JP5530795B2 - エアバッグ装置の配設構造 - Google Patents
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Description
このウエザストリップは、窓ガラスの内面に接触する第1リップシールや、ドアライニングの上端部やカバーの上端部を覆う第2リップシールを有している。
よって、第2リップシールに滴下した水滴(例えば、雨滴)を第2リップシールに沿ってサイドドアの前端部側や後端部側に導くことが可能である。
そして、導かれた水滴を前端部側や後端部側(すなわち、エアバッグの前端部側や後端部側)からサイドドア内に滴下させることができる。
一方、後端部側からの水滴の滴下中に、例えば、車両が下り勾配の坂道を走行する場合に、後端部側から滴下した水滴がインナパネルに沿ってエアバッグ側に浸入することが考えられる。
よって、ドア内に滴下した水滴を段差部に沿って下方に流してドアの外に排水することができる。
この段差部にエアバッグを設けることで、ドア内に滴下した水滴がドアパネルに沿ってエアバッグ側に浸入することを防止できる。
よって、ドア内に滴下した水滴が段差部を乗り越えることを、シール部材の上辺で規制することができる。
これにより、ドア内に滴下した水滴がドアパネルに沿ってエアバッグ側に浸入することを一層確実に防止できる。
さらに、前記シール部材27の前辺27c、後辺27dの少なくとも一方を段差部より外方に張り出した。これにより、車両が比較的大きな上り勾配の坂道を走行する場合や、車両が比較的大きな下り勾配の坂道を走行する場合に、水滴がエアバッグ装置側に浸入することをシール部材の前辺、後辺で防止できる。
これにより、ドアパネル(特に、段差部)の剛性を確保することが可能になり、ドアパネル(特に、段差部)でエアバッグを好適に保持することができる。
加えて、水滴規制手段に備えた内突出部の上端部をリテーナの外壁の上端部より下方に配置した。
これにより、水滴規制手段に滴下した水滴が内突出部を乗り越えた場合、乗り越えた水滴がリテーナ内に浸入することをリテーナの外壁で防いで、ドアパネルおよびリテーナ間の空間から車外に排水することができる。
なお、実施例においてはエアバッグ装置の配設構造15を取り付ける(配設する)車両用ドアとしてサイドドア10を例示するが、エアバッグ装置の配設構造15を取り付けるドアはサイドドア10に限定するものではない。
図1に示すように、サイドドア10は、サイドドア10の外装面がアウタパネル11で形成され、アウタパネル11の車室12側に窓ガラス13が昇降自在に設けられ、窓ガラス13の車室12側にエアバッグ装置の配設構造15を備えている。
このサイドドア10は、車両のルーフが開閉可能または着脱可能なコンバーチブルタイプの車両に用いられている。
外側シール部材17の外側リップシール18を窓ガラス13の外面13aに接触させることで、窓ガラス13の外面13aおよびアウタパネル11間が密封(シール)されている。
段差部28にエアバッグ装置25が車室12側から設けられている。
段差部28およびエアバッグ装置25間にシート状のシール部材27が介装されている。
なお、段差部28およびシート状のシール部材27については図5〜図7で詳しく説明する。
このエアバッグ装置25は、インナパネル21の段差部28に設けられたリテーナ41と、リテーナ41に折畳状態で保持されたエアバッグ42と、エアバッグ42にガスを供給するインフレータ43と、インフレータ43およびエアバッグ42を覆うカバー44とを備えている。
これにより、車室12側のインナパネル21の側面21aで、かつ、段差部28にリテーナ41が取り付けられている。
開口部56は、収納空間55を上方に向けて開口し、上方がカバー44で覆われている。
リテーナ41の収納空間55にエアバッグ42が折り畳まれた状態で収納されている。
すなわち、エアバッグ42は段差部28にリテーナ41を介して取り付けられている。
ガス導入パイプ57は、インフレータ43に連通されている。
このインフレータ43は、高圧ガスを発生することで、発生した押圧ガスをガス導入パイプ57を経てエアバッグ42に充填するガス充填手段である。
エアバッグ42に高圧ガスが充填されることでエアバッグ42が開口部56から上方に向けて展開される。
カバー44は、ライニング心材63および表皮材64で2層に形成され、エアバッグ42およびインフレータ43の略上方に設けられ、エアバッグ42を上方に向けて展開可能な展開リッド74を備えている。
ライニング心材63の表面は表皮材64で覆われている。
カバー44をドアライニング22に設けることで、ドアライニング22の開口部35がカバー44で塞がれるとともに、カバー44が車体前後方向に向けて延出されている。
後破断脆弱部72は、前破断脆弱部71と同様に、カバー44の裏面(すなわち、ライニング心材63)に略V字状に形成された切欠である。
図2に示すように、折曲脆弱部73は、カバー44の裏面(すなわち、ライニング心材63)に略V字状に形成された切欠である。
展開リッド74が上方に押し上げられることで、エアバッグ42を開口部56から窓ガラス13に沿って上方に展開させることができる。
この前変形許容部67は、サイドドア10に衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重で変形を許容するように形成された部位である。
この後変形許容部68は、サイドドア10に衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重で変形を許容するように形成された部位である。
同様に、後変形許容部68を衝撃荷重で変形させることで、展開開口手段66の後側(外側)の部位92を変形させることができる。
これにより、展開開口手段66が衝撃荷重で変形することを防ぐことができるので、展開開口手段66の展開リッド74を良好に開口することができる。
この段差部28は、インナパネル21の上端部21dに設けられた上張出壁31と、インナパネル21の前端部近傍21bに設けられた前張出壁32と、インナパネル21の後端部近傍21cに設けられた後張出壁33と、上端部21dの下方部位21eに設けられた下張出壁34と、それぞれの張出壁31〜34に設けられた平坦部36とを備えている。
前張出壁32は、インナパネル21の前端部近傍21bから車室12側に張り出された略鉛直状の壁部である。
後張出壁33は、インナパネル21の後端部近傍21cから車室12側に張り出された略鉛直状の壁部である。
下張出壁34は、インナパネル21の下方部位21eから車室12側に張り出された略水平状の壁部である。
また、下方部位21fの下辺に下溝37dが形成されている。下溝37dは、前端部が前溝37bに連通され、後端部が後溝37cに連通されている。
上溝37a、前溝37b、後溝37cおよび下溝37dで略矩形枠状の溝部37が形成されている。
よって、略矩形枠状の溝部37に充填した接着剤38に、シール部材27の外周27a近傍が接着される。
シール部材27で、インナパネル21の下方部位21fに形成された開口部39が覆われている。
また、図7に示すように、シール部材27の前辺27cは、段差部28の前張出壁32よりH2だけ車体前方に張り出されている。
さらに、シール部材27の後辺27dは、段差部28の後張出壁33よりH2だけ車体後方に張り出されている。
すなわち、シール部材27の上辺27b、前辺27cおよび後辺27dを段差部28からH2だけ張り出させることができる。
すなわち、図5、図6に示すように、リテーナ41の取付片49が段差部28にボルト51・ナット52で取り付けられ、リテーナ41の外壁46が段差部28にクリップ53で取り付けられている。
さらに、インフレータ43が段差部28にボルト61・ナット(図示せず)で取り付けられている。
すなわち、段差部28およびエアバッグ装置25間にシート状のシール部材27が介装されている。
よって、サイドドア10内に滴下した水滴(雨滴など)の流れを段差部28で規制し、段差部28に沿って下方に流してサイドドア10の外に排水できる。
これにより、サイドドア10内に滴下した水滴がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25側に浸入することを防止できる。
これにより、サイドドア10内に滴下した水滴がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25側に浸入することを一層確実に防止できる。
スティフナ29は、インナパネル21の前端部近傍21bから後端部近傍21cまで略水平に延出され、前端部近傍21bに前端部29aが接合され、後端部近傍21cに後端部29bが接合されている(図7参照)。
さらに、スティフナ29は、インナパネル21の上端部21dに上端部29cが接合され、段差部28の下張出壁34に下端部29dが接合されている(図6参照)。
これにより、インナパネル21(特に、段差部28)の剛性を確保することが可能になり、段差部28でエアバッグ装置25を好適に保持することができる。
そして、車室12側の面82aのうち残りの面がリテーナ41の外壁46に接触されている。
この状態で、ショルダ部83がカバー44の下向き張出部45の下方に設けられている。
さらに、窓ガラス13の内面13bに内側リップシール84が接触して、窓ガラス13の内面13bおよびインナパネル21間が密封(シール)されている。
このショルダ部83に向けて下向き張出部45が張り出されている。
内突出部85の上端部85aは、リテーナ41の外壁46の上端部46aに対してH4だけ下方に配置されている。
さらに、この内突出部85は、下向き張出部45に対して車幅方向内側に配置されている。
よって、規制凹部88に滴下した水滴が内突出部85を乗り越えた場合、乗り越えた水滴がリテーナ41内に浸入することを外壁46で防いで排水口87に導くことができる。
そして、排水口87に導いた水滴をインナパネル21およびリテーナ41間の空間79から車外に排水することができる。
規制凹部88は、上向きに開口するとともに車体前後方向に延びる空間89を備えた溝部である。
この規制凹部88の空間89に下向き張出部45の下端部が配置されている。
さらに、この下向き張出部45は、内突出部85に対して車幅方向外側で、かつ外突出部86に対して車幅方向内側の部位(すなわち、内外の突出部85,86間の部位)に配置され、ショルダ部83に向けて下方に張り出されている。
水切溝部77は、下向き張出部45からカバー44の裏面側に回り込もうとする(流れ込もうとする)水滴を、水切溝部77の凸角部78から下方に向けて滴下することができる。
この水切溝部77は、下向き張出部45と同様に、内突出部85に対して車幅方向外側で、かつ外突出部86に対して車幅方向内側の部位(すなわち、内外の突出部85,86間の部位)に配置されている。
そして、下向き張出部45や水切溝部77の凸角部78から滴下する水滴の落下方向を規制凹部88(ショルダ部83、内突出部85、外突出部86)で規制することができる。
これにより、エアバッグ装置25(特に、エアバッグ42やインフレータ43)側に水滴が滴下することを防ぐことができる。
図8(a)に示すように、カバー44の車外側端部44aから下向き張出部45に沿って水滴(雨滴など)95が矢印Aの如く落下する。
落下した水滴(雨滴など)95の一部が、下向き張出部45および外突出部86間の隙間(接触部)に浸入してサイドドア10内の規制凹部88に向けて矢印Bの如く滴下することが考えられる。
裏面44bに回り込もうとする水滴95は、水切溝部77の凸角部78から規制凹部88に向けて矢印Cの如く滴下する。
一方、規制凹部88に滴下した水滴95のうち、内突出部85を乗り越えた水滴95は、排水口87に矢印Dの如く導かれる。排水口87に導かれた水滴95は、排水口87を経て段差部28の上張出壁31に矢印Eの如く滴下する。
一方、上張出壁31に滴下した水滴95のうち、シール部材27の上辺27bを乗り越えた水滴95は、インナパネル21およびリテーナ41間の空間79に矢印Fの如く排水される。
前端部10aや後端部10bに到達した水滴95は、前端部10aや後端部10bから矢印Hの如く下方に落下する。
前張出壁32に導かれた水滴95は、前張出壁32に沿って下方に流れてサイドドア10の外に排水される。
このように、水滴95を前張出壁32に沿って下方に流すことで、例えば、車両が比較的緩やかな上り勾配の坂道を走行する場合に、水滴95がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25(特に、インフレータ43)側に浸入することを防止できる。
このように、水滴95を後張出壁33に沿って下方に流すことで、例えば、車両が比較的緩やかな下り勾配の坂道を走行する場合に、水滴95がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25(特に、エアバッグ42)側に浸入することを防止できる。
図9(b)に示すように、車両が比較的大きな上り勾配の坂道を走行する場合、水滴95が前張出壁32に沿って矢印Iの如く流れることが考えられる。
これにより、水滴95がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25(特に、インフレータ43)側に浸入することを一層確実に防止できる。
これにより、水滴95がインナパネル21に沿ってエアバッグ装置25(特に、インフレータ43)側に浸入することを一層確実に防止できる。
例えば、前記実施例では、コンバーチブルタイプの車両に用いたサイドドア10に本発明を適用する例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、クーペタイプの車両に用いたサイドドアに本発明を適用することも可能であり、リヤドアなどの他のドアに本発明を適用することも可能である。
あるいは、スティフナ29の上下の端部29c,29dのみをインナパネル21に接合することも可能である。
さらには、スティフナ29を備えない構成とすることも可能である。
Claims (3)
- 車室側のドアパネルの側面に設けられ、上方に向けて開口する開口部が形成されたリテーナと、
前記リテーナに折畳状態で保持され、前記開口部から展開可能なエアバッグと、
前記開口部を覆うとともに、前記エアバッグを上方に向けて展開可能なカバーと、を備え、
前記ドアパネルに前記車室側へ向けて張り出した段差部が設けられ、
前記段差部に前記エアバッグが前記リテーナを介して取り付けられ、
前記段差部および前記リテーナ間にシール部材が介装され、
前記シール部材は、
該シール部材の上辺が前記段差部より上方に張り出され、かつ、前記シール部材27の前辺27c、後辺27dの少なくとも一方が前記段差部より外方に張り出されたことを特徴とするエアバッグ装置の配設構造。 - 前記ドアパネルは、
前記段差部の車外側に設けられたスティフナを備え、
前記スティフナおよび前記段差部で閉断面を形成することを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置の配設構造。 - 前記ドアパネルの上端部に前記エアバッグ側への水滴の浸入を規制する水滴規制手段が設けられ、
前記水滴規制手段は、
車室側上部に上方に向けて突出する内突出部を有し、
前記内突出部の上端部が前記段差部に沿って設けられた前記リテーナの外壁の上端部より下方に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のエアバッグ装置の配設構造。
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