JP2014080946A - 密閉型圧縮機および冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの上死点位置において、圧縮室に残る残留作動流体を低減することで残留した作動流体の再膨張量を減らし、体積効率を向上させ、効率を向上させた密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】ピストン116とバルブプレート117との隙間が、ピストン116の先端面124の中央に対して前記吐出孔119と対向する箇所より前記吐出孔の周辺が広くなるようにシリンダブロック115のシリンダ114の開口端面114aを傾斜させることで、新たな設備投資無く、容易な加工で、圧縮室内の作動流体の流れを改善し、かつ残留する作動流体を低減することで、再膨張を減らして、生産性と効率を向上することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷蔵庫などの冷凍サイクル装置や空気圧縮機などに使用される密閉型圧縮機に関するものである。
近年、地球環境保護のため、省エネルギー化への要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置に用いられる密閉型圧縮機においては、高効率化が強く要望されている。
従来、この種の密閉型圧縮機としては、シリンダ内を往復運動するピストンの先端面に凹部を形成し効率を向上させたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図9は、上記特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の断面図、図10は、従来の密閉型圧縮機のピストンの先端面側からの平面図、図11は従来の密閉型圧縮機のシリンダ要部の拡大断面図である。
図9〜11に示すように、密閉容器1は、底部にオイル2を貯留するとともに作動流体3が充填され、さらに圧縮機本体4が収納されている。圧縮機本体4は、サスペンションスプリング5によって、密閉容器1内に弾性的に支持されている。
圧縮機本体4は、電動要素6と、この電動要素6により回転駆動される圧縮要素9とから構成されている。圧縮要素9は、電動要素6の下方に配設され、電動要素6は、ステータ7とロータ8とから構成されている。
圧縮要素9は、偏芯軸10と主軸11を備えたクランクシャフト12と、圧縮室13を形成するシリンダ14と、主軸11を支持する軸受部23とを一体に形成したブロック15と、シリンダ14内部を往復運動するピストン16と、シリンダ14の端面を封止するバルブプレート17、バルブプレート17に備えられ圧縮室13の内外を連通する吸入孔(図示せず)および吐出孔19をそれぞれ開閉する吸入バルブ20と、吐出バルブ21と、偏芯軸10とピストン16を連結する連結手段22を備えている。
また、バルブプレート17の反圧縮室13側には、バルブプレート17を覆って蓋をするようにシリンダヘッド28が配され、バルブプレート17とシリンダヘッド28によりヘッド空間29が形成されている。
クランクシャフト12の主軸11は、ブロック15の軸受部23に回転自在に軸支されるとともに、ロータ8が固定されている。
また、ピストン16の先端面24には凹部25が形成され、凹部25は少なくとも一部が吐出孔19の一部と重なり、先端面24の凹部25以外の面26は平坦でかつバルブプレート17の圧縮室13側の面と平行をなしている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について以下、その動作について説明する。
ステータ7に電流が流れ磁界が発生し、主軸11に固定されたロータ8が回転することで、クランクシャフト12が回転する。偏芯軸10が偏芯運動し、偏芯軸10の偏芯運動が連結手段22を介して、ピストン16に伝えられピストン16がシリンダ14内を往復
運動し、吸入、圧縮、吐出行程の一連のサイクルを繰り返す。
吸入行程において、ピストン16がシリンダ14の容積が増加する方向に動作すると、圧縮室13内の作動流体3が膨張し、圧縮室13内の圧力が冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力を下回ると、吸入バルブ20は開き始め、冷凍サイクルから戻った温度の低い作動流体3が、吸入孔(図示せず)を経て圧縮室13内に流入する。
そして、圧縮行程において、ピストン16が、圧縮室13の容積を最も大きくする下死点の位置から圧縮室13内の容積を減少する方向に転じると、圧縮室13内の圧力は上昇し、圧縮室13内の圧力と冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力との差によって、吸入バルブ20が閉じ、圧縮室13は閉塞される。
その後、ピストン16がさらに圧縮室13の容積を減少させる方向に動作すると、作動流体3は圧縮され、所定の圧力まで昇圧される。
吐出行程において、圧縮室13内の作動流体3の圧力が上昇し、バルブプレート17とシリンダヘッド28により形成されているヘッド空間29内部の圧力より高くなると、圧力差によって吐出バルブ21が開き始め、圧縮室13内部の作動流体3は、吐出孔19を通過し、ヘッド空間29に流出する。その後、作動流体3は、ヘッド空間29から吐出マフラー(図示せず)を経由し、冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に放出される。
また吐出行程において、ピストン16の先端面24が、バルブプレート17に最も接近し、圧縮室13の容積を最小にする上死点に位置するとき、ピストン16の先端面24には凹部25が形成されているため、バルブプレート17と凹部25との間の空間27の隙間が確保され、ピストン16の先端面24から空間27を横切り、吐出孔19へ流れる作動流体3の通過断面積を広く確保することができるので、作動流体3の流れが改善され、密閉型圧縮機の圧縮効率を改善することができる。
特公平8−6689号公報
しかしながら、上記従来の構成では、ピストン16の先端面24に凹部25を構成する場合、機械加工、もしくは素材作成時の金型による抜きにより行われる。機械加工で構成する場合は、ピストンの先端面24と凹部25を別行程で加工するため、加工の工数が増加し、生産性が低下してしまうという課題を有していた。ピストン16の素材作成時に金型による抜きで凹部25を構成する場合、機械加工なしで構成できるが、素材の充填量やプレス圧のバラツキにより凹部25の深さにバラツキが発生しやすい。凹部25の深さが浅くなるとバルブプレート17と凹部25との間の空間27から吐出孔19への作動流体3の流れの改善効果が低下し、逆に凹部25の深さが深くなりすぎるとピストン16が上死点に位置するとき、凹部25に残留する作動流体3が増えてしまい、吸入行程で再膨張して体積効率が低下し、効率が低下してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、シリンダの開口端を傾斜させることにより、ピストン16の先端面24に凹部25を設けることなく、吐出穴19の周辺に空間27が形成されるので、吐出孔19への作動流体3の流れを改善できるとともに、ピストン16が上死点に位置するときの圧縮室13に残留する作動流体3を抑制することで生産性と効率を向上した密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の密閉型圧縮機は、ピストンとバルブプレートとの隙間が、ピストンの先端面の中央に対して吐出孔と対向する箇所より吐出孔の周辺が広くなるようにシリンダブロックのシリンダの開口端面を傾斜させたものである。
これにより、ピストンの先端面に凹部を設けることなく、吐出穴の周辺の空間が形成されるので作動流体の流れを改善し、ピストンが上死点に位置するときの圧縮室に残留する作動流体を抑制することができるので、作動流体の過圧縮による密閉型圧縮機の入力を低減できるという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、シリンダの開口端を傾斜させることにより、圧縮行程時ピストン上死点近傍位置における、圧縮室内の作動流体の流れを改善し、かつ作動流体の残留を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させることで、生産性と効率を向上することができる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の横断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮要素の分解斜視図 同実施の形態1における圧縮部の要部断面図 同実施の形態1における密閉型圧縮機の動作を説明する模式図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の横断面図 同実施の形態2における圧縮部の要部断面図 同実施の形態3における圧縮部の要部断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 従来の密閉型圧縮機のピストンの先端面側からの平面図 従来の密閉型圧縮機のシリンダ要部の拡大断面図
第1の発明は、密閉容器内に電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記シリンダの開口端面に配置され前記シリンダと前記ピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、前記バルブプレートは、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成し、前記バルブプレートにおける垂線と前記ピストンの先端面の垂線が直交しないような構成とし、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の流れ損失の低減と、作動流体の残留を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させ、密閉型圧縮機の効率を向上させるとともに、容易な加工で実現できるので生産性を向上することができる。
第2の発明は、密閉容器内に電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記シリンダの開口端面に配置され前記シリンダと前記ピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、前記バルブプレートは、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成した構成とし、前記ピストンと前記バルブプレートとの隙間が、前記ピストンの先端面の中央に対して前記吐出孔と対向する箇所より前記吐出孔の周辺が広くなるように前記開口端面を傾斜させたもので、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の流れ損失の低減と、作動流体の残留を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させ、密閉型圧縮機の効率を向上させるとともに、容
易な加工で実現できるので生産性を向上することができる。
第3の発明は、密閉容器内に電動要素と、電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、シリンダ内を往復運動するピストンと、特に第1から第2の発明のシリンダの開口端面に配置されシリンダとピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、バルブプレートは、圧縮室内外を連通する吐出孔を形成した構成とし、ピストンとバルブプレートとの隙間が、ピストンの先端面の中央に対して吐出孔と対向する箇所より吐出孔の周辺が広くなるようにシリンダを傾斜させたもので、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の流れ損失の低減と、作動流体の残留を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させ、密閉型圧縮機の効率を向上させるとともに、容易な加工で実現できるので生産性を向上することができる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明のピストン先端の吐出孔との対向面に、前記吐出孔へ嵌入する突起を設けたもので、圧縮行程時に突起が吐出孔へ嵌入することにより、吐出孔に形成される死容積が低減し、再膨張の量を減らすことができるので効率を向上することができる。また圧縮行程終了間際は突起とピストンの上面、バルブプレートで構成される流路を広く取ることができるので、作動流体が吐出孔へ流れやすくなり過圧縮を抑制し、圧縮機入力を低減し、効率を向上することができる。
第5の発明は、特に第1から第4の発明の電動要素をインバータ回路によって複数の運転周波数で駆動される構成としたもので、吐出行程において作動流体の流れが速くなる高速回転において、作動流体が吐出孔へ流れやすくなり過圧縮をさらに抑制できる。その結果、密閉型圧縮機の入力をさらに低減でき、また残留作動流体の低減により、再膨張の量を抑制し体積効率を向上することができるので効率を向上することができる。
第6の発明は、密閉型圧縮機、放熱器、減圧装置、吸熱器を配管によって環状に連結した冷媒回路を有し、前記密閉型圧縮機を第1から5のいずれか1つの発明の密閉型圧縮機とした冷凍装置であることにより、効率が向上した密閉型圧縮機の搭載によって冷凍装置の消費電力を低減し、省エネルギー化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における密閉型圧縮機の縦断面図である。図2は同実施の形態1における密閉型圧縮機の横断面図である。図3は同実施の形態1における密閉型圧縮機の圧縮要素の分解斜視図である。図4は同実施の形態1における圧縮部の要部断面図である。図5は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の動作を説明する模式図で、(a)は吸入行程の途中を、(b)は吸入行程の終了(下死点近傍)を、(c)は圧縮行程の途中を、(d)は吐出行程(上死点近傍)をそれぞれ示している。
図1〜5において、密閉容器101内の底部にオイル102を貯留し、作動流体103として、例えばR600aのような地球温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒が封入されている。
また、密閉容器101は、鉄板の絞り成型によって形成され、さらに、一端が密閉容器101内に連通し、他端が冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続される吸入管150と、一端が密閉容器1を貫通して吐出マフラー155と連通し、他端が冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に接続される吐出管157とを備えている。
また、密閉容器101内には、圧縮要素109と、この圧縮要素109を駆動する電動要素106とを備えた圧縮機本体104が収納されている。圧縮機本体104は、サスペンションスプリング105によって、密閉容器101内に弾性的に支持されている。
圧縮要素109は、クランクシャフト112、シリンダブロック115、ピストン116、連結手段122などで構成されている。クランクシャフト112は、偏芯軸110と主軸111で構成され、また、主軸111の表面には、螺旋状の溝140などからなる給油機構141が設けられている。
電動要素106は、シリンダブロック115の下方にボルト(図示せず)によって螺子固定されたステータ107と、ステータ107の内側に配置され、主軸111に焼き嵌め等で固定されたロータ108とで構成されている。
シリンダブロック115には、圧縮室113を形成するシリンダ114と主軸111を回転自在に軸支する軸受部123とが一体に形成されている。
また、シリンダ114の端面114aには、圧縮室113内外を連通する吸入孔118と吐出孔119を備えたバルブプレート117と、薄板バルブ鋼製の吸入バルブシート160と、シリンダ114の端面114aと吸入バルブシート160の間に挟持されて圧縮室113から作動流体103の漏れを防止するガスケット163と、バルブプレート117を覆うシリンダヘッド152とが、ともにヘッドボルト153によって、シリンダ114の端面114aを封止するように固定されている。
吸入バルブシート160は、スリット溝161を設けることでバルブプレート117の吸入孔118を開閉可能に形成された吸入バルブ120が形成されている。
ガスケット163は、往復運動するピストン116が上死点で吸入バルブシート160と接触することを確実に防止するとともに、吸入バルブシート160とピストン116との隙間を一定値に抑えている。
さらに、バルブプレート117とシリンダヘッド152の間には、吸入マフラー154が狭持されている。また、バルブプレート117はシリンダヘッド152と対向する面に、吐出孔119を開閉する吐出バルブ121が固定され、バルブプレート117とシリンダヘッド152との間にはヘッド空間156が形成されている。
また図4に示すようにピストン116とバルブプレート117との隙間が、ピストン116の先端面124の中央に対して吐出孔119と対向する箇所より吐出孔119の周辺が広くなるようにシリンダ114の端面114aを傾斜させている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について以下、その動作および作用を説明する。
密閉型圧縮機は、ステータ107に電流が流れ、磁界が発生し、主軸111に固定されたロータ108が回転することで、クランクシャフト112が回転する。クランクシャフト112の回転により、偏芯軸110が偏芯運動し偏芯軸110の偏芯運動が連結手段122を介して、ピストン116に伝えられ、ピストン116がシリンダ114内を往復運動する。
そして、このピストン116の往復運動に伴い、作動流体103は吸入マフラー154を介して圧縮室113内へ吸入され、圧縮された後、吐出孔119から吐出され、ヘッド
空間156を経て冷凍サイクル(図示せず)へと流れる。
次に、図5を参照しながら圧縮機本体104による作動流体103の吸入、圧縮、吐出行程について説明する。
吸入行程において、図5(a)に示すようにピストン116が圧縮室113の容積を増加する矢印x方向に動作することにより、圧縮室113内の作動流体103が膨張し、圧縮室113内の圧力が低下する。そして、圧縮室113内の圧力が、吸入マフラー154内の圧力を下回ると、圧縮室113内の圧力と吸入マフラー154内の圧力との差により、吸入バルブ120が開く。
これに伴い、作動流体103が、圧縮行程において、図5(b)に示すようにピストン116の動作が下死点から圧縮室113の容積が減少する矢印y方向に転じると、圧縮室113内の圧力は上昇し、圧縮室113内の圧力と吸入マフラー154内の圧力との差によって、吸入バルブ120が閉じる。これに伴い、圧縮室113は閉塞され、ピストン116がさらに圧縮室113の容積が減少する方向に動作することで、図5(c)に示すように作動流体103は圧縮され、所定の圧力にまで昇圧される。
その後、吐出行程において、圧縮室113内の作動流体103の圧力が上昇し、バルブプレート117とシリンダヘッド152により形成されているヘッド空間156内部の圧力より高くなると、図5(d)に示すように圧力差によって吐出バルブ121が開き始める。その結果、圧縮室113内部の作動流体103は、吐出孔119を通過し、ヘッド空間156へ流出する。
以上のように、吸入・圧縮・吐出サイクルを繰り返すことで作動流体103は、ヘッド空間156から吐出マフラー155を経由し、吐出管157から冷凍サイクルの高圧側(図示せず)へと連続的に流れる。
一方、ピストン116の上死点位置において、ピストン116の先端面124とバルブシート160の間には、両者の衝突を回避するため0.05〜0.1mmの隙間(本実施例では0.08mm)が形成されており、この隙間により圧縮室113に死容積と呼ぶ微小な空間が残る。
死容積には、圧縮行程で圧縮室113内に作動流体103が残留し、残留した作動流体103が吸入行程で再膨張するため、吸入マフラー154から流入する作動流体103の量が減少し、体積効率が低下する。
体積効率を向上させるために死容積を小さくすると、圧縮行程の上死点近傍では、ピストン116の先端面124と吸入バルブシート160の隙間が狭くなり、作動流体103が吐出孔119へ流れる抵抗が増大する。
そのため、本発明の第1の実施の形態における密閉型圧縮機では、シリンダ114の端面114aを傾斜させ吐出孔119周辺のピストン116とバルブプレート117の隙間が広くなるようにしている。
その結果、圧縮行程の上死点近傍において、作動流体103が吐出孔119に集まって来ても、吐出孔119へ作動流体103はスムーズに流れることができる。またピストン116の先端面124の中央に対して吐出孔119と対向する箇所のピストン116とバルブプレート117との隙間を狭くすることができるため、従来例より死容積を低減することができ、吸入行程において残留した作動流体3の再膨張の量が減少し、密閉型圧縮機
の体積効率を向上させることができる。
また工作機械の加工ツールの移動角度を変更することで、容易に高精度でシリンダ114の端面114aを傾斜させる加工ができるので、生産性を向上することができる。
以上のように、本実施の形態においては、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の流れ損失の低減と、作動流体の残留を低減することで残留した作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させ、密閉型圧縮機の効率を向上させることができる。また、新たな設備投資が必要なく、容易な加工で実現できるので生産性を向上することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施の形態における密閉型圧縮機の横断面図である。図7は同実施の形態2における圧縮部の要部断面図である。基本の構成は実施の形態1と同様であるため、以降、実施の形態1との相違点を記述する。
本実施の形態2における密閉型圧縮機の構成は、図7に示すようにピストン116とバルブプレート117との隙間が、ピストン116の先端面124の中央に対して吐出孔119と対向する箇所より吐出孔119の周辺が広くなるようにシリンダ214の内周面214bの角度を傾斜させている。
以上の構成で、圧縮行程の上死点近傍において、作動流体103が吐出孔119に集まって来ても、吐出孔119付近のピストン116とバルブプレート117との隙間を広く取っているため、吐出孔119へ作動流体はスムーズに流れることができる。またピストン116の先端面124の中央に対して吐出孔119と対向する箇所のピストン116とバルブプレート117との隙間を狭くすることができるため、従来例より死容積を低減することができ、吸入行程における残留作動流体の再膨張の量が減少し、密閉型圧縮機の体積効率を向上させることができる。
また、シリンダの内周面214bを加工する工作機械のボーリングツールのボーリング角度を設定することでシリンダ214の内周面214bの角度を傾斜させる加工ができ、容易に高精度で傾斜をつけることができる。
さらに、シリンダの開口端を傾斜させることにより、ピストン116の先端面124に凹部を設けることなく、吐出穴119の周辺に空間127が形成されるので、吐出孔119への作動流体の流れを改善できるとともに、ピストン116が上死点に位置するときの圧縮室113に残留する作動流体を抑制することで生産性と効率を向上した密閉型圧縮機を提供することができる。
以上のように、本実施の形態においては、ピストンの上死点位置における、圧縮室内の作動流体の流れ損失の低減と、作動流体の残留を低減することで残留作動流体の再膨張量を減らして体積効率を向上させ、密閉型圧縮機の効率を向上させることができる。また、新たな設備投資が必要なく、容易な加工で実現できるので生産性を向上することができる。
(実施の形態3)
図8は、本発明の第3の実施の形態における圧縮部の要部断面図である。基本の構成は実施の形態1、実施の形態2と同様であるため、以下、実施の形態1と2との相違点を記述する。
図8において、ピストン316の先端面324の吐出孔119との対向位置には、円錐台形状の突起326が設けられている。この突起326は、吐出孔119との対向位置に設けられていることから、ピストン316が上死点に位置した状態でバルブプレート117に設けた吐出孔119内に嵌入するように、吐出バルブ121に当たらない程度の突出(高さ)寸法が設定されている。
またシリンダ114の端面114aは、ピストン316とバルブプレート117との隙間が、ピストン116の先端面324の中央に対して吐出孔119と対向する箇所より吐出孔119の周辺が広くなるように構成されている。
ピストン316の先端面324には、吐出孔119に嵌入する突起326が形成されているため、吐出孔119の内部に突起326が嵌入し、死容積を低減させることができる。そのため残留する作動流体103の重量を低減することで再膨張量を減らし、より体積効率を向上させることができる。
この突起326があることで、吐出孔119と突起326との間の流路断面積が狭くなり作動流体103が吐出孔119へ流れる抵抗が通常は増大し、過圧縮が増えてしまうが、吐出孔119の周辺のピストン316とバルブプレート117との隙間が広いため、突起326があることによる過圧縮を抑制することができる。
また、本実施の形態3においては、ピストン316に設けた突起326を円錐台形状としたが、この突起326の形状は、円錐台に限るものではなく、四角錐台などの多角錐台形状としても同様の効果が期待できる。
さらに、シリンダの開口端を傾斜させることにより、ピストン116の先端面124に凹部を設けることなく、吐出穴119の周辺に空間127が形成されるので、吐出孔119への作動流体の流れを改善できるとともに、ピストン116が上死点に位置するときの圧縮室113に残留する作動流体を抑制することで生産性と効率を向上した密閉型圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、体積効率の向上による圧縮機効率の向上が図れるため、家庭用電気冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置などに広く適用できる。
113 圧縮室
114 シリンダ
114a 端面
115 シリンダブロック
116 ピストン
117 バルブプレート
119 吐出孔
121 吐出バルブ
122 連結手段
124 先端面
152 シリンダヘッド
153 ヘッドボルト
156 ヘッド空間
163 ガスケット

Claims (6)

  1. 密閉容器内に電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記シリンダの開口端面に配置され前記シリンダと前記ピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、前記バルブプレートは、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成し、前記バルブプレートにおける垂線と前記ピストンの先端面の垂線が直交しないような構成とした密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器内に電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記シリンダの開口端面に配置され前記シリンダと前記ピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、前記バルブプレートは、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成し、前記ピストンと前記バルブプレートとの隙間が、前記ピストンの先端面の中央に対して前記吐出孔と対向する箇所より前記吐出孔の周辺が広くなるように前記開口端面を傾斜させた構成とした密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器内に電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は、シリンダを備えたシリンダブロックと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記シリンダの開口端面に配置され前記シリンダと前記ピストンとにより圧縮室を形成するバルブプレートとを備え、前記バルブプレートは、前記圧縮室内外を連通する吐出孔を形成し、前記ピストンと前記バルブプレートとの隙間が、前記ピストンの先端面の中央に対して前記吐出孔と対向する箇所より前記吐出孔の周辺が広くなるように前記シリンダを傾斜させた構成とした密閉型圧縮機。
  4. ピストンの先端の吐出孔との対向面に、前記吐出孔へ嵌入する突起を設けた請求項1から3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 電動要素はインバータ回路によって複数の運転周波数で駆動される請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を用いた冷蔵庫。
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