その結果、遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム装置でのゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム装置でゲームを実行した遊技者による遊技機での遊技を効果的に促進できることによって、遊技機での遊技とゲーム装置でのゲームとの相乗効果を向上させることが可能な遊技用システムを提供することができる。
その結果、遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム装置でのゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム装置でゲームを実行した遊技者による遊技機での遊技を効果的に促進できることによって、遊技機での遊技とゲーム装置でのゲームとの相乗効果を向上させることが可能な遊技用システムを提供することができる。
このような構成によれば、遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム装置でのゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム装置でゲームを実行した遊技者による遊技機での遊技を効果的に促進できることによって、遊技機での遊技とゲーム装置でのゲームとの相乗効果を向上させることが可能なゲーム装置を提供することができる。
このような構成によれば、遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム装置でのゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム装置でゲームを実行した遊技者による遊技機での遊技を効果的に促進できることによって、遊技機での遊技とゲーム装置でのゲームとの相乗効果を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
このような構成によれば、遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム装置でのゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム装置でゲームを実行した遊技者による遊技機での遊技を効果的に促進できることによって、遊技機での遊技とゲーム装置でのゲームとの相乗効果を向上させることが可能なゲームプログラムを提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一のまたは相当する部品には同一の符号を付しており、それらの名称および機能は同様であるので、それらの詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明に係るキャラクタ育成システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。図1を参照してキャラクタ育成システム10は、携帯端末100と、パチンコ遊技機700と、ゲーム機800とを含む。
ユーザ宅50には、ゲーム機800、および、当該ゲーム機800に接続され当該ゲーム機800から出力される画像を表示するモニタ841が設置される。ゲーム機800には、ゲーム機800にゲームの操作信号を入力するためのコントローラ831が接続される。ゲーム機800は、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムに基づいて遊技機シミュレーションゲームを実行する。
また、ゲーム機800は、遊技機シミュレーションゲームを実行しているときに、遊技機シミュレーションゲームの演出に用いられるキャラクタに対して設定されているパラメータを、ゲームの進行状況に応じて変化させ、ユーザからの指示に応じてパラメータを図形パターン化した2次元コード192をモニタ841の表示部842に表示出力させるよう表示制御したり、ユーザからの指示に応じてパラメータを赤外線で出力するよう制御したりする。
また、ゲーム機800は、遊技機シミュレーションゲームの演出として、ゲーム機800で変化させられているパラメータ、遊技機から携帯端末100を介して入力されたパラメータ、および、本ゲーム機もしくは別のゲーム機から携帯端末100を介して入力されたパラメータに応じた演出を行なう。
遊技場30には、パチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機が設置される。パチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機は、遊技の演出に用いられるキャラクタに対して設定されているパラメータを、遊技の進行状況に応じて変化させ、遊技者からの指示に応じてパラメータを図形パターン化した2次元コード191を変動表示装置745に表示出力したり、遊技者からの指示に応じてパラメータを赤外線で出力するようカードユニット600を制御したりする。
ユーザによって使用される携帯端末100は、少なくとも、パチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機の実機の表示装置に表示される2次元コード191、および、ゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームでモニタ841の表示部842に表示される2次元コード192を撮影することによって取得する機能を有する。
さらに、携帯端末100は、アプリケーションソフト実行機能、ウェブページ閲覧機能、電子メール機能、および、通話機能を有する。
図2は、本実施の形態における携帯端末100の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、携帯端末100は、データ処理部110と、記憶部120と、データ入力部130と、表示部140と、音声入出力部150と、無線通信部160と、アンテナ161と、赤外線通信部180と、カメラ部190とを含む。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリなどの半導体メモリで構成される。記憶部120は、携帯端末100の各種機能をデータ処理部110に実行させるためのアプリケーションプログラムなどのプログラムやデータを記憶する。
データ入力部130は、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。データ入力部130は、ユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータをデータ処理部110に受渡す。
表示部140は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部140は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部140は、データ処理部110から受けた文字データおよび画像データを表示する。
音声入出力部150は、マイクおよびスピーカで構成される。音声入出力部150は、外部からマイクに入力された音声を電気信号に変えて、データ処理部110に受渡し、データ処理部110からの電気信号を音声に変換して、スピーカで外部に出力する。
無線通信部160は、他の携帯端末またはサーバからアンテナ161で受信した信号をデータ処理部110に受渡し、データ処理部110から他の携帯端末またはサーバへ送信する信号をアンテナ161から出力させる。
赤外線通信部180は、他の携帯端末、カードユニット600またはゲーム機800から赤外線で受信した信号をデータ処理部110に受渡し、他の携帯端末、ゲーム機800またはカードユニット600を介してパチンコ遊技機700もしくはスロットマシンなどの遊技機へ送信する信号を、データ処理部110から受取り、赤外線で送信する。
カメラ部190は、2次元コード191,192などの被写体を撮像して、撮像された画像を画像データに変換して、変換された画像データをデータ処理部110に出力する。
データ処理部110は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。データ処理部110は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムに従って、記憶部120、データ入力部130、無線通信部160、音声入出力部150、赤外線通信部180、または、カメラ部190から入力されたデータを処理して、記憶部120、表示部140、無線通信部160、音声入出力部150、または、赤外線通信部180に出力する。なお、本実施の形態においては、携帯端末100は、音声入出力部150を含んでも含まなくてもよい。
図3は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機700を正面から見た正面図である。図3を参照して、パチンコ遊技機700は、遊技媒体としての遊技球を用いて所定の遊技を行う遊技機である。パチンコ遊技機700は、遊技場(遊技店)30に設置される。遊技場30内には遊技機が複数台並べて配置されている遊技機設置島が複数設けられており、パチンコ遊技機700は、そのような遊技機設置島に設置される。パチンコ遊技機700は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。
図3に示すように、パチンコ遊技機700は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄を変動表示(可変表示または更新表示ともいう)する複数の変動表示領域を含み、所定の始動条件の成立(たとえば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)に基づいて各々を識別可能な複数種類の演出用の演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する変動表示装置745が配置されている。
この実施の形態では、変動表示装置745は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(演出図柄表示エリア)に演出図柄が表示制御されるように構成されている。
また、この実施の形態においては、前述した2次元コード191が、変動表示装置745に表示制御されるように構成されている。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄の変動表示を開始してから所定の変動時間が経過したときに図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。
この実施の形態では、変動表示装置745の3つの表示領域に表示される演出図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。演出図柄の変動表示(変動)中、「0」〜「9」の演出図柄が番号順に表示される。
変動表示装置745の上部には、識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、たとえば「0」〜「99」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、より簡易化した「0」〜「9」等の数字を可変表示するように構成されていてもよい。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置745と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置745の方に注目する。
変動表示装置745は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置745は、演出制御部740の演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の変動表示を行なう特別図柄表示器8は、遊技制御部の遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置745は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置745は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
変動表示装置745の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色を元に戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、変動表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。
なお、変動表示装置745の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
変動表示装置745の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、可変入賞球装置15の可動片が閉状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞しにくくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:たとえば「−−」以外の「00」〜「99」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉される開閉板20aを用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板20aによって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板20aが遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出された後カウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
本実施の形態の場合は、大当りとして複数種類の大当りが設けられている。大当りには、通常大当り、および、確変大当りが設けられている。なお、大当りのうち、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に異なる図柄を表示させるようにしてもよい。たとえば、確変大当りのときには特別図柄表示器8に「40」〜「79」の図柄を表示させるようにし、通常大当りのときには特別図柄表示器8に「00」〜「39」の図柄を表示させるようにしてもよい。また、確変大当りのときと通常大当りのときとで、特別図柄表示器8に同じ図柄を表示させるようにしてもよい。たとえば、確変大当りまたは通常大当りのいずれの場合であっても、特別図柄表示器8に「00」〜「79」の図柄を表示させるようにしてもよい。
変動表示装置745の真上には、普通図柄表示器11が設けられている。普通図柄表示器11は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器11の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器11における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器11の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器11の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤には、図示はしていないが、複数の入賞口が設けられ、遊技球の入賞口への入賞は、それぞれ入賞口スイッチによって検出される。各入賞口は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つの音出力装置としてのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、LEDよりなる天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機700に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左のスピーカ27の下部の近傍に、賞球払出中に点灯するLEDよりなる賞球ランプ51が設けられ、右のスピーカ27の下部の近傍に、補給球が切れたときに点灯するLEDよりなる球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)600が、パチンコ遊技機700に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプ等の各種発光手段は、ランプドライバ基板によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板によって行なわれる。
カードユニット600は、パチンコ遊技機700に対応して設けられる。カードユニット600には、パチンコ遊技機700およびカードユニット600に関する情報を表示する表示部640、記録媒体としてのプリペイドカードが挿入されるカードリーダライタ670、赤外線を送受信するための赤外線通信部680、および、プリペイドカードに書込まれる価値の対価である貨幣を受付けて当該貨幣を処理する貨幣処理機690が設けられる。
カードユニット600には、図示はしていないが、さらに、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット600がいずれの側のパチンコ遊技機700に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット600内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、カードリーダライタ670等の機構を点検する場合にカードユニット600を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
パチンコ遊技機700には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の変動表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、変動表示装置745において演出図柄の変動表示が開始される。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および変動表示装置745の演出図柄の変動表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、遊技状態が大当り遊技状態以外の通常状態のときと比較して遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する。特定遊技状態(大当り遊技状態)では、一定時間(たとえば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。なお、特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態を15ラウンド継続させる。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示と、変動表示装置745における演出図柄の変動表示とは同期している。ここで、同期とは、変動表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(たとえば「−−」以外の「00」〜「99」の図柄)が停止表示されるときには、変動表示装置745において左中右の演出図柄が揃った状態(たとえば「222」や「777」等)で停止表示される。以下、変動表示装置745において左中右の演出図柄が揃った状態で停止表示されることを、演出図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
変動表示装置745において左中右の奇数の演出図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)が揃った状態(たとえば「777」)で停止表示されたときは、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行なう際に通常遊技状態よりも高い確率(割合)で大当りと判定する遊技者にとって有利な特別遊技状態としての確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう)に制御される。すなわち、変動表示装置745の表示結果が大当り図柄の表示結果のうちの特別な表示結果となったときには、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。この実施の形態では、所定の移行条件が成立したときに遊技状態が確変状態に移行される。具体的には、内部的に確変とすることが決定され、上記のように演出図柄の変動表示の終了時に停止図柄として確変図柄を停止表示したとき(左中右の奇数の図柄が揃った状態で停止表示したとき、演出図柄が「123」または「357」で停止表示したとき)、所定の移行条件が成立したとして確変状態に移行される。
このように、「0」〜「9」の演出図柄のうち、確変状態を生起させる奇数の演出図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない偶数の演出図柄のことを非確変図柄という。また、変動表示装置745において左中右の奇数の演出図柄が揃った状態で停止表示されることを、演出図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。
この実施の形態では、確変大当りにすることが事前決定されているときに、高確率状態に移行するとともに、特別図柄および演出図柄の変動時間を短縮する時短状態に移行するように制御する。その場合、確変フラグとは別に時短フラグをセットし、時短フラグに基づいて変動時間を短縮させればよい。なお、遊技状態を確変状態に移行する場合には、単に特別図柄や演出図柄が大当り図柄となる確率を高めた高確率状態に移行するだけで、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態を変化させず、普通図柄が当り図柄となる確率や、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数の状態の変化は、時短状態(時短フラグがセットされた状態)に制御されていることに基づいて実行するようにすればよい。
たとえば、確変大当りである場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示装置8や変動表示装置745における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、たとえば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器11における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器11における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器11における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器11における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。特別図柄時短状態では、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり(高ベース状態に移行し)大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については変動表示(変動表示)が行なわれていること、および、全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置745における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる演出図柄(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置745における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれる。その演出と変動表示装置745におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置745の背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。
図4は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機700およびカードユニット600の構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、パチンコ遊技機700は、遊技制御部710と、演出制御部740と、払出制御部760と、各種スイッチ730と、各種アクチュエータ750と、変動表示装置745と、球払出装置765とを含む。
カードユニット600は、制御部610と、入力部630と、表示部640と、通信インターフェイス660と、カードリーダライタ670と、赤外線通信部680と、貨幣処理機690とを含む。
遊技制御部710には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機700を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ等の各種スイッチ730からの信号を基本回路に与える入力ドライバ回路と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aなどの各種アクチュエータ750を基本回路からの指令にしたがって駆動する出力回路とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ等の各種スイッチ730は、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチの各種スイッチ730は、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
基本回路は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPUを有する遊技制御用マイクロコンピュータを含む。なお、この実施の形態では、CPUとは、基本回路のうち、プログラムにしたがって動作する中央処理装置(ROMやRAM等の記憶手段、I/Oポート部57等を除いた部分)を指し、後述するメイン処理や割込処理(タイマ割込処理)を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータとは、基本回路のうち、CPUに加えて、ROMやRAM等の記憶手段、I/Oポート部等を含む部分を指し、各基板(払出制御部760や演出制御部740)が搭載するマイクロコンピュータと各種データの送受信を行なう。
この実施の形態では、ROM、ワークメモリとしての記憶手段であるRAMおよびI/Oポート部は遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータは、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAMが内蔵されていればよく、ROMは外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータにおいてCPUがROMに格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータが実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPUがプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、遊技制御部710以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータを含む基本回路で実現されている。
また、RAMは、揮発性の記憶手段であるが、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされていることにより、不揮発性記憶手段として機能するバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAMの全部が、電源バックアップされているとする。
なお、パチンコ遊技機700は、バックアップ電源電圧を検知し、検知した電圧値が所定時間継続して一定値以下に低下すると、電力が低下した旨を変動表示装置745に表示したり音やランプを用いて報知する報知手段を設けてもよい。なお、バックアップ電源はコンデンサに限らず、たとえば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。要は、バックアップ電源は、瞬停電または停電の間において、たとえば、大当りに関する情報および確変に関する情報等の遊技状態に関する情報を記憶できるように、電力供給が可能なものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータのリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの制御基板(遊技制御部710を含む)に含まれてもよいし、複数の制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、基本回路の入力ポートには、払出制御部760を経由して、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、基本回路の入力ポートには、遊技制御用マイクロコンピュータ等のマイクロコンピュータのRAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、遊技制御部710において分岐され、演出制御部740にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータが入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して演出制御部740に出力してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータは、演出制御部740に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御部740には、中継基板を介して遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置745での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ等の電気部品制御手段が搭載されている。遊技制御部710と演出制御部740との間には、演出制御信号としての演出制御コマンドをパラレル信号で送信するためのパラレル信号線として、8本の信号線と、ストローブ信号としての演出制御INT信号を送信するための1本の信号線とが設けられている。
この実施の形態では、演出制御部740等に含まれている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータや各種処理回路で構成される。)が、中継基板を介して遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する変動表示装置745の表示制御を行なう。また、演出制御手段は、音声出力基板を介してスピーカ27の音出力制御を行なったり、ランプドライバ基板を介して各ランプの表示制御等を行なう。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、変動表示装置745の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプの表示制御を行なうことによって、遊技演出等の演出を行なうことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動表示装置745の表示制御、スピーカ27の音出力制御、および各ランプの表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータや各種処理回路(たとえば、リアルタイムクロックやバックアップ電源回路、音声合成用IC)によって実現される。
演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置745の変動表示等の各種表示の演出に関する制御の他に、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。演出制御部740には、演出制御用マイクロコンピュータの他に、たとえば、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置745の表示制御を行なうVDP(Video Display Processor)、変動表示装置745に表示する画像データを予め格納するキャラクタROM、および、VDPによって生成された画像データを展開するためのVRAM(Video Random Access Memory)が搭載されている。
遊技球が遊技領域に発射され、遊技領域を流下して、始動入賞口14に入賞すると、各種スイッチ730の1つである始動口スイッチ14aが、入賞した遊技球を検出し、検出信号を遊技制御部710に出力する。遊技制御部710は、始動口スイッチ14aからの検出信号を受けたことを条件として、乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かを決定し、その決定結果に基づいた演出制御コマンドを演出制御部740に出力する。
遊技制御部710は、特別図柄を可変表示するように特別図柄表示器8を制御する。演出制御部740は、遊技制御部710から受けた演出制御コマンドに従って、演出図柄を可変表示するよう変動表示装置745を制御する。そして、遊技制御部710によって大当り遊技状態を発生させることが事前に決定されている場合、遊技制御部710は、特別図柄の大当り図柄(特定表示結果)を停止表示させるように制御し、その旨の演出制御コマンドを演出制御部740に出力する。その旨の演出制御コマンドを受けた場合、演出制御部740は、演出図柄の大当り図柄を停止表示させるよう変動表示装置745を制御する。
そして、大当り図柄が停止表示されると、遊技制御部710は、遊技状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行させる。大当り遊技状態において、遊技制御部710は、大入賞口および開閉板20aによって構成される特別可変入賞球装置20を、各種アクチュエータ750の1つであるソレノイド21を動作させて開閉板20aを開状態にすることで遊技球が入賞可能な開放状態にするように制御し、所定回数、特別可変入賞球装置20を開放状態と遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変化させることでラウンド継続させる。
始動入賞口14および大入賞口などの入賞口への遊技球の入賞に応じて、それぞれ、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23などの各種スイッチ730によって出力された検出信号を受けると、遊技制御部710は、入賞口に応じて設定された賞球個数を示す払出制御コマンドを払出制御部760に出力する。
遊技制御部710から払出制御コマンドを受けると、払出制御部760は、当該払出制御コマンドに応じて球払出装置765を駆動して賞球を打球供給皿3に払出す。
次に、カードユニット600における主要な制御回路の構成について説明する。パチンコ遊技機700では、遊技制御部710により、前述したような遊技に関する動作をさせるための遊技制御が行なわれる。パチンコ遊技機700においては、大当り中信号、スタート信号、および、確変中信号等の各種信号が、遊技制御部710からカードユニット600へ向けて出力される。
大当り中信号は、大当り遊技状態が発生していることを特定可能な信号であり、大当り遊技状態中の期間においてアクティブ状態となる。スタート信号は、変動表示装置745の可変表示(変動表示)が始動したことを特定可能な信号であり、可変表示がスタート(変動表示開始)されるごとにアクティブ状態となる。確変中信号は、確率変動状態が発生していることを特定可能な信号であり、確率変動状態中の期間においてアクティブ状態となる。
また、カードユニット600においては、前述した大当り中信号、スタート信号、および、確変中信号の他に、貸玉検出信号、獲得玉検出信号、返却玉検出信号、および、精算信号を受ける。
貸玉検出信号は、貸玉の払出しが検出されたことを特定可能な信号であり、貸玉検出スイッチにより貸玉の払出しが検出されるごとにアクティブ状態(たとえば、ハイレベル状態であり、以下同様)となる。獲得玉検出信号は、前述した獲得玉が検出されたことを特定可能な信号であり、獲得玉検出スイッチにより獲得玉が検出されるごとにアクティブ状態となる。返却玉検出信号は、前述した返却玉が検出されたことを特定可能な信号であり、返却玉検出スイッチにより返却玉が検出されるごとにアクティブ状態となる。精算信号は、前述した精算が行なわれたことを特定可能な信号であり、返却ボタンが操作されたときにアクティブ状態となる。
カードユニット600において、制御部610には、CPU、ROM、およびRAMを含む制御回路が設けられている。
CPUは、ROMに記憶された制御用のプログラムを読出すとともに、RAMを作業領域として用いて制御用のプログラムを実行することにより、カードユニット600を動作させる各種制御を実行する。CPUが実行する制御には、前述した玉の貸出しを行なうための貸出制御、パチンコ遊技機700の各種遊技情報を管理するための遊技情報管理制御、および、表示部640に表示する画像を指示すること等の表示制御が含まれる。CPUが後述するような各種演出表示を行なう場合には、ROMに記憶された複数の演出表示データから条件に応じて必要なデータを読出し、そのデータに基づいて演出表示を行なう画像表示制御を行なう。
CPUは、前述したような貸玉検出信号、獲得玉検出信号、返却玉検出信号、精算信号、大当り中信号、スタート信号、および、確変中信号等の各種信号を受け、これらの信号に基づいて、パチンコ遊技機700に関する各種遊技情報を管理する処理を行なう。
表示部640には、VDP(Video Display Processor)、VRAM(Video Random Access Memory)、キャラクタROM、および、LCD(Liquid Crystal Display)が含まれる。入力部630には、LCDの画面部に構成されるタッチパネルが含まれる。
VDPは、画像表示用のIC(集積回路)である。CPUからVDPには、画像表示をするための指令データとしての表示制御データが送信される。VDPは、受信した表示制御データに従った画像表示をするために、画像データが記憶されたキャラクタROMから必要なデータを読出す。そして、VDPは、読出したデータに従ってLCDに表示するための画像データを生成し、その画像データをVRAMに格納する。そして、VRAM内の画像データは、R(赤),G(緑),B(青)信号(RGB信号)に変換されて、LCDへ与えられる。これにより、カードユニット600において管理している各種遊技情報等の各種画像が表示される。また、タッチパネルの操作に応じた操作信号がVDPを介してCPUへ与えられる。CPUでは、タッチパネルから与えられた操作信号に応じて、遊技者の操作に応じた遊技情報等の画像を表示するための制御を行なう。
遊技場30内には、パチンコ遊技機700が設置された遊技場内全体を管理対象として遊技情報等の各種情報を管理するホール管理コンピュータが設けられている。また、遊技場30内にはパチンコ遊技機700が複数台並べて配置されている遊技機設置島が複数設けられているが、それぞれの遊技機設置島には、各遊技機設置島内に配置されたすべてのパチンコ遊技機700を対象として遊技情報等の各種情報を管理する島管理コンピュータが設けられている。
カードユニット600は、島管理コンピュータおよびホール管理コンピュータとデータの通信が可能なように接続されている。カードユニット600においては、制御部610が、データ通信のソフトウェアを実行してデータ通信を行なうデータ通信機能を有しており、島管理コンピュータおよびホール管理コンピュータとデータの通信を行なう。
カードユニット600において管理されている各種遊技情報のすべては、島管理コンピュータからの要求に応じて、または、定期的に、島管理コンピュータに与えられる。これにより、島管理コンピュータでは、遊技機設置島に配置されたすべてのパチンコ遊技機700を対象として遊技情報等の各種情報を管理する。また、遊技場30内の複数の島管理コンピュータのそれぞれで管理されているパチンコ遊技機700の各種遊技情報のすべては、ホール管理コンピュータからの要求に応じて、または、定期的に、ホール管理コンピュータに与えられる。これにより、ホール管理コンピュータでは、遊技場30内のすべてのパチンコ遊技機700を対象として遊技情報等の各種情報を管理する。たとえば、ホール管理コンピュータでは、各パチンコ遊技機700の遊技情報を台別に所定期間にわたり記憶し、各種情報についての管理を行なう。
また、ホール管理コンピュータにおいて管理されている各種遊技情報は、カードユニット600からの要求に応じて、島管理コンピュータを介してカードユニット600に与えられる。
カードリーダライタ670は、プリペイドカードを受付けて、プリペイドカードに記録された価値などのデータを制御部610に出力するとともに、制御部610から受けた更新後の価値などのデータを受けて、プリペイドカードに記録する。
赤外線通信部680は、外部の装置(たとえば、携帯端末100)から赤外線でデータを受信し、受信したデータを制御部610に出力するとともに、制御部610から受けたデータを赤外線で外部の装置に送信する。
貨幣処理機690は、貨幣(紙幣および硬貨)を受付けて、受付けた金額を特定して、特定した金額のデータを制御部610に出力するとともに、受付けた貨幣を内部に収納する。
カードユニット600は、遊技者からプリペイドカードを受付けて、パチンコ遊技機700に設けられた球貸ボタンの操作に応じて、プリペイドカードに記録されたプリペイドデータで示される価値のうちから所定額相当(たとえば、500円相当)の価値を減算して、減算した価値に見合った遊技球を払出すことを指示する球貸操作信号をパチンコ遊技機700に送信する。
カードユニット600から球貸操作信号を受けると、払出制御部760は、当該球貸操作信号に応じて球払出装置765を駆動して貸球を打球供給皿3に払出す。
カードユニット600は、遊技者から現金を受付けると、プリペイドカードに受付けた現金で示される価値を追加記録する。カードユニット600は、パチンコ遊技機700に設けられた返却ボタンの操作に応じて、プリペイドカードを排出する。
また、本実施の形態においては、カードユニット600は、通信インターフェイス660を介して、パチンコ遊技機700の演出制御部740と通信する。具体的には、遊技機での遊技の演出および遊技機シミュレーションゲームでの遊技の演出に用いられるキャラクタのパラメータに応じたパスワードおよび当該キャラクタを特定可能なキャラクタ特定情報が通信される。
図5は、本実施の形態におけるゲーム機800の構成の一例を示すブロック図である。図5を参照して、ゲーム機800は、データ処理部810と、記憶部820と、表示制御部840と、赤外線通信部880とを含む。また、ゲーム機800には、コントローラ831およびモニタ841が接続される。
コントローラ831は、ユーザによって操作されて、操作に基づく操作信号をゲーム機800に出力する。モニタ841は、ゲーム機800から出力された映像を表示部842に表示し、スピーカから音声を出力する。
記憶部820は、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAMなどの揮発性メモリなどの半導体メモリ、および、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブなどの外部記憶装置で構成される。記憶部820には、ゲーム機800の各種機能をデータ処理部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。ゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームなどのプログラムは、DVDディスクに記録されて販売される。
データ処理部810は、MPUで構成される。データ処理部810は、記憶部820に記憶されたプログラムに従って、記憶部820、または、コントローラ831から入力されたデータを処理して、記憶部820、または、表示制御部840に出力する。
表示制御部840は、プログラムが実行されることによって出力されるデータ処理部810からの命令に従って画像データを生成し、生成された画像データで示される画像をモニタ841に出力する。本実施の形態においては、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムが、コントローラ831を介して入力されるユーザからの操作に応じて、データ処理部810によって実行されることによって、表示制御部840は、遊技機で遊技が行なわれている状態を示す画像や大当り遊技状態が発生した後に2次元コード192をモニタ841の表示部842に表示させる。
赤外線通信部880は、携帯端末100から赤外線で受信した信号をデータ処理部810に受渡す。
図6は、本実施の形態におけるゲーム機800から出力されてモニタ841の表示部842に表示される遊技機選択画面を示す表示画面図である。図6を参照して、遊技機選択画面には、上部に、この画面の名称である「遊技機選択画面」の文字、ならびに、中程から下部にかけての左半分に、パチンコ遊技機である遊技機αの名称である「遊技機α」の文字および遊技機αの画像、ならびに、右半分に、スロットマシン700である遊技機βの名称である「遊技機β」の文字および遊技機βの画像が表示される。なお、本実施の形態においては、遊技機αおよび遊技機βは、同一シリーズ機種である。
なお、本実施の形態の遊技機シミュレーションゲームは、実際に遊技場に設置されている遊技機を仮想的に遊技できるゲームである。本実施の形態の遊技機シミュレーションゲームのパチンコ遊技機である遊技機αの機種は、図3で説明した遊技機の機種と同一である。
この遊技機選択画面は、ゲーム機800に遊技機シミュレーションゲームのDVDディスクが挿入されて、遊技機シミュレーションゲームのプログラムが起動されると表示される。図6においては、選択フレームで、遊技機αの文字および画像が囲まれた状態とされることによって、遊技機シミュレーションゲームでシミュレーションを行なうことができる機種である遊技機αおよび遊技機βのうち、遊技機αが選択された状態となっている。選択される遊技機は、コントローラ831で切換えることができる。選択された状態で、コントローラ831で、選択を決定する操作が行なわれると、決定された遊技機のメニュー画面がモニタ841の表示部842に表示される。
図7は、本実施の形態におけるゲーム機800から出力されてモニタ841の表示部842に表示される第1の遊技機のメニュー画面および設定画面を示す表示画面図である。図7を参照して、第1の遊技機のメニュー画面には、上部に、この画面の名称である「遊技機αメニュー」の文字、中程に左から順に、「機種紹介」ボタン、「図柄配列参照」ボタン、下部に左から順に、「シミュレーションモード」ボタン、「リーチ研究」ボタンが表示される。
「機種紹介」ボタンが選択されると、遊技機αの特徴やスペックなどが記載された機種紹介の画面がモニタ841の表示部842に表示される。「図柄配列参照」ボタンが選択されると、変動表示装置で変動表示される演出図柄の配列を確認することができる画面がモニタ841の表示部842に表示される。
「リーチ研究」ボタンが選択されると、リーチ演出や予告演出の種類を選択してその演出を再生して見ることができる画面がモニタ841の表示部842に表示される。「シミュレーションモード」ボタンが選択されると、遊技機のシミュレーションが開始される。
図8は、本実施の形態におけるゲーム機800から出力されてモニタ841の表示部842に表示される第1の遊技機のシミュレーション画面を示す表示画面図である。図8を参照して、シミュレーション画面には、画面全体に亘って、パチンコ遊技機である遊技機αの遊技領域7、上部に、遊技のシミュレーションの状態に関する情報861、右下部に、上から順に、遊技状態を示す情報、遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)の画像805、遊技球を打出す強さを示すインジケータ806が表示される。
遊技のシミュレーションの状態に関する情報861としては、前回大当りからの変動表示の回数、シミュレーションを開始してから大当りとなった回数である大当り回数、シミュレーションを開始してからの経過時間であるプレイ時間、現在の持ち玉の数が表示される。
ここでは、前回大当りからの変動表示の回数として「50」回転、シミュレーションを開始してからの大当り回数として「9」回、シミュレーションを開始してからのプレイ時間として「03:18:06」、現在の持ち玉の数として「4880」玉が表示されている。
また、遊技状態を示す情報としては、現在確変中であることを示す「確変中」の文字が表示されている。ハンドルパワーの強弱をコントローラ831の操作によって変更すると、遊技球を打出す強さを示すインジケータ806の表示が変更される。そして、その強さに応じて遊技球が遊技領域7に打出されて遊技領域7を流下するような態様で映像が表示されるようにデータ処理部810によって計算されて表示制御部840によって映像が生成され、その遊技領域7の映像がモニタ841の表示部842に表示される。
表示部842に表示される遊技領域の中央付近には、図3で説明した変動表示装置745と同様の、変動表示装置845が配置されている。
また、この実施の形態においては、前述した2次元コード192が、表示部842に表示される変動表示装置845に表示されるように構成されている。
表示部842に表示される変動表示装置845の上部には、図3で説明した特別図柄表示器8と同様の、特別図柄表示器(特別図柄表示装置)808が設けられているように表示される。
表示部842に表示される変動表示装置845の下部には、図3で説明した特別図柄保留記憶表示器18と同様の、特別図柄保留記憶表示器818が設けられているように表示される。
表示部842に表示される変動表示装置845の下方には、図3で説明した始動入賞口14を有する可変入賞球装置15と同様の、始動入賞口814を有する可変入賞球装置815が設けられているように表示される。
なお、遊技領域は、図8で示されているよりも拡大または縮小表示することができる。遊技領域を縮小表示させたときに表示部842に表示される可変入賞球装置815の下部には、図3で説明した特別可変入賞球装置20と同様の、特別可変入賞球装置が設けられているように表示される。
表示部842に表示される変動表示装置845の真上には、図3で説明した普通図柄表示器11と同様の、普通図柄表示器811が設けられているように表示される。表示部842に表示される可変入賞球装置815の左側には、図3で説明したゲート32と同様の、ゲート832が設けられているように表示される。
表示部842に表示される普通図柄表示器811の近傍には、図3で説明した普通図柄保留記憶表示器41と同様の、普通図柄保留記憶表示器841が設けられているように表示される。遊技領域を縮小表示させたときに表示部842に表示される遊技盤の遊技領域の下部には、図3で説明したアウト口26と同様の、アウト口が設けられているように表示される。
遊技者がコントローラ831で発射操作をすることによって発射された遊技球は、遊技領域に上部から入り、その後、遊技領域を下りてくるような態様で表示される。
そして、計算によって遊技領域7を流下するような態様で表示されている遊技球が、始動入賞口に入賞するように計算された場合は、データ処理部810は、始動入賞口に入賞した以降のタイミングで、所定の確率に従って、乱数を用いて大当り遊技状態を発生させるか否かの決定をし、特別図柄および演出図柄をそれぞれ可変表示するような態様で特別図柄表示部808および変動表示装置845を表示させるよう表示制御部840を制御する。
そして、大当り遊技状態を発生させることが事前に決定された場合、データ処理部810は、特別図柄および演出図柄の大当り図柄をそれぞれ停止表示させるような態様で特別図柄表示部808および変動表示装置845を表示させるよう表示制御部840を制御する。
そして、大当り図柄が停止表示された後に、データ処理部810は、遊技状態を大当り遊技状態に移行させる。大当り遊技状態において、データ処理部810は、大入賞口および開閉板によって構成される特別可変入賞球装置を、開閉板を開状態にすることで遊技球が入賞可能な開放状態となっているような態様で表示させるよう表示制御部840を制御し、所定回数、特別可変入賞球を開放状態と遊技球が入賞不可能な閉塞状態とに変化させるような態様で表示させるよう表示制御部840を制御することでラウンド継続させる。
始動入賞口814および大入賞口などの入賞口への遊技球の入賞に応じて、それぞれ、データ処理部810は、入賞口に応じて設定された賞球個数を、遊技のシミュレーションの状態に関する情報861の現在の持ち玉に加算して表示させるよう表示制御部840を制御する。
また、ユーザによってコントローラ831が操作されて球貸操作が行なわれると、データ処理部810は、球貸操作に応じた個数を、遊技のシミュレーションの状態に関する情報861の現在の持ち玉に加算して表示させるよう表示制御部840を制御する。
図9は、本実施の形態におけるゲーム機800から出力されてモニタ841の表示部842に表示される第2の遊技機のメニュー画面および設定画面を示す表示画面図である。図9を参照して、第2の遊技機のメニュー画面には、上部に、この画面の名称である「遊技機βメニュー」の文字、中程に左から順に、「機種紹介」ボタン、「目押し練習」ボタン、下部に、「シミュレーションモード」ボタンが表示される。
「機種紹介」ボタン、および、「シミュレーションモード」ボタンについては、図7で説明したものと同様であるので重複する説明は繰返さない。「目押し練習」ボタンが操作されると、所定図柄をライン上に停止させるまたは停止させないための目押しの練習のための画面がモニタ841の表示部842に表示される。
図10は、本実施の形態におけるゲーム機800から出力されてモニタ841の表示部842に表示される第2の遊技機のシミュレーション画面を示す表示画面図である。図10を参照して、シミュレーション画面には、画面全体に亘って、スロットマシンである遊技機βの正面図、右側に、遊技のシミュレーションの状態に関する情報961が表示される。
データ処理部810は、本実施の形態のスロットマシンには、外周に複数種の図柄が配列されたリール902L、902C、902R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図10に示すように、これらリール902L、902C、902Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓から見えるように配置されているように、モニタ841の表示部842に表示されるように表示制御部840を制御する。
リール902L、902C、902Rの外周部には、それぞれ「メロン」、「ブドウ」、「バナナ」、「チェリー」、「オレンジ」、「星」、「赤7(図3においては黒塗りの7)」、「白7(図3においては白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれているように表示部820に表示される。リール902L、902C、902Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓において各々上中下三段に表示される。
各リール902L、902C、902Rは、各リール902L、902C、902Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール902L、902C、902Rの回転を停止させることで、透視窓に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示するようになっている。
また、前面扉には、演出画像を表示するための液晶表示器945、メダルを投入可能なメダル投入部914、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ905、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態およびRT(リプレイタイム)においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ906、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ910、ゲームを開始する際に操作されるスタートレバー907、リール902L、902C、902Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ908L、908C、908R、が設けられているように、表示部842に表示される。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器911、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器912、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器913が設けられているように、表示部842に表示される。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED914、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED915、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED916、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED917、スタートレバー907の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED918、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED919、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED920が設けられているように、表示部842に表示される。
本実施の形態のスロットマシンにおいてゲームを行なう場合には、まず、クレジットを使用して賭数を設定する操作をコントローラ831で行なう。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ905、またはMAXBETスイッチ906を操作することに相当する操作をコントローラ831で行なえばよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートレバー907の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、本実施の形態では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態およびRTにおいては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー907を操作することに相当する操作をコントローラ831で行なうと、各リール902L、902C、902Rが回転し、各リール902L、902C、902Rの図柄が連続的に変動するように、表示部842に表示される。この状態でいずれかのストップスイッチ908L、908C、908Rを操作ことに相当する操作をコントローラ831で行なうと、対応するリール902L、902C、902Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示されるように、表示部842に表示される。
そして全てのリール902L、902C、902Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール902L、902C、902Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール902L、902C、902Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
本実施の形態のスロットマシンは、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス、通常遊技状態、RT(リプレイタイム)があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、通常遊技状態およびRTに対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が通常遊技状態またはRTにあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施の形態のスロットマシンは、全てのリール902L、902C、902Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
遊技のシミュレーションの状態に関する情報961としては、メダルの持ち枚数、シミュレーションを開始してからの総プレイ数、前回ボーナスからのゲーム数、前回ビッグボーナスからのゲーム数、ビッグボーナスの当選回数、レギュラーボーナスの当選回数、ビッグボーナスの取得率、レギュラーボーナスの取得率、アウト枚数とイン枚数との差枚数、投資金額、回収金額に持ちメダル額を加算した額から投資金額を減算した収支金額が表示される。
ここでは、それぞれ、「682」枚、「98」ゲーム、「46」ゲーム、「2」回、「0」回、「1/49.0」、「−」、「583」枚、「2000」円、「11600」円が表示されている。
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御部710の主基板の遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には、CPU)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。メイン処理において、CPUは、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPUは、まず、割込禁止に設定する。次に、割込モードを割込モード2に設定し、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後、RAMをアクセス可能状態に設定する。なお、割込みモード2は、CPUが内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPUは、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する。その確認においてオンを検出した場合には、CPUは、通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPUは初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPUは、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう。ここでは、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPUは、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROMに格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残される。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPUは、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信するために、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをセットする。なお、この実施の形態では、停電復旧指定コマンドは、遊技制御処理が開始されてから、演出制御コマンド制御処理において送信されるが、ここで、直接送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行なう。なお、RAMの全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROMに格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。
ここでは、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPUは、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする。初期化コマンドとして、変動表示装置745において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なうためのコマンド等がある。
さらに、CPUは、異常報知禁止フラグをセットするとともに、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、変動表示装置745において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、CPUは、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPUは、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPUは、タイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPUは、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理)。
次に、CPUは、特別図柄表示器8、普通図柄表示器11、特別図柄保留記憶表示器18、および、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する。特別図柄表示器8、および、普通図柄表示器11については、後述する処理で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPUは、正規の時期以外の時期において、特別可変入賞球装置(大入賞口)20、可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理)。CPUは、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理)。
各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:始動入賞口への遊技球の入賞(始動入賞)に基づく特別図柄の可変表示に対応して、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
判定用乱数更新処理では、遊技制御用マイクロコンピュータは、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータによってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータの外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
さらに、CPUは、特別図柄プロセス処理を行なう。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPUは、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう。普通図柄プロセス処理では、CPUは、普通図柄表示器11の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPUは、演出制御部740の演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理)。
さらに、CPUは、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう。
また、CPUは、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御部760の払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置765を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPUは、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(出力処理)。
また、CPUは、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう。CPUは、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPUは、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう。CPUは、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPUは、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器11における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明する。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器11の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態にするときには、高ベース状態フラグがセットされ、普通図柄プロセス処理によりその高ベース状態フラグがセットされていると判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い状態に制御される。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。一方、高ベース状態フラグがリセットされた場合には、普通図柄プロセス処理により高ベース状態フラグがセットされていないと判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数を、通常状態に復帰する制御が行なわれ、高ベース状態が終了する。また、普通図柄表示器11の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器11の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
次に、この実施の形態における背景モードを説明する。背景モードとは、変動表示装置745の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
次に、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す。この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行なわれると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
次に、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を説明する。たとえば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行なわれる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータは、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
次に、この実施の形態で用いられる特別図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を説明する。「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
低ベース状態時すなわち短縮変動が行なわれないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、高ベース状態時すなわち短縮変動が行なわれるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、保留記憶数の値が所定値(たとえば2)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄のときに用いられる変動パターンである。
また、はずれの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#1、#5)と、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#2、#6)と、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#4、#8)と、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターン(変動パターン#3、#7)とがある。
演出制御用マイクロコンピュータは、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、変動表示装置745で演出図柄の可変表示を行なうとともに、変動表示装置745で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行なう。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行なう。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、演出制御用マイクロコンピュータに送出される演出制御コマンドの内容の一例を説明する。コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および変動表示装置745において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であり、既に説明した。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータは、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、変動表示装置745において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータは、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(図柄変動指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータは、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータは、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、変動表示装置745の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、保留記憶数が4に達していない状態で始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞指定コマンドとして保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC2XX(H)は、保留記憶数を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御部740の演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU)は、遊技制御部710の主基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータから上述した演出制御コマンドを受信すると上述した内容に応じて変動表示装置745の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、演出制御部740の音声出力基板に対して音番号データを出力したりする。
次に、遊技制御部710の主基板に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には、CPU)が実行する演出制御コマンド制御処理を説明する。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には、CPU)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。
次いで、CPUは、背景指定コマンドを送信し、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする。
初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをリセットし、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する。さらに、保留記憶数指定コマンドを送信する。また、CPUは、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。さらに、保留記憶数を計数する保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、保留記憶数カウンタは、RAMに形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、後述する処理でセットされる始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。次いで、保留記憶数指定コマンドを送信する。
始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。次いで、変動パターン指定コマンドを送信する。また、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。なお、CPUは、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。この保留記憶数減算指定コマンド中には、前述の減算対象データが含まれている。
保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。
客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合には、CPUは、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理や以下に説明する特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことに基づいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。
次に、遊技制御部710の主基板に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には、CPU)が実行する特別図柄プロセス処理を説明する。上述したように、特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理を行なう際に、CPUは、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。したがって、CPUは、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPUは、特別図柄の変動中または大当り遊技中(たとえば、特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し、特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアする。また、CPUは、保留記憶数が0であるか否か確認する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアする。監視タイマとは、RAMに形成されているソフトウェアタイマであり、保留記憶数が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、さらに、デモコマンド送信フラグをセットする。なお、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
以上のような制御によって、保留記憶数が0である状態(保留記憶数カウンタの値が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、保留記憶数が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、保留記憶数が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、保留記憶数カウンタの値を用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶数が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、保留記憶数が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
特別図柄が変動中または大当り遊技中である場合、保留記憶数が0でない場合、および、監視タイマがタイムアウトしていない場合には、CPUは、始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。そして、保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する。保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、始動口スイッチ14aがオンしていないことを検出した場合には、特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に、以下の処理のうちのいずれかの処理を行なう。
特別図柄通常処理:特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、演出制御用マイクロコンピュータに対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン処理に対応する値(ここでは、1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行なうとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
変動パターン設定処理:特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、特別図柄の可変表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータに対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態決定処理に対応する値(ここでは、2)に更新する。
遊技状態決定処理:特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータに対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を保留記憶数送信処理に対応する値(ここでは、3)に更新する。
保留記憶数送信処理:特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータに対して、保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理に対応する値(ここでは、4)に更新する。
特別図柄変動中処理:特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過する(遊技状態決定処理でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)と、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応する値(ここでは、5)に更新する。
特別図柄停止処理:特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応する値(ここでは、6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応する値(ここでは、0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータが送信する図柄確定指定コマンドを受信すると、変動表示装置745において演出図柄が停止されるように制御する。
大当り表示処理:特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応する値(ここでは、7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、所定期間において、変動表示装置745に、15R大当りの発生を報知するための表示を行なう。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なう。
大入賞口開放前処理:特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応する値(ここでは、8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理:特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理に対応する値(ここでは、7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応する値(ここでは、9)に更新する。
大当り終了処理:特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応する値(ここでは、0)に更新する。
次に、前述の始動口スイッチ通過処理を説明する。始動口スイッチ通過処理において、CPUは、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす。
さらに、CPUは、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAMに形成されている。なお、ここでは、前述のランダム1〜4、8の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を説明する。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、大当り遊技中でもない場合で、さらに、特別図柄プロセスフラグの値が0となっている場合である。
特別図柄通常処理において、CPUは、保留記憶数の値を確認する。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。なお、たとえば、保留記憶バッファにおける保存領域に乱数等のデータが格納されているか否かを確認する等、保留記憶数の有無が確認できれば、他の方法を用いてもよい。
第1保留記憶数が0でなければ、CPUは、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する。そして、高ベースフラグがセットされていれば、CPUは、そのまま処理を終了する。
保留記憶数が0である場合、RAMの保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域中の最も古い保留記憶特定情報を削除して、それよりも新しい保留記憶特定情報を1つずつ古い記憶エリアにシフトする。たとえば、保留記憶数カウンタ「1」に記憶されている保留記憶特定情報を削除して保留記憶数カウンタ「2」以降に記憶されている保留記憶特定情報を1つずつ左にシフトする。
次いで、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする。すなわち、RAMの保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。また、保留記憶数カウンタの値を−1し、変動中フラグをセットする。さらに、始動入賞指定コマンド送信要求フラグをセットする。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応する値(ここでは、1)に更新する。なお、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
次に、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理を説明する。変動パターン設定処理において、CPUは、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここでは、CPUは、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPUは、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し、はずれ図柄決定用乱数に基づいてはずれ図柄(たとえば、偶数図柄のいずれか)を決定する。CPUは、決定した停止図柄をRAMにおける停止図柄記憶領域に記憶する。
一方、大当りとすることに決定した場合には、CPUは、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(たとえば、奇数図柄のいずれか)を決定する。CPUは、決定した停止図柄をRAMにおける停止図柄記憶領域に記憶する。
次に、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、1以上)であれば、短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。短縮変動パターンテーブルとは、ROMに記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば、非短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。非短縮変動パターンテーブルとは、ROMに記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。CPUは、決定した変動パターンを示すデータをRAMにおける変動パターン記憶領域に記憶する。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPUは、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPUは、特別図柄の変動を開始する。たとえば、特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAMに形成されている変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を遊技状態決定処理に対応した値(ここでは、2)に更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における遊技状態決定処理を説明する。遊技状態決定処理において、CPUは、大当りフラグがセットされているか否か確認する。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド:8C00(H))を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読み出し、ランダム8の値に基づいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンド(演出図柄2指定コマンド:8C01(H)〜演出図柄8指定コマンド:8C07(H)のいずれか)を決定する。すなわち、突然確変にする場合には、演出図柄8指定コマンド:8C07(H)、大当り遊技後の遊技状態として、低ベース継続で確変にする場合は演出図柄2指定コマンド:8C01(H)、低ベース継続で低確(通常の確率状態)にする場合は演出図柄3指定コマンド:8C02(H)、高ベース突入で確変にする場合は演出図柄4指定コマンド:8C03(H)、高ベース継続で確変にする場合は演出図柄5指定コマンド:8C04(H)、高ベース継続で低確にする場合は演出図柄6指定コマンド:8C05(H)、高ベース終了で確変にする場合は演出図柄7指定コマンド:8C06(H)に決定する。そして、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に基づいて停止図柄とする大当り図柄を決定し、その後、遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値に基づいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
次に、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を説明する。CPUは、そのときの遊技状態に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、「大当り遊技終了後の背景」は、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータが、制御する背景モードを示す。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が変動表示装置745に表示される。たとえば、活躍モードでは、変動表示装置745における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行なってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを変動表示装置745に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行なってもよい。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータが送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータは、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(たとえば、変動表示装置745における背景画面)を同じにしてもよい。たとえば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(たとえば、可変表示毎に演出上の転落抽選(たとえば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行なう場合で転落することに決定したしたときや、所定の変動パターンコマンドを受信したとき等)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータは受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、大当り遊技となるときに受信した演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
次に、CPUは、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を保留記憶数送信処理に対応した値(ここでは、3)に更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における保留記憶数送信処理を説明する。保留記憶数送信処理において、CPUは、保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする。この保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグは、保留記憶数減算指定コマンド中に含める減算対象データとして、保留記憶を指定するものである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理に対応した値(ここでは、4)に更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理の処理を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPUは、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応した値(ここでは、5)に更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理の処理を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPUは、たとえば特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行なう。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、変動中フラグをリセットする。
さらに、大当りフラグがセットされていたら、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする。ここでは、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことをたとえば変動表示装置745において報知する時間)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値(ここでは、6)に更新する。なお、大当り表示処理では、CPUは、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値(ここでは、7)に更新する。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値(ここでは、0)に更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を説明する。大当り終了処理において、CPUは、大当りフラグをリセットし、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPUは、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする。
さらに、CPUは、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする。また、CPUは、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応した値(ここでは、0)に更新する。
なお、CPUは、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる可変表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(たとえば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンドが演出制御用マイクロコンピュータに送信される。また、次の可変表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータが可変表示回数をカウントして独自に背景モードを切り替えてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU)が実行する普通図柄プロセス処理について説明する。普通図柄プロセス処理では、CPUは、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると、ゲートスイッチ通過処理を実行する。そして、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値に応じて次の普通図柄に関する処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理:CPUは、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPUは、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理:CPUは、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に対応する値(ここでは「0」)となっている場合、具体的には、普通図柄表示器11において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器11に当たり図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応する値(ここでは「1」)に更新する。
普通図柄変動処理:CPUは、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器11における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理に対応する値(ここでは「2」)に更新する。
普通図柄停止処理:CPUは、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値(ここでは「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応する値(ここでは「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理:CPUは、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値(ここでは「0」)に更新する。
次に、普通図柄プロセス処理における普通図柄通常処理を説明する。普通図柄通常処理において、CPUは、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPUは、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAMの乱数バッファ領域に格納する。そして、CPUは、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPUは、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し、読み出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。すなわち、高ベース状態フラグがセットされることによって高ベース状態となっているときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、高ベース状態フラグがリセットされることによって低ベース状態となっているときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPUは、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし、普通図柄表示器11における普通図柄の変動を開始させる。なお、この実施の形態では、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に対応する値(ここでは「1」)に更新する。
次に、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動処理を説明する。普通図柄変動処理において、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPUは、普通図柄表示器11における普通図柄の変動を停止させる。そして、CPUは、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする。そして、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理に対応する値(ここでは「2」)に更新する。
次に、普通図柄プロセス処理における普通図柄停止処理を説明する。普通図柄停止処理において、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPUは、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは、CPUは、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPUは、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、高ベース状態フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。高ベース状態フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、高ベース状態フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。
高ベース状態であるときは、CPUは、普通電動役物の開放パターンとして高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する。一方、低ベース状態であるときは、CPUは、普通電動役物の開放パターンとして低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する。ここでは、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPUは、選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応する値(ここでは「3」)に更新する。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値(ここでは「0」)に更新する。
次に、普通図柄プロセス処理における普通電動役物作動処理を説明する。普通電動役物作動処理において、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。
そして、CPUは、スイッチオンバッファをレジスタにロードする。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPUは、始動口スイッチ入力ビット(始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する。つまり、始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば、始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPUは、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する。そして、CPUは、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合、つまり8以上である場合は、CPUは、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、または、始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていない場合、CPUは、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する。そして、CPUは、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば、CPUは、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする。そして、CPUは、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは、CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値(ここでは「0」)に更新する。
次に、遊技制御部710の主基板と払出制御部760の払出制御基板との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。ここでは、遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を説明する。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
スイッチ処理において、CPUは、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する。
そして、入力ポート0のデータを入力し、入力したデータを前回ポートバッファに設定する。これらの処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPUは、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、8つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPUは、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPUは、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
次に、メイン処理における賞球処理を説明する。賞球処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータは、賞球個数加算処理と賞球制御処理とを実行する。
賞球個数加算処理においては、入賞した入賞口に応じた賞球数が加算され総賞球数バッファに格納される。賞球制御処理においては、総賞球数バッファの内容で示される賞球数のうち最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御部760の払出制御基板に送信される。賞球個数信号を送信すると、CPUは、総賞球数格納バッファの内容から、払出制御部760に指令した賞球払出個数を減算する。
払出制御部760の払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように球払出装置765を駆動する。
次に、パチンコ遊技機700の演出制御部740の動作を説明する。図11は、演出制御部740の演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPUは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ステップS701)。
その後、演出制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行なう(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して変動表示装置745の表示制御を実行する。
次いで、特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS706)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8の表示制御を実行する。また、遊技機パスワード処理を行なう(ステップS707)。遊技機パスワード処理では、遊技の演出の主人公キャラクタのパラメータに応じたパスワードおよび当該パラメータに関する処理を実行する。また、特別図柄保留記憶表示部18の表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ14)等の各種カウンタ値を更新する各種乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、実行する処理をステップS702に移行させる。
図12は、演出制御部740の演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータにより用いられる各種乱数を示す説明図である。乱数の種類としては、ランダム9カウンタ〜ランダム14カウンタの各ランダムカウンタで更新される6種類である。
ランダム9カウンタは、リーチを実行するか否かを判定するリーチ実行判定用のランダムカウンタであり、0〜9の範囲で、演出制御メインプログラムが1回実行される毎(すなわち0.033秒毎)に「1」ずつ加算更新される。
ランダム10カウンタは、後述する修行演出(図22参照)を実行するか否かを判定する修行演出実行判定用のランダムカウンタであり、0〜1の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム11カウンタは、後述するプロセステーブル(図17参照)を選択するためのプロセステーブル選択用のランダムカウンタであり、0〜2の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム12カウンタは後述する対決演出(図23参照)を実行するか否かを判定するための対決演出実行判定用のランダムカウンタであり、0〜1の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム13カウンタは、対決演出に登場する敵キャラクタの種類を選択するための敵キャラクタの選択用のランダムカウンタであり、0〜99の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム14カウンタは、予告を実行するか否かを判定するための予告実行判定用のランダムカウンタであり、0〜99の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
図13は、遊技制御部710の主基板の遊技制御用マイクロコンピュータから受信した演出制御コマンドを格納するための演出制御部740のコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータから送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
コマンド解析処理(ステップS704)は、具体的には次のように実行される。遊技制御部710の主基板から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPUは、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPUは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPUは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPUは、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する。次に、演出用図柄指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には、変動表示装置745における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、変動表示装置745において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、変動表示装置745における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、変動表示装置745において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう。
なお、高ベース状態モードの背景色は、たとえば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(たとえば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、たとえば、活躍モードでは、変動表示装置745における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、変動表示装置745の表示状態はVDPによって制御されるので、演出制御用CPUが変動表示装置745の表示に関して「制御を行なう」とは、具体的には、演出制御用CPUが、VDPに対して、変動表示装置745の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、変動表示装置745に初期画面を表示する制御を行なう。この初期画面では、あらかじめ決められているメッセージ(たとえば、初期化されました)の表示が行なわれる。次に、初期報知フラグをセットし、期間タイマに初期報知期間値をセットする。初期報知期間は、電源投入指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPUは、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう。また、停電復旧フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、確定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、ファンファーレフラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする。
図14は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜ステップS807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータから変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):変動表示装置745において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、変動表示装置745に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、変動表示装置745におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):変動表示装置745において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
次に、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を説明する。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPUは、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には、変動表示装置745における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行なう。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、変動表示装置745における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行なう。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
次に、演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を説明する。予告選択処理において、演出制御用CPUは、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータに基づいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8(大当りが発生する変動パターン)のいずれかであるか否か確認する。変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出し、抽出した予告選択用乱数に基づいて予告演出を行なうか否か決定する。なお、変動パターン#1、#5のはずれ変動パターンの場合にも、予告選択用乱数を抽出し、抽出した予告選択用乱数に基づいて予告演出を行なうか否か決定するようにしてもよい。
予告演出を行なうことに決定した場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する。
予告演出Aおよび予告演出Bの演出態様はそれぞれ異なる。たとえば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において変動表示装置745に表示されるキャラクタが異なっていたりする。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPUは、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS831)。次いで、演出図柄指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS839a)。演出図柄指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、ステップS839bに移行する。
ステップS839bでは、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、前述したように、変動パターン#3、変動パターン#7の変動パターンコマンド(8003(H)、8007(H)))が、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPUは、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。
演出制御用CPUは、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、演出図柄の停止図柄を通常大当り図柄に決定する(ステップS839d)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定する(ステップS839c)。
なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)に応じて使用される。よって、演出制御用CPUは、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれに決定されているのか大当り(2R大当りを含む)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータは、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、演出図柄指定コマンドを受信できなかったときには、演出図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、演出図柄指定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに演出図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび演出図柄指定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータは、演出図柄指定コマンドを受信できなくても演出図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータが送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータの制御負担は増大しない。
演出図柄指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS839aでYESの場合)、演出制御用CPUは、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。なお、演出制御用CPUは、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の表示結果を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンドであれば、演出制御用CPUは、表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンドであれば、表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいて3つの図柄が揃った状態である。演出図柄が0〜9の数字であるとすると、演出制御用CPUは、0〜9のいずれで揃った状態にするのかを、たとえば、乱数を用いた抽選によって決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース継続指定や高確指定を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。演出図柄指定コマンドが高ベース突入指定を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。
ステップS841の処理の後、演出制御用CPUは、演出図柄指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS841a)。
ステップS839c、ステップS839dおよびステップS841aの後、演出制御用CPUは、プロセスデータ選択処理を実行する(ステップS842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。
そして、演出制御用CPUは、異常入賞の報知を行なっていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての変動表示装置745、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS843a、ステップS844)。たとえば、変動表示装置745において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、演出制御部740のランプドライバ基板に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、演出制御部740の音声出力基板に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPUは、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPUは、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS843a、ステップS843b)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、可変表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS844とステップS843bの処理を分ける必要はない。
また、ステップS843bの処理を行なうときに、演出制御用CPUは、単に表示制御実行データ1に基づく指令をVDPに出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDPに出力する。つまり、変動表示装置745におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に変動表示装置745において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次に、ステップS845では、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータからのコマンドに基づいて、演出用部品(変動表示装置745等)で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段(特別図柄表示器8)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータは、特別図柄の可変表示が開始されるときには、変動表示装置745で演出図柄の可変表示を開始させる。
図16は、演出図柄変動開始処理におけるプロセステーブル選択処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。演出制御用CPUは、演出切替フラグの値が0であるか否か判断する(ステップS400)。演出切替フラグは、実行され得る演出が後述する修行演出であるか対決演出であるかを切替えるためのフラグである。
演出切替フラグの値が0であると判断した場合(ステップS400でYESと判断した場合)、演出制御用CPUは、今回の変動パターンが♯1であるか否か判定する(ステップS401)。今回の変動がはずれ変動パターンである♯1以外の変動パターンの場合には、その変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS402)。
一方、はずれ変動パターン♯1の場合には、ランダム9カウンタ(図12参照)の値を抽出してその抽出値が「3」であるか否かの判定を行なう(ステップS403)。抽出値が「3」の場合にはリーチが発生し、「3」でない場合にはリーチが発生しないように定められている。「3」でない場合には、はずれ変動パターン(リーチなし)に応じたプロセステーブル(図17参照)を選択する(ステップS404)。
ランダム9の抽出値が「3」の場合には、次に、ランダム10カウンタ(図12参照)の値を抽出してその抽出値が「1」であるか否かの判断を行なう(ステップS405)。ランダム10カウンタの抽出値が「1」の場合にはリーチ発生後、修行演出を実行し、「1」以外の場合にはリーチが発生したとしても修行演出を実行しないように定められている。よって、はずれとなることが事前決定されかつリーチが発生した後において、修行演出が実行される確率は、1/2となる。ランダム10カウンタの抽出値が「1」のときには、演出切替フラグの値が1に変更されて(ステップS406)、修行演出用のプロセステーブルを選択する図21で説明する修行演出選択処理が行なわれる(ステップS408)。
一方、ステップS405において、ランダム10カウンタの抽出値が「1」でないと判定した場合には、はずれ変動パターン(リーチあり)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS407)。
次に、演出切替フラグの値が0でない(つまり、1である)と判断した場合(ステップS400でNOと判断した場合)、演出制御用CPUは、低ベース状態背景が指定されているか否かの判断を行なう(ステップS408a)。この判断は、低ベース状態のときに遊技制御用マイクロコンピュータから送信されてくる低ベース状態背景指定コマンドを受信しているか否かを判断することによって行なわれる。高ベース状態のときにはステップS402へ移行する。つまり、ステップS413が実行されないので、対決演出が実行されない。
一方、低ベース状態のときには、ランダム9カウンタ(図12参照)の値を抽出してその抽出値が「3」であるか否かの判定を行なう(ステップS408b)。抽出値が「3」の場合にはリーチが発生し、「3」でない場合にはリーチが発生しないように定められている。「3」でない場合には、ステップS402へ移行する。つまり、リーチが発生しないので、対決演出も実行されない。
ランダム9の抽出値が「3」の場合には、次に、ランダム12カウンタ(図12参照)の抽出値が「1」であるか否かの判定を行なう(ステップS409)。「1」のときには対決演出(図23参照)を実行し、「1」でないときには対決演出を実行しないように定められている。なお、ランダム12カウンタによる抽選を行なうことなく必ず対決演出が実行されるようにしてもよい。ランダム12カウンタの抽出値が「1」のときには、演出制御用CPUは、はずれ変動パターンであるか否かの判定を行なう(ステップS411)。このはずれ変動パターンであるか否かの判定は、遊技制御用マイクロコンピュータから送信されてきた変動パターンで判断し、変動パターン♯1または変動パターン♯5の場合にははずれ変動パターンと判断し、それ以外の変動パターンの場合には当り変動パターンと判断する。
当り変動パターンの場合には、演出制御用CPUは、各パラメータのランクの状態(ランクA〜Dのいずれか)とランダム13カウンタ(図12参照)の抽出値とにより、大当り時敵キャラクタ選択テーブル(図18参照)を参照して、敵キャラクタを選択する処理を行なう(ステップS412)。演出制御用マイクロコンピュータのRAMには、現状のパラメータのランクが記憶されており、このRAMに記憶されたランクに基づいて、ステップS412の処理がなされる。この敵キャラクタの選択方法については、後に詳述する。
次に、その決定した敵キャラクタと変動パターンの大当り,はずれと主人公キャラクタの修行結果のパラメータ状態とに基づいて、対決演出用のプロセステーブルを選択する処理を行なう(ステップS413)。つまり、対決演出用のプロセステーブルは、演出表示される敵キャラクタの種類に応じて用意されており、かつ、大当り変動パターンの場合には主人公キャラクタが勝つ演出結果となり、はずれ変動パターンの場合には敵キャラクタが勝つ演出結果となるものが用意されている。さらに、対決演出では、主人公キャラクタは心技体のうち修行の結果、現時点で一番高いパラメータを用いて対決するのであり、心のパラメータが一番高い主人公キャラクタが魔法を用いて対決するプロセステーブル、技のパラメータが一番高い主人公キャラクタが技を生かして対決するプロセステーブル、体のパラメータが一番高い主人公キャラクタが体力を生かして対決するプロセステーブルが用意されている。
よって、演出制御用CPUは、対決演出用のプロセステーブルの選択に際して、決定された敵キャラクタの種類と、変動パターンが大当りまたははずれのいずれであるかと、主人公キャラクタの現時点における最高ランクのパラメータの種類とに基づいて、選択決定する。
一方、ステップS411の判断の結果、はずれ変動パターンであると判断した場合には、各パラメータのランクの状態とランダム13カウンタの抽出値によりはずれ時敵キャラクタ選択テーブル(図19参照)とを参照して、敵キャラクタを決定する処理を行ない(ステップS414)、ステップS413へ移行する。このステップS414の処理も、演出制御用マイクロコンピュータのRAMに記憶されたランクに基づいて行なわれる。
図17は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPUが演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPUは、プロセステーブルに設定されているデータに従って変動表示装置745等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPUは、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行なう。
また、演出制御用CPUは、表示制御実行データに基づく変動表示装置745の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを演出制御部740の音声出力基板に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、変動表示装置745の制御に同期して制御される。
図17に示すプロセステーブルは、演出制御部740の演出制御基板におけるROMに格納されている。このプロセステーブルは、後述する修行演出用のプロセステーブルと、後述する対決演出用のプロセステーブルと、それ以外の通常演出用のプロセステーブルとの複数種類のプロセステーブルが用意されている。
図3で説明した打球供給皿3の上面には操作スイッチが設けられており、後述する修行演出時の修行内容の選択操作等を遊技者が行なうことができるようにされている。
修行演出用のプロセステーブルの場合には、図22に基づいて後述するように、遊技者が操作スイッチを操作して修行内容(鍛えるパラメータの種類)を選択入力する画面が表示されるのであり、その選択入力画面を表示する所定番目のプロセスデータ(たとえばプロセスデータj)を有している。このプロセスデータjに従った選択入力画面が表示されて遊技者が選択入力した後(またはタイムオーバーした後)、その選択入力された修行内容に応じた修行演出画面を表示する(図22参照)。したがって、このプロセスデータjの後に続くプロセスデータj+1、j+2、…nは、修行内容の処理(図22の場合には3種類)だけ用意されており、プロセスデータjの表示後確定した修行内容に対応するプロセスデータj+1、j+2、…nが選択されてそのプロセスデータに従った表示演出が行なわれるように制御される。この点に関する表示制御は、後に詳しく説明する。
対決演出用のプロセステーブルは、図18で後述する敵キャラクタの種類に応じて異なる種類のプロセステーブルが用意されている。さらに、各敵キャラクタに応じた種類のプロセステーブル中においても、最終的に主人公キャラクタが勝って大当りとなるものと主人公キャラクタが負けてはずれとなるものとの2種類に分かれている。
また、通常演出用プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されているとともに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択された通常演出用プロセステーブルに設定されているプロセスデータに基づいて実現される。つまり、演出制御用CPUは、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じた通常演出用プロセステーブルの内容に従って演出制御を行なう。
図18は、大当り時敵キャラクタ選択テーブルを示す説明図である。この大当り時敵キャラクタ選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータに設けられているROM(図示せず)に記憶されている。この大当り時敵キャラクタ選択テーブルは、大当りにすることが事前決定されている場合に、前述の図16のステップS412により敵キャラクタの種類を選択決定するために検索されるテーブルである。敵キャラクタの選択に際しては、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが心技体のうちいずれであるか、または心技体が同一レベルであるかと、ランダム13カウンタの抽出値がどの振分け領域に属するかと、最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクとの、3つの要素で選択される。
また、本実施の形態において、敵キャラクタの具体例として、魔法使い風のA0〜A3、戦士風のB0〜B3、格闘家風のC0〜C3、特殊キャラクタSの、大きく分けて4種類のものを示している。また、主人公キャラクタの最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクが向上するに応じて、繰り出す技や魔法の種類が豊富になる。それに応じて、敵キャラクタの繰り出す技や魔法の種類も豊富になるように構成されている。そのため、敵キャラクタは、同じ魔法使いでも、たとえば、魔法0のみを使う者A0、魔法0と1を使う者A1、魔法0〜2を使う者A2、魔法0〜3を使う者A3が用意されている。戦士、格闘家の敵キャラクタの場合も同様である。そして、主人公キャラクタの最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクに応じて、敵キャラクタA0〜A3、B0〜B3、C0〜C3が選択される。
まず、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータ状態を判断し、最も高いパラメータが存在する場合には、そのパラメータに基づいて、(a)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの心技体のいずれの領域であるかを判断する。一方、主人公キャラクタのパラメータが心技体同一レベルでランクB以下である場合には、(b)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「心技体同一レベル」の領域を選択する。主人公キャラクタのパラメータが心技体同一レベルでランクAである場合には、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「心技体同一レベル」の領域を選択する。
次に、ランダム13カウンタの抽出値が、大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「ランダム13」の領域におけるどの領域に属するかを判断する。そしてその属する領域に対応して格納されている敵キャラクタを選択する。
たとえば、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが「体」であり、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合には、(a)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルにおける「体」の領域の「50〜99」の領域が選択され、その領域に対応して格納されているC1〜3(格闘家)の敵キャラクタが選択されることとなる。そして、最も高いパラメータのランクがC、B、Aのいずれであるかにより、それぞれC1(格闘家)、C2(格闘家)、C3(格闘家)が選択決定される。
また、たとえば、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータが同一レベルでBランク以下の場合には、(b)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルが参照され、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合にはB0〜B2(戦士)の敵キャラクタが選択され、主人公キャラクタのパラメータのランクがD、C、Bのいずれであるかにより、それぞれB0(戦士)、B1(戦士)、B2(戦士)が選択決定される。
一方、たとえば、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータが同一レベルでAランクの場合には、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルが参照され、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合にはB3(戦士)の敵キャラクタが選択決定される。なお、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されているが後述のはずれ時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されていない敵キャラクタとして、S(特殊キャラクタ)がある。その結果、このS(特殊キャラクタ)は、主人公キャラクタのパラメータが全てAでかつ大当りが決定されているときにのみ登場することとなり、このS(特殊キャラクタ)が登場すれば大当りの期待度が100%となる。
図19は、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルを説明するための説明図である。このはずれ時敵キャラクタ選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータに設けられているROM(図示せず)に記憶されており、はずれが事前決定されている場合に前述の図16のステップS414により敵キャラクタの選択決定のために検索されるテーブルである。
このはずれ時敵キャラクタ選択テーブルも、前述の大当り時敵キャラクタ選択テーブルと同様に、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが心技体のうちいずれであるか、または心技体が同一レベルであるかと、ランダム13カウンタの抽出値がどの振分け領域に属するかと、最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクとの、3つの要素で選択される。
はずれ時敵キャラクタ選択テーブルと前述の大当り時敵キャラクタ選択テーブルとの相違は、ランダム13カウンタの値がどの領域に属するかを判定して敵キャラクタを振分ける振分け領域(ランダム13の列における数字で示された範囲)が相違する。
前述したように、主人公キャラクタは、対決演出においては、現時点で最も高いパラメータを生かした対決を行なう。たとえば、「心」が最も高ければ、魔法を用いた対決を行ない、「技」が最も高ければ技を活用した対決を行ない、「体」が最も高ければ体力を活用した対決を行なう。
一方、敵キャラクタは、たとえばA0〜A3(魔法使い)の場合には、魔法を使った対決を行ない、B0〜B3(戦士)の場合には体力を生かした対決を行ない、C1〜C3(格闘家)の場合には技を生かした対決を行なう。
そして、たとえば技対技等のような同じ対決方法の場合には、敵キャラクタが勝ちやすく主人公キャラクタが勝ちにくい対決演出となっている。このような関係上、大当り時敵キャラクタ選択テーブルにおいては、主人公キャラクタと同じ対決方法を用いる敵キャラクタが選択する確率が低くなるように構成され、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルにおいては、主人公キャラクタと同じ対決方法を用いる敵キャラクタの選択される割合が高くなるように構成されている。
たとえば、大当り時敵キャラクタ選択テーブルを参照して、主人公の現時点における最も高いパラメータが「心」であり魔法を使った対決を行なう場合においては、敵キャラクタとして、A1〜A3(魔法使い)の選択される割合が10%と低く、B1〜B3(戦士)の選択される割合が50%であり、C1〜C3(格闘家)の選択される割合が40%となっている。
一方、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルの場合には、その逆であり、主人公の用いる対決方法と同じ対決方法を用いる敵キャラクタが選択される割合が高くなるように構成されている。たとえば、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが「心」であり魔法を使った対決を行なう場合においては、敵キャラクタとして、A1〜A3(魔法使い)が選択される割合が50%、B1〜B3(戦士)が選択される割合が10%、C1〜C3(格闘家)が選択される割合が40%となっている。
以上より、たとえば、現時点における主人公キャラクタの最も高いランクのパラメータがたとえば「心」であった場合に、敵キャラクタとしてB1〜B3(戦士)が登場した場合には、大当りの期待度が一番高く、2番目の期待度としては、C1〜C3(格闘家)が登場した場合であり、一番期待度が低いのがA1〜A3(魔法使い)の敵キャラクタが登場した場合である。
なお、前述したように、S(特殊キャラクタ)は、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されていないために、(c)大当り的キャラクタテーブルの「S(特殊キャラクタ)」に相当する記憶領域は不要であり、(b)はずれ時敵キャラクタ選択テーブルに「オールAランクの敵キャラクタ」をまとめて記憶させている。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。この演出図柄変動中処理は、前述した修行演出用のプロセステーブル、対決演出用のプロセステーブル、およびそれら以外の通常のプロセステーブルのどのプロセステーブルが選択された場合においても、実行される処理である。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPUは、演出図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。演出図柄停止要求フラグがセットされている場合には、ステップS857に移行する。
この実施の形態では、演出図柄停止要求フラグは、演出図柄の変動中に図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる。演出図柄の変動中に図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来、演出図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに、何らかの要因(たとえば、遊技制御部710の主基板と演出制御部740の演出制御基板との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータが図柄確定コマンドを受信できなかったこと)で演出図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、演出図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄の変動を停止させるために、ステップS857に移行する。
演出図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPUは、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS852)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS853)。
プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS854)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854a)。
次に、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS854b、ステップS855)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS854b、ステップS855a)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855aの処理が行なわれるときに、演出制御用CPUは、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDPに出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDPに出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出または対決演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。このように、入賞異常の報知がなされているときも遊技を継続することが可能であるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被ることはない。
次に、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS858)、ステップS857に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図21は、プロセステーブル選択処理における修行演出選択処理を示すフローチャートである。演出制御用CPUは、ユーザによる修行内容(修行する対象のパラメータ)の選択操作があったか否かの判断を行ない(ステップS425)、未だない場合にはタイムアップしたか否かを判断し(ステップS426)、未だタイムアップしていない場合にはステップS425に処理を移行させる。ステップS426においては、遊技者が修行内容の選択入力画面を見て操作スイッチにより選択操作するのに適した時間(たとえば5秒程度)が経過したことによりタイムアップする。
このタイマのタイムアップ以前の段階で、遊技者が操作スイッチを操作して修行内容を選択操作した場合には、選択された修行内容に応じた修行演出用のプロセステーブルを選択する処理が行なわれる(ステップS427)。これは、前述したように、修行演出用のプロセステーブルが、修行内容に応じた種類だけ用意されており、遊技者が選択入力した修行内容に対応するプロセステーブルがステップS427により選択されるのである。
次に演出制御用CPUは、RAMに記憶されているパラメータのうち、修行が行なわれた対象となるパラメータを1ランクアップする制御を行なう(ステップS428)。演出制御用マイクロコンピュータのRAMには、現状のパラメータのランクが記憶されており、このRAMのランクの記憶がステップS428により更新される。たとえば、図22を参照して、修行内容の対象となるパラメータとして心P1が選択入力されて、心を鍛える演出(滝に打たれる演出)が実行された後においては、修行前におけるパラメータ心P1のランク「D」が、ランク「C」にランクアップされる。
一方、修行内容の選択入力画面が表示されている最中において、タイマがタイムアップした場合には(ステップS426によるYES)、演出制御用CPUは、現時点で修行内容の選択入力画面に選択表示されている修行内容(心技体のうち点灯表示しているパラメータ)に応じた修行演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS429)。この現時点で選択表示される修行内容は、前述のランダム11カウンタの抽出値に基づいて決定され、パラメータ心P1が選択表示される場合と、パラメータ技P2が選択表示される場合と、パラメータ体P3が選択表示される場合とがある。すなわち、遊技者がパラメータの選択操作を行なうことなくタイムオーバした場合には、ランダム11カウンタの抽出値に基づいてランダムに修行内容が決定される。このステップS429の制御の後、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS428へ移行させる。
この図21のステップS427またはステップS429で選択された修行演出用のプロセステーブルに従って、図20のステップS855またはステップS855aによりそのプロセスデータの内容に従った演出制御が実行されることとなる。その結果、たとえば、図22の場合において、選択入力画面でパラメータ心P1が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである滝に打たれる画面表示用のプロセステーブルが選択されて、滝に打たれる演出画面が表示される。また、パラメータ技P2が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである蜂をパンチで打ち落とす演出画面表示用のプロセステーブルが選択されて、蜂をパンチで落とす演出画面が表示される。さらには、パラメータ体P3が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである岩を持ち上げて体を鍛える演出画面表示用のプロセステーブルが選択されて、岩を持ち上げて体を鍛える演出画面が表示される。
一方、対決演出用の画面は、たとえば図23に示すように、リーチが成立した後「対決!」の画面表示がなされてから、対決する敵キャラクタの種類に応じて、かつ、大当りなのかはずれになるのかに応じて、複数種類に表示され、それに応じた種類の対決演出用プロセステーブルが用意されている。そして、図16のステップS413により、それら複数種類のプロセステーブルのうち事前に表示するプロセステーブルが選択され、対決演出の当初からその選択されたプロセステーブルが最後まで通してステップS855により用いられて演出制御が実行される。したがって、通常のプロセステーブルによる演出表示と同様の制御で事足りる。
次に、リーチ成立後における修行演出画像の一例を説明する。図22は、修行演出を説明するための画面図である。図22を参照して、まず、変動表示装置745において、リーチが成立してそのリーチ成立状態の識別情報(図柄)の表示とともに「リーチ」のメッセージ表示が変動表示装置745により表示される。その表示画像に重畳して、心技体の各パラメータの現時点におけるランクRが重畳表示される。図22では、心技体がそれぞれD、B、Cのランクとなっている。この各パラメータのランクRは、プロセステーブルのプロセスデータ(図17参照)の一部として表示されるが、プロセスデータとは別に、演出制御用マイクロコンピュータのRAMに記憶されている現時点のパラメータのランクRをプロセスデータの画像に重合わせて表示させてもよい。図23のランクRの表示も同様である。
次に、修行内容のパラメータを選択するための選択画像が表示される。この選択画像では、「修行内容を選択して下さい」のメッセージ表示とともに、心技体の選択ボタン画像P1、P2、P3が表示され、その心技体の各選択ボタン画像P1、P2、P3が順次一定の周期で点灯する。遊技者は、この点灯状態を見て、修行したいパラメータの選択操作ボタンが点灯しているタイミングに合せて操作スイッチを押圧操作することにより、修行内容を選択入力することができる。
遊技者が、たとえば「心」の修行内容を選択した場合には、修行中の演出画像として、主人公キャラクタが滝に打たれて心を鍛える画像が変動表示装置745により表示される。修行内容として「技」を選択した場合には、修行中の画像として、飛んでくる蜂を主人公がパンチで打ち落として技を鍛える画像が表示される。修行内容として「体」を選択した場合には、修行中の画像として、主人公キャラクタが岩を持上げて体を鍛える画像が表示される。
そして、各修行中の画像が終了する時点で、各修行対象のパラメータがレベルアップしたメッセージ表示である、たとえば、「心がレベルアップしました!」、「技がレベルアップしました!」、「体がレベルアップしました!」のメッセージが表示される。そのメッセージ表示の画面に重畳して、修行後における心技体の各パラメータの状況(ランク)Rが表示される。心を鍛える修行を行なった後においては、心のパラメータが1ランクアップしてその心のパラメータ部分が点灯表示され、技を鍛える修行を行なった後においては、その技のランクが1ランクアップしてその技のランク部分が点灯表示され、体を鍛える修行を行なった後においては、体のパラメータが1ランクアップしてその体のランク部分が点灯表示される。
そして、修行演出画像の表示が終了した後、識別情報の変動表示が終了して、はずれの確定表示がなされ、「はずれ!」のメッセージが、変動表示装置745により表示される。
次に、対決演出の一例を説明する。図23は、対決演出を説明するための画面図である。図23を参照して、まず、リーチが成立した後「対決!」のメッセージ表示画像が変動表示装置745により表示される。その画像に重畳して、現時点における心技体のパラメータのランクRが表示される。次に、選択された敵キャラクタと主人公キャラクタとが対峙する画面が表示され、その画面に重畳して、現時点における主人公キャラクタの心技体の各パラメータのランクRが表示される。
前述したように、敵キャラクタは、本実施の形態では、A0〜3(魔法使い)、B0〜3(戦士)、C0〜3(格闘家)の3種類である。図23の向かって左側では、A1(魔法使い)の敵キャラクタが表示されており、主人公キャラクタの各パラメータのうち最高ランクのものが「技」であるために、主人公キャラクタは技を活用した対決を行なう。そして、主人公キャラクタが魔法使いの敵キャラクタをパンチで倒した画像が表示され、その後、識別情報(図柄)の表示結果が大当りとなり、「大当り!」のメッセージ表示が行なわれる。
一方、図23の中央の画面では、C3(格闘家)の敵キャラクタが表示されており、主人公キャラクタの心技体の各パラメータのうち最高ランクのものが「技」であるため、主人公と敵キャラクタとがともに、技を活用した対決を行なうこととなる。そして、主人公キャラクタが敵キャラクタにパンチで倒された画像が表示され、識別情報(図柄)がはずれの確定表示となり、「はずれ!」のメッセージ表示が行なわれる。
図23の向かって右側の画面では、B1(戦士)の敵キャラクタが表示されており、このときの主人公キャラクタの心技体の各パラメータのうち最高ランクのものが「心」であるために、主人公キャラクタは、魔法を使った対決を行ない、敵キャラクタは体力を生かした対決を行なおうとする。その結果、主人公キャラクタが魔法で敵キャラクタを破った画面が表示され、識別情報(図柄)が大当りとなる確定表示がなされた後、「大当り!」のメッセージ表示が行なわれる。
なお、図23中の「HP」に示すブロック表示は、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決中におけるパワーの増減状態を示している。
次に、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を説明する。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPUは、演出図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄停止要求フラグがセットされている場合には、演出図柄停止要求フラグをリセットする。演出図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットする。
次に、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行なう。また、演出図柄変動終了フラグをセットする。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新し、そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
以上の制御によって、演出制御用CPUは、図柄確定コマンドが受信されていないと認識している状態で、演出図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の可変表示(変動)を終了させ、演出図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、演出図柄変動終了フラグがセットされた場合には、演出図柄の可変表示(変動)は強制的に終了される。
次に、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を説明する。大当り表示処理において、演出制御用CPUは、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし、変動表示装置745に大当り遊技開始画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータは大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPUは、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を変動表示装置745に表示する制御を行なう。
次に、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を説明する。大当り終了処理において、演出制御用CPUは、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし、変動表示装置745に大当り終了画面を表示する制御を行なう。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータに従って、変動表示装置745の背景画面を切り替える制御を行なう。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。演出制御用CPUは、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータに基づいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。たとえば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンドが格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)に従って、変動表示装置745の背景画面の制御が行なわれる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする)ように制御してもよい。
以上、図11から図23までの図面に基づいて、パチンコ遊技機700における演出制御について説明した。本実施の形態における遊技機シミュレーションゲームは、本実施の形態のパチンコ遊技機700での遊技をゲーム機800で行なえるようにしたものである。このため、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御は、図11から図23までの図面に基づいて説明したパチンコ遊技機700における演出制御と同様の流れである。
次に、パチンコ遊技機700などの遊技機から携帯端末100へのパスワードおよびキャラクタ特定情報の受渡しについて説明する。図24は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機700において演出制御メイン処理のサブルーチンとして実行される遊技機パスワード処理の流れを示すフローチャートである。
図24を参照して、ステップS451で、演出制御部740の演出制御基板の演出制御用マイクロコンピュータに設けられている演出制御用CPUは、変動表示装置745等で客待ちデモンストレーション演出を実行中であるか否かを判断する。客待ちデモンストレーション演出を実行中でないと判断した場合(ステップS451でNOと判断した場合)、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS471の処理に進める。
一方、客待ちデモンストレーション演出を実行中であると判断した場合(ステップS451でYESと判断した場合)、ステップS452で、演出制御用CPUは、パチンコ遊技機700に設けられたパスワード出力ボタンが操作(具体的には、上皿に設けられたボタンが所定回数(たとえば、5回)押下)されることによって、パスワード出力操作が行なわれたか否かを判断する。パスワード出力操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS452でNOと判断した場合)、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS461の処理に進める。
一方、パスワード出力操作が行なわれたと判断した場合(ステップS452でYESと判断した場合)、ステップS453で、演出制御用CPUは、現時点の主人公キャラクタのパラメータのランクを、演出制御部740の演出制御基板の演出制御用マイクロコンピュータに設けられているRAMから読出し、当該パラメータのランクに応じたパスワードを、パスワードテーブルを参照して抽出する。
このパスワードテーブルは、演出制御部740の演出制御基板の演出制御用マイクロコンピュータに設けられているRAMに記憶されたテーブルであり、パスワードとそれに対応する心技体の各パラメータのランクの組合せとを記憶しているテーブルである。心技体の各ランクの順列組合せの数に比べて、パスワードの数が圧倒的に多くなるように設定されており、たとえば遊技者がでたらめなパスワードを入力した場合には、その入力されたパスワードに対応する心技体の各パラメータのランクが存在しない状態が発生する。そのような場合には、入力されたパスワードに相当する心技体のパラメータの各ランクが存在しない旨のメッセージ表示が行なわれる。
このパラメータのランクを特定するパスワードは、同一機種の遊技機および遊技機シミュレーションゲームで共通に使用できるものであり、同一機種であれば異なる遊技機および遊技機シミュレーションゲームに入力しても、その入力パスワードに対応するパラメータのランクを引き継いで、修行演出や対決演出を実行可能となる。
次に、ステップS454で、演出制御用CPUは、抽出したパスワードおよび当該パチンコ遊技機700の主人公キャラクタを特定可能なキャラクタ特定情報を図形パターン化した2次元コード191、ならびに、当該2次元コード191を携帯端末100で撮影してパチンコ遊技機700などの遊技機またはゲーム機800の遊技機シミュレーションゲームに入力するとキャラクタのレベルアップを継続して行なうことができる旨の説明文を、図3で示したように表示するよう変動表示装置745を制御する。
図25は、本実施の形態における携帯端末100において実行されるキャラクタパラメータ受渡しアプリの流れを示すフローチャートである。本実施の形態のキャラクタパラメータ受渡しアプリは、遊技機メーカ携帯サイトにおいて、ユーザが会員登録することによって、ダウンロードすることが可能となり、同サイトの同アプリのダウンロードページからダウンロードされる。
図25を参照して、携帯端末100において、キャラクタパラメータ受渡しアプリが起動されると、まず、ステップS121で、データ処理部110は、メニュー画面を表示するよう表示部140を制御する。
図26は、本実施の形態における携帯端末100の表示部140に表示される第1の表示画面図である。図26(A)を参照して、図25のステップS121で携帯端末100の表示部140に表示されるメニュー画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、メニューとして、パチンコ遊技機700などの遊技機に表示された2次元コードの読取りを開始するための「1.2次元コード読取」リンク、パチンコ遊技機700などの遊技機またはゲーム機800からのパスワードおよびキャラクタ特定情報の赤外線での受信を開始するための「2.パスワード赤外線受信」リンク、パスワードおよびキャラクタ特定情報の赤外線での送信を開始するための「3.パスワード赤外線送信」リンク、キャラクタパラメータ受渡しアプリを終了させるための「4.終了」リンク、および、いずれかのリンクの選択を促す旨の文章が表示される。
図25に戻って、携帯端末100において、ステップS122で、データ処理部110は、図26(A)のメニュー画面で、ユーザによって「2次元コード読取」リンクが操作されることによって、2次元コードの読取りを開始することが選択されたか否かを判断する。2次元コード読取が選択されていないと判断した場合(ステップS122でNOと判断した場合)、データ処理部110は、実行する処理をステップS126の処理に進める。
一方、2次元コード読取が選択されたと判断した場合(ステップS122でYESと判断した場合)、ステップS123で、データ処理部110は、カメラ機能を起動させて、カメラ部190で撮影されている画像を表示するよう表示部140を制御する。
図26に進んで、図26(B)を参照して、特典受取アプリの2次元コード読取中の画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、2次元コード読取中である旨の文章、および、カメラ部190で撮影されている画像が表示される。
図25に戻って、ステップS124で、データ処理部110は、ユーザによって携帯端末100が動かされて、撮影されている画像に2次元コード191,192が含まれるようになったか否かを判断する。ここで、撮影される2次元コードは、パチンコ遊技機700などの遊技機の実機から出力された2次元コード191、または、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムを実行するゲーム機800から出力された2次元コード192である。撮影画像に2次元コード191,192が含まれないと判断した場合(ステップS124でNOと判断した場合)、データ処理部110は、ステップS124の処理を繰返す。
一方、撮影画像に2次元コード191,192が含まれるようになったと判断した場合(ステップS124でYESと判断した場合)、ステップS125で、データ処理部110は、撮影された2次元コード191,192に含まれるパスワードおよびキャラクタ特定情報を記憶部120に記憶させ、記憶が完了した旨を表示するよう表示部140を制御する。
つまり、携帯端末100は、遊技場に設置されるパチンコ遊技機700などの遊技機の実機において表示された2次元コード191、または、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムを実行するゲーム機800から出力された2次元コード192に含まれるパスワードおよびキャラクタ特定情報を取得する。
図26に進んで、図26(C)を参照して、図25のステップS125で携帯端末100の表示部140に表示される画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、2次元コードに含まれるパスワード等が記憶された旨の文章、および、2次元コードの読取りを終了するための「OK」ボタンが表示される。
図25に戻って、図26(C)の画面で「OK」ボタンが操作されると、データ処理部110は、実行する処理をステップS121の処理に戻す。
図24に戻って、パチンコ遊技機700においては、ステップS455で、演出制御用CPUは、ステップS454と同様の、パスワードおよびキャラクタ特定情報を赤外線で送信するよう、カードユニット600を制御する。その後、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS461に進める。
図25に進んで、携帯端末100においては、ステップS126で、データ処理部110は、図26(A)のメニュー画面で、ユーザによって「パスワード赤外線受信」リンクが操作されることによって、パスワードの赤外線での受信を開始することが選択されたか否かを判断する。「パスワード赤外線受信」が選択されていないと判断した場合(ステップS126でNOと判断した場合)、データ処理部110は、実行する処理をステップS131の処理に進める。
一方、「パスワード赤外線受信」が選択されたと判断した場合(ステップS126でYESと判断した場合)、ステップS127で、データ処理部110は、パチンコ遊技機700などの遊技機または遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800から送信されてきたパスワードおよびキャラクタ特定情報を受信するよう、赤外線通信部180を制御する。
そして、ステップS129で、データ処理部110は、ステップS128で受信したパスワードおよびキャラクタ特定情報を記憶部120に記憶させる。その後、データ処理部110は、実行する処理をステップS121の処理に戻す。
次に、携帯端末100から遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800へのパスワードおよびキャラクタ特定情報の受渡しについて説明する。図25を参照して、ステップS131では、データ処理部110は、図26(A)のメニュー画面で、ユーザによって「パスワード赤外線送信」リンクが操作されることによって、パスワードの赤外線での送信を開始することが選択されたか否かを判断する。「パスワード赤外線送信」が選択されていないと判断した場合(ステップS131でNOと判断した場合)、データ処理部110は、実行する処理をステップS141の処理に進める。
一方、「パスワード赤外線送信」が選択されたと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステップS132で、ステップS125またはステップS129で記憶されたパスワードおよびキャラクタ特定情報が記憶部120に記憶されているか否かを判断する。パスワードおよびキャラクタ特定情報が記憶されていないと判断した場合(ステップS132でNOと判断した場合)、データ処理部110は、実行する処理をステップS121の処理に戻す。
一方、パスワードおよびキャラクタ特定情報が記憶されていると判断した場合(ステップS132でYESと判断した場合)、ステップS133で、データ処理部110は、送信確認画面を表示するよう表示部140を制御する。
図27は、本実施の形態における携帯端末100の表示部140に表示される第2の表示画面図である。図27(A)を参照して、図25のステップS133で携帯端末100の表示部140に表示される送信確認画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、パスワードおよびキャラクタ特定情報の送信を確認する旨の文章、携帯端末100の赤外線通信部190の赤外線を送信する部分を、パチンコ遊技機700などの遊技機に接続されるカードユニット600または遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800の、赤外線を受信する部分に向けることを促す旨の文章、および、パスワードおよびキャラクタ特定情報の送信を開始するための「送信」リンクが表示される。
図25に戻って、ステップS134で、データ処理部110は、図27(A)に示した送信確認画面で「送信」リンクが操作されたか否かを判断する。「送信」リンクが操作されていないと判断した場合(ステップS134でNOと判断した場合)、データ処理部110は、ステップS134の処理を繰返す。
一方、「送信」リンクが操作されたと判断した場合(ステップS134でYESと判断した場合)、ステップS135で、データ処理部110は、ステップS125またはステップS129で記憶部120に記憶されたパスワードおよびキャラクタ特定情報を、送信先に赤外線で送信するよう赤外線通信部180を制御する。送信先は、パチンコ遊技機700などの遊技機または遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムを実行するゲーム機800である。
図27に進んで、図2(B)を参照して、図25のステップS135でパスワードおよびキャラクタ特定情報が送信されているときに表示される画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、パスワードおよびキャラクタ特定情報を送信中である旨の文言、および、パスワードおよびキャラクタ特定情報の送信の進捗を示すインジケータが表示される。
図27(C)を参照して、パスワードの送信が完了すると表示される画面には、最上段に、このアプリケーションプログラムの名称である「キャラクタパラメータ受渡しアプリ」、以下の段に、パスワードおよびキャラクタ特定情報の送信が完了した旨の文章、および、パスワード送信の処理を終了するための「OK」ボタンが表示される。
図25に戻って、図27(C)の画面で「OK」ボタンが操作されると、データ処理部110は、ステップS136で、ステップS135で送信されたパスワードおよびキャラクタ特定情報を記憶部120から消去する。ステップS136の後、データ処理部110は、実行する処理をステップS121の処理に戻す。
また、ステップS141では、データ処理部110は、図26(A)のメニュー画面で、ユーザによって「終了」リンクが操作されることによって、キャラクタパラメータ受渡しアプリを終了させることが選択されたか否かを判断する。キャラクタパラメータ受渡しアプリの終了が選択されていないと判断した場合(ステップS141でNOと判断した場合)、データ処理部110は、実行する処理をステップS121に戻す。
一方、キャラクタパラメータ受渡しアプリの終了が選択されたと判断した場合(ステップS141でYESと判断した場合)、データ処理部110は、このキャラクタパラメータ受渡しアプリを終了させる。
図28は、本実施の形態におけるゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムのサブルーチンとして実行されるシミュレーションゲームパスワード処理の流れを示すフローチャートである。図28を参照して、ステップS951で、ゲーム機800のデータ処理部810は、変動表示装置845の表示等でデモンストレーション演出を実行中であるか否かを判断する。デモンストレーション演出を実行中でないと判断した場合(ステップS951でNOと判断した場合)、データ処理部810は、実行する処理をステップS971の処理に進める。
一方、デモンストレーション演出を実行中であると判断した場合(ステップS951でYESと判断した場合)、ステップS952で、データ処理部810は、コントローラ831が操作されることによって、パスワード出力操作が行なわれたか否かを判断する。パスワード出力操作が行なわれたと判断した場合(ステップS952でYESと判断した場合)、データ処理部810は、実行する処理をステップS953の処理に進める。ステップS953からの処理については後述する。
一方、パスワード出力操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS952でNOと判断した場合)、ステップS961で、データ処理部810は、コントローラ831が操作されることによって、パスワード入力操作が行なわれたか否かを判断する。パスワード入力操作が行なわれたと判断した場合(ステップS961でYESと判断した場合)、ステップS962で、データ処理部810は、パスワード入力待ちフラグをセットする。
ステップS962の後、および、パスワード入力操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS961でNOと判断した場合)、ステップS963で、データ処理部810は、パスワード入力待ちフラグがセットされているか否かを判断する。
パスワード入力待ちフラグがセットされていると判断した場合(ステップS963でYESと判断した場合)、ステップS964で、データ処理部810は、赤外線通信部880を確認して、携帯端末100からパスワードおよびキャラクタ特定情報の入力があるか否かを判断する。
パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力があると判断した場合(ステップS964でYESと判断した場合)、ステップS965で、パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力を受付けるとともに、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該遊技機シミュレーションゲームの主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じか否かを判断する。
パスワード入力待ちフラグがセットされていないと判断した場合(ステップS963でNOと判断した場合)、パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力がないと判断した場合(ステップS964でNOと判断した場合)、および、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該遊技機シミュレーションゲームの主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じでないと判断した場合(ステップS965でNOと判断した場合)、データ処理部810は、実行する処理をステップS971の処理に進める。
一方、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該遊技機シミュレーションゲームの主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じであると判断した場合(ステップS965でYESと判断した場合)、ステップS966で、データ処理部810は、入力されたパスワードに対応するパラメータのランクを、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムの記録媒体から読出されて記憶部820に記憶されたパスワードテーブルを参照して抽出する。
そして、データ処理部810は、ステップS967で、抽出されたパラメータのランクで、記憶部820のRAMのパラメータを更新し、ステップS968で、パラメータを更新した日時を記憶部820に記憶させる。
これによって、ゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームのキャラクタによる演出は、更新された記憶部820のRAMのパラメータに基づいて行なわれる。
次に、ステップS969で、データ処理部810は、ステップS962でセットされたパスワード入力待ちフラグをリセットする。その後、データ処理部810は、実行する処理をステップS971の処理に進める。
次に、遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800から携帯端末100へのパスワードおよびキャラクタ特定情報の受渡しについて説明する。図28を参照して、ステップS953で、データ処理部810は、現時点の主人公キャラクタのパラメータのランクを、記憶部820のRAMから読出し、当該パラメータのランクに応じたパスワードを、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムの記録媒体から読出され記憶部820に記憶されたパスワードテーブルを参照して抽出する。パスワードテーブルについては、図24のステップS453で説明したパチンコ遊技機700に記憶されるパスワードテーブルと同様である。
次に、ステップS954で、データ処理部810は、抽出したパスワードおよび当該遊技機シミュレーションゲームの主人公キャラクタを特定可能なキャラクタ特定情報を図形パターン化した2次元コード192、ならびに、当該2次元コード192を携帯端末100で撮影してゲーム機800の遊技機シミュレーションゲームまたはパチンコ遊技機700などの遊技機に入力するとキャラクタのレベルアップを継続して行なうことができる旨の説明文を、図8および図10で示したように表示するよう表示制御部840を制御する。
表示された2次元コード192を携帯端末100が読取る処理については、図25のステップS122〜ステップS125で前述したので重複する説明は繰返さない。
次に、ゲーム機800においては、ステップS955で、データ処理部810は、ステップS954と同様の、パスワードおよびキャラクタ特定情報を赤外線で送信するよう、赤外線通信部880を制御する。その後、データ処理部810は、実行する処理をステップS961に進める。
赤外線で送信されたパスワードおよびキャラクタ特定情報を携帯端末100が受信する処理については、図25のステップS126〜ステップS129で前述したので重複する説明は繰返さない。
次に、携帯端末100からパチンコ遊技機700などの遊技機へのパスワードおよびキャラクタ特定情報の受渡しについて説明する。ここで、携帯端末100の記憶部120に記憶されたパスワードおよびキャラクタ特定情報を赤外線で送信する処理については、図25のステップS131〜ステップS136で説明したので重複する説明は繰返さない。
図24を参照して、パチンコ遊技機700において、ステップS461で、演出制御部740の演出制御用CPUは、パチンコ遊技機700に設けられたパスワード入力ボタンが操作されることによって、パスワード入力操作が行なわれたか否かを判断する。パスワード入力操作が行なわれたと判断した場合(ステップS461でYESと判断した場合)、ステップS462で、演出制御用CPUは、パスワード入力待ちフラグをセットする。
ステップS462の後、および、パスワード入力操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS461でNOと判断した場合)、ステップS463で、演出制御用CPUは、パスワード入力待ちフラグがセットされているか否かを判断する。
パスワード入力待ちフラグがセットされていると判断した場合(ステップS463でYESと判断した場合)、ステップS464で、演出制御用CPUは、カードユニット600経由で、携帯端末100からパスワードおよびキャラクタ特定情報の入力があるか否かを判断する。
パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力があると判断した場合(ステップS464でYESと判断した場合)、ステップS465で、パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力を受付けるとともに、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該パチンコ遊技機700の主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じか否かを判断する。
パスワード入力待ちフラグがセットされていないと判断した場合(ステップS463でNOと判断した場合)、パスワードおよびキャラクタ特定情報の入力がないと判断した場合(ステップS464でNOと判断した場合)、および、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該パチンコ遊技機700の主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じでないと判断した場合(ステップS465でNOと判断した場合)、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS471の処理に進める。
一方、パスワードとともに入力されたキャラクタ特定情報が当該パチンコ遊技機700の主人公キャラクタのキャラクタ特定情報と同じであると判断した場合(ステップS465でYESと判断した場合)、ステップS466で、演出制御用CPUは、入力されたパスワードに対応するパラメータのランクを、演出制御部740のROMに記憶されたパスワードテーブルを参照して抽出する。
そして、演出制御用CPUは、ステップS467で、抽出されたパラメータのランクで、演出制御部740のRAMのパラメータを更新する。
これによって、パチンコ遊技機700のキャラクタによる演出は、更新された演出制御部740のRAMのパラメータに基づいて行なわれる。
次に、ステップS468で、演出制御用CPUは、ステップS462でセットされたパスワード入力待ちフラグをリセットする。その後、演出制御用CPUは、実行する処理をステップS471の処理に進める。
次に、パチンコ遊技機700などの遊技機におけるパスワードの無効化について説明する。図24を参照して、ステップS471で、演出制御部740の演出制御用CPUは、パチンコ遊技機700に設けられたパラメータリセットボタンが操作されることによって、パラメータリセット操作が行なわれたか否かを判断する。
パラメータリセット操作が行なわれたと判断した場合(ステップS471でYESと判断した場合)、ステップS472で、演出制御用CPUは、演出制御部740のRAMに記憶されたパラメータを初期値にリセットする。
ステップS472の後、および、パラメータリセット操作が行なわれていないと判断した場合(ステップS471でNOと判断した場合)、演出制御用CPUは、実行する処理をこの遊技機パスワード処理の呼出元の処理に戻す。
次に、遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800におけるパスワードの無効化について説明する。図28を参照して、ステップS971で、データ処理部810は、ステップS968で記憶されたパラメータ更新日時から所定時間経過したか否かを判断する。
パラメータ更新日時から所定時間経過したと判断した場合(ステップS971でYESと判断した場合)、ステップS972で、データ処理部810は、記憶部820のRAMに記憶されたパラメータを初期値にリセットする。
ステップS972の後、および、パラメータ更新日時から所定時間経過していないと判断した場合(ステップS971でNOと判断した場合)、データ処理部810は、実行する処理をこのシミュレーションゲームパスワード処理の呼出元の処理に戻す。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図21のステップS425〜ステップS429の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出画面と同様の図22の演出画面で説明したように、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムに基づいて遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800によって、遊技機シミュレーションゲームの進行状況に応じて、遊技機シミュレーションゲームの演出に用いられる主人公キャラクタに対して設定されているパラメータが変化させられる。図28のステップS953〜ステップS955で説明したように、ゲーム機800によって、パラメータを特定可能なパスワードが出力される。
図24のステップS464で説明したように、遊技場30に設置されるパチンコ遊技機700によって、ゲーム機800から出力されたパスワードの入力が受付けられる。図24のステップS466,ステップS467、図16のステップS411〜ステップS414、図15のステップS843〜ステップS846、図20のステップS851〜ステップS858、図23の演出画面で説明したように、遊技の演出として、受付けられたパスワードで特定されるパラメータに応じた演出が行なわれる。
このため、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザは、ゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームで変化させたキャラクタのパラメータに応じたパチンコ遊技機700での遊技の演出を享受するために、パチンコ遊技機700で遊技を行なう。また、パチンコ遊技機700で遊技をするユーザは、ゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームのキャラクタのパラメータに応じたパチンコ遊技機700での遊技の演出を享受するために、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なう。
その結果、パチンコ遊技機700で遊技を行なった遊技者によるゲーム機での遊技機シミュレーションゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを実行した遊技者によるパチンコ遊技機700での遊技を効果的に促進できることによって、パチンコ遊技機700での遊技とゲーム機での遊技機シミュレーションゲームとの相乗効果を向上させることができる。
(2) 図28のステップS953〜ステップS955で説明したように、ゲーム機800によって、パスワードとともに、ゲーム機で実行されている遊技機シミュレーションゲームの演出の主人公キャラクタを特定可能なことにより遊技機シミュレーションゲームの種類を示すキャラクタ特定情報が出力される。
図24のステップS464で説明したように、パチンコ遊技機700によって、パスワードとともに、キャラクタ特定情報の入力が受付けられる。図24のステップS465で説明したように、パチンコ遊技機700によって、受付けられたキャラクタ特定情報で示される主人公キャラクタの種類で示される遊技機シミュレーションゲームの種類と、当該パチンコ遊技機700の演出の主人公キャラクタの種類で示される当該パチンコ遊技機700の機種とが同じであるか否かが判定される。図24のステップS466,ステップS467、図16のステップS411〜ステップS414、図15のステップS843〜ステップS846、図20のステップS851〜ステップS858、図23の演出画面で説明したように、同じであると判定されたことを条件として、パラメータに応じた演出が行なわれる。
このため、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザは、ゲーム機で実行される複数種類の遊技機シミュレーションゲームでそれぞれ変化させた主人公キャラクタのパラメータに応じた複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技の演出を享受するために、複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機で遊技を行なう。また、パチンコ遊技機700で遊技をするユーザは、ゲーム機800で実行される複数種類の遊技機シミュレーションゲームの主人公キャラクタのパラメータにそれぞれ応じた複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技の演出を享受するために、ゲーム機800で複数種類の遊技機シミュレーションゲームを行なう。
その結果、複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム機800での複数種類の遊技機シミュレーションゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム機800で複数種類の遊技機シミュレーションゲームを実行した遊技者による複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技を効果的に促進できる。
(3) 図24のステップS471,ステップS472で説明したように、パチンコ遊技機700によって、図24のステップS471でパラメータリセット操作があったと判断されたことを条件として、パラメータが初期値にリセットされることによって、パラメータに対応する、受付けられたパスワードが無効化される。
このため、あるユーザが用いたパラメータが、他のユーザの遊技に影響することを防止できる。
(4) 図21のステップS425〜ステップS429、図22の演出画面で説明したように、パチンコ遊技機700によって、遊技の進行状況に応じて、遊技の演出に用いられる主人公キャラクタに対して設定されているパラメータが変化させられる。図24のステップS453〜ステップS455で説明したように、パチンコ遊技機700によって、パラメータを特定可能なパスワードが出力される。
図28のステップS964で説明したように、ゲーム機800によって、パチンコ遊技機700から出力されたパスワードの入力が受付けられる。図28のステップS966,ステップS967、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図16のステップS411〜ステップS414の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図15のステップS843〜ステップS846の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図20のステップS851〜ステップS858の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出画面と同様の図23の演出画面で説明したように、ゲーム機800によって、遊技機シミュレーションゲームの演出として、受付けられたパスワードで特定されるパラメータに応じた演出が行なわれる。
このため、パチンコ遊技機700で遊技をするユーザは、パチンコ遊技機700での遊技で変化させた主人公キャラクタのパラメータに応じたゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、ゲーム機800で遊技機シミュレーションを行なう。また、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザは、パチンコ遊技機700での遊技の主人公キャラクタのパラメータに応じたゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、パチンコ遊技機700で遊技を行なう。
その結果、パチンコ遊技機700で遊技を行なった遊技者によるゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームの実行をさらに効果的に促進できるとともに、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを実行した遊技者によるパチンコ遊技機700での遊技をさらに効果的に促進できることによって、パチンコ遊技機700での遊技とゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームとの相乗効果をさらに向上させることができる。
(5) 図24のステップS464で説明したように、パチンコ遊技機700によって、当該パチンコ遊技機700に対応して設けられカードユニット600から出力されたパスワードの入力を受付けるカードユニット600と通信を行なう演出制御部740を介して、パスワードの入力が受付けられる。
このため、パチンコ遊技機700ほど頻繁にリプレイスが行なわれることがないカードユニット600にパスワードの入力を携帯端末100から受付ける構成を設けることによって、パスワードの入力を携帯端末100から受付ける構成をパチンコ遊技機700に設ける必要をなくすることができる。その結果、パチンコ遊技機700の製造コストを低減することができる。よって、遊技場30におけるパチンコ遊技機700等の遊技機購入の際のコスト低減につなげることができる。
(6) 図21のステップS425〜ステップS429、図22の演出画面で説明したように、遊技場30に設置されるパチンコ遊技機700によって、遊技の進行状況に応じて、遊技の演出に用いられる主人公キャラクタに対して設定されているパラメータが変化させられる。図24のステップS453〜ステップS455で説明したように、パラメータを特定可能なパスワードが出力される。
図28のステップS964で説明したように、遊技機シミュレーションゲームのゲームプログラムに基づいて遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800によって、パチンコ遊技機700から出力されたパスワードの入力が受付けられる。図28のステップS966,ステップS967、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図16のステップS411〜ステップS414の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図15のステップS843〜ステップS846の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図20のステップS851〜ステップS858の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出画面と同様の図23の演出画面で説明したように、ゲーム機800によって、遊技機シミュレーションゲームの演出として、受付けられたパスワードで特定されるパラメータに応じた演出が行なわれる。
このため、パチンコ遊技機700で遊技をするユーザは、パチンコ遊技機700での遊技で変化させた主人公キャラクタのパラメータに応じたゲーム機800で実行される遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、ゲーム機800で遊技機シミュレーションを行なう。また、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザは、パチンコ遊技機700での遊技の主人公キャラクタのパラメータに応じたゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、パチンコ遊技機700で遊技を行なう。
その結果、パチンコ遊技機700で遊技を行なった遊技者によるゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームの実行をさらに効果的に促進できるとともに、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを実行した遊技者によるパチンコ遊技機700での遊技をさらに効果的に促進できることによって、パチンコ遊技機700での遊技とゲーム機800での遊技機シミュレーションゲームとの相乗効果をさらに向上させることができる。
(7) 図24のステップS453〜ステップS455で説明したように、パチンコ遊技機700によって、パスワードとともに、パチンコ遊技機700の演出の主人公キャラクタを特定可能なことによりパチンコ遊技機700の機種を示すキャラクタ特定情報が出力される。
図28のステップS964で説明したように、ゲーム機800によって、パスワードとともに、キャラクタ特定情報の入力が受付けられる。図28のステップS965で説明したように、ゲーム機800によって、受付けられたキャラクタ特定情報で示される主人公キャラクタの種類で示される遊技機の機種と、当該ゲーム機800で実行されている遊技機シミュレーションゲームの演出の主人公キャラクタの種類で示される当該遊技機シミュレーションゲームの種類とが同じであるか否かが判定される。図28のステップS966,ステップS967、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図16のステップS411〜ステップS414の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図15のステップS843〜ステップS846の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出制御と同様の図20のステップS851〜ステップS858の処理、遊技機シミュレーションゲームにおける演出画面と同様の図23の演出画面で説明したように、ゲーム機800によって、同じであると判定されたことを条件として、パラメータに応じた演出が行なわれる。
このため、パチンコ遊技機700で遊技をするユーザは、複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技でそれぞれ変化させた主人公キャラクタのパラメータに応じたゲーム機800で実行される複数種類の遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、ゲーム機で複数種類の遊技機シミュレーションゲームを行なう。また、ゲーム機で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザは、複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技の主人公キャラクタのパラメータにそれぞれ応じたゲーム機800での複数種類の遊技機シミュレーションゲームの演出を享受するために、パチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機で遊技を行なう。
その結果、複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機で遊技を行なった遊技者によるゲーム機800での複数種類の遊技機シミュレーションゲームの実行を効果的に促進できるとともに、ゲーム機で複数種類の遊技機シミュレーションゲームを実行した遊技者による複数の機種のパチンコ遊技機700およびスロットマシンなどの遊技機での遊技を効果的に促進できる。
(8) 図28のステップS971,ステップS972で説明したように、ゲーム機800によって、パスワードの入力が受付けられてパスワードに対応するパラメータに更新されてから所定時間が経過したことに基づいて、パラメータが初期値にリセットされることによって、パラメータに対応する、受付けられたパスワードが無効化される。
このため、所定時間経過でパチンコ遊技機700から出力されたパラメータの再入力が必要となる。その結果、ゲーム機800で遊技機シミュレーションゲームを行なうユーザによる遊技場30のパチンコ遊技機700での遊技をより効果的に促進できる。
(9) 図24のステップS455で説明したように、パチンコ遊技機700によって、当該パチンコ遊技機700に対応して設けられパスワードをゲーム機800に入力させるために当該パスワードを出力するカードユニット600と通信を行なう演出制御部740を介して、パスワードが出力される。
このため、パチンコ遊技機700ほど頻繁にリプレイスが行なわれることがないカードユニット600にパスワードを携帯端末100に出力する構成を設けることによって、パスワードを携帯端末100に出力する構成をパチンコ遊技機700に設ける必要をなくすることができる。その結果、パチンコ遊技機700の製造コストを低減することができる。よって、遊技場30におけるパチンコ遊技機700等の遊技機購入の際のコスト低減につなげることができる。
次に、前述した実施の形態の変形例を挙げる。
(1) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700などの遊技機の実機が設置されるのは遊技場30であることとした。しかし、これに限定されず、スロットマシン700などの遊技機の実機が設置されるのは、ゲームセンタなど他の店舗であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、店舗に設置される遊技機は、パチンコ遊技機700であることとした。しかし、これに限定されず、店舗に設置される遊技機であれば、他の遊技機、たとえば、スロットマシンであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、ゲーム機800で実行されるゲームは、遊技機シミュレーションゲームであることとした。しかし、これに限定されず、ゲーム機800で実行されるゲームであれば他のゲーム、たとえば、シューティングゲームまたはロールプレイングゲームなどであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、携帯端末100からゲーム機800およびパチンコ遊技機700などの遊技機の実機への2次元コード191,192に含まれるパスワードおよびキャラクタ特定情報の送信は、赤外線を用いて行なわれることとした。しかし、これに限定されず、非接触式ICチップなどのように電波を用いて行なわれるようにしてもよいし、ケーブルなどを介して有線通信で行なわれるようにしてもよいし、携帯端末100の表示部140に表示されたパスワードおよびキャラクタ特定情報が手入力でゲーム機800およびパチンコ遊技機700などの遊技機の実機へ入力されるようにしてもよい。
また、携帯端末100が、2次元コード191,192を画像のまま、記憶部120に記憶させるようにして、記憶部120から2次元コード191,192の画像を読出して携帯端末100の表示部140に表示して、ゲーム機800およびパチンコ遊技機700などの遊技機の実機が、携帯端末100に表示された2次元コード191,192をそれぞれに設けられたカメラで撮影して、撮影した2次元コード191,192からパスワードおよびキャラクタ特定情報を読取ることによって、携帯端末100からゲーム機800およびパチンコ遊技機700などの遊技機の実機への2次元コード191,192に含まれるパスワードおよびキャラクタ特定情報の送信が行なわれるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、所定のゲームプログラムに基づいてゲームを実行するゲーム装置が、ゲーム機800であることとした。これに限定されず、当該ゲーム装置が、携帯端末100であることとしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700の遊技および遊技機シミュレーションゲームの修行演出に応じて、主人公キャラクタのパラメータを変化させるようにした。しかし、これに限定されず、遊技またはゲームの進行状況に応じて、遊技またはゲームの演出に用いられるキャラクタのパラメータを変化させるものであれば、他のものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700および遊技機シミュレーションゲームにおいて受付けられたパスワードで特定されるパラメータに応じた演出として、対決演出を行なうようにした。しかし、これに限定されず、受付けられたパスワードで特定されるパラメータに応じた演出は、他の演出であってもよい。たとえば、プレミア演出であってもよいし、キャラクタを追加した演出であってもよいし、演出が出現する出現率を変化させるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、ゲームの種類を示す種類情報、および、遊技機の機種を示す機種情報は、種類および機種をそれぞれ間接的に示す情報、具体的には、それぞれの演出で用いられる主人公キャラクタを特定可能なキャラクタ特定情報であることとした。しかし、これに限定されず、ゲームの種類および遊技機の機種をそれぞれ直接的に示す情報、たとえば、ゲームの種類および遊技機の機種のコードであってもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、図24のステップS465および図28のステップS965で説明したように、遊技機の実機および遊技機シミュレーションゲームの演出の主人公キャラクタが同一であることを条件として、受付けたパスワードに対応するパラメータに応じた演出を行なうようにした。
しかし、これに限定されず、受付けたパスワードに対応するパラメータに応じた演出を行なうための条件は、他の条件であってもよい。たとえば、遊技機の実機の機種および遊技機シミュレーションゲームの種類が同一であることであってもよいし、シリーズ機種であることであってもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、1つのシリーズの機種の遊技機の実機と遊技機シミュレーションゲームでパラメータを共有できることとした。しかし、これに限定されず、他の遊技機の機種や遊技機シミュレーションゲームの種類でも同じパラメータを共有できるように構成してもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、カードユニット600および携帯端末100を介して、遊技機の実機と遊技機シミュレーションゲームとがパラメータをやりとりするようにした。しかし、これに限定されず、カードユニット600および携帯端末100を介さないようにしてもよいし、カードユニット600は介さず携帯端末100を介するようにしてもよいし、携帯端末100は介さずカードユニット600を介するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700などの遊技機に対応して設けられ、ゲーム機800から出力されたパスワードの入力を受付け、パスワードをゲーム機800に入力させるためにパスワードを出力する遊技用装置が、カードユニット600であることとした。しかし、これに限定されず、呼出装置や遊技機ごとに設けられた情報表示装置であってもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、パラメータを受信する側だけでなく、当該パラメータを送信する側でも当該パラメータに応じた演出を行なうようにした。しかし、これに限定されず、当該パラメータを送信する側では当該パラメータに応じた演出を行なわないようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、遊技機の実機と遊技機シミュレーションゲームとでパラメータが共通であることとした。しかし、これに限定されず、遊技機の実機と遊技機シミュレーションゲームとで別のパラメータであることとしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、カードユニット600は、演出制御部740と直接通信するように構成した。しかし、これに限定されず、カードユニット600は、通常通信する払出制御部760を介して演出制御部740と通信するように構成してもよい。これによって、演出制御部740と通信する通信線を新たに設ける必要をなくすることができ、製造コストの上昇を抑えることができる。
(16) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700では、図24のステップS471でパラメータリセット操作が行なわれたと判断されることを条件として、パスワードを無効化するようにした。しかし、これに限定されず、所定時間非稼動であることを条件としてもよい。
また、遊技機シミュレーションゲームでは、図28のステップS971でパラメータ更新日時から所定時間経過したと判断されることを条件として、パスワードを無効化するようにした。しかし、これに限定されず、パラメータが更新されてから所定回数ゲームが起動されたことを条件としてもよいし、更新されたパラメータに応じた演出が開始されてから所定時間経過したことを条件としてもよいし、更新されたパラメータに応じた演出が開始されてから所定回数ゲームが起動されたことを条件としてもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、携帯端末の例として、たとえば電話機能を有する携帯端末100を示した。しかし、これに限定されず、本発明における携帯端末は、遊技機やゲーム機との間でパスワードを送受信する機能を有する携帯端末であれば、どのような携帯端末であってもよく、たとえば、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型パーソナルコンピュータ、および、腕時計などであってもよい。
(18) 前述した実施の形態においては、パスワードの取得方法は、パスワードを含む2次元コード191,192が携帯端末100のカメラ部190で撮影されること、および、赤外線でパスワードが受信されることにより取得されるようにした。しかし、これに限定されず、パスワードが、携帯端末100の非接触型ICチップでの通信機能等、他の通信手段を用いて取得できるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700などの遊技機の実機から遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800にパスワードが入力される場合、および、遊技機シミュレーションゲームを実行するゲーム機800からパチンコ遊技機700などの遊技機の実機にパスワードが入力される場合の両方が行なわれることとした。しかし、これに限定されず、いずれかのみが行なわれるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態においては、図21のステップS425からステップS429までおよび図22で説明したように、遊技者によって修行内容を選択可能なように構成した。しかし、これに限定されず、修行内容がランダムに決定されるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態においては、図21のステップS428で説明したように、選択された修行内容に応じたパラメータが1ランクずつアップするようにした。しかし、これに限定されず、ランダムに定められた上昇値分アップするようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、図16のステップS401および図22で説明したように、はずれとなる場合に修行演出が行なわれるようにした。つまり、修行演出が行なわれた場合は、必ず、はずれとなるようにした。しかし、これに限定されず、大当りとなる場合にも修行演出が行なわれるようにしてもよい。
また、図21のステップS428で説明したように、選択された修行内容に応じたパラメータが1ランクだけアップするようにした。しかし、これに限定されず、はずれとなる場合と、大当りとなる場合とで、パラメータの上昇値を異ならせるようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、図1、ならびに、図24のステップS454およびステップS455、ならびに、図25のステップS123からステップS125までおよびステップS127からステップS129まで、ならびに、図28のステップS954およびステップS955で説明したように、パチンコ遊技機700およびゲーム機800のそれぞれから2次元コード191,192での表示および赤外線の両方でパスワードが出力されるようにして、携帯端末100では、2次元コード191,192の表示および赤外線の両方でのパスワードの入力を受付可能なようにした。
しかし、これに限定されず、パチンコ遊技機700などの遊技機およびゲーム機800からは、2次元コード191,192での表示または赤外線のいずれかでパスワードが出力されるようにしてもよいし、携帯端末では、2次元コード191,192での表示または赤外線のいずれかでパスワードの入力を受付けるようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機700およびゲーム機800からは、2次元コード191,192での表示および赤外線の両方でパスワードが出力されるようにした。このため、ゲーム機800では、ゲーム機800のカメラで携帯端末100の表示部140に表示された2次元コード191,192を撮影すること、および、携帯端末100から送信された赤外線を受信することによって、パスワードの入力を受付けることができる。
しかし、本実施の形態では、ゲーム機800では、携帯端末100から送信された赤外線を受信することによってパスワードの入力を受付ける場合について説明した。
(25) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 キャラクタ育成システム、30 遊技場、50 ユーザ宅、100 携帯端末、110 データ処理部、120 記憶部、130 データ入力部、140 表示部、150 音声入出力部、160 無線通信部、161 アンテナ、180 赤外線通信部、190 カメラ部、191,192 2次元コード、600 カードユニット、610 制御部、630 入力部、640 表示部、660 通信インターフェイス、670 カードリーダライタ、680 赤外線通信部、690 貨幣処理機、700 パチンコ遊技機、710 遊技制御部、730 各種スイッチ、740 演出制御部、745 変動表示装置、750 各種アクチュエータ、760 払出制御部、765 球払出装置、800 ゲーム機、810 データ処理部、820 記憶部、831 コントローラ、840 表示制御部、841 モニタ、842 表示部、880 赤外線通信部。