JP5530377B2 - 組立建物 - Google Patents

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本発明は、柱と、柱に横架した梁と、桁を有する屋根とを備え、梁から桁を吊り下げた構造又は梁の上に桁を載置して連結した構造の組立建物に関する。
従来、カーポート、テラス、バルコニーなどの組立建物は、特許文献1に示すように、柱と、柱に横架した梁と、屋根とを備え、屋根は軒に桁を有していて、梁から桁を吊り下げるか、または梁の上に桁を載置した構造となっている。そして何れの場合においても、梁と桁とは平面視して交差している。
特開2002−256623号公報
ところで、組立建物のより多様な設置パターンを実現するために、梁に対して桁を平行にして屋根を取り付けたいというニーズがある。しかし、特許文献1の組立建物では、梁に対して桁を平行にして連結することはできない。また、そのために梁や桁の構造を変更することは製造コストの上昇につながるため、従来の梁や桁を用いて、梁に対して桁を平行にして連結できる組立建物が求められていた。
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、梁から屋根の桁を吊り下げた構造又は梁の上に屋根の桁を載置した構造であって、梁と桁が平行な向きに連結する場合と、梁と桁が平面視して交差する向きに連結する場合を選択自在な組立建物を提供することを目的とする。
本発明のうち請求項1の発明は、梁と、柱と、屋根と、平行連結具と、交差連結具とを備え、梁は、柱に横架してあり、屋根は、桁を有しており、平行連結具及び交差連結具は、梁の長手方向の任意の位置に取付可能であり、梁と桁とを連結してあるものであって、平行連結具により梁と桁が平行な向きに連結する場合と、交差連結具により梁と桁が平面視して交差する向きに連結する場合を選択自在であることを特徴とする。
本発明のうち請求項2の発明は、梁と、柱と、複数の屋根と、平行連結具と、交差連結具とを備え、梁は、柱に横架してあり、屋根は、桁を有しており、平行連結具及び交差連結具は、梁の長手方向の任意の位置に取付可能であり、梁と桁とを連結してあるものであって、少なくとも一つの屋根は、平行連結具により梁と桁が平行な向きに連結してあり、少なくとも一つの屋根は、交差連結具により梁と桁が平面視して交差する向きに連結してあることを特徴とする。
本発明のうち請求項1の発明によれば、平行連結具と交差連結具とを適宜選択して使用することにより、梁と桁が平行な向きと、梁と桁が平面視して交差する向きの何れの向きでも連結することができる。
本発明のうち請求項2の発明によれば、一つの組立建物において、複数の屋根を異なる向きに配置することが可能であり(たとえば、二つの屋根を平面視L形に配置するなど)、敷地や隣接する建築物などの条件に応じた様々な設置パターンを実現できる。従来、複数の屋根を異なる向きに配置する場合には複数の組立建物を併設するしかなかったが、本発明によれば同じ梁に複数の屋根を異なる向きに取り付けられるので、柱の本数が少なくなり、使い勝手がよい。
組立建物の平面図である(第一実施形態)。 (a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図である。 組立建物の正面図である(第一実施形態)。 (a)は梁と桁の平行連結部分の側面図であり、(b)はその分解図である(第一実施形態)。 平行連結部分の正面図である(第一実施形態)。 平行連結部分の平面図である(第一実施形態)。 梁と桁の交差連結部分の正面図である(第一実施形態)。 交差連結部分の平面図である(第一実施形態)。 組立建物の平面図である(第二実施形態)。 (a)は図9のA−A線断面図、(b)は図9のB−B線断面図である。 組立建物の正面図である(第二実施形態)。 梁と桁の平行連結部分の側面図である(第二実施形態)。 平行連結部分の平面図である(第二実施形態)。 梁と桁の交差連結部分の側面図である(第二実施形態)。 交差連結部分の平面図である(第二実施形態)。 屋根の配置パターンの例示図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の組立建物は種々の用途に用いられるが、ここではカーポートの場合を示す。この組立建物の第一実施形態は、図1〜図3に示すように、平行に配置した二本の梁1と、二枚の屋根3とを備えており、それぞれの梁1は両端に柱2を連結して門形に組んである。二枚の屋根3は同じものであって、両側の軒に桁6を有しており、一方の屋根3(平行連結屋根3a)は梁1と桁6が平行な向きに、他方の屋根3(交差連結屋根3b)は梁1と桁6が平面視して直交する向きにして、二枚の屋根3を略L字形に配置してあり、吊下部材8によって梁1から桁6を吊り下げて連結してある。以下、梁1と桁6の連結部分について詳述する。
まず、梁1と、平行連結屋根3aの桁6の連結部分について説明する。この場合、梁1と桁6とが平行になっており、吊下部材8を四箇所に設けてある(図1)。図4〜図6に示すように、桁6は吊下部材8により梁1から吊り下げてあり、吊下部材8と梁1とは平行連結具4(平行連結梁側固定具4a)によって連結してあり、吊下部材8と桁6とは桁側固定具9によって連結してある。吊下部材8は、垂直アーム81と、傾斜アーム82からなる。垂直アーム81は、逆U字形で、梁1から桁6に向けて垂直に設けてあり、傾斜アーム82は、略台形で、梁1から桁6に向けて桁6の短手方向に傾斜させて設けてある。
平行連結梁側固定具4aは、平板状の基部41と、把持部42とを有している。基部41は梁1の短手方向に分割されており、それぞれの基部41には、梁1の短手方向に延びるボルト挿通孔43を形成してある。把持部42は、分割されたそれぞれの基部41の、梁1の側面側端部に設けてあって、基部41の端部から略水平方向に突出する受部42aと、受部42aを側方から覆うカバー材42bからなる。さらに、基部41の端部からは上方に向けて垂直片44が延びている。一方、梁1の下面には、長手方向の全長にわたって溝状の梁下面取付部11を形成してある。この梁下面取付部11に略矩形の裏板45を係止させ、平行連結梁側固定具4aの基部41を梁1の下面に当接させて、ボルトをボルト挿通孔43に挿入して裏板45と連結している。この際、垂直片44は梁1の側面に当接している。そして、受部42aに垂直アーム81及び傾斜アーム82の上端部分を引っ掛けて、側方からカバー材42bで覆い、カバー材42bを、垂直片44を貫通して梁1の側面にネジ止めしてある。なお、平行連結梁側固定具4aは、梁1の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、基部41が分割されており、かつ基部41のボルト挿通孔43が長孔になっているから、平行連結梁側固定具4aは短手方向幅が異なる種々の梁1に取り付けることができる。
桁側固定具9は、三つ一組で、桁6の長手方向に並べて用いている。それぞれの桁側固定具9は、本体91に、桁6の長手方向に貫通する取付孔92を有しており、両側の桁側固定具9の取付孔92に垂直アーム81の下端部分を挿入してある。さらに、中央の桁側固定具9の上面に傾斜アーム82の下端部分が当接し、その上から被覆材93を取り付けて桁側固定具9と傾斜アーム82を連結している。桁側固定具9の下端には鉤状の係合部94を形成してあり、桁6の長手方向の全長にわたって設けた被係合部61に係合する。さらに、桁側固定具9は裏板95を有し、また桁6の上面には長手方向の全長にわたって溝状の桁上面取付部62が形成してあり、裏板95が桁上面取付部62に係止されていて、本体91と裏板95とをボルト止めしてある。なお、桁側固定具9は、桁6の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。
このように、平行連結梁側固定具4aは、梁1の長手方向の任意の位置に取り付けることができ、また桁側固定具9は、桁6の長手方向の任意の位置に取り付けることができるので、平行連結屋根3aは、梁1の長手方向の任意の位置に取りつけることができる。
次に、梁1と、交差連結屋根3bの桁6の連結部分について説明する。この場合、梁1と桁6とが平面視して直交しており、吊下部材8を四箇所に設けてある(図1)。図7及び図8に示すように、桁6は吊下部材8により梁1から吊り下げてあり、吊下部材8と梁1とは交差連結具5(交差連結梁側固定具5a)によって連結してあり、吊下部材8と桁6とは桁側固定具9によって連結してある。吊下部材8は、平行連結屋根3aに用いたものと同じものであり、垂直アーム81と傾斜アーム82からなる。また、桁側固定具9も、平行連結屋根3aに用いたものと同じである。
交差連結梁側固定具5aは、二つ一組のもので、略矩形の裏板51と、略半円形状の保持部材52と、円形の受材53からなり、裏板51と受材53で垂直アーム81と傾斜アーム82それぞれの上端部分を上下から挟み、さらに二つの保持部材52でそれぞれの上端部分を水平方向から挟んで、裏板51、保持部材52及び受材53を貫通してボルト止めしてある。そして、裏板51が梁下面取付部11に係止されている。なお、交差連結梁側固定具5aは、梁1の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、図8に示すように、保持部材52には円弧状のボルト挿通孔54を形成してあり、このボルト挿通孔54の範囲で桁6に対して梁1を傾斜させて連結できる。
このように、交差連結梁側固定具5aは、梁1の長手方向の任意の位置に取り付けることができ、また桁側固定具9は、桁6の長手方向の任意の位置に取り付けることができるので、交差連結屋根3bは、水平方向の任意の位置に取り付けることができる。さらに、交差連結屋根3bは梁1に対して平面視して傾斜させて取り付けることもできる。
以上のように、平行連結屋根と交差連結屋根のそれぞれの連結部分において、異なる部材は平行連結具(平行連結梁側固定具)と交差連結具(交差連結梁側固定具)のみであり、それ以外はすべて共通の部材が用いられている。よって、平行連結具と交差連結具とを適宜選択して使用することにより、梁と桁が平行な向きと、梁と桁が平面視して交差する向きの何れの向きでも連結することができる。また、本実施形態のように、同じ梁に複数の屋根を異なる向きに取り付けることもできる。そして、垂直アームと傾斜アームとを有する吊下部材を用いることで構造が特に強固になっており、上述の平行連結梁側固定具及び交差連結梁側固定具を用いることで、この吊下部材を、梁と桁が平行な向きと、梁と桁が平面視して交差する向きの何れの向きにおいても使用することができる。
次に、本発明の組立建物の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、図9〜図11に示すように、平行に配置した二本の梁1と、二枚の屋根3とを備えており、それぞれの梁1は両端に柱2を連結して門形に組んである。二枚の屋根3は同じものであって、両側の軒に設けた桁6と、桁6に直交する垂木7とを有しており、一方の屋根3(平行連結屋根3a)は梁1と桁6が平行な向きに、他方の屋根3(交差連結屋根3b)は梁1と桁6が平面視して直交する向きにして、二枚の屋根3を略L字形に配置してあり、梁1の上に桁6を載置して、平行連結具4及び交差連結具5により連結してある。以下、梁1と桁6の連結部分について詳述する。
まず、梁1と、平行連結屋根3aの桁6の連結部分について説明する。この場合、梁1と桁6とが平行になっており、平行連結具4を四箇所に取り付けて梁1と桁6とを連結してある(図9)。図12及び図13に示すように、平行連結具4は、桁固定具100と、垂木固定具110とを組み合わせたものである。桁固定具100は、平板部101と、鉤状の爪部102とを有する。また、垂木固定具110は、平板を三回直角に折り曲げた形状で、梁1の側面に当接する垂直面111と、垂木7の下面に当接する水平面112とを有する。そして、桁6の下面には、長手方向の全長にわたって溝状の桁下面取付部63が形成してある。また、桁6の側面には、桁6に直交する垂木7を連結してある。さらに、梁1の両側面上端には長手方向の全長にわたって梁側爪部12が形成してある。これらの桁固定具100及び垂木固定具110により梁1と桁6とを連結するには、まず梁1の上面に略直方体形状のスペーサ120を載置し、さらにその上に桁6を載置する。そして、桁固定具100の平板部101を桁6の下面に当接させ、爪部102を梁1の外側側面の梁側爪部12に係合させて、桁固定具100と、桁下面取付部63に係止させた裏板130とをボルト止めする。さらに、垂木固定具110の垂直面111を梁1の内側側面に当接させてネジ止めし、水平面112を垂木7の下面に当接させてネジ止めする。なお、桁固定具100は、梁1の長手方向の任意の位置に取りつけることができ、かつ桁6の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。また、垂木固定具110は、梁1の長手方向の任意の位置に取りつけることができる。よって、平行連結屋根3aは、梁1の長手方向の任意の位置に取りつけることができる。さらに、本実施形態では、桁固定具100と垂木固定具110とを梁1の長手方向にずらして取り付けてあるが(図13)、両者が対向するように取り付けてもよい。
次に、梁1と、交差連結屋根3bの桁6の連結部分について説明する。この場合、梁1と桁6とが平面視して直交しており、交差連結具5を四箇所に取り付けて梁1と桁6とを連結してある(図9)。図14及び図15に示すように、交差連結具5は、二つの桁固定具100を組み合わせたものである。桁固定具100は、平行連結屋根3aに用いたものと同じものであり、平板部101と、爪部102とを有する。また、スペーサ120及び裏板130も、平行連結屋根3aに用いたものと同じである。桁固定具100により梁1と桁6とを連結するには、まず梁1の上面に二つのスペーサ120を載置し、さらにその上に桁6を載置する。そして、二つの桁固定具100の平板部101を桁6の下面に当接させ、それぞれの爪部102を梁1の両側面の梁側爪部12に係合させて、桁固定具100と、桁下面取付部63に係止させた裏板130とをボルト止めする。なお、桁固定具100は、梁1の長手方向の任意の位置に取りつけることができ、かつ桁6の長手方向の任意の位置に取り付けることができる。よって、交差連結屋根3bは、水平方向の任意の位置に取りつけることができる。さらに、梁1の両側面の桁固定具100を梁1の長手方向にずらして取り付けることにより、桁6に対して梁1を傾斜させて連結できる。よって、交差連結屋根3bは梁1に対して平面視して傾斜させて取り付けることもできる。
以上のように、第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、平行連結屋根と交差連結屋根のそれぞれの連結部分において、異なる部材は平行連結具(桁固定具と垂木固定具)と交差連結具(二つの桁固定具)のみであり、それ以外はすべて共通の部材が用いられている。よって、桁固定具と垂木固定具とを適宜選択して使用することにより、梁と桁が平行な向きと、梁と桁が平面視して交差する向きの何れの向きでも連結することができる。また、本実施形態のように、同じ梁に複数の屋根を異なる向きに取り付けることもできる。
なお、第一実施形態と第二実施形態とは、梁、柱及び屋根(桁)はすべて共通の部材を用いているから、平行連結具、交差連結具及びその他梁と桁の連結に必要な吊下部材などを用意すれば、第一実施形態の屋根を梁から吊り下げる場合と、第二実施形態の屋根を梁に載置する場合とを選択することができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態の何れにおいても、梁1に対する屋根3の配置パターンは自在である。たとえば、図16(a)〜(c)は、屋根3を梁1から吊り下げた第一実施形態の場合であり、図16(a)に示すように、二枚の屋根3をT字形に配置してもよい。また、図16(b)に示すように、平行連結屋根3aを台形形状として、その傾斜辺に交差連結屋根3bが沿うように、交差連結屋根3bを梁1に対して傾斜させてもよい。さらに、図16(c)に示すように、同じ梁1に三枚の屋根3を取り付け、中央の屋根3を平行連結屋根3a、両端の屋根3を交差連結屋根3bとして、コ字形に配置してもよい。また、図16(d)は、屋根3を梁1に載置した第二実施形態の場合であり、図9に示した場合と同様に二枚の屋根3をL字形に配置したものであるが、屋根3を梁1の長手方向にずらして連結してあり、平行連結屋根3aが梁1から突出していて、平行連結屋根3aの下に柱2が位置している。その他、屋根3の形状を平行四辺形などにしたり、同じ梁1に四枚以上の屋根3を取り付けたりしてもよい。なお、図16(a)〜(c)は第一実施形態の場合を示したが、第二実施形態でも同様に配置できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。平行連結具及び交差連結具や、その他吊下部材、桁側固定具などの構造は、梁と桁が平行な向きと、梁と桁が平面視して交差する向きの何れの向きでも連結することができるものであれば、どのようなものであってもよい。また、この組立建物は、カーポート以外に、テラスやバルコニーなどとして使用するものであってもよい。
1 梁
2 柱
3 屋根
4 平行連結具
5 交差連結具
6 桁

Claims (2)

  1. 梁と、柱と、屋根と、平行連結具と、交差連結具とを備え、梁は、柱に横架してあり、屋根は、桁を有しており、平行連結具及び交差連結具は、梁の長手方向の任意の位置に取付可能であり、梁と桁とを連結してあるものであって、平行連結具により梁と桁が平行な向きに連結する場合と、交差連結具により梁と桁が平面視して交差する向きに連結する場合を選択自在であることを特徴とする組立建物。
  2. 梁と、柱と、複数の屋根と、平行連結具と、交差連結具とを備え、梁は、柱に横架してあり、屋根は、桁を有しており、平行連結具及び交差連結具は、梁の長手方向の任意の位置に取付可能であり、梁と桁とを連結してあるものであって、少なくとも一つの屋根は、平行連結具により梁と桁が平行な向きに連結してあり、少なくとも一つの屋根は、交差連結具により梁と桁が平面視して交差する向きに連結してあることを特徴とする組立建物。
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