JP5617402B2 - 往復式圧縮機およびこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫などの冷凍サイクル装置や空気圧縮機などに使用される往復式圧縮機に関するものである。
近年、地球環境保護のため、省エネルギー化への要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置に用いられる圧縮機や、工業分野などに使用される空気圧縮機などにおいても、高効率化が強く要望されている。
従来、この種の往復式圧縮機としては、シリンダ内を往復運動するピストンの上面に凹部を形成し圧縮機の効率を改善したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図19は、上記特許文献1に記載された従来の往復式圧縮機の断面図、図20は、従来の往復式圧縮機のピストンの先端面からの平面図、図21は従来の往復式圧縮機のピストン上部とバルブプレート部の拡大断面図である。
図19、図20、図21に示すように、圧縮機は、密閉容器101内において、底部にオイル102を貯留するとともに作動流体103が充填され、さらに圧縮機本体104が収納されている。圧縮機本体104は、サスペンションスプリング105によって、密閉容器101内に弾性的に支持されている。
圧縮機本体104は、電動要素106と、この電動要素106により回転駆動される圧縮要素109とから構成されている。圧縮要素109は、電動要素106の下方に配設され、電動要素106は、ステータ107およびロータ108を有している。
圧縮要素109は、偏芯軸110と主軸111を備えたクランクシャフト112と、圧縮室113を形成するシリンダ114と、主軸111を支持する軸受部123とを一体に形成したブロック115と、シリンダ114内部を往復運動するピストン116と、シリンダ114の端面を封止するバルブプレート117、バルブプレート117に備えられ圧縮室113の内外を連通する吸入孔(図示せず)および吐出孔119をそれぞれ開閉する吸入バルブ120と、吐出バルブ121と、偏芯軸110とピストン116を連結する連結手段122を備えている。
また、バルブプレート117の反圧縮室113側には、バルブプレート117を覆うシリンダヘッド128が配され、バルブプレート117とシリンダヘッド128によりヘッド空間129が形成されている。
クランクシャフト112の主軸111は、ブロック115の軸受部123に回転自在に軸支されるとともに、ロータ108が固定されている。
また、図20および図21に示すように、ピストン116の上面(先端面)124には凹部125が形成され、凹部125は少なくとも一部が吐出孔119の一部と重なり、上面124の凹部125以外の面126は平坦でかつバルブプレート117の圧縮室113側の面と平行をなしている。
次に、従来の往復式圧縮機の動作について説明する。
往復式圧縮機は、ステータ107に電流を流して磁界を発生させ、主軸111に固定されたロータ108を回転させることで、クランクシャフト112が回転し、偏芯軸110に取り付けられた連結手段122を介して、ピストン116がシリンダ114内を往復運動し、吸入、圧縮、吐出行程の一連のサイクルを繰り返す。
吸入行程において、ピストン116がシリンダ114の容積が増加する方向に動作すると、圧縮室113内の作動流体103が膨張し、圧縮室113内の圧力が吸入圧力を下回ると、圧縮室113内の圧力と冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力との差により、吸入バルブ120は開き始め、冷凍サイクルから戻った温度の低い作動流体103が、吸入孔(図示せず)を経て圧縮室113内に流入する。
そして、圧縮行程において、ピストン116の動作が、圧縮室113の容積が最も大きくなる下死点の位置から圧縮室113内の容積が減少する方向に転じると、圧縮室113内の圧力は上昇し、圧縮室113内の圧力と冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力との差によって、吸入バルブ120が閉じ、圧縮室113は閉塞される。
その後、ピストン116がさらに圧縮室113の容積を減少させる方向に動作すると、作動流体103は圧縮され、所定の圧力まで昇圧される。
吐出行程において、圧縮室113内の作動流体103の圧力が上昇し、バルブプレート117とシリンダヘッド128により形成されているヘッド空間129内部の圧力より高くなると、圧力差によって吐出バルブ121が開き始め、圧縮室113内部の作動流体103は、吐出孔119を通過し、ヘッド空間129に流出する。その後、作動流体103は、ヘッド空間129から吐出マフラー(図示せず)を経由し、冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に放出される。
ピストン116がバルブプレート117と最も接近し、圧縮室113の容積が最小になる上死点に位置するとき、ピストン116とバルブプレート117の間には両者の干渉を回避するため、クリアランスが存在し、圧縮室113には微小な容積127が残在する。すなわち、この微小な容積127には作動流体が残留し、吐出されないため、吸入行程では、この残留する作動流体103と新たに吸入孔(図示せず)を経て圧縮室113へ流入する作動流体103がともに混合され、圧縮されることとなる。
ピストン116の上面124には凹部125が形成されているため、ピストン116が上死点に位置するとき、バルブプレート117と凹部125との間の空間127のクリアランスは広がり、ピストン116の上面124から空間127を横切り、吐出孔119へ作動流体103が流れる通過断面積を広く確保することができる。
その結果、吐出孔119へ流れる作動流体103の流れを改善することができ、ピストン116が上死点に位置するときの、バルブプレート117とピストン116の上面124とのクリアランスの距離を狭くし、この空間127の容積を低減することで、圧縮機の体積効率を改善することができる。
特公平8−6689号公報
しかしながら、上記従来の構成では、ピストン116が圧縮室113の容積を減少方向
に移動する圧縮行程において、ピストン116の上面124および凹部125の近傍では、作動流体103の流れが、凹部125の中央の方向への流れとなるため、作動流体103の流れが凹部125の中央部で交差するものであった。
その結果、作動流体103が圧縮される際の圧縮室113内部の作動流体103の流れが乱れ、これに伴って吐出孔119へ流れる作動流体103の流れが阻害されていた。
したがって、上記従来の構成は、ピストン116が上死点に位置するとき、ピストン116とバルブプレート117の間の空間容積に残留する作動流体103の重量が増えてしまい、残留した作動流体103が吸入行程で再膨張し、体積効率が低下するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、圧縮室内の作動流体の流れを改善し、ピストンの上死点位置における、圧縮室の残留作動流体の重量を低減することで、吸入行程時の残留作動流体の再膨張を減らし、体積効率を上げることで高効率の往復式圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の往復式圧縮機は、ピストンの圧縮室側に位置する先端面に、吐出孔から最も離れた前記先端面における外周縁部から前記先端面における前記吐出孔との対向位置に向かって延びる凹部を設けたものである。
したがって、ピストンが下死点から上死点へ移動する圧縮行程時において、前記ピストンの移動に伴う圧縮室の容積の減少により圧縮室内部の作動流体は圧縮され、前記吐出孔から吐出される流れとなる。
この時、圧縮室の内周面近く(ピストン先端面の外周縁部)に位置する作動流体は、前記凹部に沿ってピストンの先端面における吐出孔との対向位置へと流れ、圧縮室の内周面近くでの残留が抑制される。その結果、吸入行程における残留作動流体の再膨張の量を減少し、圧縮機の体積効率を向上することができ、また、作動流体の圧縮室の内周面近くでの滞留に起因した過圧縮も抑制することもできるため、圧縮機入力も低減することができる。
本発明の往復式圧縮機は、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の残留量を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らし、体積効率を向上させ、圧縮機の効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における往復式圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮要素の分解斜視図 本発明の実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮要素を構成するピストンの斜視図 同実施の形態1における往復式圧縮機のピストンの平面図 同実施の形態1における往復式圧縮機のピストンの図3に示すA―A線による縦断面図 同実施の形態1における往復式圧縮機の動作を説明する模式図 冷凍能力、入力、成績係数(COP)について同実施の形態1における往復式圧縮機と従来構成の圧縮機との比較結果を示すグラフ 図8は、同実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮行程における作動流体の流れを説明する模式図 本発明の実施の形態2における往復式圧縮機のピストンの斜視図 同実施の形態2における往復式圧縮機のピストンの平面図 同実施の形態2における凹付記式圧縮機の図9に示すB―B線による断面図 同実施の形態2における往復式圧縮機の圧縮行程における作動流体の流れを説明する模式図 本発明の実施の形態3における往復式圧縮機のピストンの斜視図 同実施の形態3における往復式圧縮機のピストンの平面図 同実施の形態3における往復式圧縮機の図13に示すC―C線による断面図 本発明の実施の形態4における往復圧縮機のピストンの斜視図 同実施の形態4における往復式圧縮機のピストンの平面図 同実施の形態4における往復式圧縮機の図16に示すD―D線による断面図 従来例を示す往復式圧縮機の断面図 同往復式圧縮機におけるピストンの先端面側からの平面図 同往復式圧縮機におけるピストン上部とバルブプレート部の拡大断面図
請求項1に記載の発明は、容器内に、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収納し、前記圧縮要素は、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室内を往復運動するピストンと、前記圧縮室の開口端を閉塞するように配置され、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成したバルブプレートを備える構成とし、前記吐出孔は、前記ピストンの先端面の中央部からオフセットした位置に設けられ、さらに、前記ピストンにおける前記バルブプレートと対向する先端面に、前記圧縮室の内周面近くに位置する作動流体を、前記吐出孔に導くように前記先端面の外周縁部から前記先端面における吐出孔との対向位置に向かって延びる所定幅の凹部で形成された誘導手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記ピストンが下死点から上死点へ動作する圧縮行程時において、前記吐出孔から離れた圧縮室の内周面近く(ピストン先端面の外周縁部)に位置する作動流体を、前記誘導手段によって前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置へ導くことができる。
その結果、ピストンの(略)上死点位置において、ピストンとバルブプレートの間のクリアランス容積内に残留する作動流体の重量を減少させることができ、吸入行程における残留作動流体の再膨張量を抑え、体積効率を向上させることができる。また、作動流体が前記圧縮室の内周面近くに滞留することに起因した過圧縮を抑制し、圧縮機の入力を低減して圧縮機の効率を向上させることができる。
また、かかる構成とすることにより、前記ピストンが下死点から上死点へ動作する圧縮行程時において、前記吐出孔から離れた圧縮室の内周面近く(ピストン先端面の外周縁部)に位置する作動流体を、前記凹部に沿って前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置へ導くことができる。
その結果、吸入行程における残留作動流体の再膨張量を抑え、体積効率を向上させることができる。また、作動流体が前記圧縮室の内周面近くに滞留することに起因した過圧縮を抑制し、圧縮機の入力を低減して圧縮機の効率を向上させることができる。さらに、誘導手段は所定幅の凹部であるため、比較的加工が容易であり、生産性を極端に低下させることもない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凹部は、前記圧縮室の内周面近くに残留する前記作動流体を、前記吐出孔へ導くものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記凹部の底面を、前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置に向かうにつれて前記バルブプレートから離間する傾斜面としたものである。
かかる構成とすることにより、圧縮行程時における前記圧縮室内の作動流体の挙動は、凹部において浅い側から深い側へ移動する流れを生成し、そして吐出孔から吐出される流れとなる。この時、特に圧縮室の内周面寄りに位置する作動流体は、前述の凹部での流れに誘引されて吐出孔へ導かれることとなり、圧縮室の内周面近くに残留することが抑制され、請求項1による作用効果をさらに助長することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記凹部を、前記先端面における吐出孔との対向位置を通過する直径方向で、かつ前記吐出孔から最も離れた前記先端面の外周縁部から前記対向位置に亘って設けたものである。
かかる構成により、圧縮室の内周面側に近い作動流体を、前記凹部内に沿った流れに導くことができる。その結果、前記ピストンの(略)上死点位置における作動流体の残留をさらに抑制することができ、圧縮機の効率を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の発明において、前記凹部を複数設け、かつ前記先端面における吐出孔との対向位置を中心に扇形の配置となるように形成したものである。
かかる構成とすることにより、前記圧縮室の内周面側に近い作動流体を、複数の凹部によって前記吐出孔側へ導くことができるため、前記吐出孔へ導く作動流体の流れの乱れを抑制することができる。その結果、前記ピストンの(略)上死点位置における作動流体のさらなる残留抑制効果が期待でき、圧縮機の効率をさらに向上することが期待できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記誘導手段を、前記先端面における吐出孔との対向位置から離れたピストンの外周縁部を起点に、該対向位置へ向かうにつれて前記バルブプレートから離間する平面状の傾斜面としたものである。
かかる構成とすることにより、前記ピストンが下死点から上死点へ動作する圧縮行程時は、前記ピストンの移動に伴う圧縮室の容積の減少によって圧縮室内部の作動流体が圧縮され、前記吐出孔から吐出される流れとなる。
この時、前記圧縮室内部の作動流体は、前記ピストンの先端面が傾斜していることに伴い、前記吐出孔から離れたピストン外周部から前記吐出孔側へ流れる。その結果、吐出孔から吐出される際に、圧縮室内部における作動流体の内周面近傍での残留を抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置に、該ピストンが上死点に位置した時に前記バルブプレートの吐出孔へ嵌入する突起を設けたものである。
かかる構成とすることにより、ピストンが(略)上死点位置となった状態における作動流体の残留空間容積を、吐出孔部の容積も含めて低減させることができる。
その結果、さらに残留作動流体の重量を低減することで再膨張量を減らし、圧縮機の体積効率をさらに向上させることができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の往復式圧縮機を備えた冷蔵庫である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における往復式圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮要素の分解斜視図である。図3は、同実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮要素を構成するピストンの斜視図である。図4は、同実施の形態1における往復式圧縮機のピストンの平面図である。図5は、同実施の形態1における往復式圧縮機のピストンの図3に示すA―A線による縦断面図である。図6は、同実施の形態1における往復式圧縮機の動作を説明する模式図で、(a)は吸入行程の途中を、(b)は吸入行程の終了(下死点近傍)を、(c)は圧縮行程の途中を、(d)は吐出行程(上死点近傍)をそれぞれ示している。図7は、冷凍能力、入力、成績係数(COP)について同実施の形態1における往復式圧縮機と従来構成の圧縮機との比較結果を示すグラフである。図8は、同実施の形態1における往復式圧縮機の圧縮行程における作動流体の流れを説明する模式図で、(a)は圧縮開始直前(吸入終了直前、下死点近傍)を、(b)は圧縮途中の行程を、(c)は吐出行程をそれぞれ示している。
図1から図5において、往復式圧縮機は、密閉容器1内の底部にオイル2を貯留し、さらに作動流体3として、例えばR600aのような地球温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒が封入されている。
また、密閉容器1は、鉄板の絞り成型によって形成され、さらに、一端が密閉容器1内に連通し、他端が冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続される吸入管50、および、一端が密閉容器1を貫通して吐出マフラー(図示せず)と連通し、他端が冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に接続される吐出管57を備えている。
また、密閉容器1内には、圧縮要素9と、この圧縮要素9を駆動する電動要素6とを備えた圧縮機本体4が収納されている。圧縮機本体4は、サスペンションスプリング5によって、密閉容器1に対して弾性的に支持されている。
圧縮要素9は、クランクシャフト12、シリンダブロック15、ピストン16、連結手段22などで構成されている。クランクシャフト12は、偏芯軸10と主軸11で構成され、また、主軸11の表面には、螺旋状の溝などからなる給油機構51が設けられている。
電動要素6は、シリンダブロック15の下方にボルト(図示せず)によって螺子固定されたステータ7と、ステータ7の内側に配置され、主軸11に焼き嵌め固定されたロータ8で構成されている。
シリンダブロック15には、圧縮室13を形成するシリンダ14と主軸11を回転自在に軸支する軸受部23が一体に形成されている。
また、シリンダ14の端面には、圧縮室13内外を連通する吸入孔18と吐出孔19を備えたバルブプレート17と、吸入孔18を開閉する吸入バルブ20と、バルブプレート17を覆うシリンダヘッド52が、ともにヘッドボルト53によって、シリンダ14の端面を封止するように固定されている。さらに、バルブプレート17とシリンダヘッド52
の間には、吸入マフラー54が把持されて固定されている。また、バルブプレート17におけるシリンダヘッド52と対向する面には、吐出孔19を開閉する吐出バルブ21が固定され、これによってバルブプレート17とシリンダヘッド52によりヘッド空間56が形成されている。
さらに、ピストン16におけるバルブプレート17と対向する先端面24には、図3に示すように、吐出孔19から最も離間したピストン16の外周縁部27から先端面24における吐出孔19との対向位置に向かい、かつ直径方向に延びる所定幅の凹部25(本発明の誘導手段に相当)が設けられている。この凹部25は、一様の深さ(例えば、50μm程度)に形成されている。
また、ピストン16の先端面24における吐出孔19との対向位置には、円錐台形状の突起26が設けられている。この突起26は、吐出孔19との対向位置に設けられていることから、ピストン16が上死点に位置した状態でバルブプレート17に設けた吐出孔19内に嵌入するように、その突出(高さ)寸法が設定されている。
次に、上記構成からなる往復式圧縮機の動作および作用を説明する。
往復式圧縮機は、ステータ7に電流を流して磁界を発生させ、主軸11に固定されたロータ8を回転させることで、クランクシャフト12が回転する。これに伴い、偏芯軸10に回転自在に取り付けられた連結手段22を介して、ピストン16がシリンダ14内を往復運動する。
そして、このピストン16の往復運動に伴い、作動流体3は吸入マフラー54を介して圧縮室13内へ吸入され、圧縮された後、吐出孔19から吐出され、ヘッド空間156を経て冷凍サイクル(図示せず)へと流れる。
次に、図6を参照しながら圧縮機本体4による作動流体3の吸入、圧縮、吐出行程について説明する。
吸入行程において、図6(a)に示すようにピストン16が圧縮室13の容積を増加する矢印x方向に動作することにより、圧縮室13内の作動流体3が膨張し、圧縮室13内の圧力が低下する。そして、圧縮室13内の圧力が、吸入マフラー54内の圧力を下回ると、圧縮室13内の圧力と吸入マフラー54内の圧力との差により、吸入バルブ20が開く。これに伴い、冷凍サイクルから戻った温度の低い作動流体3が、吸入管50から密閉容器1内に一旦開放され、その後、吸入マフラー54を経て、圧縮室13内に流入する。
その後、圧縮行程において、図6(b)に示すようにピストン16の動作が下死点から圧縮室13の容積が減少する矢印y方向に転じると、圧縮室13内の圧力は上昇し、圧縮室13内の圧力と吸入マフラー54内の圧力との差によって、吸入バルブ20が閉じる。これに伴い、圧縮室13は閉塞され、ピストン16がさらに圧縮室13の容積が減少する方向に動作することで、図6(c)に示すように作動流体3は圧縮され、所定の圧力にまで昇圧される。
そして、吐出行程において、圧縮室13内の作動流体3の圧力が上昇し、バルブプレート17とシリンダヘッド52により形成されているヘッド空間56内部の圧力より高くなると、図6(d)に示すように圧力差によって吐出バルブ21が開き始める。その結果、圧縮室13内部の作動流体3は、吐出孔19を通過し、ヘッド空間56へ流出する。
そして、作動流体3は、ヘッド空間56から吐出マフラー(図示せず)を経由し、吐出
管57より冷凍サイクルの高圧側(図示せず)へと流れる。
圧縮室13内部の圧力が、ヘッド空間56内の圧力を下回ると、吐出バルブ21は閉じ、これに伴って圧縮室13は閉塞され、ピストン16が下死点方向に移動して再び吸入行程に移行する。
ピストン16の上死点位置において、ピストン16とバルブプレート17の間には、両者の干渉を回避するためのクリアランスが形成されており、圧縮室13には微小な容積が残在する。
すなわち、この微小な容積によって圧縮室13の内部には作動流体3が残留することとなる。この残留した作動流体3は吐出されないため、吸入行程では、この残留する作動流体3と新たに吸入マフラー54から吸入孔18を経て流入する作動流体3が混合され、圧縮されることとなる。
したがって、従来の構成であると、上述の如く圧縮室13の内周面近くに残留した作動流体3の再膨張により、期待できる圧縮効率の向上には限界があった。
しかしながら、本実施の形態1における圧縮機の構成は、ピストン16の先端面24に凹部25を設け、しかも、この凹部25を、吐出孔19から最も離間したピストン16の外周縁部27から先端面24における吐出孔19との対向位置に向かって延びる構成としているため、圧縮室13の内周面近くに位置し、かつ圧縮された作動流体3を可能な限り吐出孔19から吐出させることができ、従来以上の作用効果が期待できる。
図7に、本実施の形態1の構成による圧縮機の冷凍能力、入力(消費電力)、COP(成績係数)の結果を示す。図7は、ピストン16の先端面24に凹部25を具備していない従来構成と相対比較した結果である。
図7に示すように、同一試験条件では、冷凍能力、入力、COPいずれにおいても従来の構成を上回る結果を得ることができた。
ここで、圧縮、吐出行程における、圧縮室13内部の作動流体3の流れについて、図8を参照しながら説明する。
図8(a)の圧縮開始直前状態からピストン16が矢印y方向へ始動し、圧縮室13内の圧力が吸入マフラー54内の圧力を上回り、吸入バルブ20が閉じると、図8の(b)に示すように圧縮室13内は閉塞される。そして、さらにピストン16が上死点方向、すなわち、圧縮室13の容積が減少する方向に動作すると、作動流体3は圧縮される。
このとき、圧縮室13内の作動流体3の流れは、ピストン16の先端面24付近において、ピストン16の先端面24に形成された凹部25により、矢印Yで示すように、凹部25の底面に沿って、圧縮室13の内周面から吐出孔19方向に向かう流れが発生する。
そして、ヘッド空間56の圧力よりも圧縮室13内部の圧力が高くなり、図8の(c)に示すように、吐出バルブ21が開くと、吐出孔19近傍の作動流体3は、矢印Y1で示すように速やかに吐出孔19方向へ流れ、そして、吐出孔19を通過してヘッド空間56へ吐出される。
一方、吐出孔19から離れた図4のZで示す領域(圧縮室13の内周面近く)の作動流体3は、図8の(c)の矢印Y2で示すように矢印Y1で示す流れなどの影響を受け、一
部は圧縮室13の内周面側に向かう流れとなり、通常では吐出孔19からの吐出が遅くなるものと推測する。
しかしながら、本実施の形態1の構成によれば、ピストン16の先端面24に凹部25を設けたことにより、矢印Y3で示すように、圧縮室13の内周面近くに位置する作動流体3は、凹部25によって一定の流れが形成され、突起26側へと導かれるものと推測する。
その結果、ピストン16が上死点近傍へ到達することにより、先端面24とバルブプレート17とのクリアランスが小さくなり、吐出孔19へ向かうための流路が狭くなっても、領域Zに残留する作動流体3は、ピストン16の先端面24の凹部25を流れる作動流体3の流れ(矢印Y3)に誘引され、スムーズに吐出孔19から排出されるものと推測する。したがって、残留する作動流体3の重量を減らし、再膨張量を抑制することで、体積効率の向上を図ることができる。
さらに、ピストン16の領域Zにおける作動流体3は、上述の如くピストン16の先端面24に形成された凹部25によって生成される作動流体3の流れに伴い、ピストン16の領域Zに滞留することなく、スムーズに吐出孔19からヘッド空間56へ排出されるため、作動流体3の滞留により発生するピストン16の先端面24の外周縁部27を主要部とする局部的な圧力上昇が緩和され、必要以上に圧力が上昇してしまう過圧縮も減らすことができ、圧縮機入力の低減と圧縮機効率の向上を図ることができる。
また、上述の如く、圧縮室13の内周面近くに位置する作動流体3は、ピストン16の先端面24に設けた凹部25を流れる作動流体3の流れに誘引され、吐出孔19から吐出される流れとなるため、ピストン16とバルブプレート17のクリアランスをより狭くすることができ、ピストン16の上死点位置における圧縮室13の容積をさらに小さく設定することができる。このことは、残留する作動流体3の許容する重量をさらに減少させ、再膨張(量)を抑え、体積効率をさらに向上することが期待できる。
さらに、ピストン16の先端面24には、吐出孔19に嵌入する突起26が形成されているため、吐出行程において、吐出孔19内部に突起26が嵌入し、ピストン16の上死点位置における吐出孔19の容積も含めた圧縮室13の容積を低減させることができ、さらに残留する作動流体の重量を低減することで再膨張量を減らし、より体積効率を向上させることができる。
本実施の形態1では、吐出孔19をピストン16の先端面24に対し、先端面24の中央部からオフセットした部位に設けている。そのため、ピストン16の先端面24に設けた凹部25は、吐出孔19より最も離間したピストン16の外周縁部(外周位置)27から突起26(ピストン16の先端面24における吐出孔19の対向位置)に向けて設ける構成とした。
一方、吐出孔19をピストン16の先端面24の中央部に位置する構成とした場合においても、作動流体3が滞留するピストン外周縁部27から吐出孔19の対向位置に向かって延びるように凹部25を設けることにより、同様の効果が期待できる。
また、本実施の形態1においては、ピストン16に設けた突起26を円錐台形状としたが、この突起26の形状は、円錐台に限るものではなく、四角錐台などの多角錐台形状としても同様の効果が期待できる。
さらに、本実施の形態1においては、ピストン16の先端面24に突起26を設ける構
成としたが、先端面24に突起26を具備しない構成とした場合においても、同様に凹部25を流れる作動流体3の強制的な流れにより、ピストン16の領域Z(圧縮室13の内周面部)に残留する作動流体3を誘引して吐出孔19へ導くことができる。
したがって、ピストン16の先端面24に突起26を具備しないピストン構成においても同様に、圧縮室13内に残留する作動流体3の重量を減らし、再膨張量を抑制して体積効率の向上を図る効果が期待できる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における往復式圧縮機のピストンの斜視図である。図10は、同実施の形態2における往復式圧縮機のピストンの平面図である。図11は、同実施の形態2における往復式圧縮機の図9に示すB―B線による断面図である。図12は、同実施の形態2における往復式圧縮機の圧縮行程における作動流体の流れを説明する模式図で、(a)は圧縮開始直前(吸入終了直前、下死点近傍)を、(b)は圧縮途中の行程を、(c)は吐出行程をそれぞれ示している。なお、実施の形態1と同一または相当する構成要素には同一の符号を付して説明する。
図9、図10、図11に示すように、本発明の実施の形態2における往復式圧縮機のピストン16は、実施の形態1と同様にその先端面24において、吐出孔19から最も離れたピストン16の外周縁部27から先端面24における吐出孔19との対向位置に向かい、かつ直径方向に延びる所定幅の凹部25a(本発明の誘導手段に相当)が設けられている。この凹部25aの底面は、先端面24における吐出孔19との対向位置に向かうにつれてバルブプレート17から離間する傾斜面となるように形成されている。
換言すると、凹部25aは、その底部がピストン16の先端面24における吐出孔19との対向位置に向かうにつれて、例えば、0μmから50μmのように、その底部が徐々に深くなるように形成されている。
また、ピストン16の先端面24における吐出孔19との対向位置には、円錐台形状の突起26が設けられている。この突起26は、吐出孔19との対向位置に設けられていることから、ピストン16が上死点に位置した状態でバルブプレート17に設けた吐出孔19内に嵌入するように、その突出(高さ)寸法が設定されている。
上記構成のピストン16は、実施の形態1で説明した圧縮機のピストン16に代わって用いられるもので、本実施の形態2における圧縮機の構成、基本動作などの説明においては、符号を含めて先の実施の形態1の説明を援用するものとし、ここでは実施の形態1と相違する圧縮行程の内容を主体に説明する。
圧縮行程は、図12(a)の圧縮開始直前状態からピストン16が矢印y方向へ始動し、圧縮室13内の圧力が吸入マフラー54内の圧力を上回り、吸入バルブ20が閉じると、図12の(b)に示すように圧縮室13内は閉塞される。そして、さらにピストン16が上死点方向、すなわち、圧縮室13の容積が減少する方向に動作すると、作動流体3は圧縮される。
このとき、圧縮室13内の作動流体3の流れは、ピストン16の先端面24付近において、ピストン16の先端面24に形成された凹部25aにより、矢印Yで示すように、凹部25aの底面の傾斜に沿って、圧縮室13の内周面から吐出孔19方向に向かう流れが発生する。
この流れは、凹部25aの底面が傾斜していることから、実施の形態1よりも積極的な
流れになるものと推測する。
そして、ヘッド空間56の圧力よりも圧縮室13内部の圧力が高くなり、図12の(c)に示すように、吐出バルブ21が開くと、吐出孔19近傍の作動流体3は、矢印Y1で示すように速やかに吐出孔19方向へ流れ、そして、吐出孔19を通過してヘッド空間56へ吐出される。
一方、吐出孔19から離れた図10のZで示す領域(圧縮室13の内周面近く)の作動流体3は、図12の(c)の矢印Y2で示すように矢印Y1で示す流れなどの影響を受け、一部は圧縮室13の内周面側に向かう流れとなり、通常では吐出孔19からの吐出が遅くなるものと推測する。
しかしながら、本実施の形態2の構成によれば、ピストン16の先端面24に凹部25aを設けたことにより、矢印Y3で示すように、圧縮室13の内周面近くに位置する作動流体3は、凹部25aによって一定の流れが形成され、突起26側へと導かれるものと推測する。
その結果、実施の形態1と同様に、ピストン16が上死点近傍へ到達することにより、吐出孔19へ向かうための流路が狭くなっても、領域Zに残留する作動流体3は、ピストン16の先端面24の凹部25aを流れる作動流体3の流れ(矢印Y3)に誘引され、スムーズに吐出孔19から排出されるものと推測する。
しかも、凹部25aによって形成される流れは、凹部25aの底面が、先端面24における吐出孔19との対向部(突起26)側へ傾斜していることから、実施の形態1よりも積極的な流れになるものと推測する。
したがって、圧縮室13の内周面近く(領域Z)に残留する作動流体3の排出量の増加が期待でき、残留する重量を減らし、再膨張量を抑制することで、体積効率をさらに向上することができる。
さらに、残留する作動流体3の減少に伴い、ピストン16の領域Zにおける作動流体3の滞留により発生するピストン16の先端面24の外周縁部27を主要部とする局部的な圧力上昇をより緩和することができ、必要以上に圧力が上昇してしまう過圧縮を抑制して、圧縮機入力の低減と圧縮機効率の向上を図ることができる。
また、上述の如く、圧縮室13の内周面近くに位置する作動流体3は、ピストン16の先端面24に設けた凹部25aを流れる作動流体3の流れに誘引され、吐出孔19から吐出される流れとなるため、ピストン16とバルブプレート17のクリアランスをより狭くすることができ、ピストン16の上死点位置における圧縮室13の容積をさらに小さく設定することができる。このことは、残留する作動流体3の許容する重量をさらに減少させ、再膨張量を抑え、体積効率をさらに向上することが期待できる。
さらに、ピストン16の先端面24には、吐出孔19に嵌入する突起26が形成されているため、吐出行程において、吐出孔19の内部に突起26が嵌入し、ピストン16の上死点位置における吐出孔19の容積も含めた圧縮室13の容積を低減させることができ、さらに残留する作動流体の重量を低減することで再膨張量を減らし、より体積効率を向上させることができる。
本実施の形態1では、吐出孔19をピストン16の先端面24に対し、先端面24の中央部からオフセットした部位に設けている。そのため、ピストン16の先端面24に設け
た凹部25aは、吐出孔19より最も離間したピストン16の外周縁部(外周位置)27から突起26(ピストン16の先端面24における吐出孔19の対向位置)に向けて設ける構成とした。
一方、吐出孔19をピストン16の先端面24の中央部に位置する構成とした場合においても、作動流体3が滞留するピストン外周縁部27から吐出孔19の対向位置に向かって延びるように凹部25aを設けることにより、同様の効果が期待できる。
また、本実施の形態1においては、ピストン16に設けた突起26を円錐台形状としたが、この突起26の形状は、円錐台に限るものではなく、四角錐台などの多角錐台形状としても同様の効果が期待できる。
さらに、本実施の形態1においては、ピストン16の先端面24に突起26を設ける構成としたが、先端面24に突起26を具備しない構成とした場合においても、同様に凹部25aを流れる作動流体3の強制的な流れにより、ピストン16の領域Z(圧縮室13の内周面部)に残留する作動流体3を誘引して吐出孔19へ導くことができる。
したがって、ピストン16の先端面24に突起26を具備しないピストン構成においても同様に、圧縮室13内に残留する作動流体3の重量を減らし、再膨張量を抑制して体積効率の向上を図る効果が期待できる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3における往復式圧縮機のピストンの斜視図である。図14は、同実施の形態3における往復式圧縮機のピストンの平面図である。図15は、同実施の形態3における往復式圧縮機の図13に示すC―C線による断面図である。なお、実施の形態1と同一または相当する構成要素には同一の符号を付して説明する。
図13、図14、図15に示すように、本発明の実施の形態3における往復圧縮機のピストン16は、その先端面24に、複数の凹部25a、25b、25c(本発明の誘導手段に相当)を、先端面24における吐出孔19との対向位置を中心に扇形の配置となるように設けた構成が、実施の形態2のピストン16の構成と相違している。突起26は、実施の形態1と同様に、ピストン16の先端面24における吐出孔19との対向位置に設けられている。
複数の凹部25a、25b、25cは、それぞれ実施の形態2の凹部25aと同様に、底面が、先端面24における吐出孔19との対向位置に向かうにつれてバルブプレート17から離間する傾斜面となるように形成されている。
次に、上記構成からなるピストン16を具備した往復式圧縮機の動作について説明する。
上記構成のピストン16は、実施の形態1で説明した圧縮機のピストン16に代わって用いられるもので、本実施の形態3における圧縮機の構成、基本動作などの説明においては、符号を含めて先の実施の形態1の説明を援用するものとし、ここでは、実施の形態1と相違する内容を主体に説明する。
上記構成において、本実施の形態3の場合、圧縮行程から吐出行程にかけては、複数の凹部25a、25b、25cによって領域Z(圧縮室13の内周面寄り)に位置する作動流体3が吐出孔19へ導かれるため、先の実施の形態1、2に示す一つの凹部25、25aによる導き作用と比較して、広範囲からの導き作用が期待でき、実施の形態1、2で説
明した圧縮室13内周面寄り(Z領域)に位置する作動流体3の吐出行程時における吐出孔19への流れの乱れを抑制することができる。
その結果、圧縮室13内周面寄り(Z領域)に残留する作動流体3の重量を減少することができ、これに起因してピストン16の上死点位置における圧縮室13の微小空間容積を極力小さくすることができる。これに伴い、残留作動流体103の許容する重量をさらに低減することができる。
したがって、残留する作動流体3の再膨張量を抑制することで吸入行程における作動流体3の吸入量の増大を可能とし、体積効率の向上を図ることができる。
また、圧縮室13の内周面寄りに位置する作動流体3の滞留による局部的な圧力上昇が緩和でき、圧縮機入力の低減を可能にして圧縮機効率の向上を図ることができる。
なお、実施の形態1の凹部25を複数設け、本実施の形態4と同様に扇形に配置した構成としても同様の作用効果が期待できる。
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4における往復圧縮機のピストンの斜視図である。図17は、同実施の形態4における往復式圧縮機のピストンの平面図である。図18は、同実施の形態4における往復式圧縮機の図16に示すD―D線による断面図である。なお、実施の形態1と同一または相当する構成要素には同一の符号を付して説明する。
図16、図17、図18に示すように、本発明の実施の形態4における往復圧縮機のピストン16は、その先端面24の構成が先の実施の形態1、2、3と相違している。
すなわち、ピストン16の先端面24に、先端面24における吐出孔19との対向位置から最も離れたピストン16の外周縁部27を起点に、該対向位置に向かうにつれてバルブプレート17から離間する平面状の傾斜面24a(本発明の誘導手段に相当)を設けた構成が相違している。突起26は、実施の形態1、2、3と同様に、ピストン16の先端面24における吐出孔19との対向位置に設けられている。
次に、上記構成からなるピストン16を具備した往復式圧縮機の動作について説明する。
上記構成のピストン16は、実施の形態1で説明した圧縮機のピストン16に代わって用いられるもので、本実施の形態4における圧縮機の構成、基本動作などの説明においては、符号を含めて先の実施の形態1の説明を援用するものとし、ここでは、実施の形態1と相違する内容を主体に説明する。
上記構成において、本実施の形態4の場合、圧縮行程から吐出行程にかけては、平面状の傾斜面24aによって領域Z(圧縮室13の内周面寄り)に位置する作動流体3が吐出孔19へ導かれるため、先の実施の形態1、2、3に示す特定した流れを部分的に形成する凹部25、25a、25b、25cによる導き作用と比較して、さらに広範囲からの導き作用が期待でき、実施の形態1、2、3で説明した圧縮室13内周面寄り(Z領域)に位置する作動流体3の吐出行程時の吐出をより円滑にし、残留量をより少なくする効果が期待できる。
したがって、実施の形態1、2、3と同様に残留する作動流体3の重量低減に伴い、体積効率の向上を図り、かつ圧縮機入力の低減を可能にして圧縮機効率の向上を図ることが
期待できる。
以上のように、本発明にかかる往復圧縮機は、体積効率の向上、圧縮機効率の向上が図れるため、家庭用電気冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置、さらに空気圧縮機などの工業用圧縮機などに広く適用できる。
1 密閉容器
6 電動要素
9 圧縮要素
13 圧縮室
15 シリンダブロック
16 ピストン
17 バルブプレート
19 吐出孔
24 先端面
24a 傾斜面(誘導手段)
25 凹部(誘導手段)
25a 凹部(誘導手段)
25b 凹部(誘導手段)
25c 凹部(誘導手段)
26 突起
27 外周縁部

Claims (8)

  1. 容器内に、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収納し、
    前記圧縮要素は、
    圧縮室を形成するシリンダブロックと、
    前記圧縮室内を往復運動するピストンと、
    前記圧縮室の開口端を閉塞するように配置され、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成したバルブプレートを備える構成とし、
    前記吐出孔は、前記ピストンの先端面の中央部からオフセットした位置に設けられ、
    さらに、前記ピストンにおける前記バルブプレートと対向する先端面に、前記圧縮室の内周面近くに位置する作動流体を、前記吐出孔に導くように前記先端面の外周縁部から前記先端面における吐出孔との対向位置に向かって延びる所定幅の凹部で形成された誘導手段を設けた往復式圧縮機。
  2. 前記凹部は、前記圧縮室の内周面近くに残留する前記作動流体を、前記吐出孔へ導くものである請求項1に記載の往復式圧縮機。
  3. 前記凹部の底面を、前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置に向かうにつれて前記バルブプレートから離間する傾斜面とした請求項2に記載の往復式圧縮機。
  4. 前記凹部を、前記先端面における吐出孔との対向位置を通過する直径方向で、かつ前記吐出孔から最も離れた前記先端面の外周縁部から前記対向位置に亘って設けた請求項2または3に記載の往復式圧縮機。
  5. 前記凹部を複数設け、かつ前記先端面における吐出孔との対向位置を中心に扇形の配置となるように形成した請求項2から4のいずれか一項に記載の往復式圧縮機。
  6. 前記誘導手段を、前記先端面における吐出孔との対向位置から離れたピストンの外周縁部を起点に、該対向位置へ向かうにつれて前記バルブプレートから離間する平面状の傾斜面とした請求項1に記載の往復式圧縮機。
  7. 前記ピストンの先端面における吐出孔との対向位置に、該ピストンが上死点に位置した時に前記バルブプレートの吐出孔へ嵌入する突起を設けた請求項1から6のいずれか一項に記載の往復式圧縮機。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の往復式圧縮機を備えた冷蔵庫。
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