向きを、該平面と直角で、かつこの平面の中心を通る直線Yが、前記吸入孔の軸心とピストンの軸心を通る線Zにおいて、吸入孔の軸心とピストンの軸心の間で交差する位置関係となる向きとした密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記平面の向きを、前記吸入孔の軸心と前記ピストンの軸心を通る線Zに対して、前記平面における前記ピストンの軸心側に面する平面の延長線Xが角度
    αとなるように配置し、前記角度αを、約15°≦α≦約75°の範囲、または約105°≦α≦約150°の範囲とした密閉型圧縮機。
  4. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記凸部の形状を、前記ピストンの先端面と略平行な面による断面形状が、複数の平面を有する多角形形状とした密閉型圧縮機。
  5. 密閉容器内に、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、圧縮室空間を有するシリンダブロックと、前記圧縮室空間内を往復運動するピストンと、前記圧縮室空間の端部に配置され、かつ前記ピストンとで圧縮室を形成するバルブプレートを備え、前記バルブプレートに、前記圧縮室内で圧縮される気体が流入する吸入孔と該圧縮室内で圧縮された気体が吐出される吐出孔を設け、さらに、前記ピストンの先端面で、かつ前記吐出孔と対向した位置に、該ピストンの往復動に伴って前記吐出孔を出没する凸部を設け、前記凸部に、前記ピストンの往復動方向と略平行に延びる少なくとも一つの平面を設け、前記凸部の形状を、前記ピストンの先端面と略平行な面による断面形状が、略長方形となるようにした密閉型圧縮機。
  6. 前記平面の前記ピストンの先端面とでなす角度θを、約70°≦θ≦90°の範囲とした請求項1から5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記凸部におけるピストンの先端面との交差部分を所定の径の湾曲面とした請求項1から6のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記吐出孔を、前記圧縮室側から前記圧縮室の反対側に向かって断面積が大きくなるように形成した請求項1から7のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  9. 前記凸部の軸心を、前記吐出孔の軸心と略一致するように配置した請求項8に記載の密閉型圧縮機。
  10. 前記吐出孔の圧縮室側角部に、前記圧縮室側から圧縮室の反対側に向かって断面積が小さくなるベルマウス部を設けた請求項1から9のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  11. 圧縮機、放熱器、減圧装置、吸熱器を配管によって環状に連結した冷媒回路を有し、前記圧縮機を、請求項1から9のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機とした冷凍装置。
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