JP5532134B2 - 半導体集積回路装置、その制御方法及び情報処理装置 - Google Patents

半導体集積回路装置、その制御方法及び情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路装置、その制御方法及び情報処理装置に関する。
半導体集積回路(Semiconductor Integrated Circuit)の集積度の向上に伴い、半導体集積回路は多数の回路素子を搭載している。特に、大規模集積回路(LSI:Large Scale Integrated Circuit)は数十万、数百万の回路素子を搭載している。大規模集積回路(以下、LSIという)の機能試験は、内部回路の調査、解析及び確認を行うために有効である。
バウンダリスキャンテスト(Boundary Scan Test)はLSIの内部回路の動作テストやプリント基板にLSIを実装した後のボードテストとして利用されている。IEEE1149.1(IEEE:The Institute of Electrical and Electronic Engineers, Inc.)で企画されたJTAG(Joint Test Action Group)によるテスト方法はバウンダリスキャンテストの代表例である。
図14はJTAGによるスキャンテストの構成図である。図15は図14の制御信号のタイムチャート図である。図14に示すように、テスト対象ロジック回路200は複数のフリップフロップ回路(Flip Flop Circuit)200−1〜200−Mにより構成されている。これらのフリップフロップ回路(以下、FFという)200−1〜200−Mは直列接続される(スキャンチェーンという)。このFFはセル(Cell)の一種であり、一般に、シフトレジスタとラッチ回路とを有する。
JTAGスキャン方法はテストロジック回路200に対しテスト専用のパスを設ける。外部装置からの信号線はTDI(Test Data In)、TDO(Test Data Out)、TCK(Test Clock)、TMS(Test Mode Select)、TRST(Test Reset)である。TDIはテストロジック回路200(200−1〜200−M)に対して命令やデータをシリアル入力する信号である。TDOはテストロジック回路200(200−1〜200−M)からのデータをシリアル出力する信号である。
TCKはテストロジック回路200(200−1〜200−M)にクロックを供給する。TMSはテスト動作を制御する信号である。TRSTはTAP(Test Access Port)コントローラ210(後述する)を非同期に初期化する信号である。
TAPコントローラ210は取り込み(キャプチャ(Capture))、シフト(Shift)、更新(アップデート(Update))を主要動作とするステートマシンである。TAPコントローラ210は信号線TMSを介するモード指定起動を受ける。そして、TAPコントローラ210は、図示しない命令レジスタにTDIからのモード命令をセットする。
TAPコントローラ210は図15に示すようなシフトクロックdack,dbckを各FF200−1〜200−Mに供給する。このシフトクロックdack、dbckにより、各FF200−1〜200−Mはデータのシフトレジスタへの取り込み、シフトレジスタの内容の出力、ラッチ回路への固定を行う。
TAPコントローラ210はFF200−1〜200−Mにシフトクロックdack、dbckを供給し、データを順次次段のFF200−2〜200−Mにシフトし、信号線TDOから出力し、スキャンテストしていた。
一方、半導体集積回路自体のテスト方法として、テスト装置がシリアルテストパターンを多段のFFで構成されたロジック回路に入力し、ロジック回路の出力を取り込み、入力したシリアルテストパターンが得られるかを判定していた。この方法は半導体集積回路の出荷前にロジック回路内の各FFの動作自体が正常であるかを試験する方法として有効である。
日本特許公開2006−170963号公報 日本特許公開2007−225514号公報
バウンダリスキャンテスト(Boundary Scan Test)はLSIの内部回路の動作テストやプリント基板にLSIを実装した後のボードテストに有効であり、LSIの機能試験であるデバッグ(debug)に利用されている。デバッグはある機能試験を実行した後に内部回路の調査、解析及び確認を行う。このため、FF200−1〜200−Mの保持しているデータを取り出すことが有効である。
スキャンテストは単にFF200−1〜200−Mの保持しているデータを取り出していたため、数十万もの回路素子の保持データを解析するのは難しい。例えば、LSI機能試験の初期段階においては、スキャンが正常に実行されたか否か、又、取得したデータが正しいか否かの正誤判断が必要である。この正誤判断は長時間の工数を必要とする。例えば、1か所でもFF間の断線やFFの動作の不良があると、取得したデータから故障個所を判断するために長時間の解析が必要である。
又、テスト装置からシリアルテストパターンをロジック回路へ入力する方法はFF200−1〜200−Mの保持しているデータを無視するため、LSIのデータの正誤判断が困難である。
本発明の目的は、チェーン接続されたスキャン記憶素子からのスキャンデータの正誤を容易に判断できる半導体集積回路装置、その制御方法及び情報処理装置を提供することにある。
この目的の達成のため、開示の半導体集積回路装置は、複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群と、入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、前記スキャン記憶素子群と前記エンドコードレジスタと前記スタートコードレジスタとをシフト動作させ、前記出力端にスキャンデータを出力するスキャン制御回路とを有する。
又、開示の半導体集積回路装置の制御方法は、複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群をシフト動作させ、前記スキャン記憶素子のデータを収集する制御方法において、入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、前記スキャン記憶素子群とをシフト動作する工程と、前記出力端にスキャンデータを出力する工程とを有する。
更に、開示の情報処理装置は、情報処理を行う半導体集積回路を有する処理装置と、前記処理装置を監視するシステム制御装置とを有し、前記半導体集積回路は、前記情報処理を実行する機能回路と、複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群と、前記システム制御装置と接続された入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、前記システム制御装置に接続された出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、前記スキャン記憶素子群と前記エンドコードレジスタと前記スタートコードレジスタとをシフト動作させ、前記出力端にスキャンデータを出力するスキャン制御回路とを有する。
スキャン記憶素子群の入力段にエンドコードレジスタを、出力段にスタートコードレジスタを設け、スキャンするため、スキャンされたデータにスタートコードとエンドコードが含まれているかを判別して、スキャンデータの正誤を容易に判断できる。
実施の形態のデバッグシステムの構成図である。 図1の構成の半導体集積回路装置のブロック図である。 図2の収集データの説明図である。 図2の他の収集データの説明図である。 比較例の収集データ解析の説明図である。 比較例の収集データのポイント解析の説明図である。 図2の収集データによる解析例の説明図である。 図2の収集データによる他の解析例の説明図である。 図2で記載したチェーン制御回路及びスキャン記憶素子群のブロック図である。 図9の選択回路の選択倫理の説明図である。 図10の選択回路の選択条件の説明図である。 図9の構成による障害個所の特定方法の説明図である。 図1及び図2のデバッグシステムを適用した情報処理装置の実施の形態のブロック図である。 従来のスキャンテストの説明図である。 従来のスキャンテストのシフトクロックの説明図である。
以下、実施の形態の例を、デバッグシステム、半導体集積回路装置、半導体集積回路装置の制御方法、障害個所の特定方法、情報処理装置、他の実施の形態の順で説明するが、開示の半導体集積回路装置、情報処理装置は、この実施の形態に限られない。
(デバッグシステム)
図1は、実施の形態のデバッグシステムの構成図である。図2は、図1の半導体集積回路装置のブロック図である。以下、デバッグシステムをJTAG規格のシステムの例で説明する。図1に示すように、デバッグ対象の半導体集積回路装置(以下、LSIという)10とJTAGコネクタ12とが回路基板(以下、ボードという)1に搭載されている。ボード1のJTAGコネクタ12は専用ケーブル(信号線)34を介しホストコンピュータ3に設けられたJTAGコントローラボード30に接続する。
LSI10は内部ロジック回路5とスキャン記憶素子群6とTAPコントローラ4とを有する。スキャン記憶素子群6はチェーン接続された多数のスキャン記憶素子60を有する。内部ロジック回路5は、種々の機能を実行する論理回路で構成され、例えば、演算処理装置やメモリコントローラである。スキャン記憶素子60は、内部ロジック回路5の各部のデータを保持する記憶素子で構成され、例えば、シフトレジスタとラッチ回路とを有するフリップフロップ回路で構成される。
専用ケーブル34はTDI(Test Data In)、TDO(Test Data Out)、TCK(Test Clock)、TMS(Test Mode Select)、TRST(Test Reset)の各信号線を有する。TDIはスキャン記憶素子(以下、FFという)60に対して命令やデータをシリアル入力する入力信号線である。TDOはFF60からのデータをシリアル出力する出力信号線である。
TCK信号線はTAPコントローラ4にクロックを供給する。TMS信号線はTAPコントローラ4にテスト動作を制御する信号線である。TRST信号線はTAPコントローラ4を非同期に初期化する信号線である。TAPコントローラ4は取り込み(キャプチャ(Capture))、シフト(Shift)、更新(アップデート(Update))を主要動作とするステートマシンである。
ホストコンピュータ3は図示しない演算処理装置とJTAGコントローラボード30とメモリ32とを有する。JTAGコントローラボード30はJTAGコントローラを搭載する。JTAGコントローラは専用ケーブル34を介しコネクタ12とシリアルデータの入出力の制御を行い、且つTMS信号、TCK信号を制御する。
このように、LSI10をボード1に搭載した状態で、ホストコンピュータ3がLSI10の機能試験を行う。この機能試験の初期段階でLSI10内部のFF60をスキャンし、FF60のデータを収集する。収集データはホストコンピュータ3のメモリ32に格納される。このメモリ32の収集データを出力し、出力から収集データの正誤判定や故障個所の発見等に利用する。
(半導体集積回路装置)
図2は図1のTAPコントローラ4、スキャン記憶素子群6及び制御回路のブロック図である。
図2において、図1で示したものと同一のものは同一の記号で示してある。図2に示すように、インストラクションレジスタ(Instruction register)70とデータスキャンチェーン選択回路(Data Scan Chain Select Block)72とチェーン制御回路(Chain Control Block)74とデータ設定回路76とがTAPコントローラ(図ではScan Cntl Blockと記す)4とスキャン記憶素子群6との間に設けられる。
インストラクションレジスタ70はシフトレジスタで構成され、TDI信号線からの命令(例えば、モード命令)を格納する。データスキャンチェーン選択回路72はインストラクションレジスタ70の命令に応じて、信号uni_chain_selと信号A−E_chain_selによって、ユニチェーン又はユーザーチェーンをチェーン制御回路74に指示する。
スキャン記憶素子群6は複数のブロック6A、6B、6C、6D,6Eに分割される。各ブロック6A、6B、6C、6D,6Eはチェーン接続された多数のFF60を有する。各ブロック6A、6B、6C、6D,6Eはチェーン制御回路74に接続され、入力Asi、Bsi,Csi,Dsi,Esiをチェーン制御回路74から受け、出力Aso、Bso,Cso,Dso,Esoをチェーン制御回路74に出力する。
データスキャンチェーン選択回路(Data Scan Chain Select Block)72からユニチェーン(uni−chain)が指示された時は、チェーン選択回路74は各ブロック6A、6B、6C、6D,6Eを全て接続し、各ブロックのFF60のデータをシフトする。ユーザーチェーン(user Chain)が指示された時は、チェーン選択回路74はブロック6A、6B、6C、6D,6E毎に各FF60のデータをシフトする。ユニチェーンとはユーザーチェーン(各ブロック)を全て接続し、1本のチェーンにしたものである。
又、データ設定回路76は、スタートコードレジスタ80とエンドコードレジスタ82とバイパス設定レジスタ88とデータレジスタ86とアドレスレジスタ84とアドレスデコーダ90とを有する。スタートコードレジスタ80とエンドコードレジスタ82とバイパス設定レジスタ88とデータレジスタ86とアドレスレジスタ84とが各々シフトレジスタで構成される。
スタートコードを保持するスタートコードレジスタ80がチェーン制御回路74と出力信号線TDOとの間に設けられる。エンドコードを保持するエンドコードレジスタ82がチェーン制御回路74と入力信号線TDIとの間に設けられる。バイパス設定レジスタ88はバイパスすべきブロック(チェーン)を指定するデータを保持し、チェーン制御回路74に接続する。
データレジスタ86は入力信号線TD1からのデータ(スタートコード、エンドコード、バイパス設定データ)を保持し、スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88の各々に書き込む。アドレスレジスタ84は入力信号線TD1からのアドレス(スタートコードレジスタアドレス、エンドコードレジスタアドレス、バイパス設定データレジスタアドレス)を保持する。アドレスデコーダ90はアドレスレジスタ84のアドレスをデコードし、スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88の各々に書き込む指示を出力する。
この構成により、スキャン時にスタートコードレジスタ80のスタートコードが最初に出力信号線TDOに出力(シフトアウトという)される。又、スキャン時にエンドコードレジスタ82のエンドコードが最後に信号線TDOにシフトアウトされる。チェーン制御回路74はバイパス設定レジスタ88のバイパス設定データにより「1」を設定されたチェーン(ブロック)をバイパスする。尚、データレジスタ86とアドレスレジスタ84とはスキャン時のみアクセス可能なレジスタである。
(半導体集積回路装置の制御方法)
図2を用いて、スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88へのデータの設定動作を説明する。先ず、TAPコントローラ4は、インストラクションレジスタ70にアドレスレジスタ選択のコードを設定する。即ち、TAPコントローラ4は信号線TMSからのモード指示を受け、インストラクションレジスタ70にシフトクロックiack,ibckを供給する。インストラクションレジスタ70は供給されたクロックiack,ibckにより入力信号線TDIの入力データ(アドレスレジスタ選択のコード)を取り込む(スキャンインする)。
次に、TAPコントローラ4は、アドレスレジスタ84にスタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88のライトアドレスを設定する。即ち、TAPコントローラ4はデータスキャンチェーン選択回路72にシフトクロックdack,dbckを供給する。データスキャンチェーン選択回路72は、インストラクションレジスタ70の命令コードirにより、アドレスレジスタ84にシフトクロックjir_ackとjir_bckとを供給する。アドレスレジスタ84は供給されたシフトクロックjir_ackとjir_bckとにより入力信号線TDIの入力データ(各レジスタのアドレスデータ)を取り込む(スキャンインする)。
更に、TAPコントローラ4はインストラクションレジスタ70にデータレジスタ選択のコードを設定する。即ち、TAPコントローラ4は信号線TMSからのモード指示を受け、インストラクションレジスタ70にシフトクロックiack,ibckを供給する。インストラクションレジスタ70は供給されたシフトクロックiack,ibckにより入力信号線TDIの入力データ(データレジスタ選択のコード)を取り込む(スキャンインする)。
次に、TAPコントローラ4は、データレジスタ86にスタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88のライトデータを設定する。即ち、TAPコントローラ4はデータスキャンチェーン選択回路72にシフトクロックdack,dbckを供給する。データスキャンチェーン選択回路72は、インストラクションレジスタ70の命令コードirにより、データレジスタ86にシフトクロックjdr_ackとjdr_bckとを供給する。データレジスタ86は供給されたシフトクロックjdr_ackとjdr_bckとにより入力信号線TDIの入力データ(各レジスタのライトデータ)を取り込む(スキャンインする)。
TAPコントローラ4はデータレジスタ86へのシフト終了後に更新信号(update)をスタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88の各々に発行する。アドレスデコーダ90はアドレスレジスタ84に保持されたレジスタアドレスをデコードし、スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88の各々に選択信号を供給しているため、当該スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88にデータレジスタ86に保持された対応するライトデータが書き込まれる。
次に、スタートコードレジスタ80,エンドコードレジスタ82,及びバイパス設定レジスタ88への設定後のスキャン動作を説明する。先ず、ユニチェーンモードによる全FFのスキャンを行う場合を説明する。TAPコントローラ4は信号線TMSからのモード指示を受け、インストラクションレジスタ70にシフトクロックiack,ibckを供給する。インストラクションレジスタ70は供給されたシフトクロックiack,ibckにより入力信号線TDIの入力データ(ユニチェーンモード選択のコード)を取り込む(スキャンインする)。
TAPコントローラ4はデータスキャンチェーン選択回路72にシフトクロックdack,dbckを供給する。データスキャンチェーン選択回路72はインストラクションレジスタ70の命令コードirによりユニチェーン指示を認識し、スキャン記憶素子群6にシフトクロックA-E_ackとA-E_bckを供給し、スタートコードレジスタ80とエンドコードレジスタ82にシフトクロックackとbckを供給する。データスキャンチェーン選択回路72はチェーン制御回路74にユニチェーン選択信号(ここでは、信号A−E_chain_selがオフ「0」)を発行する。
スキャン記憶素子群6の各FF60は供給されたシフトクロックA−E_ackとA−E_bckによりシフト動作し、チェーン制御回路74を介し出力信号線TDOへデータをスキャンイン、アウトする。この時、スキャンされたデータは前述のスタートコードレジスタ80を介し出力信号線TDOに送出されるため、スキャンされたデータの先頭にスタートコードが付加される。又、エンドコードレジスタ82のエンドコードがチェーン制御回路74を介しスキャン記憶素子群6の先頭のFF60に入力されるため、スキャンされたデータの最後にエンドコードが付加される。
スタートコードとエンドコードが付加されたスキャンデータは出力信号線TDOから専用ケーブル34を介しホストコンピュータ3のJTAGコントロールボード30に送られ、メモリ32に格納される(図1参照)。
図3は図2の収集データの説明図である。図4は図2の他の収集データの説明図である。図5は比較例の収集データ解析の説明図である。図6は比較例の収集データ解析の他の説明図である。図7は図2の収集データによる解析例の説明図である。図8は図2の収集データによる他の解析例の説明図である。
図3に示すようにメモリ32のスキャンデータは先頭にスタートコード、最後尾にエンドコードを備える。このメモリ32上のスキャンデータを出力する。デバッグ担当者は、出力結果を見て、予め設定したスタートコードとエンドコードとが含まれていれば、その間のスキャンデータは正しいと判断できる。
又、スタートコードとエンドコードは任意の値に設定できる。図4に示すように、スキャンデータは任意であるため、スキャンデータ中において、スタートコード(「00010010」)とエンドコード(「00110100」)の前後に似た値(「00010010」)(「00110100」)があると判断が困難となる。このような場合に、1度スキャンした後、判読困難である場合には、スタートコードとエンドコードの前後の似た値と異なる値のスタートコード(「00010110」)とエンドコード(「00110100」)に設定し直し、再度スキャンデータを得る。これにより、スキャン記憶素子群6の保持しているデータ値に拘わらず、デバッグ担当者は、出力結果を見て、予め設定したスタートコードとエンドコードとが含まれていれば、その間のスキャンデータは正しいと判断できる。
一方、図5の比較例で示すように、LSI200のスキャンは直列でデータがシフトするため、一か所でも故障(図の×印の断線)があると、故障個所以降のデータは不正なデータとなる。即ち、収集したデータを格納したメモリMEMの内容を出力しても、図5の「X」印で示すように、故障個所以降のデータは不正なデータとなる。このため、全データ(例えば、数十万ビット)中のポイント個所のみの確認では、正誤判定に不十分である。また、多くのポイントを確認し、調査するには、数日かかる場合もあり効率が悪い。
例えば、図6に比較例のポイント個所による正誤判定の例を示す。メモリMEMに保存されたスキャンデータ(「101…」)の一部をスキャンページに展開する(図6の(1))。即ち、解析ツール(プログラム)を実行して、スキャンページ上にスキャンデータのポイント個所のデータ(図では8ビット)をレジスタ単位(A−REG、B−REG、C−REG)で展開する。次に、レジスタ単位(A−REG、B−REG、C−REG)のLSI上のFFのデータを他のインタフェースからリードする。そのリード値とスキャンページ上の値とを比較する(図6の(2))。
又、メモリMEMに保存されたスキャンデータ(「01…」)をそのまま使用する場合には、レジスタなど比較ポイントのスキャンアドレスを調べて、メモリMEMからスキャンデータを探し(図6の(3))、同様にLSI上のFFのデータを他のインタフェースからリードする。そのリード値と探したデータの値とを比較する(図6の(2))。
このように、スキャンして収集したデータは膨大(数十万ビット)であるため、全部のFFを上記の方法で確認するのは不可能である。従って、比較確認個所が残る(図6の(4))。
スタートコードとエンドコードの期待値(設定値)は正誤判定のみでなく、不正と思われる結果の情報としても使用できる。
図7に示すように、メモリ32のスキャンデータ中のスタートコードが期待値(設定値)と一致し、エンドコードが期待値(設定値)と不一致となる場合がある。図2の構成で説明したように、スタートコードは、スキャン記憶素子群6を通過しないため、不一致となる可能性は低い。一方、エンドコードはスキャン記憶素子群6を通過するため、不一致となった場合に、スキャン記憶素子群6のどこかのスキャンチェーン(ハード)に問題がある可能性があると判断できる。
更に、図8に示すように、実測したスタートコード(「00001001」)とエンドコード(「011010」)が、スタートコードの期待値(「0001010」=0x12)とエンドコード(「00110100」)の期待値と一致しないが、似た値が見える場合は、スキャン時の設定シフト数(プログラム)に問題がある可能性があると判断できる。図8では、シフト数が1ビット多い可能性がある。
即ち、JTAGプログラムで設定したシフト数が対象LSIに必要なシフト数と異なることを分析できる。スキャンデータが不正と思われる場合、最初にJTAGを制御するプログラムの問題なのか、LSI内部のスキャンチェーン(ハード)の問題なのか調査する。この実施の形態では、調査の判断基準を与えることができる。
(障害個所の特定方法)
次に、図2のバイパス設定レジスタ88及びユーザーチェーンを用いたスキャンデータの収集を説明する。図9は図2で記載したチェーン制御回路74及びスキャン記憶素子群6のブロック図である。図10は図9の選択回路の選択倫理の説明図である。図11は図10の選択回路の選択条件の説明図である。図12は図9の構成による障害個所の特定方法の説明図である。
図9において、図2で説明したものと同一のものは同一の記号で示してある。スキャン記憶素子群6は5つのブロック(チェーン)6A、6B、6C、6D、6Eを有する。各ブロック6A、6B、6C、6D、6Eはチェーン(直列)接続されたFF60を有する。ブロック6A、6B、6C、6D、6Eはチェーン制御回路74から入力データAsi、Bsi、Csi,Dsi、Esiを受け、チェーン制御回路74にデータAso、Bso、Cso,Dso、Esoを出力する。
チェーン制御回路74はエンドコードレジスタ82のエンドコードを受ける。又、チェーン制御回路74はバイパス設定レジスタ88のバイパスデータA−E_BYPとデータスキャンチェーン選択回路72からのチェーン選択信号A−E_chain_selとをチェーン選択条件として受ける。
チェーン制御回路74は1つのドライバ回路78Aと5つのチェーン選択回路78B、78C、78D、78E、78Fと選択信号生成回路76とを有する。ドライバ回路78Aと4つのチェーン選択回路78B、78C、78D、78Eとは各々ブロック6A、6B、6C、6D、6Eに入力データAsi、Bsi、Csi,Dsi、Esiを送出する。
チェーン選択回路78Fはスタートコードレジスタ(シフトレジスタ)86を介し出力信号線TDOにスキャン出力soを送出する。選択信号生成回路76はバイパス設定レジスタ88のバイパスデータA−E_BYPとデータスキャンチェーン選択回路72からのチェーン選択信号A−E_chain_selとから図10及び図11で示す選択論理によりチェーン選択回路78B、78C、78D、78E、78Fの出力選択信号を生成する。
チェーン選択信号A−E_chain_selは各ブロックA〜Eの出力を選択する各ブロックA〜Eの選択ビットを有する。選択ビットは「1」(オン)が選択を示し、「0」(オフ)が非選択を示す。バイパスデータA−E_BYPは各ブロックA〜Eをバイパスする各ブロックA〜Eの選択ビットを有する。選択ビットは「1」(オン)がバイパスを示し、「0」(オフ)が非バイパスを示す。
ドライバ回路78Aは入力信号線TDIからの入力siをエンドコードレジスタ(シフトレジスタ)82を介し受け、ブロック6Aに入力データAsiを出力する。第1のチェーン選択回路78Bは前述の入力siとブロック6Aの出力データAsoを受け、選択信号によりいずれかを選択し、ブロック6Bに入力データBsiを出力する。
第2のチェーン選択回路78Cは前述の入力siとブロック6Aの出力データAsoとブロック6Bの出力データBsoを受け、選択信号によりいずれかを選択し、ブロック6Cに入力データCsiを出力する。第3のチェーン選択回路78Dは前述の入力siとブロック6Aの出力データAsoとブロック6Bの出力データBsoとブロック6Cの出力データCsoとを受け、選択信号によりいずれかを選択し、ブロック6Dに入力データDsiを出力する。
第4のチェーン選択回路78Eは前述の入力siとブロック6Aの出力データAsoとブロック6Bの出力データBsoとブロック6Cの出力データCsoとブロック6Dの出力データDsoとを受け、選択信号によりいずれかを選択し、ブロック6Eに入力データEsiを出力する。第5のチェーン選択回路78Fは前述の入力siとブロック6Aの出力データAsoとブロック6Bの出力データBsoとブロック6Cの出力データCsoとブロック6Dの出力データDsoとブロック6EのデータEsoとを受け、選択信号によりいずれかを選択し、スタートコードレジスタ80にスキャンデータsoを出力する。
図10において、縦軸にドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの出力Asi、Bsi、Csi,Dsi、Esi、soを、横軸にドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの入力si、Aso、Bso、Cso,Dso、Esoを表す。前述のドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの接続は図10の縦軸の出力の行に○印がある横軸の入力を選択する接続である。選択信号生成回路76は、図10の論理でドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの選択信号を生成する。
具体的に図11で説明する。図11も、縦軸にドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの出力Asi、Bsi、Csi,Dsi、Esi、soを、横軸にドライバ回路78A,チェーン選択回路78B〜78Fの入力si、Aso、Bso、Cso,Dso、Esoを表す。縦軸と横軸の交差ますに選択信号生成回路76の選択信号生成条件を示す。
図11の選択信号生成条件Nは、チェーン選択信号A_E_chain_selの全ビットがオフ状態で且つバイパスデータA−E_BYPの全ビットがオフ状態で、ユニチェーン選択信号uni_chain_selがオンのNormalを意味する。選択信号生成条件A、B,C、D、Eはチェーン選択信号A_E_chain_selのブロックA〜Eのビットがオンであることを意味する。選択信号生成条件a、b,c、d、eはバイパスデータA_E_BYPのブロックA〜Eのビットがオンであることを意味する。ユニチェーン選択信号uni_chain_selがオンで、ユニチェーンを指定する。又、図11中の「+」印は、オア条件を示す。
図11に従い、選択信号生成回路76はバイパスデータA−E_BYPとチェーン選択信号A−E_chain_selを受け、以下のようなチェーン選択回路78B〜78Fの選択信号を生成する。
(1)Nのみの場合には、チェーン選択回路78B〜78Eが前段の出力Aso、Bso、Cso,Dsoを選択し、チェーン選択回路78Fは入力siを選択する選択信号を生成する。
(2)B+a、C+a+b、D+a+b+c、E+a+b+c+dの場合は、各々チェーン選択回路78B〜78Eは入力siを選択する選択信号を生成する。A+b+c+d+e、B+c+d+e、C+d+e、D+d+e、N+Eの場合は、チェーン選択回路78Fは各々の場合に対応して出力Aso、Bso、Cso,Dso、Esoを選択する選択信号を生成する。これにより、ユーザーチェーンの選択が行われる。
(3)次に、図11の黒枠のバイパスデータのみを用いた選択を説明する。b、b+c、b+c+dの場合は、各々チェーン選択回路78C〜78Eは各々出力Asoを選択する選択信号を生成する。c、c+dの場合は、チェーン選択回路78D〜78Eは各々の場合に対応し出力Bsoを選択する選択信号を生成する。dの場合は、チェーン選択回路が出力Csoを選択する選択信号を生成する。
これらの組み合わせにより、チェーン制御回路74はユニチェーン、指定されたユーザーチェーン、バイパスチェーンの構成を選択する。例えば、Nである場合(Normalである場合)には、チェーン選択回路78B〜78Fは前段のブロックA、B、C、D、Eの出力Aso、Bso、Cso,Dso、Esoを選択するため、ユニチェーンを形成する。
又、B+a且つB+c+d+eの場合(ブロックBの選択又はブロックA,C,D、Eのバイパス指示の場合)は、チェーン選択回路78Bは入力siを選択し、チェーン選択回路78FはブロックBの出力Bsoを選択する。即ち、ブロック6Bのみのユーザーチェーンを形成する。
同様に、C+a+b且つC+d+eの場合(ブロックCの選択又はブロックA,B,D、Eのバイパス指示の場合)は、ブロック6Cのみのユーザーチェーンを形成する。D+a+b+c且つD+eの場合(ブロックDの選択又はブロックA,B,C、Eのバイパス指示の場合)は、ブロック6Dのみのユーザーチェーンを形成する。E+a+b+c+d且つN+Eの場合(ブロックEの選択又はブロックA,B,C、Dのバイパス指示の場合)は、ブロック6Eのみのユーザーチェーンを形成する。
次に、図11において黒枠で囲まれたバイパス動作を説明する。b(ブロックBをバイパス)の場合は、ブロックBのみがバイパスされる。c(ブロックCのバイパス)の場合は、ブロックCのみがバイパスされる。d(ブロックCのバイパス)の場合は、ブロックDのみがバイパスされる。
b+c(ブロックB,Cのバイパス)の場合は、ブロックB,Cがバイパスされる。c+d(ブロックC、Dのバイパス)の場合は、ブロックC、Dがバイパスされる。b+c+d(ブロックB,C、Dのバイパス)の場合は、ブロックB,C、Dがバイパスされる。
このように、チェーン記憶素子群6のブロック6A〜6Eのユニチェーン形成、単一のユーザーチェーン形成、特定のブロックをバイパスしたチェーン形成が可能となる。
図12により故障個所の特定方法を説明する。ここでは、ブロックが4つの例で説明する。ユーザーチェーン(小さいチェーン)6A〜6Dを全て接続し1本のチェーンにして、スキャンし、スキャンデータ(実測値)をメモリにログ収集する(図12のS1)。ログ収集結果において、チェーンA(図9ではブロックD)、チェーンB(図9ではブロックC)、チェーンC(図9ではブロックB),チェーンD(図9ではブロックA)のスキャンデータのメモリアドレスは、それぞれ、「0x0000―0x0FFF」、「0x1000−0x1FFF」、「0x000−0x0FFF」、「0x1000−0x1FFF」とする。又、スタートコード「00010010」は正しいものとする。
ここで、エンドコードがスキャンデータの最後に発見できない場合には、どこからデータが壊れているか不明である。又、スタートコードは正しいため、プログラムの問題ではないとは推測できる(図12のP1)。
このため、スキャン記憶素子群6の各チェーンを調査する。即ち、各チェーンA,B、C,Dを個別にスキャンする。即ち、前述のように、TAPコントローラ4にユーザーチェーンを指定し、データスキャンチェーン選択回路72からチェーン選択信号A−E_chain_selを発行する。これとともに、データスキャンチェーン選択回路72はスキャン記憶素子群6にシフトクロックA−E_ackとA−E_bckを供給し、スタートコードレジスタ80とエンドコードレジスタ82にシフトクロックackとbckを供給する(図12のP2)。
これにより、ユーザーチェーン単位でスキャンを実施し、ユーザーチェーン単位にスタートコードとエンドコードを付加されたスキャンデータを収集し、メモリに格納する(図12のS2)。図12のS2では、点線で囲まれたデータがスタートコードとエンドコードの部分である。
この収集データから各チェーンA,B,C,Dのスキャンデータに、期待値となるスタートコードとエンドコードが先頭及び最後に現れるか否かを確認する(図12のP3)。図12の例では、チェーンCの最後にエンドコードが表れていないことが判る。即ち、故障のあるチェーンを特定する。ここでは、故障チェーンCをバイパスし、チェーンA、B、Dを連結して、ログ解析する。
チェーンバイパスレジスタ88に図11で示したユーザーチェーンのバイパスデータを書き込み、データスキャンチェーン選択回路72はスキャン記憶素子群6にシフトクロックA−E_ackとA−E_bckを供給し、スタートコードレジスタ80とエンドコードレジスタ82にシフトクロックackとbckを供給する。これにより、バイパスしたチェーンCを除いたチェーンA,B、Dのユニチェーンのスキャンデータをメモリに収集する(図12のS3)。図12のS3では、チェーンA,B、Dのユニチェーンのスキャンデータの先頭にスタートコード、最後にエンドコード(図12の点線で囲まれたデータ)が表れているため、チェーンA,B、Dは正常と判定できる。
この実施の形態では、バイパスレジスタにユーザーチェーン単位で制御できるビットを設け、バイパス設定した後ユニチェーンモードでスキャンを行う。これにより、ユニチェーンを形成する回路が設定した問題チェーンをバイパスすることで、スキャンを可能にする。
このように、スキャンデータの正誤判定が一瞬でできるため、デバッグ効率が向上する。又、全収集データの確認ができるため、デバッグ品質が向上する。更に、調査時の情報提供ができるため、デバッグ効率が向上する。
(情報処理装置)
図13は図1、図2のデバッグシステムを適用した情報処理装置の一実施の形態のブロック図である。図13の情報処理装置は、サーバシステムを示す。図13において、図1及び図2で説明したものと同一のものは同一の記号で示してある。図13において、サーバシステムは、処理装置としての複数のシステムボード(SB:System Board)1A〜1Dと、システム制御装置(SVP:SerVice Processor)としての管理ボード(MMB:ManageMent Board)3と、クロスバスイッチ(又はスイッチ)8Bと、複数の入出力ユニット(IOU: Input Output Unit)9A,9B,・・・9Nと、内部バス8Aと、操作端末装置8Cとを有する。
各システムボード1A〜1Dは図1のボード1に対応し、管理ボード3は図1のホストコンピュータ3に対応する。各システムボード1A〜1Dは回路基板に、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)5Aと、メモリコントローラ5Bと、主記憶装置としてのメモリ14と、ブリッジ回路18と、ネットワークインターフェース回路(NIC:Network Interface Card)16とを有する。
各システムボード1A〜1DのNIC16は、LAN(Local Area Network)等の内部バス8Aを介し、管理ボード3に接続する。管理ボード3は、内部バス8Aを介し、各システムボード1A〜1Dの状態監視、起動、停止制御等を行う。又、各システムボード1A〜1Dは、クロスバスイッチ(またはスイッチ)8Bにより、IOU9A〜9Nと接続する。
IOU9A〜9Nは、LANデバイス、ストレージコントローラ等のIOデバイスを搭載する。クロスバスイッチ8Bを、適切に設定することで、論理的に複数のシステムに分割が可能となり、稼動するシステムの規模に応じて、自由にシステムボードのリソースとIOUのリソースを割り当てることが出来る。
各システムボード1A〜1Dでは、CPU5Aとメモリコントローラ5Bと図1、図2で説明したTAPコントローラ4等を1つのLSI10に設ける。又、図13では省略したが、図2で説明したインストラクションレジスタ70とデータスキャンチェーン選択回路72とチェーン制御回路74とデータ設定回路76とスキャン記憶素子群6とがLSI10に設けられる。
CPU5Aが、メモリコントローラ5Bを介しメモリ14に接続する。メモリコントローラ5BとNIC16とがブリッジ回路18に接続する。CPU5Aは、OSの動作の元に、所望のアプリケーションプログラムを実行し、業務処理を行う。又、CPU5Aは、ブリッジ回路18を通し、クロスバスイッチ8Bを介し、IOU9A〜9Nとコマンド、データの通信を行う。
ブリッジ回路18はNIC16とクロスバスイッチ8Bとに接続する。即ち、ブリッジ回路18は、CPU5Aと、クロスバスイッチ8BとNIC16との接続を行うブリッジ機能を果たす。
図1で説明したコネクタ12が各システムボード1A〜1Dに設けられている。コネクタ12はLSI10のTAPコントローラ4に接続する。JTAGコントローラ30は管理ボード3に設けられる。各システムボード1A〜1Dのコネクタ12は図2で説明した専用ケーブル34を介し管理ボード3のJTAGコントローラ30に接続される。端末装置8Cは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)で構成され、MMB5に接続し、各種の設定等をパーソナルコンピュータの画面の項目選択等により指示し、且つMMB5の取得データを表示する。
従って、MMB3はJTAGコントローラ30を介し、専用ケーブル34により各システムボード1A〜1Dのコネクタ12に接続する。コネクタ12はLSI10のTAPコントローラ4に接続する。即ち、図1及び図2で説明したデバッグシステムがサーバシステム内に設けられる。このため、LSI10をボード1A〜1Dに搭載した状態で、図1乃至図12で説明したLSI10の機能試験を実行できる。
このため、デバッグ担当者は、端末装置8Cを操作し、JTAGコントローラ30からLSI10内部のFFの状態(スキャンデータ)を収集し、メモリ32に格納する。デバッグ担当者は、端末装置8Cの画面又は付随するプリンタにメモリ32の収集データを表示又は印刷する。この出力結果を見て、担当者は、スキャンが正常に実行されたか否か、収集データが正しいか否かの正誤判定を行う。
LSI機能試験の初期段階では、収集データに誤りがあると、JTAGプログラムの誤りか、スキャンチェーンの誤りかを判別する必要がある。本実施の形態では、JTAGプログラムの誤りか、スキャンチェーンの誤りかを判別することも容易である。又、スキャンチェーンの誤り個所を容易に判別できる。
更に、サーバシステムの出荷後も、何らかの異常が生じた場合に、LSI機能試験を行い、障害原因の探索に寄与できる。特に、LSIの複雑化に伴い、スキャンテストにより何十万のスキャンデータを収集するため、容易で工数の少ない正誤判定はデバッグ作業を効率化できる。
(他の実施の形態)
前述の実施の形態では、フリップフロップを例にスキャン記憶素子を説明したが、他のシフト可能な記憶素子を適用できる。又、スキャンテスト方法をJTAG規格の方法で説明したが、他の専用パスを使用したスキャン方法を適用できる。更に、バイパス機能を設けた例で説明したが、バイパス機能を設けないものも適用できる。
以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、本発明は、種々の変形が可能であり、本発明の範囲からこれらを排除するものではない。
スキャン記憶素子群の入力段にエンドコードレジスタを、出力段にスタートコードレジスタを設け、スキャンするため、スキャンされたデータにスタートコードとエンドコードが含まれているかを判別して、スキャンデータの正誤を容易に判断できる。
1 回路基板(ボード)
3 ホストコンピュータ(システム制御装置)
4 TAPコントローラ
5 内部回路
6 スキャン記憶素子群
10 LSI
12 コネクタ
30 JTAGコントローラ
32 メモリ
6A〜6E ブロック
60 スキャン素子
70 インストラクションレジスタ
72 データスキャンチェーン選択回路
74 チェーン選択回路
80 スタートレジスタ
82 エンドレジスタ
88 バイパスレジスタ
38 内部バス

Claims (5)

  1. 複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群と、
    入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、
    出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、
    前記スキャン記憶素子群と前記エンドコードレジスタと前記スタートコードレジスタとをシフト動作させ、前記出力端にスキャンデータを出力するスキャン制御回路とを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 前記スキャン制御回路は、前記入力端からの前記スタートコードを前記スタートコードレジスタに書き込み、前記入力端からの前記エンドコードを前記エンドコードレジスタに書き込む
    ことを特徴とする請求項1の半導体集積回路装置。
  3. 前記スキャン記憶素子群は複数段のスキャン記憶素子を直列接続した複数のブロックを有し、
    前記スキャン制御回路は、単一チェーン指示に応じて、前記複数のブロックを直列接続し、個別チェーンの指示に応じて、指定されたブロックを前記エンドレジスタ及びスタートレジスタに接続する
    ことを特徴とする請求項1の半導体集積回路装置。
  4. 複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群をシフト動作させ、前記スキャン記憶素子のデータを収集する制御方法において、
    入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、前記スキャン記憶素子群とをシフト動作する工程と、
    前記出力端にスキャンデータを出力する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体集積回路装置の制御方法。
  5. 情報処理を行う半導体集積回路を有する処理装置と、
    前記処理装置を監視するシステム制御装置とを有し、
    前記半導体集積回路は、
    前記情報処理を実行する機能回路と、
    複数段のスキャン記憶素子を直列に接続したスキャン記憶素子群と、
    前記システム制御装置と接続された入力端と前記スキャン記憶素子群の入力側との間に設けられ、エンドコードを保持するエンドコードレジスタと、
    前記システム制御装置に接続された出力端と前記スキャン記憶素子群の出力側の間に設けられ、スタートコードを保持するスタートコードレジスタと、
    前記スキャン記憶素子群と前記エンドコードレジスタと前記スタートコードレジスタとをシフト動作させ、前記出力端にスキャンデータを出力するスキャン制御回路とを有する
    ことを特徴とする情報処理装置。
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